ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード![]() |
審決分類 |
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備 H05B 審判 全部申し立て 2項進歩性 H05B 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 H05B 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 H05B |
---|---|
管理番号 | 1347678 |
異議申立番号 | 異議2018-700001 |
総通号数 | 230 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2019-02-22 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-12-27 |
確定日 | 2018-12-07 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6153560号発明「電磁調理器用保護マット」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6153560号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?3〕について訂正することを認める。 特許第6153560号の請求項1?3に係る特許を維持する。 |
理由 |
1 手続の経緯 特許第6153560号の請求項1?3に係る特許についての出願は、平成24年8月6日(優先権主張平成23年8月12日)に出願した特願2012-174425号の一部を平成27年4月10日に新たな特許出願としたものであって、平成29年6月9日にその特許権の設定登録がされ、平成29年6月28日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、平成29年12月27日に特許異議申立人河野亜美(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、当審は、平成30年5月22日に取消理由を通知した。特許権者は、その指定期間内である平成30年7月23日に意見書の提出及び訂正の請求を行い、その訂正の請求に対して、申立人は、平成30年8月27日に意見書を提出した。 2 訂正の適否についての判断 (1)訂正の内容 本件訂正請求による訂正の内容は、以下のア、イのとおりである(下線は訂正箇所を示す。)。なお、本件訂正請求は、一群の請求項〔1?3〕に対して請求されたものであり、明細書に係る訂正は、一群の請求項〔1?3〕について請求されたものである。 ア 訂正事項1 請求項1の「第1被覆層および第2被覆層とを有し、」を「第1被覆層および第2被覆層とを有し、前記シリコーンゴムの塗布量は100?110g/m^(2)であり、」に訂正する。 イ 訂正事項2 発明の詳細な説明の段落【0009】の「第1被覆層および第2被覆層とを有し、」という記載を「第1被覆層および第2被覆層とを有し、前記シリコーンゴムの塗布量は100?110g/m^(2)であり、」に訂正する。 (2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 ア 訂正事項1について 訂正事項1は、シリコーンゴムからなる第1被覆層および第2被覆層について、シリコーンゴムの塗布量が100?110g/m^(2)であるとの限定を付加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、本件特許明細書には「第1被覆層12および第2被覆層13は、耐熱性の高いシリコーンゴムを基材11の表面に塗布し、乾燥させる工程を2回繰り返すことにより形成される。この工程におけるシリコーンゴムの塗布量は、100?110g/m^(2)である。」(【0018】)と記載されていることから、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 イ 訂正事項2について 訂正事項2は、上記アの特許請求の範囲の訂正に伴う明細書の訂正であるから、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であって、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (3)小括 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、明細書、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?3〕について訂正することを認める。 3 本件発明 請求項1?3に係る発明は、訂正特許請求の範囲の請求項1?3に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 【請求項1】 ガラス繊維織物からなるシート状の基材と、この基材の両面にそれぞれ形成されたシリコーンゴムからなる第1被覆層および第2被覆層とを有し、前記シリコーンゴムの塗布量は100?110g/m^(2)であり、前記第1被覆層および前記第2被覆層に対して株式会社エリオニクス製の超微小押し込み硬さ試験機(ENT-1100a)により測定される結果を元に算出される複合ヤング率が22N/mm^(2)以上100N/mm^(2)以下であることを特徴とする電磁調理器用保護マット。 【請求項2】 前記第1被覆層は、平均摩擦係数が0.45以上であることを特徴とする請求項1に記載の電磁調理器用保護マット。 【請求項3】 前記第2被覆層は、表面凹凸が0.8μm以上4μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁調理器用保護マット。 4 取消理由通知に記載した取消理由について (1)取消理由の概要 訂正前の請求項1?3に係る特許に対して、当審が平成30年5月22日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。 請求項1?3には、シリコーンゴムからなる第1被覆層および第2被覆層について、厚さに関する特定がなされていないから、所定のクッション性を得るために必要な構成が特定されているとはいえない。 よって、本件特許は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないから、請求項1?3に係る発明についての特許は取り消すべきものである。 (2)当審の判断 本件訂正請求により、請求項1に係る発明は、「シリコーンゴムからなる第1被覆層および第2被覆層とを有し、前記シリコーンゴムの塗布量は100?110g/m^(2)であり」との事項が特定されたものとなった。これにより、第1被覆層および第2被覆層の各々について、シリコーンゴムの塗布量が特定されたことで、実質的に厚さに関する特定がなされたといえるから、上記取消理由は解消した。 申立人は、平成30年8月27日付け意見書において、請求項1の「前記シリコーンゴムの塗布量は100?110g/m^(2)であり」との記載は、第1被覆層および第2被覆層の、各々のシリコーンゴムの塗布量を特定しているのか、第1被覆層および第2被覆層の両方を合わせたシリコーンゴムの塗布量を特定しているのかが明確でないため、第1被覆層および第2被覆層の厚さに関する事項が明確に特定されたとはいえない旨を主張する。 しかし、請求項1には「基材の両面にそれぞれ形成されたシリコーンゴム」との記載があり、「前記シリコーンゴム」とは、基材の両面にそれぞれ形成されたシリコーンゴムを指すと解されるから、「前記シリコーンゴムの塗布量は100?110g/m^(2)であり」との記載は、基材の両面に形成されたそれぞれのシリコーンゴムの塗布量を特定していると解するのが自然である。加えて、シリコーンゴムの塗布量について、発明の詳細な説明の記載を参照すると、「第1被覆層12および第2被覆層13は、耐熱性の高いシリコーンゴムを基材11の表面に塗布し、乾燥させる工程を2回繰り返すことにより形成される。この工程におけるシリコーンゴムの塗布量は、100?110g/m^(2)である。」(【0018】)と記載されている。ここで、シリコーンゴムを基材の表面に塗布し、乾燥させる工程について、「2回繰り返す」と記載されていることから、当該工程は、第1被覆層および第2被覆層の各被覆層毎に、2回繰り返すと解される。そして、「この工程におけるシリコーンゴムの塗布量」とは、上記2回繰り返される工程について説明するものであるから、第1被覆層および第2被覆層の各被覆層の塗布量をいうものと解される。また、実施例に係る【表1】の記載をみても、第1被覆層(裏)および第2被覆層(表)の各々について複合ヤング率等の特性が示されているから、第1被覆層および第2被覆層の各々の特性を特定することに意義が認められる。一方、発明の詳細な説明には、第1被覆層および第2被覆層の両方を合わせたシリコーンゴムの塗布量に意義があることを窺わせる記載はない。したがって、請求項1の「前記シリコーンゴムの塗布量は100?110g/m^(2)であり」との記載は、第1被覆層および第2被覆層の各々について、シリコーンゴムの塗布量が100?110g/m^(2)であることを特定していることが明らかであるので、上記申立人の主張は採用できない。 よって、本件特許は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないということはできない。 5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について (1)特許異議申立理由の概要 申立人が主張する特許異議申立理由の概要は、次のとおりである。 ア 理由1(特許法第36条第6項第2号) 請求項1?3に係る発明は、以下の点で、明確ではないから、特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 (a) 請求項1の記載は、シリコーンゴムの塗布量を100?110g/m^(2)とする旨の記載を欠いている点で不明確である。 (b) 請求項1の記載は、「前記第1被覆層および前記第2被覆層に対して・・・測定される結果を元に算出される複合ヤング率が22N/mm^(2)以上100N/mm^(2)以下である」の「前記第1被覆層および前記第2被覆層」との記載が、第1被覆層および第2被覆層を合わせたものを意味するのか、第1被覆層および第2被覆層の各々を意味するのかが不明確である。 (c) 請求項1の複合ヤング率が、何を測定した結果をもとに算出された数値なのか不明確である。 イ 理由2(特許法第36条第6項第1号) 請求項1?3に係る発明は、以下の点で、発明の詳細な説明に記載したものではないから、特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 (a) 請求項1の「前記第1被覆層および前記第2被覆層に対して・・・測定される結果を元に算出される複合ヤング率が22N/mm^(2)以上100N/mm^(2)以下である」の「前記第1被覆層および前記第2被覆層」との記載が、第1被覆層および第2被覆層の両方を合わせたものを指すとすれば、請求項1に係る発明は発明の詳細な説明に記載されたものではない。 (b) 発明の詳細な説明に記載されている複合ヤング率が、基材も含めた保護マット全体のものである場合、請求項1に係る発明は発明の詳細な説明に記載されたものではない。 ウ 理由3(特許法第36条第4項第1号) 発明の詳細な説明は、以下の点で、当業者が請求項1?3に係る発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものではないから、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。 (a) 請求項1に「前記第1被覆層および前記第2被覆層に対して・・・測定される結果を元に算出される複合ヤング率が22N/mm^(2)以上100N/mm^(2)以下である」と特定されているのに対し、発明の詳細な説明に記載されている複合ヤング率は、マット全体を測定して算出したものとも解され、その場合、請求項1?3に係る発明を実施することはできない。 (b) 請求項1の「前記第1被覆層および前記第2被覆層に対して・・・測定される結果を元に算出される複合ヤング率が22N/mm^(2)以上100N/mm^(2)以下である」の「前記第1被覆層および前記第2被覆層」との記載が、第1被覆層および第2被覆層の両方を合わせたものを指すとすれば、発明の詳細な説明に記載がない。 エ 理由4(特許法第29条第1項第3号) 請求項1に係る発明は、甲第2号証?甲第4号証のいずれかに記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 オ 理由5(特許法第29条第2項) 請求項1?3に係る発明は、甲第2号証?甲第4号証のいずれかに記載された発明及び甲第5号証?甲第14号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 <甲号証> 甲第2号証:実願昭58-130783号(実開昭60-38492号)のマイクロフィルム 甲第3号証:特開2008-10409号公報 甲第4号証:特開2009-140887号公報 甲第5号証:ISO 14577-1、「Metallic materials - Instrumented indentation test for hardness and materials parameters - Part 1: Test metod」、2002年 甲第6号証:甲第5号証の部分訳 甲第7号証:異議2015-700294号における特許権者の平成28年4月28日付け意見書 甲第8号証:「連載 ゴムの科学と技術(第1回) 第1章 ゴム弾性:基礎概念と基本挙動」、日本ゴム協会誌、1982年、第55巻、第4号、p.253-263 甲第9号証:The Engineering ToolBox のウェブページ出力物(「Modulus of Elasticity or Young's Modulus - and Tensile Modulus for common Materials」のページ) 甲第10号証:甲第9号証の翻訳 甲第11号証:gooブログのウェブページ出力物(「Engineering ToolBox (SketchUp Plugin プラグイン」のページ) 甲第12号証:特開2002-75618号公報 甲第13号証:共和工業のウェブページ出力物(「ゴム製品の技術情報 ヤング率とは?」のページ) 甲第14号証:特開2004-207121号公報 (2)当審の判断 ア 理由1(特許法第36条第6項第2号)について 本件訂正請求により、請求項1に「シリコーンゴムからなる第1被覆層および第2被覆層とを有し、前記シリコーンゴムの塗布量は100?110g/m^(2)であり」との事項が付加された。 また、発明の詳細な説明の記載を参酌すれば、実施例及び比較例の電磁調理器用保護マットの測定結果を示す【表1】に、表(第2被覆層)と裏(第1被覆層)のそれぞれについて複合ヤング率の測定値が記載されていることからみて、請求項1の「前記第1被覆層および前記第2被覆層に対して・・・測定される結果を元に算出される複合ヤング率が22N/mm^(2)以上100N/mm^(2)以下である」とは、第1被覆層および第2被覆層のそれぞれの複合ヤング率を特定する趣旨であることが明らかである。 よって、請求項1?3の記載に不明確なところはなく、特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしている。 イ 理由2(特許法第36条第6項第1号)について 上記アで検討したとおり、請求項1の「前記第1被覆層および前記第2被覆層に対して・・・測定される結果を元に算出される複合ヤング率が22N/mm^(2)以上100N/mm^(2)以下である」とは、第1被覆層および第2被覆層のそれぞれの複合ヤング率を特定する趣旨であり、発明の詳細な説明にも、実施例及び比較例の電磁調理器用保護マットについて、第1被覆層と第2被覆層のそれぞれについて複合ヤング率を測定した結果が記載されているのであるから、請求項1?3に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものといえる。 申立人の主張は、請求項1の「前記第1被覆層および前記第2被覆層に対して・・・測定される結果を元に算出される複合ヤング率が22N/mm^(2)以上100N/mm^(2)以下である」の「前記第1被覆層および前記第2被覆層」との記載が、第1被覆層および第2被覆層の両方を合わせたものを指すこと、あるいは、発明の詳細な説明に記載されている複合ヤング率が、基材も含めた保護マット全体のものである場合を前提とする主張であるところ、これらの前提を採用できないことは前記のとおりである。 よって、請求項1?3に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものであり、特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしている。 ウ 理由3(特許法第36条第4項第1号)について 上記アで検討したとおり、請求項1の「前記第1被覆層および前記第2被覆層に対して・・・測定される結果を元に算出される複合ヤング率が22N/mm^(2)以上100N/mm^(2)以下である」とは、第1被覆層および第2被覆層のそれぞれの複合ヤング率を特定する趣旨であるところ、発明の詳細な説明には、実施例の電磁調理器用保護マットについて、第1被覆層と第2被覆層のそれぞれについて複合ヤング率を測定し、そのいずれもが上記範囲内であったことが記載されているのであるから、発明の詳細な説明の記載は、当業者が請求項1?3に係る発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものといえる。 申立人の主張は、発明の詳細な説明に記載されている複合ヤング率が、マット全体を測定して算出したものと解した場合、あるいは、請求項1の「前記第1被覆層および前記第2被覆層に対して・・・測定される結果を元に算出される複合ヤング率が22N/mm^(2)以上100N/mm^(2)以下である」の「前記第1被覆層および前記第2被覆層」との記載が、第1被覆層および第2被覆層の両方を合わせたものを指す場合を前提とする主張であるところ、これらの前提を採用できないことは前記のとおりである。 よって、発明の詳細な説明の記載は、当業者が請求項1?3に係る発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであり、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしている。 エ 理由4(特許法第29条第1項第3号)、理由5(特許法第29条第2項)について (ア)甲第2号証の記載 甲第2号証には、図面とともに、以下の事項が記載されている。 「1.考案の名称 電磁誘導加熱調理器における器物安定載置用シート」(明細書1頁2?4行) 「第4図および第5図は、この考案の第2および第3実施例をそれぞれ示している。 第4図に示されている器物安定載置用シート(5A)は、ガラスクロス(9)の両面にシリコンゴムシート(10)が接合されたものである。ガラスクロス(9)は繊維ガラスが格子孔に編まれたものであつて、強度を増すために設けられたものである。」(明細書6頁2?8行) 上記記載によれば、甲第2号証には、次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。 「ガラスクロスの両面にシリコンゴムシートが接合された電磁誘導加熱調理器における器物安定載置用シート。」 (イ)甲第3号証の記載 甲第3号証には、図面とともに、以下の事項が記載されている。 「【発明の名称】電磁調理器用汚れ防止マット」 「【0041】 これらの図を参照して、汚れ防止マット21は磁力線の透過性を有するガラス繊維よりなる織布23(厚さ:0.5mm)両面に非透水性のシリコーンコート24a及び24b(各々厚さ:10μm)を全面に施したものを円形に切り出したもので・・・」 上記記載によれば、甲第3号証には、次の発明(以下「甲3発明」という。)が記載されていると認められる。 「ガラス繊維よりなる織布の両面に非透水性のシリコーンコートを全面に施した電磁調理器用汚れ防止マット。」 (ウ)甲第4号証の記載 甲第4号証には、図面とともに、以下の事項が記載されている。 「【発明の名称】電磁調理器用汚れ防止マット」 「【0026】 これらの図を参照して、汚れ防止マット9は、磁力線の透過性を有するガラス繊維よりなる織布23の両面に非透水性のシリコーンコート24a及び24bを全面に施したものを円形に切り出してシート体11としたものある。」 上記記載によれば、甲第4号証には、次の発明(以下「甲4発明」という。)が記載されていると認められる。 「ガラス繊維よりなる織布の両面に非透水性のシリコーンコートを全面に施した電磁調理器用汚れ防止マット。」 (エ)甲2発明との対比・判断 請求項1に係る発明(以下「本件発明1」という。)と甲2発明を対比すると、両者の一致点、相違点は次のとおりである。 [一致点] ガラス繊維織物からなるシート状の基材と、この基材の両面にそれぞれ形成されたシリコーンゴムからなる第1被覆層および第2被覆層とを有する、電磁調理器用保護マット [相違点] 本件発明1は、シリコーンゴムからなる第1被覆層および第2被覆層について、「シリコーンゴムの塗布量は100?110g/m^(2)」であること、及び、「株式会社エリオニクス製の超微小押し込み硬さ試験機(ENT-1100a)により測定される結果を元に算出される複合ヤング率が22N/mm^(2)以上100N/mm^(2)以下」であることが特定されているのに対し、甲2発明は、シリコーンゴムの塗布量や複合ヤング率が特定されたものではない点。 上記のとおり相違点が存在するから、本件発明1は、甲2発明ではない。 申立人は、本件発明1の複合ヤング率22?100N/mm^(2)は、押込み弾性率(ヤング率)16.7?75N/mm^(2)と換算され、一方、甲第9号証によれば、一般的なゴムのヤング率は10?100N/mm^(2)であることから、甲2発明のシリコンゴムシートも当該一般的なゴムのヤング率を当然に有しており、両者の複合ヤング率は一致していると主張する。しかし、一般的なゴムとシリコーンゴムを同一視することはできず、甲2発明のシリコンゴムシートのヤング率が16.7?75N/mm^(2)であるとはいえないから、上記申立人の主張は採用できない。 また、甲第5号証?甲第14号証にも、上記相違点に係る本件発明1の構成は記載も示唆もされていない。甲第13号証には、「シリコーンゴムのヤング率」として、4?40.3MPa(4?40.3N/mm^(2))の例が記載されているが、甲2発明のシリコンゴムシートとして、甲第13号証に例示されたシリコーンゴムの中から、複合ヤング率22?100N/mm^(2)のものを選択して用いる動機付けはない。よって、上記相違点に係る本件発明1の構成を当業者が容易に想到し得たとはいえない。 したがって、本件発明1は、甲2発明及び甲第5号証?甲第14号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 また、請求項2、3に係る発明は、本件発明1をさらに技術的に限定したものであるから、同様に、甲2発明及び甲第5号証?甲第14号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (オ)甲3発明、甲4発明との対比・判断 本件発明1と甲3発明又は甲4発明を対比すると、両者の一致点、相違点は、上記(エ)で検討した、本件発明1と甲2発明の一致点、相違点と同様であり、その判断についても、同様である。 したがって、本件発明1は、甲3発明ではなく、甲4発明でもない。 また、請求項1?3に係る発明は、甲3発明又は甲4発明及び甲第5号証?甲第14号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (カ)小括 請求項1に係る発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものではない。 また、請求項1?3に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。 6 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、請求項1?3に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1?3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 電磁調理器用保護マット 【技術分野】 【0001】 本発明は、コンロ型の電磁調理器のトッププレートを保護する電磁調理器用保護マットに関する。 【背景技術】 【0002】 電磁調理器は、内部に埋め込んだコイルによる電磁誘導加熱の原理を利用して、鍋等の金属製容器を加熱して調理する装置であり、IH調理器などとも呼ばれている。電磁調理器は、強化ガラス製の平坦なトッププレート上に載置した金属製容器の自己発熱によって容器内部の材料を加熱する。したがって、トッププレート自体が発熱しないので焼き付きが生じにくく、また平坦なトッププレートは清掃が容易である。 【0003】 しかしながら、高温となった金属製容器によってトッププレートも加熱されて高温となるので、トッププレートに汚れが付着した場合には、焼け焦げて固着し、清掃に手間がかかってしまう。また、トッププレートが強化ガラス製であるため、鍋を移動する際にトッププレートに傷がついたり、鍋をトッププレート上に載置する際に衝撃が生じたり、平坦なトッププレートに対して鍋が滑って移動してしまい加熱効率が低下したりするという問題があった。 【0004】 これに対し、特許文献1には、トッププレートの汚れを防止するための電磁調理器用保護シートが提案されている。この保護シートは、渦電流を遮蔽せず耐熱性を有する紙製品、食品梱包用ラップフィルム、フッ素樹脂ゴムを施したガラス繊維などからなり、トッププレートを覆うことにより汚れがトッププレートに付着するのを防止するものである。 【0005】 また、特許文献2に提案された電磁調理器用防汚シートは、紙や不織布等の支持体の表面を所定の樹脂で被覆して形成されることにより、シート自体の高温化を防ぎ、安全性の向上が図られている。また、シート裏面に接着剤層が設けられていることにより、電磁調理器からのずり落ち等が防止されている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0006】 【特許文献1】登録実用新案第3111559号公報 【特許文献2】特開2004-207121号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 しかしながら、従来のシートでは、電磁調理器の熱源に敷設して調理する際、調理器具の擦動によってシートの位置がずれて加熱ロスが生じ、電気代が余分にかかるといった問題があった。また、ずれたシートを熱源の中心に合わせて元の位置にセットし直さなければならず、調理の際のストレスとなっていた。 【0008】 本発明は、電磁調理器のトッププレートにおいて、鍋のような調理器具等による傷つき、汚れの付着および熱による焼け焦げ等を防止するとともに、調理時の器具の滑りを防止し、調理器具とトッププレートとの間に快適なクッション性を与えることを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ガラス繊維織物からなるシート状の基材と、この基材の両面にそれぞれ形成されたシリコーンゴムからなる第1被覆層および第2被覆層とを有し、前記シリコーンゴムの塗布量は100?110g/m^(2)であり、前記第1被覆層および前記第2被覆層に対して株式会社エリオニクス製の超微小押し込み硬さ試験機(ENT-1100a)により測定される結果を元に算出される複合ヤング率が22N/mm^(2)以上100N/mm^(2)以下である。 この場合、前記第1被覆層は、平均摩擦係数が0.45以上であることが好ましい。 また、前記第2被覆層は、表面凹凸が0.8μm以上4μm以下であることが好ましい。 【0010】 なお、ここで「表面凹凸」とは、カトーテック株式会社製の自動化表面試験機(KES-FB4-AUTO-A)により測定される表面粗さであり、数値が大きいほど凹凸が大きいといえる。また、ここで「平均摩擦係数」とは、同じくカトーテック株式会社製の自動化表面試験機(KES-FB4-AUTO-A)により測定される摩擦力であり、数値が大きいほど滑りにくいといえる。 【0011】 この電磁調理器用保護マットをトッププレート上に敷設することにより、トッププレートに汚れが付着するのを防止できる。また、マットのいずれかの面に設けられた第1被覆層に適当な凹凸形状が形成されているので、第1被覆層を下面としてトッププレート上に敷設することにより、電磁調理器のトッププレートと保護マットの第1被覆層のシリコーンゴムの粒子との間に適度に大きな摩擦抵抗が得られ、調理時のマットのずれが防止され、快適な作業が可能となる。 【0012】 この電磁調理器用保護マットは複合ヤング率が22N/mm^(2)以上100N/mm^(2)以下である。この場合、マットの表面が適度な硬さであり、マット自体が適度なクッション性を有するので、調理時の接触音や衝撃音が緩和され、快適な作業が可能となる。なお、ここで「複合ヤング率」とは、株式会社エリオニクス製の超微小押し込み硬さ試験機(ENT-1100a)により測定される結果を元に算出される。 【0013】 この電磁調理器用保護マットにおいて、前記第2被覆層は、前記第1被覆層と同等の表面凹凸、平均摩擦係数および複合ヤング率を有することが好ましい。この場合、第1被覆層と第2被覆層のいずれを表にしても同様に使用することができるので、片面だけが摩耗しにくく、長期間にわたって快適な作業が可能となる。 【発明の効果】 【0014】 本発明の電磁調理器用保護マットによれば、鍋のような調理器具等による傷つき、汚れの付着および熱による焼け焦げ等を防止するとともに、調理時の器具の滑りを防止し、調理器具とトッププレートとの間に快適なクッション性を与えることができる。 【図面の簡単な説明】 【0015】 【図1】本発明の電磁調理器用保護マットの一実施形態を示す平面図である。 【図2】図1における電磁調理器用保護マットの使用状態を示す斜視図である。 【図3】図1における電磁調理器用保護マットの部分断面図である。 【図4】電磁調理器用保護マットの複合ヤング率を測定する際の押し込み深さと荷重の大きさとの関係を示すグラフである。 【発明を実施するための形態】 【0016】 以下、本発明に係る電磁調理器用保護マット10の実施形態について説明する。電磁調理器用保護マット10は、図1に示すように略円形に形成され、電磁調理器のトッププレートP上に、鍋やフライパン等の調理器具Cの下面に当接するように敷設される(図2)。この保護マット10は、図3に示すように、ガラス繊維からなるシート状の基材11と、この基材11の両面にそれぞれ形成されたシリコーンゴムからなる第1被覆層12および第2被覆層13とを積層して形成されている。この保護マット10の厚さは0.14±0.02mm、重量は210±20g/m^(2)である。 【0017】 基材11は、ガラス繊維の単糸(JIS規格 ECE225 1/0)を縦糸および横糸に用いて、密度が縦60±2本/25mm、横57本±2本/25mm(100g/m^(2))、厚さ0.1mmとなるように平織りして形成されたガラス繊維織物である。ガラス繊維織物は、耐熱性および強度に優れ、加熱された調理器具Cの高温に耐えることができる。 【0018】 第1被覆層12および第2被覆層13は、耐熱性の高いシリコーンゴムを基材11の表面に塗布し、乾燥させる工程を2回繰り返すことにより形成される。この工程におけるシリコーンゴムの塗布量は、100?110g/m^(2)である。なお、このシリコーンゴムにアルミニウムペーストを混入して第1被覆層12および第2被覆層13を形成してもよい。アルミニウムペーストを混入した場合、これら第1被覆層12および第2被覆層13を銀白色に形成することができる。 【0019】 第1被覆層12は、表面凹凸が0.8μm以上4μm以下、平均摩擦係数が0.45以上0.8以下、複合ヤング率が22N/mm^(2)以上100N/mm^(2)以下である。表面凹凸の大きさは、保護マット10がトッププレート上でずれにくく、かつ保護マット10をトッププレートから剥がしやすい範囲に設定されている。平均摩擦係数が0.45以上と設定されていることにより、調理作業中に保護マット10がトッププレート上でずれるのを防止できる。また、複合ヤング率が22N/mm^(2)以上100N/mm^(2)以下であることにより、保護マット10が好適なクッション性を備えるので、鍋等の調理器具が保護マット10を介してトッププレートにぶつかった際に、不快な衝撃音を緩和することができる。 【0020】 ここで「複合ヤング率」とは、株式会社エリオニクス製の超微小押し込み硬さ試験機(ENT-1100a)により測定される結果を元に、以下のように算出される。まず、試験機において設定した試験荷重をF_(max)、圧子の最大押し込み深さ(除荷開始時の変位)をh_(max)とする。 【0021】 次に、除荷のグラフ(図4)より弾性変形量および塑性変形量を求める。除荷開始(h_(max))から除荷曲線の50%までを最小2乗法(2次曲線)で近似し、その2次曲線のF_(max)での接線(P=mδ+n)を延ばし、変位軸と交差した座標を“h1”、h_(max)からh1を引いた値を“h2”とする。 【0022】 次に、数式1から複合ヤング率E^(*)を求める。 【0023】 【数1】 ![]() 【0024】 ここで、Sは接触剛性、C_(A)は接触定数、A_(P)(h)は接触投影面積であり、数式2,3,4から求められる。 【0025】 【数2】 ![]() 【0026】 【数3】 ![]() 【0027】 【数4】 ![]() ただしα=65° 【0028】 したがって、複合ヤング率E^(*)は数式5から求められる。 【0029】 【数5】 ![]() 【実施例】 【0030】 本発明に係る電磁調理器用保護マットの実施例1?3および比較例1?4について、以下に説明する。表面凹凸および平均摩擦係数は、カトーテック株式会社製の自動化表面試験機(KES-FB4-AUTO-A)により測定した。また、複合ヤング率は、株式会社エリオニクス製の超微小押し込み硬さ試験機(ENT-1100a)により測定した結果を元に算出した。これらの表面特性の測定結果を表1に示す。なお、表1において、「表」とはフライパンに接触する第2被覆層、「裏」とはトッププレートに接触する第1被覆層を指している。 【0031】 (実施例1?3) 厚さ0.1mmのガラス繊維製基材の両面にシリコーンゴムを塗布して第1被覆層および第2被覆層を形成した本発明に係る電磁調理器用保護マットについて、測定子の移動方向や測定箇所を変更しながら、表裏面の表面特性を測定した。各実施例の保護マットは、表面凹凸および平均摩擦係数が本発明の範囲に含まれる値となっている。 【0032】 (比較例1?4) 厚さ0.1mmのガラス繊維製基材の両面にシリコーン被覆層を形成してなる電磁調理器用保護マットについて、実施例と同様に表裏面の表面特性を測定した。比較例の保護マットは、表面凹凸および平均摩擦係数のいずれかが本発明の範囲から逸脱している。なお、比較例3,4は、それぞれ比較例1,2を裏返して測定した結果である。 【0033】 これら実施例および比較例について、各保護マットのトッププレートに対する防滑性、各保護マット上でのフライパンの振りやすさ、トッププレート上からの各保護マットの剥がしやすさ、各保護マットを介してフライパンをトッププレートに衝突させた際の衝撃音の緩和性、および調理時の異物感の無さについて評価した。結果を表1に示す。 【0034】 【表1】 ![]() 【0035】 トッププレートに対する防滑性は、調理終了後、マットが設置場所から全く移動していなかったときに○、少しでも移動したときに×とした。フライパンの振りやすさは、鍋振り時にマット装着による抵抗を感じなかったときに○、抵抗を感じたときに×とした。トッププレートからの剥がしやすさは、人差し指と親指で軽くつまんで引き上げる程度の力で簡単に剥がせたときに○、それ以上の力が必要なときに×とした。衝撃音の緩和性は、衝撃によるカチカチ音がマットを敷かない場合に比べて少しでも緩和されたと感じたときに○、緩和されていないと感じたときに×とした。調理時の異物感の無さは、マットを敷いて調理を行った際、異物を敷いた感じが認められなかったときに○、明らかに何か異物を敷いている感覚が認められたときに×とした。 【0036】 この比較実験により、シリコーンゴムにより形成された被覆層の表面凹凸が0.8μm以上4μm以下であると、保護マットがトッププレートに対してずれにくく、かつトッププレートから剥がしやすいことが確認できた。一方、表面凹凸が0.8μmよりも小さいと保護マットをトッププレートから剥がしにくく、表面凹凸が4μmよりも大きいと保護マットがトッププレートに対してずれやすいため調理がしにくいことが確認できた。 【0037】 また、被覆層の平均摩擦係数が0.45以上であると保護マットがトッププレートに対してずれにくいが、0.45よりも小さいとトッププレートに対してずれやすいことが確認できた。 【0038】 また、複合ヤング率が100N/mm^(2)よりも大きいとクッション性が不足して衝撃音が発生し、22N/mm^(2)よりも小さいと調理の際に異物を敷いたような違和感を覚え、快適な調理の妨げとなってしまった。 【0039】 以上説明したように、本発明の電磁調理器用保護マットによれば、鍋のような調理器具等による傷つき、汚れの付着および熱による焼け焦げ等を防止するとともに、調理時の器具の滑りを防止し、調理器具とトッププレートとの間に快適なクッション性を与えることができる。 なお、本発明は前記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。 【符号の説明】 【0040】 10 電磁調理器用保護マット 11 基材 12 第1被覆層 13 第2被覆層 C 調理器具 P トッププレート (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ガラス繊維織物からなるシート状の基材と、この基材の両面にそれぞれ形成されたシリコーンゴムからなる第1被覆層および第2被覆層とを有し、前記シリコーンゴムの塗布量は100?110g/m^(2)であり、前記第1被覆層および前記第2被覆層に対して株式会社エリオニクス製の超微小押し込み硬さ試験機(ENT-1100a)により測定される結果を元に算出される複合ヤング率が22N/mm^(2)以上100N/mm^(2)以下であることを特徴とする電磁調理器用保護マット。 【請求項2】 前記第1被覆層は、平均摩擦係数が0.45以上であることを特徴とする請求項1に記載の電磁調理器用保護マット。 【請求項3】 前記第2被覆層は、表面凹凸が0.8μm以上4μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁調理器用保護マット。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2018-11-26 |
出願番号 | 特願2015-80778(P2015-80778) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YAA
(H05B)
P 1 651・ 537- YAA (H05B) P 1 651・ 113- YAA (H05B) P 1 651・ 536- YAA (H05B) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 土屋 正志 |
特許庁審判長 |
田村 嘉章 |
特許庁審判官 |
槙原 進 紀本 孝 |
登録日 | 2017-06-09 |
登録番号 | 特許第6153560号(P6153560) |
権利者 | 三菱アルミニウム株式会社 |
発明の名称 | 電磁調理器用保護マット |
代理人 | 青山 正和 |
代理人 | 青山 正和 |