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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04M
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04M
管理番号 1348045
審判番号 不服2017-16376  
総通号数 231 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-03-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-11-02 
確定日 2019-01-17 
事件の表示 特願2016- 24852「管理装置、管理方法及び管理プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 2月 2日出願公開、特開2017- 28674〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成27年7月22日に出願した特願2015-144731号の一部を平成28年2月12日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成29年4月21日付け:拒絶理由の通知
平成29年7月10日 :意見書、手続補正書の提出
平成29年8月3日付け :拒絶査定
平成29年11月2日 :拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提出
平成29年11月9日 :手続補正書(方式)の提出
平成30年8月24日付け:拒絶理由の通知
平成30年10月26日 :意見書、手続補正書の提出

第2 本願発明
本願の請求項1?7に係る発明は、平成30年10月26日提出の手続補正書により補正された、特許請求の範囲の請求項1?7に記載された事項により特定されるものであり、そのうち請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。
「【請求項1】
複数の電話端末を対応付けた1ユーザに関するグループ群に含まれる何れかの電話端末が発呼又は着呼の応答の何れかにおける所定の操作を受け付けたこと、又は前記グループ群に含まれる何れかの電話端末が通話中であることを検出する検出手段と、
前記検出手段が前記検出をしたならば、前記グループ群に対して付与されるグループ状態情報をアイドル状態から非アイドル状態へと変更して前記グループ状態情報が前記非アイドル状態となる前記グループ群に含まれる前記何れかの電話端末以外の電話端末の機能を制限するための処理を行なう機能制限手段と、
を備え、
前記機能の制限とは、前記機能の制限の対象とした電話端末に通話を行わせないことであり、
前記機能制限手段は、前記機能の制限の対象とした電話端末宛の着呼があった場合には、該着呼を前記機能の制限の対象とした電話端末に通知しないための処理を行い、前記機能の制限の対象とした電話端末からの発呼があった場合には、該発呼を発呼先の電話端末に通知しないための処理を行ない、
前記機能の制限を行っている場合に、
前記機能の制限の対象とはしていない通話中の電話端末による通話を、当該通話中の電話端末と前記グループ群が同一の前記機能の制限の対象とした他の電話端末に転送する転送手段を更に備え、
前記転送の実行時に、転送元の電話端末を新たに前記機能の制限の対象とすると共に転送先の電話端末を前記機能の制限の対象から外すことを特徴とする管理装置。」

第3 拒絶の理由
平成30年8月24日付けで当審が通知した拒絶理由は次のとおりである。
この出願の請求項1に係る発明は、その出願前日本国内または外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない、又は、この出願の請求項1に係る発明は、その出願前日本国内または外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1:特開2008-109302号公報

第4 引用文献の記載及び引用発明
(1)当審が通知した平成30年8月24日付けの拒絶の理由で引用された本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2008-109302号公報(以下、「引用文献」という。)には、図面とともに、次の記載がある。
「【0022】
図1に本実施形態に係る電話システム1を示す。電話システム1は、携帯電話網N1を含んでおり、携帯電話網N1の構成要素として本実施形態に係る呼制御システム10を含んでいる。呼制御システム10は、加入者データベース20と、呼制御装置30とを含んで構成されている。また、電話システム1には、複数の移動通信端末40,50(図1に示す移動通信端末40a,40b,50a,50bの総称)が含まれている。移動通信端末40,50は、携帯電話網N1に含まれる無線系装置60との間で無線接続を確立することにより携帯電話網N1に接続して、別の移動通信端末40,50との間で電話通信を行うことができる。また、携帯電話網N1は他の電話網N2に接続されており、携帯電話網N1に接続される移動通信端末40,50は、他の電話網N2に接続される端末70(図1に示す端末70a,70bの総称)との間で通信を行うことができる。」

「【0024】
加入者データベース20は、また、呼制御システム10が本発明に係る機能である一斉呼出を行う際に必要な情報を格納している。一斉呼出とは、移動通信端末40の電話番号に対して、別の端末から発信があった場合に、当該移動通信端末40だけでなく、当該移動通信端末の子機となる移動通信端末50に対しても呼出を行うことである。以下、電話番号が割り当てられた親機となる移動通信端末40を親機端末40と呼び、子機となる移動通信端末50を子機端末50と呼ぶ。加入者データベース20は、親機端末40の電話番号に当該親機端末40の子機となる子機端末50を特定する情報を対応付けてグループとして記憶したグループデータベースである。」

「【0026】
具体的には、加入者データベース20は、図2に示すような情報を親機端末40毎に格納している。即ち、加入者データベース20は、親機端末40の電話番号21に対応付けて、当該電話番号に係る通信状態を示す情報22、グループを識別する情報23、当該グループが活性であるか非活性であるかを示す情報24、当該グループに係る子機端末50の通信状態を示す情報25、当該電話番号の子機となる子機端末50を特定する情報26a,26b、当該子機端末50それぞれに割り当てられた電話番号27a,27b、及び当該子機端末50それぞれの通信状態を示す情報28a,28bを格納している。上記の例では、親機端末40の電話番号に対して子機として2台の子機端末50を割り当てているが、必ずしも2台である必要はなく、1台あるいは3台以上の子機が割り当てられていることとしてもよい。加入者データベース20における子機の情報の登録は、ユーザと携帯電話網N1の提供者との間のサービス契約に基づいて、携帯電話網N1のオペレータ等により予め行われる。
【0027】
当該電話番号に係る通信状態を示す情報22は、親機端末40及びグループ内の子機端末50の何れかが電話通信を行っていた場合「通信中」となり、何れも電話通信を行っていない場合「空き」となる。グループを識別する情報23は、一斉呼出を行うグループを特定する情報であり、例えば、図2に示すように「グループ1」等の文字列が用いられる。当該グループが活性であるか非活性であるかを示す情報24は、グループが活性である場合「活性」となり、グループが非活性である場合「非活性」となる。グループが活性であるとは、親機端末40の電話番号に対して発信があった場合に、子機端末50にも呼出を行う状態をいう。従って、グループが非活性である場合には、親機端末40の電話番号に対して発信があった場合に、子機端末50には呼出は行われない。グループに係る端末の通信状態を示す情報25は、グループ内の子機端末50の何れかが電話通信を行っていた場合「通信中」となり、何れも電話通信を行っていない場合「空き」となる。」

「【0050】
続いて、呼出部33によって、親機端末40a及び子機端末50a,50bに対して呼出信号が送信される(S105、呼出ステップ)。呼出信号の送信は、無線系装置60を介して行われる。呼出信号が送信された親機端末40a及び子機端末50a,50bでは、当該呼出信号が受信され、着信音の鳴動等でユーザに対して当該端末40,50a,50bに対して着信があることが通知される。ここでは、子機端末50aのユーザが子機端末50aを操作して当該呼出に対して応答を行うものとする。なお、後述するように、加入者データベース20における、親機端末40aの電話番号に係る通信状態を示す情報22が「通信中」である場合には、禁止制御部35により当該電話番号に係る親機端末40a及び子機端末50a,50bへの着信は禁止されるので、呼出部33からの呼出信号の送信は行われない。」

「【0052】
ユーザによる上記の操作が行われると、子機端末50aから呼制御装置30に応答が送信される。呼制御装置30では、呼接続確立部34によって、当該応答が受信される(S106、呼接続確立ステップ)。
【0053】
続いて、呼接続確立部34によって、応答を行った子機端末50aと発信端末70aとの間の呼接続が確立される(S107、呼接続確立ステップ)。続いて、呼接続確立部34から発信端末70aに対して、発信端末70aの発信に対する応答があり呼接続が確立されるという応答が送信される(S108)。また、呼接続確立部34から加入者データベース20に対して、通信状態を示す状態の更新が行われる(S109)。具体的には、図5に示すように、加入者データベース20における親機端末40aの電話番号「090-xxxx-xxxx」の、当該電話番号に係る通信状態を示す情報22、当該グループに係る子機端末50の通信状態を示す情報25、及び子機端末50aの通信状態を示す情報28aが全て「空き」から「通信中」に更新される。」

「【0061】
引き続いて、図7のシーケンス図を用いて、子機端末50aと端末70aとが通信を行っている間に、移動通信端末40a,50bの発着信を行う場合の処理を示す。まず、親機端末40aから他の電話網N2に接続される端末70bに発信が行われる場合を示す。ユーザの操作により、親機端末40aから呼制御装置30に発信信号が送信される(S121)。発信信号には、発信先である端末70bの電話番号「0ab-cdef-ghij」が含まれている。呼制御装置30では、当該発信信号が受信される。
【0062】
呼制御装置30では、発信信号が受信されることを監視している禁止制御部35によって、当該受信をトリガとして、発信元の親機端末40の電話番号をキーとして、親機端末40の電話番号に係る通信状態を示す情報22が、加入者データベース20から取得される。親機端末40の電話番号に係る通信状態が「通信中」となっているので、呼制御装置30によって発信の禁止を行う制御が行われる(S122、禁止制御ステップ)。
【0063】
続いて、禁止制御部35から発信元である親機端末40aに対して、発信が不可である旨の信号が送信される(S123)。親機端末40aでは、当該信号が受信されて表示等が行われることにより、ユーザが、自端末40aからの発信が不可であることを知る。また、禁止制御部35から親機端末40aに送信される信号には、子機番号「001」の子機端末50aが通信を行っている旨の情報を含めることとしてもよい。なお、上記の処理は、子機端末50bから呼制御装置30に発信信号が送信された場合にも同様に行われる。
【0064】
次に、他の電話網N2に接続される端末70bから親機端末40aの電話番号に発信が行われる場合を示す。ユーザの操作により、端末70bから呼制御装置30に発信信号が送信される。発信信号には、発信先である電話番号「090-xxxx-xxxx」が含まれている。呼制御装置30では、当該発信信号が受信される(S131)。
【0065】
呼制御装置30では、発信信号が受信されることを監視している禁止制御部35によって、当該受信をトリガとして、発信先の親機端末40の電話番号をキーとして、親機端末40の電話番号に係る通信状態を示す情報22が、加入者データベース20から取得される。親機端末40の電話番号に係る通信状態は、「通信中」となっているので、発信の禁止を行う制御が行われる(S132、禁止制御ステップ)。
【0066】
続いて、禁止制御部35から発信先である端末70bに対して、電話番号「090-xxxx-xxxx」の端末は、現在通話中である旨の信号が送信される(S133)。端末70b40aでは、当該信号が受信されて表示等が行われることにより、ユーザが、電話番号「090-xxxx-xxxx」の端末が通話中であることを知る。ここで、電話番号「090-xxxx-xxxx」の端末が通話中の着信に対するサービスが、別途利用されている場合、端末70bへの通知に代えて、その処理を行うこととしてもよい。そのようなサービスとしては、具体的には例えば、留守番電話等が相当する。
【0067】
本実施形態では、上記のようにグループ中の1つの端末が通信中であった場合に、それ以外の端末の発着信を禁止することができる。これにより、1つの電話番号に対して複数の呼接続が確立されるといった、通常発生しない事態の発生を防止することができる。また、上述したように発着信の禁止の制御の開始時及び終了時に制御を受けている端末にその旨を通知することにより、ユーザが制御を受けていることを知ることができ、ユーザの利便性を向上させることができる。なお、上述の制御は、1つの電話番号に対して複数の呼接続が確立できる場合等には必ずしも行う必要はない。」

「【0076】
引き続いて、図9のシーケンス図を用いて、親機端末40aの子機として設定された子機端末50aから、端末70bに発信を行う場合の処理を示す。この処理では、まず、子機端末50aから呼制御装置30に、端末70bを発信先とする発信信号が送信される。発信信号には、発信先となる端末70bの電話番号「0ab-cdef-ghij」が含まれている。また、当該発信信号には、発信元の子機端末50aが、親機端末40aの子機番号「001」、電話番号「090-yyyy-yyyy」の子機として登録されていることを示す情報が含められる。呼制御装置30では、子機端末50aから送信された発信信号が受信される(S151)。
【0077】
呼制御装置30では、子機端末50aが、上記の通り登録されており、また、発信を行うことができるか否かを判断するために、加入者データベース20が参照される(S152)。呼制御装置30では、加入者データベース20の参照により、子機端末50aの親機端末40aの電話番号から、当該親機端末40aの登録情報を取得して、子機番号「001」、電話番号「090-yyyy-yyyy」の子機端末50aが、親機端末40aの子機として登録されているかが確認される。
【0078】
加入者データベース20から参照された情報のうち、グループが活性であるか非活性であるかを示す情報24が「活性」である場合のみ、発信が許可される。また、子機端末50aの親機端末40aの電話番号に係る通信状態を示す情報22が「通信中」であった場合には、禁止制御部35により子機端末50aからの発信が禁止される制御が行われる。
【0079】
呼制御装置30において、子機端末50aが発信を行うことができると判断されると、子機端末50aに対して発信応答が送信される。子機端末50では、当該発信応答を受信することにより、発信が行われることが認識される(S153)。
【0080】
一方、呼制御装置30から発信先となる端末70bに対して呼出信号が送信される(S154)。この送信は、電話網N2を介して行われる。この送信信号には、送信元の電話番号として、親機端末40aの電話番号「090-xxxx-xxxx」が含められる。端末70bでは、当該呼出信号が受信されて、着信音の鳴動等でユーザに対して当該端末70bに対して着信があることが通知される。
【0081】
続いて、端末70bのユーザが端末70bを操作して当該呼出に対して応答を行うと、当該端末70bから呼制御装置30に応答が送信される(S155)。続いて、呼制御装置30の呼接続確立部34により、子機端末50aと端末70bとの間の呼接続が確立される(S156)。また、呼接続確立部34から加入者データベース20に対して、通信状態を示す状態の更新が行われる(S157)。具体的には、図5に示すように、加入者データベース20における親機端末40aの電話番号「090-xxxx-xxxx」の、当該電話番号に係る通信状態を示す情報22、当該グループに係る子機端末50の通信状態を示す情報25、及び子機端末50aの通信状態を示す情報28aが全て「空き」から「通信中」に更新される。」

「【0097】
このときの別の親機端末40bは、不特定な端末でなく、例えば同じ家庭内のユーザが所持しているものと考えられる(子機端末50a,50bが通常置かれている場所が家庭内)。上記の具体例としては、子機端末50a,50bを子供が所持しており、親機端末
40aを所持している父親が会社員で日中は外出しており、親機端末40bを所持している母親が家事をしている場合に、父親の所在、曜日等(公私を使い分けることが必要な場合)に応じて、一時的に活性化されるグループを親機端末40aから親機端末40bに変化させることが考えられる。」

「【0106】
引き続いて、図13のシーケンス図を用いて、呼出が行われた移動通信端末40a,50a,50bのうち、呼接続が確立された端末から別の端末に呼転送が行われる場合の処理を示す。この処理は、例えば、発信端末70aのユーザが、呼接続が確立した端末とは別の端末のユーザとの通話を希望している場合に行われる。
【0107】
まず、上述した処理に従って、子機端末50aと発信端末70aとの間の呼接続が確立される。続いて、子機端末50aのユーザは呼転送の必要性を知ると、まず、子機端末50aに対して当該電話通信を保留する操作を行う。当該操作により、子機端末50aから呼制御装置30に保留要求に係る信号が送信される。呼制御装置30では、呼接続確立部34によって当該信号が受信される(S191)。
【0108】
続いて、呼接続確立部34により保留処理が行われ(S192)、子機端末50aと呼制御装置30との間、及び発信端末70aと呼制御装置30との間の接続がそれぞれ確立された状態となる(S193、S194)。保留処理が行われた後、呼接続確立部34から発信端末70aに対して、子機端末50aとの通信が保留されたことを示す保留音が送信される(S195)。
【0109】
引き続いて、子機端末50aから呼制御装置30に対して、ユーザの操作により、転送要求が送信される。この転送要求には、転送先である子機端末50bを特定する情報である子機端末50bの電話番号「090-zzzz-zzzz」が含められている。なお、転送先である子機端末50bを特定する情報は、電話番号でなく、子機番号を用いることとしてもよい。なお、子機端末50bを特定する情報は、予め子機端末50aに記憶されている。呼制御装置30では、呼接続確立部34によって転送要求が受信される(S196)。続いて、呼接続確立部34から呼出部33に対して、当該転送先の子機端末50bに対して呼出を行う要求がなされる。続いて、呼出部33によって、子機端末50bに呼出をするための情報が加入者データベース20から取得され(S197)、子機端末50bへの呼出信号の送信が行われる(S198)。
【0110】
送信された呼出信号は子機端末50b受信されて、着信音の鳴動等により呼出があったことが子機端末50bに通知される。ユーザから子機端末50bに対する当該呼出へ応答する操作が行われると、子機端末50bから呼制御装置30に応答に係る信号が送信される(S199)。
【0111】
呼制御装置30では、呼接続確立部34によって当該応答が受信されて、呼接続の切替処理が行われる(S200)。まず、呼接続確立部34によって、転送元の子機端末50aと転送先の子機端末50bとの間の呼接続が確立される(S201)。その後、転送元の子機端末50aから送信される切替要求が、呼接続確立部34によって受信されると(S202)、転送先の子機端末50bと発信端末70aとの間の呼接続が確立されるように、呼接続の切替処理が行われる(S203)。上記の処理により、転送先の子機端末50bと発信端末70aとの間では、電話通信を行うことが可能となる(S204)。その一方、呼制御装置30の呼接続確立部34から転送元の子機端末50aに対して、終話通知として、切替要求に対する応答に係る信号が送信される(S205)。
【0112】
上記の処理によれば、呼出が行われた移動通信端末40a,50a,50b間で呼転送を行うことが可能となるので、例えば、呼出に対して応答した子機端末50aのユーザが発信端末70aのユーザの所望の相手ではなかった場合等でも、呼転送が行われることによって所望の相手との通信を行うことができる。」



」(図7)

(2)上記記載から引用文献には、次の技術事項が記載されているものと認められる。
a 上記【0022】によれば、移動通信端末40a,40b,50a,50bの総称である、複数の移動通信端末40,50は、携帯電話網に接続される電話システム1に含まれている電話端末であるといえるから、親機端末40a及び子機端末50a,50bは、電話端末といえる。
上記【0066】によれば、電話端末が他の端末と通信中であることは、当該電話端末が通話中であるといえる。

b 上記【0024】によれば、加入者データベース20は、親機端末40の電話番号に当該親機端末40の子機となる子機端末50を特定する情報を対応付けてグループとして記憶したグループデータベースであって、上記【0097】によれば、父親の親機端末に複数の子機端末が対応付けられているから、複数の電話端末である該親機端末及び2つの子機端末は、父親に関するグループに含まれているといえる。

c 上記【0026】?【0027】によれば、電話番号に係る通信状態を示す情報22は、親機端末40の電話番号21に対応付けて格納された情報である。当該電話番号に係る通信状態を示す情報22は、親機端末40及びグループ内の子機端末50の何れかが電話通信を行っていた場合「通信中」となり、何れも電話通信を行っていない場合「空き」となる情報であるから、グループに付与される情報であるといえる。

d 上記【0076】?【0081】によれば、呼制御装置30は、S151で子機端末50aから送信された発信信号を受信し、S152で加入者データベースを参照して子機端末50aが登録されているかが確認され、S153で子機端末50aが発信できると判断されると、発信応答が送信されて、子機端末50aは発信が行われることが認識され、S154で端末70bに呼出信号が送信され、S155で端末70bが応答することで、S157で電話番号に係る通信状態を示す情報22を「空き」から「通信中」に更新している。
ここで、子機端末50aはユーザが操作するものであるから、該子機端末50aから送信された発信信号は、子機端末50aが発信における操作を受け付けた際に、送信された信号であるといえる。
そうすると、子機端末50aからの発信時において、呼制御装置30は、子機端末50aが発信における操作を受け付けると、発信できることを確認し、端末70bに呼出信号を送信して該端末70bが応答すると、電話番号に係る通信状態を示す情報22を「空き」から「通信中」に更新しているといえる。

e 上記【0050】及び【0052】?【0053】によれば、親機端末40a及び子機端末50a,50bに対して呼出信号が送信された後、着信があることが通知され、子機端末50aのユーザが子機端末50aを操作して呼出に対して応答を行うと、子機端末50aから呼制御装置30に当該応答が送信され、呼制御装置30では、呼接続確立部34によって、当該応答が受信され、電話番号に係る通信状態を示す情報22を「空き」から「通信中」に更新することが記載されている。
ここで、子機端末50aが呼制御装置30へ送信する応答は、呼出信号に対する応答であるから、着信の応答といえる。
そうすると、親機端末40a及び子機端末50a,50bへの着信時において、呼制御装置30は、子機端末50aが着信の応答における操作を受け付けたら、電話番号に係る通信状態を示す情報22を「空き」から「通信中」に更新しているといえる。

f 上記【0061】?【0067】によれば、子機端末50aと端末70aとが通信を行っている間は、電話番号に係る通信状態を示す情報22が「通信中」となっていて、呼制御装置30は、親機端末40aからの発信及び端末70bから親機端末40aへの発信を禁止しているといえる。ここで、端末70bから親機端末40aへの発信は、親機端末40aへの着信といえる。また、親機端末40a及び子機端末50bは、電話番号に係る通信状態を示す情報22により管理されているから、子機端末50bも親機端末40aと同じく発着信が禁止されているといえる。
ここで、子機端末50aから発信した場合(上記d)と、子機端末50aに着信があって応答した場合(上記e)、子機端末50aは通話中となるとともに、電話番号に係る通信状態を示す情報22が「通信中」となるから、子機端末50aが発信又は着信の応答における操作を受け付けて通話中、電話番号に係る通信状態を示す情報22が「通信中」となっていて、グループに含まれる子機端末50a以外の電話端末である親機端末40a及び子機端末50bの発着信が禁止されているといえる。

g 上記a及び上記【0061】、【0064】?【0067】、図7の上段(紙面左側)の点線で囲まれた部分以外の部分によれば、子機端末50aと端末70aとが通話中、端末70bから親機端末40aの電話番号に発信が行われる場合、呼制御装置30から該端末70bへ、現在通話中である旨の信号を送信する処理だけを行っていて、該呼制御装置30は親機端末40aへ通知をしていない。ここで、親機端末40aのグループに含まれる子機端末50aが通話中であるから、該親機端末40aは発着信の禁止の対象とした電話端末である。そうすると、該呼制御装置は、発着信の禁止の対象とした電話端末宛の着呼があった場合には、該着呼を前記発着信の禁止の対象とした電話端末に通知しないための処理をしているといえる。

上記a及び上記【0061】?【0063】、図7の下段(紙面右側)の点線で囲まれた部分以外の部分によれば、子機端末50aと端末70aとが通話中、親機端末から端末70bに発信が行われる場合、呼制御装置30から該親機端末40aへ、発信が不可である旨の信号を送信する処理だけを行っていて、該呼制御装置30は端末70bへ通知をしていない。ここで、親機端末40aのグループに含まれる子機端末50aが通話中であるから、該親機端末40aは発着信の禁止の対象とした電話端末である。そうすると、該呼制御装置は、発着信の禁止の対象とした電話端末からの発呼があった場合には、該発呼を発呼先の電話端末に通知しないための処理をしているといえる。

h 上記【0107】によれば、子機端末50aと発信端末70aとの間の呼接続が確立されているから、子機端末50aを含むグループに含まれる、子機端末50a以外の端末である、親機端末40a及び子機端末50bは、上記【0061】?【0067】に記載されているとおり、発着信の禁止を行っているといえる。
上記【0106】?【0112】によれば、端末70aと通信中である子機端末50aから子機端末50bへ呼転送を行うことで、子機端末50bと端末70aが通信中となり、子機端末50aは終話通知がなされる。
そうすると、前記呼転送の実行時に、子機端末50aによる通話を、当該通話中の子機端末50aと前記グループが同一の子機端末50bに呼転送し、前記呼転送の実行時に、子機端末50aに終話通知を行うと共に子機端末50bを端末70aと接続しているといえる。

(3)上記(1)、(2)から、引用文献には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「複数の電話端末を対応付けた父親に関するグループに含まれる子機端末50aが発信における操作を受け付けると、発信できることを確認し、端末70bに呼出信号を送信して該端末70bが応答すると、グループに付与される電話番号に係る通信状態を示す情報22を「空き」から「通信中」に更新して前記電話番号に係る通信状態を示す情報22が前記「通信中」となる前記グループに含まれる子機端末50a以外の電話端末の発着信を禁止するための処理を行ない、
前記子機端末50aが着信の応答における操作を受け付けたら、前記電話番号に係る通信状態を示す情報22を「空き」から「通信中」に更新して前記電話番号に係る通信状態を示す情報22が前記「通信中」となる前記グループに含まれる子機端末50a以外の電話端末の発着信を禁止するための処理を行ない、
前記子機端末50aが通信を行っている間は、前記電話番号に係る通信状態を示す情報22が「通信中」となっていて、子機端末50a以外の電話端末の発着信を禁止するための処理を行なう、呼制御装置を備え、
前記呼制御装置は、発着信の禁止の対象とした電話端末宛の着信があった場合には、該着信を前記発着信の禁止の対象とした電話端末に通知しないための処理を行い、発着信の禁止の対象とした電話端末からの発信があった場合には、該発信を発信先の電話端末に通知しないための処理を行ない、
前記発着信の禁止を行っている場合に、
通話中の子機端末50aによる通話を、当該通話中の子機端末50aと前記グループが同一の子機端末50bに呼転送し、
前記呼転送の実行時に、子機端末50aに終話通知を行うと共に子機端末50bを端末70aと接続する呼制御システム。」

第5 対比
(1)本願発明と引用発明とを対比する。
a 引用発明の「父親に関するグループ」は、父親の親機端末40a及び子機端末50a,50bが関係付けられている。
請求項1には「前記検出手段が前記検出をしたならば、前記グループ群に対して付与されるグループ状態情報をアイドル状態から非アイドル状態へと変更して前記グループ状態情報が前記非アイドル状態となる前記グループ群に含まれる前記何れかの電話端末以外の電話端末の機能を制限するための処理を行なう」と記載されているとおり、本願発明の「1ユーザに関するグループ群」は、1ユーザに関する複数の電話端末であって、異なるユーザ各々に関する複数の電話端末すべてでないことは明白である。ここで、引用発明の「父親」は、本願発明の「1ユーザ」に相当するから、引用発明の「父親に関するグループ」は、本願発明の「1ユーザに関するグループ群」に相当する。

b 引用発明の「発信」、「電話番号に係る通信状態を示す情報22」、「「空き」」、「「通信中」」、「更新」、「着信」、「発信先」、「呼制御システム」は、本願発明の「発呼」、「グループ状態情報」、「アイドル状態」、「非アイドル状態」、「変更」、「着呼」、「発呼先」、「管理装置」に相当する。

c 引用発明における「発着信」は、親機端末40a及び子機端末50a,50bの機能の一種であるから、本願発明の「機能」に含まれる。
さらに、引用発明における発着信の禁止により、通話を行わせないようにしているといえるから、引用発明の「禁止」は、本願発明の「制限」に含まれ、引用発明の「発着信の禁止」とは、本願発明の「通話を行わせない」ことに相当する。

d 引用文献では実施形態の一例として、子機端末50aが発信及び着信の応答における操作を行う端末として記載されているが、親機端末40a及び子機端末50a,50bは同じグループとして管理されており、親機端末40a及び子機端末50bも子機端末50aと同じ操作を行い得るから、引用発明の「複数の電話端末を対応付けた父親に関するグループに含まれる子機端末50a」は、本願発明の「複数の電話端末を対応付けた1ユーザに関するグループ群に含まれる何れかの電話端末」に相当する。

e 引用発明の呼制御装置は、複数の電話端末を対応付けた父親に関するグループに含まれる子機端末50aが発信における操作を受け付けたら、発信できることを確認していて、さらに、前記子機端末50aが着信の応答における操作を受け付けたら、電話番号に係る通信状態を示す情報22を「空き」から「通信中」に更新しているから、発信における操作を受け付けたことや着信の応答における操作を受け付けたことを検出する検出手段を有しているといえる。
引用発明の呼制御装置は、父親に関するグループの電話番号に係る通信状態を示す情報22が「通信中」となっているときに、父親に関するグループの前記何れかの電話端末以外の電話端末の発着信を禁止していて、発着信の要求があった際に、通話中であることを検出しているといえるから、グループ群に含まれる何れかの電話端末が通話中であることを検出する検出手段を備えているといえる。
そうすると、引用発明の呼制御装置が備える前記検出手段は、本願発明の「複数の電話端末を対応付けた1ユーザに関するグループ群に含まれる何れかの電話端末が発呼又は着呼の応答の何れかにおける所定の操作を受け付けたこと、又は前記グループ群に含まれる何れかの電話端末が通話中であることを検出する検出手段」に相当する。

f 引用発明の呼制御装置に含まれ、複数の電話端末を対応付けた父親に関するグループに含まれる子機端末50aが発信における操作を受け付けると、発信できることを確認し、端末70bに呼出信号を送信して該端末70bが応答すると、グループに付与される電話番号に係る通信状態を示す情報22を「空き」から「通信中」に更新することと、本願発明の「前記検出手段が前記検出をしたならば、前記グループ群に対して付与されるグループ状態情報をアイドル状態から非アイドル状態へと変更」することとは、前記検出手段が前記検出をした後、前記グループ群に対して付与されるグループ状態情報をアイドル状態から非アイドル状態へと変更することである点で共通している。

引用発明の呼制御装置は、前記子機端末50aが着信の応答における操作を受け付けたら、前記電話番号に係る通信状態を示す情報22を「空き」から「通信中」に更新しているから、引用発明の呼制御装置に含まれ、前記子機端末50aが着信の応答における操作を受け付けたら、前記電話番号に係る通信状態を示す情報22を「空き」から「通信中」に更新することと、本願発明の「前記検出手段が前記検出をしたならば、前記グループ群に対して付与されるグループ状態情報をアイドル状態から非アイドル状態へと変更」することとは一致している。

引用発明の呼制御装置は、前記子機端末50aが発信又は着信の応答の何れかにおける所定の操作を受け付けることで、前記子機端末50aが通話中となり、発着信があっても、前記電話番号に係る通信状態を示す情報22が前記「通信中」となる前記グループに含まれる子機端末50a以外の電話端末は、発着信を禁止するための処理を行っている。
そうすると、引用発明の呼制御装置は、発着信があった際に、通話中であることを検出し、検出をしたならば、前記電話番号に係る通信状態を示す情報22が前記「通信中」となる前記グループに含まれる子機端末50a以外の電話端末の機能を制限するための処理を行っているといえ、本願発明でいう、「前記検出手段が」通話中であることの「検出をしたならば、」「前記グループ状態情報が前記非アイドル状態となる前記グループ群に含まれる前記何れかの電話端末以外の電話端末の機能を制限するための処理を行なう」ことに含まれるといえる。

そうすると、本願発明と引用発明とは、「前記検出手段が前記検出をした」後、「前記グループ群に対して付与されるグループ状態情報をアイドル状態から非アイドル状態へと変更して前記グループ状態情報が前記非アイドル状態となる前記グループ群に含まれる前記何れかの電話端末以外の電話端末の機能を制限するための処理を行なう機能制限手段」を備え、「前記機能の制限とは、前記機能の制限の対象とした電話端末に通話を行わせないことであり」、「前記機能制限手段は、前記機能の制限の対象とした電話端末宛の着呼があった場合には、該着呼を前記機能の制限の対象とした電話端末に通知しないための処理を行い、前記機能の制限の対象とした電話端末からの発呼があった場合には、該発呼を発呼先の電話端末に通知しないための処理を行な」うといえる点で共通する。

g 引用発明の呼制御装置は、子機端末50aから子機端末50bへ呼転送を行っているから、転送手段を有しているといえる。
引用発明では、呼転送前において、子機端末50aは、通話中であることから、上記cによれば、機能の制限の対象となっていないことが明らかである。また、親機端末40a及び子機端末50a,50bは同じグループに属するから、呼転送前において、子機端末50bは、通話中の子機端末50aとグループが同一の機能の制限の対象とした他の電話端末といえる。
上記呼転送により、子機端末50bは発信端末70aと呼接続が確立しているから、呼転送後において、子機端末50bは、機能の制限の対象から外れているといえ、子機端末50aは、呼転送前における子機端末50bと同じ立場であるから、呼転送元の端末である、子機端末50aを新たに機能の制限の対象としていることは明らかである。
そうすると、引用発明の「前記発着信の禁止を行っている場合に、子機端末50aによる通話を、当該通話中の子機端末50aと前記グループが同一の子機端末50bに呼転送し、前記呼転送の実行時に、子機端末50aに終話通知を行うと共に子機端末50bを端末70aと接続する」ことは、本願発明の「前記機能の制限を行っている場合に、前記機能の制限の対象とはしていない通話中の電話端末による通話を、当該通話中の電話端末と前記グループ群が同一の前記機能の制限の対象とした他の電話端末に転送する転送手段を更に備え、前記転送の実行時に、転送元の電話端末を新たに前記機能の制限の対象とすると共に転送先の電話端末を前記機能の制限の対象から外すこと」に相当する。

(2)以上のことから、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
【一致点】
「複数の電話端末を対応付けた1ユーザに関するグループ群に含まれる何れかの電話端末が発呼又は着呼の応答の何れかにおける所定の操作を受け付けたこと、又は前記グループ群に含まれる何れかの電話端末が通話中であることを検出する検出手段と、
前記検出手段が前記発呼における所定の操作を受け付けたことの検出をした後、前記グループ群に対して付与されるグループ状態情報をアイドル状態から非アイドル状態へと変更して前記グループ状態情報が前記非アイドル状態となる前記グループ群に含まれる前記何れかの電話端末以外の電話端末の機能を制限するための処理を行ない、
前記検出手段が前記着呼の応答における所定の操作を受け付けたことの検出をしたならば、前記グループ群に対して付与されるグループ状態情報をアイドル状態から非アイドル状態へと変更して前記グループ状態情報が前記非アイドル状態となる前記グループ群に含まれる前記何れかの電話端末以外の電話端末の機能を制限するための処理を行なう機能制限手段と、
を備え、
前記機能の制限とは、前記機能の制限の対象とした電話端末に通話を行わせないことであり、
前記機能制限手段は、前記機能の制限の対象とした電話端末宛の着呼があった場合には、該着呼を前記機能の制限の対象とした電話端末に通知しないための処理を行い、前記機能の制限の対象とした電話端末からの発呼があった場合には、該発呼を発呼先の電話端末に通知しないための処理を行ない、
前記機能の制限を行っている場合に、
前記機能の制限の対象とはしていない通話中の電話端末による通話を、当該通話中の電話端末と前記グループ群が同一の前記機能の制限の対象とした他の電話端末に転送する転送手段を更に備え、
前記転送の実行時に、転送元の電話端末を新たに前記機能の制限の対象とすると共に転送先の電話端末を前記機能の制限の対象から外す管理装置。」

【相違点】
<相違点1>
一致点とした「機能制限手段」が「前記検出手段が前記発呼における所定の操作を受け付けたことの検出をした後、前記グループ群に対して付与されるグループ状態情報をアイドル状態から非アイドル状態へと変更する」ことに関し、
本願発明では、「前記検出手段が」発呼における所定の操作を受け付けたことの「検出をしたならば、前記グループ群に対して付与されるグループ状態情報をアイドル状態から非アイドル状態へと変更」するのに対し、引用発明では、「複数の電話端末を対応付けた父親に関するグループに含まれる子機端末50aが発信における操作を受け付けると、発信できることを確認し、端末70bに呼出信号を送信して該端末70bが応答すると、グループに付与される電話番号に係る通信状態を示す情報22を「空き」から「通信中」に更新」する点。

第6 判断
(1)以下、相違点について検討する。
a 相違点1について
本願発明の「前記検出手段が」発呼における所定の操作を受け付けたことの「検出をしたならば、前記グループ群に対して付与されるグループ状態情報をアイドル状態から非アイドル状態へと変更」することには、「前記検出手段が」発呼における所定の操作を受け付けたことの「検出をした」後、いくつかのステップを経て、「前記グループ群に対して付与されるグループ状態情報をアイドル状態から非アイドル状態へと変更」することを排除していないと解される。
このように解することは、本願明細書又は図面に記載された本発明の実施形態において、何れかのユーザ端末からの発呼を受け付けた場合には(S1でYes)、グループを特定し(S31)、グループ状態がアイドル状態であるか否かを判定し(S33)、アイドル状態であれば発信先が内線であるか外線であるかを判定し(S37)、内線であれば発信先のグループ状態情報がアイドル状態であるか否を判定し(S41)、発信したユーザ端末のグループ状態情報を非アイドル情報に書き換え(S43)、S37で外線であれば発信したユーザ端末のグループ状態情報を非アイドル情報に書き換えている(S65)こと(【0116】?【0130】,【0137】,【0157】、図4-3,4-5)とも整合する。
そうすると、本願発明の「前記検出手段が」発呼における所定の操作を受け付けたことの「検出をしたならば、前記グループ群に対して付与されるグループ状態情報をアイドル状態から非アイドル状態へと変更」することには、「複数の電話端末を対応付けた1ユーザに関するグループ群に含まれる何れかの電話端末が発呼における所定の操作を受け付けたことを検出」した後、いくつかのステップを経て、「前記グループ群に対して付与されるグループ状態情報をアイドル状態から非アイドル状態へと変更」することを排除していないといえる。
したがって、上記相違点1は、相違点ではない。

上記のとおり、本願発明は、前記検出手段が発呼における所定の操作を受け付けたことの検出をした後、前記グループ群に対して付与されるグループ状態情報をアイドル状態から非アイドル状態へと変更することを排除するものではないが、さらに進めて、呼接続を確立する前に、グループ群に対して付与されるグループ状態情報をアイドル状態から非アイドル状態へと変更することが引用発明から容易になし得るといえるかについて検討する。
発呼における所定の操作を受け付けたことの検出をした時点は、グループ群に割り当てられた、ただ1つの電話番号を使用して発呼を行っている時点といえるから、さらなる発呼や着呼の応答では、当該ただ1つの電話番号を使用できないことは明白であり、発呼における所定の操作を受け付けたことを検出したならば、グループ状態情報を非アイドル情報へと変更して発呼している電話端末以外の電話端末の機能を制限することは、当業者が容易になし得る。
そして、本願発明の奏する作用効果は、引用発明の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

(2)審判請求人は、平成30年10月26日に提出した意見書において、上記引用文献に記載の発明は、端末70aと端末70bとが同じグループに属しているから、端末70aが通信中である状態において、端末70aと同じグループの端末70bが発信できる旨主張し(以下、「主張1」という。)、ある一人のユーザが使用すべき端末を他のユーザが使用することは好ましくないとの課題を解決したものである旨主張している(以下、「主張2」という。)。

上記主張1について検討する。
上記引用文献には、端末70aと端末70bが同じグループに属していることは記載されていない。
仮に、端末70aと端末70bが同じグループに属するのであれば、親機端末40a及び子機端末50a,50bのように管理されていると解するのが自然である。このように、端末70a及び端末70bとが同じグループであれば、上記引用文献の【0061】?【0063】に記載のとおり、端末70aが通信中の状態にあるときは、端末70bの発信を禁止するための処理が行われることは明らかである。
したがって、上記主張1は採用できない。

上記主張2について検討する。
本願発明は、「複数の電話端末を対応付けた1ユーザに関するグループ群」であって、複数の電話端末は、1ユーザに関するグループ群であれば足りるから、引用発明における、父親に関するグループ群が含まれていて、複数の電話端末が、ある一人のユーザが使用すべき端末であることの根拠とならない。
したがって、上記主張2は採用できない。

(3)したがって、本願発明は引用発明と同一である、又は、本願発明と引用発明との間に相違点があったとしても、本願発明は引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第1項第3号に該当し、又は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。

第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、又は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-11-19 
結審通知日 2018-11-20 
審決日 2018-12-03 
出願番号 特願2016-24852(P2016-24852)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H04M)
P 1 8・ 113- WZ (H04M)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 松原 徳久  
特許庁審判長 北岡 浩
特許庁審判官 中野 浩昌
宮下 誠
発明の名称 管理装置、管理方法及び管理プログラム  
代理人 伊藤 英輔  
代理人 棚井 澄雄  
代理人 森 隆一郎  
代理人 松沼 泰史  
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