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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A44B
管理番号 1348152
審判番号 不服2017-15353  
総通号数 231 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-03-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-10-16 
確定日 2019-01-16 
事件の表示 特願2016-500875「メディアコードを管理するためのジッパーシステム」拒絶査定不服審判事件〔2014年10月2日国際公開、WO2014/159084、平成28年6月16日国内公表、特表2016-517303〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2014年3月7日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2013年3月14日、アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
平成28年12月12日付け :拒絶理由通知書
平成29年3月17日 :意見書、手続補正書の提出
平成29年7月18日付け :拒絶査定
平成29年10月16日 :審判請求書、手続補正書の提出
平成30年4月16日 :上申書の提出

第2 平成29年10月16日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成29年10月16日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
ア.本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(以下、「本件補正1」という。)。
「メディアコードを管理するためのジッパーシステムであって、
衣服を閉じる係合状態、または衣服を開く係合解除状態をとることができる平行アタッチメント構造を係合し、前側部分および後側部分を有するジッパースライダと、
プルタブであって、前側部分、後側部分、長手方向軸線の左側部分、前記長手方向軸線の右側部分、第一端及び該第一端の反対端である第二端を有し、前記左側部分と前記右側部分は互いに対向し、前記後側部分と前記プルタブの前記第一端は、前記ジッパースライダの前側部分にヒンジ式に取り付けられ、それによって前記プルタブが中心にして動くことのできる回転軸線を形成するプルタブと、
メディアコードの第一部分を係合するよう構成された前記プルタブの前記左側部分から延在する左側突起と、
前記メディアコードの第二部分を係合するよう構成された前記プルタブの前記右側部分から延在する右側突起と、
前記左側突起及び前記右側突起の両方が延在する面内の開位置および閉位置間において、それぞれ前記左側突起および前記右側突起を動かすことができ、且つ、前記開位置および前記閉位置にて静止可能な可動部と、を備え、
前記プルタブは、前記プルタブの前記第二端から、前記プルタブの第一端にかけて薄くなる厚みを有することを特徴とするジッパーシステム。」

イ.本件補正により、特許請求の範囲の請求項15の記載は、次のとおり補正された(以下、「本件補正2」という。)。
「メディアコード管理システムの使用方法であって、
前側部分および後側部分を有するジッパースライダと、
左側部分、右側部分、左側突起、右側突起、第一端、及び該第一端の反対端である第二端を有し、前記左側部分および右側部分は互いに対向し、前記左側突起は前記左側部分から突出し、前記右側突起は前記右側部分から突出してなり、前記第一端はジッパースライダの前記前側部分に対して取り付けられており、さらに、前記第二端から前記第一端にかけて厚みが薄くなるプルタブであり、前記左側突起及び前記右側突起の両方が延在する面内の開位置および閉位置間において、それぞれ前記左側突起および前記右側突起を動かすことができ、且つ、前記開位置および前記閉位置にて静止可能な可動部を有するプルタブと、
を有する衣服を身に着けるステップと、
前記左側突起および前記左側部分間の第一の隙間にメディアコードの第一部分を通すステップと、
前記右側突起および前記右側部分間の第二の隙間に前記メディアコードの第二部分を通すステップとを備える方法。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲
ア.本件補正前の、平成29年3月17日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「メディアコードを管理するためのジッパーシステムであって、
衣服を閉じる係合状態、または衣服を開く係合解除状態をとることができる平行アタッチメント構造を係合し、前側部分および後側部分を有するジッパースライダと、
プルタブであって、前側部分、後側部分、長手方向軸線の左側部分、前記長手方向軸線の右側部分、第一端及び該第一端の反対端である第二端を有し、前記左側部分と前記右側部分は互いに対向し、前記後側部分と前記プルタブの前記第一端は、前記ジッパースライダの前側部分にヒンジ式に取り付けられ、それによって前記プルタブが中心にして動くことのできる回転軸線を形成するプルタブと、
メディアコードの第一部分を係合するよう構成された前記プルタブの前記左側部分から延在する左側突起と、
前記メディアコードの第二部分を係合するよう構成された前記プルタブの前記右側部分から延在する右側突起と、
を備え、
前記プルタブは、前記プルタブの前記第二端から、前記プルタブの第一端にかけて薄くなる厚みを有することを特徴とするジッパーシステム。」

イ.本件補正前の、平成29年3月17日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項16の記載は次のとおりである。
「メディアコード管理システムの使用方法であって、
前側部分および後側部分を有するジッパースライダと、
左側部分、右側部分、左側突起、右側突起、第一端、及び該第一端の反対端である第二端を有し、前記左側部分および右側部分は互いに対向し、前記左側突起は前記左側部分から突出し、前記右側突起は前記右側部分から突出してなり、前記第一端はジッパースライダの前記前側部分に対して取り付けられており、さらに、前記第二端から前記第一端にかけて厚みが薄くなるプルタブと
を有する衣服を身に着けるステップと、
前記左側突起および前記左側部分間の第一の隙間にメディアコードの第一部分を通すステップと、
前記右側突起および前記右側部分間の第二の隙間に前記メディアコードの第二部分を通すステップと
を備える方法。」

2 補正の適否
ア.本件補正1は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「左側突起」と「右側突起」について、「前記左側突起及び前記右側突起の両方が延在する面内の開位置および閉位置間において、それぞれ前記左側突起および前記右側突起を動かすことができ、且つ、前記開位置および前記閉位置にて静止可能な可動部」を備えるとの限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の限縮を目的とするものに該当する。

イ.本件補正2は、本件補正前の請求項16に記載された発明を特定するために必要な事項である「左側突起」と「右側突起」について、「前記左側突起及び前記右側突起の両方が延在する面内の開位置および閉位置間において、それぞれ前記左側突起および前記右側突起を動かすことができ、且つ、前記開位置および前記閉位置にて静止可能な可動部を有する」との限定を付加するものであって、補正前の請求項16に記載された発明と補正後の請求項15に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の限縮を目的とするものに該当する。

ウ.そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明1」という。)及び本件補正後の請求項15に記載される発明(以下「本件補正発明2」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本件補正発明1、2
本件補正発明1、2は、それぞれ、上記1(1)ア.、1(1)イ.に記載したとおりのものである。

(2)引用文献の記載事項及び引用発明、技術的事項
ア.引用文献1
(ア)原査定の拒絶の理由に主たる証拠として引用された、本願の優先日前に頒布された刊行物である国際公開第2011/091290号(2011年7月18日出願公開。以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。なお、括弧内の日本語訳は、当審が付したものである。

a.第1頁第12行?第14行
「FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to cord holders. More particularly, the present invention relates to a cord holder used to affix a headset cord to clothing and bags. 」
(技術分野
本発明は、コードホルダに関する。より詳しくは、本発明は、ヘッドセットコードを衣服及びバッグに固定するのに用いるヘッドセットコードホルダに関する。)

b.第1頁第15行?第20行
「BACKGROUND OF THE INVENTION
Headset cords transmit signals from a source device, such as a music player or cell phone,
to earphones being worn by a user. Although these cords are typically flexible and can be maneuvered out of the way by the user, such manipulation by the user can be inconvenient, and often inefficient, as the cords regularly find their way back into an undesired location. 」
(背景技術
ヘッドセットコードは、ソース機器、例えば音楽プレーヤ又は携帯電話機からの信号を、ユーザが身に付けているイヤホンに伝送する。これらのヘッドセットコードは、一般的には、柔軟であり、ユーザによって邪魔にならない所に動かすことができるが、ユーザによるこのような操作は、コードが常に望ましくない位置に戻ろうとするので、不便であり、多くの場合、非効率的である。)

c.第1頁第21行?最下行
「SUMMARY OF THE INVENTION
The present application is directed towards a headset cord holder used to affix a headset cord to clothing and/or other items. Any headset cord is able to be affixed, including a cord for an iPod, iPhone, or any other similar cell phone or MP3 or music player. The cord holder comprises a simple groove that is the diameter of a standard earphone cord but has an opening tight enough to hold the cord in place when it is pushed into the groove. This groove is able to be designed into or molded into a variety of items, including the teeth or handle of a zipper, that can be sewn to, pinned to, or clipped to clothing, bags and other items.」
(発明の概要
本発明は、ヘッドセットコードを衣服及び/又は他の洋品に固定するのに用いるヘッドセットコードホルダを提供する。iPod(審決注:商標)、iPhone(審決注:商標)、あらゆる他の同様の携帯電話機、MP3プレーヤ又は音楽プレーヤ用のコードを含むあらゆるヘッドセットコードを、固定することができる。ヘッドセットコードホルダは、標準的なイヤホンコードの直径を有する単純な溝を備えるが、ヘッドセットコードを溝に押し込んだときに、コードを所定の位置に保持するのに十分なタイトな開口を有する。この溝は、ファスナの歯や操作具、衣服及びバッグに縫い付け、ピン留め、又はクリップ留めすることができる様々な洋品内に設けられたり、モールド成形することができる。)

d.第5頁第1行?第2行
「FIGS. 14A and 14B illustrate an embodiment of a headset cord holder having one or more grooves molded into a zipper in accordance with some embodiments. 」
(図14A及び14Bは、ファスナの引具にモールド成形された1つ以上の溝を有するヘッドセットコードホルダの一実施の形態を示す図である。)

e.第18頁第3行?第5行
「Figures 14A and 14B illustrate an embodiment of a head set cord holder having a groove molded into the body 1410 of a zipper puller 1450 in accordance with some embodiments. 」
(図14A及び図14Bは、ファスナ引具1450の本体1410にモールド成形された溝を有するヘッドセットコードホルダの一実施の形態を示す図である。)

f.第18頁第6行?第14行
「The zipper puller 1450 is configured to be coupled to a bag or an item of clothing, such as a jacket or shirt. In some embodiments, the body 1410 is configured to act as a closure mechanism capable of releasably coupling a first portion of the bag or item of clothing to a second portion of the bag or article of clothing. For example, in some embodiments, the body 1410 comprises a channel (not shown) formed in opposing sidewalls 1415 in order to receive and releasably couple together zipper tracks of the first portion and the second portion. In some embodiments, a puller 1440 is coupled to the body 1410 in order to facilitate the translation of the body 1410 along the portions of the bag or item of clothing to which it is attached. 」
(ファスナ引具1450は、ジャケット、シャツのようなバッグ又は衣類の洋品に設けられる。いくつかの実施の形態において、本体1410は、バッグ又は衣服の洋品の第1の部分を、衣料品の第2の部分に開閉自在に閉じることができる開閉機構として機能する。例えば、いくつかの実施の形態において、本体1410は、第1の部分のファスナトラックと第2の部分のファスナトラックを受け止めて、開閉自在に閉めるために、対向する側面1415に形成されたチャネル(図示せず)を有する。いくつかの実施の形態において、引具1440は、それが取り付けられたバッグ又は衣服の洋品の一部に沿って本体1410が移動するのを容易にするために、本体1410に連結されている。)

g.第18頁第15行?第23行
「A groove 1420 is molded or otherwise built into the body 1410. The groove 1420 is configured to receive and releasably secure a headset cord. In some embodiments, as shown in Figures 14A and 14B, the body 1410 comprises a plurality of grooves 1420. However, the body 1410 is able to comprise any number of grooves as known in the art. For example, in some embodiments, the body 1410 is able to comprise three grooves (not shown). In these embodiments, the body 1410 is able to comprise two upward facing grooves and one downward facing groove. In some embodiments, the body 1410 comprises a stamped metal or a molded metal. In some embodiments, as shown in FIG. 14B, the body 1410 comprises an over molded plastic portion 1460 comprising the plurality of grooves 1420. 」
(溝1420は、モールド成形等により、本体1410に設けられている。溝1420は、ヘッドセットコードを受け入れ、取り外し可能に固定する。いくつかの実施の形態において、図14A及び図14Bに示すように、本体1410は、複数の溝1420を有している。しかし、当該技術分野において知られているように、本体1410は、何本溝を設けても良い。例えば、いくつかの実施の形態において、本体1410は、3本の溝(図示せず)で構成することができる。いくつかの実施の形態において、本体1410は、2本の上向きの溝及び下向きの溝とすることができる。いくつかの実施の形態において、本体1410は、打ち抜き金属又は成形金属で形成されている。いくつかの実施の形態において、図14Bに示すように、本体1410は、複数の溝1420を有するモールド成形されたプラスチック部分が上側に設けられている。)

h.第18頁第24行?最下行
「In some embodiments, the groove 1420 is defined by a groove wall 1430 that surrounds most of the groove 1420, leaving only an entry space 1425 through which the cord can access the groove 1420. In some embodiments, the entry space 1425 has a smaller diameter than the groove 1420 and the cord, thereby securing the cord within the confines of the groove wall 1430 and requiring a significant amount of force for its removal. In some embodiments, portions of the groove wall 1430 are flexible so that as the cord is pushed through the entry space 1425, the cord is able to force the groove wall 1430 out of its way and temporarily increase the diameter of the entry space 1425 so that the cord can pass through the entry space 1425 into the groove 1420. In some embodiments, the groove wall 1430 is substantially rigid, thereby forcing the outer sleeve of the cord to constrict as it passes through the entry space 1425 between the ends of the groove wall 1430.」
(いくつかの実施の形態において、溝1420は、ヘッドセットコードを溝1420に入れることができる差込口空間1425だけを残して、溝1420の大部分を囲む溝壁1430によって画定される。いくつかの実施の形態において、差込口空間1425は、溝1420及びヘッドセットコードよりも小さな直径を有し、それによって、溝壁1430の範囲内でヘッドセットコードを固定し、それを取り外すためには、かなり大きな力を必要とする。いくつかの実施の形態において、溝壁1430の一部は、差込口空間1425を介して、ヘッドセットコードを押し込めるように柔軟であり、ヘッドセットコードは、溝壁1430をその進行方向に対して外側に広げて、差込口空間1425の直径を一時的に拡大し、差込口空間1425を通過して溝1420内に達することができる。いくつかの実施の形態において、溝壁1430はかなり硬く、それによって、ヘッドセットコードが溝壁1430の両端部間の差込口空間1425を通過するときに、そのスリーブは収縮される。)

i.Fig.14A





j.Fig.14B





(イ)上記(ア)e.?g.の認定について
上記(ア)i.及びj.の記載から、本体1410は、引具1440とファスナ引具1450との組立て体であって、その観点から、上記(ア)e.?g.の記載を整理すると以下のとおりである。

e.図14A及び図14Bは、本体1410の引具1440にモールド成形された溝を有するヘッドセットコードホルダの一実施の形態を示す図である。

f.ファスナ引具1450は、ジャケット、シャツのようなバッグ又は衣類の洋品に設けられる。いくつかの実施の形態において、ファスナ引具1450は、バッグ又は衣服の洋品の第1の部分を、衣料品の第2の部分に開閉自在に閉じることができる開閉機構として機能する。例えば、いくつかの実施の形態において、ファスナ引具1450は、第1の部分のファスナトラックと第2の部分のファスナトラックを受け止めて、開閉自在に閉めるために、対向する側面1415に形成されたチャネル(図示せず)を有する。いくつかの実施の形態において、引具1440は、それが取り付けられたバッグ又は衣服の洋品の一部に沿ってファスナ引具1450が移動するのを容易にするために、ファスナ引具1450に連結されている。

g.溝1420は、モールド成形等により、引具1440に設けられている。溝1420は、ヘッドセットコードを受け入れ、取り外し可能に固定する。いくつかの実施の形態において、図14A及び図14Bに示すように、引具1440は、複数の溝1420を有している。しかし、当該技術分野において知られているように、引具1440は、何本溝を設けても良い。例えば、いくつかの実施の形態において、引具1440は、3本の溝(図示せず)で構成することができる。いくつかの実施の形態において、引具1440は、2本の上向きの溝及び下向きの溝とすることができる。いくつかの実施の形態において、引具1440は、打ち抜き金属又は成形金属で形成されている。いくつかの実施の形態において、図14Bに示すように、引具1440は、複数の溝1420を有するモールド成形されたプラスチック部分が上側に設けられている。

(ウ)上記(ア)、(イ)から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されているといえる。
a.引用文献1には、第1の部分と第2の部分それぞれにファスナトラックを備えることにより、衣服の第1の部分と第2の部分を開閉することが示されている(上記(イ)f.参照)。一般に、ファスナについて、2つのファスナトラックは互いに平行に設けられており、スライダーにより係合状態または係合解除状態をとることができることは、技術常識である。ゆえに、引用文献1の第1の部分と第2の部分それぞれに備えられたファスナトラックは、衣服を閉じる係合状態、または衣服を開く係合解除状態をとることができる平行アタッチメント構造であるといえる。

b.引用文献1のファスナ引具1450は、引具1440が備えられた表側の部分と、当該表側の部分と反対側の、裏側の部分を有している(上記(ア)i.、j.参照)。

c.引用文献1の引具1440は、溝1420が開口している表側の部分と、当該表側の部分とは反対側の、裏側の部分を有している(上記(ア)i.、j.参照)。

d.引用文献1の引具1440は、長手方向の中心線に対する左側の部分と、前記長手方向の中心線に対する右側の部分を有しており、前記左側の部分と前記右側の部分は互いに対向している(上記(ア)i.、j.参照)。

e.引用文献1の引具1440は、ファスナ引具1450に連結された基端と、該基端の反対側の端である先端を有している(上記(ア)i.、j.参照)。一般に、ファスナについて、引具の裏側の部分と基端は、スライダの表側の部分にヒンジ式に取り付けられ、それによって前記引具が回転軸線を中心に動くことができることは、技術常識である。ゆえに、引用文献1の引具1440の裏側の部分と基端は、ファスナ引具1450の表側の部分にヒンジ式に取り付けられ、それによって前記引具1440が中心にして動くことのできる回転軸線が形成されているといえる。

f.引用文献1の引具1440には、左右2つの溝1420が形成されているとともに、当該2つの溝1420を画定するように、左側の溝壁1430、中央の溝壁1430及び右側の溝壁1430が形成されている(上記(ア)h.、i.、j.参照)。この左側の溝壁1430は、引具1440の左側の部分の溝1420から延在するとともに突出しており、右側の溝壁1430は、引具1440の右側の部分の溝1420から延在するとともに突出している(上記(ア)i.、j.参照)。

g.引用文献1の引具1440において、溝壁1430の一部は柔軟であり、溝1420内にヘッドセットコードを押し込めると溝壁1430は外側に広がる(上記(ア)h.参照)。引用文献1の左側の溝壁1430と右側の溝壁1430の両方は、引具1440の先端の端面内において延在しており(上記(ア)i.、j.参照)、この端面内で左側の溝壁1430と右側の溝壁1430は外側に広がるといえる。左側の溝壁1430及び右側の溝壁1430は、溝1420内にヘッドセットコードが押し込められ外側に広がった状態で、開位置に位置しているといえ、溝1420内にヘッドセットコードが押し込められる前または溝1420内からヘッドセットコートが取り外された後の状態で、前記開位置に対しての閉位置に位置しているといえる。左側の溝壁1430及び右側の溝壁1430は、上記で述べたとおり、溝壁1430の一部が柔軟であることから、外側に広がるように可動であるが、前記閉位置及び開位置では外力が加わらない限りその位置を保持するから、両位置で静止可能といえる。

h.上記(ア)、(イ)には、衣服を身に着けるステップが明示されていないものの、通常、衣服は身に着けるものであるから、引用文献1の衣服についても当該衣服を身に着けるステップを有しているといえる。

(エ)上記(ア)?(ウ)を踏まえると、引用文献1には、次の発明が記載されているといえる。
引用1発明1
「ヘッドセットコードを所定の位置に保持するためのファスナ(本体1410)を含むシステムであって、
衣服を閉じる係合状態、または衣服を開く係合解除状態をとることができる平行アタッチメント構造を係合し、表側の部分および裏側の部分を有するファスナ引具1450と、
引具1440であって、表側の部分、裏側の部分、長手方向の中心線に対する左側の部分、前記長手方向の中心線に対する右側の部分、基端及び該基端の反対端である先端を有し、前記左側の部分と前記右側の部分は互いに対向し、前記裏側の部分と前記引具1440の前記基端は、前記ファスナ引具1450の表側の部分にヒンジ式に取り付けられ、それによって前記引具1440が中心にして動くことのできる回転軸線を形成する引具1440と、
ヘッドセットコードの一方の部分を係合するよう構成された前記引具1440の前記左側の部分から延在する左側の溝壁1430と、
前記ヘッドセットコードの他方の部分を係合するよう構成された前記引具1440の前記右側の部分から延在する右側の溝壁1430と、
前記左側の溝壁1430及び前記右側の溝壁1430の両方が延在する面内の開位置および閉位置間において、それぞれ前記左側の溝壁1430および前記右側の溝壁1430を動かすことができ、且つ、前記開位置および前記閉位置にて静止可能な溝壁1430の柔軟な一部と、を備える、
ファスナを含むシステム。」

引用1発明2
「ヘッドセットコードを所定の位置に保持するためのファスナ(本体1410)を含むシステムの使用方法であって、
表側の部分及び裏側の部分を有するファスナ引具1450と、
左側の部分、右側の部分、左側の溝壁1430、右側の溝壁1430、基端、及び該基端の反対端である先端を有し、前記左側の部分および右側の部分は互いに対向し、前記左側の溝壁1430は前記左側の部分から突出し、前記右側の溝壁1430は前記右側の部分から突出してなり、前記基端はファスナ引具1450の前記表側の部分に対して取り付けられており、さらに、前記左側の溝壁1430及び前記右側の溝壁1430の両方が延在する面内の開位置および閉位置において、それぞれ前記左側の溝壁1430および前記右側の溝壁1430を動かすことができ、且つ、前記開位置および前記閉位置にて静止可能な溝壁1430の柔軟な一部を有する引具1440と、
を有する衣服を身に着けるステップと、
前記左側の溝壁1430および前記左側の部分間の左側の差込口空間1425にヘッドセットコードの一方の部分を通すステップと、
前記右側の溝壁1430および前記右側の部分間の右側の差込口空間1425にヘッドセットコードの他方の部分を通すステップとを備える方法。」

イ.引用文献2
(ア)本願の優先日前に頒布された刊行物である実願昭63-148914号(実開平2-68711号)のマイクロフィルム(平成2年5月24日出願公開。以下「引用文献2」という。)には、図面とともに次の記載がある。

a.第5頁第6行?第8行
「第1図は本考案の引手をスライダーに取付けた状態を示したものであり、また第2図はその引手を断面で示したものである。」

b.第1図





c.第2図





(イ)上記(ア)を踏まえると、引用文献2は次の技術を示しているといえる。
「プルタブは、前記プルタブの先端から、前記プルタブの基端にかけて薄くなる厚みを有する」

ウ.引用文献3
(ア)本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2003-260738号公報(平成15年9月16日出願公開。以下「引用文献3」という。)には、図面とともに次の記載がある。

a.【0014】
「第1実施例
・・・図1(c)は、第2工程として軟質樹脂12を硬質樹脂11の上に被覆した状態のテープ末端の斜視図である。・・・図3は、図1(c)の断面図である。」

b.【0019】
「この実施例はファスナの引き手なので、指でつまみやすいように先端に行くほど太くなっている。また、滑りにくくするために表面に細かな凹凸18が付けられている。」

c.【図1】(c)





d.【図3】





(イ)上記(ア)を踏まえると、引用文献3は次の技術を示しているといえる。
「プルタブは、前記プルタブの先端から、前記プルタブの基端にかけて薄くなる厚みを有する」

(3)引用発明との対比
ア.本件補正発明1について
(ア)本件補正発明1と引用発明1とを対比する。
引用発明1の「ヘッドセットコードを所定の位置に保持するための」、「ファスナ(本体1410)を含むシステム」、「表側の部分」、「裏側の部分」、「ファスナ引具1450」、「引具1440」、「長手方向の中心線に対する左側の部分」、「長手方向の中心線に対する右側の部分」、「基端」、「先端」、「ヘッドセットコードの一方の部分」、「左側の溝壁1430」、「ヘッドセットコードの他方の部分」、「右側の溝壁1430」、「溝壁1430の柔軟な一部」は、それぞれ、本件補正発明1の「メディアコードを管理するための」、「ジッパーシステム」、「前側部分」、「後側部分」、「ジッパースライダ」、「プルタブ」、「長手方向軸線の左側部分」、「長手方向軸線の右側部分」、「第一端」、「第二端」、「メディアコードの第一部分」、「左側突起」、「メディアコードの第二部分」、「右側突起」、「可動部」に相当する。

(イ)そうすると、本件補正発明1と引用発明1との一致点及び相違点は、次のとおりである。

<一致点>
「メディアコードを管理するためのジッパーシステムであって、
衣服を閉じる係合状態、または衣服を開く係合解除状態をとることができる平行アタッチメント構造を係合し、前側部分および後側部分を有するジッパースライダと、
プルタブであって、前側部分、後側部分、長手方向軸線の左側部分、前記長手方向軸線の右側部分、第一端及び該第一端の反対端である第二端を有し、前記左側部分と前記右側部分は互いに対向し、前記後側部分と前記プルタブの前記第一端は、前記ジッパースライダの前側部分にヒンジ式に取り付けられ、それによって前記プルタブが中心にして動くことのできる回転軸線を形成するプルタブと、
メディアコードの第一部分を係合するよう構成された前記プルタブの前記左側部分から延在する左側突起と、
前記メディアコードの第二部分を係合するよう構成された前記プルタブの前記右側部分から延在する右側突起と、
前記左側突起及び前記右側突起の両方が延在する面内の開位置および閉位置間において、それぞれ前記左側突起および前記右側突起を動かすことができ、且つ、前記開位置および前記閉位置にて静止可能な可動部と、を備える、
ジッパーシステム。」

<相違点1>
本件補正発明1の「プルタブ」は「前記プルタブの前記第二端から、前記プルタブの第一端にかけて薄くなる厚みを有する」のに対し、引用発明1の「引具1440」は、引具の先端から、引具の基端にかけて薄くなる厚みを有するのかは、明らかでない点。

イ.本件補正発明2について
(ア)本件補正発明2と引用1発明2を対比する。
引用1発明2の「ヘットセットコードを所定の位置に保持するためのファスナ(本体1410)を含むシステム」、「表側の部分」、「裏側の部分」、「ファスナ引具1450」、「左側の部分」、「右側の部分」、「左側の溝壁1430」、「右側の溝壁1430」、「基端」、「先端」、「溝壁1430の柔軟な一部」、「引具1440」、「左側の差込口空間1425」、「ヘッドセットコードの一方の部分」、「右側の差込口空間1425」、「ヘッドセットコードの他方の部分」は、それぞれ、本件補正発明2の「メディアコード管理システム」、「前側部分」、「後側部分」、「ジッパースライダ」、「左側部分」、「右側部分」、「左側突起」、「右側突起」、「第一端」、「第二端」、「可動部」、「プルタブ」、「第一の隙間」、「メディアコードの第一部分」、「第二の隙間」、「メディアコードの第二部分」に相当する。

(イ)そうすると、本件補正発明2と引用1発明2との一致点及び相違点は、次のとおりである。

<一致点>
「メディアコード管理システムの使用方法であって、
前側部分および後側部分を有するジッパースライダと、
左側部分、右側部分、左側突起、右側突起、第一端、及び該第一端の反対端である第二端を有し、前記左側部分および右側部分は互いに対向し、前記左側突起は前記左側部分から突出し、前記右側突起は前記右側部分から突出してなり、前記第一端はジッパースライダの前記前側部分に対して取り付けられており、さらに、前記左側突起及び前記右側突起の両方が延在する面内の開位置および閉位置間において、それぞれ前記左側突起および前記右側突起を動かすことができ、且つ、前記開位置および前記閉位置にて静止可能な可動部を有するプルタブ
と、
を有する衣服を身に着けるステップと、
前記左側突起および前記左側部分間の第一の隙間にメディアコードの第一部分を通すステップと、
前記右側突起および前記右側部分間の第二の隙間に前記メディアコードの第二部分を通すステップとを備える方法。」

<相違点2>
本件補正発明2の「プルタブ」は、「前記第二端から前記第一端にかけて厚みが薄くなるプルタブ」であるのに対し、引用1発明2の「引具1440」は、先端から基端にかけて厚みが薄くなるプルタブであるのかは、明らかでない点。

(4)判断
以下、上記相違点1、2について検討する。
上記相違点1、2は、いずれも、本件補正発明では、プルタブの厚さが先端から基端にかけて薄くなるのに対して、引用発明では、プルタブの厚さが先端から基端にかけて薄くなるのかは明らかでないという点で共通しているため、共に検討する。
ア.一般に、ファスナーについて、プルタブを、その先端(第二端)から、その基端(第一端)にかけて薄くなる厚みを有するように構成することは、周知の技術であり(例えば、上記(2)イ.、(2)ウ.で摘記した引用文献2、3参照)、このような構成ではプルタブは指でつまみやすくなる作用効果があるといえる(上記(2)ウ.(ア)b.参照)。
引用1発明1、2のプルタブである「引具1440」についても、指でつまみやすくすることは当業者であれば通常、配慮し得たことといえるから、上記周知の技術(引用文献2、3参照)を適用する動機があるといえる。また、引用1発明1、2について、上記周知の技術(引用文献2、3参照)を適用する阻害要因はない。
ゆえに、引用1発明1、2について上記周知の技術(引用文献2、3参照)を適用すること、すなわち、上記相違点1、2に係る本件補正発明1、2の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

イ.そして、上記相違点1、2を勘案しても、本件補正発明1、2の奏する作用効果は、引用1発明1、2及び上記周知の技術(引用文献2、3参照)から当業者であれば予測できる範囲内のものにすぎず、格別顕著なものともいえない。

ウ.(ア)なお、出願人は、審判請求書の項目3(え)で、「引用文献1では、コードを保持する機構は、開位置においては静止することができず、補正後の本願発明における可動部のように「開位置および閉位置にて静止可能」でないことは明らかです。」と主張した上、「何れの文献にも補正後の本願発明における「可動部」に相当する構成は記載も示唆もされておりません。」と主張している。
しかしながら、上記(2)ア.(ウ)g.で述べたとおり、引用文献1のコードを保持する機構を構成する左側の溝壁1430及び右側の溝壁1430は、開位置及び閉位置では外力が加わらない限りその位置を保持するから、「開位置および閉位置にて静止可能」であるといえる。そして、前記左側の溝壁1430及び右側の溝壁1430は、溝壁1430の一部が柔軟であるため可動であるから(上記(2)ア.(ウ)g.参照)、この柔軟な溝壁1430の柔軟な一部が本願発明における「可動部」に相当するといえる。

(イ)また、出願人は、同審判請求書の項目3(え)で、「本願発明においては、あえて、開位置及び閉位置の間で可動であるとともに、開位置及び閉位置にてそれぞれ静止可能な可動部を設けることで、コードの管理を一層自在、且つ効率的なものとすることができる、という有利な効果を奏することができます。」と主張している。
しかしながら、上記(ア)で述べたとおり、引用文献1においても、開位置及び閉位置の間で可動であるとともに、開位置及び閉位置にてそれぞれ静止可能な「可動部」が設けられており、当該引用文献1から上記の効果は当業者であれば予測できたものであって、格別顕著なものともいえない。

(ウ)さらに、出願人は、平成30年4月16日に提出した上申書において、「本願請求項1における、「メディアコードの第一部分を係合するように構成された・・・」及び「メディアコードの第二部分を係合ように構成された・・・」との文言に包含していた左側突起及び右側突起の形状的な特徴は、引用文献1に開示された技術的特徴とは全く異なるものです。」と主張している。
しかしながら、本願請求項1における、「メディアコードの第一部分を係合するよう構成された前記プルタブの前記左側部分から延在する左側突起」、「メディアコードの第二部分を係合するよう構成された前記プルタブの前記右側部分から延在する右側突起」との文言からでは、左側突起及び右側突起の形状的な特徴は、それぞれ、メディアコードの第一部分に係合すること及びプルタブの左側部分から延在すること、メディアコードの第二部分に係合すること及びプルタブの右側部分から延在することに尽きるといえ、上記(2)ア.(エ)で述べたように、このような特徴は引用文献1に示されているといえる。

(エ)したがって、出願人の上記審判請求書及び上申書の主張は、採用することができない。

エ.したがって、本件補正発明1は、引用1発明1及び上記周知の技術(引用文献2、3参照)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。また、本件補正発明2は、引用1発明2及び上記周知の技術(引用文献2、3参照)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 本件補正についてのむすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成29年3月17日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?19に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明1」という。)及び請求項16に係る発明(以下「本願発明2」という。)は、それぞれ、その請求項1及び請求項16に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1、16に係る発明は、本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び周知の技術(引用文献4参照)に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1:国際公開第2011/091290号
引用文献4:実願昭63-148914号(実開平2-68711号)のマイクロフィルム

3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1、4は、それぞれ、前記第2の[理由]2(2)で引用された引用文献1、2に相当するものであり、その記載事項は、同[理由]2(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明1は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明1から、「前記左側突起及び前記右側突起の両方が延在する面内の開位置および閉位置間において、それぞれ前記左側突起および前記右側突起を動かすことができ、且つ、前記開位置および前記閉位置にて静止可能な可動部と、」という限定事項を削除したものである。また、本願発明2は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明2から、「であり、前記左側突起及び前記右側突起の両方が延在する面内の開位置および閉位置間において、それぞれ前記左側突起および前記右側突起を動かすことができ、且つ、前記開位置および前記閉位置にて静止可能な可動部を有するプルタブ」という限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明1、2の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したもの相当する本件補正発明1、2は、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、それぞれ、引用1発明1及び周知の技術(引用文献2、3参照)、引用1発明2及び周知の技術(引用文献2、3参照)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明1、2も、それぞれ、引用1発明1及び周知の技術(引用文献2、3参照)、引用1発明2及び周知の技術(引用文献2、3参照)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明1、2は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2018-08-20 
結審通知日 2018-08-21 
審決日 2018-09-04 
出願番号 特願2016-500875(P2016-500875)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A44B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 ▲高▼辻 将人  
特許庁審判長 門前 浩一
特許庁審判官 西藤 直人
蓮井 雅之
発明の名称 メディアコードを管理するためのジッパーシステム  
代理人 杉村 憲司  
代理人 結城 仁美  

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