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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する F16C 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する F16C |
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管理番号 | 1348994 |
審判番号 | 訂正2018-390171 |
総通号数 | 232 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2019-04-26 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2018-11-02 |
確定日 | 2019-01-15 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6354464号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6354464号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
1 手続の経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第6354464号は、平成26年8月29日に特許出願され、平成30年6月22日に特許権の設定登録がされ、平成30年11月2日に本件訂正審判の請求がされたものである。 2 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、審判請求書の請求の趣旨に記載されているとおり、特許第6354464号の明細書及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。 3 訂正の内容 本件訂正審判に係る訂正の内容は、次のとおりである。(下線部分は訂正箇所を示す。) (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項7を削除する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項8を削除する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項9の「請求項1?8の何れか1項に記載の軸受装置」との記載を「請求項1?6の何れか1項に記載の軸受装置」に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項10の「請求項1?9の何れか1項に記載の軸受装置」との記載を「請求項1?6、及び9の何れか1項に記載の軸受装置」に訂正する。 (5)訂正事項5 明細書の段落【0013】の 「(7) 前記玉の直径をDaとし、 前記玉のピッチ円半径をdmとすると、 前記内輪又は外輪の傾き角度は、0.009×Da^(0.5)/dm^(0.6)?0.0015×Da^(0.5)/dm^(0.6)(ラジアン)の範囲に設定される ことを特徴とする(1)?(6)の何れか1つに記載の軸受装置。 (8) 前記玉の直径をDaとし、 前記玉のピッチ円半径をdmとすると、 前記内輪又は外輪の傾き角度は、0.003×Da^(0.5)/dm^(0.6)?0.006×Da^(0.5)/dm^(0.6)(ラジアン)の範囲に設定される ことを特徴とする(1)?(6)の何れか1つに記載の軸受装置。 (9) 前記玉軸受は一対設けられ、 一方の前記玉軸受の前記内輪又は前記外輪の傾き方向と、他方の前記玉軸受の前記内輪又は前記外輪の傾き方向と、は逆方向である ことを特徴とする(1)?(8)の何れか1つに記載の軸受装置。 (10) 前記揺動部材は、ハードディスクドライブのスイングアームを含む ことを特徴とする(1)?(9)の何れか1つに記載の軸受装置。」 との記載を、 「(7) 前記玉軸受は一対設けられ、 一方の前記玉軸受の前記内輪又は前記外輪の傾き方向と、他方の前記玉軸受の前記内輪又は前記外輪の傾き方向と、は逆方向であることを特徴とする(1)?(6)の何れか1つに記載の軸受装置。 (8) 前記揺動部材は、ハードディスクドライブのスイングアームを含む ことを特徴とする(1)?(7)の何れか1つに記載の軸受装置。」 に訂正する。 (6)訂正事項6 明細書の段落【0049】の「実施例」との記載を「参考例」に訂正する。 4 当審の判断 (1)訂正事項1及び2 ア 訂正の目的について 訂正事項1及び2は、それぞれ特許請求の範囲の請求項7及び8を削除する訂正であり、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内か否か、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正か否か 訂正事項1及び2は、それぞれ特許請求の範囲の請求項7及び8を削除する訂正であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるとともに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。 よって、訂正事項1及び2は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 ウ 特許出願の際独立して特許を受けることができるか否か 訂正事項1及び2は請求項を削除する訂正であるから、特許出願の際独立して特許を受けることができなくなるような事情は存在しない。 よって、訂正事項1及び2は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 (2)訂正事項3及び4 ア 訂正の目的について 訂正事項3及び4は、訂正前の請求項9及び10が請求項7及び8の記載を引用する記載であるところ、訂正事項1及び2により訂正前の請求項7及び8が削除されたことに伴って、当該請求項9及び10の記載を、訂正前の請求項7及び8の記載を引用しないものとする訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 また、訂正事項1及び2により訂正前の請求項7及び8が削除されたことに伴い、請求項7及び8の記載を引用する記載は不明瞭となるから、訂正事項3及び4は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものでもある。 イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内か否か、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正か否か 訂正事項3及び4は、請求項7及び8の削除に伴い、これらの請求項の記載を引用しないものとする訂正であり、実質的な内容の変更を伴うものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるとともに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。 よって、訂正事項3及び4は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 ウ 特許出願の際独立して特許を受けることができるか否か 訂正事項3及び4は、請求項7及び8の削除に伴い、これらの請求項の記載を引用しないものとする訂正であり、実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許出願の際独立して特許を受けることができなくなるような事情は存在しない。 よって、訂正事項3及び4は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 (3)訂正事項5 ア 訂正の目的について 訂正前の明細書の段落【0013】には、訂正前の特許請求の範囲に対応する記載があるため、訂正事項1?4による訂正後の特許請求の範囲との関係で不明瞭となる。 訂正事項5は、訂正後の特許請求の範囲の記載と、明細書の記載を整合させるための訂正であり、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか否か、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正か否かについて 上記(1)、(2)で説示したとおり、訂正事項1?4による特許請求の範囲の訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるとともに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。 よって、訂正後の特許請求の範囲の記載と明細書の記載を整合させるための訂正である訂正事項5は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるとともに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないから、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (4)訂正事項6 ア 訂正の目的について 訂正前の明細書の段落【0049】?【0054】には、「実施例」として、軸受装置をHDDに組み込んで試験した場合の、軸受の内輪又は外輪のラジアル荷重変化方向への傾きを変化させた場合の傾き角度と、トルク変動(電流値変動)を示したときのシーク数との関係に基づいて、内輪又は外輪のラジアル荷重変化方向への好ましい傾き範囲を特定したことが示されており、これは訂正前の請求項7及び8に対応する実施例であるといえる。しかしながら、上記の訂正事項1及び2により訂正前の請求項7及び8が削除されたことに伴い、特許請求の範囲との間で当該「実施例」との記載が不明瞭となっている。 訂正事項6は、訂正後の特許請求の範囲の記載と明細書の記載の整合を図るため、明細書中の「実施例」との記載を「参考例」に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか否か、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正か否かについて 訂正事項6は、訂正後の特許請求の範囲の記載との整合を図るために、明細書中の「実施例」との記載を「参考例」に訂正するものに過ぎないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるとともに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。 よって、訂正事項6は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 5 むすび 以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第3号に規定する事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 軸受装置 【技術分野】 【0001】 本発明は軸受装置に関する。 【背景技術】 【0002】 図8(a)?(c)は、ハードディスクドライブ{Hard Disc Drive(以下、HDDとも言う)}の概略構成を一例として示している。当該HDDは、情報(データ)を記録する磁気ディスク(ハードディスク)2と、磁気ディスク2を回転させるスピンドルモータ4と、先端部に磁気ヘッド6が取り付けられたアクチュエータとしてのスイングアーム8と、スイングアーム8の基端部に設けられ、スイングアーム8を回転駆動させるボイスコイル9とを備えている。 【0003】 スイングアーム8は、軸受装置10を介してHDDのベースBs上に回動可能に軸支されており、ボイスコイル9によって回転駆動された際、回転状態の磁気ディスク2に対して磁気ヘッド6を平行移動(トレース)させる。これにより、HDDにおいて、磁気ヘッド6を介して磁気ディスク2から情報を読み取ること、あるいは磁気ディスク2へ情報を書き込むこと(記録すること)ができる。 【0004】 軸受装置10は、HDDのベースBsに立設された中心軸12と、中心軸12の外周に固定された一対の玉軸受14、16と、を備えている。一対の玉軸受14、16の外周にはスイングアーム8が外装されるスリーブ18が固定される。このように、一対の玉軸受14、16は、中心軸12とスリーブ18との相対回転を可能とする。 【0005】 一対の玉軸受14、16は、相対回転可能に対向して配置された一対の軌道輪として、内輪14a、16a及び外輪14b、16bと、当該軌道輪の間に転動自在に組み込まれた複数の転動体としての玉14c、16cと、当該玉14c、16cを1つずつ回転自在に保持する保持器14d、16dが備えられている。内輪14a、16aと外輪14b、16bとの間には、軸受内部を密封するための密封部材としての、非接触型の一対のシールド14e、16eが介在されている。これにより、軸受外部からの異物(例えば、塵埃)の侵入が防止されているとともに、軸受内部へ封入したグリース組成物の軸受外部への漏洩が防止されている。 【0006】 そして、玉軸受14、16は、内輪14a、16aが中心軸12に外嵌されているとともに、外輪14b、16bがスリーブ18に内嵌された状態で、スリーブ18及び当該スリーブ18に装着されたスイングアーム8を回動・揺動自在に軸支している。したがって、スリーブ18及びスイングアーム8は、中心軸12の周りで揺動する揺動部材を構成する。 【0007】 また、スリーブ18の内周部には、一対の玉軸受14、16相互間に介在するように環状の間座20が嵌合されている。これにより、玉軸受14、16が所定の予圧を付与された状態で所定位置に位置決め固定され、ガタつくこと無く安定して回動・揺動可能な状態となり、スイングアーム8を応答性良くスムーズに回動させることができる。 【0008】 ここで、特許文献1でも指摘されているように、スイングアーム8の回転角度が比較的小さい範囲で繰り返し揺動した場合、揺動した範囲のグリースは繰り返し通過する玉14c、16cによって薄くなり、かき寄せられた分が折り返し部分に寄せられていく現象が発生する。そしてスイングアーム8が、比較的小さい範囲で揺動した後、当該範囲を超えて揺動した場合、玉14c、16cは、それまでに形成されたグリースの山を越えることになり、スイングアーム8の回転力に対して大きな抵抗を発生させる。したがって、軸受回転トルクの変動が起こりやすく、潤滑不良によるフレッチング摩耗が発生する虞もある。 【0009】 そこで、特許文献1に記載の発明では、ベアリングのボールが接触する部分に、ボールが特定の方向には他の方向よりも比較的回転しずらくする機構、より具体的には保持器にスプリングプレートを設けることにより、上述の課題を解決することを図っている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0010】 【特許文献1】特開2006-179104号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0011】 しかしながら、特許文献1に記載の発明では、保持器に設けたスプリングプレートでボールを強く押さえる必要があるため、トルクが重く不安定になり、幅の狭い記録トラックを追従する制御ができないという問題があった。 【0012】 本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、トルク増大を抑制しつつ、グリースの山の形成及びフレッチング摩耗を防止可能な軸受装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0013】 本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。 (1) 軸部材と、 前記軸部材の外周に固定された2つ以上の玉軸受と、 を備える軸受装置であって、 2つ以上の前記玉軸受はそれぞれ、前記軸部材の外周に固定される内輪と、前記内輪の径方向外側に配置される外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に配置される複数の玉と、を備え、 2つ以上の前記玉軸受の外周には、前記軸部材の周りで揺動する揺動部材が固定され、 前記揺動部材の揺動時において2つ以上の前記玉軸受に負荷されるラジアル荷重が変化する方向に、前記内輪又は前記外輪が傾けられている ことを特徴とする軸受装置。 (2) 前記軸部材又は前記揺動部材は、径方向に突出して、前記内輪又は前記外輪の軸方向側面に当接する突出部を有し、 前記突出部には、前記内輪又は前記外輪の傾きを調整可能な凸部又は凹部が形成される ことを特徴とする(1)に記載の軸受装置。 (3) 軸方向に隣り合う前記内輪又は前記外輪の間には、前記内輪又は前記外輪の軸方向側面に当接する間座が配置され、 前記間座は、前記ラジアル荷重が変化する方向において軸方向幅が異なることにより、前記内輪又は前記外輪の傾きを調整可能である ことを特徴とする(1)又は(2)に記載の軸受装置。 (4) 軸方向に隣り合う前記内輪又は前記外輪の間には、前記内輪又は前記外輪の軸方向側面の一部に当接し、前記内輪又は前記外輪の傾きを調整可能である板が配置される ことを特徴とする(1)?(3)の何れか1つに記載の軸受装置。 (5) 前記玉軸受は、予圧荷重が付与されながら前記軸部材及び前記揺動部材に組み込まれ、 前記予圧荷重の重心を、前記玉軸受の中心から、前記ラジアル荷重が変化する方向にずらすことにより、前記内輪又は前記外輪の傾きを調整可能である ことを特徴とする(1)?(4)の何れか1つに記載の軸受装置。 (6) 前記内輪又は前記外輪が傾けられている方向が識別できるようにマーキングされている ことを特徴とする(1)?(5)の何れか1つに記載の軸受装置。 (7) 前記玉軸受は一対設けられ、 一方の前記玉軸受の前記内輪又は前記外輪の傾き方向と、他方の前記玉軸受の前記内輪又は前記外輪の傾き方向と、は逆方向であることを特徴とする(1)?(6)の何れか1つに記載の軸受装置。 (8) 前記揺動部材は、ハードディスクドライブのスイングアームを含む ことを特徴とする(1)?(7)の何れか1つに記載の軸受装置。 【発明の効果】 【0014】 本発明の軸受装置によれば、揺動部材の揺動時において複数の玉軸受に負荷されるラジアル荷重が変化する方向に、内輪又は外輪が傾けられているので、揺動を繰り返す際に、内輪及び外輪の軌道面と玉との相対的な接触位置が、回転方向にずれていく。したがって、グリースの山が大きくならず、トルクが安定すると共に、フレッチング摩耗を防止することが可能である。また、本発明では内輪又は外輪を傾けるという簡便な構成でありながら、上述のような顕著な効果を奏するものである。そして、本発明では、従来技術のように、保持器に玉を拘束するスプリングプレートを設けていないので、トルクが重く不安定になるという問題も生じない。 【図面の簡単な説明】 【0015】 【図1】第1実施形態に係る軸受装置の断面図である。 【図2】図1におけるA部分周辺の拡大図である。 【図3】第2実施形態に係る軸受装置の断面図である。 【図4】第3実施形態に係る軸受装置の断面図である。 【図5】第4実施形態に係る軸受装置の断面図である。 【図6】内輪又は外輪の傾きと、トルク変動までのシーク数と、の関係を示すグラフである。 【図7】凸部の変形例を示す断面図である。 【図8】(a)は、HDDの全体構成を示す概略断面図、(b)は、HDDの全体構成を示す平面図、(c)は、従来の軸受装置を示す半断面図である。 【発明を実施するための形態】 【0016】 以下、本発明の実施形態に係る軸受装置について、図面を用いて説明する。 【0017】 (第1実施形態) 図1に示すように、本実施形態の軸受装置10Aは、図8(a)?(c)に示した軸受装置10と概略構成が同様であるため、同一又は相当部分には同一符号を付すことにより、その説明を省略又は簡略化する。また、本実施形態の軸受装置10Aは、図8(a)?(c)に示したようなHDDのスイングアーム8を回動・揺動可能に軸支する用途に用いられるが、当該用途に限定されるものではなく、例えば、チップマウンターのヘッド部等の高速揺動回転部や、サーボモータ等で狭い範囲で揺動する部位を、軸支する用途に用いても構わない。 【0018】 軸受装置10Aは、中心Oを有して軸方向に延びる軸部材としての中心軸12と、中心軸12の外周に固定された一対の玉軸受14、16と、を備えている。一対の玉軸受14、16の外周にはスイングアーム8が外装されるスリーブ18が固定される。このように、一対の玉軸受14、16は、中心軸12とスリーブ18との相対回転を可能とする。中心軸12は、中央にねじ穴13が貫通した円筒形状とされており、当該ねじ穴13に螺合する不図示のねじにより、HDDのベースBs等に固定される。 【0019】 一対の玉軸受14、16は、相対回転可能に対向して配置された一対の軌道輪として、内輪14a、16a及び外輪14b、16bと、当該軌道輪の間に転動自在に組み込まれた複数の転動体としての玉14c、16cと、当該玉14c、16cを1つずつ回転自在に保持する保持器14d、16dと、を備えている。本実施形態の玉軸受14、16には、図8(c)の軸受装置10のようなシールド14e、16eが設けられていないが、同様のシールドを設けても構わない。なお、一対の玉軸受14、16は、予圧荷重が付与されながら、中心軸12及びスリーブ18の間に接着又は圧入の方法で、組み込まれ固定される。 【0020】 そして、玉軸受14、16は、内輪14a、16aが中心軸12に外嵌されているとともに、外輪14b、16bがスリーブ18に内嵌された状態で、スリーブ18及び当該スリーブ18に装着されたスイングアーム8(図8(a)?(b)参照)を回動・揺動自在に軸支している。したがって、スリーブ18及びスイングアーム8は、中心軸12(中心O)の周りで揺動する揺動部材を構成する。なお、スリーブ18は必ずしも設ける必要はなく、スイングアーム8を直接外輪14b、16bに外嵌しても構わない。軸受装置10Aを、HDDのスイングアーム8を軸支する用途以外に用いる場合にも、外輪14b、16bの外周には揺動部材が固定される。 【0021】 スリーブ18には、径方向内側(中心O側)に向かって突出して、隣り合う外輪14b、16bの軸方向側面14f、16fに当接する突出部18aが形成される。この突出部18aにより、外輪14b、16bとスリーブ18との軸方向における相対位置が適切に位置決めされる。 【0022】 中心軸12の軸方向端部には、径方向外側に向かって突出する突出部12aが形成される。突出部12aは、内輪16aの軸方向側面16gと当接して、内輪16aよりも径方向外側まで延在する幅広部12bと、幅広部12bと接続して、外輪16b及びスリーブ18と隙間を介して対向する幅狭部12cと、を有しており、全体としては断面略階段形状とされている。 【0023】 このように構成された軸受装置10AがHDDのスイングアーム8を軸支する用途に適用された場合、スイングアーム8の揺動時に、一対の玉軸受14、16にはラジアル荷重が負荷される。このラジアル荷重は、スイングアーム8の揺動に同期するように変化し、その変化方向Fは、図8(b)に示すように、スイングアーム8とボイスコイル9とを結んだ方向に対して垂直方向である。 【0024】 そして、軸受装置10Aは、玉軸受14、16の内輪14a、16a又は外輪14b、16bが、ラジアル荷重変化方向Fに傾けられている。より詳細には、図1に示すようなラジアル荷重変化方向Fに平行な仮想面において、ラジアル荷重変化方向Fと軸方向(中心Oが延びる方向)とを結ぶ円周方向Rに向かって、内輪14a、16a又は外輪14b、16bが傾けられている。 【0025】 本実施形態では、一対の玉軸受14、16は共に、内輪14a、16aがラジアル荷重変化方向Fに傾けられており、外輪14b、16bは傾けられていない。 【0026】 図中上側の玉軸受14は、予圧荷重を付与されながら中心軸12及びスリーブ18に組み込まれる際に、予圧荷重の重心が、玉軸受14の中心Oからラジアル荷重変化方向Fの一方側F1にずらされる。これにより、僅かな嵌合隙間が設けられるので、内輪14aはラジアル荷重変化方向Fに傾けられる。このとき、玉軸受14のラジアル荷重変化方向Fの一方側F1における接触角α4は、他方側F2の接触角α3に比べて大きくなる(α4>α3)。 【0027】 また、幅広部12bの内輪16aの軸方向側面16gに当接する部分のうち一部には、より具体的にはラジアル荷重変化方向Fの他方側F2の一部(図中、符号Aで示した部分)には、図2に示すように内輪16aの傾きを調整可能な凸部19が設けられている。本実施形態の凸部19は、径方向に離間する一対の凸片19a、19bからなる。一対の凸片19a、19bは、これらの間に圧痕19cを設けることにより形成される。この凸部19により、内輪16aはラジアル荷重変化方向Fに傾けられる。このとき、玉軸受16のラジアル荷重変化方向Fの一方側F1における接触角α1は、他方側F2の接触角α2に比べて小さくなる(α1<α2)。 【0028】 ここで、玉軸受14、16が回転すると、接触角が大きい方、すなわち、玉軸受14であればラジアル荷重変化方向Fの一方側F1、玉軸受16であれば他方側F2において、玉14c、16cの自転速度が大きくなる。このため、中心軸12又はスリーブ18が回転方向に揺動するとき、一方側F1と他方側F2で玉14c、16cの転動長さに僅かに差が生じ、接触角が大きい方において、玉14c、16cの転動長さが僅かに長くなる。 【0029】 また、揺動に同期するようにラジアル荷重が変化すると、荷重を受けた側の玉14c、16cと内輪14a、16a及び外輪14b、16bとの接触圧力が大きくなり、反対側の玉14c、16cと内輪14a、16a及び外輪14b、16bとの接触圧力が小さくなる。このため、面圧が高い方の玉転動範囲に全体の玉14c、16cが引っ張られるようになる。 【0030】 したがって、揺動が繰り返されると、時間と共に、玉14c、16cと内輪14a、16a及び外輪14b、16bとの相対的な接触位置が、回転方向にずれていくことになる。したがって、グリースの山が大きくならず、トルクが安定すると共に、フレッチング摩耗が防止される。また、本発明では内輪14a、16a又は外輪14b、16bを傾けるという簡便な構成でありながら、上述のような顕著な効果を奏するものである。そして、本発明では、従来技術のように、保持器に玉を拘束するスプリングプレートを設けていないので、トルクが重く不安定になるという問題も生じない。 【0031】 なお、内輪14a、16a又は外輪14b、16bが傾けられた軸受装置10Aは、当該傾けられた方向がラジアル荷重変化方向Fに一致するように、HDD等に固定する必要がある。そこで、内輪14a、16a又は外輪14b、16bが傾けられた方向が識別できるように、軸受装置10Aには当該傾けられた方向と一定の関係がある位置にマーキングされる。マーキングの方法は特に限定されず、例えば、傾けられた方向に向かって矢印を示してもよいし、傾けられた方向に突起や溝を設けてもよい。また、傾けられた方向の直角方向にマーキングし、スイングアーム8とボイスコイル9とを結んだ方向にマーキングを合わせ、組み込むようにしてもよい。また、中心軸12をHDDのベースBsに固定する場合には、中心軸12の下面に突起等を設けて、上記傾けられた方向とラジアル荷重変化方向Fとを合わせても構わない。 【0032】 また、HDDのベースBs及び中心軸12にネジ山が形成され、互いのネジ山を螺合することによって、軸受装置10及びスイングアーム8をベースBsに固定する場合には、ベースBsに対する中心軸12の回転方向の位相が、ベースBs及び中心軸12のネジ山の位相関係により規定される。したがって、内輪14a、16a又は外輪14b、16bの傾き方向が、ラジアル荷重変化方向F、すなわちベースBsに固定された状態でスイングアーム8とボイスコイル9とを結んだ方向に対して垂直方向に一致するように、ベースBs及び中心軸12のネジ山を加工し、これらの位相を予め調整しておくことが好ましい。このようにネジ山の位相を調整しておくことにより、組み立て時に方向性を意識することなく確実な作業することが可能となり、作業効率を向上させることができる。 【0033】 (第2実施形態) 図3には、第2実施形態に係る軸受装置10Aが示されている。本実施形態では、一対の玉軸受14、16は共に、外輪14b、16bがラジアル荷重変化方向Fに傾けられており、内輪14a、16aは傾けられていない。 【0034】 スリーブ18の突出部18aは、図中上側の外輪14bの軸方向側面14fに当接する部分のうち一部に、より具体的にはラジアル荷重変化方向Fの一方側F1の一部(図中、符号Bで示した部分)に、外輪14bの傾きを調整可能な凸部(微小な凸部であるため不図示)が設けられている。当該凸部の形状は、例えば第1実施形態の凸部19(図2参照)と同様の形状が採用される。この凸部により、外輪14bはラジアル荷重変化方向Fに傾けられる。このとき、玉軸受14のラジアル荷重変化方向Fの一方側F1における接触角α4は、他方側F2の接触角α3に比べて大きくなる(α4>α3)。 【0035】 また、スリーブ18の突出部18aは、図中下側の外輪16bの軸方向側面16fに当接する部分のうち一部に、より具体的にはラジアル荷重変化方向Fの他方側F2の一部(図中、符号Cで示した部分)に、外輪16bの傾きを調整可能な凸部(微小な凸部であるため不図示)が設けられている。当該凸部の形状は、例えば第1実施形態の凸部19(図2参照)と同様の形状が採用される。この凸部により、外輪16bはラジアル荷重変化方向Fに傾けられる。このとき、玉軸受16のラジアル荷重変化方向Fの一方側F1における接触角α1は、他方側F2の接触角α2に比べて小さくなる(α1<α2)。 【0036】 このように、外輪14b、16bをラジアル荷重変化方向Fに傾けた場合であっても、上述の実施形態と同様の効果を奏することが可能である。 【0037】 (第3実施形態) 図4には、第3実施形態に係る軸受装置10Aが示されている。本実施形態は、外輪14b、16bがラジアル荷重変化方向Fに傾けられており、内輪14a、16aは傾けられていない点で第2実施形態と同一であるが、図面下方の外輪16bが傾けられる方向が逆である点で相違する。 【0038】 すなわち、本実施形態では、スリーブ18の突出部18aは、図中下側の外輪16bの軸方向側面16fに当接する部分のうち一部に、より具体的にはラジアル荷重変化方向Fの一方側F1の一部(図中、符号Dで示した部分)に、外輪16bの傾きを調整可能な凸部(微小な凸部であるため不図示)が設けられている。当該凸部の形状は、例えば第1実施形態の凸部19(図2参照)と同様の形状が採用される。この凸部により、外輪16bはラジアル荷重変化方向Fに傾けられる。このとき、玉軸受16のラジアル荷重変化方向Fの一方側F1における接触角α1は、他方側F2の接触角α2に比べて大きくなる(α1>α2)。 【0039】 このように、一方の玉軸受14の外輪14bの傾き方向と、他方の玉軸受16の外輪16bの傾き方向と、を逆方向(対称方向)とすることにより、ラジアル荷重を受けた時、軸受各部の剛性違いにより軸方向に振動することを抑制できる。また、中心軸12(中心O)に対するスリーブ18の傾きも低減できる。 【0040】 なお、第1実施形態のように、内輪14a、16aを傾ける場合であっても、一方の玉軸受14の内輪14aの傾き方向と、他方の玉軸受16の内輪16aの傾き方向と、を逆方向(対称方向)とすることが望ましい。 【0041】 (第4実施形態) 図5には、第4実施形態に係る軸受装置10Aが示されている。本実施形態では、外輪14b、16bがラジアル荷重変化方向Fに傾けられており、内輪14a、16aは傾けられていない点で第3実施形態と同一であるが、外輪14b、16bを傾ける方法が異なる。 【0042】 本実施形態のスリーブ18には、突出部18aが設けられていない。突出部18aに代わり、軸方向に隣り合う外輪14b、16bの間には、外輪14b、16bの軸方向側面14f、16fに当接する、略環状の間座20が配置される。 【0043】 間座20は、ラジアル荷重変化方向Fにおいて、軸方向幅が異なるように構成される。すなわち、間座20は、ラジアル荷重変化方向Fの一方側F1の軸方向幅L1が、他方側F2の軸方向幅L2に比べて大きくなるように設定されている。 【0044】 この間座20により、外輪14b、16bはラジアル荷重変化方向Fに傾けられる。このとき、玉軸受14のラジアル荷重変化方向Fの一方側F1における接触角α4は、他方側F2の接触角α3に比べて大きくなり(α4>α3)、玉軸受16の一方側F1における接触角α1は、他方側F2の接触角α2に比べて大きくなる(α1>α2)。 【0045】 このように構成した場合であっても、第3実施形態と同様の効果を奏することが可能である。 【0046】 なお、軸方向に隣り合う内輪14a、16aの間に、内輪14a、16aの軸方向側面14g、16gに当接する略環状の間座を配置し、当該間座の軸方向幅を、ラジアル荷重変化方向Fにおいて異なるようにすることにより、内輪14a、16aを傾けても構わない。 【0047】 (第5実施形態) また、軸方向に隣り合う内輪14a、16a又は外輪14b、16bの間には、内輪14a、16aの軸方向側面14g、16g又は外輪14b、16bの軸方向側面14f、16fの一部に当接し、内輪14a、16a又は外輪14b、16bの傾きを調整可能である、金属製の円弧状板(不図示)を配置しても構わない。 【0048】 円弧状板は、例えば、ラジアル荷重変化方向Fの一方側F1においてのみ内輪14a、16a又は外輪14b、16bの間に配置されて、内輪14a、16aの軸方向側面14g、16g又は外輪14b、16bの軸方向側面14f、16fに当接し、ラジアル荷重変化方向Fの他方側F2においては、内輪14a、16a又は外輪14b、16bの間に配置されないように構成される。当該構成によっても、α4>α3且つα1>α2とできるので、第4実施形態と同様の効果を奏することが可能である。 【0049】 (参考例) 次に、軸受装置10AをHDDに組み込み、内輪14a、16a又は外輪14b、16bのラジアル荷重変化方向Fへの傾きを変化させた場合に、トルク変動にどのような影響を与えるかについて、試験を行った。 【0050】 図6は、内径5mmの軸受装置10Aにて、スイングアーム8の揺動角度を0.5度として一定シークを行い、定期的に0.5度よりも大きく揺動させたときのトルク変動を、ボイスコイル9の電流値変動で観測し、初期の200%を超えるような電流値変動を示したときのシーク数を表したグラフである。図6の横軸は内輪14a、16a又は外輪14b、16bの中心軸12に対する傾きを示し、縦軸は電流値変動を示したときのシーク数を示す。 【0051】 バツ印で示した範囲では、1億シーク後も電流値変動が初期値の200%を超えず、判定レベル以下であった。ひし形印で示した範囲では、100万シーク?1億シーク後に電流値変動が初期値の200%を超えた。この軸受レース面を観察したところ、特に異常は認められなかった。三角印で示した範囲では、1万シーク?1億シーク後に電流値変動が初期値の200%を超えた。この軸受レース面を観察したところ、摩耗が認められた。 【0052】 このように、傾き角度が大きすぎると、玉14c、16cと内輪14a、16a及び外輪14b、16bの軌道面との接触面圧が一部で上昇し、寿命が短くなる上に、ロストルクが大きくなる。また、傾き角度が小さすぎると、揺動により、玉14c、16cと内輪14a、16a及び外輪14b、16bとの相対的な接触位置が回転方向にずれていく効果が低くなってしまうため、グリースの山の形成低減効果が低くなり、HDDで読み取りエラーが発生してしまう可能性がある。 【0053】 そこで、内輪14a、16a又は外輪14b、16bのラジアル荷重変化方向Fへの傾きを、0.009×Da^(0.5)/dm^(0.6)?0.0015×Da^(0.5)/dm^(0.6)(ラジアン)の範囲に設定することが好ましい。なお、Daは玉14c、16cの直径であり、dmは玉14c、16cのピッチ円半径である。このように傾きを設定することにより、ロストルクが大きくならず、寿命も問題ない範囲で、揺動により玉14c、16cと内輪14a、16a及び外輪14b、16bとの相対的な接触位置が回転方向にずれていく効果も得られる。 【0054】 そこで、内輪14a、16a又は外輪14b、16bのラジアル荷重変化方向Fへの傾きを、0.003×Da^(0.5)/dm^(0.6)?0.006×Da^(0.5)/dm^(0.6)(ラジアン)の範囲に設定することにより、ロストルクへの影響がほとんどなく、揺動により玉14c、16cと内輪14a、16a及び外輪14b、16bとの相対的な接触位置が回転方向にずれていく効果が十分得られるようになる。 【0055】 尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更、改良等が可能である。 【0056】 軸受装置10Aを構成する玉軸受の個数は、2つ以上であれば特に限定されず、任意の複数個を設けて構わない。 【0057】 上述した実施形態では、中心軸12及びスリーブ18の突出部12a、18aに、内輪14a、16a又は外輪14b、16bの傾きを調整可能な凸部を設けたが、当該凸部に代えて、凹部を設けても構わない。また、凸部は必ずしも突出部12a、18aと一体に形成される必要はなく、別部材としてもよい。図7には、突出部12aの幅広部12bに、薄板22を接着等によって固定することにより、凸部を形成した例が示されている。 【符号の説明】 【0058】 2 磁気ディスク 4 スピンドルモータ 6 磁気ヘッド 8 スイングアーム(揺動部材) 9 ボイスコイル 10、10A 軸受装置 12 中心軸(軸部材) 12a 突出部 12b 幅広部 12c 幅狭部 13 ねじ穴 14、16 玉軸受 14a、16a 内輪 14b、16b 外輪 14c、16c 玉 14d、16d 保持器 14e、16e シールド 14f、16f 軸方向側面 14g、16g 軸方向側面 18 スリーブ(揺動部材) 18a 突出部 19 凸部 19a、19b 凸片 19c 圧痕 20 間座 22 薄板(凸部) Bs ベース O 中心 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 軸部材と、 前記軸部材の外周に固定された2つ以上の玉軸受と、 を備える軸受装置であって、 2つ以上の前記玉軸受はそれぞれ、前記軸部材の外周に固定される内輪と、前記内輪の径方向外側に配置される外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に配置される複数の玉と、を備え、 2つ以上の前記玉軸受の外周には、前記軸部材の周りで揺動する揺動部材が固定され、 前記揺動部材の揺動時において2つ以上の前記玉軸受に負荷されるラジアル荷重が変化する方向に、前記内輪又は前記外輪が傾けられている ことを特徴とする軸受装置。 【請求項2】 前記軸部材又は前記揺動部材は、径方向に突出して、前記内輪又は前記外輪の軸方向側面に当接する突出部を有し、 前記突出部には、前記内輪又は前記外輪の傾きを調整可能な凸部又は凹部が形成される ことを特徴とする請求項1に記載の軸受装置。 【請求項3】 軸方向に隣り合う前記内輪又は前記外輪の間には、前記内輪又は前記外輪の軸方向側面に当接する間座が配置され、 前記間座は、前記ラジアル荷重が変化する方向において軸方向幅が異なることにより、前記内輪又は前記外輪の傾きを調整可能である ことを特徴とする請求項1又は2に記載の軸受装置。 【請求項4】 軸方向に隣り合う前記内輪又は前記外輪の間には、前記内輪又は前記外輪の軸方向側面の一部に当接し、前記内輪又は前記外輪の傾きを調整可能である板が配置される ことを特徴とする請求項1?3の何れか1項に記載の軸受装置。 【請求項5】 前記玉軸受は、予圧荷重が付与されながら前記軸部材及び前記揺動部材に組み込まれ、 前記予圧荷重の重心を、前記玉軸受の中心から、前記ラジアル荷重が変化する方向にずらすことにより、前記内輪又は前記外輪の傾きを調整可能である ことを特徴とする請求項1?4の何れか1項に記載の軸受装置。 【請求項6】 前記内輪又は前記外輪が傾けられている方向が識別できるようにマーキングされている ことを特徴とする請求項1?5の何れか1項に記載の軸受装置。 【請求項7】(削除) 【請求項8】(削除) 【請求項9】 前記玉軸受は一対設けられ、 一方の前記玉軸受の前記内輪又は前記外輪の傾き方向と、他方の前記玉軸受の前記内輪又は前記外輪の傾き方向と、は逆方向である ことを特徴とする請求項1?6の何れか1項に記載の軸受装置。 【請求項10】 前記揺動部材は、ハードディスクドライブのスイングアームを含む ことを特徴とする請求項1?6、及び9の何れか1項に記載の軸受装置。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2018-12-06 |
結審通知日 | 2018-12-10 |
審決日 | 2019-01-04 |
出願番号 | 特願2014-175695(P2014-175695) |
審決分類 |
P
1
41・
853-
Y
(F16C)
P 1 41・ 851- Y (F16C) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 藤村 聖子 |
特許庁審判長 |
平田 信勝 |
特許庁審判官 |
小関 峰夫 藤田 和英 |
登録日 | 2018-06-22 |
登録番号 | 特許第6354464号(P6354464) |
発明の名称 | 軸受装置 |
代理人 | 松山 美奈子 |
代理人 | 松山 美奈子 |