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審決分類 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する C10M
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する C10M
管理番号 1348997
審判番号 訂正2018-390173  
総通号数 232 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-04-26 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2018-11-05 
確定日 2019-01-18 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5608826号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5608826号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯等

特許第5608826号(以下、「本件特許」という。)に係る出願は、平成12年10月30日に出願された特願2000-331270号の分割出願にあたる特願2010-167324号の一部を、平成26年1月24日に新たな特許出願としたものであって、特願2014-11573号として審査され、平成26年9月5日に、発明の名称を「冷凍機油」、請求項の数を「3」として、設定登録を受けたものである。
そして、本件特許に関する本件訂正審判は、平成30年11月5日に請求されたものである。

第2 本件訂正審判の請求の趣旨と本件訂正の内容

1 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第5608826号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。

2 本件訂正の内容(訂正事項1)
本件訂正審判において請求された訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は次のとおりである。
・訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、「炭素数5?7の脂肪酸の割合が20モル%以上であり、」と記載されているのを、「炭素数5?7の脂肪酸の割合が20モル%以上であり、前記炭素数5?7の脂肪酸が、炭素数5?6の直鎖脂肪酸及び/又は炭素数5?7の分岐脂肪酸であり、」に訂正する。
また、当該請求項1を引用する請求項2、3についても同様に訂正する。

第3 当審の判断

前記訂正事項1に係る訂正が、特許法第126条第1項ただし書各号に掲げる事項を目的とするものであるか否か(訂正の目的の適否)、同条第5項(新規事項の追加の有無)、同条第6項(特許請求の範囲の実質的拡張又は変更の有無)及び同条第7項(独立特許要件充足性)の各規定に適合するものであるか否かについて、以下順に検討をする。

1 訂正の目的の適否
本件訂正前の請求項1は、ジペンタエリスリトールとのエステルを構成する脂肪酸における、炭素数5?7の脂肪酸について、その割合が20モル%以上であることのみを規定していたところ、前記訂正事項1に係る請求項1についての訂正は、当該炭素数5?7の脂肪酸について、さらに、炭素数5?6の直鎖脂肪酸及び/又は炭素数5?7の分岐脂肪酸であることを規定するものである。また、請求項2、3についての訂正も同様の事項を規定するものである。
したがって、当該訂正事項1に係る訂正は、新たな規定(発明特定事項)を直列的に付加するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。

2 新規事項の追加の有無
本件特許明細書の【0016】には、前記炭素数5?7の脂肪酸について、「本発明にかかる炭素数5?7の脂肪酸としては、・・・(略)・・・。これらの中でも、ジフルオロメタン冷媒との相溶性の面から、炭素数5?6の直鎖脂肪酸及び/又は炭素数5?7の分岐脂肪酸が好ましく用いられる。・・・(略)・・・」と記載されているから、前記訂正事項1に係る訂正は、当該記載に基づくものであり、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。
したがって、当該訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第5項に規定されている要件に適合するものである。

3 特許請求の範囲の実質的拡張又は変更の有無
前記訂正事項1に係る訂正は、前記1のとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないものといえる。
したがって、当該訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第6項に規定されている要件に適合するものである。

4 独立特許要件充足性
前記訂正事項1に係る訂正は、前記1のとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、かつ、前記3のとおり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものにも該当しない。
したがって、当該訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明は、当該訂正前より減縮されたものとなることから、先行技術との関係において、当該発明の特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在しない。また、当該訂正に起因する、特許請求の範囲及び発明の詳細な説明の記載に関する新たな不備も認められず、ほかに、当該発明が独立特許要件を充足しないとする理由も見当たらない。
よって、当該訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第7項に規定されている要件に適合するものである。

第4 結び

以上のとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであって、かつ、同条第5項から第7項までの規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジペンタエリスリトールと脂肪酸とのエステルを冷凍機油全量基準で10質量%以上含有し、
前記エステルを構成する前記脂肪酸における炭素数5?7の脂肪酸の割合が20モル%以上であり、前記炭素数5?7の脂肪酸が、炭素数5?6の直鎖脂肪酸及び/又は炭素数5?7の分岐脂肪酸であり、且つ前記エステルを構成する前記脂肪酸は炭素数8?9の分岐脂肪酸を含有し、
ペンタエリスリトールと脂肪酸とのエステルを更に含有する、ジフルオロメタン冷媒用冷凍機油。
【請求項2】
冷凍機油全量基準で0.1?5質量%のエポキシ化合物を更に含有する、請求項1に記載の冷凍機油。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の冷凍機油と、ジフルオロメタン冷媒とを含有する、冷凍機用作動流体組成物。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2018-12-17 
結審通知日 2018-12-19 
審決日 2019-01-08 
出願番号 特願2014-11573(P2014-11573)
審決分類 P 1 41・ 856- Y (C10M)
P 1 41・ 851- Y (C10M)
最終処分 成立  
前審関与審査官 中野 孝一  
特許庁審判長 川端 修
特許庁審判官 日比野 隆治
蔵野 雅昭
登録日 2014-09-05 
登録番号 特許第5608826号(P5608826)
発明の名称 冷凍機油  
代理人 長谷川 芳樹  
代理人 黒木 義樹  
代理人 清水 義憲  
代理人 長谷川 芳樹  
代理人 吉住 和之  
代理人 黒木 義樹  
代理人 清水 義憲  
代理人 平野 裕之  
代理人 平野 裕之  
代理人 吉住 和之  

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