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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B29B
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B29B
管理番号 1349211
審判番号 不服2017-8703  
総通号数 232 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-04-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-06-14 
確定日 2019-02-19 
事件の表示 特願2014-534872「プラスチック材料処理装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 4月18日国際公開、WO2013/052980、平成26年11月17日国内公表、特表2014-530131〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 主な手続の経緯

本願は、国際出願日である2012年10月12日(パリ条約による優先権主張 2011年10月14日 オーストリア(AT))にされたとみなされる特許出願であって、平成27年6月29日付けで拒絶理由が通知され、平成28年1月20日に意見書が提出されるとともに誤訳訂正書を提出することで特許請求の範囲及び明細書が補正され、同年5月16日付けで再度、拒絶理由が通知され、同年12月5日に意見書が提出されるとともに特許請求の範囲が補正されたが、平成29年1月17日付けで拒絶査定がされ、これに対して、同年6月14日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に特許請求の範囲が補正されたので、特許法第162条所定の審査がされた結果、同年8月30日付けで同法第164条第3項の規定による報告がされたものである。

第2 補正の却下の決定

[結論]
平成29年6月14日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1 平成29年6月14日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)の内容

本件補正は、特許請求の範囲についての補正であって、本件補正の前後における特許請求の範囲の請求項1の記載は、それぞれ以下のとおりである。なお、下線については、補正された部分に当審において付与した。

・ 本件補正前

「 【請求項1】
プラスチック材料に、前処理とそれに続く搬送、可塑化、または凝集処理を行う装置であって、前記装置は前記材料を加工するための容器(1)を備え、前記容器(1)には、回転軸(10)周りに回転し、前記プラスチック材料を混合および加熱、さらに任意に粉砕するための少なくとも一つの混合用および/または粉砕用器具(3)が配置され、
前処理後の前記プラスチック材料を前記容器(1)の内部から取り出すための開口(8)が、容器(1)の側壁(9)に、前記混合用および/または粉砕用器具(3)と同じ高さまたは基台に最も近い最下位に位置する前記混合用および/または粉砕用器具(3)の領域に形成されており、
少なくとも一つの搬送機(5)が前処理後の前記材料を受け取るために設けられ、ハウジング(16)内で回転する、少なくとも一つのスクリュー(6)を備え、ハウジング(16)は、その端部(7)またはジャケット壁に位置して、前記スクリュー(6)が前記材料を受け取るための取入れ口(80)を有し、前記取入れ口(80)と開口(8)は接続されている、装置において、
前記混合用および/または粉砕用器具(3)の回転方向は、前記取入れ口(80)において前記搬送機の搬送方向と反対方向であり、
前記搬送機(5)の中心軸線(15)または前記取入れ口(80)に最も近い前記スクリュー(6)の中心軸線を、前記搬送機(5)の搬送方向(17)の反対方向に仮想的に延長した延長線が、前記回転軸(10)と交差はせず、前記混合用および/または粉砕用器具(3)の回転方向または移動方向(12)の流出側では、前記搬送機(5)の軸線(15)または前記取入れ口(80)に最も近い前記スクリュー(6)の軸線(15)と、前記軸線(15)に平行かつ前記搬送機(5)の搬送方向(17)で前記混合用および/または粉砕用器具(3)の回転軸(10)から外方へ向かう前記容器(1)の半径(11)との間にはオフセット距離(18)が存在し、
前記器具と前記容器(1)の前記側壁(9)の内面との間の径方向距離(mb)が、前記基台に最も近い前記混合用および/または粉砕用器具(3)の径方向最も外側の点から測定される場合、または器具および/またはそこに設けられたブレード(14)から測定される場合、もしくはその点によって描かれるように定義される円から測定される場合、15mmから120mmの範囲にあり、または20mmから80mmの範囲にあり、かつ以下の関係式
mb=k×DBに従い、
ここで、DBは、円形断面を有する円筒状容器(1)のミリメートル単位での内径であるか、または同じ容積を有するように計算された円筒状断面を有する同じ高さの仮想的な円筒状容器のミリメートル単位での内径であり、
kは0.006から0.16の範囲にある定数である
ことを特徴とする装置。」

・ 本件補正後

「 【請求項1】
プラスチック材料に、前処理とそれに続く搬送、可塑化、または凝集処理を行う装置であって、前記装置は前記材料を加工するための容器(1)を備え、前記容器(1)には、回転軸(10)周りに回転し、前記プラスチック材料を混合および加熱、又は粉砕するための少なくとも一つの混合用および/または粉砕用器具(3)が配置され、
前処理後の前記プラスチック材料を前記容器(1)の内部から取り出すための開口(8)が、容器(1)の側壁(9)に、前記混合用および/または粉砕用器具(3)と同じ高さまたは基台に最も近い最下位に位置する前記混合用および/または粉砕用器具(3)の領域に形成されており、
少なくとも一つの搬送機(5)が前処理後の前記材料を受け取るために設けられ、ハウジング(16)内で回転する、少なくとも一つのスクリュー(6)を備え、ハウジング(16)は、その端部(7)またはジャケット壁に位置して、前記スクリュー(6)が前記材料を受け取るための取入れ口(80)を有し、前記取入れ口(80)と開口(8)は接続されている、装置において、
前記混合用および/または粉砕用器具(3)の回転方向は、前記取入れ口(80)において前記搬送機の搬送方向と反対方向であり、
前記搬送機(5)の中心軸線(15)または前記取入れ口(80)に最も近い前記スクリュー(6)の中心軸線を、前記搬送機(5)の搬送方向(17)の反対方向に仮想的に延長した延長線が、前記回転軸(10)と交差はせず、前記混合用および/または粉砕用器具(3)の回転方向または移動方向(12)の流出側では、前記搬送機(5)の軸線(15)または前記取入れ口(80)に最も近い前記スクリュー(6)の軸線(15)と、前記軸線(15)に平行かつ前記搬送機(5)の搬送方向(17)で前記混合用および/または粉砕用器具(3)の回転軸(10)から外方へ向かう前記容器(1)の半径(11)との間にはオフセット距離(18)が存在し、
前記器具と前記容器(1)の前記側壁(9)の内面との間の径方向距離(mb)が、前記基台に最も近い前記混合用および/または粉砕用器具(3)の径方向最も外側の点から測定される場合、または器具および/またはそこに設けられたブレード(14)から測定される場合、もしくはその点によって描かれるように定義される円から測定される場合、15mmから120mmの範囲にあり、または20mmから80mmの範囲にあり、かつ以下の関係式
mb=k×DBに従い、
ここで、DBは、円形断面を有する円筒状容器(1)のミリメートル単位での内径であるか、または同じ容積を有するように計算された円筒状断面を有する同じ高さの仮想的な円筒状容器のミリメートル単位での内径であり、
kは0.006から0.16の範囲にある定数であり、
前記容器(1)において、前記回転軸(10)の周りに回転可能な少なくとも一つの循環器具搬送機(13)が設けられ、これの上および/または中に、混合用および/または粉砕用器具(3)が配置されるか、または形成され、
前記器具搬送機(13)と前記容器(1)の前記側壁(9)の前記内面との間の径方向距離(mc)が、前記基台に最も近い器具搬送機(13)の径方向最も外側の点から測定される場合、またはその点によって描かれるように定義された円から測定される場合、30mmから210mmの範囲または40mmから150mmの範囲にある
ことを特徴とする装置。」

本件補正は、上記本件補正後の請求項1に係る補正(以後、当該請求項1に係る補正を、「補正事項ア」という。)を含むものである。

2 補正事項アの目的

補正事項アは、補正前の請求項1に対して、補正前の請求項4及び6に記載されている事項を請求項1に付加するものであって、しかも、補正の前後で、請求項に記載の発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は変わらないから、当該補正事項アは、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

3 独立特許要件違反の有無について

上記2のとおりであるから、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(補正事項アが、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に適合するか。いわゆる独立特許要件違反の有無)について検討するところ、補正事項アは当該要件に違反すると判断される。

すなわち、本願補正発明は、下記引用文献7に記載された発明及び引用文献1に記載の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献7: 特表平09-501623号公報(平成29年1月17日付け拒絶査定の理由とされた拒絶理由通知書に記載の引用文献7)
引用文献1: 特表2003-501292号公報(平成29年1月17日付け拒絶査定の理由とされた拒絶理由通知書に記載の引用文献1)

以下、特許を受けることができない理由を、下記5において詳述する。

4 本願補正発明

本願補正発明は、平成29年6月14日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「プラスチック材料に、前処理とそれに続く搬送、可塑化、または凝集処理を行う装置であって、前記装置は前記材料を加工するための容器(1)を備え、前記容器(1)には、回転軸(10)周りに回転し、前記プラスチック材料を混合および加熱、又は粉砕するための少なくとも一つの混合用および/または粉砕用器具(3)が配置され、
前処理後の前記プラスチック材料を前記容器(1)の内部から取り出すための開口(8)が、容器(1)の側壁(9)に、前記混合用および/または粉砕用器具(3)と同じ高さまたは基台に最も近い最下位に位置する前記混合用および/または粉砕用器具(3)の領域に形成されており、
少なくとも一つの搬送機(5)が前処理後の前記材料を受け取るために設けられ、ハウジング(16)内で回転する、少なくとも一つのスクリュー(6)を備え、ハウジング(16)は、その端部(7)またはジャケット壁に位置して、前記スクリュー(6)が前記材料を受け取るための取入れ口(80)を有し、前記取入れ口(80)と開口(8)は接続されている、装置において、
前記混合用および/または粉砕用器具(3)の回転方向は、前記取入れ口(80)において前記搬送機の搬送方向と反対方向であり、
前記搬送機(5)の中心軸線(15)または前記取入れ口(80)に最も近い前記スクリュー(6)の中心軸線を、前記搬送機(5)の搬送方向(17)の反対方向に仮想的に延長した延長線が、前記回転軸(10)と交差はせず、前記混合用および/または粉砕用器具(3)の回転方向または移動方向(12)の流出側では、前記搬送機(5)の軸線(15)または前記取入れ口(80)に最も近い前記スクリュー(6)の軸線(15)と、前記軸線(15)に平行かつ前記搬送機(5)の搬送方向(17)で前記混合用および/または粉砕用器具(3)の回転軸(10)から外方へ向かう前記容器(1)の半径(11)との間にはオフセット距離(18)が存在し、
前記器具と前記容器(1)の前記側壁(9)の内面との間の径方向距離(mb)が、前記基台に最も近い前記混合用および/または粉砕用器具(3)の径方向最も外側の点から測定される場合、または器具および/またはそこに設けられたブレード(14)から測定される場合、もしくはその点によって描かれるように定義される円から測定される場合、15mmから120mmの範囲にあり、または20mmから80mmの範囲にあり、かつ以下の関係式
mb=k×DBに従い、
ここで、DBは、円形断面を有する円筒状容器(1)のミリメートル単位での内径であるか、または同じ容積を有するように計算された円筒状断面を有する同じ高さの仮想的な円筒状容器のミリメートル単位での内径であり、
kは0.006から0.16の範囲にある定数であり、
前記容器(1)において、前記回転軸(10)の周りに回転可能な少なくとも一つの循環器具搬送機(13)が設けられ、これの上および/または中に、混合用および/または粉砕用器具(3)が配置されるか、または形成され、
前記器具搬送機(13)と前記容器(1)の前記側壁(9)の前記内面との間の径方向距離(mc)が、前記基台に最も近い器具搬送機(13)の径方向最も外側の点から測定される場合、またはその点によって描かれるように定義された円から測定される場合、30mmから210mmの範囲または40mmから150mmの範囲にある
ことを特徴とする装置。」

5 本願補正発明が特許を受けることができない理由

(1) 引用文献の記載事項
本願の優先日前に頒布された刊行物であることが明らかな引用文献7には、以下の事項が記載されている。

ア 「1.熱可塑性合成プラスチック材料、特にホイルの余り切れ、大形袋、パウチ、バッグ等のホイルの形態の熱可塑性合成プラスチック材料を処理するための装置であって、ハウジング(12)に導入された合成プラスチック材料を少なくとも搬送し、好ましくは、この材料を可塑化もするスクリュー(13)のハウジング(12)の壁(11)に取入口(10)を備え、取入口(10)には、合成プラスチック材料が供給手段(27)によって供給され、スクリュー(13)のハウジング(12)には、その内壁に、広いポケット(23、24)が備わっており、ポケットは、取入口(10)の軸方向の領域の少なくとも過半部分にわたって、スクリュー(13)の長手方向に延びているか又は湾曲しており、スクリューの軸線(15)に垂直な断面で見た時に、円環セグメントに沿ってスクリュー(13)を包囲し、ポケット(23、24)の巾と比較してより狭いリブ(25)によって互いに隔てられており、ポケット(23、24)のうちの一つ(24)が、取入口(10)に対して開いているのに対し、少なくとも一つの他のポケット(23)が、ハウジング壁(11)の別のリブ(26)によって取入口(10)に対して閉じている装置において、供給手段(27)は、合成プラスチック材料を、スクリュー(13)の長手方向軸に対して垂直に送られる材料の運動の成分によって、スクリュー(13)の取入口(10)に押し込み、少なくとも取入口(10)に対して開いている前記ポケット(24)のスクリュー(13)の半径方向に測定した深さは、スクリュー(13)の回転の方向に見た時に、少なくとも一定にとどまり、しかも、或いはまた、リブ(25、26)のうちの前記少なくとも一つが、移動可能であることを特徴とするの装置。・・・
13.供給手段(27)は、垂直方向軸の回りに回転可能で作業刃(5)が備わった少なくとも一つの刃部(4)が底部領域に配置された容器(1)を有し、刃部は、容器(1)に導入された合成プラスチック材料を粉砕及び/又は混合、並びに随意加熱し、合成プラスチック材料を容器(1)の側壁(3)にある開口に押し込み、開口は、スクリュー(13)のハウジング(12)の壁(11)にある取入口(10)と連通していることを特徴とする請求項1?12の何れかに記載の装置。
14.取入口(10)に対して開いているポケット(24)の材料を受ける側は、少なくともほぼ刃部(4)又は刃部(4)を担持する回転ディスク(6)の高さであることを特徴とする請求項13記載の装置。」(特許請求の範囲)

イ 「 取入口における刃部の回転の方向を、スクリューの搬送の方向にするのが、反対の構成を用いることもできるものの、一般には適している。」(第13頁21?22行)

ウ 「 回転ディスク6の回転の方向(矢印9)は、回転ディスク6の外周が取入口10に沿ってスクリュー13の搬送の方向(矢印16)に移動するよう選択するのが好適である。しかしながら、回転ディスク6の反対方向の回転も可能である。これは、それぞれ回転ディスク6又はその刃部4によって取入口10に押し込まれる材料は、反対方向に進行するネジ山17と係合し、それにより、特定の有効な態様でポケット23、24に案内されるからである。
スクリュー13又はそのハウジング12は、正確に容器1に関して接線方向に配置しなければならないわけではない。そのため、スクリューハウジング12は、上から見て、スクリュー13が循環刃部4のより近くに配置されるよう、上から見た時に、スクリューハウジング12が割線のように回転ディスク6の周と交差するように配置することができる。」(第19頁14?25行)

エ 「

」(図1、2、3)

本願の優先日前に頒布された刊行物であることが明らかな引用文献1には、以下の事項が記載されている。

オ 「【請求項1】 処理すべき合成樹脂材料用容器(1)であって、容器内には、複数個の器具(21)が、合成樹脂材料に作用するように設けられ、これら複数個の器具は、容器(1)の底部(3)を貫通するシャフト(4)により駆動されて、縦方向軸線(8)を中心として回転し、これら複数個の器具は、支持ディスク(9)により支持されるものを備え、さらに、容器(1)から合成樹脂材料を取り出すため、スクリュ(17)と、そのハウジング(16)であって、複数個の器具(21)の回転軌跡の下方で、支持ディスク(9)よりも低い、容器(1)の取り出し口(15)と連通するものと、容器(1)内で支持ディスク(9)の下方に設けられて、取り出し口(15)に合成樹脂材料を送り込む、複数個の追加可動器具(12)とを備える、合成樹脂材料、特に熱可塑性材料を処理する装置において、前記支持ディスク(9)の上方に位置する、容器(1)の上方内側空間部(26)が、前記支持ディスク(9)の外周囲と容器(1)の側壁(2)との間の自由環状間隙(11)を通じて、前記容器(1)内の支持ディスク(9)の下方に位置する、同じ容器(1)の下方内側空間部(10)と連通し、この下方内側空間部内には、前記複数個の追加可動器具(12)と、前記取り出し口(15)とが、設けられ、前記上方内側空間部(26)内の合成樹脂材料の一部が、自由環状間隙(11)を通じて前記下方内側空間部に達することを特徴とする装置。
【請求項2】 前記複数個の追加可動器具(12)は、一緒に回転するように、前記シャフト(4)に接続される回転体(7)に、好ましくは、その周囲に取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載の装置。・・・
【請求項6】 前記複数個の追加可動器具(12)は、前記回転体(7)に取り付けた、複数個のシャベル又は刃からなり、回転方向(矢印23)とは反対方向に外向きに紛った又は角度を付けられた、面又は縁、特にカッティングエッジ(22)を備えてもよいことを特徴とする、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項7】 前記複数個の追加可動器具(12)は、前記シャフト(4)又は前記回転体(7)のいずれかに取り付けられた、複数個の棒状体からなることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の装置。・・・
【請求項11】 前記シャフト(4)の半径方向における、前記自由環状間隙(11)の幅は、20乃至150mm、好ましくは、20乃至100mmであることを特徴とする、請求項1乃至10に記載の装置。・・・」(特許請求の範囲)

カ 「【0021】
明らかに、環状間隙11の大きさは、前述した動作の態様に影響を及ぼす。この環状間隙は、あまり大き過ぎないようにして、大径の合成樹脂粒子が、この環状間隙11を通過しないようにする。一方、環状間隙11は、小さ過ぎてもならない。これは、この場合には、合成樹脂材料が少量しか、支持ディスク9の下面と下方自由内側空間部10に到達しないので、スクリュ17が充填不十分になる恐れがあるためである。本発明による装置を種々の被処理材料に適用できるようにするため、環状間隙11の大きさは、たとえば、支持ディスク9により支持され支持ディスク9に対して調節自在になっている複数個の部材により変更自在にして、環状間隙11が、これらの部材により部分的に覆われ又は開放されて大きな幅を持つようにできるようにする。こうした部材は容器1の側壁2に設けてもよい。試験によれば、半径方向における、環状間隙11の幅s(図1)の好ましい値は、容器1の直径とは関係ないが、処理されるべき材料の種類に応じて、20乃至150mm、好ましくは、20乃至100mmの範囲内であることがわかった。」

キ 「

」(図1、図2)

(2)引用文献7に記載された発明
引用文献7には、請求項1を引用する請求項13を引用する請求項14に係る装置が記載されており、当該装置において、回転ディスクの回転方向は特定されていないが、上記(1)イ及びウの記載から、当該装置の特定の有効な態様として、取入口における刃部の回転の方向をスクリューの搬送の方向と反対方向とするものが記載されているから、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認める。

「熱可塑性合成プラスチック材料、特にホイルの余り切れ、大形袋、パウチ、バッグ等のホイルの形態の熱可塑性合成プラスチック材料を処理するための装置であって、ハウジングに導入された合成プラスチック材料を少なくとも搬送し、好ましくは、この材料を可塑化もするスクリューのハウジングの壁に取入口を備え、取入口には、合成プラスチック材料が供給手段によって供給され、供給手段は、垂直方向軸の回りに回転可能で作業刃が備わった少なくとも一つの刃部が底部領域に配置された容器を有し、刃部は、容器に導入された合成プラスチック材料を粉砕及び/又は混合、並びに随意加熱し、合成プラスチック材料を容器の側壁にある開口に押し込み、開口は、スクリューのハウジングの壁にある取入口と連通し、スクリューのハウジングには、その内壁に、広いポケットが備わっており、ポケットは、取入口の軸方向の領域の少なくとも過半部分にわたって、スクリューの長手方向に延びているか又は湾曲しており、スクリューの軸線に垂直な断面で見た時に、円環セグメントに沿ってスクリューを包囲し、ポケットの巾と比較してより狭いリブによって互いに隔てられており、ポケットのうちの一つが、取入口に対して開いているのに対し、少なくとも一つの他のポケットが、ハウジング壁の別のリブによって取入口に対して閉じている装置において、供給手段は、合成プラスチック材料を、スクリューの長手方向軸に対して垂直に送られる材料の運動の成分によって、スクリューの取入口に押し込み、少なくとも取入口に対して開いている前記ポケットのスクリューの半径方向に測定した深さは、スクリューの回転の方向に見た時に、少なくとも一定にとどまり、しかも、或いはまた、リブのうちの前記少なくとも一つが、移動可能であり、取入口に対して開いているポケットの材料を受ける側は、少なくともほぼ刃部又は刃部を担持する回転ディスクの高さであり、回転ディスクの回転方向はスクリューの搬送の方向と反対方向である、装置。」

(3)本願補正発明と引用発明との対比・判断
引用発明と本願補正発明とを対比する。
引用発明の「ハウジングに導入された合成プラスチック材料を少なくとも搬送し、好ましくは、この材料を可塑化もするスクリュー」とその「ハウジング」からなる装置部分が、本願補正発明の「搬送機(5)」に相当する。
引用発明の「垂直方向軸」、「回転ディスク」、「作業刃」は、それぞれ、本願補正発明における「回転軸(10)」、「循環器具搬送機(13)」、「混合用および/または粉砕用器具(3)」に相当する。
引用発明の「ハウジングに導入された合成プラスチック材料を少なくとも搬送し、好ましくは、この材料を可塑化もするスクリューのハウジングの壁に取入口を備え」は、本願補正発明における「少なくとも一つの搬送機(5)が前処理後の前記材料を受け取るために設けられ、ハウジング(16)内で回転する、少なくとも一つのスクリュー(6)を備え、ハウジング(16)は、その端部(7)またはジャケット壁に位置して、前記スクリュー(6)が前記材料を受け取るための取入れ口(80)を有し」に相当する。
引用発明は、「取入口には、合成プラスチック材料が供給手段によって供給され、供給手段は、垂直方向軸の回りに回転可能で作業刃が備わった少なくとも一つの刃部が底部領域に配置された容器を有し、刃部は、容器に導入された合成プラスチック材料を粉砕及び/又は混合、並びに随意加熱し、合成プラスチック材料を容器の側壁にある開口に押し込み、開口は、スクリューのハウジングの壁にある取入口と連通し」ているから、本願補正発明の「前記容器(1)には、回転軸(10)周りに回転し、前記プラスチック材料を混合および加熱、又は粉砕するための少なくとも一つの混合用および/または粉砕用器具(3)が配置され」ていること、及び「前記取り入れ口(80)と開口(8)は接続されている」と同様の構成を備えているといえる。そうすると、引用発明の「熱可塑性合成プラスチック材料、特にホイルの余り切れ、大形袋、パウチ、バッグ等のホイルの形態の熱可塑性合成プラスチック材料を処理するための装置」は、本願補正発明における「プラスチック材料に、前処理とそれに続く搬送、可塑化、または凝集処理を行う装置」ということができる。
引用発明は、「取入口に対して開いているポケットの材料を受ける側は、少なくともほぼ刃部又は刃部を担持する回転ディスクの高さであ」ることから、本願補正発明における「前処理後の前記プラスチック材料を前記容器(1)の内部から取り出すための開口(8)が、容器(1)の側壁(9)に、前記混合用および/または粉砕用器具(3)と同じ高さまたは基台に最も近い最下位に位置する前記混合用および/または粉砕用器具(3)の領域に形成されており」との構成を備えているといえる。
引用発明の「回転ディスクの回転方向はスクリューの搬送の方向と反対方向である」は、上記(1)エからみて、本願補正発明における「前記混合用および/または粉砕用器具(3)の回転方向は、前記取入れ口(80)において前記搬送機の搬送方向と反対方向であり」に相当する。
引用発明のスクリューの軸線(本件補正発明のスクリューの中心軸線)と垂直方向軸(本願補正発明の回転軸)との関係は、上記(1)エからみて、本願補正発明の「前記搬送機(5)の中心軸線(15)または前記取入れ口(80)に最も近い前記スクリュー(6)の中心軸線を、前記搬送機(5)の搬送方向(17)の反対方向に仮想的に延長した延長線が、前記回転軸(10)と交差はせず」を満足していて、引用発明においても本願補正発明の「混合用および/または粉砕用器具(3)の回転方向または移動方向(12)の流出側では、搬送機(5)の軸線(15)または取入れ口(80)に最も近いスクリュー(6)の軸線(15)と、軸線(15)に平行かつ前記搬送機(5)の搬送方向(17)で混合用および/または粉砕用器具(3)の回転軸(10)から外方へ向かう容器(1)の半径(11)との間にはオフセット距離(18)が存在し」ていることは明らかである。
引用発明における、ハウジングの取入口におけるポケットの構造についての特定は、本願補正発明においては、取入れ口(80)についての具体的な特定はなされていない(どのような形状のものであっても包含される)ことから、相違点とはならない。

そうすると、両者は、
「プラスチック材料に、前処理とそれに続く搬送、可塑化、または凝集処理を行う装置であって、前記装置は前記材料を加工するための容器(1)を備え、前記容器(1)には、回転軸(10)周りに回転し、前記プラスチック材料を混合および加熱、又は粉砕するための少なくとも一つの混合用および/または粉砕用器具(3)が配置され、
前処理後の前記プラスチック材料を前記容器(1)の内部から取り出すための開口(8)が、容器(1)の側壁(9)に、前記混合用および/または粉砕用器具(3)と同じ高さまたは基台に最も近い最下位に位置する前記混合用および/または粉砕用器具(3)の領域に形成されており、
少なくとも一つの搬送機(5)が前処理後の前記材料を受け取るために設けられ、ハウジング(16)内で回転する、少なくとも一つのスクリュー(6)を備え、ハウジング(16)は、その端部(7)またはジャケット壁に位置して、前記スクリュー(6)が前記材料を受け取るための取入れ口(80)を有し、前記取入れ口(80)と開口(8)は接続されている、装置において、
前記混合用および/または粉砕用器具(3)の回転方向は、前記取入れ口(80)において前記搬送機の搬送方向と反対方向であり、
前記搬送機(5)の中心軸線(15)または前記取入れ口(80)に最も近い前記スクリュー(6)の中心軸線を、前記搬送機(5)の搬送方向(17)の反対方向に仮想的に延長した延長線が、前記回転軸(10)と交差はせず、前記混合用および/または粉砕用器具(3)の回転方向または移動方向(12)の流出側では、前記搬送機(5)の軸線(15)または前記取入れ口(80)に最も近い前記スクリュー(6)の軸線(15)と、前記軸線(15)に平行かつ前記搬送機(5)の搬送方向(17)で前記混合用および/または粉砕用器具(3)の回転軸(10)から外方へ向かう前記容器(1)の半径(11)との間にはオフセット距離(18)が存在し、
前記容器(1)において、前記回転軸(10)の周りに回転可能な少なくとも一つの循環器具搬送機(13)が設けられ、これの上および/または中に、混合用および/または粉砕用器具(3)が配置されるか、または形成される
装置。」
の点で一致し、以下の点で相違している。

<相違点>
装置における器具と容器(1)の側壁(9)の内面との間の径方向距離(mb)に関し、本願補正発明は、「前記器具と前記容器(1)の前記側壁(9)の内面との間の径方向距離(mb)が、前記基台に最も近い前記混合用および/または粉砕用器具(3)の径方向最も外側の点から測定される場合、または器具および/またはそこに設けられたブレード(14)から測定される場合、もしくはその点によって描かれるように定義される円から測定される場合、15mmから120mmの範囲にあり、または20mmから80mmの範囲にあり、かつ以下の関係式
mb=k×DBに従い、
ここで、DBは、円形断面を有する円筒状容器(1)のミリメートル単位での内径であるか、または同じ容積を有するように計算された円筒状断面を有する同じ高さの仮想的な円筒状容器のミリメートル単位での内径であり、
kは0.006から0.16の範囲にある定数であり、」と特定し、器具搬送機(13)と容器(1)の側壁(9)の内面との間の径方向距離(mc)に関し、「前記基台に最も近い器具搬送機(13)の径方向最も外側の点から測定される場合、またはその点によって描かれるように定義された円から測定される場合、30mmから210mmの範囲または40mmから150mmの範囲にある」と特定するのに対して、引用発明は、これらのmb及びmc並びに関係式mb=k×DBについて具体的に特定しない点。

以下、相違点について検討する。
まず、相違点の技術的な意味について確認する。
相違点は、装置における器具及び器具搬送機並びに容器の側壁の内面との距離を絶対値の数値として特定(mb=15?120(mm)又は20?80(mm)、mc=30?210(mm)又は40?150(mm))するとともに、距離mbと円筒状容器の内径DBとの関係を式mb=k×DB(kは0.006から0.16の範囲にある)と特定しているものである。

ところで、本願明細書において、上記距離mb、mc及び式mb=k×DBについて以下のような記載がある。
「【0028】
したがって、本発明によれば、器具と容器側壁の内面との間の径方向距離(mb)が規定されるが、この径方向距離(mb)は、基台に最も近い混合用および/または粉砕用器具の径方向最も外側の点、または器具の径方向最も外側の点、および/またはブレードの径方向最も外側の点から測定される場合、またはその点によって描かれるように定義される円から測定される場合、15mmから120mmの範囲にあり、好ましくは20mmから80mmの範囲にあるべきものである。
【0029】
また、径方向距離mbは、mb=k×DBの関係に従い、ここでDBは、円形断面を持つ円筒状容器のミリメートル単位での内径、または同じ容積を有するように計算された円筒状断面を持つ同じ高さの仮想的円筒状容器のミリメータ単位での内径であり、kは0.006から0.16の範囲にある定数である。
【0030】
器具と容器壁との間の距離は小さく保たれるのが有利であり、その理由は、これによって、取入れ動作の改善が生まれ、かつ取入れの間の材料のいかなる「ピンチング」も回避されるからである。それにもかかわらず、十分な許容範囲の距離が保証されなければならない。この距離が大きすぎると、結果として、装入における劣化が起こる。」
「【0040】
有利な展開によれば、器具搬送機と容器の側壁の内面との間の径方向距離mcは、基台に最も近い器具搬送機の径方向最も外側の点から測定される場合、またはその点によって描かれるように定義される円から測定される場合、30mmから210mmの範囲にあり、好ましくは40mmから150mmの範囲にある。」

そうすると、距離mbの意味するところについて、上記本願明細書の段落【0030】にそれらしき記載はあるものの、円筒状容器の大きさ、スクリューの直径や形状、取入口の形状等によって、器具と容器壁との間の距離による取り入れ動作やピンチングの状況は変化するものといえるから、これらの特定のないmbの絶対値による特定の技術的な意味は不明であるといわざるをえない。
また、距離mcの数値範囲については、本願明細書には好ましい範囲として記載されているのみであって、mcの数値範囲の臨界的意義についての記載はなく、さらに、式mb=k×DBについては、kは「0.006から0.16の範囲にある定数であり」とされているものの、kがどのように決定されるかについて本願明細書に記載はなく、式の技術的な意味、kの数値範囲の臨界的な意義は記載されていない。

そこで、上記相違点の技術的な意味についてさらに検討する。
引用文献1には、支持ディスク(9)の外周囲と容器の側壁(2)との間の自由環状隙間11の距離(s)について、このsの値が20?150mmとの記載がある。そして、距離mb、mcは、当該距離sとおおむね同程度の値をとりえるといえるから、mb=15?120(mm)又は20?80(mm)、mc=30?210(mm)又は40?150(mm)との数値範囲は、本願補正発明の技術分野において何ら格別のものとはいえない。
また、式mb=k×DBについてみると、該式において、kの数値範囲(0.006?0.16)とmbの数値範囲(15?120)から自ずと規定される円筒状容器の内径(DB)の範囲は93.75mm?20000mmとなるが、この値は、円筒状容器の内径としての通常の数値範囲(例えば、特表2003-515472号公報の段落【0012】、【0013】参照のこと)を包含することから、本願補正発明の技術分野において何ら格別のものとはいえない。
そうすると、相違点による距離mb及びmcの数値には臨界的な意義はなく、式mb=k×DBによって特定されるDBの数値範囲にも臨界的な意義は認められないから、相違点には何ら技術的な意味は認められない。

してみれば、相違点に係る構成を想到することは、引用発明の装置の具体的な大きさ、加工材の種類等に応じて当業者が適宜設定し得たことである。

したがって、本願補正発明は、引用発明及び引用文献1に記載の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4) 請求人の主張について
請求人は、審判請求書において、上記相違点に係る構成上の特徴は、いずれの引用文献にも開示されておらず、おって補充する理由で説明する、特有の作用効果を本願補正発明は奏する旨主張する。
しかし、審理終結時において、請求人は上記主張に係る理由を何ら補充していない。

(5)まとめ
本願補正発明は、引用発明及び引用文献1に記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

6 補正の却下の決定のむすび

以上のとおりであるから、上記補正事項アを含む本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について

1 本願発明

平成29年6月14日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?18に係る発明は、平成28年12月5日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?18に記載されたとおりのものであって、そのうち、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりである。

「プラスチック材料に、前処理とそれに続く搬送、可塑化、または凝集処理を行う装置であって、前記装置は前記材料を加工するための容器(1)を備え、前記容器(1)には、回転軸(10)周りに回転し、前記プラスチック材料を混合および加熱、さらに任意に粉砕するための少なくとも一つの混合用および/または粉砕用器具(3)が配置され、
前処理後の前記プラスチック材料を前記容器(1)の内部から取り出すための開口(8)が、容器(1)の側壁(9)に、前記混合用および/または粉砕用器具(3)と同じ高さまたは基台に最も近い最下位に位置する前記混合用および/または粉砕用器具(3)の領域に形成されており、
少なくとも一つの搬送機(5)が前処理後の前記材料を受け取るために設けられ、ハウジング(16)内で回転する、少なくとも一つのスクリュー(6)を備え、ハウジング(16)は、その端部(7)またはジャケット壁に位置して、前記スクリュー(6)が前記材料を受け取るための取入れ口(80)を有し、前記取入れ口(80)と開口(8)は接続されている、装置において、
前記混合用および/または粉砕用器具(3)の回転方向は、前記取入れ口(80)において前記搬送機の搬送方向と反対方向であり、
前記搬送機(5)の中心軸線(15)または前記取入れ口(80)に最も近い前記スクリュー(6)の中心軸線を、前記搬送機(5)の搬送方向(17)の反対方向に仮想的に延長した延長線が、前記回転軸(10)と交差はせず、前記混合用および/または粉砕用器具(3)の回転方向または移動方向(12)の流出側では、前記搬送機(5)の軸線(15)または前記取入れ口(80)に最も近い前記スクリュー(6)の軸線(15)と、前記軸線(15)に平行かつ前記搬送機(5)の搬送方向(17)で前記混合用および/または粉砕用器具(3)の回転軸(10)から外方へ向かう前記容器(1)の半径(11)との間にはオフセット距離(18)が存在し、
前記器具と前記容器(1)の前記側壁(9)の内面との間の径方向距離(mb)が、前記基台に最も近い前記混合用および/または粉砕用器具(3)の径方向最も外側の点から測定される場合、または器具および/またはそこに設けられたブレード(14)から測定される場合、もしくはその点によって描かれるように定義される円から測定される場合、15mmから120mmの範囲にあり、または20mmから80mmの範囲にあり、かつ以下の関係式
mb=k×DBに従い、
ここで、DBは、円形断面を有する円筒状容器(1)のミリメートル単位での内径であるか、または同じ容積を有するように計算された円筒状断面を有する同じ高さの仮想的な円筒状容器のミリメートル単位での内径であり、
kは0.006から0.16の範囲にある定数である
ことを特徴とする装置。」

2 原査定における拒絶の理由

原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、本願の優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献7に記載された発明及び引用文献1に記載の事項に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、という理由を含むものである。

(なお、拒絶査定における<引用文献等一覧>において、引用文献5として記載されている特表平9-501623号公報は、引用文献7の誤記と認める。)

3 引用刊行物とその記載事項

原査定の拒絶の理由に引用された、本願の優先日前に日本国内又は外国において頒布されたことが明らかな引用文献7(特表平09-501623号公報)及び引用文献1(特表2003-501292号公報)の記載事項及び引用発明は、上記第2 5(1)及び(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断

上記第2 2で検討したように、本願補正発明は本願発明の発明特定事項に限定を加えたものである。そして、本願発明の発明特定事項に限定を加えた本願補正発明が上記第2 5のとおり、引用発明及び引用文献1に記載の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様に引用発明及び引用文献1に記載の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび

以上のとおりであるから、本願発明、すなわち請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願はこの理由により拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2018-07-26 
結審通知日 2018-08-21 
審決日 2018-09-11 
出願番号 特願2014-534872(P2014-534872)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (B29B)
P 1 8・ 121- Z (B29B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 阿川 寛樹深草 祐一  
特許庁審判長 須藤 康洋
特許庁審判官 大島 祥吾
阪▲崎▼ 裕美
発明の名称 プラスチック材料処理装置  
代理人 泉名 謙治  
代理人 金 鎭文  
代理人 小川 利春  
代理人 比企野 健  
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