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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B65G
管理番号 1349220
審判番号 不服2018-3761  
総通号数 232 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-04-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-03-15 
確定日 2019-03-12 
事件の表示 特願2016-32404「搬送物供給構造」拒絶査定不服審判事件〔平成29年8月31日出願公開、特開2017-149517、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成28年2月23日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成29年7月7日付け :拒絶理由通知書
平成29年8月9日 :意見書、手続補正書の提出
平成30年1月9日付け :拒絶査定
平成30年3月15日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要
原査定(平成30年1月9日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願の請求項1ないし3に係る発明は、引用文献1及び2に記載された発明に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有するものが容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:特開平8-225130号公報
引用文献2:特開平8-258941号公報

第3 本願発明
本願の請求項1ないし3に係る発明(以下「本願発明1」ないし「本願発明3」という。)は、平成30年3月15日の手続補正により補正がされた特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定される、以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
粉体又は粒状物又はこれらの組み合わせからなる搬送物を搬送する搬送供給設備と、
この搬送供給設備の鉛直下方側に配されるとともに前記搬送供給設備から供給される前記搬送物を受け止めて搬送するコンベアと、
前記搬送供給設備と前記コンベアとをつなぐように配される案内シュートと、
この案内シュートと前記コンベアの載置面の空隙を塞ぐように配され、かつ細長平板状をなすシュートゴム板と、
このシュートゴム板を前記案内シュートに着脱可能に固定する固定構造と、を有し、
前記コンベアの両側縁は、前記コンベアの中央側に向かって屈曲又は湾曲し、
前記案内シュートの下端部において前記コンベアの両側縁側に配される面は、その垂直方向断面がハ字状をなす屈曲部を備え、
前記シュートゴム板は、前記屈曲部の上面に載置されており、
前記固定構造は、前記屈曲部の前記上面上に突設される複数の突起部と、
前記シュートゴム板の長手方向と平行に配される長尺状の押圧部と、
この押圧部上において、前記押圧部を前記シュートゴム板上に配した際に前記突起部が配される位置と符合する位置に配されている複数の掛止部と、
前記突起部に前記掛止部を掛止した際に、前記掛止部の外れを防止するとともに、前記シュートゴム板に対する前記押圧部の押圧力を調整するくさびと、を備え、
複数の前記掛止部は前記押圧部に一体に固設されていてこれらは互いに分離できない一体の物体をなしていることを特徴とする搬送物供給構造。
【請求項2】
前記シュートゴム板の下端は、前記コンベアの前記載置面と接触していることを特徴とする請求項1に記載の搬送物供給構造。
【請求項3】
前記屈曲部は、前記案内シュートの前記下端部に着脱可能に固設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の搬送物供給構造。」

第4 引用文献、引用発明等
(1) 引用文献2
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された特開平8-258941号公報(以下「引用文献2」という。)には、「ベルトコンベヤのスカート構造」に関して、図面(特に、図5ないし図7参照。)とともに次の事項が記載されている。(下線は当審で付した。以下同様。)

ア 「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上流側コンベヤから下流側コンベヤへの乗継部に設けられるベルトコンベヤのスカート構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図5に示すように、上流側コンベヤaから下流側コンベヤbへの乗継部cにはシュートdが設けられており、このシュート出口部eの左右両側には、上流側コンベヤaの荷(ばら物)を下流側のコンベヤbに零さないように乗せるためのスカートfが設けられている。
【0003】スカートfは、図6および図7に示すように、シュート出口部eの左右両側にフランジgを介して接続されるスカート板hと、両スカート板hの外側面に下方に突出させて取り付けられたスカートゴムiとから構成されている。両スカートゴムiは、鉛直に垂下されており、その下端部がコンベヤベルトjの表面に接触されている。
【0004】上記両スカートゴムiは、その外側に配置されたアングル材kによってスカート板hとの間に挟持されている。アングル材kは、押圧ブラケットlによってスカート板h側に押し付けられている。押圧ブラケットlは、スカート板hに溶接された支持ブラケットmの穴に挿入されるクサビピンnによって内方に付勢されている。
【0005】上記スカート板hおよびスカートゴムiは、それぞれコンベヤの長手方向に沿って所定の長さLに形成されている。この長さは、搬送物(ばら物)がベルト上に安定するまでの長さがあればよい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の如きスカート構造にあっては、スカートゴムiの下端部によってシールしているため、図8に示すようにシュートdからの荷の落下衝撃によってインパクトローラoの無い部分のベルトjが下がると、スカートゴムi下端部とベルトjとの間に隙間pができ、シール性が悪化する。
【0007】このため、上記隙間pから搬送物たる石炭の粉粒が漏れ、コンベヤ廻りが石炭の粉塵によって汚れてしまい、作業環境が悪化していた。また、漏れを防ぐためにスカートゴムiをコンベヤベルトjに強く押し付けていたため、スカートゴムjの摩耗が早かった。」

イ 上記ア(特に段落【0002】)及び図5から、上流側コンベヤaの鉛直下方側に配されるとともに上流側コンベヤaから供給される搬送物を受け止めて搬送する下流側コンベヤbを有することが分かる。

ウ 上記ア(特に、段落【0002】及び【0003】)及びイ並びに図5及び図6から、シュートd及びスカート板h(以下「シュートd等」という。)が、上流側コンベヤaと下流側コンベヤbとをつなぐように配されることが分かる。

エ 上記ア(特に段落【0003】)及び図6から、スカートゴムiが、シュートd等とコンベヤベルトjの表面の空隙を塞ぐように配されることが分かる。また、上記ア(段落【0005】)並びに図6及び図7から、スカートゴムiが細長平板状であることも分かる。

オ 上記ア(特に段落【0004】)並びに図6及び図7から、スカートゴムi挟持構造は、スカート板hの外側面に突設される複数の支持ブラケットmと、スカートゴムiの長手方向と平行に配される長尺状のアングル材kと、このアングル材k上において、アングル材kをスカートゴムi上に配した際に支持ブラケットmが配される位置と符合する位置に配されている複数の押圧ブラケットlと、支持ブラケットmに押圧ブラケットlを掛止した際に、押圧ブラケットlの外れを防止するとともに、スカートゴムiに対するアングル材kの押圧力を調整するクサビピンnと、を備えることが分かる。そうすると、前記スカートゴムi挟持構造は、スカートゴムiをシュートd等に着脱可能に挟持するものといえる。

カ 図6から、下流側コンベヤbの両側縁は、下流側コンベヤbの中央側に向かって屈曲していることが分かる。

上記アないしカ及び図5ないし図7の図示内容を総合すると、引用文献2には、「上流側コンベヤaから下流側コンベヤbへの乗継部cの構造」に関して、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

〔引用発明〕
「搬送物たる石炭の粉粒を搬送する上流側コンベヤaと、
この上流側コンベヤaの鉛直下方側に配されるとともに前記上流側コンベヤaから供給される前記搬送物を受け止めて搬送する下流側コンベヤbと、
前記上流側コンベヤaと前記下流側コンベヤbとをつなぐように配されるシュートd等と、
このシュートd等とコンベヤベルトjの表面の空隙を塞ぐように配され、かつ細長平板状をなすスカートゴムiと、
このスカートゴムiを前記シュートd等に着脱可能に挟持するスカートゴムi挟持構造と、を有し、
前記下流側コンベヤbの両側縁は、前記下流側コンベヤbの中央側に向かって屈曲し、
前記スカートゴムiは、前記シュートd等のスカート板hの外側面に取り付けられており、
前記スカートゴムi挟持構造は、前記スカート板hの前記外側面に突設される複数の支持ブラケットmと、
前記スカートゴムiの長手方向と平行に配される長尺状のアングル材kと、
このアングル材k上において、前記アングル材kを前記スカートゴムi上に配した際に前記支持ブラケットmが配される位置と符合する位置に配されている複数の押圧ブラケットlと、
前記支持ブラケットmに前記押圧ブラケットlを掛止した際に、前記押圧ブラケットlの外れを防止するとともに、前記スカートゴムiに対する前記アングル材kの押圧力を調整するクサビピンnと、を備える上流側コンベヤaから下流側コンベヤbへの乗継部cの構造。」

(2) 引用文献1
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された特開平8-225130号公報(以下「引用文献1」という。)には、「ベルトコンベヤのスカートシール装置」に関して、図面(特に、図1、図4及び図5)とともに次の事項が記載されている。

ア 「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベルトコンベヤの上面に設けられ搬送物の飛散を防止するスカートとベルト上面との間隙をシールするベルトコンベヤのスカートシール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】石炭、鉄鉱石などのバルクは、船からの積み降ろしや、ストックヤード内の移動、処理装置への搬入などベルトコンベヤで行われる。ベルトコンベヤの経路には、1つの経路から2つの経路に分岐するところや上下方向に大きな段差のついたところがある。このようなところでは上側のベルトコンベヤから下側のベルトコンベヤにシュートを設け、かつシュート下部と下側ベルトコンベヤを囲む囲壁を設け、シュートから落下する石炭や鉄鉱石の塊や粉末が飛散しないようにしている。
【0003】図4は上段のベルトコンベヤから下段のベルトコンベヤに設けられたシュートとこのシュート覆いを示す図であり、図5は図4のX-X断面図を示す。ベルトコンベヤ1は輪状のゴムなどよりなるベルト2と、このベルト2の両端を支持し、ベルト2を移動させるプーリ3と、ベルト2の下面に設けられ、ベルト2を支持するローラ4から構成される。ローラ4は図5に示すように水平な中央ローラ4aと、この左右に設けられ、外側に向かって昇り傾斜となっている端部ローラ4bからなり、ベルト2はこのローラ4上を移動する。端部ローラ4bを傾斜させることによりバルクがベルト2から落下するのを防止する。上段のベルトコンベヤ1と下段のベルトコンベヤ1間にシュート5が設けられ、落下するバルクを案内する。シュート5の下部で下側のベルトコンベヤ1のベルト2上面にはシュート覆い6が設けられ、シュート5と共に落下するバルクの飛散を防止する。
【0004】シュート覆い6には吸引装置7が設けられ、内部を負圧にし粉塵を吸引して図示しないフィルタに導き、粉塵の外側への飛散を防止している。シュート覆い6は、ベルトコンベヤ1の両側に前後方向に沿って設けられたスカート8と、後端で両スカート8を結合する後端板10と、前端で両スカート8間をスダレ状に結ぶ前端スダレ9と、両スカート8の上端を結ぶ頂板11から構成され、頂板11を貫通してシュート下端がシュート覆い6の中に突き出されている。」

イ 「【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。図1は本発明の構成を示し、図4に示すX-X断面図である。図2は図1のY-Y矢視図、図3は図1のZ-Z矢視図である。なお、図4、図5と同一符号は同一機能を有する部材を表す。スカート8は下部がベルト2に対してほぼ垂直な壁部8aを有している。回転シール装置20は、ゴム製の輪状シール材21と、輪状シール材21を両端で回転しながら支持するプーリ22と、プーリ22間の輪状シール材21の一方をたるまないように支持する案内ローラ28より構成される。回転シール装置20は、スカート8の壁部8aの外側面に輪状シール材21の外面を接触させ、スカート側の輪状シール材21の下端をベルト2の上面に押圧するように、スカート8に取り付けられている。これによりスカート8の壁部8aとベルト上面のとの間隙は閉塞され、スカート内側からバルクやその粉末が飛散するのを防止できる。」

ウ 上記ア及び図1から、シュート5の下部にシュート覆い6が設けられ、シュート覆い6は、ベルトコンベヤ1の両側に前後方向に沿って設けられたスカート8を含み、スカート8の下側のベルトコンベヤ1の両側縁側に配される面は、その垂直方向断面がハ字状をなすように屈曲していることが分かるから、シュート5及びシュート覆い6(以下「シュート5等」という。)の下端部において下側のベルトコンベヤ1の両側縁側に配される面は、その垂直方向断面がハ字状をなす屈曲部を備えているといえる。

上記アないしウ並びに図1、図4及び図5の図示内容を総合すると、引用文献1には、次の事項(以下「引用文献1記載事項」という。)が記載されている。

〔引用文献1記載事項〕
「シュート5等の下端部において下側のベルトコンベヤ1の両側縁側に配される面は、その垂直方向断面がハ字状をなす屈曲部を備えていること。」

第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、引用発明における「搬送物たる石炭の粉粒」及び「搬送物」は、その構成、機能又は技術的意義からみて、本願発明1における「粉体又は粒状物又はこれらの組み合わせからなる搬送物」及び「搬送物」に相当し、以下同様に、「上流側コンベヤa」は「搬送供給設備」に、「下流側コンベヤb」は「コンベア」に、「シュートd等」は「案内シュート」に、「コンベヤベルトjの表面」は「コンベアの載置面」に、「スカートゴムi」は「シュートゴム板」に、「挟持」は「固定」に、「スカートゴムi挟持構造」は「固定構造」に、「屈曲し」は「屈曲又は湾曲し」に、「支持ブラケットm」は「突起部」に、「アングル材k」は「押圧部」に、「押圧ブラケットl」は「掛止部」に、「クサビピンn」は「くさび」に、「上流側コンベヤaから下流側コンベヤbへの乗継部cの構造」は「搬送物供給構造」に、それぞれ相当する。
また、引用発明における「スカートゴムiは、前記シュートd等のスカート板hの外側面に取り付けられ」と、本願発明1における「シュートゴム板は、前記屈曲部の上面に載置され」とは、本願発明1において「案内シュートの下端部において前記コンベアの両側縁側に配される面は、その垂直方向断面がハ字状をなす屈曲部を備え」ることからみて、「シュートゴム板は、案内シュートの面に設置され」という限りで共通し、同様に、「前記スカート板hの前記外側面に突設される複数の支持ブラケットm」と、「前記屈曲部の前記上面上に突設される複数の突起部」とは、「案内シュートの面上に突設される複数の突起部」という限りで共通する。

そうすると、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点がある。

〔一致点〕
「粉体又は粒状物又はこれらの組み合わせからなる搬送物を搬送する搬送供給設備と、
この搬送供給設備の鉛直下方側に配されるとともに前記搬送供給設備から供給される前記搬送物を受け止めて搬送するコンベアと、
前記搬送供給設備と前記コンベアとをつなぐように配される案内シュートと、
この案内シュートと前記コンベアの載置面の空隙を塞ぐように配され、かつ細長平板状をなすシュートゴム板と、
このシュートゴム板を前記案内シュートに着脱可能に固定する固定構造と、を有し、
前記コンベアの両側縁は、前記コンベアの中央側に向かって屈曲又は湾曲し、
前記シュートゴム板は、前記案内シュートの面に設置されており、
前記固定構造は、前記案内シュートの面上に突設される複数の突起部と、
前記シュートゴム板の長手方向と平行に配される長尺状の押圧部と、
この押圧部上において、前記押圧部を前記シュートゴム板上に配した際に前記突起部が配される位置と符合する位置に配されている複数の掛止部と、
前記突起部に前記掛止部を掛止した際に、前記掛止部の外れを防止するとともに、前記シュートゴム板に対する前記押圧部の押圧力を調整するくさびと、を備える搬送物供給構造。」

〔相違点1〕
本願発明1においては、「前記案内シュートの下端部において前記コンベアの両側縁側に配される面は、その垂直方向断面がハ字状をなす屈曲部を備え」、シュートゴム板は、「前記屈曲部の上面に載置されており」、固定構造は、「前記屈曲部の前記上面上に突設される複数の突起部」を備えているのに対し、
引用発明においては、シュートd等は、垂直方向断面がハ字状をなす屈曲部を備えていないとともに、スカートゴムiは、シュートd等のスカート板hの外側面に取り付けられており、挟持構造は、前記スカート板hの前記外側面に突設される複数の支持ブラケットmを備えている点。

〔相違点2〕
本願発明1においては、「複数の前記掛止部は前記押圧部に一体に固設されていてこれらは互いに分離できない一体の物体をなしている」のに対し、
引用発明においては、かかる構成を備えていない点。

(2)判断
上記相違点1について検討する。
引用文献1記載事項は、「シュート5等の下端部において下側のベルトコンベヤ1の両側縁側に配される面は、その垂直方向断面がハ字状をなす屈曲部を備えていること」である。
ここで、引用文献1の「スカート8は下部がベルト2に対してほぼ垂直な壁部8aを有している。」(段落【0014】)との記載及び「回転シール装置20は、スカート8の壁部8aの外側面に輪状シール材21の外面を接触させ、スカート側の輪状シール材21の下端をベルト2の上面に押圧するように、スカート8に取り付けられている。」(同上)との記載並びに図1の図示内容からすると、引用文献1記載事項は、輪状シール材21の下端をベルト2の上面に押圧するように、回転シール装置20を設けるための構成であることが分かる。なお、このことは、図5に図示されている回転シール装置20を備えないもの(従来の技術)では、スカート8はハ字状をなす屈曲部を備えていないことと符合する。
そして、回転シール装置を有していない引用発明において、回転シール装置20を設けるための構成である引用文献1記載事項を適用することには動機がない。
そうすると、引用発明に引用文献1記載事項を適用して、上記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たとはいえない。

したがって、本願発明1は、上記相違点2について検討するまでもなく、引用発明及び引用文献1記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

2 本願発明2及び3について
本願の特許請求の範囲における請求項2及び3は、請求項1の記載を直接又は間接的に、かつ、請求項1の記載を他の記載に置き換えることなく引用して記載されたものであるから、本願発明2及び3は、本願発明1の発明特定事項を全て含むものである。
したがって、本願発明2及び3は、本願発明1と同様の理由により、引用発明及び引用文献1記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

第6 原査定についての判断
平成30年3月15日の手続補正により補正がされた請求項1ないし3は、上記相違点1に係る発明特定事項を有する。そして、当該発明特定事項は、原査定において引用された引用文献1及び2には記載されておらず、本願出願前において周知技術でもないので、本願発明1ないし3は、引用文献1及び2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-02-28 
出願番号 特願2016-32404(P2016-32404)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (B65G)
最終処分 成立  
前審関与審査官 中田 誠二郎  
特許庁審判長 冨岡 和人
特許庁審判官 粟倉 裕二
金澤 俊郎
発明の名称 搬送物供給構造  
代理人 井上 浩  

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