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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1349307
審判番号 不服2017-13389  
総通号数 232 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-04-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-09-08 
確定日 2019-02-21 
事件の表示 特願2013-225457号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 5月 7日出願公開、特開2015- 84919号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年10月30日に特許出願されたものであって、平成27年6月18日に手続補正書が提出され、平成28年5月23日付けで拒絶理由通知がなされ、同年7月27日に意見書及び手続補正書が提出され、平成29年1月13日付けで最後の拒絶理由通知がなされ、同年3月27日に意見書が提出され、同年6月2日付けで拒絶査定がなされ、これに対して同年9月8日に拒絶査定不服審判が請求され、平成30年5月24日付けで拒絶理由通知がなされ、同年7月13日に意見書及び手続補正書が提出され、同年8月21日付けで最後の拒絶理由通知がなされ、同年10月25日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 平成30年10月25日に提出された手続補正書によりなされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成30年10月25日に提出された手続補正書によりなされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正は特許請求の範囲の請求項1の記載の補正を含む補正であり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(当審にて、分説のための記号及び補正箇所を明示するための下線を付した。)。
「 【請求項1】
A 可変表示を行う遊技機であって、
B 画像が表示される表示手段と、
C 遊技制御プログラムに基づいて遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
D 該遊技制御手段から出力される指令情報に基づいて演出の実行を制御する演出制御手段と、
E 前記遊技機の消費電力を低下させる省電力制御を行う省電力制御手段と、
F 発射された遊技媒体を検出可能な検出手段とを備え、
G 前記遊技制御手段は、前記遊技制御プログラムにより実行される第1の処理および第2の処理のそれぞれにおいて、指令情報を出力可能であり、
H 前記第1の処理と、前記第2の処理とでは、出力する指令情報の設定順序が異なり、
I 前記表示手段は、前記可変表示を報知する表示が行われる変動状態報知領域を含み、
J 前記省電力制御手段は、
J-1 前記変動状態報知領域以外において、前記省電力制御を行い、
J-2 前記検出手段による発射された遊技媒体の検出が所定期間なされない場合に前記省電力制御を行い、
J-3 前記省電力制御が行われている状態において、遊技者の操作に基づいて前記省電力制御を停止し、
J-4 遊技者の操作に基づいて前記省電力制御に関する期間の計測値を初期化し、
K 前記演出制御手段は、前記省電力制御が行われていない状態において、遊技者の操作に基づいて演出に関する設定が可能である、遊技機。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の、平成30年7月13日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである(当審にて、分説のための記号を付した。)。
「 【請求項1】
A 可変表示を行う遊技機であって、
B 画像が表示される表示手段と、
C 遊技制御プログラムに基づいて遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
D 該遊技制御手段から出力される指令情報に基づいて演出の実行を制御する演出制御手段と、
E 前記遊技機の消費電力を低下させる省電力制御を行う省電力制御手段と、
F 発射された遊技媒体を検出可能な検出手段とを備え、
G 前記遊技制御手段は、前記遊技制御プログラムにより実行される第1の処理および第2の処理のそれぞれにおいて、指令情報を出力可能であり、
H 前記第1の処理と、前記第2の処理とでは、出力する指令情報の設定順序が異なり、
I 前記表示手段は、前記可変表示を報知する表示が行われる変動状態報知領域を含み、
J、J-1 前記省電力制御手段は、前記変動状態報知領域以外において、前記省電力制御を行い、
J-2’前記検出手段による発射された遊技媒体の検出が所定期間なされない場合に前記省電力制御が行われる、遊技機。」

2 補正の適否
本件補正による上記請求項1の補正は、以下の3つの補正事項1ないし3からなっている。
[補正事項1]
本件補正前の請求項1の「前記検出手段による発射された遊技媒体の検出が所定期間なされない場合に前記省電力制御が行われる」という記載を、「省電力制御手段は」、「前記検出手段による発射された遊技媒体の検出が所定期間なされない場合に前記省電力制御を行い、」とする補正。
[補正事項2]
補正前の請求項1に係る発明を特定するための事項である「省電力制御手段」について、「前記省電力制御が行われている状態において、遊技者の操作に基づいて前記省電力制御を停止し、遊技者の操作に基づいて前記省電力制御に関する期間の計測値を初期化」するという限定を付加する補正。
[補正事項3]
補正前の請求項1に係る発明を特定するための事項である「演出制御手段」について、「前記省電力制御が行われていない状態において、遊技者の操作に基づいて演出に関する設定が可能である」という限定を付加する補正。

上記補正事項1ないし3は、本願の願書に最初に添付された明細書の【0012】、【0202】、【0194】、【0228】に根拠となる記載があるから、新規事項を追加するものではない。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定を満たすものである。

上記補正事項1は、「前記検出手段による発射された遊技媒体の検出が所定期間なされない場合に前記省電力制御を行」う主体を、「省電力制御手段」に限定する補正である。
上記補正事項2及び3はそれぞれ、補正前の請求項1に係る発明を特定するための事項である「省電力制御手段」及び「演出制御手段」について、上記のとおり限定を付加する補正である。
そして、補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の請求項1に記載された発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が、同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か、すなわち特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて、以下、検討する。

3 独立特許要件
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献の記載事項
ア 引用文献1
[記載事項]
当審の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2012-231928号公報(平成24年11月29日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。

(ア)「【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
【0019】
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の中央部に設けられた画像表示装置5の上方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」?「9」を示す数字や「-」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。」

(イ)「【0021】
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。」

(ウ)「【0026】
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。」

(エ)「【0043】
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。」

(オ)「【0045】
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
・・・中略・・・
【0050】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
【0051】
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。」

(カ)「【0056】
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125と、電力制御回路126とが搭載されている。」

(キ)「【0063】
演出制御基板12に搭載された電力制御回路126は、演出制御基板12に搭載された各種回路や、例えば画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9および装飾用LED、演出用可動部材31といった、各種の演出装置に対する電力供給量を制御する。電力制御回路126は、演出制御用CPU120からの指令に応じて、各種の演出装置や、その制御回路に供給する電力量を調整する。これにより、パチンコ遊技機1の動作状態は、通常の遊技中に対応した通常動作状態としての通常動作モードと、通常動作モードよりも消費電力量が少ない省電力状態としての省電力モードとに、切り替えることができる。」

(ク)「【0070】
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドル30が遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)したときには、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄(第1特図)の可変表示を実行するための始動条件(第1始動条件)が成立する。また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)したときには、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄(第2特図)の可変表示を実行するための始動条件(第2始動条件)が成立する。」

(ケ)「【0090】
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
【0091】
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図3のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図3に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS1)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS2)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS3)。
【0092】
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS4)。この後、CPU103は、遊技制御プロセス処理を実行する(ステップS5)。遊技制御プロセス処理では、RAM102の所定領域に設けられた遊技プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
【0093】
その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS6)。一例として、コマンド制御処理では、RAM102の所定領域に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
【0094】
図4は、遊技制御プロセス処理として、図3のステップS5にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す遊技制御プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ22のCPUは、まず、始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS11)。一例として、ステップS11では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bから伝送される検出信号となる始動入賞信号の入力状態(オン/オフ)をチェックして、オン状態であれば始動入賞が発生したと判定すればよい。
【0095】
ステップS11にて始動入賞が発生した場合には(ステップS11;Yes)、入賞時乱数を格納する(ステップS12)。一例として、ステップS12の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵(または外付)の乱数回路104や、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタ、遊技制御用マイクロコンピュータ100においてRAM102とは別個に設けられた内部レジスタを用いて構成されたランダムカウンタなどのうち、少なくとも一部により更新される遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値)を示す数値データの一部または全部を抽出する。このとき抽出された乱数値は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられた保留用乱数値記憶部などに、保留番号と対応付けて記憶されればよい。
【0096】
ステップS12の処理に続いて、始動入賞時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS13)。一例として、ステップS13の処理では、始動入賞の発生を通知する始動入賞指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われればよい。また、ステップS12の処理により抽出された可変表示結果決定用の乱数値や変動パターン決定用の乱数値に基づいて、変動パターンがスーパーリーチA?スーパーリーチDといった特定のリーチ演出を伴う特定の変動パターンに決定されるか否かの判定を行うようにしてもよい。この場合、特定の変動パターンに決定されるか否かの判定結果を特定可能な入賞時判定結果指定コマンドを送信するための設定が行われてもよい。」

(コ)「【0117】
演出制御用のタイマ割込処理において、演出制御用CPU120は、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、演出制御コマンドの受信があったか否かの判定が行われ、受信があった場合には受信コマンドに対応した設定や制御などが行われる。ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDさらには節電中報知LED9L、9Rといった装飾発光体(発光部材)における点灯動作、可動部材駆動回路31Aによる演出用可動部材31の駆動動作といった、各種の演出装置を用いた動作制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。」

(サ)「【0119】
図7は、起動時設定処理として、図6のステップS71にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す起動時設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、省電力モードフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。省電力モードフラグは、例えば演出制御基板12に搭載されたRAM122の所定領域に設けられ、省電力モードであるときにも待機電源などによりフラグ状態(オフまたはオン)が保持できるものであればよい。省電力モードフラグがオフである場合には(ステップS201;No)、電断後の電力供給などに対応して所定の初期設定条件が成立したとして、初期設定処理を実行する。この初期設定処理には、ステップS202?S205の処理が含まれている。 初期設定処理において、演出制御用CPU120は、演出制御用の初期データを設定する(ステップS202)。」

(シ)「【0125】
動作状態の移行条件には、通常動作状態としての通常動作モードから省電力状態としての省電力モードに移行させるための省電力モード開始条件と、省電力モードから通常動作モードに復帰させるための通常動作復帰条件とが含まれている。遊技者センサ32による検知結果とは異なる移行条件のうち、省電力モード開始条件は、例えば打球操作ハンドル30に設けられたタッチリング(タッチセンサ)により遊技者の接触が検知されないこと、パチンコ遊技機1に隣接して設けられた球貸機(プリペイドカードユニット)からのカード確認信号などに基づいて球貸機にカードが投入されていないと判定されたこと、球貸機からのカード残高表示信号などに基づいて残高が「0」であると判定されたこと、打球供給皿に遊技球が保持(貯留)されていないこと、打球発射装置により遊技球が発射されていないこと、特図ゲームといった可変表示の保留記憶がないこと、第1始動口スイッチ22Aなどの入賞口スイッチにより遊技球が検出されることなく所定時間が経過したこと、遊技領域から排出された遊技球が検出されることなく所定時間が経過したことのうち、一部または全部を含むものとして設定できればよい。通常動作復帰条件は、例えば打球操作ハンドル30に設けられたタッチリング(タッチセンサ)により遊技者の接触が検知されたこと、球貸機からのカード確認信号などに基づいて球貸機にカードが投入されていると判定されたこと、球貸機からのカード残高表示信号などに基づいて残高が「0」以外であると判定されたこと、打球供給皿に遊技球が保持(貯留)されていること、打球発射装置により遊技球が発射されたこと、特図ゲームといった可変表示の保留記憶が行われたこと、入賞口スイッチにより遊技球が検出されたこと、遊技領域から排出された遊技球が検出されたことのうち、一部または全部を含むものとして設定できればよい。」

(ス)「【0136】
ステップS201にて省電力モードフラグがオンである場合には(ステップS201;Yes)、遊技者センサ32による遊技者検知以外に、予め定められた通常動作モードへの復帰条件(通常動作復帰条件)が成立したか否かを判定する(ステップS206)。ステップS206の処理では、パチンコ遊技機1が省電力モードとなる以前に実行されたステップS204の処理による設定に基づいて、通常動作復帰条件が成立したか否かが判定されればよい。
・・・中略・・・
【0138】
ステップS206にて復帰条件が成立した場合には、省電力モードフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS207)。また、省電力モードから通常動作モードへの復帰に対応して、所定の復帰報知を開始させるための設定を行う(ステップS208)。復帰報知は、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作、演出用可動部材31の動作といった、演出用の電気部品の一部または全部を用いた所定動作により行うことができればよい。復帰報知は、予め定められた復帰報知時間(例えば5秒間など)が経過するまで継続して行われた後に終了すればよい。
・・・中略・・・
【0148】
一方、ステップS201の処理にて省電力モードフラグがオンであることや、ステップS206の処理にて遊技者検知以外の復帰条件が成立したことに基づいて、省電力モードから通常動作モードに復帰させるときには、ステップS202のような設定が行われない。したがって、省電力モードから通常動作モードに復帰させるときには、表示制御や音声出力制御の初期設定が行われない。省電力モードであるときには、表示制御や音声出力制御の初期設定が不要となるように、電力制御回路126による制御の下で、表示制御部123や音声制御基板13に対する電力供給の一部が継続されてもよい。具体的な一例として、省電力モードであるときにもVRAMの記憶データが保持されるように、表示制御部123に対する電力供給の一部が継続されればよい。このように、省電力モードから通常動作モードに復帰するときには、表示制御や音声出力制御の初期設定が行われないようにすることで、表示制御部123や音声制御基板13において、省電力モードからの復帰を短時間で円滑に行うことができる。」

(セ)「【0156】
図9は、省電力モード移行設定処理として、図6のステップS77にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す省電力モード移行設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、RAM122の所定領域などに記憶されている演出プロセスフラグの値が“0”であるか否かを判定する(ステップS221)。このとき、演出プロセスフラグの値が“0”以外の値であれば(ステップS221;No)、そのまま省電力モード移行設定処理を終了する。
・・・中略・・・
【0159】
一方、遊技者センサ32により対象物が検知されなくなり、ステップS223にて遊技者の離席が検知されたときには(ステップS223;Yes)、省電力モードへの移行を開始するために予め設定したその他の条件が成立したか否かを判定する(ステップS224)。ステップS224の処理では、図7に示すステップS204の処理による設定に基づいて、任意に設定可能な省電力モード開始条件が成立したか否かが判定されればよい。そして、省電力モード開始条件が成立していないと判定された場合には(ステップS224;No)、省電力モード移行設定処理を終了する。
【0160】
ステップS224にて省電力モード開始条件が成立したと判定された場合には(ステップS224;Yes)、例えば可動部材駆動回路31Aに対する駆動制御信号の出力設定を確認することなどにより、動作中の可動部材があるか否かを判定する(ステップS225)。このとき、動作中の可動部材があれば(ステップS225;Yes)、例えばRAM122の所定領域などに、可動部材動作情報を記憶させる(ステップS226)。可動部材動作情報は、動作中の可動部材について、複数の可動部材のうちいずれであるかや、その配置などを特定可能に示す情報であればよい。一例として、演出制御用CPU120は、駆動制御信号の出力設定を示すデータをRAM122の所定領域に格納することにより、可動部材動作情報を記憶させればよい。
・・・中略・・・
【0173】
その後、電力制御回路126に対する所定指令の伝送により、演出制御基板12に搭載された各種回路や、各種の演出装置などへの電力供給量を減少させるように制限する(ステップS231)。ステップS231の処理により電力制御回路126に対して伝送される指令は、遊技者センサ32への電力供給は継続して遊技者の検知を可能にすることが指示できればよい。また、例えばRAM122の一部または全部といった、サブ側の制御基板に搭載されたRAMについて、省電力モードであるときにも記憶データの保存が可能となるように、所定の電力供給を指示してもよい。こうして省電力モードに移行させることに対応して、省電力モードフラグをオン状態にセットすればよい。
【0174】
ステップS231の処理では、例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9および装飾用LEDの一部または全部といった、演出用の電気部品や、それらを制御するための各種回路に対しては、電力供給を停止(あるいは極力制限)して、消費電力が通常動作モードよりも低減するよう指示すればよい。なお、表示制御部123や音声制御基板13に対する電力供給の一部を継続させて、省電力モードからの復帰時に表示制御や音声出力制御の初期設定を行うことなく、省電力モードへの移行前における制御状態に復帰できるようにしてもよい。
【0175】
例えば画像表示装置5に対する電力供給が停止されることにより、画像表示装置5の画面上における各種画像の表示が消去される。また、スピーカ8L、8Rに対する電力供給が停止されることにより、スピーカ8L、8Rからの効果音出力が停止される(消音状態)。遊技効果ランプ9および装飾用LEDに対する電力供給が停止されることにより、遊技効果ランプ9や装飾用LEDにおける点灯動作が停止される(消灯状態)。」

(ソ)「【0192】
特別図柄や飾り図柄の可変表示が行われておらず、しかも大当り遊技状態にも制御されていないときには、図8に示す演出制御プロセス処理で用いられる演出プロセスフラグの値が“0”となり、演出制御用のタイマ割込みが発生するごとに、ステップS170の可変表示開始待ち処理が実行される。このような演出プロセスフラグの値が“0”であり、さらには演出制御基板12の側においてエラー報知中でもないときには、図9に示すステップS223の処理にて、遊技者センサ32を用いて遊技者の離席検知があったか否かが判定される。そして、遊技者の離席検知があったときには、その他の省電力モード開始条件が成立することにより、ステップS225?S231の処理が実行されて、パチンコ遊技機1における動作状態が通常動作モードから省電力モードに移行する。」

(タ)「【0210】
上記実施の形態では、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120により、図6に示すステップS71の起動時設定処理やステップS77の省電力モード移行設定処理が実行されることで、パチンコ遊技機1における動作状態を通常動作モードと省電力モードとに切替可能であるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103により、パチンコ遊技機1における動作状態を通常動作モードと省電力モードとに切替可能とする処理が実行されてもよい。」

(チ)「【図7】

・・・中略・・・
【図9】



[認定事項]
(ツ)上記記載事項(チ)【図7】から、「起動時設定処理」において、ステップS201で「省電力モードフラグオン?」の判定が「Yes」であり、ステップS206で「遊技者検知以外の復帰条件成立?」の判定が「Yes」である場合、ステップS207で「省電力モードフラグをクリア」する処理が行われることを看て取ることができる。

(テ)上記記載事項(サ)【0119】に「図7に示す起動時設定処理において、演出制御用CPU120は…省電力モードフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。」と記載され、(ス)【0136】に「ステップS201にて省電力モードフラグがオンである場合には(ステップS201;Yes)、…通常動作モードへの復帰条件(通常動作復帰条件)が成立したか否かを判定する(ステップS206)。」と記載され、(ス)【0138】に「ステップS206にて復帰条件が成立した場合には、省電力モードフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS207)。」と記載され、(ス)【0148】に「ステップS201の処理にて省電力モードフラグがオンであることや、ステップS206の処理にて…復帰条件が成立したことに基づいて、省電力モードから通常動作モードに復帰させる…」と記載され、上記認定事項(ツ)より、(チ)【図7】から「起動時設定処理において、ステップS201で省電力モードフラグオン?の判定がYesであり、ステップS206で遊技者検知以外の復帰条件成立?の判定がYesである場合、ステップS207で省電力モードフラグをクリアする処理が行われる」ことが看て取れるので、引用文献1には、起動時設定処理において、演出制御用CPU120は、省電力モードフラグがオンである場合、通常動作モードへの復帰条件が成立した場合には、省電力モードフラグをクリアしてオフ状態とし、復帰条件が成立したことに基づいて、省電力モードから通常動作モードに復帰させることが記載されているといえる。

(ト)上記記載事項(チ)【図9】から、「省電力モード移行設定処理」において、ステップS224で「その他の省電力モード開始条件成立?」の判定が「Yes」である場合、ステップS225?S231の処理が行われ、ステップS231では「電力供給制限指令」の処理が行われることを看て取ることができる。

(ナ)上記記載事項(セ)【0156】に「図9に示す省電力モード移行設定処理において、演出制御用CPU120は…」と記載され、(セ)【0159】に「ステップS224の処理では…省電力モード開始条件が成立したか否かが判定され…」と記載され、(セ)【0160】に「ステップS224にて省電力モード開始条件が成立したと判定された場合には(ステップS224;Yes)…」と記載され、(セ)【0173】に「その後、電力制御回路126に対する所定指令の伝送により…各種の演出装置などへの電力供給量を減少させるように制限する(ステップS231)。…こうして省電力モードに移行させることに対応して、省電力モードフラグをオン状態にセットすればよい。」と記載され、(ソ)【0192】に「…省電力モード開始条件が成立することにより、ステップS225?S231の処理が実行されて、パチンコ遊技機1における動作状態が通常動作モードから省電力モードに移行する。」と記載され、上記認定事項(ト)より、(チ)【図9】から「省電力モード移行設定処理において、ステップS224でその他の省電力モード開始条件成立?の判定がYesである場合、ステップS225?S231の処理が行われ、ステップS231では電力供給制限指令の処理が行われる」ことが看て取れるので、引用文献1には、省電力モード移行設定処理において、演出制御用CPU120は、省電力モード開始条件が成立したと判定した場合に、パチンコ遊技機1における動作状態を通常動作モードから省電力モードに移行させ、省電力モードに移行させることに対応して、省電力モードフラグをオン状態にセットすることが記載されているといえる。

(ニ)また、上記認定事項(ナ)の「ステップS231」について、上記記載事項(セ)【0174】に「ステップS231の処理では…画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9および装飾用LEDの一部または全部といった、演出用の電気部品…に対しては、電力供給を停止(あるいは極力制限)して、消費電力が通常動作モードよりも低減するよう指示すればよい。」と記載され、(セ)【0175】に「例えば画像表示装置5に対する電力供給が停止されることにより、画像表示装置5の画面上における各種画像の表示が消去される。…スピーカ8L、8Rに対する電力供給が停止され…遊技効果ランプ9および装飾用LEDに対する電力供給が停止される…」と記載されていることから、引用文献1には、省電力移行設定処理において、演出制御用CPU120は、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9および装飾用LEDの一部または全部といった演出用の電気部品に対して電力供給を停止(あるいは極力制限)して、画像表示装置5の画面上における各種画像の表示が消去され、消費電力が通常動作モードよりも低減するよう指示して、省電力モードに移行させることが記載されているといえる。

そして、上記記載事項(ア)ないし(チ)及び上記認定事項(ツ)ないし(ニ)を総合勘案すると、引用文献1には次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

[引用発明1]
「a1 各々を識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄が、変動可能に表示(可変表示)される第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられているパチンコ遊技機1であって、((ア)【0018】、【0019】)

b1 各種の演出画像を表示する表示領域を形成している画像表示装置5が設けられ、((イ)【0021】)

c1 遊技制御用のプログラムを記憶するROM101と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103とを備えて構成され、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される遊技制御用マイクロコンピュータ100が搭載されている主基板11が搭載され、((エ)【0043】、(オ)【0045】、【0050】、【0051】)

d1 各種の演出装置を用いた動作制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンドに応じた判定や決定、設定などが行われる演出制御プロセス処理を実行する演出制御用CPU120が搭載されている演出制御基板12が搭載され、((エ)【0043】、(カ)【0056】、(コ)【0117】)

e1 演出制御用CPU120により、起動時設定処理や省電力モード移行設定処理が実行されることで、パチンコ遊技機1における動作状態を通常の遊技中に対応した通常動作状態としての通常動作モードと、通常動作モードよりも消費電力量が少ない省電力状態としての省電力モードとに切替可能であり、((キ)【0063】、(タ)【0210】)

f1 遊技領域に向けて発射され、遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)したときには、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出され、((ウ)【0026】、(ク)【0070】)

g1 主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行され、遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、遊技制御用タイマ割込み処理を実行し、遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、遊技制御プロセス処理を実行し、始動入賞が発生した場合には、始動入賞の発生を通知する始動入賞指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行い、その後、コマンド制御処理を実行することにより、主基板12から演出制御基板12に対して制御コマンドを伝送させ、((ケ)【0090】、【0091】、【0093】)

i1 画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄が可変表示され、((イ)【0021】)

j1-1 省電力移行設定処理において、演出制御用CPU120は、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9および装飾用LEDの一部または全部といった演出用の電気部品に対して電力供給を停止(あるいは極力制限)して、画像表示装置5の画面上における各種画像の表示が消去され、消費電力が通常動作モードよりも低減するよう指示して、省電力モードに移行させ、(認定事項(ニ))

j1-2 省電力移行設定処理において、演出制御用CPU120は、第1始動口スイッチ22Aにより遊技球が検出されることなく所定時間が経過したことを含むものとして設定できる省電力モード開始条件が成立したと判定した場合に、パチンコ遊技機1における動作状態を通常動作モードから省電力モードに移行させ、省電力モードに移行させることに対応して、省電力モードフラグをオン状態にセットし、((シ)【0125】、認定事項(ナ))

j1-3 起動時設定処理において、演出制御用CPU120は、省電力モードフラグがオンである場合、通常動作モードへの復帰条件が成立した場合には、省電力モードフラグをクリアしてオフ状態とし、復帰条件が成立したことに基づいて、省電力モードから通常動作モードに復帰させるパチンコ遊技機1。((ア)【0018】、認定事項(テ))」

イ 引用文献2
[記載事項]
当審の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2010-115299号公報(平成22年5月27日出願公開。以下「引用文献2」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。

(ア)「【0005】
しかし、特許文献1に記載の遊技台にあっては、主制御部から副制御部へ出力するコマンドを解析されやすいことで、主制御CPUの不正改造部品を作成したり、解析結果に基づいて副制御部に特定のコマンドを入力させて副制御部に特定の情報を設定したりすることを行いやすいという問題があった。
・・・中略・・・
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、解析しにくいコマンドによる通信を可能にした遊技台を提供することができる。」

(イ)「【0015】
<全体構成>
まず、図1を用いて、パチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。」

(ウ)「【0037】
第1特図始動口126は、ここでは遊技盤102の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口126への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(ここでは3個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。
・・・中略・・・
【0040】
第2特図始動口128への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(ここでは5個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。」

(エ)「【0060】
払出装置154の左側下部には、後述する主制御部300を構成する主制御基板161と、後述する副制御部400を構成する副制御基板164とを配設している。また、これら主制御基板161や副制御基板164の下方には、後述する発射制御部600を構成する発射基板166と、後述する電源管理部650を構成する電源基板162と、後述する払出制御部550を構成する払出基板165と、この払出基板165に接続したCRインタフェース部163とを配設している。
・・・中略・・・
【0062】
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信(出力)するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主に演出の制御を行う副制御部400と、主制御部300が送信するコマンドに応じて、主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部550と、遊技球の発射制御を行う発射制御部600と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源管理部650によって構成されている。
・・・中略・・・
【0064】
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。」

(オ)「【0087】
第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として特図変動遊技を開始した場合には、特図表示装置114は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図の変動表示」を行う。その後、特図の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図変動遊技の当選を報知する場合には「特図1」または「特図2」を停止表示し、特図変動遊技の外れを報知する場合には「特図3」を停止表示する。」

(カ)「【0096】
<主制御部メイン処理>
次に、図6を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。」

(キ)「【0097】
主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)(図示省略)を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割り込みによりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って処理を実行する。」

(ク)「【0107】
ステップS106では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタを読み出し、スタックポインタに再設定する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割り込み許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前に主制御部タイマ割り込み処理に分岐する直前に行った(ステップS108、ステップS109内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、ステップS106の復電時処理では、レジスタに退避記憶しておいた現在大当たり中か否かの情報に基づいて、正常復帰(大当たり中)コマンドまたは正常復帰(大当たり中以外)コマンド(図10参照)を副制御部400に対して送信させるための情報を送信情報記憶領域に追加記憶する。)」

(ケ)「【0114】
<主制御部タイマ割り込み処理>
次に、図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割り込み処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
・・・中略・・・
【0132】
ステップS209では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1、第2特図始動口126、128に入賞があり、且つ、保留している特図変動遊技の数が4未満である場合には、入賞した始動口に対応するカウンタ回路316のカウンタ値記憶用レジスタから値を特図当選乱数値として取得する。」

(コ)「【0170】
ステップS215では、コマンド設定送信処理を行う。なお、副制御部400に送信する出力予定情報は16ビットで構成しており、ビット15(上位バイトのビット7)はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11?14(上位バイトのビット4?ビット6)はコマンド種別(詳細は後述する)、ビット8?10(上位バイトのビット0?ビット3)は詳細種別(詳細は後述する)、ビット0?ビット7(下位バイトのビット0?ビット7)は出力内容(詳細は後述する)で構成している。このコマンドの構成の詳細については、図10を参照して後述する。
・・・中略・・・
【0172】
なお、補足的に説明を行うと、ステップS215では、送信情報記憶領域に記憶されたコマンド情報があるか否かを判定する。ここで、特定のコマンド(たとえば特図変動開始コマンド)が追加記憶されていた場合は、副制御部に情報を出力するためのバッファである16ビットの出力情報記憶領域(主制御部300のレジスタなど)の8?14ビットに特定のコマンドに対応する情報(特図変動コマンドであれば、1010000b)を記憶する。次に、前記出力情報記憶領域の0?7ビットに特定のコマンドに対応する情報(特図変動開始コマンドであれば、0?1ビットに大当たり種別情報)を記憶する。この後に、OUT命令によりこれらの情報を出力した後、信号の電圧が安定することを待ってから出力情報記憶領域の15ビット目(ストローブ信号用のビット)をON(1)にしてもう一度OUT命令により出力する。このストローブ信号の出力により副制御部400はストローブ信号による割込み処理を実行し、割込み処理内で主制御部からの情報を入力して記憶する。なお、特図変動開始コマンドは、48ビットのコマンドであるため、さらにもう2回出力を行うことになるが、残り2回の出力も同様の処理で行われる。また、特定のコマンドの出力が終了した後、送信情報記憶領域に他のコマンド情報があるかを判定し、あればそのコマンドを出力し、なければ副制御部400へのコマンド出力の処理を終了するようにする。また、出力が終了したコマンドの情報を送信情報記憶領域からクリアする。なお、コマンド設定およびコマンド送信のための処理は上記の方法に限定されず、主制御部300が副制御部400に対して所定のコマンドを出力可能になっていれば、いかなる出力方法であってもよい。」

(サ)「【0201】
基本コマンドは、含まれる情報の状態が変更された場合に出力される。具体的には、図7のステップS209で始動口入賞および大入賞口入賞を受け付けたとき、それに基づいて保留が増加したとき、図7のステップS214の特図関連抽選処理で特図保留数が減少した場合に出力される。
・・・中略・・・
【0205】
なお、この例では、1回の送信で構成されるコマンドとしては、復帰コマンドのRWM(RAMを含むリードライトメモリ)クリアコマンド、デバイスコマンドのデバイス情報コマンド、特図/大入賞口関連コマンドの特図変動停止コマンド、特図/大入賞口関連コマンドの大入賞口開放コマンド、特図/大入賞口関連コマンドの大入賞口閉鎖コマンドがある。また、2回の送信で構成されるコマンドとしては、復帰コマンドの正常復帰(大当たり中)コマンド、基本コマンドの基本情報コマンドがある。さらに、3回の送信で構成されるコマンドとしては、復帰コマンドの正常復帰(大当たり中以外)コマンド、遊技状態コマンドの遊技状態変化コマンド、特図/大入賞口関連コマンドの特図変動開始コマンドがある。」

(シ)「【0209】
これらのコマンドの出力タイミングは、すべてコマンド設定送信処理(図7のステップS215)であり、主制御部300から払出制御部550や主制御部300に設けられた他の演出装置に対する出力と出力タイミングは同じである。しかしながら、主制御部300から副制御部400に対するコマンド出力は、他のデバイスへの出力とは別のタイミングで行ってもよい。」

(ス)「【0221】
また、正常復帰(大当たり中以外)コマンドおよび基本情報コマンドは、ともに特図1保留数(第2の情報)および特図2保留数(第3の情報)を含んでいるが、第2の情報に対して第3の情報は、正常復帰(大当たり中以外)コマンドと基本情報コマンドとで、出現する順序が異なる順序となっている。具体的には、パラレル信号で出力される第1の情報と第2の情報の記憶位置が、第1のコマンドと第2のコマンドとで異なる順序(具体的には逆)となっている。」

(セ)「【図6】

【図7】



[認定事項]
(ソ)上記記載事項(セ)【図7】から、「主制御部タイマ割り込み処理」のステップS209として「入賞受付処理」を実行し、ステップS215として「コマンド設定送信処理」を行うことが看て取れる。

(タ)上記記載事項(ケ)【0114】に「図7…主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割り込み処理…」と記載され、上記認定事項(ソ)より、(セ)【図7】から「主制御部タイマ割り込み処理の…ステップS215としてコマンド設定送信処理を行う」ことが看て取れ、(コ)【0170】に「ステップS215では、コマンド設定送信処理を行う。」と記載され、(コ)【0172】に「ステップS215では送信情報記憶領域に記載されたコマンド情報…特定のコマンド…が追加記憶されていた場合は、副制御部に情報を出力するための…出力情報記憶領域…に特定のコマンドに対応する情報…を記憶する。次に、前記出力情報記憶領域…に特定のコマンドに対応する情報…を記憶する。この後に…これらの情報を出力…」と記載され、(シ)【0209】に「これらのコマンドの出力タイミングは、すべてコマンド設定送信処理…であり」と記載されているから、主制御部300のCPU304は、主制御部タイマ割り込み処理を実行してコマンド設定送信処理を行い、送信情報記憶領域に追加記憶されていたコマンドに対応する情報を副制御部に出力するといえる。

(チ)上記記載事項(セ)【図6】から、「主制御部メイン処理」のステップS106として「復電時処理」を行うことが看て取れる。

(ツ)上記記載事項(カ)【0096】に「…図6…主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理…」と記載され、上記認定事項(チ)より、(セ)【図6】から「主制御部メイン処理のステップS106として復電時処理を行う」ことが看て取れ、(ク)【0107】に「ステップS106では、復電時処理を行う。…ステップS106の復電時処理では…正常復帰(大当たり中以外)コマンド…を副制御部400に対して送信させるための情報を送信情報記憶領域に追加記憶する。」と記載されているから、主制御部300のCPU304は、主制御部メイン処理を実行して復電時処理を行い、正常復帰(大当たり中以外)コマンドを副制御部400に対して送信させるための情報を送信情報記憶領域に追加記憶するといえる。

(テ)上記記載事項(ケ)【0114】に「…図7…主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割り込み処理…」と記載され、上記認定事項(ソ)より、(セ)【図7】から「主制御部タイマ割り込み処理のステップS209として入賞受付処理を実行」することが看て取れ、(ケ)【0132】に「ステップS209では、入賞受付処理を行う。」と記載され、(サ)【0201】に「基本コマンドは…ステップS209で始動口入賞…を受け付けたとき、それに基づいて保留が増加したとき…に出力される。」と記載されているから、主制御部300のCPU304は、主制御部タイマ割り込み処理を実行して入賞受付処理を行い、始動口入賞を受け付けたとき、それに基づいて保留が増加したときに、コマンド設定送信処理で基本コマンドを副制御部に出力することが記載されているといえる。

(ト)上記記載事項(サ)【0205】に「…基本コマンドの基本情報コマンド…」と記載されているので、基本情報コマンドは基本コマンドである。
そして、(ス)【0221】に「正常復帰(大当たり中以外)コマンドおよび基本情報コマンドは、ともに特図1保留数(第2の情報)および特図2保留数(第3の情報)を含んでいるが、第2の情報に対して第3の情報は、正常復帰(大当たり中以外)コマンドと基本情報コマンドとで、出現する順序が異なる順序となっている。」と記載されているから、正常復帰(大当たり中以外)コマンドおよび基本コマンドは、ともに特図1保留数(第2の情報)および特図2保留数(第3の情報)を含んでいるが、第2の情報に対して第3の情報は、正常復帰(大当たり中以外)コマンドと基本コマンドとで、出現する順序が異なる順序となっているといえる。

そして、引用文献2の上記記載事項(ア)ないし(セ)及び上記認定事項(ソ)ないし(ト)を総合すると、引用文献2には次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。

[引用発明2]
「a2 第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として、特図表示装置114による特図の変動表示を行うパチンコ機100であって、((イ)【0015】、(ウ)【0037】、【0040】、(オ)【0087】)

c2 ROM306に予め記憶している制御プログラムに従って主制御部メイン処理を実行し、主制御部タイマ割り込み処理を実行するCPU304を搭載している基本回路302を備えており、遊技の中枢部分を制御する主制御部300を構成する主制御基板161と、((エ)【0060】、【0062】、【0064】、(キ)【0097】、(ケ)【0114】)

d2 主制御部300が送信(出力)するコマンド信号に応じて、主に演出の制御を行う副制御部400を構成する副制御基板164とを配設しており、((エ)【0060】、【0062】)

g2 主制御部300のCPU304は、主制御部メイン処理を実行して復電時処理を行い、正常復帰(大当たり中以外)コマンドを副制御部400に対して送信させるための情報を送信情報記憶領域に追加記憶し、主制御部タイマ割り込み処理を実行してコマンド設定送信処理を行い、送信情報記憶領域に追加記憶されていたコマンドに対応する情報を副制御部に出力し、主制御部タイマ割り込み処理を実行して入賞受付処理を行い、始動口入賞を受け付けたとき、それに基づいて保留が増加したとき、コマンド設定送信処理で基本コマンドを副制御部に出力し、(認定事項(タ)、(ツ)、(テ))

h2 正常復帰(大当たり中以外)コマンドおよび基本コマンドは、ともに特図1保留数(第2の情報)および特図2保留数(第3の情報)を含んでいるが、第2の情報に対して第3の情報は、正常復帰(大当たり中以外)コマンドと基本コマンドとで、出現する順序が異なる順序となっている、パチンコ機100。((イ)【0015】、認定事項(ト))」

ウ 引用文献3
[記載事項]
当審の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2013-27429号公報(平成25年2月7日出願公開。以下「引用文献3」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。

(ア)「【0009】
[第1の実施の形態]
以下、図面を用いて、本発明の第1の実施の形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機等の弾球遊技機やスロットマシン等の回胴遊技機)について説明する。まず、図1を用いて、本実施の形態によるパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。パチンコ機100は、外部的構造として、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面に備える。」

(イ)「【0019】
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300を構成する主基板156を収納する主基板ケース158と、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162と、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166と、遊技球の払出しに関する制御処理を行う払出制御部600を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172と、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176と、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源制御部660を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRWMクリア信号を主制御部300に出力するRWMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184と、払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインタフェース部186と、を配設している。
【0020】
第1副基板160には、出力設定スイッチ161が実装されている。出力設定スイッチ161は例えばロータリー式であり、後述するようにパチンコ機100の消費電力の設定について「0」?「F」の16段階で設定できるようになっている(図2に示す状態では「F」に設定されている)。出力設定スイッチ161本体は第1副基板ケース162内部に格納されており、回動可能な操作軸に対して固定されたつまみ部分は第1副基板ケース162の外部に露出している。出力設定スイッチ161はパチンコ機100の背面に設けられているため、出力設定スイッチ161の設定操作を行うことができるのは鍵を持っている遊技店員のみであり、遊技者は設定操作を行うことができない。
【0021】
図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、普通図柄保留ランプ216と、高確中ランプ222とを配設している。演出装置206は、演出可動体224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」、第2特別図柄を「特図2」と称する場合がある。
【0022】
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な画像を表示するための表示装置であり、本実施の形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208c、第4図柄表示領域208eおよび演出表示領域208dの5つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、第4図柄表示領域208eには第4図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208d、208eの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。」

(ウ)「【0038】
次に、図4を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」という)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源制御部660と、によって構成している。
【0039】
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えている。基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314と、を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。」

(エ)「【0048】
第2副制御部500は、CPU、RAM、ROM、I/O、VDP、VRAM等を有し、所定のタイミングで第1副制御部400から送信される液晶表示コマンドに基づいて装飾図柄表示装置208の表示制御を行う。表示内容および表示タイミングについてはROMに予め記憶されているため、キックタイミングを示す液晶表示コマンドさえ受信できれば後は独立して装飾図柄表示装置208の表示制御を行うことができる。第2副制御部500は、所定時間(例えば33ms)毎に第1副制御部400に戻りコマンドを送信する。第1副制御部400は、該戻りコマンドに基づいてスピーカ120や各種ランプ418、440等の制御を行うことで、装飾図柄表示装置208での表示とその他の演出の整合性をとることができる。」

(オ)「【0058】
次に、図6(a)?(d)を用いて、パチンコ機100の特図1表示装置212、特図2表示装置214、装飾図柄表示装置208、普図表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。図6(a)は特図の停止図柄態様の一例を示したものである。特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、特図1表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、特図2表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」を行う。これらの「特図1の変動表示」および「特図2の変動表示」が本実施形態にいう図柄の変動表示の一例に相当する。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図1表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図2表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。したがって、「特図1の変動表示」を開始してから特図1の停止図柄態様を停止表示するまで、あるいは「特図2の変動表示」を開始してから特図2の停止図柄態様を停止表示するまでが本実施形態にいう図柄変動停止表示の一例に相当し、以下、この「特図1または2の変動表示」を開始してから特図1または2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を図柄変動停止表示と称する。図柄変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。
また、特図1表示装置212および特図2表示装置214が同一の図柄を表示する場合、該図柄の輝度は同一であり、また、該図柄を表示するために必要となる電力は同一である。
【0059】
図6(a)には、図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」?「特図I」の9種類の特図が示されている。図6(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当り図柄であり、「特図B」は15R大当り図柄である。本実施形態のパチンコ機100では、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態(以下、「特図確変」または単に「確変」という場合がある)と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。また、15R特別大当り遊技終了後および15R大当り遊技終了後はいずれも時短状態(電サポ状態)に移行する。時短については詳しくは後述するが、時短状態のことを普図高確率状態(以下、「普図確変」という場合がある)と称し、時短状態でない状態のことを普図低確率状態と称する。15R特別大当り図柄である「特図A」は、特図高確率普図高確率状態であり、15R大当り図柄である「特図B」は、特図低確率普図高確率状態である。これらの「特図A」および「特図B」は、遊技者に対する有利度が相対的に大きくなる図柄である。
【0060】
「特図C」は突然確変と称される2R大当り図柄であり、特図高確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図A」と比べて、「特図C」は2Rである点が異なる。「特図D」は突然時短と称される2R大当り図柄であり、特図低確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図B」と比べて、「特図D」は2Rである点が異なる。
【0061】
「特図E」は隠れ確変または潜伏確変と称される2R大当り図柄であり、特図高確率普図低確率状態である。「特図F」は突然通常と称される2R大当り図柄であり、特図低確率普図低確率状態である。これら「特図E」および「特図F」はいずれも、2Rであるとともに、時短状態に移行しない状態である。
【0062】
「特図G」は第1小当り図柄であり、「特図H」は第2小当り図柄であり、いずれも特図低確率普図低確率状態である。ここにいう小当りは、2R時短無し大当りと同じものに相当する。すなわち、この「特図G」、「特図H」は「特図F」と同じ状態であるが、両者では装飾図柄表示装置208に表示される演出が異なり、あえて、同じ状態でも「特図G」、「特図H」と「特図F」を設けておくことで、遊技の興趣を高めている。
【0063】
また、「特図I」ははずれ図柄であり、遊技者に対する有利度が相対的に小さくなる図柄である。
・・・中略・・・
【0067】
図6(d)は第4図柄の一例を示したものである。本実施形態の第4図柄の停止表示態様には、「第4図柄A」、「第4図柄B」および「第4図柄C」がある。「第4図柄A」は大当り図柄であり、15R大当りを報知する場合に停止表示される。「第4図柄B」は小当り図柄であり、2R大当りまたは小当りを報知する場合に停止表示される。「第4図柄C」ははずれ図柄であり、はずれを報知する場合に停止表示される。
【0068】
特図1始動口230または特図2始動口232に球が入賞したこと、すなわち、特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・→「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。また、装飾図柄表示装置208の第4図柄表示領域208eでは、所定の順番で表示を切り替える第4図柄の変動表示を行う。」

(カ)「【0071】
次に、図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って主制御部メイン処理を実行する。
・・・中略・・・
【0076】
ステップS111では、復電時処理(復電処理)を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS115内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、主制御部300のRAM308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップS
111では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部300のタイマ割込処理におけるコマンド設定送信処理(ステップS233)において、第1副制御部400へ送信される。
・・・中略・・・
【0079】
次に、図8を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。主制御部300は、所定の周期(本例では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。」

(キ)「【0122】
ステップS231の次のステップS233では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は例えば16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11?14はコマンド種別(本実施の形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、大当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、RAMクリアコマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0?10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。」

(ク)「【0131】
次に、図9を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。図9(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理の流れを示すフローチャートである。まず、図9(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
・・・中略・・・
【0136】
ステップS311の次のステップS313では、ユーザー調整モード制御処理を行う。ユーザー調整モード制御処理の詳細については後述する。
・・・中略・・・
【0145】
図10は、第1副制御部メイン処理のステップS313におけるユーザー調整モード制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、ユーザー調整モード制御処理のステップS601では、電源投入後の初回処理であるか否かを判定する。第1副制御部400は設定内容のバックアップを持たないため、復電時には、出力設定スイッチ161の設定位置に基づいてスピーカから出力される音の音量やランプの輝度を設定する。電源投入後の初回処理であると判定した場合にはステップS603に進み、電源投入後の初回処理ではないと判定した場合にはステップS605に進む。
また、第1副制御部400にバックアップを備え、電断検出時にユーザー調整モードの設定結果を記憶し、復電検出時に該バックアップ結果を設定するように構成していても良い。
・・・中略・・・
【0149】
ステップS609では、省電力モード設定処理を行う。省電力モード設定処理では、出力設定スイッチ161の設定位置が「4」である場合には動作モードを省電力モードAに設定し、設定位置が「3」である場合には動作モードを省電力モードBに設定する。省電力モードAおよびBはいずれも、音量および輝度の双方においてユーザー調整モードでは設定できない範囲の値(本例では、ユーザー調整モードで設定できる範囲よりも低い値)が設定される(図18(a)参照)。その後、ユーザー調整モード制御処理を終了する。」

(ケ)「【0183】
次に、図16を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。図16(a)は、第2副制御部500のCPUが実行するメイン処理のフローチャートである。まず、図16(a)のステップS901では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS901で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、第2副制御部500のRAM内の記憶領域の初期化処理等を行う。
・・・中略・・・
【0187】
ステップS909の次のステップS911では、画像制御処理を行う。画像制御処理では、ステップS909で読み出した演出データの中にVDPへの命令がある場合には、この命令をVDPに出力する(詳細は後述)。ステップS911では、前述の音量または輝度調整の設定に応じて、装飾図柄表示装置208のバックライトの輝度や、装飾図柄表示装置208に表示する画像の明度等を調整してもよい。該輝度および明度の調整は装飾図柄表示装置208が消費する電力量の調整により行うことができる。遊技者の認識率を上げるために輝度および明度を高くすると相対的に装飾図柄表示装置208の消費電流は上昇し、輝度および明度を低くすると相対的に装飾図柄表示装置208の消費電流は低下する。」

(コ)「【0271】
図23(c)は、本実施例の変形例における省電力モードでの特図1変動遊技終了直後の状態を示している。図23(c)に示すように、省電力モード中であっても、一部の輝度を低下させない(低下できない)ようにしてもよい。図23(c)に示す例では、装飾図柄表示装置208のうち図柄表示領域208a?208cおよび演出表示領域208dの表示輝度を通常モードよりも低下させているが、第4図柄表示領域208eの表示輝度は維持している。すなわち、同じ装飾図柄表示装置208の画面内にあり、報知内容が同一の抽選結果であるにも関わらず、図柄表示領域208a?208cおよび演出表示領域208dの表示輝度は低下させているが、第4図柄表示領域208eの表示輝度は低下させていない。これにより、電力消費量を低下させつつも、抽選結果に関する情報を遊技者に確実に報知できる場合がある。
省電力モードの実行により装飾図柄表示装置208のバックライトの輝度を低下させている場合には、第4図柄表示領域208eに表示される第4図柄の明度やコントラストのみを上昇させることで、省電力モードの実行前の状態と視認性が略変化しないようにしていても良い。」

(サ)「【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

・・・中略・・
【図16】



[認定事項]
(シ)上記記載事項(サ)【図7】から、「主制御部メイン処理」のステップS111として「復電処理」が行われることが看て取れる。

(ス)上記記載事項(サ)【図8】から、「主制御部タイマ割込処理」のステップS233として「コマンド設定送信処理」が行われることが看て取れる。

(セ)上記記載事項(カ)【0079】に「図8…主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理…」と記載され、上記認定事項(ス)より、(サ)【図8】から「主制御部タイマ割込処理のステップS233としてコマンド設定送信処理が行われる」ことが看て取れ、(キ)【0122】に「…ステップS233では、コマンド設定送信処理を行い…」と記載されているから、主制御部300のCPU304は、主制御部タイマ割込処理を実行してコマンド設定送信処理を行うといえる。
そして、(カ)【0071】に「図7…主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理…」と記載され、上記認定事項(シ)より、(サ)【図7】から「主制御部メイン処理のステップS111として復電処理が行われる」ことが看て取れ、(カ)【0076】に「ステップS111では、復電時処理(復電処理)を行う。…送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは…主制御部300のタイマ割込処理におけるコマンド設定送信処理(ステップS233)において、第1副制御部400へ送信される。」と記載されているから、主制御部300のCPU304は、主制御部メイン処理を実行して復電時処理を行い、復電コマンドを送信情報記憶領域にセットし、この復電コマンドを主制御部タイマ割込処理のコマンド設定送信処理において、第1副制御部400へ送信するといえる。

(ソ)上記認定事項(セ)より、「主制御部300のCPU304が主制御部タイマ割込処理を実行しコマンド設定送信処理を行う」ので、上記記載事項(キ)【0122】に「…ステップS233では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。…第1副制御部400に送信する出力予定情報は…コマンド種別(…基本コマンド…)…」と記載されているから、主制御部300のCPU304は、主制御部タイマ割込処理を実行してコマンド設定送信処理を行い、基本コマンドを第1副制御部400に送信するといえる。

(タ)上記記載事項(オ)【0058】に「…特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、特図1表示装置212は…「特図1の変動表示」を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、特図2表示装置214は…「特図2の変動表示」を行う。」と記載され、(オ)【0068】に「…特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして…第4図柄表示領域208eでは…第4図柄の変動表示を行う。」と記載されているから、特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと又は特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、特図1の変動表示又は特図2の変動表示を行うとともに、第4図柄表示領域208eで第4図柄の変動表示を行うといえる。
また、(オ)【0058】に「…変動時間が経過すると、特図1表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、…変動時間が経過すると、特図2表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。」と記載され、(オ)【0059】に「…停止図柄態様として「特図A」?「特図I」の9種類の特図…「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当り図柄であり、「特図B」は15R大当り図柄である。」と記載され、(オ)【0060】に「「特図C」は…2R大当り図柄であり…「特図D」は…2R大当り図柄であり」と記載され、【0061】に「「特図E」は…2R大当り図柄であり…「特図F」は…2R大当り図柄であり」と記載され、(オ)【0062】に「「特図G」は第1小当り図柄であり、「特図H」は第2小当り図柄であり」と記載され、(オ)【0063】に「「特図I」ははずれ図柄であり」と記載され、(オ)【0067】に「…第4図柄の停止表示態様には、「第4図柄A」、「第4図柄B」および「第4図柄C」がある。「第4図柄A」は大当り図柄であり、15R大当りを報知する場合に停止表示される。「第4図柄B」は小当り図柄であり、2R大当りまたは小当りを報知する場合に停止表示される。「第4図柄C」ははずれ図柄であり、はずれを報知する場合に停止表示される。」と記載されているから、第4図柄の停止表示態様は、特図1表示装置212および特図2表示装置214の停止図柄態様が、15R大当り図柄であるか、2R大当り図柄であるか、小当り図柄であるか、はずれ図柄であるかを報知するといえる。

(チ)上記記載事項(サ)【図9】(a)から、「第1副制御部メイン処理」のステップS313として「ユーザー調整モード制御処理」が行われることが看て取れる。

(ツ)上記記載事項(サ)【図10】から、「ユーザー調整モード制御処理」のステップ609として「省電力モード設定処理」が行われることが看て取れる。

(テ)上記記載事項(ク)【0131】に「図9(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理…」と記載され、上記認定事項(チ)より、(サ)【図9】(a)から「メイン処理のステップS313としてユーザー調整モード制御処理が行われる」ことが看て取れ、(ク)【0136】に「ステップS313では、ユーザー調整モード制御処理を行う。」と記載されているから、第1副制御部400のCPU404は、ユーザー調整モード制御処理を行うといえる。
そして、(ク)【0145】に「図10は、第1副制御部メイン処理のステップS313におけるユーザー調整モード制御処理…」と記載され、上記認定事項(ツ)より、(サ)【図10】から「ユーザー調整モード制御処理のステップ609として省電力モード設定処理が行われる」ことが看て取れ、(ク)【0149】に「ステップS609では、省電力モード設定処理を行う。省電力モード設定処理では、出力設定スイッチ161の設定位置が「4」である場合には動作モードを省電力モードAに設定し、設定位置が「3」である場合には動作モードを省電力モードBに設定する。省電力モードAおよびBはいずれも、音量および輝度の双方において…ユーザー調整モードで設定できる範囲よりも低い値…が設定される。」と記載されているから、第1副制御部400のCPU404は、ユーザー調整モード制御処理における省電力モード設定処理を行い、出力設定スイッチ161の設定位置が「3」又は「4」である場合に、音量および輝度の双方においてユーザー調整モードで設定できる範囲よりも低い値が設定される省電力モードA又はBに設定するといえる。

(ト)上記記載事項(サ)【図16】(a)から、「第2副制御部メイン処理」のステップS911として「画像制御処理」が行われることが看て取れる。

(ナ)上記記載事項(ケ)【0183】に「図16(a)は、第2副制御部500のCPUが実行するメイン処理…」と記載され、上記認定事項(ト)より、(サ)【図16】(a)から「メイン処理のステップS911として画像制御処理が行われる」ことが看て取れ、(エ)【0048】に「第2副制御部500は…装飾図柄表示装置208の表示制御を行う。」と記載され、(ケ)【0187】に「…ステップS911では、画像制御処理を行う。…ステップS911では、前述の音量または輝度調整の設定に応じて、装飾図柄表示装置208のバックライトの輝度や、装飾図柄表示装置208に表示する画像の明度等を調整してもよい。」と記載されているから、第2副制御部500のCPUは、音量または輝度調整の設定に応じて、装飾図柄表示装置208のバックライトの輝度や、装飾図柄表示装置208に表示する画像の明度等を調整する画像制御処理を行うといえる。

そして、引用文献3の上記記載事項(ア)ないし(サ)及び上記認定事項(シ)ないし(ナ)を総合すると、引用文献3には次の発明(以下「引用発明3」という。)が記載されていると認められる。

[引用発明3]
「a3 特図1の変動表示を行う第1特別図柄表示装置212と、特図2の変動表示を行う第2特別図柄表示装置214とを配設しているパチンコ機100であって、((ア)【0009】、(イ)【0021】、(オ)【0058】)

b3 左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208c、第4図柄表示領域208eおよび演出表示領域208dの5つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する装飾図柄表示装置208と、((イ)【0021】、【0022】)

c3 ROM306に予め記憶している制御プログラムに従って主制御部メイン処理を実行し、主制御部タイマ割り込み処理を実行するCPU304を搭載している基本回路302を備えており、遊技の中枢部分を制御する主制御部300を構成する主基板156と、((イ)【0019】、(ウ)【0038】、【0039】、(カ)【0071】、【0079】)

d3 主制御部300が送信するコマンド信号に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400を構成する第1副基板160と、((イ)【0019】、(ウ)【0038】)

e3 第2副制御部500を構成する第2副基板164とを配設し、((イ)【0019】)
第1副制御部400のCPU404は、遊技店員のみが設定操作を行うことができ、パチンコ機100の消費電力について設定できる出力設定スイッチ161の設定位置が「3」又は「4」である場合に、音量および輝度の双方においてユーザー調整モードで設定できる範囲よりも低い値が設定される省電力モードA又はBに設定し、((イ)【0020】、認定事項(テ))
第2副制御部500のCPUは、音量または輝度調整の設定に応じて、装飾図柄表示装置208のバックライトの輝度や、装飾図柄表示装置208に表示する画像の明度等を調整する画像制御処理を行い、輝度および明度を低くすると相対的に装飾図柄表示装置208の消費電流は低下し、((ケ)【0187】、認定事項(ナ))

g3 主制御部300のCPU304は、主制御部メイン処理を実行して復電時処理を行い、復電コマンドを送信情報記憶領域にセットし、この復電コマンドを主制御部タイマ割込処理のコマンド設定送信処理において、第1副制御部400へ送信し、主制御部タイマ割込処理を実行してコマンド設定送信処理を行い、基本コマンドを第1副制御部400に送信し、(認定事項(セ)、(ソ))

i3 第4図柄表示領域208eには第4図柄を表示し、特図1の変動表示又は特図2の変動表示を行うとともに、第4図柄の変動表示を行い、第4図柄の停止表示態様は、特図1表示装置212および特図2表示装置214の停止図柄態様が、15R大当り図柄であるか、2R大当り図柄であるか、小当り図柄であるか、はずれ図柄であるかをを報知し、((イ)【0022】、認定事項(タ))

j3-1 省電力モード中、装飾図柄表示装置208のうち図柄表示領域208a?208cおよび演出表示領域208dの表示輝度を通常モードよりも低下させているが、第4図柄表示領域208eの表示輝度は維持しているパチンコ機100。((ア)【0009】、(コ)【0271】)」

エ 引用文献4
[記載事項]
本願の出願前に、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2013-220324号公報(平成25年10月28日出願公開。以下「引用文献4」という。)には、次の事項が記載されている。

(ア)「【0029】
遊技関連表示処理では、例えば、キャラクタやステージ選択画面である演出選択表示が行われる。このような画面が表示された後、遊技者は、演出選択手段を操作することにより、演出選択表示の中から好みの演出(キャラクタ等)を選択することができる。
【0030】
これにより、遊技を開始するにあたり、演出選択表示から演出を選択したい遊技者は、演出選択手段を操作して所望の演出を選択できる。」

(イ)「【0040】
次に、図1を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機を構成する部分について説明する。図1に示すように、パチンコ遊技機1は、矩形状の外枠2と、この外枠2に開閉可能に枢着された前面枠3および前扉5を備えている。」

(ウ)「【0060】
液晶表示装置36の下方には、第1特別図柄始動口38aおよび第2特別図柄始動口38bからなる始動入賞装置38が配置されている。遊技領域4aを流下する遊技球が第1特別図柄始動口38a、または第2特別図柄始動口38bに入賞することにより抽選が行われ、後述する特別図柄表示装置43aにて特別図柄の変動表示がなされる。また、液晶表示装置36でも、特別図柄に対応した装飾図柄の変動表示が行われる。」

(エ)「【0071】
この制御装置は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御する主制御基板24と、主制御基板24からコマンド受けて演出の制御をする演出制御基板25を中心に構成される。電源基板28は、主制御基板24を初めとした各基板に接続され、外部電源から交流電圧24Vを受けて直流電圧に変換し、各基板に供給する。」

(オ)「【0092】
「vol_3」?「vol_5」の場合(音量によって3段階)、パチンコ遊技機1は、「ホール用節電モード」の設定となる。「ホール用節電モード」に設定すると、パチンコ遊技機1は、特別図柄の変動が停止して、次回変動が開始しない状態で所定時間が経過した際に、低消費電力の客待ち状態(以下では、「低消費電力状態」という)に移行する。
【0093】
低消費電力状態では、幾つかのLEDを除いてパチンコ遊技機1に使用されたLED(ランプ)を消灯し、液晶表示装置36では、黒い画面に「節電中」と表示された「節電デモ表示(節電客待ち表示)」が実行される。また、低消費電力状態では、スピーカ7による音の出力は行われない。なお、「節電デモ表示」の実行中に遊技者が左演出ボタン13を押下げることにより、特別図柄を停止表示した通常遊技画面に復帰するようになっている。」

(カ)「【0103】
また、遊技停止から180秒経過したとき、演出制御基板25は、液晶制御基板26に向けて「節電デモ表示コマンド」を送信する。これにより、液晶制御基板26は、液晶表示装置36で「B:節電デモ表示(節電客待ち表示)」を行う。これは、「節電モード」が選択された場合にのみ行われる表示である。
【0104】
これも詳細は後述するが、演出制御基板25で行われる処理の中で、タイマが遊技停止から180秒を計時する。また、180秒が経過する前に第1特別図柄始動口38a又は第2特別図柄始動口38bに遊技球が入賞(始動入賞)した場合には、このタイマをクリアする。すなわち、遊技者が遊技球の発射を継続している場合には、180秒の経過前に始動入賞が発生する可能性が高く、後述する「B:節電デモ表示」が実行されることはほとんどない。」

(キ)「【0105】
「B:節電デモ表示」は、具体的には、黒い画面に企業ロゴや「節電中」の文字が表示されたものである(図6C参照)。画面の下部には、「[PUSH]を押すと画面が復帰します」との文字が表示され、文字は画面右から左へ移動する。これに一致するように、遊技停止から180秒経過後の「遊技者操作表示」は「有」、「演出ボタン入力」は「有効」であり、遊技者が左演出ボタン13を操作することにより通常遊技画面(「A:客待ち前演出表示」)に復帰する。
・・・中略・・・
【0107】
図6Aに示すように、パチンコ遊技機1が低消費電力状態のとき遊技者が左演出ボタン13を操作すると、演出制御基板25から液晶制御基板26に向けて「客待ち前演出表示コマンド」が送信される。なお、このとき復帰する「A:客待ち前演出表示」は、左演出ボタン13が表示された図6B(b)の方であり、再度、遊技者が左演出ボタン13を操作すると、液晶表示装置36に「X:遊技者操作表示」が出現する。」

(ク)「【0111】
次に、図6D、Eを参照して、「節電モード」が選択されたパチンコ遊技機1において、低消費電力状態となる前に左演出ボタン13が操作された場合について説明する。
【0112】
図6Dに示すように、遊技者が左演出ボタン13を操作すると、演出制御基板25から液晶制御基板26に向けて「キャラクタ選択表示コマンド」が送信され、液晶表示装置36に「X:キャラクタ選択表示」が出現する。「キャラクタ選択表示」は、本発明の「演出選択表示」に相当する。また、このとき「遊技者操作表示」は「有」、「演出ボタン入力」は「有効」である。
【0113】
「X:キャラクタ選択表示」は、図6E(a)、(b)のように遊技に関連する複数のキャラクタが表示された画面である。例えば、遊技者は、左演出ボタン13の操作により「キャラクタA」?「キャラクタD」のうち、好みのキャラクタを選択できるようになっている。
【0114】
また、遊技者は、中央演出ボタン14の操作によりキャラクタを決定することができる。例えば、「キャラクタA」に決定した場合には(図6E(c)参照)、大当りの予告演出に「キャラクタA」が登場して期待度を報知したり、リーチ演出で「キャラクタA」が敵と戦う等、様々な場面で演出のために登場するようになる。」

(ケ)「【0212】
次に、図14を参照して、副制御側で行われるメイン処理について説明する。このメイン処理には、副制御手段(演出制御基板25)の起動時に行われる初期化処理が含まれる。」

(コ)「【0225】
ステップS111の判定が「YES」である場合、副制御手段は、受信コマンドが客待ちデモコマンドであるか否かを判定する(ステップS112)。「客待ちデモコマンド」である場合には、「YES」の判定となり、ステップS113に進む。一方、「客待ちデモコマンド」でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS114に進む。
【0226】
なお、「客待ちデモコマンド」は、遊技停止の際、主制御基板24から演出制御基板25に向けて送信される制御コマンドである(図6A、7A参照)。これは、「節電モード」、「通常モード」に関係なく、遊技停止を意味する共通の制御コマンドである。
【0227】
ステップS112の判定が「YES」である場合、副制御手段は、客待ちデモ開始タイマに180sをセットする(ステップS113)。これにより、副制御手段が「客待ちデモコマンド」を受信してから180秒が経過した時点で客待ち表示(「節電モード」の場合は、「節電デモ表示(節電客待ち表示)」)が開始する(図6A、7A参照)。その後、受信コマンド解析処理を終了する。」

(サ)「【0252】
最後に、副制御手段は、客待ちデモ開始タイマに180sをセットする(ステップS137)。左演出ボタン13が操作され、図柄表示をした通常遊技画面に戻った場合には、客待ちデモ開始タイマを再度、客待ち表示(「節電モード」の場合は、「節電デモ表示」)が開始するまでの時間である180秒にセットする。その後、メインシナリオ更新処理を終了する。」

[認定事項]
(シ)上記記載事項(ア)【0029】に「…キャラクタ…選択画面である演出選択表示…遊技者は、演出選択手段を操作することにより、演出選択表示の中から好みの演出(キャラクタ等)を選択することができる。」と記載され、(ア)【0030】に「…遊技者は、演出選択手段を操作して所望の演出を選択できる。」と記載され、(ク)【0112】に「「キャラクタ選択表示」は、本発明の「演出選択表示」に相当する。」と記載されていることに照らして、(ク)【0113】の「「X:キャラクタ選択表示」…遊技者は、左演出ボタン13の操作により「キャラクタA」?「キャラクタD」のうち、好みのキャラクタを選択できる…」との記載、及び(ク)【0114】の「…遊技者は、中央演出ボタン14の操作によりキャラクタを決定することができる。例えば、「キャラクタA」に決定した場合には…大当りの予告演出に「キャラクタA」が登場して期待度を報知したり、リーチ演出で「キャラクタA」が敵と戦う等…演出のために登場するようになる。」との記載を考慮すれば、例示された「キャラクタA」に限らず、決定したキャラクタが、演出のために登場するようになることが記載されているといえる。

そして、引用文献4の上記記載事項(ア)ないし(サ)及び上記認定事項(シ)を総合すると、引用文献4には次の発明(以下「引用発明4」という。)が記載されていると認められる。

[引用発明4]
「a4 特別図柄の変動表示がなされるパチンコ遊技機1であって、((イ)【0040】、(ウ)【0060】)

d4 主制御基板24からコマンド受けて演出の制御をする演出制御基板25を備え、((エ)【0071】)

e4 特別図柄の変動が停止して、次回変動が開始しない状態で所定時間が経過した際に、低消費電力の客待ち状態(以下では、「低消費電力状態」という)に移行し、低消費電力状態では、液晶表示装置36では、「節電デモ表示(節電客待ち表示)」が実行され、((オ)【0092】、【0093】)
副制御手段(演出制御基板25)は、受信コマンドが、遊技停止の際、主制御基板24から演出制御基板25に向けて送信される「客待ちデモコマンド」である場合、客待ちデモ開始タイマに180sをセットし、タイマが遊技停止から180秒を計時し、遊技停止から180秒経過したとき、液晶制御基板26に向けて「節電デモ表示コマンド」を送信し、これにより、液晶制御基板26は、液晶表示装置36で「B:節電デモ表示(節電客待ち表示)」を行い、((カ)【0103】、【0104】、(ケ)【0212】、(コ)【0225】、【0227】)

j4-3 パチンコ機1が低消費電力状態のとき遊技者が左演出ボタン13を操作すると、演出制御基板25から液晶制御基板26に向けて「客待ち前演出表示コマンド」が送信され、通常遊技画面(「A:客待ち前演出表示」)に復帰し、((キ)【0105】、【0107】)

j4-4 副制御手段(演出制御基板25)は、左演出ボタン13が操作され、図柄表示をした通常遊技画面に戻った場合には、客待ちデモ開始タイマを再度、節電デモ表示が開始するまでの時間である180秒にセットし、((ケ)【0212】、(サ)【0252】)

k4 低消費電力状態となる前に、遊技者が左演出ボタン13を操作すると、演出制御基板25から液晶制御基板265に向けて「キャラクタ選択表示コマンド」が送信され、液晶表示装置36に遊技に関連する複数のキャラクタが表示された「X:キャラクタ選択表示」が出現し、遊技者は左演出ボタン13の操作により、好みのキャラクタを選択でき、遊技者は、中央演出ボタン14の操作によりキャラクタを決定することができ、決定したキャラクタが演出のために登場するようになるパチンコ遊技機1。((イ)【0040】、(ク)【0111】、【0112】、【0113】、【0114】、認定事項(シ))」

(3)引用発明1との対比
本件補正発明と引用発明1とを対比する(なお、本件補正発明の分説した構成に対応させて見出しを付した。)。

(A)
引用発明1において「各々を識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄が、変動可能に表示(可変表示)される」ことは、本件補正発明において「可変表示を行う」ことに相当する。
また、引用発明1の「パチンコ遊技機1」は、本件補正発明の「遊技機」に相当する。
したがって、引用発明1の「各々を識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄が、変動可能に表示(可変表示)される第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられているパチンコ遊技機1」は、本件補正発明の「可変表示を行う遊技機」に相当する。

(B)
引用発明1の「各種の演出画像を表示する表示領域を形成している画像表示装置5」は、本件補正発明の「画像が表示される表示手段」に相当する。

(C)
引用発明1の「ROM101」は「遊技制御用のプログラムを記憶」し、「CPU103」は「遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行う」ので、引用発明1において「CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される」ことは、本件補正発明において「遊技制御プログラムに基づいて遊技の進行を制御する」ことに相当する。
そうすると、引用発明1の「ROM101と」、「CPU103とを備えて構成され」る「遊技制御用マイクロコンピュータ100が搭載されている主基板11」は、本件補正発明の「遊技制御手段」に相当する。

(D)
引用発明1において「主基板11から送信された演出制御コマンドに応じ」ていることは、本件補正発明において「該遊技制御手段から出力される指令情報に基づいて」いることに相当する。
また、引用発明1において、「各種の演出装置を用いた動作制御内容について」、「判定や決定、設定などが行われる演出制御プロセスを実行する」ことは、当該「各種の演出装置を用いた」「動作」が、演出の実行であることは明らかであるから、本件補正発明において、「演出の実行を制御する」ことに相当する。
したがって、引用発明1の「主基板11から送信された演出制御コマンドに応じ」て、「各種の演出装置を用いた動作制御内容について」、「判定や決定、設定などが行われる演出制御プロセス処理を実行する演出制御用CPU120が搭載されている演出制御基板12」は、本件補正発明の「該遊技制御手段から出力される指令情報に基づいて演出の実行を制御する演出制御手段」に相当する。

(E)
引用発明1の「演出制御用CPU120」は、「パチンコ遊技機1における動作状態を通常の遊技中に対応した通常動作状態としての通常動作モードと、通常動作モードよりも消費電力量が少ない省電力状態としての省電力モードとに切替可能であ」るから、省電力モードに切り替えると、「パチンコ遊技機における動作状態を」、「通常動作モードよりも消費電力量が少ない省電力状態」にする制御を行うといえる。
したがって、引用発明1の「パチンコ遊技機1における動作状態を通常の遊技中に対応した通常動作状態としての通常動作モードと、通常動作モードよりも消費電力量が少ない省電力状態としての省電力モードとに切替可能であ」る「演出制御用CPU120」は、本件補正発明の「前記遊技機の消費電力を低下させる省電力制御を行う省電力制御手段」に相当する。

(F)
引用発明1の「普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した」「遊技球」は、「遊技領域に向けて発射され、遊技領域を流下した」ものであるから、本件補正発明の「発射された遊技媒体」に相当する。
したがって、引用発明1の「普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した」「遊技球」を「検出」する「第1始動口スイッチ22A」は、本件補正発明の「発射された遊技媒体を検出可能な検出手段」に相当する。

(G)
上記(C)のとおり、「CPU103」は「遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行う」ので、引用発明1の「CPU103によって」「実行され」る「遊技制御メイン処理」及び「遊技制御メイン処理を実行したCPU103」が「実行」する「遊技制御用タイマ割込み処理」はそれぞれ、本件補正発明の「前記遊技制御プログラムにより実行される」、「第1の処理」及び「第2の処理」に相当する。
そして、引用発明1の「遊技制御用タイマ割込み処理」において「伝送させ」る「制御コマンド」は、本件補正発明の「第2の処理」において「出力可能であ」る「指令情報」に相当する。
したがって、引用発明1の構成gと本件補正発明の構成Gとは、「前記遊技制御手段は、前記遊技制御プログラムにより実行される第1の処理及び第2の処理」を有し、「第2の処理」「において、指令情報を出力可能であ」る点で共通する。

(I)
引用発明1の「第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して」、「各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄が可変表示され」る、「画像表示装置5の表示領域」の「飾り図柄表示エリア」は、本件補正発明の「前記可変表示を報知する表示が行われる変動状態報知領域」に相当する。

(J)、(J-2)
引用発明1において「第1始動口スイッチ22Aにより遊技球が検出されることなく所定時間が経過したことを含むものとして設定できる省電力モード開始条件が成立したと判定した場合」は、本件補正発明において「前記検出手段による発射された遊技媒体の検出が所定期間なされない場合」に相当する。
そして、引用発明1において、「演出制御用CPU120」が、「パチンコ遊技機1における動作状態を通常動作モードから省電力モードに移行させ」ることは、本件補正発明において、「前記省電力制御手段」が、「前記省電力制御を行」うことに相当する。

(J)、(J-3)
引用発明1では、「省電力モードに移行させることに対応して、省電力モードフラグをオン状態にセットし」、「省電力モードフラグをクリアしてオフ状態とし」て「省電力モードから通常動作モードに復帰させる」ので、引用発明1の「省電力モードフラグがオンである場合」の状態は、本件補正発明の「前記省電力制御が行われている状態」に相当する。
そして、引用発明1において、「演出制御用CPU120」が、「省電力モードから通常動作モードに復帰させる」ことは、本件補正発明において、「前記省電力制御手段」が、「前記省電力制御を停止」することに相当する。
したがって、引用発明1の構成j-3は、本件補正発明の構成J-3と、「前記省電力制御が行われている状態において」、「前記省電力制御を停止し」ている点で共通する。

以上のことから、本件補正発明と引用発明1とは、
「可変表示を行う遊技機であって、
画像が表示される表示手段と、
遊技制御プログラムに基づいて遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
該遊技制御手段から出力される指令情報に基づいて演出の実行を制御する演出制御手段と、
前記遊技機の消費電力を低下させる省電力制御を行う省電力制御手段と、
発射された遊技媒体を検出可能な検出手段とを備え、
前記遊技制御手段は、前記遊技制御プログラムにより実行される第1の処理および第2の処理を有し、第2の処理において、指令情報を出力可能であり、
前記表示手段は、前記可変表示を報知する表示が行われる変動状態報知領域を含み、
前記省電力制御手段は、
前記検出手段による発射された遊技媒体の検出が所定期間なされない場合に前記省電力制御を行い、
前記省電力制御が行われている状態において、前記省電力制御を停止する、
遊技機。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1](構成G及びH)
「遊技制御手段」が、本件補正発明では、「第1の処理」「において」、「指令情報を出力可能であ」るとともに、「前記第1の処理と、前記第2の処理とでは、出力する指令情報の設定順序が異な」るのに対し、引用発明1では、そのように特定されていない点。

[相違点2](構成J及びJ-1)
「前記省電力制御手段」が「前記省電力制御を行」うのが、本件補正発明では、「前記変動状態報知領域以外において」であるのに対し、引用発明1では、そのように特定されていない点。

[相違点3](構成J及びJ-3)
「前記省電力制御手段」が、「前記省電力制御が行われている状態において」、「前記省電力制御を停止」するのが、本件補正発明では、「遊技者の操作に基づいて」いるのに対し、引用発明1では、そのように特定されていない点。

[相違点4](構成J及びJ-4)
「前記省電力制御手段」が、本件補正発明では、「遊技者の操作に基づいて前記省電力制御に関する期間の計測値を初期化」するのに対し、引用発明1では、そのように特定されていない点。

[相違点5](構成K)
「前記演出制御手段」について、本件補正発明では、「前記省電力制御が行われていない状態において、遊技者の操作に基づいて演出に関する設定が可能である」のに対し、引用発明1では、そのように特定されていない点。

(4)判断
ア 相違点1
上記相違点1について検討する。
(ア)引用発明2の構成g2において、「CPU304」が「実行」する「主制御部メイン処理」は、「ROM306に予め記憶している制御プログラムに従って」いるので、制御プログラムに基づいているといえる。
また、引用発明2の構成g2において、「CPU304」が「実行する」「主制御部タイマ割り込み処理」が、制御プログラムに基づいていることは、技術常識に照らして記載されているに等しい事項である。
そうすると、引用発明2の構成g2において、「主制御部300のCPU304」が、「主制御部メイン処理を実行して」「行」う「復電時処理」、「主制御部タイマ割り込み処理を実行して」「行」う「コマンド設定送信処理」及び「主制御部タイマ割り込み処理を実行して」「行」う「入賞受付処理」は、いずれも制御プログラムに基づいて「実行」されるといえる。
したがって、引用発明2の構成g2において、「主制御部300のCPU304」が「主制御部メイン処理を実行し復電時処理を行い、正常復帰(大当たり中以外)コマンドを副制御部400に対して送信させるための情報を送信情報記憶領域に追加記憶し、主制御部タイマ割り込み処理を実行しコマンド設定送信処理を行い、送信情報記憶領域に追加記憶されていたコマンドに対応する情報を副制御部に出力」する処理は、本件補正発明における「前記遊技制御プログラムにより実行される第1の処理」に相当する。
そして、引用発明2の当該処理において「正常復帰(大当たり中以外)コマンド」を「出力」することは、「第1の処理」において「指令情報を出力可能であ」ることに相当する。
また、引用発明2の構成g2において、「主制御部300のCPU304」が「主制御部タイマ割り込み処理を実行し入賞受付処理を行い、始動口入賞を受け付けたとき、それに基づいて保留が増加したとき、コマンド設定送信処理で基本コマンドを副制御部に出力」する処理は、本件補正発明における「前記遊技制御プログラムにより実行される」「第2の処理」に相当する。
そして、引用発明2の当該処理において「基本コマンドを副制御部に出力」することは、「第2の処理」において「指令情報を出力可能であ」ることに相当する。

(イ)引用発明2の構成h2において、「正常復帰(大当たり中以外)コマンドおよび基本コマンドは、ともに特図1保留数(第2の情報)および特図2保留数(第3の情報)を含んでいるが、第2の情報に対して第3の情報は、正常復帰(大当たり中以外)コマンドと基本コマンドとで、出現する順序が異なる順序となっている」ことは、本件補正発明において、「前記第1の処理と、前記第2の処理とでは、出力する指令情報の設定順序が異な」ることに相当する。

(ウ)上記(ア)及び(イ)より、引用発明2は、本件補正発明の構成G及びHを備えている。

(エ)ここで、引用発明2は、「主制御部から副制御部へ出力するコマンドを解析されやすいことで、主制御CPUの不正改造部品を作成したり、解析結果に基づいて副制御部に特定のコマンドを入力させて副制御部に特定の情報を設定したりすることを行いやすいという問題があった」という課題に対して、「解析しにくいコマンドによる通信を可能に」するという効果を奏するものであると認められる(上記(2)イ(ア))。
そして、引用発明1と引用発明2とは共に、電力供給が開始されると実行されるメイン処理と、始動入賞が発生した場合にコマンドを出力するタイマ割込み処理とが実行される遊技機という共通の技術分野に属している。また、遊技機に関する技術分野において不正の防止は当業者にとって自明の課題であると認められる。
してみると、引用発明1の「遊技制御メイン処理」及び「遊技制御用タイマ割込み処理」中の「遊技制御プロセス処理」として、「解析しにくいコマンドによる通信を可能に」するという効果を奏する引用発明2を採用して上記相違点1に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

イ 相違点2
上記相違点2について検討する。
(ア)引用発明3の構成i3における「第4図柄を表示し、特図1の変動表示又は特図2の変動表示を行うとともに、第4図柄の変動表示を行い、第4図柄の停止表示態様は、特図1表示装置212および特図2表示装置214の停止図柄態様が、15R大当り図柄であるか、2R大当り図柄であるか、小当り図柄であるか、はずれ図柄であるかをを報知」する「第4図柄表示領域208e」は、本件補正発明における「前記可変表示を報知する表示が行われる変動状態報知領域」に相当する。
そして、引用発明3では、構成e3より、「第2副制御部500のCPU」が、「音量または輝度調整の設定に応じて、装飾図柄表示装置208のバックライトの輝度や、装飾図柄表示装置208に表示する画像の明度等を調整する画像制御処理を行」うので、構成i3において「省電力モード中、装飾図柄表示装置208のうち図柄表示領域208a?208cおよび演出表示領域208dの表示輝度を通常モードよりも低下させているが、第4図柄表示領域208eの表示輝度は維持している」よう制御するのは、「第2副制御部500のCPU」であるといえる。
そして、構成e3より、「輝度および明度を低くすると相対的に装飾図柄表示装置208の消費電流は低下」するので、引用発明3の構成j3-1において、「第2副制御部500のCPU」が、「省電力モード中、装飾図柄表示装置208のうち図柄表示領域208a?208cおよび演出表示領域208dの表示輝度を通常モードよりも低下させているが、第4図柄表示領域208eの表示輝度は維持している」よう制御することは、本件補正発明において、「前記省電力制御手段」が、「前記変動状態報知領域以外において、前記省電力制御を行」うことに相当する。
したがって、引用発明3は、本件補正発明の構成J-1を備えている。

(イ)ここで、引用発明3は、「装飾図柄表示装置208のうち図柄表示領域208a?208cおよび演出表示領域208dの表示輝度を通常モードよりも低下させているが、第4図柄表示領域208eの表示輝度は維持して」おり、「これにより、電力消費量を低下させつつも、抽選結果に関する情報を遊技者に確実に報知できる」という効果を奏するものであると認められる(上記(2)ウ(コ))。
そして、引用発明1と引用発明3とは共に、特別図柄(特図)及び飾り図柄(装飾図柄)の可変表示を行う遊技機であって、画像が表示される表示手段と、前記遊技機の消費電力を低下させる省電力制御を行う省電力制御手段とを備える遊技機という共通の技術分野に属している。また、遊技機に関する技術分野において、遊技者が特別図柄(特図)及び飾り図柄(装飾図柄)の可変表示の結果に注目することは本願出願時における技術常識であるところ、当該結果を遊技者に確実に伝えることができるように、引用発明1の「画像表示装置5」(表示手段)において、「飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄が可変表示され」ることに加えて、引用発明3の「第4図柄を表示し、特図1の変動表示又は特図2の変動表示を行うとともに、第4図柄の変動表示を行い、第4図柄の停止表示態様は、特図1表示装置212および特図2表示装置214の停止図柄態様が、15R大当り図柄であるか、2R大当り図柄であるか、小当り図柄であるか、はずれ図柄であるかをを報知」する「第4図柄表示領域208e」を採用するとともに、省電力制御を行う際に引用発明3の「省電力モード中、装飾図柄表示装置208のうち図柄表示領域208a?208cおよび演出表示領域208dの表示輝度を通常モードよりも低下させているが、第4図柄表示領域208eの表示輝度は維持」するようなして上記相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

ウ 相違点3及び4
事案に鑑みて上記相違点3及び4についてまとめて検討する。
(ア)引用発明4では、構成e4より、「低消費電力状態では、液晶表示装置36では、「節電デモ表示(節電客待ち表示)」が実行され」るので、引用発明4の構成e4において、「副制御手段(演出制御基板25)」が、「液晶制御基板26に向けて「節電デモ表示コマンド」を送信し、これにより、液晶制御基板26は、液晶表示装置36で「B:節電デモ表示(節電客待ち表示)」を行」うことは、本件補正発明において、「省電力制御手段」が、「前記遊技機の消費電力を低下させる省電力制御を行う」ことに相当する。
また、引用発明4の構成j4-3より、「低消費電力状態のとき遊技者が左演出ボタン13を操作すると」、「演出制御基板25から液晶制御基板26に向けて「客待ち前演出表示コマンド」が送信され」て、「通常遊技画面(「A:客待ち前演出表示」)に復帰」するので、「演出制御基板25」が、「低消費電力状態のとき遊技者が左演出ボタン13を操作すると」、「通常遊技画面(「A:客待ち前演出表示」)に復帰」する制御を行っているといえる。
したがって、引用発明4の構成j4-3において、「演出制御基板25」が、「低消費電力状態のとき遊技者が左演出ボタン13を操作すると」、「通常遊技画面(「A:客待ち前演出表示」)に復帰」する制御を行うことは、本件補正発明において、「前記省電力制御手段」が、「前記省電力制御が行われている状態において、遊技者の操作に基づいて前記省電力制御を停止」することに相当する。

(イ)引用発明4の構成e4より、「受信コマンドが、遊技停止の際、主制御基板24から演出制御基板25に向けて送信される「客待ちデモコマンド」である場合、客待ちデモ開始タイマに180sをセットし、タイマが遊技停止から180秒を計時し、遊技停止から180秒経過したとき、液晶制御基板26に向けて「節電デモ表示コマンド」を送信し、これにより、液晶制御基板26は、液晶表示装置36で「B:節電デモ表示(節電客待ち表示)」を行」うので、「客待ちデモ開始タイマ」が「計時」する値は、本件補正発明の「前記省電力制御に関する期間の計測値」に相当する。
そして、引用発明4の構成e4より、「客待ちデモ開始タイマに180sをセットし、タイマが遊技停止から180秒を計時」するので、「客待ちデモ開始タイマ」が「計時」する値は「180秒」が初期値であるため、引用発明4の構成j4-4において、「副制御手段(演出制御基板25)」が、「左演出ボタン13が操作され、図柄表示をした通常遊技画面に戻った場合には、客待ちデモ開始タイマを再度、節電デモ表示が開始するまでの時間である180秒にセット」することは、本件補正発明において、「前記省電力制御手段」が、「遊技者の操作に基づいて前記省電力制御に関する期間の計測値を初期化」することに相当する。

(ウ)上記(ア)及び(イ)より、引用発明4は、本件補正発明の構成J-3及びJ-4を備えている。

(エ)ここで、引用発明1は、「第1始動口スイッチ22Aにより遊技球が検出されることなく所定時間が経過したことを含むものとして設定できる省電力モード開始条件が成立したと判定された場合には、パチンコ遊技機1における動作状態を通常動作モードから省電力モードに移行させ」、「通常動作モードへの復帰条件が成立した場合には」、「省電力モードから通常動作モードに復帰させる」ものであり、引用発明1及び引用発明4とは共に、省電力制御を行う遊技機という共通の技術分野に属している。
引用発明1の「省電力モード開始条件」は、「第1始動口スイッチ22Aにより遊技球が検出されることなく所定時間が経過したことを含むものとして設定できる」ので、「第1始動口スイッチ22Aにより遊技球が検出されることなく所定時間が経過したこと」以外を条件として設定することを何ら排除するものでない。また、引用発明1の「通常動作モードへの復帰条件」についても、上記(2)ア(シ)【0125】に「通常動作復帰条件は、例えば打球操作ハンドル30に設けられたタッチリング(タッチセンサ)により遊技者の接触が検知されたこと、球貸機からのカード確認信号などに基づいて球貸機にカードが投入されていると判定されたこと、球貸機からのカード残高表示信号などに基づいて残高が「0」以外であると判定されたこと、打球供給皿に遊技球が保持(貯留)されていること、打球発射装置により遊技球が発射されたこと、特図ゲームといった可変表示の保留記憶が行われたこと、入賞口スイッチにより遊技球が検出されたこと、遊技領域から排出された遊技球が検出されたことのうち、一部または全部を含むものとして設定できればよい。」と記載されているので、その他の適宜の条件を設定することを何ら排除するものでない。
したがって、引用発明1における「省電力モード開始条件」及び「通常動作モード復帰条件」としてそれぞれ、引用発明4における「遊技停止から180秒経過した」こと及び「左演出ボタン13が操作され」ることを設定し、また、「左演出ボタン13が操作され、図柄表示をした通常遊技画面に戻った場合には、客待ちデモ開始タイマを再度、節電デモ表示が開始するまでの時間である180秒にセット」することを採用し上記相違点3及び4に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

エ 相違点5
上記相違点5について検討する。
(ア)引用発明4の構成k4における「低消費電力状態となる前」の状態は、本件補正発明における「前記省電力制御が行われていない状態」に相当する。
そして、引用発明4では、構成d4より、「演出制御基板25」が「演出の制御を」し、構成k4より、「遊技者が左演出ボタン13を操作すると、演出制御基板25から液晶制御基板265に向けて「キャラクタ選択表示コマンド」が送信され、液晶表示装置36に遊技に関連する複数のキャラクタが表示された「X:キャラクタ選択表示」が出現し、遊技者は左演出ボタン13の操作により、好みのキャラクタを選択でき、遊技者は、中央演出ボタン14の操作によりキャラクタを決定することができ、決定したキャラクタが演出のために登場するようになる」ので、「演出制御基板25」が、「遊技者が左演出ボタン13を操作すると」、「液晶表示装置36に遊技に関連する複数のキャラクタが表示された「X:キャラクタ選択表示」が出現し、遊技者は左演出ボタン13の操作により、好みのキャラクタを選択でき、遊技者は、中央演出ボタン14の操作によりキャラクタを決定することができ、決定したキャラクタが演出のために登場するように」しているといえる。
よって、引用発明4の構成k4において、「演出制御基板25」が、「遊技者が左演出ボタン13を操作すると」、「液晶表示装置36に遊技に関連する複数のキャラクタが表示された「X:キャラクタ選択表示」が出現し、遊技者は左演出ボタン13の操作により、好みのキャラクタを選択でき、遊技者は、中央演出ボタン14の操作によりキャラクタを決定することができ、決定したキャラクタが演出のために登場するように」していることは、本件補正発明において、「前記演出制御手段は」、「遊技者の操作に基づいて演出に関する設定が可能である」ことに相当する。
したがって、引用発明4は、本件補正発明の構成Kを備えている。

(イ)ここで、引用発明1及び引用発明4は共に、省電力制御を行う遊技機という共通の技術分野に属しており、遊技機に関する技術分野において遊技の興趣を高めることは、当業者にとって自明の課題であると認められる。
そして、引用発明1は、「各種の演出画像を表示する」ものであるところ、遊技の興趣を高めるために、引用発明1の「各種の演出画像」として、引用発明4における、「低消費電力状態となる前」に、「遊技者」が「左演出ボタン13の操作により、好みのキャラクタを選択でき、遊技者は、中央演出ボタン14の操作によりキャラクタを決定することができ、決定したキャラクタが演出のために登場するように」したものを採用し上記相違点5に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

オ 本件補正発明の効果について
本件補正発明が有する効果は、引用発明1ないし4のそれぞれが有する効果から、当業者が予測し得るものである。

カ 審判請求人の主張について
(ア)審判請求人は、平成30年10月25日に提出された意見書の「(4)引用文献との対比」の「(iv)本願発明と引用発明との相違点」において、概ね以下の旨を主張している。
引用文献1、2及び3には、本件補正発明における、「省電力制御手段」が「前記省電力制御が行われている状態において、遊技者の操作に基づいて前記省電力制御を停止」すること、「省電力制御手段」が「遊技者の操作に基づいて前記省電力制御に関する期間の計測値を初期化」すること、および、「演出制御手段」が「前記省電力制御が行われていない状態において、遊技者の操作に基づいて演出に関する設定が可能である」ことの組合せに関する技術が開示も示唆もされていない。
このような引用文献1、2及び3との構成の相違により、本件補正発明では、以下の特有の技術的効果を得ることができる。
省電力制御を行う遊技機において、仮に、例えば引用文献1のように、発射された遊技媒体の検出という条件または発射に関する操作の検出という条件で、省電力制御の実行及び停止に関する制御を管理する構成を想定すると、省電力制御を停止して遊技者が演出に関する設定を行うためには、演出に関する設定に関して本来的には不要な操作である遊技媒体の発射に関する操作を遊技者が行う必要が生じるので、省電力制御に関して遊技者の利便性が不十分となるという問題がある。
これに対して、本件補正発明では、「省電力制御が行われている状態において、遊技者の操作に基づいて前記省電力制御を停止」する構成、及び、「遊技者の操作に基づいて前記省電力制御に関する期間の計測値を初期化」する構成の組合せを備えることにより、「演出に関する設定」のための遊技者の操作が行われている期間においては、遊技機で省電力制御が行われることがなく、引用文献1のように、省電力モードの制御が行われなくなるようにするために打球操作ハンドル30に設けられたタッチリングに遊技者が遊技者の接触を検知させるというような、遊技者が遊技媒体の発射に関する操作をする必要がない。
また、本件補正発明では、「演出に関する設定」に関する最後の遊技者操作時期を基準にして、「省電力制御手段」における省電力制御を実行するための期間の計測が開始されることとなる。これにより、遊技者が「演出に関する設定」をした後に、例えば入金や玉貸し操作を含む遊技準備のために、ある程度の時間が経過しても、遊技機で省電力制御が行われることが抑制され、省電力制御に関して遊技者の利便性を向上させることができるとともに、省電力制御自体の制御契機を適切に確保できる。

(イ)上記(ア)の主張については、上記「ウ 相違点3及び4」並びに「エ 相違点5」に記載したとおり、引用発明4は、本件補正発明の構成J-3、J-4及びKを備えているため、審判請求人が主張する構成の組合せを備えている。
そして、上記「ウ 相違点3及び4」の(エ)に記載したとおり、引用発明1の「省電力モード開始条件」は、「第1始動口スイッチ22Aにより遊技球が検出されることなく所定時間が経過したこと」以外を条件として設定することを何ら排除するものでなく、また、引用発明1の「通常動作モードへの復帰条件」についても、その他の適宜の条件を設定することを何ら排除するものでないから、引用発明1は「発射された遊技媒体の検出という条件または発射に関する操作の検出という条件」のみで、省電力制御の実行及び停止に関する制御を管理する構成に限定されるものでないから、引用発明4の上記組合せを採用することは当業者が容易に想到し得ることである。
さらに、審判請求人が主張する上記効果は、引用発明1において引用発明4を採用することにより奏されることを、当業者が予測し得る程度のものであり、格別のものとはいえない。
以上より、審判請求人の主張を採用することはできない。

(5)小括
上記(4)アないしカの検討より、本件補正発明は、引用発明1、引用発明2、引用発明3及び引用発明4に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成30年10月25日にされた手続補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成30年7月13日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし2に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 当審の拒絶の理由
当審が平成30年8月21日付け最後の拒絶理由通知で通知した拒絶の理由は、この出願の請求項1及び2に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、下記の刊行物1に記載された発明、刊行物2に記載された発明及び刊行物3に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

刊行物1:特開2013-27429号公報(当審註:上記引用文献3と同じ)
刊行物2:特開2012-231928号公報(当審註:上記引用文献1と同じ)
刊行物3:特開2010-115299号公報(当審註:上記引用文献2と同じ)

3 引用文献
当審の拒絶の理由で引用された刊行物1、2及び3(それぞれ上記引用文献3、1及び2と同じ)の記載事項は、前記第2の[理由]3(2)アないしウに記載したとおりである。

4 対比
本願発明と引用発明3とを対比する(本願発明の分説した構成に対応させて見出しを付した。)。

(A)
引用発明3において「特図1の変動表示を行う」こと及び「特図2の変動表示を行う」ことは、本願発明において「可変表示を行う」ことに相当する。
引用発明3の「パチンコ機100」は、本願発明の「遊技機」に相当する。
したがって、引用発明3の「特図1の変動表示を行う第1特別図柄表示装置212と、特図2の変動表示を行う第2特別図柄表示装置214とを配設しているパチンコ機100」は、本願発明の「可変表示を行う遊技機」に相当する。

(B)
引用発明3の「左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208c、第4図柄表示領域208eおよび演出表示領域208dの5つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する装飾図柄表示装置208」は、本願発明の「画像が表示される表示手段」に相当する。

(C)
引用発明3において、「CPU304」が「実行」する「主制御部メイン処理」は、「ROM306に予め記憶している制御プログラムに従って」いるので、制御プログラムに基づいているといえる。
また、引用発明3において、「CPU304」は、「主制御部タイマ割り込み処理を実行する」が、当該処理の実行が制御プログラムに基づいていることは、技術常識に照らして記載されているに等しい事項である。
したがって、引用発明3の「ROM306に予め記憶している制御プログラムに従って主制御部メイン処理を実行し、主制御部タイマ割り込み処理を実行するCPU304を搭載している基本回路302を備えており、遊技の中枢部分を制御する主制御部300を構成する主基板156」は、本願発明の「遊技制御プログラムに基づいて遊技の進行を制御する遊技制御手段」に相当する。

(D)
引用発明3の「主制御部300が送信するコマンド信号に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400を構成する第1副基板160」は、本願発明の「該遊技制御手段から出力される指令情報に基づいて演出の実行を制御する演出制御手段」に相当する。

(E)
引用発明3では、「出力設定スイッチ161の設定位置が「3」又は「4」である場合に、音量および輝度の双方においてユーザー調整モードで設定できる範囲よりも低い値が設定される省電力モードA又はBに設定」され、「第2副制御部500のCPU」が、「音量または輝度調整の設定に応じて、装飾図柄表示装置208のバックライトの輝度や、装飾図柄表示装置208に表示する画像の明度等を調整する画像制御処理を行い」、「輝度および明度を低くすると相対的に装飾図柄表示装置208の消費電流は低下」するので、引用発明3の「第2副制御部500を構成する第2副基板164」は、「省電力モードA又はB」において、「装飾図柄表示装置208に表示する画像の明度等を」「ユーザー調整モードで設定できる範囲よりも低い値」に「調整」し、「装飾図柄表示装置208の消費電流」を「低下」させるといえるので、本願発明の「前記遊技機の消費電力を低下させる省電力制御を行う省電力制御手段」に相当する。

(G)
上記(C)のとおり、引用発明3の「CPU304」が「実行」する「主制御部メイン処理」及び「主制御部タイマ割込処理」はいずれも、制御プログラムに基づいているといえるので、引用発明3において、「主制御部メイン処理を実行して復電時処理を行い、復電コマンドを送信情報記憶領域にセットし、この復電コマンドを主制御部タイマ割込処理のコマンド設定送信処理において、第1副制御部400へ送信」する処理及び「主制御部タイマ割込処理を実行してコマンド設定送信処理を行い、基本コマンドを第1副制御部400に送信」する処理はそれぞれ、本願発明において、「前記遊技制御プログラムにより実行される第1の処理」及び「前記遊技制御プログラムにより実行される」「第2の処理」に相当する。
そして、引用発明3の「復電コマンド」及び「基本コマンド」はそれぞれ、本願発明の「第1の処理」において「出力可能であ」る「指令情報」及び「第2の処理」において「出力可能であ」る「指令情報」に相当する。
したがって、引用発明3において、「主制御部300のCPU304」が、「主制御部メイン処理を実行して復電時処理を行い、復電コマンドを送信情報記憶領域にセットし、この復電コマンドを主制御部タイマ割込処理のコマンド設定送信処理において、第1副制御部400へ送信し、主制御部タイマ割込処理を実行してコマンド設定送信処理を行い、基本コマンドを第1副制御部400に送信」することは、本願発明において、「前記遊技制御手段」が、「前記遊技制御プログラムにより実行される第1の処理および第2の処理のそれぞれにおいて、指令情報を出力可能であ」ることに相当する。

(I)
引用発明3の「装飾図柄表示装置208」は、「左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208c、第4図柄表示領域208eおよび演出表示領域208dの5つの表示領域に分割し」ているので、「第4図柄表示領域208e」を含んでいるといえる。
そして、引用発明3の「第4図柄表示領域208eには第4図柄を表示し、特図1の変動表示又は特図2の変動表示を行うとともに、第4図柄の変動表示を行い、第4図柄の停止表示態様は、特図1表示装置212および特図2表示装置214の停止図柄態様が、15R大当り図柄であるか、2R大当り図柄であるか、小当り図柄であるか、はずれ図柄であるかをを報知し」ているので、「第4図柄表示領域208e」に「表示」される「第4図柄」は、「特図1の変動表示又は特図2の変動表示」を報知しているといえる。
したがって、引用発明3において、「装飾図柄表示装置208」が、「第4図柄」を「特図1の変動表示又は特図2の変動表示を行うとともに、第4図柄の変動表示を行い、第4図柄の停止表示態様は、特図1表示装置212および特図2表示装置214の停止図柄態様が、15R大当り図柄であるか、2R大当り図柄であるか、小当り図柄であるか、はずれ図柄であるかをを報知」するように「表示」する「第4図柄表示領域208e」を含むことは、本願発明において、「前記表示手段は、前記可変表示を報知する表示が行われる変動状態報知領域を含」むことに相当する。

(J)、(J-1)
上記(E)のとおり、引用発明3の「第2副制御部500を構成する第2副基板164」は、「省電力モードA又はB」において、「装飾図柄表示装置208に表示する画像の明度等を」「ユーザー調整モードで設定できる範囲よりも低い値」に「調整」し、「装飾図柄表示装置208の消費電流」を「低下」させるので、引用発明3において、「第2副制御部500を構成する第2副基板164」が、「省電力モード中、装飾図柄表示装置208のうち図柄表示領域208a?208cおよび演出表示領域208dの表示輝度を通常モードよりも低下させているが、第4図柄表示領域208eの表示輝度は維持している」ことは、本願発明において、「前記省電力制御手段は、前記変動状態報知領域以外において、前記省電力制御を行」うことに相当する。

以上のことから、本願発明と引用発明3とは、
「 可変表示を行う遊技機であって、
画像が表示される表示手段と、
遊技制御プログラムに基づいて遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
該遊技制御手段から出力される指令情報に基づいて演出の実行を制御する演出制御手段と、
前記遊技機の消費電力を低下させる省電力制御を行う省電力制御手段と、
前記遊技制御手段は、前記遊技制御プログラムにより実行される第1の処理および第2の処理のそれぞれにおいて、指令情報を出力可能であり、
前記表示手段は、前記可変表示を報知する表示が行われる変動状態報知領域を含み、
前記省電力制御手段は、前記変動状態報知領域以外において、前記省電力制御を行う、遊技機。」
である点で一致し、以下の2点で相違する。

[相違点1’](構成H)
「第1の処理および第2の処理のそれぞれにおいて」「出力可能であ」る「指令情報」について、本願発明では、「前記第1の処理と、前記第2の処理とでは、出力する指令情報の設定順序が異な」るのに対し、引用発明3では、そのように特定されていない点。

[相違点2’](構成F及びJ-2’)
本願発明は、「発射された遊技媒体を検出可能な検出手段」を「備え」るとともに、「前記検出手段による発射された遊技媒体の検出が所定期間なされない場合に前記省電力制御が行われる」のに対し、引用発明3はそのような構成を有していない点。

5 判断
(1)相違点1’
上記相違点1’について検討する。
上記第2の3の(4)「ア 相違点1」の(ア)ないし(エ)のとおり、引用発明2は、本願発明の構成Hを備え、「主制御部から副制御部へ出力するコマンドを解析されやすいことで、主制御CPUの不正改造部品を作成したり、解析結果に基づいて副制御部に特定のコマンドを入力させて副制御部に特定の情報を設定したりすることを行いやすいという問題があった」という課題に対して、「解析しにくいコマンドによる通信を可能に」するという効果を奏するものである。
そして、引用発明3と引用発明2は共に、メイン処理を実行して復電時処理を行い、コマンドをセットし、このコマンドをタイマ割込処理のコマンド設定送信処理において、副制御部に送信し、また、主制御部タイマ割り込み処理を実行してコマンド設定送信処理を行い、基本コマンドを副制御部に送信する遊技機という共通の技術分野に属している。また、遊技機に関する技術分野において不正の防止は当業者にとって自明の課題であると認められる。
してみると、引用発明3における「復電コマンド」及び「基本コマンド」として、「解析しにくいコマンドによる通信を可能に」するという効果を奏する引用発明2を採用して上記相違点1’に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

(2)相違点2’
上記相違点2’について検討する。
上記第2の3の「(3)対比」(F)及び(J)、(J-2)のとおり、引用発明1は、本願発明の構成F及び構成J-2’を備えている。
ここで、引用発明3と引用発明1とは共に、省電力制御を行う遊技機という共通の技術分野に属している。
してみると、引用発明3において「遊技店員のみが設定操作を行うことができ、パチンコ機100の消費電力について設定できる出力設定スイッチ161の設定位置が「3」又は「4」である場合に、音量および輝度の双方においてユーザー調整モードで設定できる範囲よりも低い値が設定される省電力モードA又はBに設定」する構成に換えて、引用発明1の「遊技領域に向けて発射され、遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)したときに」「遊技球」を「検出」する「第1始動口スイッチ22A」を備え、「第1始動口スイッチ22Aにより遊技球が検出されることなく所定時間が経過したことを含むものとして設定できる省電力モード開始条件が成立したと判定された場合に」、「パチンコ遊技機1における動作状態を通常動作モードから省電力モードに移行させ」る構成を採用し上記相違点2’に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

(3)本願発明の効果について
本願発明が有する効果は、引用発明3、引用発明2及び引用発明1のそれぞれが有する効果から、当業者が予測し得るものである。

(4)小括
上記(1)ないし(3)の検討より、本願発明は、引用文献3(刊行物1)に記載された引用発明3、引用文献2(刊行物3)に記載された引用発明2及び引用文献1(刊行物2)に記載された引用発明1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-12-14 
結審通知日 2018-12-18 
審決日 2019-01-07 
出願番号 特願2013-225457(P2013-225457)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63F)
P 1 8・ 575- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 井上 昌宏  
特許庁審判長 石井 哲
特許庁審判官 田邉 英治
倉持 俊輔
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人深見特許事務所  
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