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審決分類 |
審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F 審判 査定不服 特174条1項 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F |
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管理番号 | 1349311 |
審判番号 | 不服2017-16760 |
総通号数 | 232 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2019-04-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-11-10 |
確定日 | 2019-02-21 |
事件の表示 | 特願2016-180507号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 3月22日出願公開、特開2018- 42799号〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成28年9月15日の出願であって、平成29年6月22日付けで拒絶の理由が通知され、平成29年8月18日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成29年8月30日付け(発送日:平成29年9月5日)で拒絶査定がなされ、それに対して、平成29年11月10日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされ、これに対し、当審において、平成30年6月25日付けで拒絶の理由が通知され、平成30年8月3日に意見書及び手続補正書が提出され、これに対し、当審において、平成30年10月1日付けで拒絶の理由が通知され、平成30年11月29日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 本願発明について 平成30年11月29日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものと認める(なお、A?Jは、分説のために当審にて付した。)。 「【請求項1】 A 始動条件の成立により判定情報を取得する取得手段と、 B 前記取得手段により取得された前記判定情報を複数記憶して保留可能な記憶手段と、 C 前記記憶手段に記憶された前記判定情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、 D 前記判定手段が前記判定情報に基づいて前記判定を行うより前に、前記取得手段により取得された前記判定情報に基づいて、前記特別遊技を行うか否かの事前判定を行う事前判定手段と、 E 前記判定情報に基づいて、図柄を変動表示させ、停止させる図柄変動を実行する図柄変動制御手段と、 F 表示手段を用いて所定の表示演出を実行する演出制御手段と、を備え、 F1 前記演出制御手段は、前記事前判定手段による前記事前判定に基づいて、前記取得手段によって前記判定情報が取得されてから、当該判定情報に基づいて前記判定手段によって前記判定が実行されるまでの間に、前記図柄変動制御手段による複数回の図柄変動に亘って連続演出を前記表示手段にて実行可能であるとともに、当該連続演出の実行中に第1画像により当該連続演出を実行していることを示唆するとともに当該連続演出を連続して実行することに応じて態様を変化させることが可能な連続演出示唆表示を前記表示手段に表示可能な連続演出実行手段と、 F2 前記判定手段による前記判定に基づいて、演出図柄の変動表示を擬似的に繰り返す擬似変動演出を実行可能であるとともに、当該擬似変動演出の実行中に前記第1画像とは異なる第2画像により当該擬似変動演出を実行していることを示唆する擬似変動演出示唆表示を前記表示手段に表示可能な擬似変動演出実行手段と、を備え、 D1 前記事前判定手段は、前記取得手段により取得された前記判定情報に基づいて、前記連続演出実行手段によって前記連続演出が実行可能か否かを判定する事前連続演出判定手段を備え、 F3 前記演出制御手段は、前記連続演出実行手段による前記連続演出を実行する場合、前記事前連続演出判定手段によって前記連続演出が実行可能と判定されてから前記連続演出実行手段により前記連続演出を実行するまで前記擬似変動演出実行手段による前記擬似変動演出を実行しないとともに、当該連続演出を実行した後に、前記擬似変動演出実行手段による前記擬似変動演出を実行可能にする、 J ことを特徴とする遊技機。」 第3 当審が通知した拒絶理由の概要 平成30年10月1日付けの当審における拒絶の理由の理由3の概要は、以下の通りである。 3.(進歩性)本件出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 (引用文献等については引用文献等一覧参照) ●理由3(進歩性)について ・請求項 1 ・引用文献等 1-3 <引用文献等一覧> 1.特開2010-233588号公報 2.特開2016-2125号公報 3.特開2014-171742号公報 第4 引用例に記載された発明 (4-1)引用例1 当審における拒絶の理由(平成30年10月1日付け拒絶理由通知)に引用文献1として引用された特開2010-233588号公報(以下、「引用例1」という。)には、図面と共に以下の事項が記載されている(下線は当審にて付した。)。 (ア)「【0040】 始動口28の遊技球入球に伴って、特別図柄当否判定用乱数と特別図柄決定用乱数が取得され、この取得された特別図柄当否判定用乱数と特別図柄決定用乱数は、主制御部200のRAMの所定領域(保留記憶領域)に記憶される。 ・・・ 【0042】 始動口28に入球した遊技球数は、特別図柄保留数として最大保留数(本実施例では4個)に達するまで保留可能となっている。特別図柄保留数は、始動口28への遊技球の入球が発生する度に取得されて主制御部200のRAMの所定領域(保留記憶領域)に記憶される特別図柄当否判定用乱数の個数(記憶数)に相当する。本実施例では、始動口28への遊技球の入球に伴い、特別図柄当否判定用乱数とともに特別図柄決定用乱数も取得されるので、特別図柄保留数は、特別図柄決定用乱数の記憶個数にも相当する。そして、特別図柄保留数は、特別図柄当否判定が行われ特別図柄の変動表示が開始される毎に消化され、1個ずつ減少する。なお、特別図柄の保留および保留消化は、後述の主制御部200によって行われるもので、この主制御部200および主制御部200のRAMが、本発明の変動情報記憶手段に相当している。」 (イ)「【0043】 特別図柄当否判定用乱数には、当否判定用の当り値が設定されており、遊技球が始動口28に入球したタイミングで取得された特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に大当りと判定される。特別図柄当否判定は、特別図柄が変動表示を開始する際に行われる。この特別図柄当否判定は、本発明の図柄変動開始時判定に相当する。そして、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合には、特別図柄表示部61で停止表示される特別図柄は大当り図柄(確変大当り図柄または通常大当り図柄)に決定される。なお、特別図柄の大当り図柄の種類は特別図柄決定用乱数に基づき決定される。一方、特別図柄当否判定が外れの場合には、特別図柄表示部61で停止表示される特別図柄が外れ図柄に決定される。 ・・・ 【0047】 具体的には、始動口28に遊技球が入球して保留が発生した場合、換言すると、始動口28への遊技球の入球に伴い取得される特別図柄当否判定用乱数および特別図柄決定用乱数が、主制御部200のRAMの所定領域(保留記憶領域)に記憶された場合には、特別図柄当否判定に先立ち、保留された特別図柄当否判定用乱数が当否判定用の当り値と一致しているか否かを、その保留発生時に判定する特別図柄事前判定処理が行われる。そして、特別図柄事前判定処理で特別図柄当否判定用乱数が当否判定用の当り値と一致していると判定された場合には、当り保留フラグがONに設定される。当り保留フラグは、後述の予告演出が行われていること、換言すると特別図柄の保留内に「当り保留」が存在することを示すフラグである。当り保留フラグは、当該当り保留に対応する特別図柄の変動開始時にOFFにセットされる。 【0048】 また、特別図柄当否判定、特別図柄の変動態様の決定、特別図柄の停止図柄の決定、特別図柄事前判定処理は、後述の主制御部200によって行われるように構成されている。このことから、主制御部200が本発明の特別図柄表示制御手段、事前判定手段に相当している。 【0049】 本実施例では、特別図柄事前判定処理の結果、特別図柄当否判定用乱数が当否判定用の当り値と一致している場合(当り保留である場合)には、演出表示装置25の表示領域等を用いて大当り発生の可能性を遊技者に予告する予告演出が行われる。本実施例の予告演出は、特別図柄の複数回の変動表示に渡って予告演出を実行する連続予告と、特別図柄の1回の変動表示内で予告演出を複数回に渡って実行する疑似連続予告とがある。連続予告と疑似連続予告では、それぞれ関連性のある内容の予告演出を複数回行う。 ・・・ 【0052】 当り保留が発生した場合に連続予告を行う場合は、当り保留に基づく大当りが発生するまで特別図柄の複数回の変動表示に渡って継続的に実行される。このため、例えば特別図柄保留数が4であり、1?3番目に保留された特別図柄当否判定乱数が外れであり、4番目に保留された(最後に保留された)特別図柄当否判定乱数が当りである場合には、1?3番目の保留を消化して4番目に保留された当り乱数に基づく特別図柄の変動表示が停止するまで、連続的に予告演出が行われる。当り保留が発生していない場合に連続予告を実行する場合には、予め設定された回数の予告演出を特別図柄の複数回の変動表示に渡って継続的に実行する。 【0053】 連続予告の具体例について説明する。まず、特別図柄の1回目変動表示開始時に、雷鳴を模した音声を「ゴロゴロゴロ」と鳴り響かせ、前面枠4(遊技枠)の装飾ランプを激しく点滅させ、演出表示装置25の表示領域で落雷を模した図柄を表示する。そして、演出図柄の変動表示を開始させ、特別図柄の停止表示に合わせて演出図柄が外れ図柄の組合せ(例えば「122」)で停止表示させる。 ・・・ 【0058】 疑似連続予告は、上述の連続予告と同様の内容の予告演出が行われる。つまり、連続予告で特別図柄の複数回の変動に渡って行われる予告演出が特別図柄の1回の変動で行われる。具体的には、特別図柄の変動表示開始時(演出図柄の1回目変動表示開始時)に、雷鳴を模した音声を「ゴロゴロゴロ」と鳴り響かせ、前面枠4の装飾ランプを激しく点滅させ、演出表示装置25の表示領域で落雷を模した図柄を表示する予告演出を行う。そして、演出図柄の変動表示を開始させて、外れ図柄の組合せ(例えば「122」)で仮停止表示させる。」 (ウ)「【0084】 サブ制御部260は、遊技の進行に伴って実行される各種演出を制御するサブ制御手段を構成しており、サブ制御基板260aにはCPU260bや図示しないROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素とサウンドジェネレータが設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。サブ制御部260は、各種ランプ類による装飾表示、スピーカ10a?10dから出力される効果音、演出表示装置25による図柄表示等を用いた演出制御を司るように構成されている。」 (エ)「【0088】 次に、本実施例の遊技機1の作動をフローチャートに基づいて説明する。図4は、主制御部200のCPU200bがROMに格納されたプログラムに基づいて実行するメインジョブの一例を示している。図4に示すメインジョブは、電源投入処理S100を実行した後、遊技開始処理S200、普通図柄遊技処理S300、普通電動役物遊技処理S400、特別図柄遊技処理S500、特別電動役物遊技処理S600の各ステップが、タイマリセットされる毎に繰り返し実行される。電源断発生処理S50は、停電等によって電源断が発生した場合に、使用レジスタやスタックポインタの保存、払出モータの停止等が行われ、システムリセットが発生した場合に電源投入処理S100に移るようになっている。 ・・・ 【0092】 次に、特別図柄遊技処理S500を図5?図7のフローチャートに基づいて説明する。図5(a)に示すように、まず、始動口28に入賞したか否かを判定し(S501)、始動口28に入賞していないと判定された場合には(S501:NO)、S505の処理に移行する。一方、始動口28に入賞したと判定された場合には(S501:YES)、特別図柄保留数が4未満であるか否かを判定する(S502)。この結果、特別図柄保留数が4未満でないと判定された場合には(S502:NO)、S505の処理に移行する。一方、特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S502:YES)、特別図柄用乱数(図柄変動情報)を取得して記憶する(S503)。特別図柄用乱数は、特別図柄当否判定用乱数、特別図柄の当り図柄決定用乱数、リーチ乱数などからなる。これにより、特別図柄保留数が1増加する。 【0093】 次に、事前判定処理を実行する(S504)。ここで、事前判定処理を図6のフローチャートに基づいて説明する。まず、当り保留フラグがONにセットされているか否か、つまり先に保留されている特別図柄当否判定用乱数に当り値と一致する当り保留が含まれているか否かを判定する(S504a)。 【0094】 この結果、当り保留フラグがONにセットされていると判定された場合には(S504a:YES)、重ねて連続予告が行われることを防止するために、事前判定処理を終了する。一方、当り保留フラグがONにセットされていないと判定された場合には(S504a:NO)、取得(記憶)した特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致しているか否か(特定変動情報であるか否か)を判定する(S504b)。 【0095】 この結果、特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致していないと判定された場合には(S504b:NO)、事前判定処理を終了する。一方、特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致していると判定された場合には(S504b:YES)、当り保留フラグをONにセットし(S504c)、当り保留コマンドをサブ制御部260に送信する(S504d)。当り保留コマンドは、保留された特別図柄当否判定用乱数の当り保留が含まれていることを示すコマンドであり、このコマンドに基づいてサブ制御部260は連続予告または疑似連続予告を実行する。」 (オ)「【0097】 この結果、特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には(S508:YES)、特別図柄遊技処理を終了する。一方、特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S508:NO)、特別図柄変動表示処理を行う(S700)。ここで、特別図柄変動表示処理を図7のフローチャートに基づいて説明する。まず、主制御部200のRAMの所定領域(保留記憶領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数(始動口28への遊技球入球時に取得された当否判定用乱数)を読み出し(S701)、特別図柄当否判定を行う(S702)。特別図柄当否判定では、確率変動機能が作動中(確変遊技中)の場合には、確率変動時の当否判定、すなわち判定結果が大当りとなる確率を高くした状態(高確率状態)で当否判定を行い、確率変動機能が作動中でない(通常遊技中)と判定された場合には、非確率変動時の当否判定、すなわち判定結果が大当りとなる確率を低くした状態(低確率状態)で当否判定を行う。 ・・・ 【0101】 次に、S711で決定された停止図柄および変動パターンに従って、特別図柄表示部61で特別図柄の変動表示を開始し(S712)、サブ制御部260に特別図柄の変動パターン指定コマンドと停止情報指定コマンドを送信する(S713)。特別図柄の変動パターン指定コマンドは、S711で設定された特別図柄の変動パターンを指定するコマンドであり、特別図柄の停止情報指定コマンドは、特別図柄の停止図柄を指定するコマンドである。 ・・・ 【0103】 次に、図5(a)に戻り、上記S506で特別図柄が変動中であると判定された場合には(S506:YES)、変動中の特別図柄の変動表示時間が経過しているか否かを判定する(図5(b)のS510)。この結果、特別図柄の変動表示時間が経過していないと判定された場合には(S510:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の変動表示時間が経過していると判定された場合には(S510:YES)、特別図柄の変動を停止し(S511)、図柄停止コマンドをサブ制御部260に送信し(S512)、特別図柄の停止図柄表示時間を設定する(S513)。図柄停止コマンドを受け取ったサブ制御部260は、演出表示装置25における演出図柄の変動表示を停止させる。」 (カ)「【0114】 次に、サブ制御部260が主体となって行う連続予告設定処理について説明する。図9は、サブ制御部260(サブ制御基板260aのCPU260b)がROMに格納されたプログラムに基づいて実行する連続予告設定処理の流れを示すフローチャートであり、この処理はサブ制御部260が実行する図示しないメインルーチンのサブルーチンとして実行される。 【0115】 まず、S504dで主制御部200が送信する当り保留コマンドを受信したか否かを判定する(S800)。この結果、当り保留コマンドを受信していないと判定された場合には(S800:NO)、保留されている特別図柄当否判定用乱数に当り保留が含まれていないので、連続予告設定処理を終了する。一方、当り保留コマンドを受信していると判定された場合には(S800:YES)、保留されている特別図柄当否判定用乱数に当り保留が含まれているので、当り保留に対して連続予告を実行するか否かを抽選する連続予告実行抽選処理を行う(S801)。連続予告実行抽選処理の当選確率(連続予告を実行する確率)は任意に設定できるが、例えば1/2または1/3程度とすることができる。 【0116】 次に、連続予告実行抽選の結果が当選であるか否かを判定する(S802)。この結果、当選でない(連続予告を行わない)と判定された場合には(S802:NO)、連続予告設定処理を終了する。一方、当選である(連続予告を行う)と判定された場合には(S802:YES)、前回の特別図柄の変動時に疑似連続予告を実行したか否かを判定する(S803)。疑似連続予告を実行した場合には、後述のS915の処理でサブ制御部260のRAMの所定領域に記憶されるため、前回の特別図柄の変動で疑似連続予告を実行したか否かは、サブ制御部260のRAMの所定領域を参照することで判断することができる。 ・・・ 【0118】 一方、前回の特別図柄の変動時に疑似連続予告を実行していないと判定された場合には(S803:NO)、連続予告フラグをONにセットし(S804)、連続予告カウンタをセットする(S805)。連続予告カウンタは、連続予告を実行する特別図柄の変動回数であり、その時点での特別図柄保留数に基づいて設定される。例えば特別図柄保留数が4である場合には、連続予告カウンタ(連続予告の実行回数)は4に設定される。」 (キ)「【0119】 次に、サブ制御部260が主体となって行う図柄変動演出処理について説明する。図10は、サブ制御部260(サブ制御基板260aのCPU260b)がROMに格納されたプログラムに基づいて実行する図柄変動演出処理の流れを示すフローチャートであり、この処理はサブ制御部260が実行する図示しないメンルーチンのサブルーチンとして実行される。 ・・・ 【0122】 この結果、特別図柄当否判定の結果が大当りであると判定された場合には(S902:YES)、連続予告フラグがONにセットされているか否か(連続予告が実行されているか否か)を判定する(S903)。この結果、連続予告フラグがONにセットされている(連続予告が実行されている)と判定された場合には(S903:YES)、連続予告を伴う図柄変動演出(当りパターン)を開始する(S904)。 【0123】 次に、連続予告カウンタを1減算する(S905)。そして、連続予告カウンタがゼロであるか否かを判定し(S906)、連続予告カウンタがゼロであると判定された場合には(S906:YES)、連続予告フラグをOFFにセットする(S907)。 【0124】 上記S903の判定処理で、連続予告フラグがONにセットされていない(連続予告が実行されていない)と判定された場合には(S903:NO)、疑似連続予告を実行するか否かを抽選する疑似連続予告実行抽選処理を行う(S908)。そして、疑似連続予告実行抽選処理の結果が当選であるか否かを判定する(S909)。この結果、当選である(疑似連続予告を行う)と判定された場合には(S909:YES)、疑似連続予告を伴う図柄変動演出(当りパターン)を開始する(S910)。一方、当選でない(疑似連続予告を行わない)と判定された場合には(S909:NO)、連続予告も疑似連続予告も伴わない図柄変動演出(当りパターン)を開始する(S91)。」 (ク)「【0187】 また、上記実施例では、連続予告を構成する予告演出と疑似連続予告を構成する予告演出を同じ態様として構成したが、連続予告を構成する予告演出と疑似連続予告を構成する予告演出を異なる態様としてもよい。」 上記記載事項(ア)?(ク)から、以下の事項が導かれる。なお、(a)?(j)は、本願発明の構成A?Jに対応した事項を示している。 (a)段落【0088】には「主制御部200・・・が・・・実行する・・・特別図柄遊技処理S500」と記載され、段落【0092】には「特別図柄遊技処理S500を・・・説明する。・・・始動口28に入賞したか否かを判定し・・・、始動口28に入賞したと判定された場合には・・・、特別図柄用乱数・・・を取得して記憶する・・・。特別図柄用乱数は、特別図柄当否判定用乱数・・・などからなる」と記載されているから、引用例1には、始動口28に入賞したか否かを判定し、始動口28に入賞したと判定された場合には、特別図柄当否判定用乱数を取得する主制御部200が記載されているといえる。 (b)段落【0040】には「始動口28の遊技球入球に伴って、特別図柄当否判定用乱数・・・が取得され、この取得された特別図柄当否判定用乱数・・・は、主制御部200のRAMの所定領域(保留記憶領域)に記憶される」と記載され、段落【0042】には「始動口28に入球した遊技球数は、特別図柄保留数として最大保留数(本実施例では4個)に達するまで保留可能となっている。特別図柄保留数は、・・・主制御部200のRAMの所定領域(保留記憶領域)に記憶される特別図柄当否判定用乱数の個数(記憶数)に相当する」と記載されているから、引用例1には、取得された特別図柄当否判定用乱数が最大保留数(4個)に達するまで記憶される主制御部200のRAMの所定領域(保留記憶領域)が記載されているといえる。 (c)段落【0043】には「特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に大当りと判定される。特別図柄当否判定は、特別図柄が変動表示を開始する際に行われる」と記載され、段落【0048】には「特別図柄当否判定・・・は、・・・主制御部200によって行われる」と記載されているから、引用例1には、特別図柄が変動表示を開始する際に、特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に大当りと判定する特別図柄当否判定を行う主制御部200が記載されているといえる。 (d)段落【0047】には「始動口28に遊技球が入球して保留が発生した場合、・・・特別図柄当否判定に先立ち、保留された特別図柄当否判定用乱数が当否判定用の当り値と一致しているか否かを、その保留発生時に判定する特別図柄事前判定処理が行われる」と記載され、段落【0048】には「・・・特別図柄事前判定処理は、・・・主制御部200によって行われる」と記載されているから、引用例1には、始動口28に遊技球が入球して保留が発生した場合、特別図柄当否判定に先立ち、保留された特別図柄当否判定用乱数が当否判定用の当り値と一致しているか否かを、その保留発生時に判定する特別図柄事前判定処理を行う主制御部200が記載されているといえる。 (e)段落【0097】には「主制御部200のRAMの所定領域・・・に記憶されている特別図柄当否判定用乱数・・・を読み出し・・・特別図柄当否判定を行う」と記載され、段落【0101】には「決定された停止図柄および変動パターンに従って、特別図柄表示部61で特別図柄の変動表示を開始し」と記載され、段落【0103】には「特別図柄の変動を停止し」と記載されているから、引用例1には、主制御部200のRAMの所定領域に記憶されている特別図柄当否判定用乱数を読み出し、特別図柄当否判定を行い、決定された停止図柄および変動パターンに従って、特別図柄表示部61で特別図柄の変動表示を開始し、特別図柄の変動を停止する主制御部200が記載されているといえる。 (f)段落【0084】には「サブ制御部260は、・・・演出表示装置25による図柄表示等を用いた演出制御を司る」と記載されているから、引用例1には、演出表示装置25による図柄表示等を用いた演出制御を司るサブ制御部260が記載されているといえる。 (f1)段落【0095】には「サブ制御部260は連続予告・・・を実行する」と記載され、段落【0049】には「特別図柄事前判定処理の結果、特別図柄当否判定用乱数が当否判定用の当り値と一致している場合・・・には、・・・予告演出が行われる。本実施例の予告演出は、・・・連続予告・・・がある」と記載され、段落【0052】には「連続予告を行う場合は、・・・特別図柄の複数回の変動表示に渡って・・・保留された当り乱数に基づく特別図柄の変動表示が停止するまで、連続的に予告演出が行われる」と記載され、段落【0053】には「連続予告・・・について説明する・・・演出表示装置25の表示領域で・・・表示する」と記載されているから、引用例1には、サブ制御部260は、特別図柄事前判定処理の結果、特別図柄当否判定用乱数が当否判定用の当り値と一致している場合には、連続予告を行い、連続予告を行う場合は、特別図柄の複数回の変動表示に渡って、保留された当り乱数に基づく特別図柄の変動表示が停止するまで、演出表示装置25の表示領域で連続的に予告演出を行うことが記載されている。 (f2)段落【0119】には「サブ制御部260・・・が・・・実行する図柄変動演出処理」と記載され、段落【0122】には「特別図柄当否判定の結果が大当りであると判定された場合には」と記載され、段落【0124】の「疑似連続予告実行抽選処理の結果が・・・当選である・・・場合には・・・、疑似連続予告を伴う図柄変動演出・・・を開始する」と記載され、段落【0049】には「特別図柄の1回の変動表示内で予告演出を複数回に渡って実行する疑似連続予告」と記載され、段落【0058】には「疑似連続予告は、・・・演出表示装置25の表示領域で・・・予告演出を行う」と記載され、段落【0187】には「連続予告・・・と疑似連続予告・・・を異なる態様としてもよい」と記載されているから、引用例1には、サブ制御部260は、特別図柄当否判定の結果が大当りであると判定された場合に疑似連続予告実行抽選処理の結果が当選である場合には疑似連続予告を伴う図柄変動演出を開始し、ここで、疑似連続予告は、特別図柄の1回の変動表示内で演出表示装置25の表示領域で予告演出を複数回に渡って実行するものであり、さらに、連続予告と疑似連続予告は異なる態様であることが記載されている。 (d1)段落【0047】には「始動口28に遊技球が入球して保留が発生した場合、・・・特別図柄当否判定に先立ち、保留された特別図柄当否判定用乱数が当否判定用の当り値と一致しているか否かを、その保留発生時に判定する特別図柄事前判定処理が行われる」と記載され、段落【0048】には「・・・特別図柄事前判定処理は、・・・主制御部200によって行われる」と記載され、段落【0093】には「事前判定処理を実行する・・・まず、当り保留フラグがONにセットされているか否かを判定する」と記載され、段落【0094】には「当り保留フラグがONにセットされていないと判定された場合には・・・、取得(記憶)した特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致しているか否か・・・を判定する」と記載され、段落【0095】には「特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致していると判定された場合には・・・、当り保留フラグをONにセットし・・・、当り保留コマンドをサブ制御部260に送信する・・・。当り保留コマンドは、保留された特別図柄当否判定用乱数の当り保留が含まれていることを示すコマンドであり」と記載され、段落【0114】には「サブ制御部260・・・が・・・実行する連続予告設定処理」と記載され、【0115】には「主制御部200が送信する当り保留コマンド・・・を受信している・・・場合には・・・当り保留に対して連続予告を実行するか否かを抽選する連続予告実行抽選処理を行う」と記載され、【0116】には「当選である・・・と判定された場合には・・・前回の特別図柄の変動時に疑似連続予告を実行したか否かを判定する」と記載され、【0118】には「前回の特別図柄の変動時に疑似連続予告を実行していないと判定された場合には・・・連続予告フラグをONにセットし・・・、連続予告カウンタをセットする」と記載されているから、引用例1には、主制御部200は、特別図柄事前判定処理を実行し、当り保留フラグがONにセットされているか否かを判定し、当り保留フラグがONにセットされていないと判定された場合には、取得(記憶)した特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致しているか否かを判定し、当り値と一致していると判定された場合には、保留された特別図柄当否判定用乱数の当り保留が含まれていることを示すコマンドである当り保留コマンドをONにセットしてサブ制御部260に送信し、サブ制御部260は、主制御部200が送信する当り保留コマンドを受信している場合には、当り保留に対して連続予告を実行するか否かを抽選する連続予告実行抽選処理を行い、当選であると判定された場合には、連続予告フラグをONにセットし、連続予告カウンタをセットすることが記載されているといえる。 (f3)段落【0114】には「サブ制御部260・・・が・・・実行する連続予告設定処理」と記載され、段落【0122】の「連続予告フラグがONにセットされている・・・場合には・・・、連続予告を伴う図柄変動演出・・・を開始する」と記載され、【0118】には「連続予告カウンタは、連続予告を実行する特別図柄の変動回数であり」と記載され、段落【0123】には「次に、連続予告カウンタを1減算する・・・連続予告カウンタがゼロである・・・場合には・・・、連続予告フラグをOFFにセットする」と記載され、段落【0124】には「連続予告フラグがONにセットされていない・・・場合には・・・、疑似連続予告実行抽選処理の結果が当選であるか否かを判定する・・・この結果、当選である・・・場合には・・・、疑似連続予告を伴う図柄変動演出・・・を開始する」と記載されているから、引用例1には、サブ制御部260は、連続予告フラグがONにセットされている場合には、連続予告を伴う図柄変動演出を開始し、連続予告を実行する特別図柄の変動回数である連続予告カウンタを1減算し、連続予告カウンタがゼロである場合には、連続予告フラグをOFFにセットし、一方、連続予告フラグがONにセットされていない場合には、疑似連続予告実行抽選処理の結果が当選であるか否かを判定し、当選である場合には、疑似連続予告を伴う図柄変動演出を開始することが記載されている。 (j)段落【0088】には「・・・遊技機1・・・」と記載されているから、 引用例1には、遊技機1が記載されているといえる。 上記記載事項(ア)?(ク)、及び、認定事項(a)?(j)に基づくと、引用例1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。 「a 始動口28に入賞したか否かを判定し、始動口28に入賞したと判定された場合には、特別図柄当否判定用乱数を取得する主制御部200と、 b 取得された特別図柄当否判定用乱数を最大保留数(4個)に達するまで記憶する主制御部200のRAMの所定領域(保留記憶領域)と、 c 特別図柄が変動表示を開始する際に、特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に大当りと判定する特別図柄当否判定を行う主制御部200と、 d 始動口28に遊技球が入球して保留が発生した場合、特別図柄当否判定に先立ち、保留された特別図柄当否判定用乱数が当否判定用の当り値と一致しているか否かを、その保留発生時に判定する特別図柄事前判定処理を行う主制御部200と、 e 主制御部200のRAMの所定領域に記憶されている特別図柄当否判定用乱数を読み出し、特別図柄当否判定を行い、決定された停止図柄および変動パターンに従って、特別図柄表示部61で特別図柄の変動表示を開始し、特別図柄の変動を停止する主制御部200と、 f 演出表示装置25による図柄表示等を用いた演出制御を司るサブ制御部260と、を備え、 f1 サブ制御部260は、特別図柄事前判定処理の結果、特別図柄当否判定用乱数が当否判定用の当り値と一致している場合には、連続予告を行い、連続予告を行う場合は、特別図柄の複数回の変動表示に渡って、保留された当り乱数に基づく特別図柄の変動表示が停止するまで、演出表示装置25の表示領域で連続的に予告演出を行い、 f2 サブ制御部260は、特別図柄当否判定の結果が大当りであると判定された場合に疑似連続予告実行抽選処理の結果が当選であると判定された場合には疑似連続予告を伴う図柄変動演出を開始し、ここで、疑似連続予告は、特別図柄の1回の変動表示内で演出表示装置25の表示領域で予告演出を複数回に渡って実行するものであり、さらに、連続予告と疑似連続予告は異なる態様であり、 d1 主制御部200は、特別図柄事前判定処理を実行し、当り保留フラグがONにセットされているか否かを判定し、当り保留フラグがONにセットされていないと判定された場合には、取得(記憶)した特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致しているか否かを判定し、当り値と一致していると判定された場合には、保留された特別図柄当否判定用乱数の当り保留が含まれていることを示すコマンドである当り保留コマンドをONにセットしてサブ制御部260に送信し、サブ制御部260は、主制御部200が送信する当り保留コマンドを受信している場合には、当り保留に対して連続予告を実行するか否かを抽選する連続予告実行抽選処理を行い、当選であると判定された場合には、連続予告フラグをONにセットし、連続予告カウンタをセットし、 f3 サブ制御部260は、連続予告フラグがONにセットされている場合には、連続予告を伴う図柄変動演出を開始し、連続予告を実行する特別図柄の変動回数である連続予告カウンタを1減算し、連続予告カウンタがゼロである場合には、連続予告フラグをOFFにセットし、一方、連続予告フラグがONにセットされていない場合には、疑似連続予告実行抽選処理の結果が当選であるか否かを判定し、当選である場合には、疑似連続予告を伴う図柄変動演出を開始する、 j 遊技機1。」 (4-2)引用例2 当審における拒絶の理由(平成30年10月1日付け拒絶理由通知)に引用文献2として引用された特開2016-2125号公報(以下、「引用例2」という。)には、図面と共に以下の事項が記載されている(下線は当審にて付した。)。 (ア)「【0097】 ここで、本遊技機1では、演出表示装置27の表示画面27aに種々の態様の演出図柄表示領域27bを出現させることができる。つまり、表示画面27aの種々の位置(略全域、略中央、縁部寄り等)に種々の大きさで演出図柄表示領域27bを出現させることができるが、以下、図20(a)に示す具体的態様(3つの演出図柄を横方向に並べる態様)を例にとって説明する。この具体的態様に係る演出図柄表示領域27bは、左側に位置する演出図柄(以下、「左演出図柄」という。)の循環表示を行う左循環表示領域27Lと、中央に位置する演出図柄(以下、「中演出図柄」という。)の循環表示を行う中循環表示領域27Cと、右側に位置する演出図柄(以下、「右演出図柄」という。)の循環表示を行う右循環表示領域27Rとで構成されている。 (イ)「【0214】 なお、実施例3を実施例1の変形例として説明したが、実施例3を実施例2の変形例としてもよい。つまり、ステップアップ演出と疑似連続予告演出の他に、連続予告演出を実行可能としてもよい。この場合、図49(c)に示す変形例1に示すように、疑似連続予告演出を行う場合と、連続予告演出を行う場合とで、発光装置(上部発光装置70A、下部発光装置70B)の駆動態様が異なり、疑似連続予告演出を実行中であるか、連続予告演出が実行中であるかが区別容易とされることが望ましい。 【0215】 例えば、疑似連続予告演出を実行する場合には、左循環表示領域27Lから帽子を脱いだ蝶のキャラクタG2が飛び立つ表示を行うことと、上部発光装置70AにおいてLED73B、LED77Bを点灯状態とすることを行い、連続予告演出を実行する場合には、右循環表示領域27Rから帽子を被った蝶のキャラクタG8)が飛び立つ表示を行うことと、下部発光装置70BにおいてLED73b、LED77bを点灯状態とすることを行ってもよい。この場合、連続演出として、先読み演出ばかりか、複数回変動演出をも実行可能な遊技機において、遊技者が複数回変動演出(一の変動表示)の区切りを明確に理解することができるため、遊技興趣を高めることが更に容易である。尚、「一の変動表示」とは、1回の変動表示の開始から終了までを指し、特別図柄の1回の変動表示をいう。」 上記記載事項(ア)及び(イ)に基づくと、引用例2には、以下の発明(以下、「引用例2に記載された事項」という。)が記載されているといえる。 「f1 連続予告演出を実行する場合には、演出表示装置27の右循環表示領域27Rから帽子を被った蝶のキャラクタG8が飛び立つ表示を行い、 f2 疑似連続予告演出を実行する場合には、演出表示装置27の左循環表示領域27Lから帽子を脱いだ蝶のキャラクタG2が飛び立つ表示を行う、 j 遊技機1」 第5 対比 本願発明と、引用発明とを対比する。なお、見出しは(a)?(j)とし、本願発明、引用発明の分説に対応させている。 (a)引用発明の「始動口28に入賞したか否かを判定し、始動口28に入賞したと判定された場合」及び「特別図柄当否判定用乱数」は、それぞれ、本願発明の「始動条件の成立」及び「判定情報」に相当する。 そうすると、引用発明の「始動口28に入賞したか否かを判定し、始動口28に入賞したと判定された場合」に「特別図柄当否判定用乱数」を取得する「主制御部200」は、本願発明の「始動条件の成立」により「判定情報」を取得する「取得手段」に相当する。 (b)引用発明の「特別図柄当否判定用乱数」を「最大保留数(4個)に達するまで記憶する」ことは、本願発明の「前記取得手段により取得された前記判定情報」を「複数記憶」することに相当する。 そうすると、引用発明の「取得された特別図柄当否判定用乱数」を「最大保留数(4個)に達するまで記憶する」「主制御部200のRAMの所定領域(保留記憶領域)」は、本願発明の「前記取得手段により取得された前記判定情報」を「複数記憶して保留可能な」「記憶手段」に相当する。 (c)引用発明の「大当りと判定する特別図柄当否判定」は、本願発明の「遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する」ことに相当する。 また、引用発明において、「特別図柄当否判定用乱数」が「当り値と一致する」ことで「大当りと判定する」ことは、「記憶手段に記憶された判定情報」に「基づいて」「遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する」ことに相当する。 そうすると、引用発明の「特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に大当りと判定する特別図柄当否判定を行う主制御部200」は、本願発明の「前記記憶手段に記憶された前記判定情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段」に相当する。 (d)上記(c)より、引用発明の「特別図柄当否判定」は、本願発明の「前記判定手段が前記判定情報に基づいて前記判定を行う」ことに相当する。 そうすると、引用発明の「特別図柄当否判定」に「先立ち」、「保留された特別図柄当否判定用乱数」が「当否判定用の当り値と一致しているか否か」を判定する「特別図柄事前判定処理」「を行う」「主制御部200」は、本願発明の「前記判定手段が前記判定情報に基づいて前記判定を行う」「より前に」、「前記取得手段により取得された前記判定情報」に基づいて、「前記特別遊技を行うか否か」の「事前判定」「を行う」「事前判定手段」に相当する。 (e) 引用発明の「主制御部200のRAMの所定領域に記憶されている特別図柄当否判定用乱数」は、本願発明の「判定情報」に相当する。 また、引用発明の「特別図柄の変動表示を開始」し、「特別図柄の変動を停止する」ことは、本願発明の「図柄を変動表示させ、停止させる図柄変動を実行する」ことに相当する。 そうすると、引用発明の「主制御部200のRAMの所定領域に記憶されている特別図柄当否判定用乱数」を読み出し、特別図柄当否判定を行い、決定された停止図柄および変動パターンに従って、「特別図柄の変動表示を開始し」、「特別図柄の変動を停止する」「主制御部200」は、本願発明の「前記判定情報に基づいて、図柄を変動表示させ、停止させる図柄変動を実行する」「図柄変動制御手段」に相当する。 (f)引用発明の「演出表示装置25」及び「図柄表示等を用いた演出」は、それぞれ、本願発明の「表示手段」及び「所定の表示演出」に相当する。 そうすると、引用発明の「演出表示装置25」による「図柄表示等を用いた演出」「制御を司る」「サブ制御部260」は、本願発明の「表示手段」を用いて「所定の表示演出」「を実行する」「演出制御手段」に相当する。 (f1)引用発明の「特別図柄事前判定処理の結果、特別図柄当否判定用乱数が当否判定用の当り値と一致している場合」に、「特別図柄の複数回の変動表示に渡って」「演出表示装置25の表示領域で連続的に予告演出を行」うことは、本願発明の「前記事前判定手段による前記事前判定」に基づいて「前記図柄変動制御手段による複数回の図柄変動に亘って」「連続演出を前記表示手段にて実行」することに相当する。 また、引用発明の「保留された当り乱数に基づく特別図柄の変動表示が停止するまで」「演出表示装置25の表示領域で連続的に予告演出を行」うことは、本願発明の「前記取得手段によって前記判定情報が取得されてから、当該判定情報に基づいて前記判定手段によって前記判定が実行されるまでの間」「連続演出を前記表示手段にて実行」することに相当する。 そうすると、引用発明の「特別図柄事前判定処理の結果、特別図柄当否判定用乱数が当否判定用の当り値と一致している場合には、連続予告を行い、連続予告を行う場合は、特別図柄の複数回の変動表示に渡って、保留された当り乱数に基づく特別図柄の変動表示が停止するまで、演出表示装置25の表示領域で連続的に予告演出を行」う「サブ制御部260」は、本願発明の「連続演出実行手段」と、「前記事前判定手段による前記事前判定に基づいて、前記取得手段によって前記判定情報が取得されてから、当該判定情報に基づいて前記判定手段によって前記判定が実行されるまでの間に、前記図柄変動制御手段による複数回の図柄変動に亘って連続演出を前記表示手段にて実行可能である」点で共通しているといえる。 (f2)引用発明の「特別図柄の1回の変動表示内で」「予告演出を複数回に渡って実行」する「疑似連続予告」は、本願発明の「演出図柄の変動表示を擬似的に繰り返す」「擬似変動演出」に相当する。 また、引用発明の「特別図柄当否判定の結果が大当りであると判定された場合」に「疑似連続予告を伴う図柄変動演出を開始」することは、「前記判定手段による前記判定」に基づいて「擬似変動演出」を「実行可能である」ことに相当する。 そうすると、引用発明の「特別図柄当否判定の結果が大当りであると判定された場合に疑似連続予告実行抽選処理の結果が当選である場合」に「特別図柄の1回の変動表示内で」「予告演出を複数回に渡って実行する」「疑似連続予告を伴う図柄変動演出を開始」する「サブ制御部260」は、本願発明の「擬似変動演出実行手段」と、「前記判定手段による前記判定に基づいて、演出図柄の変動表示を擬似的に繰り返す擬似変動演出を実行可能である」点で共通しているといえる。 (d1)引用発明の「取得(記憶)した特別図柄当否判定用乱数」は、本願発明の「前記取得手段により取得された前記判定情報」に相当する。 また、引用発明の「連続予告フラグをONにセットし、連続予告カウンタをセット」することは、本願発明の「連続演出実行手段によって前記連続演出を実行可能」にすることに相当する。 また、引用発明において、「当り保留フラグがONにセットされているか否かを判定」し、「取得(記憶)した特別図柄当否判定用乱数」が「当り値と一致しているか否かを判定」し、「当り保留コマンドを受信している場合には、当り保留に対して連続予告を実行するか否かを抽選する連続予告実行抽選処理を行い、当選であると判定」することで、「連続予告フラグをONにセットし、連続予告カウンタをセット」することは、「取得(記憶)した特別図柄当否判定用乱数」に基づいて「連続予告フラグをONにセットし、連続予告カウンタをセット」するか判定しているといえるから、本願発明の「前記取得手段により取得された前記判定情報」に基づいて「連続演出実行手段によって前記連続演出を実行可能か否かを判定」することに相当する。 さらに、上記(d)より、引用発明の「特別図柄事前判定処理を実行」する「主制御部200」は、本願発明の「事前判定手段」に相当する。 そうすると、引用発明の「特別図柄事前判定処理を実行」し、「当り保留フラグがONにセットされているか否かを判定し、当り保留フラグがONにセットされていないと判定された場合には、取得(記憶)した特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致しているか否かを判定し、当り値と一致していると判定された場合には、保留された特別図柄当否判定用乱数の当り保留が含まれていることを示すコマンドである当り保留コマンドをONにセットしてサブ制御部260に送信」する「主制御部200」、及び、「主制御部200が送信する当り保留コマンドを受信している場合には、当り保留に対して連続予告を実行するか否かを抽選する連続予告実行抽選処理を行い、当選であると判定された場合には、連続予告フラグをONにセットし、連続予告カウンタをセット」する「サブ制御部260」は、本願発明の「前記取得手段により取得された前記判定情報に基づいて連続演出実行手段によって前記連続演出を実行可能か否かを判定する」「事前連続演出判定手段」を備える「事前判定手段」に相当する。 (f3)引用発明の「連続予告を伴う図柄変動演出を開始する」ことは、本願発明の「前記連続演出実行手段による前記連続演出を実行する」ことに相当する。 また、上記(d1)と同様に、引用発明の構成d1の「連続予告フラグをONにセットし、連続予告カウンタをセット」することは、本願発明の構成F3の「前記連続演出実行手段によって前記連続演出を実行可能」とすることに相当する。 また、引用発明においては、「連続予告フラグをONにセットし、連続予告カウンタをセット」してから、「連続予告を伴う図柄変動演出を開始」して「連続予告を実行する特別図柄の変動回数である連続予告カウンタ」を「減算」して「ゼロである場合」に「連続予告フラグをOFFにセット」するまでの間は、本願発明の「前記事前連続演出判定手段によって前記連続演出が実行可能と判定されてから、前記連続演出実行手段により前記連続演出を実行するまで」に相当する。 さらに、引用発明においては、「連続予告フラグをONにセットし、連続予告カウンタをセット」してから、「連続予告フラグをOFFにセット」するまでの間は、連続予告フラグがONであるので、「疑似連続予告を伴う図柄変動演出を開始」せず、さらに、「連続予告フラグがOFFにセット」された後については、「疑似連続予告実行抽選処理の結果が当選であるか否かを判定し、当選である場合に」、「疑似連続予告を伴う図柄変動演出を開始」が可能であるといえる。 そうすると、引用発明の「連続予告フラグがONにセットされている場合には、連続予告を伴う図柄変動演出を開始し、連続予告を実行する特別図柄の変動回数である連続予告カウンタを1減算し、連続予告カウンタがゼロである場合には、連続予告フラグをOFFにセットし、一方、連続予告フラグがONにセットされていない場合には、疑似連続予告実行抽選処理の結果が当選であるか否かを判定し、当選である場合には、疑似連続予告を伴う図柄変動演出を開始する」「サブ制御部260」は、本願発明の「前記連続演出実行手段による前記連続演出を実行する場合、前記事前連続演出判定手段によって前記連続演出が実行可能と判定されてから、前記連続演出実行手段により前記連続演出を実行するまで前記擬似変動演出実行手段による前記擬似変動演出を実行しないとともに、当該連続演出を実行した後に、前記擬似変動演出実行手段による前記擬似変動演出を実行可能にする」「演出制御手段」に相当する。 (j)引用発明の「遊技機1」は、本願発明の「遊技機」に相当する。 上記(a)?(j)から、本願発明と引用発明とは、 [一致点] 「A 始動条件の成立により判定情報を取得する取得手段と、 B 前記取得手段により取得された前記判定情報を複数記憶して保留可能な記憶手段と、 C 前記記憶手段に記憶された前記判定情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、 D 前記判定手段が前記判定情報に基づいて前記判定を行うより前に、前記取得手段により取得された前記判定情報に基づいて、前記特別遊技を行うか否かの事前判定を行う事前判定手段と、 E 前記判定情報に基づいて、図柄を変動表示させ、停止させる図柄変動を実行する図柄変動制御手段と、 F 表示手段を用いて所定の表示演出を実行する演出制御手段と、を備え、 F1’前記演出制御手段は、前記事前判定手段による前記事前判定に基づいて、前記取得手段によって前記判定情報が取得されてから、当該判定情報に基づいて前記判定手段によって前記判定が実行されるまでの間に、前記図柄変動制御手段による複数回の図柄変動に亘って連続演出を前記表示手段にて実行可能である連続演出実行手段と、 F2’前記判定手段による前記判定に基づいて、演出図柄の変動表示を擬似的に繰り返す擬似変動演出を実行可能である擬似変動演出実行手段と、を備え、 D1 前記事前判定手段は、前記取得手段により取得された前記判定情報に基づいて、前記連続演出実行手段によって前記連続演出が実行可能か否かを判定する事前連続演出判定手段を備え、 F3 前記演出制御手段は、前記連続演出実行手段による前記連続演出を実行する場合、前記事前連続演出判定手段によって前記連続演出が実行可能と判定されてから前記連続演出実行手段により前記連続演出を実行するまで前記擬似変動演出実行手段による前記擬似変動演出を実行しないとともに、当該連続演出を実行した後に、前記擬似変動演出実行手段による前記擬似変動演出を実行可能にする、 J ことを特徴とする遊技機。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点1](構成F1) 本願発明は、「連続演出の実行中に」「第1画像により連続演出を実行していることを示唆する連続演出示唆表示」を「表示手段に表示可能」であるが、引用発明は、連続予告の実行中に第1画像により連続予告を実行していることを示唆する示唆表示を演出表示装置25に表示可能であるか明らかではない点。 [相違点2](構成F1) 本願発明は、「連続演出を連続して実行することに応じて態様を変化させることが可能な連続演出示唆表示を前記表示手段に表示可能」であるのに対し、引用発明には当該連続演出示唆表示があるか明らかでない点。 [相違点3](構成F2) 本願発明は、「擬似変動演出の実行中に」「前記第1画像とは異なる第2画像により当該擬似変動演出を実行していることを示唆する擬似変動演出示唆表示」を「表示手段に表示可能」であるが、引用発明は、連続予告と疑似連続予告は異なる態様であるものの、疑似連続予告の実行中に、連続予告とは異なる画像により疑似連続予告を実行していることを示唆する示唆表示を演出表示装置25に表示可能であるか明らかではない点。 第6 判断 上記相違点について検討する。 ア 相違点1、3について 相違点1、3については、関連するのでまとめて検討する。 引用例2には、上記「第4」「(4-2)」に記載したように、引用例2に記載された事項として、 「f1 連続予告演出を実行する場合には、演出表示装置27の右循環表示領域27Rから帽子を被った蝶のキャラクタG8が飛び立つ表示を行い、 f2 疑似連続予告演出を実行する場合には、演出表示装置27の左循環表示領域27Lから帽子を脱いだ蝶のキャラクタG2が飛び立つ表示を行う、 j 遊技機1」 が記載されている。 ここで、引用例2に記載された事項の「帽子を被った蝶のキャラクタG8が飛び立つ表示」、「連続予告演出」、「帽子を脱いだ蝶のキャラクタG2が飛び立つ表示」、「疑似連続予告演出」及び「演出表示装置27」は、それぞれ、本願発明の「第1画像」、「連続演出」、「第1画像とは異なる第2画像」、「擬似変動演出」及び「表示手段」に相当する。 このことから、引用例2に記載された事項は、本願発明の構成F1の「連続演出の実行中に第1画像により連続演出を実行していることを示唆する」「連続演出示唆表示」を「表示手段」に「表示可能である」こと、及び、本願発明の構成F2の「擬似変動演出の実行中に第1画像とは異なる第2画像により擬似変動演出を実行していることを示唆する擬似変動演出示唆表示」を「表示手段」に「表示可能である」ことに相当する構成を有している。 そして、引用発明と引用例2に記載された事項とは、いずれも、遊技機の技術分野に属する点で共通し、また、連続予告と疑似連続予告の両方を実行可能な遊技機であるという点で、作用・機能も共通している。 よって、引用発明に引用例2に記載された事項を適用して、連続予告又は疑似連続予告の実行中にそれぞれ異なるキャラクタの演出映像を演出表示装置25に表示することにより連続予告又は疑似連続予告を実行していることを示唆するようにすることで、上記相違点1、3に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 また、本願発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用例2に記載された事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 イ 相違点2について 遊技機の分野において、遊技者に連続予告演出への期待を持たせるために、連続予告演出の実行回数等に応じて演出の態様を変化させること(本願発明の構成F1の「連続演出を連続して実行することに応じて態様を変化させることが可能な連続演出示唆表示」を「表示手段に表示」することに相当)は、周知技術である(一例として、当審における拒絶の理由(平成30年10月1日付け拒絶理由通知)に引用文献3として引用された特開2014-171742号公報[【0081】?【0087】、【図6】を参照。]がある。以下、「周知技術」という。)から、引用発明に当該周知技術を適用することにより、上記相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 また、本願発明の奏する作用効果は、引用発明及び上記周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 第7 請求人の主張について 請求人は平成30年7月3日に提出した意見書において、 「3.拒絶理由が解消された根拠 (1)理由3について (1-1)引用文献の説明 ・・・ (1-2)新請求項1と引用文献との対比 本願の新請求項1に係る遊技機では、演出制御手段は、連続演出実行手段による連続演出を実行する場合、取得手段により取得された判定情報に基づいて、連続演出実行手段によって連続演出が実行可能か否かを判定する事前連続演出判定手段によって連続演出が実行可能と判定されてから連続演出実行手段により連続演出示唆表示を伴った連続演出を実行するまで擬似変動演出実行手段による擬似変動演出示唆表示を伴った擬似変動演出を実行しないとともに、当該連続演出を実行した後に、擬似変動演出実行手段による擬似変動演出を実行可能にすることを要旨としています。 上述の本願の新請求項1に係る遊技機によれば、本願の段落[0224]?[0234]、および[図16]、[図17]に記載したように、まず、遊技機100では、擬似連演出ありの変動パターンが選択された場合には、擬似連図柄での擬似連図柄仮停止演出(擬似連変動演出示唆表示)を伴った擬似連演出を実行可能であり、連続演出を実行する場合には、雷画像131Bでの演出(連続演出示唆表示)を伴った連続演出を実行可能です。また、本願の段落[0195]?[0216]、および[図13]、[図14]に記載したように、事前判定情報において所定の条件A,Bが満たされて連続演出フラグがONとなった場合、つまり、連続演出を実行する場合には、擬似連演出フラグがOFFとなり、連続演出フラグがONとなってから連続演出の実行が終了するまで擬似連演出が実行されないように設定することができます。そして、これらの連続演出を実行した後に、連続演出フラグがOFFとなり、擬似連演出フラグがONとなって擬似連演出を実行することができます。 このような遊技機であれば、例えば、事前判定情報では連続演出を実行することとなっているとともに擬似連演出ありの変動パターンが選択された場合であっても、当該変動において、擬似連演出を実行せずに、連続演出を実行するようにしているので、一つの変動中に少なくとも一回の連続演出と擬似連演出が実行されることによって、大当たりを期待している遊技者に対して演出の長さを冗長的に感じさせる、といったことを抑制することができます。 この点、上述のような効果を奏する本願の新請求項1に係る遊技機は、当業者と雖も、引用文献1?3に基づいて、容易に想到できるものではありません。 まず、引用文献1においては、審判官殿がご指摘された通り、連続予告の実行中は、連続予告を実行する複数回の図柄変動時のそれぞれにおいて、疑似連続予告を実行しないことが記載されています。しかしながら、引用文献1においては、これらの連続予告が実行された後の変動において、擬似連続予告が実行されることについては、開示も示唆もありません。また、引用文献2,3においても、連続予告演出等が実行された後の変動における擬似連続予告演出等の実行に関しての開示も示唆もありません。つまり、引用文献1?3のいずれにおいても、本願の新請求項1の要旨に関しての開示も示唆もなく、延いては、本願の新請求項1に係る遊技機で奏する効果に関しての開示も示唆もないこととなります。 以上より、上述のような効果を奏する本願の新請求項1に係る発明は、引用文献1?3に記載された事項に基づいて、当業者であっても容易に想到できないものであるといえ、また、本願の請求項2は削除したため、本件の拒絶理由のうちの理由3については解消されたものと思料致します。」 という主張をしている(下線は当審にて付した。)。 しかしながら、上記下線部の主張については、既に上記「第5 対比」の(f3)にて示したとおり、引用発明は、連続予告が実行された後の変動において、疑似連続予告を実行可能であるから、結局、審判請求人が主張する点において、引用発明と本願発明とは差異はない。 よって、上記主張は、採用することはできない。 第8 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明、引用例2に記載された事項、及び、周知技術から、当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2018-12-21 |
結審通知日 | 2018-12-25 |
審決日 | 2019-01-08 |
出願番号 | 特願2016-180507(P2016-180507) |
審決分類 |
P
1
8・
536-
WZ
(A63F)
P 1 8・ 113- WZ (A63F) P 1 8・ 537- WZ (A63F) P 1 8・ 55- WZ (A63F) P 1 8・ 121- WZ (A63F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 最首 祐樹 |
特許庁審判長 |
瀬津 太朗 |
特許庁審判官 |
赤穂 州一郎 藤田 年彦 |
発明の名称 | 遊技機 |
代理人 | 田中 信介 |