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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B24C |
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管理番号 | 1349477 |
審判番号 | 不服2017-17037 |
総通号数 | 232 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2019-04-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-11-17 |
確定日 | 2019-03-28 |
事件の表示 | 特願2013-182377「溶断装置」拒絶査定不服審判事件〔平成27年3月16日出願公開、特開2015-47678、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成25年9月3日の出願であって、平成29年6月7日付けで拒絶理由通知がされ、同年8月7日に手続補正がされ、同年8月15日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、同年11月17日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。 第2 原査定の概要 原査定(平成29年8月15日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願請求項1-3に係る発明は、以下の引用文献1-4に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開平10-193158号公報 2.特許第3532223号公報(周知技術を示す文献) 3.特開2001-138081号公報(周知技術を示す文献) 4.国際公開第2013/002165号 第3 審判請求時の補正について 審判請求時の補正は、特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。 審判請求時の補正は、特許請求の範囲を補正するものと、明細書を補正するものの、2つに大別される。 前記特許請求の範囲の補正は、以下の3つの事項を補正するものである。 (1)請求項1の「上下移動できる位置調整機構」に「回動」もできるという事項を追加する補正 (2)請求項1の溶断装置について、「前記噴射ノズルと前記溶断トーチとの間には仕切壁を設けた」との事項を新たに追加する補正 (3)請求項3を削除する補正 これらを検討すると、(1)?(2)の事項はいずれも特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものであり、(3)の事項は、請求項の削除を目的とするものである。 また、(1)の「回動」という事項は、当初明細書の段落【0018】に記載され、(2)の「前記噴射ノズルと前記溶断トーチとの間には仕切壁を設けた」という事項は、補正前の請求項3及び明細書の【0015】に記載されているから、いずれも当該補正は新規事項を追加するものではないといえる。さらに、(1)?(3)を内容とする補正は、特許請求の範囲を実質上、拡張、または変更するものではないことが明らかである。 そして、「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」までに示すように、補正後の請求項1-2に係る発明は、独立特許要件を満たすものである。 また、審判請求時の補正のうち、明細書を補正するものについては、請求項1の補正に伴い、【0008】の記載を整合させるものであり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、同じく新規事項の追加や、実質上特許請求の範囲を拡張、変更するものではないことが明らかである。 第4 本願発明 本願請求項1-2に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」、「本願発明2」という。)は、平成29年11月17日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-2に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。 「【請求項1】溶断トーチを備える溶断装置において、前記溶断トーチの溶断後にドライアイスの投射材を投射するドライアイスブラスト装置の噴射ノズルを、該溶断トーチに上下移動および回動できる位置調整機構を介して設け、前記噴射ノズルと前記溶断トーチとの間には仕切壁を設けたことを特徴とする溶断装置。 【請求項2】溶断トーチの溶断方向とは逆方向にドライアイスの投射材を投射するように構成したことを特徴とする請求項1記載の溶断装置。」 第5 引用文献、引用発明等 1.引用文献1について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。 「【0002】 【従来の技術】よく知られているように、酸素支援の溶融切除(または剥除)の場合、供給されるレーザ出力および相互作用ゾーンに現れる発熱反応は、概ね、完全には活用できない。なぜならば、特に、溶融された材料容積が、溶湯駆除の能力を急速に上回るからである。溶湯駆除は、特に、溶融状態の切除容積を、隣接の相互作用ゾーンに付着、固化しないよう相互作用ゾーンから除去するように指向された溶湯運動を、ガス流によって形成するという課題を有する、使用した操作ノズル系によって決まる。」 「【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高い表面品質において高い切除速度を実現する、レーザ光によって工作物を加工する装置および方法を創成することにある。」 「【0007】本発明に係る装置は、工作物表面にガス流を作用させるノズルを有する。この場合、ガス流は、レーザ光の加工箇所に対して距離Aを置いて工作物表面に衝突する。加工箇所は、レーザ光と工作物材料との間の相互作用ゾーンに対応する。加工箇所は、工作物表面に対するガス流の衝突箇所に関して、工作物表面に衝突するガス流によって誘起される最大圧力勾配の方向へ配置される。 【0008】工作物表面に衝突するガス流は、レーザ光に平行に推移できおよび/または工作物表面に垂直に向けることができる。 【0009】更に、加工箇所においてガス分子の最大の運動エネルギが得られるよう加工箇所と衝突範囲との間の距離を選択できる。加工箇所における運動エネルギが最大値を有することが特に有利である。しかしながら、特定の使用条件下では、距離をゼロに減少できる。 【0010】本発明によって、レーザ加工において複数の利点が得られる。1つには、レーザ光に平行におよび/または工作物表面に垂直にガス流を配置することによって、ノズル出口と材料表面との間に比較的大きい距離不感性が得られる。かくして、距離が特定範囲内で変化した場合、加工箇所に同一な流動状態が得られる。レーザ光に対して角度をなすようガス流を配置した場合、レーザヘッドと被加工材料との間の距離の変化とともに、ガス流の衝突範囲と相互作用ゾーンとの間の距離も変化する。しかしながら、かくして、加工箇所の流動状態が変化するので、特に、加工の再現性が劣化する。」 「【0017】この場合、角度αの調節のため、SPSは各種の入力を有することができる。例えば、工作物の加工すべき輪郭が役割を演ずる。例えば、極めて小さいアールを加工する場合、真っすぐなミゾを作製する場合とは異なる角度で“ブロー”を行うのが有利である。更に、角度αは、例えば、工作物の被加工材料、工作物またはレーザヘッドの送り速度、レーザ出力および/または距離センサの信号および/または深さセンサの信号に依存できる。角度αは、加工種類にも依存できる。例えば、レーザカットを実施する場合、レーザ溶融削除の場合とは異なる角度が生ずる。工作物表面を更に改善するため、工作物表面にドライアイスまたは研磨性媒体を作用させることができ、かくして、溶湯除去が改善され、加工された工作物表面の後浄化が実施される。ドライアイスの作用は、送り方向に関して前方および/または後方で加えることができる。ドライアイスのブローによって、高度の浄化作用を得ることができる。ドライアイスの作用によって、工作物に付着して再固化した溶融物粒子を引きはがすことができる。更に、かくして、溶湯駆除を改善できる。ドライアイスは、操作中に、例えば、ガス流発生ノズルを介してまたは別個のノズルを介して導入できる。場合によっては、同軸のノズルによってドライアイスを作用させれば有利である(距離Aはゼロ)。この場合、偏心状態のガス供給は、場合によっては、不要であり、かくして、固有の独自の解決法が得られる。 【0018】ドライアイスは、各種の方法で、例えば、キャリヤガスを使用して、回転板などを介して、工作物に作用させることができる。この場合、キャリヤガスは、空気、酸素または酸素を富化した空気であってよい。ドライアイスの爆発的気化によって、溶湯内に圧力波が導入され、かくして、溶湯に衝撃力を加えることができる。かくして、溶湯駆除が改善される。ドライアイス(炭酸ガス)は、ドライアイス華が形成されるよう噴霧することもできる。」 「【0023】総括して、本発明に係る装置および方法によって、レーザ溶融切除操作の切除速度を著しく改善でき、この場合、高い表面品質が保証される。ガス流によって誘起される圧力勾配が本質的に最大値を取る範囲に工作物表面の加工箇所、即ち、ガス流の衝突箇所を配置することによって、極めて良い切除結果を達成できる。」 「【発明の実施の形態】添付の略図を参照して、以下に、本発明の実施例を説明する。 【0026】図1に、ノズル作動機構2を含むノズル1を示した。ノズル作動機構2は、レーザヘッド3に対してノズル1を調節する。ノズル1のガス出口箇所から、ガス流4が出て工作物7の表面6の衝突範囲5にぶつかる。 【0027】レーザヘッド3から、レーザ光8が出て工作物7または工作物表面6の加工箇所9にぶつかる。加工箇所9には、レーザ光8と工作物材料との間の相互作用ゾーンが形成される。右へ向く矢印で相対送り方向Vを示した。この場合、レーザヘッド3は、ノズル作動機構2を介してノズルヘッドに設置したノズル1とともに、工作物7の方向へ移動できる。しかしながら、レーザヘッド3の位置を固定して、工作物7自体を移動することもできる。もちろん、工作物7およびレーザヘッド3が、それぞれ、送り運動を行うこともでき、この場合、相対的送りが生ずる。 【0028】ノズル作動機構2は、ガス流4または衝突範囲5とレーザ光8との間の距離Aを変更できるよう構成できる。更に、ノズル作動機構2は、ノズル1がレーザヘッド3のまわりに配置されるよう、構成できる。この場合、360°までの回転角度を実現できる。更に、レーザヘッド3の下端と工作物表面6との間の距離を高さHで示した。」 「【0039】図4に、図1と類似の装置を示した。以下では、図1とは異なる要素のみについて説明する。レーザヘッド3には、工作物表面6にドライアイスを吹付けるのに役立つ補助ノズル13が設けてある。ドライアイス(C02)は、例えば、300μmの粒径で補助ノズル13から吹出される。このC02粒子または滴は、一方では、溶湯を引裂くことができ、かくして、溶融切除が改善される。他方、吹付けられたドライアイスは、付着して再固化した材料を除去でき、かくして、工作物表面が更に改善される。ドライアイスが工作物表面または溶湯上で気化した場合、容積は700倍に増大する。かくして、例えば、工作物表面6に付着して再固化した脆い材料を有利な態様で引きはがすことができ、かくして、選択的な研磨操作が実現される。更に、ドライアイスは無公害である。なぜなら、ドライアイスは気化して炭酸ガスとなり、残渣のない加工が可能であるからである。 【0040】この場合、補助ノズル13は、送り方向Vに関して前方および後方に配置できる。もちろん、補助ノズル13を送り方向Vに直角にまたは他の任意の位置に配置することもできる。」 したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「レーザヘッド3からレーザ光8を工作物7に照射して工作物表面6を溶融削除する装置であって、 前記装置は、 ガス流4または衝突範囲5とレーザ光8との間の距離Aを変更できるノズル作動機構2により調節され、レーザ光8による加工箇所にガス流を衝突させるようにされたノズル1と、 工作物表面6にドライアイスを吹き付けて、溶湯を引き裂き、且つ付着して再固化した材料を除去する、前記レーザヘッド3の送り方向Vに関し前記レーザヘッド3の後方に配置される補助ノズル13と を備える、 工作物表面6を溶融削除する装置。」 2.引用文献2及び3について また、原査定時に周知技術として追加引用された上記引用文献2及び3には、それぞれ、引用文献2の【0002】-【0007】、【0025】-【0032】及び図1ないし図3の記載からみて、当該引用文献2には、被加工材を溶融切断するレーザ加工機の加工ヘッドが、レーザビームを照射しかつアシストガスSGを噴出する内側ノズル39と、当該内側ノズル39と同心であって、内側ノズル39に対して外側に配される冷却媒体及びシールドガスSGを供給する外側ノズル41との二重構造とされ、該外側ノズル41のみが該内側ノズル39に対して上下方向に移動可能とすることにより、シールドガスSGの冷却範囲を変化させることができるとした技術的事項が記載され、引用文献3の【0001】、【0017】、【0019】、図1の記載から見て、当該引用文献3には、レーザ光の照射によって被切断材の切断を行うレーザ切断装置20が、レーザ光を照射するレーザ発振器24とレーザ光の照射部位に向けて冷却媒体を噴射する噴射ノズル25とを有し、噴射ノズル25が高さ方向に位置調整自在とされるという技術的事項が記載されていると認められる。 3.引用文献4について また、拒絶理由通知及び原査定時に引用された引用文献4の【0005】、【0012】、【0016】-【0021】、図1Aには、「噴射ノズル(冷却ノズル5)とレーザ発振器4との間に仕切壁(バッフル6)を設けて、冷却媒体としてドライアイスを用いた際に、レーザ光の通過する領域へのドライアイスの飛沫進入を逸らした、ガラスの如き脆性部材をレーザ切断直後に冷却して熱的ショックをガラス板2に与える装置」とした技術的事項が記載されている。 第6 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。 引用発明における「レーザヘッド3」は、被加工物を溶かすという限りにおいて、本願発明1における「溶断トーチ」に相当する。 また、引用発明の「工作物表面6にドライアイスを吹き付けて、溶湯を引き裂き、且つ付着して再固化した材料を除去する、前記レーザヘッド3の送り方向Vに関し前記レーザヘッド3の後方に配置される補助ノズル13」は、ドライアイスをレーザヘッド3による処理の後にドライアイスを投射する限りにおいて、本願発明1の「前記(溶断)トーチの(溶断)後にドライアイスの投射材を投射する」「噴射ノズル」を「設け」ることに一致する。 したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 (一致点) 「被加工物を溶かすトーチを備える装置において、前記被加工物を溶かすトーチの後にドライアイスを投射する噴射ノズルを設けた装置。」 (相違点) 相違点1 本願発明1の装置、及びトーチは、ともに「溶断」という特定事項を備えるのに対し、引用発明の装置、及びレーザヘッド3は、被加工物を溶かすものではあるものの、切断するとはされず、切除や剥除とされている点。 相違点2 本願発明1の「噴射ノズル」は「ブラスト装置」という特定がなされているのに対し、引用発明の対応する「レーザヘッド3に対し送り方向の後方に置かれるドライアイスを吹き付ける補助ノズル13」は、ドライアイスを噴射はするものの、ブラスト装置といえるか否か直ちに明らかでない点。 相違点3 本願発明1の溶断装置は、溶断トーチとドライアイスブラスト装置の噴射ノズルとを、「該溶断トーチに上下移動および回動できる位置調整機構を介して設け」るとした特定事項を備えるとしているのに対して、引用発明の工作物加工装置のレーザヘッド3には、「補助ノズル13が設け」てあるとされ、被加工物である工作物に対して、相対送り方向Vの向きに相対移動するに留まり、レーザヘッド3と補助ノズル13とがどのように連結されているか、その連結がどの方向への運動を可能としているかはなんら特定されていない点。 相違点4 本願発明1は、「前記噴射ノズルと前記溶断トーチとの間には仕切壁を設けた」との特定事項を有するのに対して、引用発明の装置は、レーザヘッド3から照射されたレーザ光8による加工箇所に、ノズル1から放出されるガス流を衝突させることを要し、仕切壁に相当する構造物は備えていない点。 (2)相違点についての判断 事案に鑑みて、相違点2について検討すると、本願発明1における、溶接トーチに対するブラスト装置の技術的意義を見ると、本願明細書の【0002】-【0006】には、発明の課題として金属の溶断加工時に金属表面に生成される酸化物スケールや酸化被膜の除去を効率よく行うこと、及び、溶断で加熱された部分を急冷却して金属の変形を防止することが挙げられていることを理解できる。そうすると、本願発明1で上記相違点2に挙げられた「噴射ノズル」が「ブラスト装置」とされている事項は、「噴射ノズル」から「投射」される「ドライアイス」が、粒子として衝突することにより、酸化物スケールや酸化被膜が除去されていると見るのが相当である。 他方、引用発明における「補助ノズル13」は、工作物加工装置としてどのような作用効果が想定されているのかを見てみると、引用文献1の【0039】に、「溶湯を引き裂くことができ」る記載に続き、「溶融切除が改善される」ことが挙げられ、また、ドライアイスの吹き付けに関して、「付着して再固化した材料を除去でき、かくして、工作物表面が更に改善される。」ことや、「ドライアイスが工作物表面または溶湯上で気化した場合、容積は700倍に増大する。かくして、例えば、工作物表面6に付着して再固化した脆い材料を有利な態様で引きはがすことができ、かくして、選択的な研磨操作が実現される。」ことが見てとれる。そうすると、引用発明の「補助ノズル13」に求められるドライアイスの吹き付けとは、レーザヘッド3からのレーザ光による工作物表面の加熱を、ドライアイスにより急冷する作用効果が生じるようにされるとは認められるものの、該補助ノズル13が奏するもう1つの作用効果である、工作物表面に付着した、再固化した脆い材料の引きはがしを考えた場合、ドライアイスが気化して容積を増大させることにより、脆い材料の引きはがしがされるのであり、ドライアイスが粒子として衝突することにより引きはがしがされるわけではないとみるのが相当である。 してみると、引用発明は「ブラスト」ではなく、引用発明のドライアイスの吹き付けを「ブラスト」に変更し、本願発明1の相違点2に係る構成とすることは、引用発明に接した当業者にとって容易になし得たとはいえない。 また、原査定で引用された文献1ないし4の中には、レーザ以外のノズルとして、被加工物である金属の酸化物スケールや酸化被膜を除去する作用効果を奏するノズルは見当たらない。 そうすると、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項は、原査定で引用された引用文献1乃至4に記載の発明、及び技術的事項によって当業者が容易に想到しえる構成であるということはできないのであるから、相違点1、3、4について検討するまでもなく、本願発明1は、引用文献1ないし4に記載の発明または技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものではない。 2.本願発明2について 本願発明2も、本願発明1の「溶断トーチを備える溶断装置において」、「ドライアイスの投射材を投射するドライアイスブラスト装置の噴射ノズル」を設けたとする、同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、原査定において引用された引用文献2ないし4に記載された技術的事項及び上記周知技術に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第7 原査定について 審判請求時の補正により補正された本願発明1-2は、上述のとおりであるから、当業者であっても、原査定において引用された引用文献1-4に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。 したがって、原査定の理由を維持することはできない。 第8 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2019-03-18 |
出願番号 | 特願2013-182377(P2013-182377) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(B24C)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 宮部 菜苗 |
特許庁審判長 |
刈間 宏信 |
特許庁審判官 |
中川 隆司 西村 泰英 |
発明の名称 | 溶断装置 |
代理人 | 三浦 光康 |