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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) B61L |
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管理番号 | 1349599 |
審判番号 | 不服2017-17339 |
総通号数 | 232 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2019-04-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-11-22 |
確定日 | 2019-03-07 |
事件の表示 | 特願2013-166999「列車検知装置」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 2月19日出願公開、特開2015- 33989〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成25年8月9日の出願であって、平成29年2月20日付けで拒絶理由が通知され、同年4月21日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年9月12日付けで拒絶査定がされ、これに対して、同年11月22日に拒絶査定不服審判が請求され、その審判の請求と同時に特許請求の範囲及び明細書について補正する手続補正書が提出されたものである。 そして、当審から平成30年10月17日付けで拒絶理由が通知され、同年12月14日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1ないし6に係る発明は、平成30年12月14日に提出された手続補正書により補正された明細書及び特許請求の範囲並びに出願当初の図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定されるとおりのものと認められ、そのうち、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は以下のとおりである。 「【請求項1】 軌道に設定された複数の区間の各境界に、前記軌道の延伸方向に所定の間隔をあけて配置されると共にそれぞれが車輪の有無に応じてレベルの異なる検知信号を出力する一対の車軸検知子を含む車軸検知器が配置され、各車軸検知子の検知信号に基づいて前記各境界の通過車軸数を車軸の通過方向に応じてカウントし、カウント結果に基づいて前記軌道における列車の在線区間を検知するように構成され、 前記一対の車軸検知子の一方は、前記軌道を構成するレールを挟む第1送信部及び第1受信部を有して前記第1送信部と前記第1受信部との間における車輪の有無に応じてレベルの異なる検知信号を出力し、前記一対の車軸検知子の他方は、前記レールを挟む第2送信部及び第2受信部を有して前記第2送信部と前記第2受信部との間における車輪の有無に応じてレベルの異なる検知信号を出力する、 列車検知装置。」 第3 拒絶の理由 平成30年10月17日付けで当審が通知した拒絶理由は次のとおりである。 (進歩性)本件出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 ・請求項 1ないし5 ・引用文献等 1.特開平2-92771号公報 2.特開昭62-256197号公報 3.特開昭64-65699号公報 4.実願平4-7474号(実開平5-60758号)のCD-ROM 第4 引用文献の記載及び引用発明 1.引用文献の記載 当審の拒絶の理由に引用された、特開平2-92771号公報(以下、「引用文献」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。(なお、下線は当審において付加したものである。) ア.「[産業上の利用分野] この発明は、軌道に近接設置した方向検知機能を有する車輪検知器からの検知出力を計数する車輪カウンタを用いた列車有無判定装置に関する。 [従来の技術] 方向検知機能を有する車輪検知器からの検知出力を計数する車輪カウンタを用いた従来の列車有無判定装置について、第6図以下の図面に基いて説明する。 方向検知機能を有する車輪検知器は、第6図に示すように、レールRの一方側に設けた送信コイルeと、レールの反対側に設けた受信コイルr_(1),r_(2)とからなる二つの車輪検知ユニットwd_(1),wd_(2)をレールの長手方向に隔てて設置し、各受信コイルr_(1),r_(2)に判別部dを接続して成り、送信コイルeより磁束をレールRの踏面上を通過させて、これを受信コイルr_(1),r_(2)で受信させると、各車輪検知ユニットは車輪進入に伴う受信レベルの低下により車輪を検出する。そして、レールRを進行する列車の車輪wに対応するこれら両車輪検知ユニットの検知出力の合成モードは、列車の通過方向により異なる。」(1ページ右下欄10行ないし2ページ左上欄13行) イ.「[この発明の実施例] 次に、この発明の実施例を第1図ないし第5図の図面に基いて説明する。 第1図において、T_(1)?T_(4)はレールの閉そく区間、WD_(1)?WD_(6)は方向検知機能を有する車輪検知器、C_(1)?C_(6)は各車輪検知器WD_(1)?WD_(6)に接続した車輪累積リングカウンタである。また、REG_(1)?REG_(4)はそれぞれの閉そく区間T_(1)?T_(4)に対応して備えたレジスタである。 車輪検知器WD_(1)?WD_(6)は、第6図ないし第8図において説明した既知の車輪検知器と同様に、2組の車輪検知ユニットと判定部とから構成されている。この発明では、各閉そく区間の境界ごとに、一つの車輪検知器が設置される。 各レジスタには、それぞれに対応する閉そく区間の両端に設けた車輪検知器に接続された車輪累積リングカウンタ(以下、単にカウンタという)のカウント値をセットすることかできる。 すなわち、レジスタREG_(1)には閉そく区間T_(1)の各端部の車輪検知器WD_(1),WD_(2),WD_(3)に対応するカウンタC_(1),C_(2),C_(3)の内容c_(1)?c_(3)が、レジスタREG_(2)には閉そく区間T_(2)の両端の車輪検知器WD_(2),WD_(5)に対応するカウンタC_(2),C_(5)の内容c_(2),c_(5)が、レジスタREG_(3)には閉そく区間T_(3)の両端の車輪検知器WD_(3),WD_(4)に対応するカウンタC_(3),C_(4)の内容c_(3),c_(4)が、そして、レジスタREG_(4)には閉そく区間T_(4)の各端部の車輪検知器WD_(4),WD_(5),WD_(6)に対応するカウンタC_(4)?C_(6)の内容c_(4)?c_(6)がそれぞれセットされる。 セットされるタイミングは、後述のように、装置立ち上げ時の係員による在線クリア扱い時、及び装置立ち上げ後は、中央装置の列車有無判定論理部が当該区間について列車無と判断したときである。」(3ページ右下欄7行ないし4ページ右上欄5行) ウ.「上記の構成について詳述すると、カウンタC_(1)?C_(6)はいずれも、車輪検知器1台につき1つずつ設けられ、第2図に示すように、車輪wの通過方向によりアップ(+1)又はダウン(-1)するものである。通常は、列車が上り方向の時+1し、下り方向の時-1するように、車輪検知器WDと接続する。また、カウンタは装置立ち上げ時に“0”にリセットされ、以後、車輪通過のたびに+1又は-1されて、永久的にカウントを続け、リセットされることはない。 そして、カウンタはリングカウンタであり、10ビット構成の場合は、第3図に示すように、“1023”(3FF^(H))の状態で上り方向(+1)に車輪が通過したときは“0”に戻り、“0”の時に下り方向(-1)に車輪が通過したときは“1023”となる。 各レジスタREGもカウンタCに合わせて、10ビットで構成されている。第4図は図面を簡明にするため一つの閉そく区間T_(1)に対応する部分のみを示す。 装置立ち上げ時に対応する閉そく区間の不在線(列車無)を確認して、又はカウンタが誤カウントした場合に、扱い者がクリア釦Bを押下して在線クリアの扱いをしたときに、セット手段Sによりその時点のカウンタの内容をレジスタREG_(1)にセットし、また、列車有無判定論理部L(以下、単に論理部という)が当該閉そく区間T_(1)に列車が在線しないと判定した時に、当該閉そく区間の両端に対応するカウンタの値をレジスタにセットする。 論理部Lは、このセットしたカウント値を元に、後述のように所定の演算を行って当該閉そく区間T_(1)における残留車輪数の有無から列車の有無を判定する。」 (4ページ右上欄6行ないし右下欄1行) エ.「各閉そく区間の両端の車輪検知器に対応するカウンタC_(1)?C_(6)の内容は、常時中央装置CENに伝送され、論理部Lに与えられる。論理部には上記各レジスタの内容も与えられ、各閉そく区間について所定のカウンタとレジスタの記憶内容とを用いて所定の式に基いた演算を行って、カウント値の差を求め、それらの差の総和が所定値になったか否かにより、列車の有無を判定する。」(4ページ右下欄10ないし18行) オ.上記ア.、イ.及び第1図の記載から、二つの車輪検知ユニットwd_(1),wd_(2)を含む車輪検知器WD_(1)?WD_(6)は、軌道に設定された複数の閉そく区間T_(1)?T_(4)の各境界に、前記軌道の長手方向に隔てて設置されることが理解できる。 カ.上記ア.の記載から、車輪検知ユニットは車両進入に伴う受信レベルの低下により車輪を検出するものであるから、二つの車輪検知ユニットwd_(1),wd_(2)は、それぞれが車輪の有無に応じてレベルの異なる検知信号を出力するものであることが理解できる。 キ.上記ア.の記載から、車両検知ユニットwd_(1),wd_(2)は車輪検知器に含まれ、車輪を検知し列車の通過方向により異なる検知出力の合成モードを形成するものであって、上記ウ.の記載から、カウンタC_(1)?C_(6)は、車両検知器1台につき1つずつ設けられ、車輪wの通過方向によりアップ(+1)又はダウン(-1)するものであるから、カウンタC_(1)?C_(6)は、各車輪検知ユニットwd_(1),wd_(2)の検知信号に基づいて各境界の通過車輪数を車輪の通過方向に応じてカウントするものであることが理解できる。 ク.上記ウ.及びエ.の記載から、引用文献記載の列車有無判定装置は、カウント結果に基づいて軌道における列車の在線区間を検知するものであることが理解できる。 ケ.上記ア.及び第6図の記載から、二つの車輪検知ユニットwd_(1),wd_(2)は、前記軌道を構成するレールRの一方側に設けた一つの送信コイルeと、レールRの反対側に設けた二つの受信コイルr_(1),r_(2)とからなり、二つの受信コイルr_(1),r_(2)はそれぞれ共通する一つの送信コイルeからの磁束を受信するものであることが理解できる。 2.引用発明 上記1.の記載及び図面の記載を総合すると、引用文献には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「軌道に設定された複数の閉そく区間T_(1)?T_(4)の各境界に、前記軌道の長手方向に隔てて設置されると共にそれぞれが車輪の有無に応じてレベルの異なる検知信号を出力する二つの車輪検知ユニットwd_(1),wd_(2)を含む車輪検知器WD_(1)?WD_(6)が配置され、各車輪検知ユニットwd_(1),wd_(2)の検知信号に基づいて前記各境界の通過車輪数を車輪の通過方向に応じてカウントし、カウント結果に基づいて前記軌道における列車の在線区間を検知するように構成され、 二つの車輪検知ユニットwd_(1),wd_(2)は、前記軌道を構成するレールRの一方側に設けた一つの送信コイルeと、レールRの反対側に設けた二つの受信コイルr_(1),r_(2)とからなり、二つの受信コイルr_(1),r_(2)はそれぞれ共通する一つの送信コイルeからの磁束を受信するものであって車輪の有無に応じてレベルの異なる検知信号を出力する、 列車有無判定装置。」 第5 対比・判断 本願発明と引用発明とを対比する。 引用発明における「閉そく区間T_(1)?T_(4)」は、その機能、構成及び技術的意義からみて、本願発明における「区間」に相当し、以下同様に、「長手方向」は「延伸方向」に、「隔てて設置される」ことは「所定の間隔をあけて配置される」ことに、「二つの」は「一対の」に、「車輪検知ユニットwd_(1),wd_(2)」は「車軸検知子」に、「車輪検知器WD_(1)?WD_(6)」は「車軸検知器」に、「通過車輪数」は「通過車軸数」に、「車輪の通過方向」は「車軸の通過方向」に、「列車有無判定装置」は「列車検知装置」にそれぞれ相当する。 そうすると、本願発明と引用発明は、 軌道に設定された複数の区間の各境界に、前記軌道の延伸方向に所定の間隔をあけて配置されると共にそれぞれが車輪の有無に応じてレベルの異なる検知信号を出力する一対の車軸検知子を含む車軸検知器が配置され、各車軸検知子の検知信号に基づいて前記各境界の通過車軸数を車軸の通過方向に応じてカウントし、カウント結果に基づいて前記軌道における列車の在線区間を検知するように構成される、 列車検知装置。 の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点> 本願発明においては、「前記一対の車軸検知子の一方は、前記軌道を構成するレールを挟む第1送信部及び第1受信部を有して前記第1送信部と前記第1受信部との間における車輪の有無に応じてレベルの異なる検知信号を出力し、前記一対の車軸検知子の他方は、前記レールを挟む第2送信部及び第2受信部を有して前記第2送信部と前記第2受信部との間における車輪の有無に応じてレベルの異なる検知信号を出力する」ものであるのに対し、 引用発明においては、二つの車輪検知ユニットwd_(1),wd_(2)は、前記軌道を構成するレールRの一方側に設けた一つの送信コイルeと、レールRの反対側に設けた二つの受信コイルr_(1),r_(2)とからなり、二つの受信コイルr_(1),r_(2)はそれぞれ共通する一つの送信コイルeからの磁束を受信するものであって車輪の有無に応じてレベルの異なる検知信号を出力するものである点。 <相違点>について 軌道の延伸方向に所定の間隔をあけて配置される一対の車軸検知子を含む車軸検知器を備え、一対の車軸検知子の各々は、軌道を構成するレールを挟む送信部及び受信部を有して、送信部と受信部との間における車輪の有無に応じてレベルの異なる検知信号を出力する車軸検知装置は、例えば、特開2000-6808号公報(特に、段落【0007】の「検知子1a,1bは、列車(図示せず)の走行するレールrの所定の車軸検知箇所に所定の間隔を保って設けられている。なお、検知子を一対としたのは、どの順序で車軸が検知されたかにより列車方向をも検出することができるようにするためである。」との記載、段落【0008】の「各検知子1a,1bは、レールrを挟んだ一方側に送信用コイルC1 を有し、その他方側に受信用コイルC2 を有している。これらコイルC1 ,C2 のうち、送信用コイルC1 は、後述する送受信部のコンデンサとで発振回路を形成している。」との記載、段落【0021】の「車軸Wが検知子1aに達すると、両コイルC1 ,C2 間に車軸(車輪)Wが入るので、電磁遮蔽効果により受信部20の受信レベルの低下として表われる(S102肯定)。この受信レベルの低下がMPU50a,50bに記憶されている送信部10の出力に対してどの程度変化しているかが判定される。」との記載、及び図1の記載参照。)及び特開2009-40251号公報(特に、段落【0034】の「送信器23が送信信号S23を送信する点、及び、受信器24が、送信器23から送信信号S23を受信して受信信号S24を出力する点は、先に述べた送信器21及び受信器22と同様である。車軸検知子(21、22)と、車軸検知子(23、24)とは、レール91に沿って互いに距離L1を隔てて配置される。」との記載、段落【0038】の「送信器21、23から送信された送信信号S21、S23は、車両92の車輪93によって遮られることなく、受信器22、24に受信されるので、受信器22、24から出力される受信信号S22、S24の振幅レベルは、一定の高レベルに保たれる。従って、受信信号処理部32は、受信信号S22、S24に基づいて、車軸検知子(21、22)、(23、24)上に「車軸無し」と判定し、車両検知リレーTRを打上させた状態に維持する。」との記載、段落【0041】の「図6(a)に示すように、時刻t11で、車軸検知子(21、22)による車軸検知が「車軸無し」から「車軸有り」に切り替わった後、時刻t12で、車軸検知子(23、24)による車軸検知が「車軸無し」から「車軸有り」に切り替わった場合、受信信号処理部32は、車両92が車軸検知子(21、22)から車軸検知子(23、24)への方向に走行した、と判定する。」との記載、並びに図5及び図6の記載参照。)に記載されるように本願出願前周知の技術(以下、「周知技術」という。)である。 そして、引用発明の車輪検知ユニットwd_(1),wd_(2)において、軌道の長手方向に隔てて設置された二つの受信コイルr_(1),r_(2)は、それぞれ共通する一つの送信コイルeからの磁束を受信するものであって、二つの受信コイルr_(1),r_(2)の検知出力に基づいて列車の進行方向を判別できるものであり、また、上記周知技術の車軸検知装置は、二つの受信部に対応した二つの送信部を備えるものであって、二つの受信部の検知信号に基づいて列車の進行方向を判別できるものである。 そうすると、引用発明の車輪検知ユニットwd1,wd2と周知技術の車軸検知装置とは、軌道の長手方向に隔てて設置された二つの受信部の検知出力に基づいて列車の進行を判別するという共通の機能を備えるものであり、両者は、送信部を二つの受信部で兼用とするか、二つの受信部に対応して設けるかにおいて異なるが、いずれを選択するかは、設置スペースやコストなどを考慮して当業者が適宜選択し得る事項といえ、引用発明において、設置スペースやコストに特段の制限がなければ、二つの受信コイルr_(1),r_(2)に対して一つであった送信コイルeを、周知技術のように二つの受信コイルr_(1),r_(2)の各々に対して設けるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 そして、本願発明の効果も、引用発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎない。 したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 なお、審判請求人は、平成30年12月14日に提出された意見書において、「請求項1に係る発明においては、検知精度の低下を招くことなく、一対の車軸検知子の間隔を変更することができます。このため、例えば各境界における列車の平均通過速度に応じて、そこに設置される車軸検知器の一対の車軸検知子の間隔を調整することが可能であり、これによって、各境界における車軸の通過及び通過方向を安定かつ精度よく検知することができます。このような効果は、引用文献1に記載の発明では得られません。」と主張している。 しかしながら、審判請求人が主張する本願発明の効果は、出願当初明細書等には一切記載がなく、新たな技術的事項を導入するおそれがあるものであるところ、仮に、本願発明が「検知精度の低下を招くことなく、一対の車軸検知子の間隔を変更することができ」るという効果を奏するものであるとしても、かかる効果は、周知技術の一対の車軸検知子の構造、作用又は機能から当業者が予測し得るものにすぎない。 よって、審判請求人の上記主張は採用できない。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明については検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2018-12-28 |
結審通知日 | 2019-01-08 |
審決日 | 2019-01-21 |
出願番号 | 特願2013-166999(P2013-166999) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(B61L)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 倉橋 紀夫、高田 元樹 |
特許庁審判長 |
藤井 昇 |
特許庁審判官 |
柿崎 拓 佐々木 芳枝 |
発明の名称 | 列車検知装置 |
代理人 | 西山 春之 |
代理人 | 奥山 尚一 |
代理人 | 小川 護晃 |