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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  C08F
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C08F
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C08F
管理番号 1349681
異議申立番号 異議2018-700522  
総通号数 232 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-04-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-06-26 
確定日 2019-01-25 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6252714号発明「アクリル変性アルキド樹脂及び無機材料薄膜下塗り用コーティング剤」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6252714号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-8〕について訂正することを認める。 特許第6252714号の請求項3ないし8に係る特許を維持する。 特許第6252714号の請求項1及び2にに係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6252714号の請求項1ないし8に係る発明についての出願は、2017年(平成29年)2月23日(優先権主張 平成28年3月10日、日本国)の国際出願であって、平成29年12月8日にその特許権の設定登録がされ、同年12月27日に特許掲載公報が発行され、その後、平成30年6月26日に特許異議申立人 松本 聡子(以下「申立人」という。)により、特許異議の申立てがされたものである。
本件特許異議の申立てにおける手続の経緯は、以下のとおりである。

平成30年 6月26日 特許異議申立書
9月28日付け 取消理由通知書
11月13日 意見書、訂正請求書
11月27日付け 通知書(訂正請求があった旨の通知)
12月20日 意見書(申立人)(参考資料1を添付)

申立人の証拠方法は、以下のとおりである。
甲第1号証:特公昭49-17436号公報
甲第2号証:特開平1-289829号公報
甲第3号証:特開平4-339822号公報
甲第4号証:特開2011-21152号公報
以下、甲第1号証ないし甲第4号証を、「甲1」ないし「甲4」という。

また、平成30年12月20日に提出された意見書に添付された参考資料1は、以下のとおりである。
参考資料1:特開2012-67162号公報

第2 訂正の請求について
1 訂正の内容
平成30年11月13日に提出された訂正請求書による訂正(以下、「本件訂正」という。)の請求は、本件特許の特許請求の範囲を上記訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-8〕について訂正することを求めるものであり、その内容は、以下のとおりである。 下線は、訂正箇所を示す。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を削除する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に、「請求項1又は2に記載のアクリル変性アルキド樹脂と、(メタ)アクリレート化合物(X)とを必須の成分として含有する硬化性組成物。」とあるのを、「分子構造中に不飽和結合を有し、油長が10?80の範囲であるアルキド樹脂(A)と、分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマー(B)とを必須の構成成分とする共重合体であって、前記分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマー(B)が、(メタ)アクリレートモノマーと芳香族ビニルモノマーとを必須の成分とし、前記分子構造中に不飽和結合を有するアルキド樹脂(A)と、前記分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマー(B)との質量比[(A)/(B)]が50/50?90/10の範囲であるアクリル変性アルキド樹脂と、(メタ)アクリレート化合物(X)とを必須の成分として含有する硬化性組成物。」に訂正する。

本件訂正前の請求項2ないし請求項8は、訂正前の請求項1を直接的又は間接的に引用するものであるから、本件訂正前の請求項1ないし8は、一群の請求項であり、本件訂正請求は、一群の請求項〔1-8〕に対して請求されたものである。

2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否

(1)訂正事項1及び訂正事項2は、訂正前の請求項1及び請求項2の各項に記載されたそれぞれ全てを削除するものであるから、いずれも特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められる。
また、当該訂正事項1及び2は、新規事項の追加に該当せず、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(2)訂正事項3は、訂正前の請求項3で引用していた請求項1又は2に記載された事項のうち、請求項2を引用しないものとし、請求項1に記載された事項のうち「前記子構造」とあったのを「前記分子構造」と誤記を訂正した上で書き下し、独立項形式に改めたものである。
したがって、当該訂正事項3は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであり、さらに、誤記の訂正を目的とするものであると認められる。
また、当該訂正事項3は、新規事項の追加に該当せず、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

3 小括
したがって、上記訂正事項1ないし3は、いずれも特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第2号、又は第4号に掲げる事項を目的とするものであり、同条第4項に適合するとともに、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
よって、結論のとおり、本件訂正を認める。

第3 本件発明
前記第2で述べたとおり、本件訂正は認められるので、本件特許の請求項1ないし8に係る発明(以下、「本件発明1」ないし「本件発明8」という。)は、本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。


【請求項1】(削除)
【請求項2】(削除)
【請求項3】
分子構造中に不飽和結合を有し、油長が10?80の範囲であるアルキド樹脂(A)と、分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマー(B)とを必須の構成成分とする共重合体であって、前記分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマー(B)が、(メタ)アクリレートモノマーと芳香族ビニルモノマーとを必須の成分とし、前記分子構造中に不飽和結合を有するアルキド樹脂(A)と、前記子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマー(B)との質量比[(A)/(B)]が50/50?90/10の範囲であるアクリル変性アルキド樹脂と、(メタ)アクリレート化合物(X)とを必須の成分として含有する硬化性組成物。
【請求項4】
請求項3記載の硬化性組成物の硬化物。
【請求項5】
請求項3記載の硬化性組成物を用いてなる無機材料薄膜下塗り用コーティング剤。
【請求項6】
無機材料薄膜の厚さが30nm?3μmの範囲である請求項5記載の無機材料薄膜下塗り用コーティング剤。
【請求項7】
無機材料薄膜が真空蒸着又はスパッタリングにて形成されたものである請求項5記載の無機材料薄膜下塗り用コーティング剤。
【請求項8】
請求項5記載の無機材料薄膜下塗り用コーティング剤からなる下塗り層を有する成形体。」

第4 取消理由の概要

1 取消理由通知に記載した取消理由
訂正前の請求項1ないし8に係る特許に対して、当審が平成30年9月28日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は次のとおりである。

(1)取消理由1(新規性)及び2(進歩性)
請求項1に係る発明は、甲1、甲2又は甲3に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものであり、請求項2に係る発明は、甲2又は甲3に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものであり、請求項2に係る発明は、甲1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。
よって、請求項1及び2に係る発明についての特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。

(2)取消理由3(明確性)
請求項1ないし8に係る発明は、特許請求の範囲が、特許法第36条第6項第2号に適合するものではない。
よって、これらの発明に係る特許は、特許法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。

2 特許異議申立書(以下、「申立書」という。)に記載した取消理由
(1)請求項1及び2に係る発明は、甲1ないし甲3に記載された発明であり、また、甲1ないし甲3に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、また特許法第29条第2項の規定により特許をうけることができないものである。
よって、請求項1及び2に係る発明についての特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである(以下、「取消理由4」という)。

(2)請求項3ないし8に係る発明は、甲1ないし甲4に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
よって、これらの発明に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである(以下、「取消理由5」という)。

第5 当審の判断

1 取消理由通知に記載した取消理由について
(1)取消理由1及び2について
上記第2に述べたとおり、請求項1及び請求項2は削除されたから、取消理由1及び2は、対象となる請求項が存在しない。
よって、取消理由1及び2は、理由がない。

(2)取消理由3について
取消理由3は、訂正前の請求項1の「子構造」なる記載の意味するところが不明であるから、請求項1は明確でなく、請求項1を直接的又は間接的に引用する請求項2ないし8も同様である、というものである。
これに対して、請求項1及び請求項2については、これらの請求項は削除された。
また、請求項3ないし8については、本件訂正により「子構造」は「分子構造」と改められた。
よって、取消理由3は解消した。

2 取消理由通知で採用しなかった、申立書に記載した取消理由について
(1)取消理由4のうち、請求項2に係る発明は、甲1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものである、という取消理由(以下、「取消理由4-1」という。)について

上記第2に述べたとおり、請求項2は削除されたから、取消理由4-1は、対象となる請求項が存在しない。
よって、取消理由4-1は、理由がない。

(2)取消理由5について

ア 甲1ないし甲3に記載された発明及び甲4に記載された事項
甲1には、第8欄21?42行、第19欄12行?第20欄28行の記載から、以下の発明が記載されていると認められる。
「精製大豆油およびペンタエリスリトールをエステル交換反応したのち、6-メチル-ビシクロ(2・2・1)-5-へプテン-2・3-ジカルボン酸を反応させて得た油長約55%の油変性アルキド樹脂をミネラルターペンで希釈して樹脂分50%とした溶液700部と、スチレン50部、アクリル酸エチル70部、及びアクリル酸ブチル30部をかき混ぜ反応させて得たグラフト樹脂を含む、樹脂ワニス。」(以下、「甲1’発明」という。)

甲2には、3頁右下欄3?11行、4頁右上欄2?14行、第5頁左上欄1?4行、第1表、第2表の記載から、以下の発明が記載されていると認められる。
「大豆油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、無水フタル酸を反応させて得られた油長50の原料アルキド樹脂600g(固形分)と、スチレン200g、メタクリル酸メチル100g、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル80g、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート20gを反応させて製造したビニル変性アルキド樹脂を含む塗料。」(以下「甲2’発明」という。)

甲3には、【0015】、【0019】、【0025】?【0028】の記載から、以下の発明が記載されていると認められる。
「大豆油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、無水フタル酸を反応させて得た油長50の油変性アルキド樹脂600g(固型分)と、スチレン120g、メタクリル酸メチル100g、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル80g、ダイアセトンアクリルアミド100gを反応させて製造したビニル変性アルキド樹脂を含む塗料。」(以下「甲3’発明」という。)

甲4には、以下の記載がある。
(ア)「【請求項1】
塗膜形成成分と、光重合開始剤と、溶剤とを含む、金属薄膜の下塗り用の活性エネルギー線硬化型塗料組成物において、
前記塗膜形成成分は、スチレン単量体、アルキロール(メタ)アクリルアミド単量体、および(メタ)アクリロイル単量体を含む単量体混合物を共重合して得られる、ガラス転移点が-60?20℃である共重合体(A)と、活性エネルギー線硬化性化合物(B)とを含有し、
かつ前記塗膜形成成分は、アミン価が15?200mgKOH/gであることを特徴とする活性エネルギー線硬化型塗料組成物。」

(イ)「【発明が解決しようとする課題】
・・・
【0007】
本発明は上記事情を鑑みてなされたもので、ポットライフが制限されにくい1液型でありながら貯蔵安定性に優れ、かつ基材との密着性、および耐熱性に優れた塗膜を形成できる活性エネルギー線硬化型塗料組成物、および耐熱性光輝部品の提供を目的とする。」

(ウ)「【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ポットライフが制限されにくい1液型でありながら貯蔵安定性に優れ、かつ基材との密着性、および耐熱性に優れた塗膜を形成できる活性エネルギー線硬化型塗料組成物、および耐熱性光輝部品が得られる。
また、本発明の耐熱性光輝部品は、耐熱性に優れる。」

(エ)「【0028】
(活性エネルギー線硬化性化合物(B))
活性エネルギー線硬化性化合物(B)(以下、「(B)成分」という場合がある。)としては、分子内に少なくとも3個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましい。(メタ)アクリロイル基が3個未満であると、塗料組成物より形成される塗膜の耐熱性が低下する傾向にある。従って、分子内に3個未満の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を用いる場合は、その含有量が(B)成分100質量%中、30質量%以下となるように用いるのが好ましい。」

イ 対比・判断
(ア)本件発明3について
a 本件発明3と甲1’発明とを対比する。
甲1’発明の「精製大豆油およびペンタエリスリトールをエステル交換反応したのち、6-メチル-ビシクロ(2・2・1)-5-へプテン-2・3-ジカルボン酸を反応させて得た油長約55%の油変性アルキド樹脂」は、精製大豆油及び6-メチル-ビシクロ(2・2・1)-5-へプテン-2・3-ジカルボン酸由来の不飽和結合を有すると解されることから、本件発明3の「分子構造中に不飽和結合を有し、油長が10?80の範囲であるアルキド樹脂(A)」に相当する。
また、甲1’発明の「スチレン」は、本件発明3の「芳香族ビニルモノマー」に相当し、甲1’発明の「アクリル酸エチル」及び「アクリル酸ブチル」はいずれも、本件発明3の「(メタ)アクリレートモノマー」に相当する。そして、これら「スチレン」、「アクリル酸エチル」及び「アクリル酸ブチル」はいずれも、本件発明3の「分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマー(B)」に相当する。
そして、甲1’発明の「油変性アルキド樹脂をミネラルターペンで希釈して樹脂分50%とした溶液700部」中の「油変性アルキド樹脂」と、「スチレン50部、アクリル酸エチル70部、及びアクリル酸ブチル30部」との量比は「70/30」と計算され、本件発明3の「分子構造中に不飽和結合を有するアルキド樹脂(A)」と、「分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマー(B)」との質量比である「50/50?90/10」の範囲に包含される。
さらに、甲1’発明の樹脂ワニスは、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルトを加えることにより、付着性、耐候性にすぐれた塗膜が得られる(第20欄17?20行)ものであることから「硬化性」であると解され、また、少なくとも「グラフト樹脂」と「油変性アルキド樹脂をミネラルターペンで希釈して樹脂分50%とした溶液」に由来する「ミネラルターペン」を含んでいることから、「組成物」であるといえる。
してみると、本件発明3と甲1’発明とは、
「分子構造中に不飽和結合を有し、油長が10?80の範囲であるアルキド樹脂と、分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマーとを構成成分とする共重合体であって、前記分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマーが、(メタ)アクリレートモノマーと芳香族ビニルモノマーとを成分とし、前記分子構造中に不飽和結合を有するアルキド樹脂と、前記分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマーとの質量比が50/50?90/10の範囲である樹脂を含有する硬化性組成物。」
である点で一致し、少なくとも以下の点で相違する。

(相違点1)
「硬化性組成物」につき、本件発明3では、(メタ)アクリレート化合物(X)を必須の成分として含有するのに対して、甲1’発明では、この点についての特定がない点。

(相違点2)
「分子構造中に不飽和結合を有し、油長が10?80の範囲であるアルキド樹脂と、分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマーとを構成成分とする共重合体」につき、本件発明3では、「アクリル変性アルキド樹脂」であるのに対して、甲1’発明では、「グラフト樹脂」である点。

上記相違点について検討する。
(相違点1)について
(a)甲1には、アルキド樹脂をビニル単量体で変性するにあたり、グラフト効率が悪くビニル単量体相互の重合物が生成される傾向がある、高縮合度の樹脂が得られず生成樹脂の分子量が低い、グラフト重合させるビニル単量体は制限を受ける等の欠陥を除去するという課題が記載され、また、脂環式不飽和化合物により、アルキド樹脂の硬化性、耐汚染性、耐溶剤性、耐薬品性、光沢、耐候性、耐水性などを大きく向上させ、これをビニル単量体でグラフト重合することにより、さらにこれらの性能を向上させることができるという効果が奏されることが記載されている(第2欄22行?第3欄42行)。
甲1には、甲1’発明の樹脂ワニスに、さらに他のモノマーを配合することについては何ら記載されておらず、ましてや、(メタ)アクリレート化合物を配合することについては、何ら記載されていない。

(b)甲4には、ポットライフが制限されにくい1液型でありながら貯蔵安定性に優れ、かつ基材との密着性、および耐熱性に優れた塗膜を形成できるという事項を課題とした、金属薄膜の下塗り用のエネルギー線硬化型塗料組成物が記載されている(記載事項(ア)及び(イ))。
そして、当該エネルギー線硬化型塗料組成物は、塗膜形成成分と、光重合開始剤と、溶剤とを含み、前記塗膜形成成分は、スチレン単量体、アルキロール(メタ)アクリルアミド単量体、および(メタ)アクリロイル単量体を含む単量体混合物を共重合して得られる、ガラス転移点が-60?20℃である共重合体(A)と、活性エネルギー線硬化性化合物(B)とを含有すること、活性エネルギー線硬化性化合物(B)としては、分子内に少なくとも3個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましいことも記載されている(記載事項(ア)及び(エ))。
さらに、甲4には、上記エネルギー線硬化型塗料組成物により、ポットライフが制限されにくい1液型でありながら貯蔵安定性に優れ、かつ基材との密着性、および耐熱性に優れた塗膜を得るという効果が奏されることが記載されている(記載事項(ウ))。

(c)確かに甲4には、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を配合することは記載されているが、これはあくまで、スチレン単量体、アルキロール(メタ)アクリルアミド単量体、および(メタ)アクリロイル単量体を含む単量体混合物を共重合して得られる、ガラス転移点が-60?20℃である共重合体に対して配合するものある。
一方、甲1’発明は、「スチレン単量体、アルキロール(メタ)アクリルアミド単量体、および(メタ)アクリロイル単量体を含む単量体混合物を共重合して得られる、ガラス転移点が-60?20℃である共重合体」を含むものではない。また、活性エネルギー線硬化型のものでもなく、活性エネルギー線硬化型の塗料組成物における、貯蔵安定性、基材との密着性、耐熱性についての課題を有するものでもなく、そのような特性についての効果を記載したものでもない。

(d)してみると、甲1’発明において、さらに(メタ)アクリレート化合物を配合する動機付けはないし、また甲4をみても、甲1’発明において、樹脂ワニスに(メタ)アクリレート化合物を配合する動機付けはない。
また、甲2又は甲3に記載された事項を併せ考えても、甲1’発明において、さらに(メタ)アクリレート化合物を配合することの動機付けはない。
したがって、上記相違点1に係る事項は、当業者が容易に想到し得たものではない。
よって、相違点2について検討するまでもなく、本件発明3は、甲1’発明及び甲2、甲3又は甲4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

b 本件発明3と甲2’発明とを対比する。
甲2’発明の、「大豆油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、無水フタル酸を反応させて得られた油長50の原料アルキド樹脂」は、大豆油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸及び無水フタル酸由来の不飽和結合を有すると解されることから、本件発明3の、「分子構造中に不飽和結合を有し、油長が10?80の範囲であるアルキド樹脂」に相当する。
また、甲2’発明の「スチレン」は、本件発明3の「芳香族ビニルモノマー」に相当し、甲2’発明の「メタクリル酸メチル」、「メタクリル酸2-ヒドロキシエチル」及び「アシツドホスホオキシエチルメタクリレート」は、いずれも本件発明3の「(メタ)アクリレートモノマー」に相当する。そして、これら「スチレン」、「メタクリル酸メチル」、「メタクリル酸2-ヒドロキシエチル」及び「アシツドホスホオキシエチルメタクリレート」は、いずれも、本件発明3の「分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマー」に相当する。
そして、甲2’発明の「原料アルキド樹脂600g(固形分)」と、「スチレン200g」、「メタクリル酸メチル100g」、「メタクリル酸2-ヒドロキシエチル80g」、「アシツドホスホオキシエチルメタクリレート20g」との量比は「60/40」と計算され、本件発明3の「分子構造中に不飽和結合を有するアルキド樹脂(A)」と、「分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマー(B)」との質量比である「50/50?90/10」の範囲に包含される。
さらに、甲2’発明の「塗料」は、塗膜を形成すること(5頁左上欄1?12行、第1表)及び「油長が30未満では硬化性が劣る」旨の記載(2頁左下欄15行)からみて、「硬化性」であると解され、また、「塗料」は、塗料として周知の他の成分も配合することは明らかであるから、「組成物」であるといえる。
してみると、本件発明3と甲2’発明とは、
「分子構造中に不飽和結合を有し、油長が10?80の範囲であるアルキド樹脂と、分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマーとを構成成分とする共重合体であって、前記分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマーが、(メタ)アクリレートモノマーと芳香族ビニルモノマーとを成分とし、前記分子構造中に不飽和結合を有するアルキド樹脂と、前記分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマーとの質量比が50/50?90/10の範囲である樹脂を含有する硬化性組成物。」
である点で一致し、少なくとも以下の点で相違する。

(相違点3)
「硬化性組成物」につき、本件発明3では、(メタ)アクリレート化合物(X)を必須の成分として含有するのに対して、甲2’発明では、この点についての特定がない点。

(相違点4)
「分子構造中に不飽和結合を有し、油長が10?80の範囲であるアルキド樹脂と、分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマーとを構成成分とする共重合体」につき、本件発明3では、「アクリル変性アルキド樹脂」であるのに対して、甲2’発明では、「ビニル変性アルキド樹脂」である点。

上記相違点について検討する。
(相違点3)について
(a)甲2には、乾燥性、防水性、防錆性に優れたビニル変性アルキド樹脂の製造法を提供することを課題とすること(1頁右下欄20行?2頁左上欄2行)、当該ビニル変性アルキド樹脂により、従来のビニル変性アルキド樹脂を用いたものに比べて防錆性及び耐湿潤性が改良された塗膜を生じるという効果が奏されることが記載されている(6頁左上欄1?5行)。
甲2には、甲2’発明の塗料に、さらに他のモノマーを配合することについては何ら記載されておらず、ましてや、(メタ)アクリレート化合物を配合することについては、何ら記載されていない。

(b)甲4には、上記a(b)で述べた事項が記載されている。

(c)確かに甲4には、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を配合することは記載されているが、これはあくまで、スチレン単量体、アルキロール(メタ)アクリルアミド単量体、および(メタ)アクリロイル単量体を含む単量体混合物を共重合して得られる、ガラス転移点が-60?20℃である共重合体に対して配合するものある。
一方、甲2’発明は、「スチレン単量体、アルキロール(メタ)アクリルアミド単量体、および(メタ)アクリロイル単量体を含む単量体混合物を共重合して得られる、ガラス転移点が-60?20℃である共重合体」を含むものではない。また、活性エネルギー線硬化型のものでもなく、活性エネルギー線硬化型の塗料組成物における、貯蔵安定性、基材との密着性、耐熱性についての課題を有するものでもなく、そのような特性についての効果を記載したものでもない。

(d)してみると、甲2’発明において、さらに(メタ)アクリレート化合物を配合する動機付けはないし、また甲4をみても、甲2’発明において、塗料に(メタ)アクリレート化合物を配合する動機付けはない。
また、甲1又は甲3に記載された事項を併せ考えても、甲2’発明において、さらに(メタ)アクリレート化合物を配合することの動機付けはない。
したがって、上記相違点3に係る事項は、当業者が容易に想到し得たものではない。
よって、相違点4について検討するまでもなく、本件発明3は、甲2’発明及び甲1、3、又は、甲4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

c 本件発明3と甲3’発明とを対比する。
甲3’発明の「大豆油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、無水フタル酸を反応させて得た油長50の油変性アルキド樹脂」は、大豆油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸及び無水フタル酸由来の不飽和結合を有すると解されることから、本件発明3の、「分子構造中に不飽和結合を有し、油長が10?80の範囲であるアルキド樹脂」に相当する。
また、甲3’発明の「スチレン」は本件発明3の「芳香族ビニルモノマー」に相当し、甲3’発明の「メタクリル酸メチル」、「メタクリル酸2-ヒドロキシエチル」は、いずれも本件発明3の「(メタ)アクリレートモノマー」に相当する。そして、これら「スチレン」、「メタクリル酸メチル」、「メタクリル酸2-ヒドロキシエチル」及び甲3’発明の「ダイアセトンアクリルアミド」は、いずれも、本件発明3の「分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマー」に相当する。
そして、甲3’発明の「原料アルキド樹脂600g(固形分)」と、「スチレン120g」、「メタクリル酸メチル100g」、「メタクリル酸2-ヒドロキシエチル80g」、「ダイアセトンアクリルアミド100g」との量比は、「60/40」と計算され、本件発明3の「分子構造中に不飽和結合を有するアルキド樹脂(A)」と、「分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマー(B)」との質量比である「50/50?90/10」の範囲に包含される。
さらに、甲3’発明の塗料は、塗膜を形成すること(【0025】)及び「油長が30未満では硬化性が劣る」旨の記載(【0007】)からみて、「硬化性」であると解され、また、「塗料」は、塗料として周知の他の成分も配合することは明らかであるから、「組成物」であるといえる。
してみると、本件発明3と甲3’発明とは、
「分子構造中に不飽和結合を有し、油長が10?80の範囲であるアルキド樹脂と、分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマーとを構成成分とする共重合体であって、前記分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマーが、(メタ)アクリレートモノマーと芳香族ビニルモノマーとを成分とし、前記分子構造中に不飽和結合を有するアルキド樹脂と、前記分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマーとの質量比が50/50?90/10の範囲である樹脂を含有する硬化性組成物。」
である点で一致し、少なくとも以下の点で相違する。

(相違点5)
「硬化性組成物」につき、本件発明3では、(メタ)アクリレート化合物(X)を必須の成分として含有するのに対して、甲3’発明では、この点についての特定がない点。

(相違点6)
「分子構造中に不飽和結合を有し、油長が10?80の範囲であるアルキド樹脂と、分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマーとを構成成分とする共重合体」につき、本件発明3では、「アルキル変性アルキド樹脂」であるのに対して、甲3’発明では、「ビニル変性アルキド樹脂」である点。

上記相違点について検討する。
(相違点5について)
(a)甲3には、乾燥性、防水性、防錆性に優れたビニル変性アルキド樹脂の製造法及び塗料を提供することを課題とすること(【0003】)、当該ビニル変性アルキド樹脂により、従来のビニル変性アルキド樹脂を用いたものに比べて防錆性及び耐湿潤性が改良された塗膜を生じるという効果が奏されることが記載されている(【0029】)。
甲3には、甲3’発明の塗料に、さらに他のモノマーを配合することについては何ら記載されておらず、ましてや、(メタ)アクリレート化合物を配合することについては、何ら記載されていない。

(b)甲4には、上記a(b)で述べた事項が記載されている。

(c)確かに甲4には、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を配合することは記載されているが、これはあくまで、スチレン単量体、アルキロール(メタ)アクリルアミド単量体、および(メタ)アクリロイル単量体を含む単量体混合物を共重合して得られる、ガラス転移点が-60?20℃である共重合体に対して配合するものある。
一方、甲3’発明は、「スチレン単量体、アルキロール(メタ)アクリルアミド単量体、および(メタ)アクリロイル単量体を含む単量体混合物を共重合して得られる、ガラス転移点が-60?20℃である共重合体」を含むものではない。また、活性エネルギー線硬化型のものでもなく、活性エネルギー線硬化型の塗料組成物における、貯蔵安定性、基材との密着性、耐熱性についての課題を有するものでもなく、そのような特性についての効果を記載したものでもない。

(d)してみると、甲3’発明において、さらに(メタ)アクリレート化合物を配合する動機付けはないし、また甲4をみても、甲3’発明において、塗料に(メタ)アクリレート化合物を配合する動機付けはない。
また、甲1又は甲2に記載された事項を併せ考えても、甲3’発明において、さらに(メタ)アクリレート化合物を配合することの動機付けはない。
したがって、上記相違点5に係る事項は、当業者が容易に想到し得たものではない。
よって、相違点6について検討するまでもなく、本件発明3は、甲3’発明及び甲1、2、又は、甲4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

d 以上のとおりであるから、本件発明3は、甲1ないし甲4に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(イ)本件発明4ないし8について
本件発明4ないし8は、本件発明3を、直接的又は間接的に引用するものである。
そして、本件発明3が、甲1ないし甲4に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではないことは、上記(ア)に述べたとおりである。
してみると、本件発明4ないし8も、甲1ないし甲4に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ ここで、申立書には、次の主張がある。
「当業者であれば、塗膜を硬化させるために、甲第1号証に記載の金属ドライヤを用い酸化重合により硬化させる方法に代えて、甲第4号証に記載の活性エネルギー線硬化性化合物を用い光硬化させる方法に変更することは容易に成し得た事項である。」(申立書19頁19?22行)
しかしながら、金属ドライヤを用い酸化重合により硬化させる方法と、活性エネルギー線化合物を用い光硬化させる方法とは、互いに異なる方法であるところ、両者が変換可能であることの証拠は何ら示されておらず、また、両者が変換可能であるという本件特許出願時における技術常識もみあたらない。
そうであれば、甲1、甲2又は甲3に記載された発明において、活性エネルギー線硬化性化合物を用い光硬化させるようにすることとし、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を配合することが当業者に容易であったということはできない。
よって、上記申立人の主張は採用できない。

エ また、平成30年12月20日に提出された意見書には以下の主張がある。
「参考資料1と、甲第1号証?甲第3号証とは、ともにアルキド樹脂を含む組成物である点で共通している。また、参考資料1と、甲第2号証および甲第3号証とは、ともに金属塗装用下塗り塗料である点で共通している。
そうすると、当業者であれば、塗膜を硬化させるために、甲第1号証?甲第3号証に記載の金属ドライヤを用い酸化重合により硬化させる方法に代えて、活性エネルギー線により塗膜を硬化させるために、参考資料1に記載の(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)を用いることは容易に成し得た事項である。」(意見書3頁6?13行)
また、参考資料1には、不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステルを用いて得られる油変性アルキド樹脂(A)と、(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が記載されている(請求項1)。
ここで、申立人は意見書において、「参考資料1は、甲第4号証を補強するための資料であって、アルキド樹脂に、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を配合した活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を活性エネルギー線によって硬化させることが周知の技術であることを示す資料である。」(意見書2頁21?24行)と述べるが、参考資料1は、上記のとおり、不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステルを用いて得られる油変性アルキド樹脂(A)と、(メタ)アクリロイル基を有する単量体(B)を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を記載したものであって、アルキド樹脂を用いていない甲4とは全く異なる技術的事項を記載するものである。
そうすると、参考資料1は、甲4を補強するための資料とはいえず、新たな証拠であるといえる。
このように、参考資料1は、異議申立期間を6ヶ月間に制限した制度の趣旨からすれば、採用し難いものであるが、仮に、参考資料1を採用したとしても、上記主張は以下の理由により採用できない。
すなわち、金属ドライヤを用い酸化重合により硬化させる方法と、活性エネルギー線化合物を用い光硬化させる方法とは、互いに異なる方法であるところ、両者が変換可能であることの証拠は何ら示されておらず、また、両者が変換可能であるという本件特許出願時における技術常識もみあたらないことは、上記ウで述べたとおりである。
仮に、参考資料1と甲1?甲3とがともにアルキド樹脂を含む組成物であったとしても、また、参考資料1と、甲2及び甲3がともに金属塗装用下塗り塗料であったとしても、これらの事項によって、金属ドライヤを用い酸化重合により硬化させる方法と、活性エネルギー線化合物を用い光硬化させる方法とが変換可能であることが何ら示されるものではない。
そうであれば、甲1、甲2又は甲3に記載された発明において、参考資料1に記載された事項を採用して活性エネルギー線硬化性化合物を用い光硬化させるようにすることとし、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を配合することが当業者に容易であったということはできない。

オ よって、取消理由5は、理由がない。

3 小括
以上のとおりであるから、取消理由通知書に記載した取消理由及び申立書に記載した取消理由は、理由がない。

第6 むすび
以上のとおり、取消理由通知書に記載した取消理由及び申立書に記載した取消理由によっては、本件特許の請求項3ないし8に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許の請求項3ないし8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
さらに、請求項1及び2に係る特許は、訂正により削除されたため、本件特許の請求項1及び2に対して、申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(削除)
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
分子構造中に不飽和結合を有し、油長が10?80の範囲であるアルキド樹脂(A)と、分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマー(B)とを必須の構成成分とする共重合体であって、前記分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマー(B)が、(メタ)アクリレートモノマーと芳香族ビニルモノマーとを必須の成分とし、前記分子構造中に不飽和結合を有するアルキド樹脂(A)と、前記分子構造中に不飽和結合を有する重合性モノマー(B)との質量比[(A)/(B)]が50/50?90/10の範囲であるアクリル変性アルキド樹脂と、(メタ)アクリレート化合物(X)とを必須の成分として含有する硬化性組成物。
【請求項4】
請求項3記載の硬化性組成物の硬化物。
【請求項5】
請求項3記載の硬化性組成物を用いてなる無機材料薄膜下塗り用コーティング剤。
【請求項6】
無機材料薄膜の厚さが30nm?3μmの範囲である請求項5記載の無機材料薄膜下塗り用コーティング剤。
【請求項7】
無機材料薄膜が真空蒸着又はスパッタリングにて形成されたものである請求項5記載の無機材料薄膜下塗り用コーティング剤。
【請求項8】
請求項5記載の無機材料薄膜下塗り用コーティング剤からなる下塗り層を有する成形体。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-01-16 
出願番号 特願2017-538448(P2017-538448)
審決分類 P 1 651・ 113- YAA (C08F)
P 1 651・ 537- YAA (C08F)
P 1 651・ 121- YAA (C08F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 藤井 勲  
特許庁審判長 大熊 幸治
特許庁審判官 海老原 えい子
佐藤 健史
登録日 2017-12-08 
登録番号 特許第6252714号(P6252714)
権利者 DIC株式会社
発明の名称 アクリル変性アルキド樹脂及び無機材料薄膜下塗り用コーティング剤  
代理人 河野 通洋  
代理人 河野 通洋  
代理人 小川 眞治  
代理人 小川 眞治  

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