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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C12N
管理番号 1349885
審判番号 不服2017-19510  
総通号数 233 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-12-28 
確定日 2019-03-13 
事件の表示 特願2015-176407「標的DNAに特異的なガイドRNAおよびCASタンパク質コード核酸またはCASタンパク質を含む、標的DNAを切断するための組成物、ならびにその使用」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 2月25日出願公開、特開2016- 27807〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年10月23日(パリ条約による優先権主張 2012年10月23日 米国、2013年3月20日 米国、2013年6月20日 米国)を国際出願日とする特許出願である特願2015-538033号の一部を、平成27年9月8日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成28年10月21日 :手続補正書の提出
平成28年12月12日付け:拒絶理由通知書
平成29年 6月20日 :意見書、手続補正書、手続補足書(参考試
料1-17)の提出
平成29年 8月22日付け:拒絶査定
平成29年12月28日 :審判請求書、手続補正書の提出
平成30年 2月15日 :審判請求書を対象とする手続補正書(方式
)の提出
平成30年 2月16日 :手続補足書(参考資料18-33)の提出


第2 平成29年12月28日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成29年12月28日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)

「【請求項1】
(i)標的DNAに特異的なガイドRNA、もしくはガイドRNAをコードするDNA、および
(ii)Cas9タンパク質コード核酸もしくはCas9タンパク質
を含有する、真核細胞または真核生物中の標的DNAを切断するための組成物であって、ガイドRNAが
(a)標的DNAとハイブリダイズするCRISPR RNA(crRNA)およびトランス活性化crRNA(tracrRNA)、または
(b)tracrRNA配列に融合したcrRNA配列を含み、かつ標的DNAとハイブリダイズする一本鎖RNA(sgRNA)
を含み、標的DNAが真核細胞のDNAであり、切断が標的DNAにindelを誘発する、上記組成物。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、平成29年6月20日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。

「【請求項1】
(i)標的DNAに特異的なガイドRNA、もしくはガイドRNAをコードするDNA、および
(ii)Cas9タンパク質コード核酸もしくはCas9タンパク質
を含有する、真核細胞または真核生物中の標的DNAを切断するための組成物であって、ガイドRNAが
(a)標的DNAとハイブリダイズするCRISPR RNA(crRNA)およびトランス活性化crRNA(tracrRNA)、または
(b)tracrRNA配列に融合したcrRNA配列を含み、かつ標的DNAとハイブリダイズする一本鎖RNA(sgRNA)
を含み、標的DNAが真核細胞のDNAである、上記組成物。」

2 補正の適否
本件補正は、補正前の請求項1に記載された「標的DNAを切断するための組成物」に係る発明を特定するために必要な事項である「切断」について、上記のとおり限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献の記載
ア 引用文献1
原査定で引用された、本願の第1優先日(2012年10月23日)前に頒布された刊行物である、引用文献1(Science, Aug 2012, Vol.337, p.816-821, Supplementary Materials)は、「細菌の獲得免疫におけるデュアルRNA誘導性のプログラム可能なDNAエンドヌクレアーゼ」と題する学術論文であって、以下の事項が記載されている。なお、英文であるから当審による訳文を記載する。

(ア-1)「クラスター化等間隔短鎖回分リピート(CRISPR)/CRISPR関連(Cas)系は、侵入する核酸の抑制を誘導するために、CRISPR RNA(crRNA)を利用するウイルスやプラスミドに対する獲得免疫を、細菌や古細菌に提供するものである。ここで私たちは、この系の一部分において、成熟crRNAが、トランス活性化crRNA(tracrRNA)と塩基対を組むことで、標的DNAに二本鎖切断を導入するようにCRISPR関連タンパク質Cas9を誘導する2つのRNAからなる構造を形成することを示す。・・・このデュアル-tracrRNA:crRNAは、一本鎖RNAキメラとして設計されたときも、配列特異的なCas9による二本鎖DNA切断を誘導する。私たちの研究は、部位特異的DNA切断のためにデュアル-RNAを使用するエンドヌクレアーゼのファミリーを明らかにし、RNAでプログラム可能なゲノム編集のためにこのシステムを利用する可能性を強調する。」(要約)

(ア-2)「ここで私たちは、II型の系において、Cas9タンパク質が、標的二本鎖DNAを切断するために、活性化tracrRNAと標的指向crRNAの間の塩基対構造を必要とする酵素ファミリーを構成するものであることを示す。位置特異的切断は、標的であるプロトスペーサーDNAとcrRNAの間の塩基対を形成する相補性と、標的DNAの領域に並置される短いモチーフ[プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)と呼ばれる]により定められる場所で生じる。」(第816頁中欄第25行?第35行)

(ア-3)「私たちは、成熟crRNA単独では、Cas9に触媒されるプラスミドDNAの切断を導けないことを発見した。・・・しかしながら、crRNAのリピート配列と対を形成し、この系においてcrRNAの成熟に必要不可欠であるtracrRNAを追加することが、Cas9がプラスミドDNAを切断することの引き金となった。」(第816頁右欄第19行?第25行)

(ア-4)「私たちは、標的認識配列を5’末端に含み、その下流にtracrRNAとcrRNAの間に生じる塩基対相互作用を保持するヘアピン構造を含む2つのバージョンのキメラRNAを設計した。・・・プラスミドDNAを用いた切断アッセイにおいて、長い方のキメラRNAは、切断tracrRNA:crRNA複合体を用いた場合に観察された場合と同じような挙動でCas9によるDNA切断を誘導できることを観察によって確認した。」(第820頁左欄第5行?第18行)

(ア-5)「図5 Cas9は、tracrRNAとcrRNAの特徴を組み合わせた単一のエンジニアリングされたRNA分子を使用して、プログラムすることができる。(A)(上)II型CRISPR/Casシステムにおいて、Cas9は、活性化しているtracrRNA及び標的化crRNAにより形成される2つのRNA構造により誘導されて、部位特異的に標的となった二本鎖DNAを切断する。(下)crRNAの3’末端をtracrRNAの5’末端に融合することにより生成されたキメラRNA。




(ア-6)「ジンク-フィンガーヌクレアーゼや転写活性化様エフェクターヌクレアーゼは、ゲノムを操作するために設計された人工酵素として、大きな関心を集めた。私たちは、遺伝子ターゲティングとゲノム編集への応用に向けた大きな潜在能力をもたらし得るRNAによりプログラムされたCas9に基づく代替的な手法を提案する。」(第820頁右欄第2行?第9行)

(ア-7)「プラスミドDNA切断アッセイ
・・・
未処理の、あるいは制限酵素処理により鎖状化されたプラスミドDNA(300ng(?8nM))は、精製されたCas9タンパク質(50-500nM)とtracrRNA:crRNA複合体(50-500nM, 1:1)とともに、Cas9プラスミド切断緩衝液(20mM HEPES pH7.5, 150mM KCL, 0.5mM DTT, 0.1mM EDTA)中で、10mM MgCl_(2)を加えて、あるいは加えずに、37℃で60分間インキュベートした。」(SUPPLEMENTARY MATERIALS AND METHODS)

イ 周知例1
同じく本願の第1優先日前に頒布された刊行物である、Gene Therapy, 2008, Vol.15, p.1463-1468は、ゲノム編集技術の1つであるジンク-フィンガーヌクレアーゼ(ZFN)に関する総説であって、以下の事項が記載されている。なお、英文であるから当審による訳文を記載する。

(イ-1)「ZFN誘導性切断は、2つの異なる様式の遺伝子編集に用いることができる。つまり、相同組換えと非相同末端結合(NHEJ)である。NHEJはしばしば不正確で、局所的な挿入や欠失を生じるものであるが、遺伝子を不活性化することが目的であるケースにおいては十分であり得る。」(第1463頁右欄下から11行?下から6行)

(イ-2)「公表された報告は、種々の生物の内因性染色体における、成功したZFN誘導性の14遺伝子のターゲティングについて述べている。哺乳類細胞で6遺伝子、ゼブラフィッシュで3遺伝子、ショウジョウバエで3遺伝子、線虫と植物細胞で1遺伝子ずつである。」(第1464頁右欄第1行?第5行)

ウ 周知例2
同じく本願の第1優先日前に頒布された刊行物である、Methods, 2011, Vol.53, p.339-346には、以下の事項が記載されている。なお、英文であるから当審による訳文を記載する。

(ウ-1)「相同組換えのより高い効率が、ジンク-フィンガーヌクレアーゼ(ZFNs)に基づく技術を用いることにより達成される。ZFNは、あらかじめ定められたゲノムの位置において、DNA二本鎖切断(DSBs)を引き起こす分子はさみである。・・この酵素的に誘導されるDSBは、短い挿入や欠失につながり、誤りが生じやすい非相同末端結合(NHEJ)か、外因性ドナーDNAと標的位置の間の相同組換えに基づく相同性指向修復(HDR)により修復され得る。・・・典型的には、ZFN誘導性のDSBは、相同組換えの効率を数千倍に高める。全体では、ZFNテクノロジーは、ショウジョウバエ、植物、ゼブラフィッシュ、ラット、そして、マウスあるいはヒトの多能性幹細胞を含め10以上の生物にうまく適用された。」(第339頁右欄最終段落?第340頁左欄下から3行)

エ 周知例3
同じく本願の第1優先日前に頒布された刊行物である、Nature Biotechnology, 2011, Vol.29, p.143-148には、以下の事項が記載されている。なお、英文であるから当審による訳文を記載する。

(エ-1)「これらの結果は、TALEヌクレアーゼキメラ(TALENs)の選択的ゲノム切断のため位置特異的エンドヌクレアーゼとしての潜在的な利用に関する関心に拍車をかけた。ここでは私たちは、内因性遺伝子の効率的な修復を仲介できるTALENの開発を報告する。まず、私たちは、標的とされたエピソーマルレポーターと内因性遺伝子の制御を通して、哺乳類の細胞の環境におけるTALE活性を示す」(第143頁右欄第8行?第13行)

オ 周知例4
同じく本願の第1優先日前に頒布された刊行物である、Nucleic Acids Research, 2011, Vol.39, e82には、以下の事項が記載されている。なお、英文であるから当審による訳文を記載する。

(オ-1)「結果として、TALエフェクターは、DNAターゲティングツールとして大きな関心を集めた。特に、私たちと他のグループは、ゲノム編集のためにインビボにおけるDNA二本鎖切断(DSBs)を生成するため、TALエフェクターをFokIヌクレアーゼの触媒ドメインと融合できることを示した。・・・DSBsはほぼ全ての細胞において、しばしば短い挿入や欠失をもたらし遺伝子破壊に利用され得る非相同末端結合(NHEJ)と、遺伝子の挿入や置換のために用いられ得る相同組換え(HR)という、高度に保存された2つの過程のうちのいずれかにより修復される。」(第2頁左欄第5行?第19行)

(オ-2)「私たちは、このソフトウェアにより標的化されプラスミドを用いて組み立てたTALENが酵母DNA切断アッセイにおいて活性であり、ヒト細胞とシロイヌナズナのプロトプラストにおける遺伝子ターゲティングに効果的であることを示す。」(第2頁右欄第35行?第40行)

カ 周知例5
同じく本願の第1優先日前に頒布された刊行物である、国際公開第2012/012738号には、以下の事項が記載されている。なお、英文であるから、訳文として当該刊行物の国内公表公報である特表2013-537410号公報の記載事項及び摘記箇所を示す。

(カ-1)「【請求項1】
細胞中の少なくとも1つの内因性染色体配列を編集する方法であって、
a)前記細胞内に、(i)少なくとも1つの標的化エンドヌクレアーゼであって、前記染色体配列中の標的切断部位に二本鎖切断を導入することができる、標的化エンドヌクレアーゼ、または前記標的化エンドヌクレアーゼをコードする核酸、および(ii)前記標的切断部位の少なくとも1つの側の染色体配列に対する実質的な配列同一性を有する第1の部分を含む少なくとも1つの一本鎖核酸を導入すること;ならびに
b)前記標的化エンドヌクレアーゼによって導入される前記二本鎖切断が、前記染色体配列が前記一本鎖核酸の配列と交換され、それによって前記染色体配列を編集する相同性指向プロセスによって修復される条件下に、前記細胞を維持すること
を含む、方法。
・・・
【請求項13】
前記標的化エンドヌクレアーゼが、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、メガヌクレアーゼ、転写活性化因子様エフェクター(TALE)ヌクレアーゼ、部位特異的ヌクレアーゼ、または人工標的DNA二本鎖切断誘導剤である、請求項1に記載の方法。」

(カ-2)「【0064】
(d)細胞
本方法は、上記に記載の標的化エンドヌクレアーゼ分子(複数可)および核酸(複数可)を細胞内に導入することを含む。様々な細胞が、本方法における使用に適している。概して、細胞は、真核細胞または単細胞真核生物であろう。」

(カ-3)「【0068】
(e)細胞への送達
上記に記載の標的化エンドヌクレアーゼ分子(複数可)および核酸(複数可)は、様々な手段で細胞内に導入することができる。好適な送達手段には、微量注入、エレクトロポレーション、ソノポレーション、遺伝子銃、リン酸カルシウム媒介型トランスフェクション、陽イオン性トランスフェクション、リポソームトランスフェクション、デンドリマートランスフェクション、熱ショックトランスフェクション、ヌクレオフェクショントランスフェクション、マグネトフェクション、リポフェクション、インペールフェクション、光学トランスフェクション、専有の薬剤増強型の核酸取り込み、およびリポソーム、免疫リポソーム、ビロソーム、または人工ビリオンを介する送達が含まれる。一実施形態において、標的化エンドヌクレアーゼ分子(複数可)および核酸(複数可)は、ヌクレオフェクションによって細胞内に導入することができる。別の実施形態において、標的化エンドヌクレアーゼ分子(複数可)および核酸(複数可)は、微量注入によって細胞(例えば、1細胞胚)中に導入することができる。標的化エンドヌクレアーゼ分子(複数可)および核酸(複数可)は、細胞核または細胞質中に微量注入してもよい。」

キ 周知例6
同じく本願の第1優先日前に頒布された刊行物である、特表2001-503971号には、以下の事項が記載されている。

(キ-1)「注目する遺伝子は大腸菌β-ガラクトシダーゼ・リポーター遺伝子からなり、その発現は、X-Gal(4-クロロ-5-ブロモ-3-インドリル-β-D-グラクトピラノシド)での染色により容易に検出できる。これは、その3'部分に真核細胞核局在シグナルをコードする配列を与える。組換えβ-ガラクトシダーゼの核局在により、Xgalによってもまた検出可能な宿主細胞の内生β-ガラクトシダーゼとの交差反応により生ずるバックグラウンドノイズの問題の排除が可能となり、それゆえに固定されたプラスミドからの酵素活性の特異的検出が可能となる。」(第23頁下から2行?第24頁第6行)

ク 周知例7
同じく本願の第1優先日前に頒布された刊行物である、特開平10-80274号には、以下の事項が記載されている。

(ク-1)「【請求項1】 核移行シグナル(NLS)遺伝子およびテトラサイクリン・トランスアクチベーター(tTA)遺伝子を含んでなる組み換え遺伝子。」

ケ 周知例8
同じく本願の第1優先日前に頒布された刊行物である、特表2002-538842号には、以下の事項が記載されている。

(ケ-1)「 【0147】
(核局在化シグナルの導入はtetR媒介抑制を促進する)
tetR分布が主に細胞質で観察されたので、核局在シグナル(NLS)をtetR遺伝子の3’末端に導入し、核への導入を促進し、そして結果的にtetR媒介の転写抑制を強化した。」

コ 周知例9
同じく本願の第1優先日前に頒布された刊行物である、国際公開第2011/130346号には、以下の事項が記載されている。なお、英文であるから、訳文として当該刊行物の国内公表公報である特表2013-523181号公報の記載事項及び摘記箇所を示す。

(コ-1)「【0104】
(c)細胞への送達
本方法は、標的エンドヌクレアーゼまたは標的エンドヌクレアーゼをコードする核酸およびドナーポリヌクレオチドを、細胞内に導入することを含む。適した細胞は上記(I)(c)節に詳述される。
【0105】
適した送達方法には、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、ソノポレーション、微粒子銃(biolistics)、リン酸カルシウム介在トランスフェクション(calcium phosphate-mediated transfection)、陽イオントランスフェクション、リポソームトランスフェクション、デンドリマートランスフェクション、熱ショックトランスフェクション、ヌクレオフェクショントランスフェクション、マグネトフェクション、リポフェクション、インペールフェクション(impalefection)、オプティカルトランスフェクション(optical transfection)、専売薬剤(proprietary agent)で促進された核酸の取り込み、およびリポソーム、免疫リポソーム、ビロソーム、あるいは人工ビリオンを介する送達、が挙げられる。一つの実施形態では、分子はヌクレオフェクションにより細胞内に導入することができる。別の実施形態では、分子はマイクロインジェクションにより細胞内に導入することができる。分子は、細胞の核内あるいは細胞質内にマイクロインジェクションすることができる。」

(3)引用発明
上記(ア-1)?(ア-5)、(ア-7)(特に、図5A)のとおり、引用文献1では、tracrRNAとcrRNAのデュアルRNAとCas9タンパク質を用いたCRISPR-Cas系、及び、tracrRNAとcrRNAに基づいて設計されたキメラRNAとCas9タンパク質を用いたCRISPR-Cas系により、緩衝液中でcrRNAと塩基対を形成する標的DNAが開裂されることが実験により確認されているから、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「Cas9タンパク質を含有する、緩衝液中の標的DNAを切断するための組成物であって、さらに、
(a)標的DNAとハイブリダイズするcrRNAとtracrRNAのデュアルRNA、または
(b)tracrRNA配列に融合したcrRNA配列を含み、かつ標的DNAとハイブリダイズするキメラRNA
を含み、標的DNAがプラスミドDNAである、上記組成物。」

(4)対比
本件補正発明と引用発明を対比すると、引用発明の「(a)標的DNAとハイブリダイズするcrRNAとtracrRNAのデュアルRNA」は、本件補正発明の「(a)標的DNAとハイブリダイズするCRISPR RNA(crRNA)およびトランス活性化crRNA(tracrRNA)」を含む「標的DNAに特異的なガイドRNA」に相当し、引用発明の「(b)tracrRNA配列に融合したcrRNA配列を含み、かつ標的DNAとハイブリダイズするキメラRNA」は、本件補正発明の「(b) tracrRNA配列に融合したcrRNA配列を含み、かつ標的DNAとハイブリダイズする一本鎖RNA(sgRNA)」を含む「標的DNAに特異的なガイドRNA」に相当する。
他方、本件補正発明は、「切断が標的DNAにindelを誘発する」と特定されているところ、本願明細書【0115】段落には、「RGENを含む人工ヌクレアーゼは、ヌクレアーゼによって引き起こされるDSBがエラーを起こしやすい非相同末端結合(NHEJ)によって修復される際に、標的部位に小さな挿入または欠失(indel)を誘発する」(当審注:「RGEN」は、「RNA誘導型エンドヌクレアーゼ」を意味し、「DSB」は「二本鎖切断」を意味する。)と記載されている。ここで、「非相同末端結合(NHEJ)」とは、広く細胞が有しているDNA修復機構の1つであり、細胞が有するゲノムDNAに二本鎖切断が生じた場合に、細胞に内在する酵素等により、それを修復するものである(生化学事典, 第4版, 2007年, 第1066頁)ところ、引用発明においては、標的DNAの切断は緩衝液中で生じていることから、標的DNAにindelは誘発されないと認められる。
以上のことから、本件補正発明と引用発明の一致点と相違点は、次のとおりである。

【一致点】
「(i)標的DNAに特異的なガイドRNA、および
(ii)Cas9タンパク質
を含有する、標的DNAを切断するための組成物であって、ガイドRNAが
(a)標的DNAとハイブリダイズするCRISPR RNA(crRNA)およびトランス活性化crRNA(tracrRNA)、または
(b) tracrRNA配列に融合したcrRNA配列を含み、かつ標的DNAとハイブリダイズする一本鎖RNA(sgRNA)
を含む、上記組成物。」

【相違点1】
本件補正発明は、「真核細胞または真核生物中」の標的DNAを切断するための組成物であり、その標的DNAが「真核細胞」のDNAであるのに対して、引用発明は、「緩衝液中」の標的DNAを切断するための組成物であり、その標的DNAが「プラスミド」DNAである点。

【相違点2】
本件補正発明は、「切断が標的DNAにindelを誘発する」のに対して、引用発明は、切断が標的DNAにindelを誘発しない点。

(5)判断
ア 相違点1について
上記(ア-1)、(ア-6)のとおり、引用文献1には、CRISPR/Cas9系が遺伝子ターゲティングとゲノム編集への応用に向けた大きな潜在能力をもたらし得ることに加えて、CRISPR/Cas9系に基づく手法が、ゲノムを操作するために設計された人工酵素であるジンク-フィンガーヌクレアーゼや転写活性化様エフェクターヌクレアーゼの代替方法となり得ることも記載されている。
ここで、上記(イ-2)、(ウ-1)、(エ-1)、(オ-2)、(カ-1)、(カ-2)のとおり、本願第1優先日当時、ゲノム編集の主たる対象は真核細胞であって、ジンク-フィンガーヌクレアーゼや転写活性化様エフェクターヌクレアーゼが真核細胞中の標的DNA、すなわち、核内のゲノムを切断するものであることは周知であるから、引用発明の組成物も真核細胞や真核生物中のゲノムに対して機能させようと試みることは当業者にとって、ごく自然な発想にすぎない。
そして、タンパク質や核酸を真核細胞中の核へ送達する各種手段が周知であったこと(例えば、上記(カ-3)、(キ-1)、(ク-1)、(ケ-1)、(コ-1)参照)に照らせば、当業者が前述のごく自然な発想を抱くことを妨げる特段の事情があったとも認められない。
したがって、引用発明の組成物を真核細胞や真核生物中の標的DNAの切断に用いることは、当業者が容易に想到し得ることといえる。

イ 相違点2について
上記(イ-1)、(ウ-1)、(オ-1)にもあるように、細胞内でヌクレアーゼによるDNAの二本鎖切断が生じた場合、非相同末端結合による修復が起こり、その際に、標的部位に短い挿入や欠失、すなわちindelが生じることは、本願第1優先日前に周知であった。
ここで、上記アで述べたとおり、引用発明の組成物を真核細胞や真核生物中の標的DNAの切断に用いることは、当業者が容易に想到し得ることといえるところ、当該周知事項に照らすと、引用発明の組成物を用いて真核細胞中の標的DNAを切断すれば、自ずと細胞内在性の酵素等によりindelは誘発されるといえるのである。

ウ よって、本件補正発明は、引用文献1に記載された発明及び本願優先日前の周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(6)審判請求人の主張について
審判請求人が平成30年2月15日に提出した手続補正書(方式)による補正後の審判請求書においてする主張と、それに対する合議体の判断は次のとおりである。
ア 審判請求人の主張
(ア)引用文献1の開示について
引用文献1には、試験管内で、高濃度の精製した成分を使用し、真核細胞には存在しない条件下で行った実験が開示されており、CRISPR/Cas9が真核細胞中で標的DNAを切断することを開示も示唆もしていない。ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)は真核生物転写因子由来のDNA結合ドメインを含むタンパク質であり、転写活性化様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)は真核細胞のクロマチン中のDNAを認識して結合するように天然で進化したものであるのに対して、CRISPR/Cas9系は、天然では原核生物においてのみ機能するものであるため、ZFN/TALENの真核細胞での使用から、真核細胞においてCRISPR/Cas9を使用して標的DNAを切断し、標的DNAにindelを誘発することが成功することを合理的に予測することはできなかった。

(イ)成功の合理的な予測ができない理由について
真核細胞と原核細胞は、ゲノムサイズ、細胞内の区画化、クロマチンの存在、リボヌクレアーゼの存在、インターフェロン応答、分子シャペロンタンパク質、マグネシウム濃度等の点で相違していること、リボスイッチ及びグループIIイントロン等の原核生物のRNAベースのシステムを真核生物に移そうとする試みの失敗の経験等から、CRISPR/Cas9の真核細胞中での使用に成功するという合理的な予測をもつことはできなかった。

(ウ)技術者の当時の記述について
以下の証拠は、当業者が成功する合理的な予測が存在しなかったことを示す。
(ウ-a)「これらの知見から、Cas9:sgRNA複合体が、部位特異的ゲノム編集を容易にし得るDSB(二本鎖DNA切断)を生成するための簡単で用途の広いRNA指向型システムを構成できるかも知れないという刺激的な可能性が示唆された。しかしながら、このような細菌システムが真核細胞において機能するか否かはわからなかった。」(参考資料15/eLife, 2013, Vol.2, e00471, p.1-9)。

(ウ-b)「我々の2012年の論文(引用文献1)は大きな成功であったが、問題があった。我々には、CRISPR/Cas9が真核生物-植物及び動物細胞で機能するか否か確かではなかった。」(参考資料16/Catalyst Magazine, 2014, Vol.9, p.18-20)

(ウ-c)Doudna博士(当審注:引用文献1の著者の一人)は、ヒト細胞内でCRISPRを機能させる経験での「多くの挫折」をレポーターと共有することで、この分野に存在した予測不可能性を強調し、もし成功したら、CRISPRは「非常に大きな発見(profound discovery)」であるということを彼女が知っていたことを明らかにしている(参考資料21/Pandika, January 2014, Rising Stars)。

(ウ-d)ゲノム編集ツールの権威であるGeorge Churchは、細菌から真核細胞、ヒト細胞へのCRISPR/Cas9システムの進歩を「大きな飛躍(huge jump)」としている(参考資料22/The Augmented Human Being, 2016, Edge. org.)。

(ウ-e)「・・・Cas9がクロマチン標的に対して効果的に作用すること、又は必要なDNA-RNAハイブリッドがこの状況で安定化され得ることについて何の保証もない。・・・真核生物におけるシステムに適用する試みのみが、これらの懸念事項に対処することになるであろう。」(参考資料14/Molecular Therapy, 2012, Vol.20, p.1658-1660)

(エ)驚くべき結果について
ZFNのオフターゲット事象とCRISPR/Casのオフターゲット事象とを比較すると、CRISPR/CasがZFNよりも特異的であること(実施例1-3)、CRISPR/Casシステムを使用して真核細胞における標的DNAを切断しindelを誘導できることは、引用文献から予測できるものではなかった。

イ 判断
(ア)審判請求人の主張(ア)、(イ)について
審判請求人の主張は、CRISPR/Cas9の真核細胞への適用が成功するという合理的な予測がなかったという点にとどまるものである。上記(5)で述べたとおり、引用発明の組成物を真核細胞中のゲノムに対して機能させようと試みることに十分な動機付けがある以上、単にその成功に合理的な予測がなかったという点のみをもって、当業者がそのような試みを行うことを妨げるような阻害要因があったということはできない。そして、それを使用するにあたって、エンドヌクレアーゼや核酸を細胞に送達するための周知技術を適用したり、常套手段である核局在化シグナルをCas9タンパク質に付与したりすることは、当業者が特段の創意工夫なくなし得ることであり(例えば、上記(カ-3)、(キ-1)、(ク-1)、(ケ-1)、(コ-1)参照)、実際にそのような周知技術を適用するに際し格別の技術的困難性があったと認めるに足る根拠は見いだせない。

(イ)審判請求人の主張(ウ)について
上記(ウ-b)については、参考資料16の第4頁左欄第3段落(審判請求人の指摘箇所の次の段落)には、「Doudnaは『私の研究室は、どのようにすればCRISPR/Cas9が真核細胞において適切に機能するかについて探索を始めた』と述べた。『その間、ハーバードのGeorge ChurchやMITのFeng Zhangの研究グループもまた、CRISPR/Cas9が真核細胞において機能し得るか否かを確認するため、懸命に作業を行っていた』」(訳文は当審が作成した。)と記載されている。当該記載からみれば、CRISPR/Cas9が真核生物で機能するか否かは確かではなかったものの、多くの研究グループが同時に、CRIPSR/Cas9を真核細胞に適用するための研究を行っていたといえ、このことは、CRISPR/Cas9を真核細胞に適用しようとすることに十分な動機付けがあったことを示唆している。
上記(ウ-c)については、参考資料21において、審判請求人が挙げた点に関して、Doudna博士が、もし成功したら、CRISPRは「非常に大きな発見(profound discovery)」であると認識していたのであれば、それはむしろ、成功の合理的な予測がなかったとしても、CRISPR/Cas9の真核細胞への適用を試みることに動機付けがあったことを示唆しているといえる。
上記(ウ-d)については、参考資料22の第3頁下から2段落には「2013年の1月、私たちが最初にそれを細菌から人間に移した-大きな飛躍(huge jump)-。そして、私たちを含めて多くの他の研究室が、それを他の生物に適用した」(訳文は当審が作成した。)と記載されている。すなわち、当該資料において「大きな飛躍」と述べられているのは、2013年1月にGeorge Churchが示した研究成果のことであり、本件補正発明を「大きな飛躍」と述べているとは認められない。また、CRISPR/Cas9の真核細胞への適用について、「成功する合理的な予測が存在しなかった」ことを示しているとも認められない。
上記(ウ-e)については、参考資料14の最終段落には「CRISPR系が次の次の標的切断試薬を提供するかはまだ分からないが、試してみる価値が明らかにある」(訳文は当審が作成した。)と記載されている。当該記載は、CRISPR/Cas9を真核細胞に適用しようとすることに動機付けがあることを示しているといえる。
また、上記(ウ-a)の参考資料16の記載についても、CRISPR/Cas9が真核生物において機能するかはわからなかったと述べるにとどまっている。
以上のように、審判請求人が当時の記述として挙げる参考資料の中には、CRISPR/Cas9を真核細胞に適用しようとすることに動機付けがあったことを示唆するものが含まれており、仮にそうでなくとも、いずれの参考資料での指摘も、CRISPR/Cas系が真核細胞中のゲノムで機能するか否かは予測できなかったという指摘にとどまるものである。
そして、上記(ア)でも述べたとおり、引用発明の組成物を真核細胞中のゲノムに対して機能させようと試みることに十分な動機付けがある以上、単にその成功に合理的な予測がなかったという点のみをもって、当業者がそのような試みを行うことを妨げるような阻害要因があったということはできない。

(ウ)審判請求人の主張(エ)について
(a)オフターゲットについて
本願明細書の段落【0101】には、「これらの結果は、3つの要因、すなわち、ガイドRNAコードプラスミドではなく合成ガイドRNAの使用、sgRNAではなくデュアルRNAの使用、およびGX19sgRNAではなくGGX20sgRNAの使用が、オフターゲット部位の識別に対して累積効果を有することを示唆する」と記載されているところ、審判請求人がCRISPR/Cas9系がZFNよりも特異的であることの根拠として挙げる本願明細書の実施例1-3では、ガイドRNAとして、それをコードプラスミドではなく、in vitro転写した合成RNAを使用し、さらにその5’末端にはグアニン2個が付加されている。
したがって、本願明細書には、ガイドRNAとして合成RNAを使用しなかった場合や、その5’末端にはグアニンを2個付加しなかった場合に、CRISPR/Cas9系がZFNよりも高い特異性を維持すると認めるに足る根拠は示されていない。
そして、本件補正発明においては、ガイドRNAが合成ガイドRNAに特定されていないし、その5’末端にはグアニンを2個付加することも特定されていないのであるから、CRISPR/Cas9系がZFNよりも高い特異性を維持するという効果を、本件補正発明全体が奏するとは認められない。

(b)indelの誘導について
上記(5)イで検討したとおり、真核細胞における標的DNAが切断され、indelが誘導されることをもって、本件補正発明の進歩性を肯定することはできない。

(エ)以下に示す参考文献1-3は、発行日は本願第1優先日より後ではあるものの、その投稿日が本願第1優先日より前、あるいはほぼ同時期であり、本願発明者ら以外の独立した複数の研究グループが投稿した論文である。そして、これらの論文には、核局在化シグナルを付加したCas9タンパク質を用いたCRISPR/Cas9系により、真核細胞の核内で標的配列の切断を行ったことが記載されている。このことは、引用発明の組成物を真核細胞中のゲノムに対して機能させようと試みることに十分な動機付けがあり、仮に、本願第1優先日前に、CRISPR/Cas9系が真核生物において機能することを合理的に予測することができなかったとしても、それが阻害要因となるものではないことを示すものといえる。そして、本件補正発明に、それを超える格別の創意工夫が見いだせない以上、進歩性を否定するよりほかない。

参考文献1:Science, Vol.339, p.819-823(投稿日:2012年10月5日、
発行日:2013年1月3日)
参考文献2:Science, Vol.339, p.823-826(投稿日:2012年10月26日、
発行日:2013年1月3日)
参考文献3:eLife, Vol.2, e00471, p.1-9(投稿日:2012年12月15日、
発行日:2013年1月29日)

(オ)上記(ア)?(エ)のとおりであるから、審判請求人の主張は採用することができない。

(7)まとめ
よって、審判請求人の主張はいずれも採用できず、本件補正発明は、引用文献1に記載された発明及び本願第1優先日前の周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 小括
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正却下の決定の結論のとおり決定する。


第3 本願発明
平成29年12月28日にされた手続補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1-40に係る発明は、平成29年6月20日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1-40に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。


第4 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由1は、この出願の請求項1-40に係る発明は、本願の優先日前に頒布された刊行物である下記の引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1:Science, Aug 2012, Vol.337, p.816-821, Supplementary
Materials


第5 理由1(特許法第29条第2項)について
1 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項は、前記第2[理由]2(2)アに記載したとおりである。

2 対比・判断
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2に記載したとおり、引用文献1に記載された発明及び本願第1優先日前の周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用文献1に記載された発明及び本願第1優先日前の周知技術に基づいて、、当業者が容易に発明をすることができたものである。


第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2018-10-09 
結審通知日 2018-10-16 
審決日 2018-10-29 
出願番号 特願2015-176407(P2015-176407)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (C12N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 植原 克典  
特許庁審判長 長井 啓子
特許庁審判官 山中 隆幸
小暮 道明
発明の名称 標的DNAに特異的なガイドRNAおよびCASタンパク質コード核酸またはCASタンパク質を含む、標的DNAを切断するための組成物、ならびにその使用  
代理人 藤田 節  
代理人 内藤 由美  
代理人 平木 祐輔  
代理人 菊田 尚子  
代理人 田中 夏夫  

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