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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01B 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H01B |
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管理番号 | 1349973 |
審判番号 | 不服2017-16548 |
総通号数 | 233 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2019-05-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-11-07 |
確定日 | 2019-04-02 |
事件の表示 | 特願2014- 5305「被覆導電性粉体、被覆導電性粉体の製造方法、被覆導電性粉体を含む導電性接着剤及び接着構造体」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 7月23日出願公開、特開2015-133301、請求項の数(10)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成26年 1月15日を出願日とする出願であって、平成29年 5月11日付けで拒絶理由が通知され、同年 7月20日付けで意見書及び手続補正書が提出され、同年 8月15日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年11月 7日受付で拒絶査定不服審判の請求がされ、さらに、当審より平成30年10月11日付けで拒絶理由が通知され、同年12月13日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 本願発明 本願請求項1?10に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」?「本願発明10」といい、これらを総称して「本願発明」という。)は、平成30年12月13日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)で補正された特許請求の範囲の請求項1?10に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。 「 【請求項1】 樹脂材料からなる芯材粒子の表面に金属皮膜を形成した導電性粒子の表面が、ペルオキソチタン酸を含むアルカリ性溶液から析出させた、微細な酸化チタンの集合体で被覆されていることを特徴とする被覆導電性粉体。 【請求項2】 前記導電性粒子の平均粒径が、1μm?100μmであることを特徴とする請求項1に記載の被覆導電性粉体。 【請求項3】 前記導電性粒子の表面に形成された前記金属皮膜が、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム及びハンダからなる群から選択される1種又は2種以上からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の被覆導電性粉体。 【請求項4】 請求項1?3の何れか一項に記載の被覆導電性粉体の製造方法であって、 樹脂材料からなる芯材粒子の表面に金属皮膜を形成した導電性粒子を含む懸濁液中に、ペルオキソチタン酸を含むアルカリ性溶液を添加し、該導電性粒子の表面に酸化チタンを析出させる工程を有することを特徴とする被覆導電性粉体の製造方法。 【請求項5】 前記ペルオキソチタン酸を含むアルカリ性溶液の添加は、前記懸濁液を撹拌しながら35℃?95℃に保持しながら行うことを特徴とする請求項4に記載の被覆導電性粉体の製造方法。 【請求項6】 前記ペルオキソチタン酸を含むアルカリ性溶液の添加後、前記懸濁液を撹拌しながら50?95℃に保持する工程を更に含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の被覆導電性粉体の製造方法。 【請求項7】 前記ペルオキソチタン酸を含むアルカリ性溶液として、ペルオキソチタン酸及びアンモニアを含む溶液を用いることを特徴とする請求項4?6の何れか一項に記載の被覆導電性粉体の製造方法。 【請求項8】 請求項1?3の何れか一項に記載の被覆導電性粉体と接着樹脂とを含むことを特徴とする導電性接着剤。 【請求項9】 異方導電性接着剤として用いられることを特徴とする請求項8に記載の導電性接着剤。 【請求項10】 請求項8又は9に記載の導電性接着剤を介して被接着部材同士が接着されていることを特徴とする接着構造体。」 第3 原査定の拒絶理由及び当審から通知された拒絶理由の概要 1.原査定の拒絶理由の概要 本件補正前の請求項1?11に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献1、2に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 引用文献1.特開2000-215730号公報 引用文献2.特開2005-76074号公報 2.当審から通知された拒絶理由の概要 本件出願は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1?11の記載が不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 第4 引用文献 1.引用文献1 本願の出願前に日本国内において頒布され、原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1(特開2000-215730号公報)には、「異方性導電接着剤」(発明の名称)に関して、次の事項が記載されている。(なお、下線は当審が付与した。また、「・・・」によって記載の省略を表す。以下同様。) 1ア 「【特許請求の範囲】 【請求項1】 (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤および(C)導電粒子を必須成分とし、上記導電粒子が、導電核粒子の表面に絶縁性の無機微粒子を被着したものであることを特徴とする異方性導電接着剤。」 1イ 「【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来の異方性導電接着剤による対向回路間接合の場合、接着剤に含まれる導電粒子が確率的に繋がって隣接回路間の絶縁性を低下させる問題があった。そのため、導電粒子の表面を樹脂で被覆したり、非導電性粒子を混合することで、粒子接触を生じても容易には回路短絡を生じないようにする等の提案、実施がなされてきた。 【0004】本発明は、ICチップと回路基板との接着等、従来の異方性導電接着における上記の問題点を解決するためになされたもので、隣接回路間の絶縁性が確保される異方性導電接着剤を提供しようとするものである。」 1ウ 「【0010】本発明に用いる導電核粒子としては、金属粒子や無機粒体又は有機粒体に金属層を有する粒子であればよく、特に制限されるものではない。導電粒子の具体的なものとして、銅、銀、ニッケル、半田等の金属粒子が、また樹脂粒体に金属粒子で例示した金属の層を有するもの等が挙げられ、これら導電核粒子は単独又は2種以上混合して使用することができる。 【0011】本発明においては、平均粒径が導電核粒子の平均粒径の5%以下の絶縁性無機微粒子を用い、導電核粒子の表面面積の50%以上を被覆することが好ましい。絶縁性無機微粒子の平均粒径が導電核粒子の平均粒径の5%を超えると、被着力が弱く分離しやすく、また、被覆する面積が導電核粒子の表面面積の50%未満では、回路短絡防止の効果が乏しいので好ましくない。 【0012】導電核粒子に絶縁性無機微粒子を被覆するには、両者を、例えば、奈良機械社製ハイブリダイゼーションシステム等で混合すれば得られる。被覆の好ましい条件に適合する絶縁性の無機微粒子としては、酸化チタン等があり、これら無機微粒子は、導電核粒子との硬度の相違、選択した粒子形状などによってかなり強固に被覆することができる。」 1エ 「【0015】実施例 まず、5μmのニッケル粒子100重量部と、30nmの酸化チタン粒子3重量部をハイブリダイゼーションシステム(奈良機械社製)で混合し、酸化チタンで被覆されたニッケル粒子を得た。 【0016】次に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と、無水フタル酸、イミダゾール変性物を混合して得た熱硬化性樹脂100重量部中に、上記酸化チタン被覆ニッケル粒子を10重量部加えてペースト状異方性導電接着剤を得た。 【0017】この接着剤を、電極幅55μm、電極間隔15μmでパターニングされたフレキシブル基板に塗布し、同一パターンで作成されたもう一つのフレキシブル基板を重ね、150℃,100秒、45kg/cm^(2) の条件で圧着した後、対向電極間の導通抵抗と、隣接電極間の絶縁抵抗の測定を行った。」 2.引用文献2 本願の出願前に日本国内において頒布され、原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2(特開2005-76074号公報)には、「チタン化合物被覆ニッケル粉末およびこれを用いた導電ペースト」(発明の名称)に関して、次の事項が記載されている。 2ア 「【0001】 本発明は、ニッケル粉末の表面にチタン化合物を被覆させたチタン化合物被覆ニッケル粉末に係り、特に導電ペーストとして用られ、なかでも積層セラミックコンデンサの内部電極に用いられる、焼結特性や分散性に優れたチタン化合物被覆ニッケル粉末に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、銀、パラジウム、白金または金などの貴金属粉末、あるいはニッケル、コバルト、鉄、モリブデンまたはタングステンなどの卑金属粉末は、電子材料用の導電ペーストとして、特に積層セラミックコンデンサの内部電極用として用いられている。一般に積層セラミックコンデンサは、誘電体セラミック層と内部電極として使用される金属層とが交互に重なり、これらの層と誘電体セラミック層の両端に内部電極と接続した外部電極とから構成されている。 ・・・ 【0005】 上記積層セラミックコンデンサの製造工程においては、誘電体グリーンシートに金属ペーストを印刷し、積層および圧着を行った後、加熱処理にて有機成分を蒸発除去するが、この加熱処理は通常大気中で250?400℃で行われる。このように、酸化雰囲気中で加熱処理を行うため、金属粉末は酸化し、それにより金属粉末の体積が膨張する。さらにこの有機成分除去のための加熱処理の後、さらに高温に加熱し焼結するが、この焼結は水素ガス雰囲気等の還元性雰囲気で行う。これにより、一旦酸化した金属粉末は還元されるため、体積の収縮が起きる。 【0006】 このように、積層セラミックコンデンサを製造する工程において、酸化還元反応により金属粉末に膨張・収縮による体積変化が生じる。一方、誘電体自身も焼結により体積変化が生じるが、誘電体と金属粉末という異なった物質を同時に焼結するため、焼結過程でのそれぞれの物質の膨張・収縮の体積変化などの焼結挙動が異なる。このため、金属ペースト層に歪みが生じ、結果としてクラックまたは剥離などデラミネーションといわれる層状構造の破壊が起きるという問題があった。具体的には、例えばチタン酸バリウムを主成分とする誘電体は、1000℃以上、通常1200?1300℃で焼結が始まるのに対し、内部電極に用いられる金属粉末の焼結は、それよりも低い温度、例えばニッケル粉末の場合、通常400?500℃で始まる。このような焼結挙動として焼結開始温度の違いがデラミネーション発生の一つの大きな要因となっている。 【0007】 上記のようなデラミネーション発生の問題を解決する手段として種々の方法が提案されている。例えば、ニッケル粉末の焼結温度を向上させる手段として、ニッケル粉末表面にチタンを主とする酸化物や有機化合物を被覆させる方法が提案されており、例えば、金属ニッケル微粒子表面に、原子番号が12?56および82の範囲内で周期表の2?14族に属する金属元素の少なくとも1種を含む酸化物および複合酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種が固着している複合ニッケル微粉末が開示されている(特許文献1参照)。・・・」 2イ 「【発明が解決しようとする課題】 【0009】 ・・・ 【0010】 本発明は、上記要請に鑑みてなされたものであり、積層セラミックコンデンサの製造工程において、加熱処理した際、酸化還元反応による体積変化または重量変化が少ないだけでなく、焼結開始温度が従来のニッケル粉末に比べてより高く、すなわち焼結開始温度が積層セラミックコンデンサを製造する際に用いる誘電体の焼結開始温度により近く、結果としてデラミネーションの発生を防止することのできるチタン化合物被覆ニッケル粉末、およびこれを用いた導電ペーストを提供することを目的としている。」 2ウ 「【課題を解決するための手段】 【0011】 本発明者らは、デラミネーションの発生防止について鋭意研究を重ねた結果、上記各特許文献に記載された技術に内在する問題、すなわち、デラミネーションを十分に防止できる安価な卑金属であるニッケル粉末を見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明のチタン化合物被覆ニッケル粉末は、ニッケル粉末にペルオクソチタン酸を接触させて、ニッケル粉末表面にチタン化合物を被覆させたことを特徴としている。 【0012】 本発明のチタン化合物被覆ニッケル粉末によれば、積層セラミックコンデンサの製造工程において、ニッケル粉末の腐食を防止することを前提として、ニッケル粉末に腐食性がなく水溶液ではほぼ中性領域のペルオクソチタン酸を接触させて、加熱処理した際、酸化還元反応による体積変化または重量変化を少なくすることができる。また、焼結開始温度を従来のニッケル粉末に比べてより高くし、すなわち焼結開始温度を積層セラミックコンデンサを製造する際に用いる誘電体の焼結開始温度により近くすることができ、結果としてデラミネーションの発生を防止することができる。 【0013】 ・・・ 【0014】 また、このようなチタン化合物被覆ニッケル粉末においては、ニッケル粉末表面に被覆されたチタン化合物層の平均厚さが5nm以上であることが望ましいが、この平均厚さを10?20nmとするとより好ましく、10?15nmとするとさらに好ましい。なお、このチタン化合物被膜は、ニッケル粉末表面上に層を成すものであるが、必ずしもニッケル表面全体に被覆する連続層を形成していなくてもよく、チタン化合物が点在していてもよい。しかしながら、積層セラミックコンデンサの電極を形成する際の焼結特性を向上させるためには、ニッケル粉末表面全体に均一に被覆されていることが望ましい。 【0015】 また、本発明のチタン化合物被覆ニッケル粉末は、ニッケル粉末にチタン化合物を被覆する前に、前処理として、ニッケル粉末を複素環状系化合物により表面処理を施すことを特徴としている。複素環状系化合物で表面処理することにより、ニッケル粉末の耐食性がより良好となり、さらにチタン化合物がニッケル粉末全体に均一に被覆できるようになり、積層セラミックコンデンサの電極を形成する際の焼結特性をより向上させることができる。複素環状系化合物としては、イミダゾールまたはその誘導体、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体等から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。」 2エ 「【0031】 用いられるペルオクソチタン酸はペルオキシチタン酸または過酸化チタンともいわれ、その構造はH_(4)TiO_(5),Ti(OOH)(OH)_(3)またはTiO_(3)・2H_(2)Oで表される。ペルオクソチタン酸は、通常、黄色、黄褐色または赤褐色の透明粘性水溶液(ゾル溶液)で取り扱われ、水溶液の場合、そのpHは5?8でありほぼ中性領域にある。・・・ 【0032】 ・・・ 【0034】 上記のようにペルオクソチタン酸をニッケル粉末と接触させ、その後熱処理や溶媒を除去することによりチタン化合物を析出させチタン化合物層を形成させる際の温度は、通常室温から300℃とすることができるが、20?60℃とするとより好ましく、40?50℃とするとさらに好ましい。 【0035】 以上に示したチタン化合物被覆ニッケル粉末の製造工程では、ニッケル粉末に複素環状系化合物により表面処理した後、ペルオクソチタン酸を接触させている。これに対し、従来、ニッケルのような金属粉末上にチタン化合物被膜を形成する場合には、硫酸チタン水溶液を接触させ、その後水酸化ナトリウムで加水分解する方法や、アルコキシチタンやチタンのカップリング剤などの有機チタン化合物で処理する方法が用いられていた。しかしながら、これらの従来の手法は、チタン化合物中に硫酸根やナトリウムなどの不純物元素が混在するという欠点や、有機チタン化合物のごとき高価な原材料を用いなければならないという欠点があった。これに対して本発明では、上記したとおり、ニッケル粉末を複素環状系化合物により処理した後、ペルオクソチタン酸のニッケル粉末への接触を採用している。複素環状系化合物で処理されることにより、ニッケル粉末の耐食性は向上し、さらにペルオクソチタン酸の水溶液はほぼ中性領域にあるので、ニッケル粉末を腐食させることがない。また、ペルオクソチタン酸水溶液は電極を形成した際の不良の原因となるナトリウムなどの不純物元素を一切含まないため、純度の高いチタン化合物を被覆することができる。さらに、本発明では有機チタン化合物のような高価な原材料を用いることなくチタン化合物層を形成させることができる。 【0036】 このように形成した本発明のチタン化合物被膜は均一であり、結果として本発明のチタン化合物被覆ニッケル粉末は、焼結特性、特に焼結温度が向上する。本発明のチタン化合物被覆ニッケル粉末のチタン化合物層を形成するチタン化合物は、上記のようにペルオクソチタン酸をニッケル粉末表面に接触させ、水などの溶媒をある程度除去した化合物であり、その除去の程度およびその後の加熱処理の温度によってその組成や結晶性が若干異なる。具体的には、水酸化チタン、含水酸化チタン、酸化チタンまたはこれらの混合物であり、接触後の溶媒除去の温度が上述したように300℃以下であれば非晶質またはアナターゼ型結晶、またはこれらの混合物である。本発明では、通常そのチタン化合物層が非晶質の酸化チタンであることが好ましい。また、チタン化合物層を形成させた後、100?300℃で加熱処理を施し、チタン化合物層に含まれる吸着水などの水分や水酸基を除去した状態がさらに好ましく、その結果、ペーストにした際に分散性が向上し、焼結特性もさらに向上する。」 2オ 「【0048】 次に、各実施例および各比較例について述べる。 [実施例1] (ニッケル粉末の調製) ・・・ 【0049】 (ペルオクソチタン酸による処理およびチタン化合物被覆ニッケル粉末の調整) 上記のようにして得られたニッケル粉末スラリーに、ニッケル粉末1kgに対してイミダゾールが0.1gになるよう、常温で添加し、60分間攪拌処理した。ついで、ニッケル粉末スラリーにニッケル粉末に対して、チタンが500ppmになるようにチタン濃度が0.85重量%のペルオクソチタン酸水溶液を添加し、40℃で60分間攪拌処理した。その後120℃にて加熱し、水分を除去してニッケル表面にチタン化合物を被覆させ、チタン化合物被覆ニッケル粉末を得た。このチタン化合物被覆ニッケル粉末について焼結開始温度等の測定を行った。」 第5 当審の判断 1.進歩性の拒絶理由についての判断 (1)引用文献1に記載された発明 ア 上記1イによれば、引用文献1において解決しようとする課題は、隣接回路間の絶縁性が確保される異方性導電接着剤を提供することである(以下、単に「課題」という。)。 イ 上記アの課題を解決するための手段は、上記1アによれば、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤および(C)導電粒子を必須成分とし、上記導電粒子が、導電核粒子の表面に絶縁性の無機微粒子を被着した異方性導電接着剤である。 ウ 上記イに記載した、導電核粒子の表面に絶縁性の無機微粒子を被着した導電粒子の具体的な態様としては、上記1ウによれば、導電核粒子としては樹脂粒体に銅、銀、ニッケル、半田等の金属の層を有するものが採用でき、また、導電核粒子の表面に被着する絶縁性の無機微粒子としては、酸化チタンが採用でき、当該酸化チタンは、ハイブリダイゼーションシステムで導電核粒子と混合することにより、当該導電核粒子に被着できる。 エ そこで、上記ア?ウに記載した、異方性導電接着剤に含まれる導電粒子に注目すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。 「導電核粒子の表面に絶縁性の無機微粒子を被着した導電粒子であって、 前記導電核粒子は、樹脂粒体に銅、銀、ニッケル、半田等の金属の層を有するものであり、 前記絶縁性の無機微粒子は酸化チタンからなり、 前記被着は、前記絶縁性の無機微粒子をハイブリダイゼーションシステムで前記導電核粒子と混合することにより前記導電核粒子に被着したものである、 導電粒子。」 (2)本願発明1と引用発明1との対比 本願発明1と引用発明1とを対比する。 ア 引用発明1の「樹脂粒体」、「銅、銀、ニッケル、半田等の金属の層」、「導電核粒子」は、それぞれ、本願発明1の「樹脂材料からなる芯材粒子」、「金属皮膜」、「導電性粒子」に相当し、したがって、引用発明1の「樹脂粒体に銅、銀、ニッケル、半田等の金属の層を有する」「導電核粒子」は、本願発明1の「樹脂材料からなる芯材粒子の表面に金属皮膜を形成した導電性粒子」に相当する。 イ 引用発明1の「酸化チタンからな」る「絶縁性の無機微粒子」は、本願発明1の「微細な酸化チタン」に相当しており、引用発明1の「導電核粒子の表面」に「被着」している「酸化チタンからな」る「絶縁性の無機微粒子」は、1個のみでなく、多数個すなわち集合体が被着していることは明らかである。したがって、引用発明1の「導電核粒子の表面」が「酸化チタンからな」る「絶縁性の無機微粒子」で「被着」されていることは、本願発明1の「導電性粒子の表面が」「微細な酸化チタンの集合体で被覆されている」ことに相当する。 ウ 引用発明1の「導電粒子」は、上記1エに「酸化チタン被覆ニッケル粒子を10重量部加えてペースト状異方性導電接着剤を得た」と記載されていることから明らかように、ペースト状異方性導電接着剤を構成するために多数個が同時に使用されるもの、すなわち、粉体として準備されることが前提と認められる。つまり、引用発明1の「導電粒子」は、「導電核粒子の表面に絶縁性の無機微粒子を被着した」ものであって、多数個が集まって粉体として使用されるものであるから、本願発明1の「被覆導電性粉体」に相当する。 エ したがって、本願発明1と引用発明1は、次の点で一致し、また、相違する。 (一致点) 「樹脂材料からなる芯材粒子の表面に金属皮膜を形成した導電性粒子の表面が、微細な酸化チタンの集合体で被覆されていることを特徴とする被覆導電性粉体。」 (相違点) 「導電性粒子の表面」を「被覆」している「微細な酸化チタンの集合体」が、本願発明1では「ペルオキソチタン酸を含むアルカリ性溶液から析出させた」ものであるのに対して、引用発明1では「ハイブリダイゼーションシステムで前記導電核粒子と混合することにより前記導電核粒子に被着したもの」である点。 (3)相違点についての判断 ア 上記2アによれば、引用文献2において解決しようとする課題は、積層セラミックコンデンサの内部電極用として用いられるニッケルなどの金属粉末は、積層セラミックコンデンサの製造工程において、加熱処理に伴う酸化還元反応により膨張・収縮が生じて体積が変化して、金属ペースト層に歪みが生じ、結果としてクラックや剥離などデラミネーションといわれる層状構造の破壊が起きるという問題に対して、加熱処理した際、酸化還元反応による体積変化または重量変化が少なく、結果としてデラミネーションの発生を防止することのできるチタン化合物被覆ニッケル粉末を提供することである。 イ 上記2ウによれば、上記アの課題を解決するための手段とは、ニッケル粉末にペルオクソチタン酸を接触させて、ニッケル粉末の表面にチタン化合物を被覆させることであり、そのための具体的な方法として、前処理としてニッケル粉末を複素環状系化合物により表面処理を施した後、水溶液でほぼ中性領域のペルオクソチタン酸を接触させ加熱処理することにより、ニッケル粉末表面全体に、平均厚さ5nm以上で層を成すチタン化合物を均一に被覆する方法が記載されている。 ウ 上記イのチタン化合物を被覆させる方法において、複素環状系化合物による前処理を施すのは、上記2ウの段落【0015】によれば、ニッケル粉末の耐食性がより良好となり、チタン化合物がニッケル粉末全体を均一に被覆するためである。 また、上記イのチタン化合物を被覆させる方法において、ペルオクソチタン酸を中性領域で使用するのは、上記2エの段落【0035】によれば、ニッケル粉末を腐食させることがないようにするためであり、同段落【0036】によれば、ニッケル粉末の表面を被覆するチタン化合物は、非晶質の酸化チタンが好ましいとされる。 また、上記イに記載した、ニッケル粉末表面全体を均一に被覆する、平均厚さ5nm以上で層を成す均一なチタン化合物において、均一とは、チタン化合物からなる層の厚さが平均5nm以上で均一に形成されることを意味するものと解される。 エ つまり、引用文献2には、積層セラミックコンデンサの内部電極用として用いられるニッケル粉末が、加熱処理に伴う酸化還元反応により膨張・収縮が生じて体積が変化して、デラミネーションが発生することを防止するために、ニッケル粉末の表面にチタン化合物を被覆させようとするものであり、その具体的な方法として、ニッケル粉末を複素環状系化合物により表面処理を施した後、水溶液でほぼ中性領域のペルオクソチタン酸を接触させ加熱処理することにより、ニッケル粉末表面全体にチタン化合物を均一な厚さで被覆する方法が記載されている。ここで、ペルオクソチタン酸の水溶液を中性領域で使用するのは、当該方法によって形成されるチタン化合物が、非晶質の酸化チタンからなる均一な膜すなわち均一な厚さの膜となるので好ましいとされるからである。 オ 一方、引用発明1の導電粒子は、「導電核粒子」を「酸化チタン」からなる「絶縁性の無機微粒子」で被覆するものであるから、導電性の粒子を絶縁性の酸化チタンで被覆する点で、引用文献2に記載の発明と共通している。そこで、引用発明1において、絶縁性の「酸化チタン」で被覆する方法として、引用発明における「前記絶縁性の無機微粒子をハイブリダイゼーションシステムで前記導電核粒子と混合する」方法に代えて、引用文献2に記載の、ペルオクソチタン酸の水溶液を用いる方法とすることが容易であるかについて、以下、検討する。 カ 引用発明1の導電粒子は、隣接回路間の絶縁性が確保される異方性導電接着剤として使用されるものであって(上記1イ【0004】参照)、使用温度はわずか150℃程度である(上記1エ【0017】参照)から、引用文献2に記載された積層セラミックコンデンサの製造工程のような高温の加熱処理を行うものではなく、酸化雰囲気及び還元雰囲気における加熱処理によって体積が膨張・収縮する虞のないものといえるから、引用発明1の「酸化チタン」からなる「無機微粒子」の製造方法として、引用文献2記載の方法を採用する動機がない。 キ また、仮に、引用発明1において、「酸化チタン」からなる「無機微粒子」の製造方法として、引用文献2記載の方法を採用する動機があるとしても、引用文献2には、前処理としてニッケル粉末を複素環状系化合物により表面処理を施した後、水溶液でほぼ中性領域のペルオクソチタン酸を接触させ加熱処理することにより、ニッケル粉末表面全体にチタン化合物を均一に被覆する方法が記載されているのみであり、ペルオキソチタン酸を含む溶液をアルカリ性で使用することは記載も示唆もされていない。 ク したがって、引用発明1において、仮に、引用文献2に記載の酸化チタンを被覆する方法を採用する動機があるとしても、その方法は、「ペルオキソチタン酸を含むアルカリ性溶液」を使用するものではない。 ケ よって、たとえ引用文献2を参照したとしても、引用発明1において、相違点に係る本願発明1の構成とすることが、当業者にとって容易になし得ることであるとはいえない。 (4)小括 したがって、本願発明1は、当業者が、引用発明1及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 (5)本願発明2?10について 本願発明2?10はいずれも、請求項1を引用することによって、本願発明1の「導電性粒子の表面が、ペルオキソチタン酸を含むアルカリ性溶液から析出させた、微細な酸化チタンの集合体で被覆されている」という特定事項を有するものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者が、引用発明1及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 2.サポート要件の拒絶理由についての判断 (1)特許請求の範囲の記載がサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、発明の詳細な説明に記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。 以下、この観点から検討する。 (2)本願発明が課題を解決し得る発明であるかについて ア 本願の明細書には、発明が解決しようとする課題に関して、次の記載がある。 「【0006】 しかしながら、特許文献1及び2のように、メカノフュージョンシステム又はハイブリダーゼションシステムの強力な衝撃力によって、導電性粒子を乾式で表面改質・複合化する方法においては、微細な酸化チタン粒子を導電性粒子の表面に機械的に打ち込んでいるため、導電性粒子の破壊及び変形が引き起こされる。特に、芯材としての樹脂粒子の表面をめっきした金属被覆樹脂粒子を導電性粒子として用いる場合、金属被覆膜の剥離及び変形、並びに芯材の変形、亀裂及び破壊が引き起こされるという問題がある。更に、こうして得られた被覆導電性粉体は、酸化チタンの被覆膜が強固であるため、接着剤として使用した場合、接続時に、芯材としての樹脂粒子の柔軟性が失われて電気伝導を阻害したり、相対峙する電極に食い込んで破壊する懸念がある。 【0007】 また、特許文献3及び4の方法で得られる被覆導電性粉体は、導電性粒子の表面に付着した酸化チタン粒子が、僅かな衝撃等などの外的要因によって剥がれ落ちることはないが、接着剤として使用する場合には、導電性粒子から剥がれて接着剤中に均一に拡散することができるというものである。しかしながら、この方法で得られる被覆導電性粉体を60℃及び95%RHの条件で1000時間保存した場合、8μm?10μm程度の凝集粒子が形成される。近年の電子部品の電極の微小化及び配線の狭ピッチ化によって、より分散性の良好な被覆導電性粉体が要求されており、特許文献3及び4の方法で得られる被覆導電性粉体ではそのような要求を満たすことができないという問題がある。 【0008】 従って、本発明の目的は、導電性粒子の破壊及び変形を引き起こすことなく、導電性粒子の表面が酸化チタンで被覆されており、その酸化チタンの被覆膜が柔らかく、且つ分散性に優れる被覆導電性粉体及びその製造方法並びに当該被覆導電性粉体を用いた接着構造体を提供することである。」 イ 上記アの記載によれば、特許文献1及び2の方法で得られる被覆導電性粉体は、ハイブリダーゼションシステム等の強力な衝撃力によって、微細な酸化チタン粒子を導電性粒子の表面に機械的に打ち込んでいるため、導電性粒子の破壊及び変形が引き起こされ、更に、こうして得られた被覆導電性粉体は、酸化チタンの被覆膜が強固であるため、接着剤として使用した場合、接続時に、芯材としての樹脂粒子の柔軟性が失われて電気伝導を阻害したり、相対峙する電極に食い込んで破壊する懸念がある。 また、特許文献3及び4の方法で得られる被覆導電性粉体を、60℃及び95%RHの条件で1000時間保存した場合、8μm?10μm程度の凝集粒子が形成されるという問題がある。 以上の従来技術の問題点を踏まえると、本願発明の解決しようとする課題(以下、単に「課題」という。)は、「導電性粒子の破壊及び変形を引き起こすことなく、導電性粒子の表面が酸化チタンで被覆されており、その酸化チタンの被覆膜が柔らかく、且つ分散性に優れる被覆導電性粉体及びその製造方法並びに当該被覆導電性粉体を用いた接着構造体を提供すること」であると認められる。 ウ そして、上記課題を解決する手段に関して、本願明細書には次のように記載されている。 「【0013】 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明の被覆導電性粉体は、芯材粒子の表面に金属皮膜を形成した導電性粒子の表面を、ペルオキソチタン酸を含むアルカリ性溶液から析出させた微細な酸化チタンで被覆しているので、メカノフュージョンシステム又はハイブリダーゼションシステムのような衝撃力が導電性粒子に加わることがなく、導電性粒子の破壊及び変形は起こらない。また、本発明の被覆導電性粉体は、酸化チタンの連続膜で被覆するのではなく、析出させた微細な酸化チタンで被覆しているので、例えば図1に示す電子顕微鏡写真から分かるように、酸化チタンの被覆膜の厚さは表面全体で均一ではなく、箇所によって異なる。更に、酸化チタンの被覆膜は、強固ではなく、適度に柔らかいため、被覆導電性粉体全体としての柔軟性が確保される。 【0014】 上記したように、本発明の被覆導電性粉体における酸化チタンの被覆膜は、導電性粒子の金属皮膜表面に析出した微細な酸化チタンの集合体として形成されたものである。酸化チタンの被覆膜には、厚さの厚い箇所と薄い箇所が存在するが、導電性接着剤に使用する際、接続時に外部からの力によってその厚さの薄い箇所が容易に破壊されるので、高い接続信頼性が得られる。」 「【0027】 本発明で用いられる芯材粒子としては、無機物であっても有機物であっても特に制限なく用いることができる。無機物の芯材粒子としては、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、ハンダ等の金属粒子、合金、ガラス、セラミック、シリカ、金属または非金属の酸化物(含水物も含む)、アルミノ珪酸塩を含む金属珪酸塩、金属炭化物、金属窒化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属リン酸塩、金属硫化物、金属酸塩、金属ハロゲン化物及び炭素等が挙げられる。一方、有機物の芯材粒子としては、例えば、天然繊維、天然樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリブテン、ポリアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル二トリル、ポリアセタール、アイオノマー、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、金属からなる芯材粒子に比べて比重が小さくて沈降し難く、分散安定性に優れ、樹脂の弾性により電気接続を維持し易いという点で、樹脂材料からなる芯材粒子が好ましい。」 エ 上記ウの記載によれば、本願発明の被覆導電性粉体は、芯材粒子の表面に金属皮膜を形成した導電性粒子の表面を、ペルオキソチタン酸を含むアルカリ性溶液から析出させた微細な酸化チタンで被覆しているものであることによって、1)ハイブリダーゼションシステムのような衝撃力が導電性粒子に加わることがないので、導電性粒子の破壊及び変形は起こらず、2)析出した酸化チタンの被覆膜は、適度に柔らかいため、被覆導電性粉体全体としての柔軟性が確保されている。 また、本願発明の被覆導電性粉体は、酸化チタンの連続膜で被覆するのではなく、析出した微細な酸化チタンの集合体で被覆しているものであることによって、酸化チタンの被覆膜の厚さは表面全体で均一ではなく、箇所によって異なっており、導電性接着剤に使用する際、接続時に外部からの力によってその厚さの薄い箇所が容易に破壊されるので、高い接続信頼性が得られる。 そして、本願発明の被覆導電性粉体は、芯材粒子として樹脂材料を用いることによって、金属からなる芯材粒子に比べて比重が小さくて沈降し難く、分散安定性に優れたものとなる。 オ つまり、上記イに記載した課題を解決する手段とは、被覆導電性粉体であって、芯材粒子の表面に金属皮膜を形成した導電性粒子の表面を、ペルオキソチタン酸を含むアルカリ性溶液から析出させた微細な酸化チタンの集合体で被覆するとともに、芯材粒子として樹脂材料を用いているものであるということができる。 カ したがって、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものとは、 「樹脂材料からなる芯材粒子の表面に金属皮膜を形成した導電性粒子の表面が、ペルオキソチタン酸を含むアルカリ性溶液から析出させた、微細な酸化チタンの集合体で被覆されている、被覆導電性粉体。」(以下、「認定発明」という。) であると認められる。 キ そこで、上記認定発明と本願発明1とを対比すると、全ての点で一致しており、相違点はない。 ク したがって、本願請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるといえるから、本願請求項1は、サポート要件に適合するものである。 また、本願請求項1を引用する本願請求項2?10についても、上記認定発明の特定事項を全て備えているといえるから、同様の理由により、サポート要件に適合するものである。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明1?10はいずれも、当業者が引用発明1及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえないし、本件出願は、特許請求の範囲の請求項1?10の記載が不備であるともいえない。 したがって、原査定の拒絶理由と当審から通知された拒絶理由のいずれを検討しても、その理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2019-03-18 |
出願番号 | 特願2014-5305(P2014-5305) |
審決分類 |
P
1
8・
537-
WY
(H01B)
P 1 8・ 121- WY (H01B) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 青鹿 喜芳、▲吉▼澤 英一、西澤 龍彦 |
特許庁審判長 |
板谷 一弘 |
特許庁審判官 |
池渕 立 ▲辻▼ 弘輔 |
発明の名称 | 被覆導電性粉体、被覆導電性粉体の製造方法、被覆導電性粉体を含む導電性接着剤及び接着構造体 |
代理人 | 曾我 道治 |
代理人 | 梶並 順 |
代理人 | 大宅 一宏 |