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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06Q |
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管理番号 | 1349997 |
審判番号 | 不服2018-2636 |
総通号数 | 233 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2019-05-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-02-26 |
確定日 | 2019-03-14 |
事件の表示 | 特願2016-159305「決定装置、決定方法、及び決定プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 2月22日出願公開、特開2018- 28729〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成28年8月15日の出願であって、平成29年3月1日付けで拒絶理由が通知され、平成29年5月2日付けで意見書、手続補正書が提出され、さらに、平成29年7月21日付けで拒絶理由が通知され、平成29年9月12日付けで意見書、手続補正書が提出されたが、平成29年11月17日付けで拒絶査定がなされた。 これに対して、平成30年2月26日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同日付けで手続補正書が提出されたものである。 第2 平成30年2月26日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成30年2月26日付け手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1.本件補正につて(補正の内容) (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正によって、特許請求の範囲の請求項1は次のとおりに補正された。(下線は、補正箇所を表す。) 「 【請求項1】 所定の期間においてデジタルサイネージから所定の範囲内に位置するユーザに関する統計情報を記憶部から取得する取得部と、 前記取得部により前記記憶部から取得された前記統計情報に基づいて、広告が表示される時間帯になると広告を所定の時間表示した後、次の広告が表示される時間帯までの間は広告以外のコンテンツを表示する広告の表示スケジュールであって、前記ユーザの総数が多い時間帯から順に優先的に前記デジタルサイネージにおける広告の表示スケジュールを決定する決定部と、 を備えたことを特徴とする決定装置。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の、平成29年9月12日に提出された手続補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1は次の通りである。 「 【請求項1】 所定の期間においてデジタルサイネージから所定の範囲内に位置するユーザに関する統計情報を記憶部から取得する取得部と、 前記取得部により前記記憶部から取得された前記統計情報に基づいて、前記ユーザの総数が多い時間帯から順に優先的に前記デジタルサイネージにおける広告の表示スケジュールを決定する決定部と、 を備えたことを特徴とする決定装置。」 2.補正の適否 本件補正は、本件補正前の特許請求の範囲に記載された発明を特定するためのに必要な事項である「デジタルサイネージにおける広告の表示スケジュールを決定する決定部」について、決定されるスケジュールが「広告が表示される時間帯になると広告を所定の時間表示した後、次の広告が表示される時間帯までの間は広告以外のコンテンツを表示する広告の表示スケジュール」である点を限定するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明は産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本件補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定を満たすか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について以下に検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載されたとおりのものである。 (2)引用文献の記載事項 ア.引用例1 (ア)原査定の拒絶理由で引用文献1として引用された本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である特開2014-14014号公報(平成26年1月23日出願公開。以下、「引用例1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。 「【0001】 本発明の実施形態は、情報配信装置、サイネージシステムおよびプログラムに関する。」 「【0015】 このような構成により、サイネージ端末14は、基本的には、情報配信サーバ11で再生スケジュールとして予め設定された複数のコンテンツデータを受信または取得する。そして、サイネージ端末14は、ディスプレイユニット21を用いて、コンテンツデータとして広告する商品(以下、「広告商品」という場合がある。)に関する広告情報(広告商品を撮影した動画像や、広告商品を紹介または説明する文章など)を表示したり、スピーカユニット26を用いて、広告商品を紹介または説明する音声を出力したりする。 【0016】 次に、情報配信サーバ11について説明する。図4は、情報配信サーバ11の概略構成を示すブロック図である。図4に示すように、情報配信サーバ11は、当該情報配信サーバ11全体を制御するコントローラ41と、ユーザが各種操作を行うためのキーボードやマウス等を有する操作部42と、通信ネットワーク12を介してサイネージ端末14との間で通信を行うためのネットワーク通信インタフェース(IF)43と、各種データや制御プログラムを記憶する外部記憶装置44と、液晶ディスプレイとして構成されたディスプレイユニット45と、を備えている。外部記憶装置44は、ハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)装置などで実現される。」 「【0020】 図5は、コンテンツデータベースDB1に蓄積されるデータの構成を示す図である。図5に示すように、第2記憶部であるコンテンツデータベースDB1には、コンテンツを識別する識別情報としてコンテンツIDと、当該コンテンツIDにより識別されるコンテンツのコンテンツ名と、当該コンテンツIDにより識別されるコンテンツデータと、コンテンツデータに付加されるメタ情報と、が蓄積されている。 【0021】 図5に示すように、例えば、コンテンツ名「アニメ関連商品」にはメタ情報としてサイネージ端末14の前で立ち止まる閲覧者(以下、閲覧者という)またはサイネージ端末14の前を通る通行人(以下、通行人という)の属性情報「男性、10代以下」が関連付けられている。また、「ファッション」にはメタ情報として閲覧者または通行人の属性情報「女性、20代」が関連付けられている。 【0022】 加えて、情報配信サーバ11においては、サイネージ端末14の前で立ち止まる閲覧者の属性情報のみならず、サイネージ端末14の前を通る通行人の属性情報をも含めた単位時間あたりの属性情報について曜日や時間毎に統計した結果を、曜日や時間をリンクさせて蓄積する属性データベースDB2を外部記憶装置44に格納している。なお、本実施形態では、情報配信サーバ11が有する外部記憶装置44に属性データベースDB2が格納されているが、これに限定するものではなく、例えば、情報配信サーバ11と通信ネットワーク12を介して接続された記憶装置(図示せず)に属性データベースDB2が記憶されていても良い。 【0023】 図6は、属性データベースDB2に蓄積されるデータの構成を示す図である。図6に示すように、第1記憶部である属性データベースDB2には、統計された単位時間(例えば、30分、1時間等)あたりの閲覧者または通行人の属性傾向情報(性別、年齢、人数、グループ種類など)が曜日および時間にリンクされて蓄積される。 【0024】 図6に示すように、例えば、平日の朝9時?10時は「男性主体」であると属性傾向情報に分類されており、平日の昼12時?13時は「家族」「60代男性」「60代女性」であると属性傾向情報に分類されている。 【0025】 次に、実施形態にかかる情報配信装置である情報配信サーバ11が有する特徴的な機能について説明する。概略的には、情報配信サーバ11においては、上述のように曜日や時間をリンクさせて閲覧者や通行人の属性情報を蓄積しておく。そして、当該属性情報に基づいてコンテンツデータに含まれるメタ情報を検索することができるので、時間に合わせて最適なコンテンツを選択して再生スケジュールを生成するとともに、時間に合わせて最適なコンテンツをサイネージ端末14に対して配信するようにしたものである。 【0026】 図7は、情報配信サーバ11の機能構成を示すブロック図である。コントローラ41は、ROM47に記憶された制御プログラムに従ってMPU46を動作させることで、図7に示すように、情報入力手段461、種別判定手段462、蓄積手段463、コンテンツ選択手段464、タイムスケジュール作成手段465、配信手段466として機能する。 【0027】 情報入力手段461は、サイネージ端末14に対して所定の範囲内にいる人物の情報を入力する。本実施形態においては、情報入力手段461は、サイネージ端末14の前で立ち止まる閲覧者およびサイネージ端末14の前を通る通行人の情報をサイネージ端末14に設けられたカメラユニット25により撮像した撮像画像データから得る。 【0028】 種別判定手段462は、情報入力手段461により入力された閲覧者および通行人の情報に基づき閲覧者および通行人の種別を判定する。種別判定手段462は、図7に示すように、人数判定手段4621と、年齢性別判定手段4622と、グループ判定手段4623と、を備える。 【0029】 人数判定手段4621は、情報入力手段461により入力された閲覧者および通行人の情報に基づき閲覧者および通行人の人数を判定する。年齢性別判定手段4622は、情報入力手段461により入力された閲覧者および通行人の情報に基づき閲覧者および通行人の年齢および性別の判定を行う。グループ判定手段4623は、人数判定手段4621により得られた閲覧者および通行人の人数の判定結果と、年齢性別判定手段4622により得られた閲覧者および通行人の年齢および性別の判定結果とに基づき、閲覧者および通行人のグループの判定を行う。 【0030】 蓄積手段463は、種別判定手段462による判定結果を単位時間で曜日および時間にリンクさせて統計し、単位時間あたりの閲覧者および通行人の属性傾向情報として属性データベースDB2に蓄積する。 【0031】 コンテンツ選択手段464は、所定のタイミングで、コンテンツデータベースDB1を参照し、属性データベースDB2に蓄積されている単位時間ごとの閲覧者および通行人の属性傾向情報に関連するメタ情報が付加されているコンテンツデータを選択する。 【0032】 タイムスケジュール作成手段465は、コンテンツ選択手段464により選択されたコンテンツデータを統計された時間に合わせて並べることによってコンテンツ再生のタイムスケジュールを作成する。」(下線は、当審による。) (イ)以上の記載事項から、引用例1には、次の技術的事項が記載されていると認められる。 a.引用例1に記載された技術は、サイネージシステムに関するものであり(【0001】)、曜日や時間をリンクさせて閲覧者や通行人の属性を蓄積することで最適なコンテンツを選択して再生スケジュールを生成するものである。(【0025】) b.属性データベースDB2は、サイネージ端末14に対して所定範囲内にいる人物の属性傾向情報を蓄積している。(【0026】、【0030】) c.属性データベースDB2には、統計された単位時間(例えば、30分、1時間等)あたりの閲覧者または通行人の属性傾向情報(性別、年齢、人数、グループ種類など)が曜日および時間にリンクされて蓄積されている。(【0022】、【0023】、【0030】、【0031】) d.情報配信サーバ11は、当該属性情報に基づいてコンテンツデータに含まれるメタ情報を検索し、最適なコンテンツを選択するコンテンツ選択手段464と、選択されたコンテンツデータを統計された時間に合わせて並べることによって再生スケジュールを生成するタイムスケジュール作成手段465を備える。(【0025】、【0032】) e.コンテンツデータは、広告する商品に関する広告情報である。(【0015】) (ウ)上記(ア)、(イ)から、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる 「統計された単位時間(例えば、30分、1時間等)あたりのサイネージ端末14の所定範囲内にいる閲覧者または通行人の属性傾向情報(性別、年齢、人数、グループ種類など)が曜日および時間にリンクされて蓄積された属性データベースDB2の属性情報に基づいてメタ情報を検索し、メタ情報によって、時間に合わせて最適なコンテンツである広告情報を選択するコンテンツ選択手段464と選択されたコンテンツデータを統計された時間に合わせて並べることによって再生スケジュールを生成するタイムスケジュール作成手段465を有する情報配信サーバ11」 イ.引用例2 (ア)原査定に引用文献7として引用された本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である特開2008-40613号公報(平成20年2月21日出願公開。以下、「引用例2」という。)には、図面とともに、次の記載がある。 「【0098】 なお、一日のうちで最優先提供される時間の合計が広告優先率Rの大きさの比率に対応していればよいので、広告情報A2が最優先提供される時刻が午前0時?午前9時35分までの連続的な9.6時間である必要はない。それぞれの広告情報が確保する最優先提供時間を1日の中で細切れに設定してももちろんよい。また、1日のうちで時刻に重み付けを行って、広告優先率の高い広告情報をインターネット利用者数の比較的多い時間帯(例えば昼前後や夜9時前後等)に割り振ることも考えられる。」(下線は、当審による。) ウ.引用例3 (ア)当審が新たに引用する本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である特開2012-22369号公報(平成24年2月2日出願公開。以下、「引用例3」という。)には、図面とともに、次の記載がある。 「【0064】 枠情報は、広告を放映可能な放映可能時間枠Zi(i=1,2,…,Nz)である。デジタルサイネージのディスプレイは複数の用途で共有されることが一般的であるため、広告以外のコンテンツ(例えば、施設案内やニュース等)を放映している時間帯を除いた空き時間に広告を割り当てる必要がある。放映可能時間枠Ziは、放映開始時刻bi、枠の時間長siを属性として持つ時間帯であり、図2(b)に示すように、異なる放映可能時間枠間で隙間があっても良いが互いに重複しないように指定される。」(下線は、当審による。) (3)引用発明との対比 ア.本件補正発明と引用発明を対比する。 引用発明の「情報配信サーバ11」は、デジタルサイネージに対して配信するコンテンツのスケジュールを生成するという点において、本件補正発明と技術分野及び課題が共通する。 引用発明の「統計された単位時間(例えば、30分、1時間等)あたりのサイネージ端末14の所定範囲内にいる閲覧者または通行人の属性傾向情報(性別、年齢、人数、グループ種類など)が曜日および時間にリンクされて蓄積された属性データベースDB2の属性情報に基づいてメタ情報を検索し、メタ情報によって、時間に合わせて最適なコンテンツである広告情報を選択するコンテンツ選択手段464」において、「統計された単位時間(例えば、30分、1時間等)あたりの閲覧者または通行人の属性傾向情報(性別、年齢、人数、グループ種類など)が曜日および時間にリンクされて蓄積された」「属性情報」は、デジタルサイネージ端末から所定の範囲内に位置する閲覧者、通行人の属性に関する統計情報であるから、本件補正発明の「所定の期間においてデジタルサイネージから所定の範囲内に位置するユーザに関する統計情報」に相当する。引用発明の「属性データベースDB2」は、閲覧者、通行人に関する属性情報を記憶したものであるから、本件補正発明の「記憶部」に相当する。さらに、「コンテンツ選択手段464」は「メタ情報を検索」していて、これは「ユーザに関する統計情報」にリンクした情報を取得することを意味しているから、本件補正発明の「ユーザに関する統計情報を記憶部から取得する取得部」に相当する構成を有している。 引用発明の「選択されたコンテンツデータを統計された時間に合わせて並べることによって再生スケジュールを生成するタイムスケジュール作成手段465」は、広告の再生スケジュールを生成し、決定するものであるから、本件補正発明の「前記取得部により前記記憶部から取得された前記統計情報に基づいて、」「前記デジタルサイネージにおける広告の表示スケジュールを決定する決定部」に相当する 引用発明の「情報配信サーバ11」は、デジタルサイネージに対して配信するコンテンツのスケジュールを生成するものであるから、本件補正発明の「決定装置」に相当する。 イ.以上のことから、本件補正発明と引用発明の一致点及び相違点は、次の通りである。 【一致点】 「所定の期間においてデジタルサイネージから所定の範囲内に位置するユーザに関する統計情報を記憶部から取得する取得部と、 前記取得部により前記記憶部から取得された前記統計情報に基づいて、前記デジタルサイネージにおける広告の表示スケジュールを決定する決定部と、 を備えたことを特徴とする決定装置。」 【相違点1】 本件補正発明の「決定部」では、「広告が表示される時間帯になると広告を所定の時間表示した後、次の広告が表示される時間帯までの間は広告以外のコンテンツを表示する広告の表示スケジュール」を決定しているのに対して、引用発明の「タイムスケジュール作成手段465」はこのような決定をしていない点。 【相違点2】 本件補正発明の「決定部」は、「前記ユーザの総数が多い時間帯から順に優先的に前記デジタルサイネージにおける広告の表示スケジュールを決定」しているのに対して、引用発明の「タイムスケジュール作成手段465」は、このような決定をしていない点。 (4)判断 以下、相違点について検討する。 ア.相違点1について サイネージのスケジュールとして「広告が表示される時間帯になると広告を所定の時間表示した後、次の広告が表示される時間帯までの間は広告以外のコンテンツを表示する広告の表示スケジュール」は、引用例3にみられるようにすでに行われていることであり、新規なものではない。 また、スケジュールをどの様に調整するかは任意の事項であることから、引用例3の記載事項を引用発明に適用し、相違点1の構成とすることは当業者が容易になし得ることである。 イ.相違点2について 広告を提供する場合、ユーザ数が多い時間帯を優先することは、引用例2に記載されているようにすでに知られたことである。 また、優先順位の高いものから決定することも一般的な事項であることから、引用発明に引用例2の記載事項を適用し、相違点2の構成とすることは当業者が容易になし得ることである。 ウ.そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明が奏する作用効果は、引用発明、引用例2,3に記載された技術の奏する作用効果から予測される範囲のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 エ.したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用例2,3に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3.本件補正についてのむすび よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1.本願発明 平成30年2月26日付け手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願請求項に係る発明は、平成29年9月12日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲請求項1?14に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、前記第2[理由]1(2)に記載したとおりのものである。 2.原査定の拒絶理由 原査定の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、本願の出願日前に頒布された又は電気回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献7に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用文献1:特開2014-14014号公報 ・ ・ 引用文献7:特開2008-40613号公報 3.引用文献 原査定の拒絶理由に引用される引用文献1(引用例1),引用文献7(引用例2)及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)のア.イ.に記載したとおりのものである。 4.対比、判断 本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「広告が表示される時間帯になると広告を所定の時間表示した後、次の広告が表示される時間帯までの間は広告以外のコンテンツを表示する広告の表示スケジュール」とする補正を削除したものである。 してみると、前記第2の[理由]2(3)の対比を、本願発明と上記引用発明の対比に援用すれば、上記(3)で検討した、【一致点】で一致し、【相違点2】の点で相違するといえる。 相違点2についての判断は、前記第2の[理由]2(4)イのとおり、引用発明及び引用例2の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明、引用例2の記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2019-01-09 |
結審通知日 | 2019-01-15 |
審決日 | 2019-01-28 |
出願番号 | 特願2016-159305(P2016-159305) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G06Q)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 阿部 潤 |
特許庁審判長 |
渡邊 聡 |
特許庁審判官 |
宮久保 博幸 石川 正二 |
発明の名称 | 決定装置、決定方法、及び決定プログラム |
代理人 | 特許業務法人酒井国際特許事務所 |