• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H01L
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01L
管理番号 1350398
審判番号 不服2018-3137  
総通号数 233 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-03-05 
確定日 2019-05-07 
事件の表示 特願2016-192255「レーザ照射装置」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 2月16日出願公開、特開2017- 38073、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,平成27年2月27日に出願した特願2015-39313号の一部を平成28年9月29日に新たな出願としたものであって,その手続の経緯は以下のとおりである。
平成28年 9月30日 上申書の提出
平成29年 4月24日付け 拒絶理由通知書
平成29年 6月15日 意見書・手続補正書の提出
平成29年11月27日付け 拒絶査定
平成30年 3月 5日 審判請求書・手続補正書の提出
平成30年12月17日付け 拒絶理由通知書
平成31年 2月18日 意見書・手続補正書の提出

第2 原査定の概要
原査定(平成29年11月27日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

この出願の請求項1ないし15に係る発明は,以下の引用文献1及び2に記載された発明に基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>
引用文献1 特開2004-179653号公報
引用文献2 特開2012-54603号公報

第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由(平成30年12月17日付け拒絶理由)の概要は次のとおりである。

A.この出願は,特許請求の範囲の記載が,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

B.この出願の請求項1ないし6に係る発明は,以下の引用文献1及び2に記載された発明に基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>
引用文献1 特開2004-179653号公報
引用文献2 特開2012-54603号公報
引用文献3 特開2000-72251号公報

第4 本願発明
本願請求項1ないし5に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明5」という。)は,平成31年2月18日提出の手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定される発明であり,本願発明1ないし5は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
レーザ光を出射するレーザ照射部;
前記レーザ光が照射されるワークに第1の不活性ガスを噴出することで浮上させて搬送可能なフロートユニット;
前記レーザ光の照射位置において、第2の不活性ガスを前記ワークに噴出する下方ガス噴出部;および
前記フロートユニットおよび前記ワークの上方であって、前記下方ガス噴出部の下方に位置する上部壁面部、を有するレーザ処理装置であって、
前記上部壁面部は開口部を有し、
前記レーザ光は前記開口部を介して前記ワークに照射され、
前記第2の不活性ガスは前記ワークと前記上部壁面部の間を流れ、
前記第1および第2の不活性ガスは同一種のガスであり、
前記下方ガス噴出部および前記上部壁面部によって、前記第2の不活性ガスによる局所的な雰囲気が形成可能であり、
前記第1および第2の不活性ガスは窒素であるレーザ処理装置。
【請求項2】
前記ワークは非晶質半導体膜が形成されたガラス基板である請求項1記載のレーザ処理装置。
【請求項3】
前記フロートユニットは、平面視において前記レーザ光の前記照射位置を含む第1の領域と、前記第1の領域に隣接する第2の領域を有し、
前記第1の不活性ガスは、前記第1の領域から噴出される請求項1または2にに記載のレーザ処理装置。
【請求項4】
前記上部壁面部は、平面視において前記フロートユニットの前記第1の領域と重なっている請求項3に記載のレーザ処理装置。
【請求項5】
前記上部壁面部および前記フロートユニットの前記第1の領域との間に、前記第1および第2の不活性ガスによる局所的な雰囲気が形成可能な請求項3に記載のレーザ処理装置。」

第5 引用文献,引用発明等
1 引用文献1記載事項
原査定及び当審の拒絶の理由に引用された引用文献1には,図面とともに次の事項が記載されている。(下線は,当審で付与した。以下,同じ。)

「【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶構造を有する半導体膜の作製方法及びそれを用いた半導体装置の作製方法に関し、具体的には半導体膜にレーザー光を照射して結晶化又は結晶性を向上させる技術に関するものである。また、本発明は、当該半導体膜又は半導体装置の作製に用いるレーザー処理装置に関する。」

「【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、レーザー光を照射して半導体膜の結晶化又は結晶性の改質を行うに際し、基板の外周部を保持して超音波振動を与えることにより、不純物の偏析を抑制することができる。超音波振動のエネルギーは、レーザー光の照射により表面に形成された酸化物又は窒化物を粉砕する作用があり、結晶粒界には酸化物の切片が集まるのが抑制され、電気抵抗のばらつきを低減することが可能となる。」

「【0029】
(第1の実施の形態)
図1は本発明に係るレーザー処理装置の一態様を示す図である。この装置はレーザー発振器101、光学系102、ステージ103、基板浮上手段104、基板114を狭持して移動させる移動手段105と、そのチャック107に超音波振動を与える超音波振動源106とを含んでいる。
【0030】
光学系102は、レーザー発振器101から放射されるレーザー光を集光及び伸張して、照射面形状を細い線状に成形するものである。光学系102の構成は適宜設計すれば良いが、例えば、シリンドリカルレンズアレイ110、シリンドリカルレンズ111、ミラー112、ダブレットシリンドリカルレンズ113などを用いて構成する。レンズの大きさにもよるが、長手方向は100?400mm程度、短手方向は100?500μm程度の線状レーザービームを照射することが可能である。
【0031】
また、レーザー光の照射部周辺の雰囲気制御を目的として、気体供給手段108とノズル109が備えられていても良い。レーザー光の照射領域周辺の雰囲気をノズル109から噴出する気体で置換することにより、特別なチャンバーを設けることなく雰囲気制御をすることができる。気体供給手段108からは、酸化性気体、還元性気体、不活性気体などの供給が可能である。気体の選択により酸素を半導体膜中に積極的に取り込ませたり、アルゴンなどの希ガスを取り込ませたりすることができる。
【0032】
さらに、この雰囲気制御を行う手段に加熱手段を付加して、加熱された気体をノズル109から噴出させる構成としても良い。その結果、レーザー光の照射部周辺にある基板又は基板上の半導体膜などの形成物を加熱することができる。これにより、レーザー光の照射で溶融した半導体膜の溶融時間が長くなり、基板に与える超音波振動の周波数は1MHz以下であっても平坦化の効果を得ることができる。
【0033】
勿論、特段このような手段を設けずに、空気中でレーザー光の照射を行っても良いし、ステージ103をチャンバー内に保持して減圧下(若しくは真空中)でレーザー光の照射を可能としても良い。
【0034】
レーザーは波長400nm以下の光を発振するエキシマレーザーなどの気体レーザーや、YAGレーザー、YVO_(4)レーザー、YLFレーザーなどの固体レーザーを用いる。Cr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmがドーピングされたYAGレーザーやYVO_(4)レーザーでは、YAGレーザーでは基本波(1064nm)の他に、第2高調波(532nm)や第3高調波(354.7nm)などを用いることができる。これらのレーザーはパルス発振するものを用い、発振周波数は5?300Hz程度のものが採用される。
【0035】
ステージ103は基板浮上手段104が備えられている。気体を噴出する開孔と吸引する開孔を設け、それそれの流量や流速を制御して基板114をステージ103上で浮上させるものである。この基板浮上手段104と、基板の周辺部を狭持して一軸方向又は二軸方向に移動させる移動手段105とを組み合わせることにより、基板114を空間に浮かせて支持して搬送する搬送手段を構成することができる。この搬送手段を用いることにより、矩形又は線状に集光したレーザー光を基板全面に照射することができる。さらに、移動手段105のチャック部107に超音波震動源106から供給される超音波振動を与えることで、基板にその振動を効率良く伝搬させることができる。或いは、基板114はチャック107で狭持して固定し、レーザー光をガルバノミラーなどの偏向手段で走査する構成としても良い。
【0036】
このようなレーザー照射装置は、特に一辺が1000mmを超え、かつ厚さが1mm以下のガラス基板を処理する場合に有用である。例えば、1200mm×1600mmや2000mm×2500mmであって、厚さが0.4?0.7mmのガラス基板を処理することもできる。ガラス基板の面積が大型化しその厚さが薄くなると、ガラス基板は容易に湾曲するが、ステージ103の構成として説明したように細孔から噴出する気体をもって基板を保持することにより平坦な面を保って基板を保持することができる。また、超音波振動を与える移動手段105以外に物体と接触するところがないので、超音波振動を減衰させることなく効率良く与えることができる。
【0037】
また、レーザー照射装置は、ノズル109から吹き付ける気体を酸化性気体、還元性気体、不活性気体から選択することで、適宜結晶化の条件を選択することができる。このようなレーザー照射装置の構成は、レーザービームの照射時の雰囲気の制御をするためのチャンバーを必要とせず、基板が大型化してもレーザー照射装置の小型化を図ることができる。
【0038】
図2(A)(B)は、ステージ103周辺の詳細を示す図である。(A)は上面図であり(B)は断面図を示している。ステージ103上の基板114は、基板浮上手段104によって浮上し、チャック107に狭持されている。基板浮上手段104は、ステージ103に設けられた開孔から気体の吹き付けと吸引を同時に行って基板の浮上する高さを調整している。チャック107には超音波震動源106から超音波振動が与えられる仕組みとなっている。
【0039】
基板114は、例えば、市販の無アルカリガラス基板が選択可能であり、厚さに限定はないが、0.2?2mm程度のものが好ましい。この基板114上には、窒化シリコンや酸化シリコンなどで形成する下地絶縁膜115が形成され、その上に20?200nmの半導体膜116が形成されている。この半導体膜116は非晶質半導体膜であっても良いし、すでに熱処理などで結晶化している結晶性の半導体膜を適用しても良い。なお、図2で示す構成は、チャック107を用いて2点で基板114を狭持する構成を示しているが、本発明はこれに限定されず、基板の周辺部の複数箇所を狭持して超音波振動源との接点を多くする構成としても良い。或いは、基板の端部側面を押さえるように固定しても良い。」

上記【0031】及び【図1】から,引用文献1に記載されたレーザー処理装置の「ノズル109」は,「基板114」のレーザー光が照射される位置に,アルゴンなどの希ガス(不活性気体)を噴出していると認められる。

そうすると,上記記載から,引用文献1には以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されている。

「ガラス基板を処理するレーザー処理装置であって,
レーザー発振器101と,
光学系102と,
気体を噴出する開孔を有する基板浮上手段104と,基板の周辺部を狭持して一軸方向又は二軸方向に移動させる移動手段105とを組み合わせることにより,ガラス基板114を空間に浮かせて支持して搬送する搬送手段と,
移動手段105のチャック107に超音波振動を与える超音波振動源106と,
レーザー光の照射部周辺の雰囲気制御を目的とし,レーザー光が照射される位置に,アルゴンなどの希ガス(不活性気体)を噴出する,気体供給手段108及びノズル109と,
を含んでいる,レーザー処理装置。」

2 引用文献2記載事項
原査定及び当審の拒絶の理由に引用された引用文献2には,図面とともに次の事項が記載されている。

「【技術分野】
【0001】
この発明は、非晶質半導体薄膜などの被処理体にレーザ光を照射して結晶化などの処理を行うレーザ処理装置に関するものである。」

「【0012】
また、雰囲気を形成するガスの種類は本発明としては特に限定されるものではないが、通常は窒素などの不活性ガスが用いられる。このガスをレーザ光照射部近傍に向けて照射するガス噴射部としては、通常は、レーザビームを囲む形状に形成された噴射口を用いることができる。」

「【0017】
請求項4記載のレーザ処理装置の発明は、請求項1?3のいずれかに記載の発明において、前記ガス噴射部近傍から前記走査方向に沿って前記被処理体表面と距離を保ちつつ伸張する整流面を備えることを特徴とする。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、ガス噴射部から噴射されたガスがレーザ光照射部近傍から周囲に流れる際に、整流面によって上方への拡散が阻止されて被処理体の面方向に沿って走査方向に流れるため、整流面の下方側で広い範囲に亘ってガス雰囲気を形成することができる。この結果、被処理体とレーザ光とが相対的に走査される際に、走査方向前方が早い段階でガス雰囲気が形成され、レーザ光照射に至るときには照射面に対し、酸素濃度を十分に低下させた良好なガス雰囲気下で処理を行うことができる。また、従来の装置では照射面の雰囲気を安定化するために必要としていたガス流量を削減することができる。それとともに、安定化に必要な待ち時間を短縮することが可能である。
また、広範囲にガス雰囲気が形成されることで、最大走査速度を大きくすることも可能になる。」

3 引用文献3記載事項
当審の拒絶の理由に引用された引用文献3には,図面とともに次の事項が記載されている。

「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板状基体に対する気体の噴出によって、板状基体を浮上した状態にし、この状態で板状基体を移動、停止、静止および方向転換させる場合、重い板状基体でも確実に、かつ高速で移動、停止、静止および方向転換をさせることができる浮上搬送装置および浮上搬送システムに関する。本発明は、液晶ディスプレイ等に用いられるガラス板や半導体装置が形成されるウエハ等の気流搬送をする浮上搬送システムに好適に用いられる。」

「【0003】移送ユニット100は、ガラス板300を直線的に移動させるために、通常、連結されて用いられる。この移送ユニット100の一例を図23に示す。移送ユニット100は、基台110と囲い材120とを備える。基台110には、ウエハを浮上させるための気体、例えば、ガラス板300に影響を与えない窒素ガス、アルゴンガスやその他のガスを供給する供給系111が配管されている。囲い材120が覆う、基台110の面112が搬送路の搬送面であり、搬送面112には、複数の噴出孔113が空けられている。」

第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)本願発明1と引用発明を対比する。
ア 引用発明の「レーザー発振器101」及び「光学系102」は,本願発明1の「レーザ光を出射するレーザ照射部」に相当する。

イ 引用発明は「ガラス基板を処理するレーザー処理装置」であるから,「レーザー処理装置」のレーザー光は「ガラス基板」に照射されると認められる。そうすると,引用発明の「ガラス基板」は,本願発明1の「前記レーザ光が照射されるワーク」に相当する。

ウ 引用発明の「搬送手段」は,「気体を噴出する開孔を有する基板浮上手段104」によりガラス基板を空間に浮かせて支持して搬送するものであるから,引用発明の「気体を噴出する開孔を有する基板浮上手段104」と,本願発明1の「前記レーザ光が照射されるワークに第1の不活性ガスを噴出することで浮上させて搬送可能なフロートユニット」は,「前記レーザ光が照射されるワークにガスを噴出することで浮上させて搬送可能なフロートユニット」である点で共通する。

エ 引用発明の「レーザー光の照射部周辺の雰囲気制御を目的とし,レーザー光が照射される位置に,アルゴンなどの希ガス(不活性気体)を噴出する,気体供給手段108及びノズル109」は,本願発明1の「前記レーザ光の照射位置において、第2の不活性ガスを前記ワークに噴出する下方ガス噴出部」に相当する。

オ 引用発明の「レーザー処理装置」は,本願発明1の「レーザ処理装置」に相当する。

カ そうすると,本願発明1と引用発明は,以下の点で一致し,又相違する。

[一致点]
「レーザ光を出射するレーザ照射部;
前記レーザ光が照射されるワークにガスを噴出することで浮上させて搬送可能なフロートユニット;
前記レーザ光の照射位置において,第2の不活性ガスを前記ワークに噴出する下方ガス噴出部;
を有するレーザ処理装置。」

[相違点1]
「フロートユニット」が噴出する「ガス」について,本願発明1は「第1の不活性ガス」であるのに対して,引用発明の「気体」はどのような「ガス」であるのか不明である点。
また,本願発明1は,「前記第1および第2の不活性ガスは同一種のガスであり」又「前記第1および第2の不活性ガスは窒素である」のに対して,引用発明はそのようになっていない点。

[相違点2]
本願発明1は「前記フロートユニットおよび前記ワークの上方であって、前記下方ガス噴出部の下方に位置する上部壁面部」を有し,「前記上部壁面部は開口部を有し」,「前記レーザ光は前記開口部を介して前記ワークに照射され」,「前記第2の不活性ガスは前記ワークと前記上部壁面部の間を流れ」,「前記下方ガス噴出部および前記上部壁面部によって、前記第2の不活性ガスによる局所的な雰囲気が形成可能」であるのに対して,引用発明は対応する構成を有していない点。

(2)相違点についての判断
ア 以下,[相違点2」について検討する。
本願発明1の[相違点2]に係る構成は,「照射するレーザは周りの流体の影響を受けるとされているため、噴出する不活性ガスは、レーザ照射部において極力乱れのない整流が望まれる。」(本願明細書段落【0005】)との課題を解決するためのものであり,この課題を有さない,引用文献1ないし3の記載から,引用発明に,[相違点2]に係る構成を付加することを想到し,本願の課題を解決することを,当業者が容易に為し得たとは認められないし,また,本願発明1は[相違点2]に係る構成を有することにより,この課題を解決するという,格別の効果を有するものである。

イ したがって,他の相違点について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても引用発明及び引用文献1ないし3に記載された事項に基づいて容易に発明できたものあるとは言えない。

2 本願発明2ないし5について
本願発明2ないし5は,本願発明1を引用するものであり,本願発明1の発明特定事項を全て備えるから,前記1と同様の理由により,引用文献1ないし3に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明することができたものではない。

第7 原査定について
前記第6のとおりであるから,本願発明1ないし5は,拒絶査定において引用された引用文献1及び2に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって,原査定の理由によって,本願を拒絶することはできない。

第8 当審拒絶理由について
1 特許法第36条第6項第2号について
平成31年2月18日にされた手続補正により,特許請求の範囲の記載が,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないとの拒絶の理由は解消した。

2 特許法第29条第2項について
前記第6のとおり,本願発明1ないし5は,当審拒絶理由において引用された引用文献1ないし3に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。

第9 むすび
以上のとおり,本願発明1ないし5は,当業者が引用文献1及び2に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-04-15 
出願番号 特願2016-192255(P2016-192255)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (H01L)
P 1 8・ 121- WY (H01L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 高橋 宣博河合 俊英  
特許庁審判長 深沢 正志
特許庁審判官 梶尾 誠哉
小田 浩
発明の名称 レーザ照射装置  
代理人 横井 幸喜  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ