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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G02B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G02B
管理番号 1350515
審判番号 不服2018-8565  
総通号数 233 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-06-21 
確定日 2019-04-04 
事件の表示 特願2014-122978「光ファイバ被覆用樹脂組成物、光ファイバケーブル及びセンサ」拒絶査定不服審判事件〔平成28年1月12日出願公開、特開2016-4090〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成26年6月16日を出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成30年 1月12日付け:拒絶理由通知書
平成30年 3月 5日 :意見書、手続補正書の提出
平成30年 3月22日付け:拒絶査定(同年同月27日送達)
平成30年 6月21日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 平成30年6月21日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成30年6月21日にされた手続補正についての補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)

「【請求項1】
塩化ビニル系樹脂(A)、塩化パラフィン(B)、塩化ビニル樹脂(A)の溶融時の張力を向上させる機能を有する溶融張力向上剤(C)、及び可塑剤(D)を含むプラスチック光ファイバ被覆用樹脂組成物であって、
前記溶融張力向上剤(C)が、アクリル樹脂系溶融張力向上剤及びフッ素樹脂系溶融張力向上剤の少なくとも1種であり、
前記可塑剤(D)が、トリメリット酸エステル化合物である、プラスチック光ファイバ被覆用樹脂組成物。
【請求項2】
前記塩化パラフィン(B)の炭素数が、14?30である、請求項1に記載のプラスチック光ファイバ被覆用樹脂組成物。
【請求項3】
前記塩化パラフィン(B)の塩素含有率が、塩化パラフィン(B)100質量%中、30質量%?90質量%である、請求項1又は2に記載のプラスチック光ファイバ被覆用樹脂組成物。
【請求項4】
前記可塑剤(D)の含有量が、塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して、10質量部?50質量部である、請求項1?3のいずれかに記載のプラスチック光ファイバ被覆用樹脂組成物。
【請求項5】
前記光ファイバ被覆用樹脂組成物が、更に難燃助剤(E)を含む、請求項1?4のいずれかに記載のプラスチック光ファイバ被覆用樹脂組成物。
【請求項6】
前記難燃助剤(E)が、三酸化アンチモン、ホウ酸塩化合物及びケイ素化合物の少なくとも1種である、請求項5に記載のプラスチック光ファイバ被覆用樹脂組成物。
【請求項7】
前記プラスチック光ファイバ被覆用樹脂組成物が、更に受酸剤(F)を含む、請求項1?6のいずれかに記載のプラスチック光ファイバ被覆用樹脂組成物。
【請求項8】
前記受酸剤(F)が、炭酸塩化合物、ハイドロタルサイト、酸化金属化合物及びオキシ水酸化金属化合物の少なくとも1種である、請求項7に記載のプラスチック光ファイバ被覆用樹脂組成物。
【請求項9】
プラスチック光ファイバと、プラスチック光ファイバの外周に請求項1?8のいずれかに記載のプラスチック光ファイバ被覆用樹脂組成物からなる層とを有する、プラスチック光ファイバケーブル。
【請求項10】
請求項9に記載のプラスチック光ファイバケーブルを含む、センサ。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の、平成30年3月5日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の記載は、次のとおりである。

「【請求項1】
塩化ビニル系樹脂(A)、塩化パラフィン(B)、及び塩化ビニル系樹脂(A)の溶融時の張力を向上させる機能を有する溶融張力向上剤(C)を含む光ファイバ被覆用樹脂組成物。
【請求項2】
塩化パラフィン(B)の炭素数が、14?30である、請求項1に記載の光ファイバ被覆用樹脂組成物。
【請求項3】
塩化パラフィン(B)の塩素含有率が、塩化パラフィン(B)100質量%中、30質量%?90質量%である、請求項1又は2に記載の光ファイバ被覆用樹脂組成物。
【請求項4】
溶融張力向上剤(C)が、アクリル樹脂系溶融張力向上剤及びフッ素樹脂系溶融張力向上剤の少なくとも1種である、請求項1?3のいずれかに記載の光ファイバ被覆用樹脂組成物。
【請求項5】
光ファイバ被覆用樹脂組成物が、更に可塑剤(D)を含む、請求項1?4のいずれかに記載の光ファイバ被覆用樹脂組成物。
【請求項6】
可塑剤(D)が、トリメリット酸エステル化合物である、請求項5に記載の光ファイバ被覆用樹脂組成物。
【請求項7】
可塑剤(D)の含有量が、塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して、10質量部?50質量部である、請求項5又は6に記載の光ファイバ被覆用樹脂組成物。
【請求項8】
光ファイバ被覆用樹脂組成物が、更に難燃助剤(E)を含む、請求項1?7のいずれかに記載の光ファイバ被覆用樹脂組成物。
【請求項9】
難燃助剤(E)が、三酸化アンチモン、ホウ酸塩化合物及びケイ素化合物の少なくとも1種である、請求項8に記載の光ファイバ被覆用樹脂組成物。
【請求項10】
光ファイバ被覆用樹脂組成物が、更に受酸剤(F)を含む、請求項1?9のいずれかに記載の光ファイバ被覆用樹脂組成物。
【請求項11】
受酸剤(F)が、炭酸塩化合物、ハイドロタルサイト、酸化金属化合物及びオキシ水酸化金属化合物の少なくとも1種である、請求項10に記載の光ファイバ被覆用樹脂組成物。
【請求項12】
光ファイバと、光ファイバの外周に請求項1?11のいずれかに記載の光ファイバ被覆用樹脂組成物からなる層とを有する、光ファイバケーブル。
【請求項13】
請求項12に記載の光ファイバケーブルを含む、センサ。」

2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の、請求項1を引用する請求項4を引用する請求項5を引用する請求項6に記載した発明を特定するために必要な事項である「光ファイバ被覆用」という事項について、これを「プラスチック光ファイバ被覆用」として新たな請求項1としたものであって、補正前の発明と補正後の請求項に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本件補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献等の記載事項
ア 引用文献1
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された引用文献である、特開2013-231134号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている。(下線は当審の付与したものである。以下同じ。)

a 「【請求項1】
(A)塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、
(B)エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体及び/又はエチレン・(メタ)アクリル酸エステル・一酸化炭素共重合体10?100質量部、(C)可塑剤(ただしフタル酸エステル系化合物は1000ppm未満である)0?100質量部、(D)非鉛系安定剤1?20質量部、並びに(E)難燃剤(ただしアンチモン化合物は1000ppm未満である)0?50質量部をそれぞれ含有することを特徴とする塩化ビニル樹脂組成物。
【請求項2】
前記(B)エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体及び/又はエチレン・(メタ)アクリル酸エステル・一酸化炭素共重合体、並びに前記(C)可塑剤の合計が30?150質量部であることを特徴とする請求項1に記載の塩化ビニル樹脂組成物。
【請求項3】
前記(C)可塑剤がリン酸エステル及び/又は塩素化パラフィンであることを特徴とする請求項1または2に記載の塩化ビニル樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1?3のいずれか1項に記載の塩化ビニル樹脂組成物を用いてなることを特徴とする電線・ケーブル。」

b 「【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塩化ビニル樹脂組成物、特には難燃性や機械特性(引張特性、耐寒性、硬度等)に優れた塩化ビニル樹脂組成物およびそれを用いた電線・ケーブルに関するもので.ある。
【背景技術】
【0002】
電線・ケーブル被覆用樹脂として塩化ビニル樹脂組成物が広く用いられ、例えば特許文献1には、ポリ塩化ビニル樹脂と、エチレン・一酸化炭素・(メタ)アクリル酸アルキル・エステル共重合体と、鉛化合物とからなる電線被覆用樹脂組成物が提案されている。この電線被覆用樹脂組成物は、他の基材への可塑剤の移行がなく、かつ鉛化合物を含有していても熱安定性に優れ、しかも多量の難燃剤を添加しても機械的特性あるいは低温特性にも優れている。
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の電線被覆用樹脂組成物は、有害な鉛化合物を含む。またジドデシルテレフタレートなどのフタル酸エステル系可塑剤を含むおそれがあり、これは塩化ビニル組成物の難燃性を低下させる他、近年フタル酸エステルは内分泌撹乱物質として人体への有害性が懸念されている。更に三酸化アンチモンを含むおそれがあり、三酸化アンチモンなどのアンチモン化合物は、有害性があり劇物と指定され取扱いが困難である。また高価かつ入手性が悪いなどの工業的なデメリットがある。
【0004】
そこで、鉛化合物、フタル酸エステル系化合物及びアンチモン化合物を含まず、難燃性や機械特性のバランスに優れ、電線・ケーブルに用いることができる塩化ビニル樹脂組成物の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平04-023854号公報
【発明の概要】【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、環境負荷が低減され、難燃性や機械特性に優れた塩化ビニル樹脂組成物およびそれを用いた電線・ケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、上記課題は以下の手段により達成された。
(1)(A)塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、(B)エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体及び/又はエチレン・(メタ)アクリル酸エステル・一酸化炭素共重合体10?100質量部、(C)可塑剤(ただしフタル酸エステル系化合物は1000ppm未満である)0?100質量部、(D)非鉛系安定剤1?20質量部、並びに(E)難燃剤(ただしアンチモン化合物は1000ppm未満である)0?50質量部をそれぞれ含有することを特徴とする塩化ビニル樹脂組成物。
(2)前記(B)エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体及び/又はエチレン・(メタ)アクリル酸エステル・一酸化炭素共重合体、並びに前記(C)可塑剤の合計が30?150質量部であることを特徴とする(1)に記載の塩化ビニル樹脂組成物。
(3)前記(C)可塑剤がリン酸エステル及び/又は塩素化パラフィンであることを特徴とする(1)または(2)に記載の塩化ビニル樹脂組成物。
(4)前記(1)?(3)のいずれか1項に記載の塩化ビニル樹脂組成物を用いてなることを特徴とする電線・ケーブル。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、実質的にフタル酸エステル系可塑剤及びアンチモン化合物を含むことなく、環境負荷を低減し、難燃性や機械特性のバランスに優れた塩化ビニル樹脂組成物およびそれを用いた電線・ケーブルを提供することができる。」

c 「【0020】
(C)可塑剤
可塑剤としては、トリオクチルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテート等の芳香族カルボン酸エステル系、ジオクチルアジペート(DOA)、ジオクチルアゼレート(DOZ)、ジオクチルセバケート(DOS)等の脂肪酸二塩基性エステル系、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ系、トリクレジルフォスフェート(TCP)、トリオクチルフォスフェート(TOP)等のリン酸エステル系、塩素化パラフィン(炭素原子数18以上のものが特に好ましい)、ポリエステル系等が挙げられる。特に難燃性の向上にはリン酸エステル又は塩素化パラフィンが好ましい。
【0021】
このうち、塩素化パラフィンは、炭素原子数が18?30のものが好ましく、塩素含有量(分子量中の塩素原子量の含有率)は35?80%が好ましい。このような塩素化パラフィンとしては、味の素ファインテクノ(株)のエンパラ40、エンパラ70が挙げられる。
これら可塑剤は単独または二種以上併用してもよい。
なお、本発明ではフタル酸エステル系可塑剤の添加量が1000ppm未満であり、実質的にフタル酸エステルを含まない。
【0022】
可塑剤の配合量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、0?100質量部であり、好ましくは0?50質量部、より好ましくは0?30質量部である。
【0023】
この配合量が100質量部を超えると、引張強度など機械的特性や耐外傷性が低下することがある。
【0024】
また上記樹脂(B)と可塑剤(C)の配合量の合計は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、好ましくは20?150質量部、より好ましくは30?150質量部、さらに好ましくは30?120質量部である。」

d 「【実施例】
【0035】
本発明を以下の実施例に基づき、さらに詳細に説明する。
本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではない。なお、下記表1において、各実施例及び比較例における数値は質量部を表す。
【0036】
[材料]
(A)塩化ビニル系樹脂:ZEST1300(商品名、新第一塩ビ株式会社製 平均重合度1300)
【0037】
(B)エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素もしくはエチレン・アクリル酸エステル・一酸化炭素共重合体
(B-1)エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体:エルバロイ742(商品名、三井デュポンポリケミカル株式会社製)
(B-2)エチレン・アクリル酸ブチル・一酸化炭素共重合体:エルバロイHP662(商品名、三井デュポンポリケミカル株式会社製)
【0038】
(C)可塑剤
(C-1)リン酸エステル:TCP(商品名、大八化学工業株式会社製)
(C-2)塩素化パラフィン:エンパラ40(商品名、味の素ファインテクノ株式会社製)
(C’-3)フタル酸エステル:DEHP〔フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)〕
【0039】
(D)安定剤
(D-1)非鉛系安定剤:アデカスタブRUP-109(商品名、株式会社アデカ製)
(D’-2)鉛系安定剤
【0040】
(E)難燃剤
(E-1)硼酸亜鉛:SZB-2335(商品名、堺化学工業株式会社製)
(E’-2)三酸化アンチモン
【0041】
(F)充填剤:ソフトン1500(商品名、備北粉化工業株式会社製:炭酸カルシウム 平均粒子径1.5μm)」

(イ)引用文献1の上記記載から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用文献1発明」という。)が記載されていると認められる。

「(A)塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、
(B)エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体及び/又はエチレン・(メタ)アクリル酸エステル・一酸化炭素共重合体10?100質量部、(C)可塑剤(ただしフタル酸エステル系化合物は1000ppm未満である)0?100質量部、(D)非鉛系安定剤1?20質量部、並びに(E)難燃剤(ただしアンチモン化合物は1000ppm未満である)0?50質量部をそれぞれ含有し、
難燃性の向上のため、(C)可塑剤として塩素化パラフィンを含む、
電線・ケーブル被覆用樹脂組成物。」

イ 周知技術1
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された周知例である、特開2003-096201号公報公報(以下、「周知例2」という。)には、次の事項が記載されている。

「【0013】本発明におけるフルオロポリマーの配合量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.05?20重量部が好ましく、0.1?10重量部がより好ましく、さらに好ましくは0.15?5重量部、特に好ましくは0.2?2重量部である。フルオロポリマーの配合量が0.05重量部未満の場合は、溶融張力改良効果や燃焼物の滴下防止効果といったフルオロポリマー配合による効果が不十分であり、一方、20重量部を超える場合はフルオロポリマーの凝集物が発生し易くなり、得られる熱可塑性樹脂組成物の溶融流動性や機械的物性が低下すると共に、その製造が困難になる。」

(イ)原査定の拒絶の理由で引用された周知例である、特開2005-255921号公報(以下、「周知例3」という。)には、次の事項が記載されている。

「【0045】
(E)加工性改良剤は、本発明においては、成形加工時の溶融張力を向上させ、成形性を改良させることのできる改良剤のことをいい、加工助剤と呼ばれることもある。この様な、組成物の溶融張力を向上させることのできる改良剤、すなわち本発明でいう加工性改良剤は、樹脂が本来持っている物性を損なわず、かつ溶融粘度の増大をできるだけ抑えて、押出し成形、ロール成形、真空成形、ブロー成形などの加工で要求される溶融張力を少量の添加で大きく改良するものであり、流動性の低下なしに、成形加工性を向上させるものである。加工性改良剤としては、特に制限はなく、無機系材料や、有機系の高分子材料が使用できる。その中では有機系の高分子材料であることが好ましく、アクリル系高分子材料、ポリテトラフルオロエチレン系の高分子材料が挙げられる。その中でも特にアクリル変性を施したポリテトラフルオロエチレン系の改良剤は、剛直性の高い分子構造を持ち、凝集力が小さく、配合組成物中で、繊維状のネットワーク構造をとることができその効果は大きい。」

(ウ)原査定の拒絶の理由で引用された周知例である、米国特許出願公開第2014/0116749号明細書(以下、「周知例4」という。)には、次の事項が記載されている。
「[0034] Adjustment of melt viscosity can be achieved as well as increasing melt strength by employing 0.5 to 5 phr of commercial acrylic process aids such as those from Rohm and Haas under the Paraloid trademark. ...」
(当審仮訳:「[0034]溶融粘度の調整は、溶融張力とともに、販売されているアクリル樹脂系加工助剤を100質量部に対する比で0.5から5使用することにより達成され、アクリル樹脂系加工助剤にはローム・アンド・ハースの登録商標「Paraloid」等がある。・・・」)

(エ)当審で新たに追加した周知例である、特開2013-118050号公報(以下、「周知例5」という。)には、次の事項が記載されている。

「【0032】
本発明で用いる塩化ビニル系樹脂組成物において、上記のようなダイスウェル比は樹脂へ加工助剤を適量配合することで達成できる。塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート等に添加することによって溶融弾性の向上とポリ塩化ビニル(PVC)のゲル化の促進とを図れる加工助剤としては、アクリル系高分子化合物、アクリル系ゴム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)系、シリコーンアクリル複合ゴムなどが挙げられ、これらのうち、ポリ塩化ビニル(PVC)のゲル化促進、すなわち、分子の長鎖がマトリックス樹脂の分子と絡まることにより疑似架橋状態をつくり、溶融弾性を付与できるためにアクリル系高分子化合物を用いることが好ましい。加工助剤の配合量としては、ベース樹脂100重量部に対して、0.5重量部以上、5重量部以下であることが好ましい。すなわち0.5重量部未満であると、ダイスウェル比を十分に向上させることが難しく、また、5重量部超であると成形時の溶融樹脂の流れに脈動が生じやすくなり、このとき成形不良となる。
【0033】
本発明で用いる塩化ビニル系樹脂組成物は次のように測定される溶融張力が0.02N以上0.5N以下であると、より可撓性の高いフラットケーブルの製造が可能となる。
【0034】
すなわち、180℃に設定されたキャピログラフ1D PMD-C(東洋精機製作所製)を用い、そのシリンダーに樹脂組成物からなるペレットを投入し、3分間保持し、その
後ピストンスピード20mm/分でキャピラリーから押出し、キャピラリーから排出された材料を巻き取り速度3.0mm/分で巻き取り機により巻き取る。この際の溶融張力(N)を測定した。なお、L/Dにおけるキャピラリー長さLは10mm、キャピラリー直径Dは1.0mmとした。
【0035】
塩化ビニル系樹脂組成物において可塑剤、加工助剤の添加量を変えて溶融張力を調整する。溶融張力が0.02N未満であるとフラットケーブル端部にちぎれが発生しやすく、0.2N超であると膨張し、成形時に脈動が発生し、製品の厚さ、幅にばらつきが生じやすくなる。」

(オ)当審で新たに追加した周知例である、特開2002-285010号公報(以下、「周知例6」という。)には、次の事項が記載されている。

「【0045】また、フッ素樹脂は溶融成形時の延伸によりフッ素樹脂が樹脂組成物中で繊維状となり、成形時の溶融張力を飛躍的に向上させることができる。これにより、オレフィン系材料の生産速度を向上させることができる。同様に、燃焼時においても、溶融した熱可塑性樹脂組成物中でフッ素樹脂が溶融粘度を向上させることにより、ドリップ(溶融樹脂が落下)するのを効果的に抑制し、延焼防止効果を付与できる。更に、これにより燃焼時に層状珪酸塩による焼結被膜の形成が阻害されないので、難燃性が向上する。フッ素樹脂はフッ素置換量が多いほど、分子構造上剛直になることにより凝集しにくくなる。また延伸により繊維状構造をとり、より剛直になることが知られている。一方、カーボンブラックは、作用機構は解明されていないが、チャー形成を促進し、火勢を著しく抑制する。」

(カ)これらの周知例2ないし6に記載されている次の技術は、周知技術(以下、「周知技術1」という。)である。

「燃焼時のドリップ防止などのため、樹脂組成物に、溶融張力を向上させるアクリル樹脂系助剤又はフッ素樹脂系助剤を含有させる技術。」

ウ 周知技術2及び3
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された周知例である、特開昭60-172005号公報(以下、「周知例7」という。)には、次の事項が記載されている。

「2.特許請求の範囲
コア及びクラッドがいずれもプラスチックよりなり、かつ前記コアの屈折率が前記クラッドの屈折率より高い屈折率を有し光を通すプラスチック光フアイバ素線の単線または集合体のまわりに、トリメリット酸エステル系可塑剤を10部?40部添加してなるポリ塩化ビニルを被覆したことを特徴とするプラスチック光ファイバ。
3.発明の詳細な説明
〔技術分野〕
本発明は難燃性、耐熱性及び耐薬品性に優れたプラスチック光ファイバに関するものである。」(第1頁左下欄第3行?第2頁左上欄第14行)

(イ)当審で新たに追加した周知例である、特開昭59-034501号公報(以下、「周知例8」という。)には、次の事項が記載されている。」

「2.特許請求の範囲
1.1本以上のプラスチック光ファイバーと、その周囲を直接被覆している、トリメリット酸エステルを可塑剤とに含むポリ塩化ビニール樹脂保護層とを含んでなるプラスチック光フアイバークープル。
2.前記トリメリット酸エステルが、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリヘキサンおよび、トリメリット酸トリオクチルからなる群から選ばれる特許請求の範囲第1項記載のプラスチック光フアイバーケーブル。
3.前記トリメリット酸エステルが、ポリ塩化ビニール樹脂全重量に対し25?35%の範囲内にある、特許請求の範囲第1項記載のプラスチック光フアイバーケーブル。」(第1頁左下欄第4行?第18行)

(ウ)新たに追加した周知例である、特開平06-331862号公報(以下、「周知例9」という。)には、次の事項が記載されている。

「【特許請求の範囲】
【請求項1】 プラスチック光ファイバに、トリメリット酸誘導体からなる耐熱性可塑剤を有するビニルシースを被覆したことを特徴とするプラスチック光ファイバケーブル。
【請求項2】 トリメリット酸誘導体が、トリ-(2-エチルヘキシル)トリメリテートである請求項1記載のプラスチック光ファイバケーブル。
【請求項3】 ビニルシースがショアA硬度90以上の硬度を有する請求項2記載のプラスチック光ファイバケーブル。」

(エ)新たに追加した周知例である、特開2002-285010号公報(以下、「周知例10」という。)には、次の事項が記載されている。

「【0028】
ハロゲン含有ポリマがポリ塩化ビニルの場合は、可塑剤として、例えばジ-(2-エチルヘキシル)フタレート、ジ-n-オクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸系エステル、トリ-(2-エチルヘキシル)トリメリテート、トリ-n-オクチルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテート、トリイソデシルフタレート等のトリメリット酸系エステル、テトラ-(2-エチルヘキシル)ピロメリテート、テトラ-n-オクチルピピロメリテート、テトライソノニルピロメリテートなどのピロメリット酸系エステルの他にアジピン酸系エステル、セバシン酸系エステル、アゼライン系酸エステル、塩化パラフィンなどを挙げることができる。これらの可塑剤を、定法に従って一種あるいは二種以上組合せて使用することもできる。これらの可塑剤の配合量としては、例えばポリ塩化ビニル100重量部あたり、40?80重量部程度であるが、硬度や耐熱性の要求によって増減するので、特に制限するものではない。」

(オ)周知技術2
周知例6ないし9に記載された次の技術は、周知技術(以下、「周知技術2」という。)である。

「難燃性、耐熱性及び耐薬品性に優れたものを得るため、被覆用樹脂組成物において、可塑剤にトリメリット酸エステル化合物を用いる技術。」

(カ)周知技術3
周知例6ないし8に記載された次の技術は、周知技術(以下、「周知技術3」という。)である。

「塩化ビニル系樹脂を主成分とする樹脂組成物をプラスチック光ファイバ被覆用とする技術。」

エ 周知例11ないし13
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された周知例である、特開2006-243079号公報(以下、「周知例11」という。)には、次の事項が記載されている。

「【0034】
難燃助剤としては、ヒドロキシ錫酸亜鉛等の金属系難燃剤や、炭酸カルシウム、シリコーン系難燃剤、窒素系難燃剤、金属ホウ酸塩等を好適に挙げることができる。特に、難燃助剤としてヒドロキシ錫酸亜鉛を採用する場合には、ベースポリマー100量部に対して30重量部以上添加するのが好ましい。
滑剤としては、シリコーンガム、タルク等を好適に挙げることができる。」

(イ)原査定の拒絶の理由で引用された周知例である、特開2007-031700号公報(以下、「周知例12」という。)には、次の事項が記載されている。

「【0024】
公知の受酸剤の具体的な例としては、マグネシア、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、生石灰、消石灰、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フタル酸カルシウム、亜リン酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化錫、リサージ、鉛丹、鉛白、二塩基性フタル酸鉛、二塩基性炭酸鉛、ステアリン酸錫、塩基性亜リン酸鉛、塩基性亜リン酸錫、塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛を挙げることができる。」

(ウ)原査定の拒絶の理由で引用された周知例である、特開2007-186536号公報(以下、「周知例13」という。)には、次の事項が記載されている。

「【0014】
(D)成分である塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキシカーボネートハイドレートは、一般式
Mg_(x)Al_(2)(OH)_(y)CO_(3)・mH_(2)O
x:4?6の整数またはこれらの混合物の平均値
y:12?18の整数またはこれらの混合物の平均値
で表わされ、例えば次のようなものが一般に用いられる。
Mg_(6)Al_(2)(OH)_(16)CO_(3)・4H_(2)0
Mg_(4.3)Al_(2)(OH)_(12.6)CO_(3) ・3.5H_(2)O
Mg_(4.5)Al_(2)(OH)_(13)CO_(3) ・3.5H_(2)O
Mg_(4)Al_(2)(OH)_(13.5)CO_(3) ・3.5H_(2)O
これらの化合物は・MgCl_(2)とAlCl_(2)との混合物水溶液中にNaOH水溶液およびNa_(2)CO_(3)水溶液を攪拌しながら添加して、pHを10前後にして白色沈殿物を取出し、乾燥して白色粉体としたものが用いられる。各金属原料としては、水可溶性塩類以外に水酸化物、酸化物、炭酸塩を用いてもよい。また、塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキシ・カーボネートハイドレートと同様な天然鉱物や市販品を用いることもできる。受酸剤塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキシ・カーボネートハイドレートは、フッ素ゴム100重量部当り約0.5?20重量部、好ましくは約1?10重量部の割合で用いられ、酸化マグネシウムが併用される場合には、約1?3重量部程度用いられる。使用割合がこの範囲以下では、加硫速度が遅く、加硫不足となり、一方この範囲以上では、加硫速度が速く、フッ素ゴムコンパウンドやフッ素ゴムコーティング剤の保管安定性が損なわれる。」

(3)対比
本件補正発明及び引用文献1発明を対比する。

引用文献1発明の「塩化ビニル系樹脂(A)」は、本件補正発明の「(A)塩化ビニル系樹脂」に相当する。引用文献1発明の(C)可塑剤に含まれる「塩素化パラフィン」は、パラフィンを塩素化すなわち塩化したものであるから、本件補正発明の「塩化パラフィン」に相当する。引用文献1発明において塩素化パラフィン以外の「(C)可塑剤」は、本件補正発明の「可塑剤(D)」に相当する。そして、引用文献1発明の「被覆用樹脂組成物」は、本件補正発明の「被覆用樹脂組成物」に相当する。

したがって、本件補正発明及び引用文献1発明は、次の一致点で一致し、次の相違点1ないし3において相違する。

【一致点】
「塩化ビニル系樹脂(A)、塩化パラフィン(B)、及び可塑剤(D)を含む被覆用樹脂組成物。」

【相違点1】
本件補正発明においては、被覆用樹脂組成物に、「塩化ビニル樹脂(A)の溶融時の張力を向上させる機能を有する溶融張力向上剤(C)」が含まれ、「前記溶融張力向上剤(C)が、アクリル樹脂系溶融張力向上剤及びフッ素樹脂系溶融張力向上剤の少なくとも1種であ」るのに対し、引用文献1発明においては、このような溶融張力向上剤は含まれていない点。

【相違点2】
本件補正発明においては、被覆用樹脂組成物の可塑剤が、「トリメリット酸エステル化合物である」のに対し、引用文献1発明においては、塩素化パラフィン以外の可塑剤は特定されていない点。

【相違点3】
本件補正発明においては、被覆用樹脂組成物が、「プラスチック光ファイバ」被覆用樹脂組成物であるが、引用文献1発明においては、「電線・ケーブル」被覆用樹脂組成物である点。

(4)判断
上記相違点1ないし3について検討する。

ア 上記相違点1について
引用文献1発明においては、このような溶融張力向上剤は含まれていないが、引用文献1発明も難燃性の樹脂組成物を得ることを目的としており、燃焼時の課題を考慮しているものであるから、このような課題に基づき、引用文献1発明において、「燃焼時のドリップ防止などのため、樹脂組成物に、溶融張力を向上させるアクリル樹脂系助剤又はフッ素樹脂系助剤を含有させる」という周知技術1を適用して上記相違点1に係る構成を備えたものとすることは、当業者が容易になし得たことである。このような周知技術の適用によって得られる燃焼時のドリップ防止などの効果も、当業者が予期し得たものである。

イ 上記相違点2について
引用文献1発明においては、塩素化パラフィン以外の可塑剤は特定されていないが、「難燃性、耐熱性及び耐薬品性に優れたものを得るため、被覆用樹脂組成物において、可塑剤にトリメリット酸エステル化合物を用いる」という周知技術2を適用して上記相違点2に係る構成を備えたものとすることは、当業者が容易になし得たことである。このような周知技術の適用によって難燃性、耐熱性及び耐薬品性に優れたものが得られるという効果も、当業者が予期し得たものである。

ウ 上記相違点3について
引用文献1発明も「電線・ケーブル」被覆用樹脂組成物であって、ケーブルには光ファイバケーブルも含まれ得ると考えられることに加え、引用文献1発明も塩化ビニル系樹脂を主成分とするものであるから、引用文献1発明において、「塩化ビニル系樹脂を主成分とする樹脂組成物をプラスチックファイバ被覆用とする」という周知技術3を適用して上記相違点3に係る構成を備えたものとすることは、当業者が容易になし得たものである。周知例6ないし8において、可塑剤としてトリメリット酸エステル化合物を含有し、塩化ビニル系樹脂を主成分とする樹脂組成物をプラスチック光ファイバ被覆用としていることが記載されていることを考慮しても、このような組み合わせは容易になし得たことである。

そして、上記のとおり、上記相違点1ないし3に係る構成を備えたことによる効果は、それぞれ引用文献1及び周知技術1ないし3から予想し得た程度ものであって格別のものではなく、上記の組み合わせは容易であるから、本件補正発明は、引用文献1及び周知技術1ないし3に基いて当業者が容易になし得たものであって、特許法第29条第2項の規定により独立して特許を受けることができないものである。

3 本件補正についてのむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成30年6月21日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし13に係る発明は、平成30年3月5日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし13に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2[理由]1(2)に記載したとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1ないし13に係る発明は、その出願日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献Aに記載された発明及び周知例BないしHに記載された周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。

引用文献A:特開2013-231134号公報
引用文献B:特開2003-096201号公報(周知例2である。)
引用文献C:特開2005-255921号公報(周知例3である。)
引用文献D:特開昭60-172005号公報(周知例7である。)
引用文献E:特開2006-243079号公報(周知例10である。)
引用文献F:特開2007-031700号公報(周知例11である。)
引用文献G:特開2007-186536号公報(周知例12である。)
引用文献H:米国特許出願公開第2014/0116749号明細書(周知例4である。)

3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献Aは、引用文献1であり、その記載事項は、上記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2(2)で検討した本件補正発明において、「前記溶融張力向上剤(C)が、アクリル樹脂系溶融張力向上剤及びフッ素樹脂系溶融張力向上剤の少なくとも1種であり」、「可塑剤(D)」を含み、「前記可塑剤(D)が、トリメリット酸エステル化合物である」という限定を省き、「光ファイバ被覆用樹脂組成物」の光ファイバについて「プラスチック」であるという限定を省いたものである。

そうすると、 本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに上記のとおり限定したものに相当する本件補正発明が、上記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用文献1発明及び周知技術1ないし3に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用文献1発明及び周知技術1ないし3に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2019-01-31 
結審通知日 2019-02-05 
審決日 2019-02-18 
出願番号 特願2014-122978(P2014-122978)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G02B)
P 1 8・ 575- Z (G02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 下村 一石野口 晃一  
特許庁審判長 西村 直史
特許庁審判官 星野 浩一
古田 敦浩
発明の名称 光ファイバ被覆用樹脂組成物、光ファイバケーブル及びセンサ  

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