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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06Q
管理番号 1350558
審判番号 不服2018-6372  
総通号数 233 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-05-09 
確定日 2019-05-07 
事件の表示 特願2014-219826「コンプライアンスチェックシステムおよびコンプライアンスチェックプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 5月19日出願公開、特開2016- 85697、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成26年10月29日の出願であって、その手続の経緯は以下の通りである。

平成29年 6月22日 :手続補正書、上申書、早期審査に関する事 情説明書の提出
平成29年10月 6日付け:拒絶理由の通知
平成29年12月12日 :意見書、手続補正書の提出
平成30年 2月 8日付け:拒絶査定
平成30年 5月 9日 :審判請求書、手続補正書の提出
平成30年 7月12日 :前置報告


第2 原査定の概要

原査定(平成30年2月8日付け拒絶査定)の概要は次の通りである。

本願請求項1、8に係る発明は、以下の引用文献1及び2に基づいて、本願請求項2に係る発明は、以下の引用文献1?4に基づいて、本願請求項3?7に係る発明は、以下の引用文献1?5に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2014-146375号公報
2.特開2012-3703号公報
3.特開2013-15726号公報
4.特開2014-123209号公報
5.特開2007-304793号公報


第3 審判請求時の補正について

審判請求時の補正は、特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。

そして、「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」までに示すように、補正後の請求項1?6に係る発明は、独立特許要件を満たすものである。


第4 本願発明

本願請求項1?6に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」?「本願発明6」という。)は、審判請求時の補正で補正された特許請求の範囲の請求項1?6に記載された事項により特定される以下の通りのものである。

「【請求項1】
営業担当者が顧客に対して行った各発話についてコンプライアンスを遵守しているかをチェックするコンプライアンスチェックシステムであって、
前記営業担当者の前記各発話の内容を音声認識技術によりテキスト化したテキストデータに対して、形態素解析を含む自然言語解析処理を行って解析済テキストデータとして出力するテキスト解析部と、
前記各発話に係る前記解析済テキストデータ内の各発話について、所定の基準に従って連続する1つ以上の発話からなるブロックにまとめ、前記各ブロックにおいて、顧客に対して説明するべき必要事項として予め定義された第1のテキストデータの内容が説明されているか否かを判定する判定部と、
前記各発話に係る前記解析済テキストデータについて、顧客に対して述べてはいけない禁止表現の内容として予め定義された第2のテキストデータにマッチするものがある場合に、対象の前記発話において対象の前記禁止表現が述べられたものと判定するキーワードマッチング部と、を有し、
前記判定部は、前記ブロックにおいて、前記第1のテキストデータの内容が説明されていると判定した場合に、前記ブロックに対して前記必要事項のカテゴリを付与して記録するとともに、前記必要事項のそれぞれについて、予め設定した所定の評価基準に基づいて、説明された度合であるスコアを判定し、
前記付与されたカテゴリ、前記必要事項の前記スコアを所定の表示方法で画面に出力する、
コンプライアンスチェックシステム。

【請求項2】
請求項1に記載のコンプライアンスチェックシステムにおいて、
前記テキスト解析部は、同義語とこれに対する標準表現との対応関係を予め定義した同義語定義情報に定義された前記同義語が、前記解析済テキストデータに含まれている場合に、前記解析済テキストデータにおける前記同義語を対応する前記標準表現に置換する、
コンプライアンスチェックシステム。

【請求項3】
請求項1または2に記載のコンプライアンスチェックシステムにおいて、
前記判定部は、前記解析済テキストデータに基づいて、予め設定した所定の発話種別判定ルールにより、前記営業担当者の前記各発話の種別を判定する、コンプライアンスチェックシステム。

【請求項4】
請求項1?3のいずれか1項に記載のコンプライアンスチェックシステムにおいて、
前記第2のテキストデータは、発話時に具体的な内容となる表現、もしくは述べてはいけない語からなる固有表現についてパラメータとして定義されており、
前記キーワードマッチング部は、前記解析済テキストデータに含まれる固有表現を抽出してパラメータ化した上で前記第2のテキストデータとのマッチングを行う、コンプライアンスチェックシステム。

【請求項5】
請求項4に記載のコンプライアンスチェックシステムにおいて、
前記第2のテキストデータは、任意の文字列および/または前記固有表現をパラメータ化したものの連続もしくは組み合わせにより定義されている、コンプライアンスチェックシステム。

【請求項6】
営業担当者が顧客に対して行った各発話についてコンプライアンスを遵守しているかをチェックするコンプライアンスチェックシステムとして機能するよう、コンピュータに処理を実行させるコンプライアンスチェックプログラムであって、
前記営業担当者の前記各発話の内容を音声認識技術によりテキスト化したテキストデータに対して、形態素解析を含む自然言語解析処理を行って解析済テキストデータとして出力するテキスト解析処理と、
前記各発話に係る前記解析済テキストデータ内の各発話について、所定の基準に従って連続する1つ以上の発話からなるブロックにまとめ、前記各ブロックにおいて、顧客に対して説明するべき必要事項として予め定義された第1のテキストデータの内容が説明されているか否かを判定する判定処理と、
前記各発話に係る前記解析済テキストデータについて、顧客に対して述べてはいけない禁止表現の内容として予め定義された第2のテキストデータにマッチするものがある場合に、対象の前記発話において対象の前記禁止表現が述べられたものと判定するキーワードマッチング処理と、を実行させ、
前記判定処理で、前記ブロックにおいて前記第1のテキストデータの内容が説明されていると判定した場合に、前記ブロックに対して前記必要事項のカテゴリを付与して記録するとともに、前記必要事項のそれぞれについて、予め設定した所定の評価基準に基づいて
、説明された度合であるスコアを判定する処理を実行し、
前記付与されたカテゴリ、前記必要事項の前記スコアを所定の表示方法で画面に出力処理を実行させる、コンプライアンスチェックプログラム。」


第5 引用文献、引用発明等

1.引用文献1について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2014-146375号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(なお、下線部は当審にて付与した。)

(ア)「【0024】
以下、本発明を具体化した説明支援システムの一実施形態を図1?図7に従って説明する。本実施形態では、営業担当者が、顧客との対面販売において、説明資料を用いて商品説明を行なう場合を説明する。本実施形態では、図1に示すように、無線通信可能な範囲に設置されたタブレット端末10(第2の端末)、タブレット端末20(第1の端末)を用いる。更に、タブレット端末20は、ネットワークを介してバックヤード端末30に接続される。」

(イ)「【0041】
親機であるタブレット端末20の制御部21は、制御手段(CPU、RAM、ROM等)を備え、後述する処理(画面操作段階、表示制御段階、同期エリア設定段階、画面転送段階、ポインタ転送段階等の各処理等)を行なう。そのための説明支援プログラム(親機用)を実行することにより、制御部21は、図2に示すように、画面操作手段210、表示制御手段211、同期エリア設定手段212、画面転送手段213、ポインタ転送手段214として機能する。更に、制御部21は、後述する処理(録音段階、キーワード抽出段階、NGワード確認段階、説明義務確認段階、バックヤード連絡段階等の各処理等)を行なう。そして、制御部21は、図2に示すように、録音手段215、キーワード抽出手段216、NGワード確認手段217、説明義務確認手段218、バックヤード連絡手段219として機能する。」

(ウ)「【0048】
データ記憶部22には、説明資料ファイル、説明義務リスト、NGワードリスト、確認対象データ、録音ファイル、音声認識結果ファイルが記録される。本実施形態では、説明義務リスト及びNGワードリストが、キーワードが記録されたチェックリストとして機能する。
【0049】
説明資料ファイル領域には、商品説明において用いる文書ファイルが記録される。本実施形態では、スライド形式のファイルを用いる。この説明資料ファイルには、説明対象の商品を特定する商品コードや商品名を関連付けられて記録されている。
【0050】
説明義務リスト領域には、商品コードに関連付けられた説明義務リストが記録されている。説明義務リストには、この商品コードの商品の説明時に説明する必要がある項目のキーワードが記録されている。説明すべき項目が複数ある場合には、すべての項目に対応するキーワードが記録されている。
【0051】
NGワードリスト領域には、商品説明時に使用を避ける単語等、注意すべき表現に含まれるキーワード(NGワード)が記録されている。
確認対象データ領域には、商品説明の対象商品の説明義務リストや、検知したNGワードが仮記憶される。この説明義務リストには、説明資料ファイルがオープンされた時刻(説明開始時刻)に関するデータが関連付けられて記録される。更に、説明義務リストの各項目には、音声認識においてキーワードを検知した時刻(確認時刻)に関するデータが関連付けられて記録される。また、NGワードには、NGワードを検知した検知時刻に関するデータが関連付けられて記録される。更に、対応済み入力が行なわれた場合には、NGワードに対して対応時刻に関するデータが関連付けられて記録される。」

(エ)「【0074】
(キーワード対応処理)
次に、キーワード対応処理を、図5を用いて説明する。このキーワード対応処理は、営業担当者が、タブレット端末20を用いて、商品説明を行なっている場合に実行される。
【0075】
ここでは、タブレット端末20の制御部21は、説明義務リストの特定処理を実行する(ステップS2-1)。具体的には、制御部21の説明義務確認手段218は、タッチパネルディスプレイ25に表示されている説明資料ファイルの商品コードを特定する。次に、説明義務確認手段218は、データ記憶部22から、この商品コードに関連付けられている説明義務リストを抽出し、確認対象データ領域に記録する。そして、説明義務確認手段218は、確認対象データ領域に記録した説明義務リストに関連付けて、説明開始時刻を記録する。
【0076】
次に、タブレット端末20の制御部21は、説明義務リストの表示処理を実行する(ステップS2-2)。具体的には、制御部21の説明義務確認手段218は、図3に示すように、タッチパネルディスプレイ25上の説明義務リスト表示エリア254に説明義務リストを出力する。この段階では、説明義務リストの全項目が未消込の状態で表示される。
【0077】
次に、タブレット端末20の制御部21は、音声取得処理を実行する(ステップS2-3)。具体的には、制御部21のキーワード抽出手段216は、マイク26において集音した音声を取得する。
【0078】
次に、タブレット端末20の制御部21は、キーワード抽出処理を実行する(ステップS2-4)。具体的には、制御部21のキーワード抽出手段216は、取得した音声の音声認識処理を実行して、テキストに変換する。そして、キーワード抽出手段216は、このテキストを音声認識結果として、集音時刻に関連付けて、データ記憶部22の音声認識結果ファイルに記録する。次に、キーワード抽出手段216は、音声認識したテキストにおいて、形態素解析により、テキストに含まれる単語を特定する。そして、キーワード抽出手段216は、説明対象商品の説明義務リスト(確認対象データ領域に記録された説明義務リスト)及びNGワードリストに記録されているキーワードと、音声認識された単語とを比較する。
【0079】
次に、タブレット端末20の制御部21は、説明義務項目かどうかについての判定処理を実行する(ステップS2-5)。具体的には、制御部21のキーワード抽出手段216は、音声認識されたキーワードが、説明義務リストのキーワードとして記録されている場合には、説明義務項目と判定する。
【0080】
説明義務項目と判定した場合(ステップS2-5において「YES」の場合)、タブレット端末20の制御部21は、説明義務リストの消込処理を実行する(ステップS2-6)。具体的には、制御部21の説明義務確認手段218は、データ記憶部22の確認対象データ領域に記録された説明義務リストにおいて、キーワードを検知した確認時刻を記録する。更に、説明義務確認手段218は、タッチパネルディスプレイ25の説明義務リスト表示エリア254に表示された説明義務リストにおいて、特定したキーワードに対応する項目の消込表示を行なう。そして、ステップS2-3の処理に戻る。
【0081】
一方、説明義務項目でないと判定した場合(ステップS2-5において「NO」の場合)、タブレット端末20の制御部21は、NGワードかどうかについての判定処理を実行する(ステップS2-7)。具体的には、制御部21のキーワード抽出手段216は、音声認識されたキーワードが、NGワードリストのキーワードとして記録されている場合には、NGワードと判定する。
【0082】
ここで、NGワードでないと判定した場合(ステップS2-7において「NO」の場合)、タブレット端末20の制御部21は、ステップS2-3以降の処理を繰り返す。
一方、NGワードと判定した場合(ステップS2-7において「YES」の場合)、タブレット端末20の制御部21は、NGワード対応処理を実行する(ステップS2-8)。ここでは、検知したNGワードについては、図6に示すNGワード対応処理を実行するととともに、ステップS2-3以降の処理を繰り返す。
【0083】
そして、タブレット端末20の制御部21は、定期的に説明義務項目の状況確認処理を実行する。
ここでは、タブレット端末20の制御部21は、説明義務リストの消込状況の取得処理を実行する(ステップS2-9)。具体的には、制御部21の説明義務確認手段218は、確認対象データ領域に記録された説明義務リストにおいて、確認時刻の記録状況を取得する。
【0084】
次に、タブレット端末20の制御部21は、未消込の項目が残っているかどうかについての判定処理を実行する(ステップS2-10)。具体的には、制御部21の説明義務確認手段218は、確認時刻が記録されていない項目がある場合には、未消込の項目があると判定する。
【0085】
未消込の項目が残っていない場合(ステップS2-10において「NO」の場合)、タブレット端末20の制御部21は、説明義務項目の状況確認処理を終了する。
一方、未消込の項目が残っている場合(ステップS2-10において「YES」の場合)、タブレット端末20の制御部21は、時間超過かどうかについての判定処理を実行する(ステップS2-11)。具体的には、制御部21の説明義務確認手段218は、システムタイマから現在時刻を取得し、説明開始時刻から現在時刻までの経過時間を算出する。そして、この経過時間と説明義務通知判定基準時間とを比較し、この基準時間を超過しているかどうかを判定する。
【0086】
説明義務通知判定基準時間を超過していない場合(ステップS2-11において「NO」の場合)には、説明義務リストの消込状況の取得処理を継続する。
一方、説明義務通知判定基準時間を超過していると判定した場合(ステップS2-11において「YES」の場合)、タブレット端末20の制御部21は、注意喚起処理を実行する(ステップS2-12)。具体的には、制御部21の説明義務確認手段218は、説明義務リストにおいて、説明されていない説明義務項目があることを示したメッセージを、タッチパネルディスプレイ25に出力する。更に、説明義務確認手段218は、バックヤード連絡手段219に対して、バックヤード端末30への連絡を指示する。この場合、バックヤード連絡手段219は、バックヤード端末30に対して、説明状況通知を送信する。この説明状況通知には、未消込の項目に関するデータを含める。管理者は、バックヤード端末30において説明状況を確認する。そして、管理者は、バックヤード端末30を用いて、必要に応じて、タブレット端末20にメッセージを送信する。」

上記(ア)?(エ)から、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「無線通信可能な範囲に設置されたタブレット端末10とバックヤード端末30とネットワークを介してバックヤード端末30に接続されるタブレット端末20を備えた説明支援システムであって、(【0024】)
タブレット端末20の制御部21は、画面操作手段210、表示制御手段211、同期エリア設定手段212、画面転送手段213、ポインタ転送手段214、録音手段215、キーワード抽出手段216、NGワード確認手段217、説明義務確認手段218、バックヤード連絡手段219として機能し、(【0041】)
タブレット端末20が備えるデータ記憶部22には、説明資料ファイル、説明義務リスト、NGワードリスト、確認対象データ、録音ファイル、音声認識結果ファイルが記録され、(【0048】)
説明義務リスト領域には、商品コードの商品の説明時に説明する必要がある項目のキーワードが記録されており、(【0050】)
NGワードリスト領域には、商品説明時に使用を避ける単語等、注意すべき表現に含まれるキーワード(NGワード)が記録されており、(【0051】)
制御部21の説明義務確認手段218は、タッチパネルディスプレイ25に表示されている説明資料ファイルの商品コードが特定されると、データ記憶部22から、この商品コードに関連付けられている説明義務リストを抽出して、タッチパネルディスプレイ25上の説明義務リスト表示エリア254に説明義務リストを出力し、この段階では、説明義務リストの全項目が未消込の状態で表示されており、(【0075】、【0076】)
制御部21のキーワード抽出手段216は、マイク26において集音した音声を取得し、取得した音声の音声認識処理を実行して、テキストに変換し、音声認識したテキストにおいて、形態素解析により、テキストに含まれる単語を特定し、説明対象商品の説明義務リスト及びNGワードリストに記録されているキーワードと、音声認識された単語とを比較し、音声認識されたキーワードが、説明義務リストのキーワードとして記録されている場合には、説明義務項目と判定し、(【0077】?【0079】)
説明義務項目と判定した場合には、説明義務確認手段218は、タッチパネルディスプレイ25の説明義務リスト表示エリア254に表示された説明義務リストにおいて、特定したキーワードに対応する項目の消込表示を行ない、(【0080】)
一方、説明義務項目でないと判定した場合には、キーワード抽出手段216は、音声認識されたキーワードが、NGワードリストのキーワードとして記録されている場合には、NGワードと判定し、(【0081】)
タブレット端末20の制御部21は、定期的に説明義務項目の状況確認処理を実行し、未消込の項目が残っているかどうかについての判定処理を実行し、(【0083】、【0084】)
未消込の項目が残っている場合には、説明義務確認手段218は、説明義務リストにおいて、説明されていない説明義務項目があることを示したメッセージを、タッチパネルディスプレイ25に出力する、(【0085】、【0086】)
説明支援システム。」

2.引用文献2について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開2012-3703号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(なお、下線部は当審にて付与した。)

(オ)「【0023】
本発明の一実施の形態である談話内訳算出システムは、話し言葉を含む談話データについての談話構造の解析結果である談話セマンティクス(談話全体の意味内容を把握するための談話構造に係る情報)に基づいて、例えばコールセンターのオペレータ等の発話者による談話の内容がトークスクリプトなどの応対時の参照情報の中のいずれに最も類似するかを判定し、各オペレータがどの程度トークスクリプトに沿った応対をしているかを集計して内訳情報として出力するシステムである。
【0024】
ここで、談話セマンティクスとは、例えば、談話データにおける文字列や形態素から意味内容を推測して、談話データ全体について後述するようなフロー、さらには結束性(談話のセグメント)、固有表現、談話簡約などの談話構造の解析を行って得られた解析結果である。この談話セマンティクスは、例えば、後述する談話構造解析システムを用いることによって談話データから生成してもよいし、他の自然言語処理を利用した文章構造の解析システム等を利用して生成してもよい。また、人手によって談話データにタグ付け等を行って作成することも可能である。本実施の形態では、後述する談話構造解析システムを用いて生成するものとして説明する。」

(カ)「【0026】
図3は、本実施の形態における談話の例および談話セマンティクスの概念について示した図である。図3の例では、コールセンターのオペレータと顧客とのやり取りからなる談話の例を示している。左側の発話はオペレータの発話であり、右側は顧客の発話を示している。本実施の形態では、各話者の発話1文を「ステートメント」と呼ぶものとする。また、話者毎の連続したステートメントのまとまりを「ブロック」と呼ぶものとする(同一話者の連続したステートメントでも時間的に間隔が空いた場合は別のブロックとなる)。
【0027】
図3において、「フロー」とは、各ステートメントの意味内容を端的に示す情報である。この情報をトレースすることによって談話の流れを把握することができる。例えば、図3のオペレータのステートメントにおいて、最初の“はい。”はフローが“挨拶”になっているのに対し、次の“はい。”ではフローが“相槌”となっている。このように、談話の状況(コンテキスト)に応じて、同じ文言のステートメントであってもフローが異なるものとなる場合がある。」

(キ)「【0029】
[システム構成(談話構造解析システム)]
図2は、本発明の一実施の形態における談話構造解析システムの構成例の概要について示したブロック図である。談話構造解析システム2は、サーバやPC(Personal Computer)等のコンピュータシステムによって構成され、例えば、ソフトウェアプログラムによって実装される前処理部10、フロー解析部20、形態素解析部30、固有表現解析部40、結束性解析部50、および談話簡約部60の各部と、フロー解析ルール22、および固有表現解析ルール42の各テーブルを有し、音声認識エンジン3によって談話の内容がテキスト化された談話データ100を入力として、談話構造の解析を行って談話セマンティクス200を出力する。
【0030】
なお、音声認識エンジン3には既存のものを利用することができる。本実施の形態の談話構造解析システム2は、上述したように、談話データ100のノイズ(音声認識エンジン3による認識ミス等)に強いという特徴を有するが、音声認識エンジン3の認識率が高いほうがより精度の高い談話構造の解析を行うことが可能であることはいうまでもない。
【0031】
談話構造解析システム2の前処理部10は、談話データ100の入力を受けて、必要に応じて、他の各部での処理が可能なようにデータのレイアウト変換などの前処理を行う機能を有する。ここでは、例えば、話者毎に連続したステートメントをブロックとしてまとめて、各ブロックおよび各ステートメントに順序を示すシーケンス番号(ID)を割り振ったり、各ブロックの話者のデータを抽出・設定したりなどの処理を行う。なお、談話データ100は、例えば、XML(eXtended Markup Language)などを利用したデータ構造として表される。
【0032】
フロー解析部20は、前処理部10による前処理後の談話データ100に対して、フロー解析ルール22に基づくルールベースでのフローの解析を行い、解析結果としてフロー情報21を出力する機能を有する。フロー情報21は、談話データ100内の各ステートメントのIDとこれに対応するフローの情報を保持し、例えば、XMLなどを利用したデータ構造として表される。
【0033】
このフロー情報21は、談話構造解析システム2の出力として談話セマンティクス200に含まれ、必須の構成要素となる。すなわち、談話セマンティクス200には、少なくとも談話データ100についてのフローの解析結果としてフロー情報21が含まれる。なお、フロー解析ルール22の内容、およびフロー解析部20での処理の詳細については後述する。」

上記(オ)?(キ)から、引用文献2には、以下の技術事項が記載されていると認められる。

「話し言葉を含む談話データについての談話構造の解析結果である談話セマンティクス(談話全体の意味内容を把握するための談話構造に係る情報)に基づいて、コールセンターのオペレータ等の発話者による談話の内容がトークスクリプトなどの応対時の参照情報の中のいずれに最も類似するかを判定し、各オペレータがどの程度トークスクリプトに沿った応対をしているかを集計して内訳情報として出力する談話内訳算出システムにおいて、
談話構造解析システム2の前処理部10は、音声認識エンジン3によって談話の内容がテキスト化された談話データ100の入力を受けて、話者毎に連続したステートメントをブロックとしてまとめて、各ブロックおよび各ステートメントに順序を示すシーケンス番号(ID)を割り振ったり、各ブロックの話者のデータを抽出・設定したりなどの処理を行い、
前記ステートメントとは、各話者の発話1文のことであり、また、前記ブロックとは、話者毎の連続したステートメントのまとまりのことであり、
フロー解析部20は、前処理部10による前処理後の談話データ100に対して、フロー解析ルール22に基づくルールベースでのフローの解析を行い、解析結果としてフロー情報21を出力する機能を有し、
前記フローとは、各ステートメントの意味内容を端的に示す情報であり、 フロー情報21は、談話データ100内の各ステートメントのIDとこれに対応するフローの情報を保持し、XMLなどを利用したデータ構造として表されるものである。」

3.前置報告書において提示された引用文献Aについて

前置報告書において提示された引用文献A(特開2008-40847号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(なお、下線部は当審にて付与した。)

(ク)「【0007】
本発明では、ルールを定量的に評価する指標を提供する。定量的に評価する指標があれば、担当者は今までの論理的なルールの評価だけでなく、全てのルールを一定の基準から評価することができるようになるため、より客観的にルールを評価することができ、機能的なルールの品質を確保できるようになる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
各ルールにおける、日々発生する取引のバイオレーション度合いをアラート値として数値化し、蓄積する。ここでのバイオレーション度合いとは、あるルールに対して各取引がどの程度逸脱したかという度合いを指す。また、算出されるアラート値は実際にルールを逸脱した違反取引の内容を反映させるだけでなく、違反に接近した取引を警告取引と定義し、値に反映させる。実現方法として、担当者はルール登録時に警告取引を判定する警告数値を設定する。ルール評価サーバでは、この警告取引と違反取引の、警告数値からの逸脱具合を数値化する。さらに、数値化の際に違反取引と警告取引の重み付けの設定を可能にする。」

(ケ)「【0014】
ルール登録プログラム105はコンプライアンスチェックプログラム111が取引の承認/非承認を判定する際に用いられるルールをユーザ端末101の要求に従い、ルールDB106に登録するプログラムである。アラートプログラム103はルールDB106に登録されている各ルールにおける、日々の取引のバイオレーション度合いをアラート値として評点化し、アラート結果DB107に格納するプログラムである。アラート値参照プログラム104はアラートプログラム103によって算出された各ルールのアラート値を、ユーザ端末101からの要求に従って、アラート結果DB107を参照し、ユーザ端末101に表示するプログラムである。ルールDB106はルール登録プログラム105によって登録されたルールの内容を格納するDBである。アラート結果DB107はアラートプログラム103によって算出されたアラート値を格納するDBである。」

(コ)「【0023】
図3は各ルールにおける、日々発生する取引のバイオレーション度合いをアラート値として算出するアラートプログラム103のフローチャートである。アラートプログラム103はフロントシステム108に取引が入力されるごとに、入力された取引と全てのルールを照合し、バイオレーション度合いをアラート値に反映させる。ルール評価サーバは原則として常時起動している。アラートプログラム103は常時起動していて、一件の取引が発生次第、アラート値の算出を行う。そのため、取引の発生を常時監視している。」

4.前置報告書において提示された引用文献Bについて

前置報告書において提示された引用文献B(特表2003-532234号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(なお、下線部は当審にて付与した。)

(サ)「【0041】
一実施形態のインタビュー結果は、質問表テンプレートスプレッドシートを利用して編集される。図6は、質問表テンプレートスプレッドシート120の一実施形態を示す。各コンプライアンス査定エリア124のためにに対して質問されるインタビューの質問事項122がテンプレート120に入力される。また、質問に対する回答126もテンプレート120に入力される。テンプレート120はサーバ12内に格納され、サーバ12は、隠れた列を利用して、スプレッドシート上の定性的な結果を定量的な結果に自動変換する。例えば、肯定回答は、数値エントリの「1」に自動的に変換される。インタビュー中に収集された定性的回答128も、テンプレート120に入力される。定性的回答128には、例えば、現在のプログラムの詳細や、利用したツールや、アクションプランや、責任者の完了日や、最高の実施形態が含まれる。別の特定の実施形態では、「不適当」という回答126によって、結果分析の際に質問を総数に加えるべきでないことを示すスイッチがトリガされる。
【0042】
また、サーバ12は、肯定回答の「1」を加え、一般的に職務リーダやコンプライアンスリーダによって指示された時に結果を自動的に表やグラフにするように構成される。特に、図7は、(図6に示す)テンプレート120に入力された回答126を利用して生成された質問表測定基準チャート130の一実施形態である。質問表測定基準チャート130には、例えば、各コンプライアンス査定エリア124でのコンプライアンスの割合132が含まれる。コンプライアンスの割合132は、機会(opportunities)の「Opps」とも呼ばれる1つの回答が期待された質問の数134と、特定のコンプライアンス査定エリア124内の「1」の総数であるスコア136の割合である。
【0043】
職務リーダやコンプライアンスリーダによって指示されると、(図1、2に示す)サーバ12は、(図7に示す)質問表測定基準チャート130をコンプライアンスプログラム査定概要チャートに自動変換することによってコンプライアンスプログラムの査定結果を要約する。コンプライアンスプログラム査定概要チャート140の一実施形態を図8に示す。プログラム評価概要140には、例えば、コンプライアンス査定エリア124毎のコンプライアンスの割合132や、最終見直し後の進捗度や、次に見直しをする焦点エリアや、ビジネスリスクと環境に基づく評価基準の比較が含まれる。」


第6 対比・判断

1.本願発明1について

(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。

(1-1)
引用発明の「説明支援システム」は、「制御部21のキーワード抽出手段216は、マイク26において集音した音声を取得し、取得した音声の音声認識処理を実行して、テキストに変換し、音声認識したテキストにおいて、形態素解析により、テキストに含まれる単語を特定し、説明対象商品の説明義務リスト及びNGワードリストに記録されているキーワードと、音声認識された単語とを比較し、音声認識されたキーワードが、説明義務リストのキーワードとして記録されている場合には、説明義務項目と判定し、説明義務項目と判定した場合には、説明義務確認手段218は、タッチパネルディスプレイ25の説明義務リスト表示エリア254に表示された説明義務リストにおいて、特定したキーワードに対応する項目の消込表示を行ない、制御部21は、定期的に説明義務項目の状況確認処理を実行し、未消込の項目が残っているかどうかについての判定処理を実行するもの」であり、前記「マイク26において集音した音声」は、本願発明1でいう『営業担当者が顧客に対して行った各発話』に相当し、前記「説明義務項目」は、本願発明1でいう『コンプライアンス』に相当する。
そして、引用発明の「説明支援システム」は、「定期的に説明義務項目の状況確認処理を実行し、未消込の項目が残っているかどうかについての判定処理を実行する」のであるから、本願発明1でいう『コンプライアンスを遵守しているかをチェックするコンプライアンスチェックシステム』に相当する。

(1-2)
引用発明に係る「制御部21のキーワード抽出手段216」は、「マイク26において集音した音声を取得し、取得した音声の音声認識処理を実行して、テキストに変換し、音声認識したテキストにおいて、形態素解析により、テキストに含まれる単語を特定」するのであり、前記「マイク26において集音した音声を取得し、取得した音声の音声認識処理を実行して、テキストに変換」したものは、本願発明1でいう『営業担当者の前記各発話の内容を音声認識技術によりテキスト化したテキストデータ』に相当し、前記「音声認識したテキストにおいて、形態素解析により、テキストに含まれる単語を特定」したものは、本願発明1でいう『形態素解析を含む自然言語解析処理を行って解析済テキストデータ』に相当する。
してみると、引用発明の「説明支援システム」は、本願発明1でいう『営業担当者の前記各発話の内容を音声認識技術によりテキスト化したテキストデータに対して、形態素解析を含む自然言語解析処理を行って解析済テキストデータとして出力するテキスト解析部』に相当する構成を備えているといえる。

(1-3)
引用発明に係る「制御部21のキーワード抽出手段216」は、「マイク26において集音した音声を取得し、取得した音声の音声認識処理を実行して、テキストに変換し、音声認識したテキストにおいて、形態素解析により、テキストに含まれる単語を特定し、説明対象商品の説明義務リスト及びNGワードリストに記録されているキーワードと、音声認識された単語とを比較し、音声認識されたキーワードが、説明義務リストのキーワードとして記録されている場合には、説明義務項目と判定」するのであり、前記「説明義務リストに記録されているキーワード」は、本願発明1でいう『顧客に対して説明するべき必要事項として予め定義された第1のテキストデータ』に相当する。
してみると、引用発明の「説明支援システム」は、本願発明1でいう『各発話に係る前記解析済テキストデータ内の各発話について、顧客に対して説明するべき必要事項として予め定義された第1のテキストデータの内容が説明されているか否かを判定する判定部』に相当する構成を備えているといえる。

(1-4)
引用発明に係る「制御部21のキーワード抽出手段216」は、「マイク26において集音した音声を取得し、取得した音声の音声認識処理を実行して、テキストに変換し、音声認識したテキストにおいて、形態素解析により、テキストに含まれる単語を特定し、説明対象商品の説明義務リスト及びNGワードリストに記録されているキーワードと、音声認識された単語とを比較し、音声認識されたキーワードが、NGワードリストのキーワードとして記録されている場合には、NGワードと判定」するのであり、前記「NGワードリストに記録されているキーワード」は、本願発明1でいう『顧客に対して述べてはいけない禁止表現の内容として予め定義された第2のテキストデータ』に相当する。
してみると、引用発明の「説明支援システム」は、本願発明1でいう『各発話に係る前記解析済テキストデータについて、顧客に対して述べてはいけない禁止表現の内容として予め定義された第2のテキストデータにマッチするものがある場合に、対象の前記発話において対象の前記禁止表現が述べられたものと判定するキーワードマッチング部』に相当する構成を備えているといえる。

以上、上記(1-1)から(1-4)で対比した様に、本願発明1と引用発明とは、

「営業担当者が顧客に対して行った各発話についてコンプライアンスを遵守しているかをチェックするコンプライアンスチェックシステムであって、
前記営業担当者の前記各発話の内容を音声認識技術によりテキスト化したテキストデータに対して、形態素解析を含む自然言語解析処理を行って解析済テキストデータとして出力するテキスト解析部と、
前記各発話に係る前記解析済テキストデータ内の各発話について、顧客に対して説明するべき必要事項として予め定義された第1のテキストデータの内容が説明されているか否かを判定する判定部と、
前記各発話に係る前記解析済テキストデータについて、顧客に対して述べてはいけない禁止表現の内容として予め定義された第2のテキストデータにマッチするものがある場合に、対象の前記発話において対象の前記禁止表現が述べられたものと判定するキーワードマッチング部と、を有する、
コンプライアンスチェックシステム。」

という点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点1]
本願発明1に係る『判定部』は、『前記各発話に係る前記解析済テキストデータ内の各発話について、所定の基準に従って連続する1つ以上の発話からなるブロックにまとめる』という処理(以下、「相違点1A」という。)、及び、『前記ブロックにおいて、前記第1のテキストデータの内容が説明されていると判定した場合に、前記ブロックに対して前記必要事項のカテゴリを付与して記録するとともに、前記必要事項のそれぞれについて、予め設定した所定の評価基準に基づいて、説明された度合であるスコアを判定』するという処理(以下、「相違点1B」という。)、を行うのに対し、引用発明においては、かかる処理を行っていない点。

[相違点2]
上記[相違点1]に関連して、本願発明1は、『付与されたカテゴリ、前記必要事項の前記スコアを所定の表示方法で画面に出力する』との構成を備えているのに対し、引用発明においては、かかる構成を備えていない点。

(2)判断

上記[相違点1]及び[相違点2]について判断する。

引用文献2には、「音声認識エンジン3によって談話の内容がテキスト化された談話データ100の入力を受けて、話者毎に連続したステートメントをブロックとしてまとめる」との技術事項(以下、「技術事項2-1」という。)や「話者の発話1文であるステートメントに対して、ステートメントの意味内容を端的に示す情報であるフローを対応付ける」との技術事項(以下、「技術事項2-2」という。)が開示されており、上記「技術事項2-1」は、本願発明1が備える『前記各発話に係る前記解析済テキストデータ内の各発話について、所定の基準に従って連続する1つ以上の発話からなるブロックにまとめる』という処理(「相違点1A」)に対応するものといえる。

しかしながら、上記「技術事項2-2」は、本願発明1の様に『ブロックに対して前記必要事項のカテゴリを付与して記録するとともに、前記必要事項のそれぞれについて、予め設定した所定の評価基準に基づいて、説明された度合であるスコアを判定する』ものではなく、さらに、前置報告書において提示された引用文献Aや同引用文献Bにも、上記「相違点1B」に相当する技術事項は開示されていない。

してみると、上記「相違点1B」の構成は、拒絶査定において引用された引用文献2、前置報告書において提示された引用文献A、同引用文献Bのいずれにも開示されておらず、また、上記「相違点1B」の構成が当業者にとって自明であるといえる合理的な理由もない。

そして、上述した様に、上記「相違点1B」の構成は、拒絶査定において引用された引用文献2、前置報告書において提示された引用文献A、同引用文献Bのいずれにも開示されておらず、また、上記「相違点1B」の構成が当業者にとって自明であるといえる合理的な理由もないのであるから、上記「相違点1B」の構成によって処理された内容を出力するための上記[相違点2]に係る事項についても、同様である。

よって、[相違点1]及び[相違点2]に係る事項は、引用発明、引用文献2、引用文献A、Bに開示されている事項に基づいて、当業者が容易に想起し得たとはいえない。

したがって、本願発明1は、引用発明及び引用文献2、引用文献A、引用文献Bに開示されている事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものとは認められない。

2.本願発明2から本願発明6について

本願発明1を直接的又は間接的に引用する本願発明2?本願発明5、及びカテゴリ違いの独立請求項である本願発明6のいずれの発明においても、上記[相違点1]及び[相違点2]で特定される事項を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、引用発明及び引用文献2、引用文献A、引用文献Bに開示されている事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものとは認められない。


第7 原査定について

・理由(特許法第29条第2項)

審判請求時の補正により、本願発明1?6は『前記判定部は、前記ブロックにおいて、前記第1のテキストデータの内容が説明されていると判定した場合に、前記ブロックに対して前記必要事項のカテゴリを付与して記録するとともに、前記必要事項のそれぞれについて、予め設定した所定の評価基準に基づいて、説明された度合であるスコアを判定し、』との事項(以下、「補正事項1」という。)、及び、『前記付与されたカテゴリ、前記必要事項の前記スコアを所定の表示方法で画面に出力する、』との事項(以下、「補正事項2」という。)を備えるものとなっており、上記「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」で示した様に、本願発明1及び6は、拒絶査定において引用された引用文献1及び2に基づいて、当業者が容易に発明できたものとはいえない。
また、上記補正事項1及び2は、拒絶査定において引用された引用文献3?5にも開示されていないので、上記補正事項1及び2を備える本願請求項1を直接的又は間接的に引用する本願発明2?5についても、拒絶査定において引用された引用文献1?5に基づいて、当業者が容易に発明できたものとはいえない。

したがって、原査定の理由を維持することはできない。


第8 むすび

以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-04-15 
出願番号 特願2014-219826(P2014-219826)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06Q)
最終処分 成立  
前審関与審査官 渡邉 加寿磨  
特許庁審判長 金子 幸一
特許庁審判官 佐藤 智康
田中 秀樹
発明の名称 コンプライアンスチェックシステムおよびコンプライアンスチェックプログラム  
代理人 筒井 大和  
代理人 筒井 章子  
代理人 坂次 哲也  

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