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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  C03B
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C03B
管理番号 1350664
異議申立番号 異議2018-700289  
総通号数 233 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-05-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-04-06 
確定日 2019-03-07 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6210069号発明「化学強化時の反りを低減できるガラス板の製造方法及びガラス板」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6210069号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?4〕、〔5?10〕について訂正することを認める。 特許第6210069号の請求項1?4に係る特許を維持する。 特許第6210069号の請求項5?10に係る特許に対する特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯

特許第6210069号(以下、「本件特許」という。)の請求項1?10に係る特許についての出願は、2013年(平成25年)12月27日(優先権主張 平成24年12月27日、平成25年9月25日、日本国)を国際出願日とする出願であって、平成29年9月22日にその特許権の設定登録がされ、平成29年10月11日に特許掲載公報の発行がされたものであり、その後、請求項1?10に係る特許について、平成30年4月6日付けで、特許異議申立人松村朋子(以下、「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立てがなされ、平成30年6月15日付けで取消理由が通知され、平成30年8月17日付けで意見書の提出及び訂正の請求がされ、その訂正の請求に対して特許異議申立人から平成30年9月14日付けで意見書の提出がされ、平成30年10月23日付けで取消理由(決定の予告)が通知され、平成30年12月21日付けで意見書の提出及び訂正の請求がされ、その訂正の請求に対して特許異議申立人から平成31年2月7日付けで意見書の提出がされたものである。

第2 訂正の適否についての判断

1 訂正の内容
平成30年12月21日付けの訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)による訂正の内容は、以下のとおりである。なお、下線部が訂正箇所である。また、本件訂正請求により、平成30年8月17日付けの訂正の請求は取り下げられたものとみなす。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の「フロートガラス板の製造方法」を、「化学強化用フロートガラス板の製造方法」と訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1の「ガラス板の製造方法。」を、「化学強化用フロートガラス板の製造方法。」と訂正する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項1の「前記脱アルカリ処理時の前記ガラスリボンの表面温度を600℃以上とする」を、
「前記脱アルカリ処理時の前記ガラスリボンの表面温度を600℃以上とし、
前記トップ面の表面Na_(2)O量(α)と前記ボトム面の表面Na_(2)O量(β)の差(α-β)と、前記トップ面から50μmの深さにおけるNa_(2)O量(γ)との比[(α-β)/γ]を、0.02未満かつ-0.03以上とする」と訂正する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項2の「ガラス板の製造方法。」を、「化学強化用フロートガラス板の製造方法。」と訂正する。

(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項3の「ガラス板の製造方法。」を、「化学強化用フロートガラス板の製造方法。」と訂正する。

(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項4の「ガラス板の製造方法。」を、「化学強化用フロートガラス板の製造方法。」と訂正する。

(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項5を削除する。

(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項6を削除する。

(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項7を削除する。

(10)訂正事項10
特許請求の範囲の請求項8を削除する。

(11)訂正事項11
特許請求の範囲の請求項9を削除する。

(12)訂正事項12
特許請求の範囲の請求項10を削除する。

2 訂正要件の判断
(1)訂正事項1、2、4?6について
訂正事項1は、訂正前の請求項1に記載された「フロートガラス板の製造方法」を、「化学強化用フロートガラス板の製造方法」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正事項2、4?6は、訂正前の請求項1?4に記載された「ガラス板の製造方法」を、「化学強化用フロートガラス板の製造方法」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、願書に添付した明細書の段落【0014】には、「本発明は、化学強化後の反りを効果的に抑制することができるとともに、化学強化前の研磨処理等を省略または簡略化することができるガラス板の製造方法並びに該製造方法により得られたガラス板及び化学強化ガラス板を提供することを目的とする。」と記載されているから、訂正事項1、2、4?6は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(2)訂正事項3について
訂正事項3は、脱アルカリ処理を施したフロートガラス板を「前記トップ面の表面Na_(2)O量(α)と前記ボトム面の表面Na_(2)O量(β)の差(α-β)と、前記トップ面から50μmの深さにおけるNa_(2)O量(γ)との比[(α-β)/γ]を、0.02未満かつ-0.03以上とする」ことに特定することで、訂正前の請求項1に記載された「脱アルカリ処理」を限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、願書に添付した明細書の段落【0058】には、「トップ面における表面Na_(2)O量を「α」、ボトム面における表面Na_(2)O量を「β」、トップ面から50μmの深さにおけるNa_(2)O量を「γ」とした場合に、[(α-β)/γ]<0.02であることが好ましく、-0.07≦[(α-β)/γ]<0.01であることがより好ましい。」と記載され、また、実施例2-3、実施例2-4及び実施例3-13には、「ΔNa_(2)O量/(ガラス内部)(-)」が「-0.03」であることが記載されているから、訂正事項3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)訂正事項7?12について
訂正事項7?12は、訂正前の請求項5?10を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(4)一群の請求項について
訂正前の請求項2?4が、訂正前の請求項1を引用するものであるから、訂正事項1?6の特許請求の範囲の訂正は、一群の請求項1?4について請求されたものである。
また、訂正前の請求項6?10が、訂正前の請求項5を引用するものであるから、訂正事項7?12の特許請求の範囲の訂正は、一群の請求項5?10について請求されたものである。

3 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、並びに、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?4〕、〔5?10〕について訂正を認める。

第3 特許異議申立について

1 本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項1?4に係る発明(以下、「本件発明1?4」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1?4に記載された次の事項により特定されるとおりのものであると認める。

【請求項1】
ガラス原料を溶解する工程と、前記工程により溶融するガラスを溶融金属上に浮揚させながらガラスリボンに成形する工程と、前記ガラスリボンを徐冷する工程とを含む化学強化用フロートガラス板の製造方法であって、
前記フロートガラス板はSiO_(2)を63?73%、Al_(2)O_(3)を0.1?5.2%、Na_(2)Oを10?16%、K_(2)Oを0?1.5%、MgOを5?13%及びCaOを4?10%(モル%)含有し、
前記成形する工程において、前記ガラスリボンにおける溶融金属と接するボトム面に対向するトップ面に対して、フロートバス内で1?30秒間脱アルカリ処理を施し、前記脱アルカリ処理時の前記ガラスリボンの表面温度を600℃以上とし、
前記トップ面の表面Na_(2)O量(α)と前記ボトム面の表面Na_(2)O量(β)の差(α-β)と、前記トップ面から50μmの深さにおけるNa_(2)O量(γ)との比[(α-β)/γ]を、0.02未満かつ-0.03以上とする、化学強化用フロートガラス板の製造方法。
【請求項2】
前記成形する工程において、前記脱アルカリ処理時の前記ガラスリボンの表面温度を647℃以上とし、
前記脱アルカリ処理を塩酸、フッ化水素、フロン、及びフッ化水素酸から選ばれる少なくとも1種により行う、請求項1に記載の化学強化用フロートガラス板の製造方法。
【請求項3】
前記脱アルカリ処理を混合流体により行う、請求項1又は2に記載の化学強化用フロートガラス板の製造方法。
【請求項4】
前記混合流体が塩酸とフッ酸の混合流体である、請求項3に記載の化学強化用フロートガラス板の製造方法。

2 取消理由の概要
訂正前の請求項1?4に係る特許に対して、平成30年6月15日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は次のとおりである。

訂正前の請求項1?4に係る発明の課題は、化学強化後の反りを効果的に抑制し、優れた平坦度を得ることができるガラス板の製造方法を提供することにより解決されるものといえるところ、訂正前の請求項1?4に係る発明は、化学強化を伴わないフロートガラスの製造方法のような、上記課題を有さない態様を包含しているし、あるいは、実施例2-5等の上記課題を解決できない態様を包含しているから、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該課題を解決できると認識できる範囲のものとはいえず、また、その記載や示唆がなくとも当業者が技術常識に照らし当該課題を解決できると認識できる範囲のものともいえない。
したがって、訂正前の請求項1?4に係る発明は、発明の詳細な説明に記載された発明であるとはいえず、その特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。

3 取消理由の検討
本件発明1は、「化学強化用フロートガラスの製造方法」であることが特定されているから、上記課題を有さない態様を包含していないし、また、脱アルカリ処理を施したフロートガラス板を「前記トップ面の表面Na_(2)O量(α)と前記ボトム面の表面Na_(2)O量(β)の差(α-β)と、前記トップ面から50μmの深さにおけるNa_(2)O量(γ)との比[(α-β)/γ]を、0.02未満かつ-0.03以上とする」ことが特定されているから、発明の詳細な説明に記載された実施例2-5、実施例2-6、実施例2-8?実施例2-11、及び、実施例4-7のような上記課題を解決できない態様も包含していない。
そして、発明の詳細な説明には、本件発明1の具体例となる、実施例1-1?実施例1-4、実施例2-1?実施例2-4、実施例3-1?実施例3-13、実施例4-1?実施例4-6の化学強化用フロートガラス板の製造方法が記載されていると共に、これら実施例では、脱アルカリ処理を施していない比較例に比べて、化学強化後の反り量の絶対値が小さくなることが記載されているから、本件発明1は、発明の詳細な説明の記載により当業者が上記課題を解決できると認識できる範囲のものといえる。
また、本件発明1を引用する本件発明2?4についても、同様の理由により、発明の詳細な説明の記載により当業者が上記課題を解決できると認識できる範囲のものといえる。
よって、取消理由は解消した。

4 取消理由において採用しなかった特許異議申立理由について
(1)申立理由
特許異議申立人は、訂正前の請求項1?4に係る発明は、下記の甲第1号証?甲第6号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その特許は取り消すべきものであることを主張している。

(証拠方法)
甲第1号証 特開2011-201711号公報
甲第2号証 特公平6-51580号公報
甲第3号証 特開2005-67974号公報
甲第4号証 Vasile Sharagov, Dealkalization of Glass Surfaces by Acid Gases in the Electric Field, Nonconventional Technologies Review, 2007, no.3, p.97-100
甲第5号証 山根正之編、「ガラス工学ハンドブック」、初版、株式会社朝倉書店、1999年7月5日、358?362頁
甲第6号証 特公平5-3420号公報

(2)申立理由の検討
ア 甲第1号証に記載された発明
甲第1号証の段落【0085】?【0107】の記載によれば、表1に示されている、SiO_(2)が71.0モル%、Al_(2)O_(3)が1.0モル%、Na_(2)Oが15.0モル%、MgOが6.0モル%、CaOが7.0モル%からなる基本組成6に対して、表2に示されているように、SnO_(2)及びCeO_(2)の清澄剤を外割り添加量で0.10質量%(SnO_(2)が0.01質量%、CeO_(2)が0.09質量%、No.1)から3.50質量%(SnO_(2)が3.46質量%、CeO_(2)が0.04質量%、No.36)を添加したガラス組成の化学強化用のガラス板をフロート法により形成することが記載されている。
ここで、基本組成6に清澄剤を外割り添加量で0.10質量%(SnO_(2)が0.01質量%、CeO_(2)が0.09質量%、No.1)添加したガラス組成に注目して、全体が100モル%となるように換算して整理すると、甲第1号証には、
「SiO_(2)が71.0モル%、Al_(2)O_(3)が1.0モル%、Na_(2)Oが15.0モル%、MgOが6.0モル%、CaOが7.0モル%、SnO_(2)が0.004モル%、CeO_(2)が0.03モル%のガラス組成の化学強化用のガラス板をフロート法で形成する方法。」の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されているといえる。

イ 当審の判断
本件発明1と甲1発明を対比すると、本件発明1は、「溶融するガラスを溶融金属上に浮揚させながらガラスリボンに成形する工程」において、「前記ガラスリボンにおける溶融金属と接するボトム面に対向するトップ面に対して、フロートバス内で」「脱アルカリ処理を施し」ているのに対して、甲1発明は、このような脱アルカリ処理を施すことが明らかでない点で、少なくとも相違している。
上記相違点について検討する。
甲第3号証には、【請求項1】及び段落【0010】?【0012】の記載によれば、「フロート法によって薄膜付きガラスを製造する方法において、フロートバス内の溶融金属浴上のガラスリボンの表面にハロゲン元素を含有する気体を供給して、アルカリイオンの低減処理を行い、処理された表面に薄膜形成材料を供給して薄膜を形成する、薄膜付きガラスを製造する方法。」が記載されているといえる。
しかしながら、甲第3号証に記載された「アルカリイオンの低減処理」は、薄膜付きガラスを製造する方法における薄膜形成の前処理として行われるものであり、甲1発明のように、化学強化用ガラスに対して実施されるものでないから、甲第3号証の「アルカリイオンの低減処理」を、甲1発明に適用する動機付けがない。
また、甲第2号証には、【請求項1】及び実施例(第5欄第10?34行)の記載によれば、「ソーダ石灰系フロートガラスの化学強化方法において、加熱炉内でフロートガラスを加熱し、フロートガラスのフロート成形時における溶融金属との非接触面にソーダイオン低減処理を施し、次いでガラス全面にアルカリイオン置換処理をして表面圧縮層を形成させるフロートガラスの化学強化方法。」が記載されているといえるが、甲第2号証には、前記「ソーダイオン低減処理」をフロートバス内で実施することは記載されていない。
さらに、甲第4号証?甲第6号証のいずれにも、フロート法で化学強化用ガラスを製造するに際して、フロートバス内の溶融金属上のガラスリボンのトップ面に脱アルカリ処理することは記載も示唆もされていない。
そうしてみると、甲1発明において、化学強化用のガラス板をフロート法で形成するに際して、「溶融するガラスを溶融金属上に浮揚させながらガラスリボンに成形する工程」において、「前記ガラスリボンにおける溶融金属と接するボトム面に対向するトップ面に対して、フロートバス内で」「脱アルカリ処理を施」すことは、当業者が容易に想到し得るものといえない。
したがって、本件発明1は、甲第1号証?甲第6号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでない。
また、本件発明2?4は、本件発明1を引用するものであって、少なくとも上記相違点が存在するから、本件発明2?4も、甲第1号証?甲第6号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでない。

ウ 特許異議申立人の主張について
特許異議申立人は、平成31年2月7日付けの意見書において、甲第7号証(特開平5-208849号公報)、甲第8号証(特表2001-503005号公報)及び甲第9号証(特開2005-60136号公報)を提出するとともに、本件発明1?4は、甲第1号証?甲第9号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その特許は取り消すべきものであることを主張している。
しかしながら、甲第7号証?甲第9号証には、フロート法によって薄膜付きガラスを製造する方法が記載されているものの、フロート法で化学強化用ガラスを製造するに際して、フロートバス内の溶融金属上のガラスリボンのトップ面に脱アルカリ処理することは記載も示唆もされていない。
そうしてみると、甲第7号証?甲第9号証の記載を参酌しても、上記イで検討したとおり、本件発明1?4は、当業者が容易に発明をすることができたものでないから、特許異議申立人の上記主張は採用できない。

(3)まとめ
以上で検討したとおり、特許異議申立人が主張する上記申立理由は採用できない。

第4 むすび

以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1?4に係る特許を取り消すことはできない。
そして、他に本件請求項1?4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、請求項5?10は、訂正により削除されたため、本件請求項5?10に係る特許に対する特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス原料を溶解する工程と、前記工程により溶融するガラスを溶融金属上に浮揚させながらガラスリボンに成形する工程と、前記ガラスリボンを徐冷する工程とを含む化学強化用フロートガラス板の製造方法であって、
前記フロートガラス板はSiO_(2)を63?73%、Al_(2)O_(3)を0.1?5.2%、Na_(2)Oを10?16%、K_(2)Oを0?1.5%、MgOを5?13%及びCaOを4?10%(モル%)含有し、
前記成形する工程において、前記ガラスリボンにおける溶融金属と接するボトム面に対向するトップ面に対して、フロートバス内で1?30秒間脱アルカリ処理を施し、前記脱アルカリ処理時の前記ガラスリボンの表面温度を600℃以上とし、
前記トップ面の表面Na_(2)O量(α)と前記ボトム面の表面Na_(2)O量(β)の差(α-β)と、前記トップ面から50μmの深さにおけるNa_(2)O量(γ)との比[(α-β)/γ]を、0.02未満かつ-0.03以上とする、化学強化用フロートガラス板の製造方法。
【請求項2】
前記成形する工程において、前記脱アルカリ処理時の前記ガラスリボンの表面温度を647℃以上とし、
前記脱アルカリ処理を塩酸、フッ化水素、フロン、及びフッ化水素酸から選ばれる少なくとも1種により行う、請求項1に記載の化学強化用フロートガラス板の製造方法。
【請求項3】
前記脱アルカリ処理を混合流体により行う、請求項1又は2に記載の化学強化用フロートガラス板の製造方法。
【請求項4】
前記混合流体が塩酸とフッ酸の混合流体である、請求項3に記載の化学強化用フロートガラス板の製造方法。
【請求項5】(削除)
【請求項6】(削除)
【請求項7】(削除)
【請求項8】(削除)
【請求項9】(削除)
【請求項10】(削除)
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-02-25 
出願番号 特願2014-554597(P2014-554597)
審決分類 P 1 651・ 537- YAA (C03B)
P 1 651・ 121- YAA (C03B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 増山 淳子  
特許庁審判長 大橋 賢一
特許庁審判官 宮澤 尚之
橋本 憲一郎
登録日 2017-09-22 
登録番号 特許第6210069号(P6210069)
権利者 AGC株式会社
発明の名称 化学強化時の反りを低減できるガラス板の製造方法及びガラス板  
代理人 特許業務法人栄光特許事務所  
代理人 特許業務法人栄光特許事務所  

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