• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する A63F
管理番号 1350888
審判番号 訂正2019-390022  
総通号数 234 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-06-28 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2019-02-08 
確定日 2019-04-04 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6186343号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6186343号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 事案の概要
1 手続の経緯
特願2014-252994号は、平成25年10月25日に出願した特願2013-222506号の一部を平成26年12月15日に新たな特許出願としたものであるところ、平成29年6月27日に特許査定され、その後、請求項1に係る発明について、同年8月4日に特許権の設定の登録がされ(特許第6186343号、以下「本件特許」という。)、平成31年2月8日に訂正審判(以下「本件審判」という。)が請求されたものである。

2 請求の趣旨
本件審判の請求の趣旨は、「特許第6186343号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」である。また、請求人が求める訂正の内容は、以下のとおりである。

3 訂正の内容
(1)訂正事項1
本件特許の特許請求の範囲の請求項1に「前記特別遊技状態において前記大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過した場合、該特別遊技状態が終了した後、通常遊技状態に比べて前記特別表示結果となり易い特別遊技状態に制御する一方、」と記載されているのを「前記特別遊技状態において前記大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過した場合、該特別遊技状態が終了した後、通常遊技状態に比べて前記特別表示結果となり易い特定遊技状態に制御する一方、」に訂正する。

すなわち、本件特許の特許請求の範囲の請求項1に、
「変動表示結果が特別表示結果となると複数のラウンドに亘って大入賞口が、遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能な閉鎖状態とに制御される特別遊技状態を発生させる遊技機において、
前記特別遊技状態において前記大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過した場合、該特別遊技状態が終了した後、通常遊技状態に比べて前記特別表示結果となり易い特別遊技状態に制御する一方、前記特別遊技状態において、前記大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過しなかった場合、該特別遊技状態が終了した後、前記通常遊技状態に制御する遊技状態制御手段を備え、
前記特別遊技状態には、第1特別遊技状態と、該第1特別遊技状態よりも遊技球が前記特定領域を通過し易い第2特別遊技状態と、があり、
前記大入賞口は、遊技領域のうちの右側領域を流下する遊技球が入球可能に配置され、
前記複数のラウンドにおいて、前記大入賞口に遊技球を入球させることを遊技者が認識可能な画像を表示装置に表示する表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、
前記第1特別遊技状態においては、前記複数のラウンドのうち特定ラウンドが開始される前に、前記特定領域に遊技球を入球させることを遊技者が認識可能な画像を前記表示装置に表示しない一方、
前記第2特別遊技状態においては、前記特定ラウンドが開始される前に、前記特定領域に遊技球が通過し易い状態となることを遊技者が認識可能な画像を前記表示装置に表示した後、前記特定領域に遊技球を入球させることを遊技者が認識可能な画像を前記表示装置に表示する、
ことを特徴とする遊技機。」
と記載されているのを、

「変動表示結果が特別表示結果となると複数のラウンドに亘って大入賞口が、遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能な閉鎖状態とに制御される特別遊技状態を発生させる遊技機において、
前記特別遊技状態において前記大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過した場合、該特別遊技状態が終了した後、通常遊技状態に比べて前記特別表示結果となり易い特定遊技状態に制御する一方、前記特別遊技状態において、前記大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過しなかった場合、該特別遊技状態が終了した後、前記通常遊技状態に制御する遊技状態制御手段を備え、
前記特別遊技状態には、第1特別遊技状態と、該第1特別遊技状態よりも遊技球が前記特定領域を通過し易い第2特別遊技状態と、があり、
前記大入賞口は、遊技領域のうちの右側領域を流下する遊技球が入球可能に配置され、
前記複数のラウンドにおいて、前記大入賞口に遊技球を入球させることを遊技者が認識可能な画像を表示装置に表示する表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、
前記第1特別遊技状態においては、前記複数のラウンドのうち特定ラウンドが開始される前に、前記特定領域に遊技球を入球させることを遊技者が認識可能な画像を前記表示装置に表示しない一方、
前記第2特別遊技状態においては、前記特定ラウンドが開始される前に、前記特定領域に遊技球が通過し易い状態となることを遊技者が認識可能な画像を前記表示装置に表示した後、前記特定領域に遊技球を入球させることを遊技者が認識可能な画像を前記表示装置に表示する、
ことを特徴とする遊技機。」
と訂正する。

なお、下線は当合議体が付したものであり、訂正箇所を表す。以下同様。

(2)訂正事項2
本件特許の明細書の段落【0007】に、
「前記特別遊技状態において前記大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過した場合、該特別遊技状態が終了した後、通常遊技状態に比べて前記特別表示結果となり易い特別遊技状態に制御する一方、」と記載されているのを、

「前記特別遊技状態において前記大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過した場合、該特別遊技状態が終了した後、通常遊技状態に比べて前記特別表示結果となり易い特定遊技状態に制御する一方、」
と訂正する。

第2 当合議体の判断
以下、本件訂正前の請求項1を、「訂正前請求項1」という。また、訂正前請求項1に係る発明を、「訂正前発明1」という。
訂正後についても、「訂正前」を「訂正後」に変えて同様に、「訂正後請求項1」、「訂正後発明1」という。

1 特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)について
(1)訂正事項1
訂正前請求項1では、「該特別遊技状態が終了した後、通常遊技状態に比べて前記特別表示結果となり易い特別遊技状態に制御する」と記載されている。前者の「特別遊技状態」は、「変動表示結果が特別表示結果となると複数のラウンドに亘って大入賞口が、遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能な閉鎖状態とに制御される特別遊技状態」、すなわち大当たり遊技状態を意味するのに対し、後者の「特別遊技状態」は、「通常遊技状態に比べて前記特別表示結果となり易い」遊技状態であるから、所謂、高確率状態を意味するものである。そうすると、後者の「特別遊技状態」は、前者の「特別遊技状態」とは全く異なる意味のものであり、誤記であると認められる。
そこで、本件訂正により、訂正前請求項1において、前記後者の「特別遊技状態」が「特定遊技状態」と訂正され、訂正後請求項1において、「特別遊技状態」と「特定遊技状態」とは、それぞれ意味が明確に区別されるものとなった。
したがって、訂正事項1は、誤記の訂正を目的とする訂正である。

(2)訂正事項2
訂正事項1において特許請求の範囲の請求項1を訂正することに伴い、請求項1に対応した事項が記載されている、明細書の段落【0007】について、訂正事項1と同様の訂正をするものである。
したがって、訂正事項2は、誤記の訂正を目的とする訂正である。

(3)小括
訂正事項1及び2は、いずれも、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。

2 特許法第126条第5項(新規事項の有無)について
(1)訂正事項1について
請求項1の訂正についてみると、本件特許の願書に最初に添付された特許請求の範囲、明細書又は図面(以下「当初明細書等」という。)には、「【0034】 ・・・そして、この識別情報の変動表示結果が特別表示結果となることによって複数のラウンドに亘って第1大入賞口8及び第2大入賞口9のうちの少なくとも一方が開閉制御される特別遊技状態(大当たり遊技状態)を発生させる。」及び「【0196】 高確率指定フラグがONに設定されていることは、特定領域有効期間中に遊技球が特定領域12を通過したことを意味する。メインCPU101aは、高確率指定フラグがONに設定されていることに基づいて、当該大当たり遊技の後に遊技状態を、通常遊技状態に比べて識別情報の変動表示結果が大当たりとなる特別表示結果(特図停止図柄データ10?15、20?25に相当)となり易い高確率状態(特定遊技状態)に設定する。」と記載され、これらの記載から、訂正前請求項1における「・・・前記特別表示結果となり易い特別遊技状態」は、「・・・前記特別表示結果となり易い特定遊技状態」であることが明らかといえるから、訂正後発明1は、当初明細書等に記載されているといえる。
したがって、訂正事項1は、当初明細書等の記載に基づくものであって、当初明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。

(2)訂正事項2について
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1に対応する明細書の段落【0007】について、訂正事項1と同様の訂正をしたものである。
したがって、訂正事項2は、訂正事項1と同様の理由により、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。

(3)小括
訂正事項1及び2は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

3 特許法第126条第6項(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)について
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、誤記の訂正を目的とする訂正であって、本件特許の特許請求の範囲、明細書又は図面の記載に接した当業者ならば、訂正前発明1を訂正後発明1のとおり理解したことは当然である。
したがって、請求項1についての訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもない。

(2)訂正事項2について
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1に対応する明細書の段落【00007】について、訂正事項1と同様の訂正をしたものである。
したがって、訂正事項2の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもない。

(3)小括
訂正事項1及び2は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

4 特許法第126条第7項について
訂正後発明1が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、訂正事項1及び2は、特許法第126条第7項の規定に適合する。

第3 むすび
以上のとおりであるから、訂正事項1及び2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内部に、確変領域(所定領域)が設けられた大入賞口が備えられた遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような遊技機は、大当たり遊技中に、遊技球が、大入賞口内の確変領域に入球したことに基づいて、大当たり遊技の終了後の遊技状態を、大当たり抽選の当選確率が高確率な高確率状態に制御する。そして、大入賞口の開放前には、大入賞口を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるための報知が行われる。
【0003】
なお、遊技機において電断が生じると、その後の電断復旧時には、電断からの復旧中であることを示す電断復旧画面が表示される遊技機もあった(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 特開2010-162065号公報
【特許文献2】 特開2013-123507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されるような遊技機においては、確変領域に入球が容易な大当たりであるのか否かを確変領域に入球させる前に遊技者に認識させる必要があった。
【0006】
そこで、本発明は、確変領域に入球が容易な大当たりであるのか否かを確変領域に入球させる前に遊技者に認識させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するため、本願請求項1に係る発明の遊技機は、変動表示結果が特別表示結果となると複数のラウンドに亘って大入賞口が、遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能な閉鎖状態とに制御される特別遊技状態を発生させる遊技機において、前記特別遊技状態において前記大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過した場合、該特別遊技状態が終了した後、通常遊技状態に比べて前記特別表示結果となり易い特定遊技状態に制御する一方、前記特別遊技状態において、前記大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過しなかった場合、該特別遊技状態が終了した後、前記通常遊技状態に制御する遊技状態制御手段を備え、前記特別遊技状態には、第1特別遊技状態と、該第1特別遊技状態よりも遊技球が前記特定領域を通過し易い第2特別遊技状態と、があり、前記大入賞口は、遊技領域のうちの右側領域を流下する遊技球が入球可能に配置され、前記複数のラウンドにおいて、前記大入賞口に遊技球を入球させることを遊技者が認識可能な画像を表示装置に表示する表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記第1特別遊技状態においては、前記複数のラウンドのうち特定ラウンドが開始される前に、前記特定領域に遊技球を入球させることを遊技者が認識可能な画像を前記表示装置に表示しない一方、前記第2特別遊技状態においては、前記特定ラウンドが開始される前に、前記特定領域に遊技球が通過し易い状態となることを遊技者が認識可能な画像を前記表示装置に表示した後、前記特定領域に遊技球を入球させることを遊技者が認識可能な画像を前記表示装置に表示する、ことを特徴とする。
また本願請求項2に係る発明は、前記表示制御手段により前記表示装置に表示される前記画像とは異なる表示態様で、前記複数のラウンドにおいて前記右側領域に遊技球を流下させることを表示する表示手段を備え、前記表示手段は、前記表示装置に表示される前記画像の種類に関わらず、少なくとも前記特別遊技状態が終了するまでの間、前記右側領域に遊技球を流下させることを表示する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の遊技機によれば、確変領域に入球が容易な大当たりであるのか否かを確変領域に入球させる前に遊技者に認識させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】遊技機の正面図である。
【図2】遊技機の部分斜視図である。
【図3】第2大入賞口の部分斜視図である。
【図4】遊技機全体のブロック図である。
【図5】(a-1)は第1特別図柄用の大当たり判定テーブルを表す図であり、(a-2)は第2特別図柄用の大当たり判定テーブルを表す図であり、(b)はリーチ判定テーブルを表す図である。
【図6】(a)は大当たり当選用の特別図柄判定テーブルを表す図であり、(b)はハズレ用の特別図柄判定テーブルを表す図である。
【図7】大当たり遊技制御テーブルを表す図である。
【図8】(a)は16R(1)大当たり遊技用の大入賞口開閉制御テーブルを表す図であり、(b)は16R(2)大当たり遊技用の大入賞口開閉制御テーブルを表す図であり、(c)は16R(3)大当たり遊技用の大入賞口開閉制御テーブルを表す図である。
【図9】(a)は参照データ判定テーブルを表す図であり、(b)は遊技条件判定テーブルを表す図である。
【図10】特別図柄変動パターン判定テーブルを表す図(1)である。
【図11】特別図柄変動パターン判定テーブルを表す図(2)である。
【図12】(a)は普通図柄用の当たり判定テーブルを表す図であり、(b)は普通図柄判定テーブルを表す図であり、(c)は普図変動パターン判定テーブルであり、(d)は補助遊技参照データ判定テーブルを表す図であり、(e)は補助遊技制御テーブルを表す図であり、(f)は第2始動口開閉制御テーブルを表す図である。
【図13】(a)はメインRAM101cの第1特別図柄保留記憶領域の構成を表す図であり、(b)はメインRAM101cの第2特別図柄保留記憶領域の構成を表す図であり、(c)は各記憶部の構成を表す図である。
【図14】主制御基板におけるメイン処理を示すフローチャートである。
【図15】主制御基板におけるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図16】主制御基板における入力制御処理を示すフローチャートである。
【図17】(a)は主制御基板における第1始動口検出信号入力処理を示すフローチャートであり、(b)は主制御基板における第2始動口検出信号入力処理を示すフローチャートである。
【図18】主制御基板における入賞ゲート検出信号入力処理を示すフローチャートである。
【図19】主制御基板における特定領域検出信号入力処理を示すフローチャートである。
【図20】主制御基板における特図特電制御処理を示すフローチャートである。
【図21】主制御基板における特別図柄記憶判定処理を示すフローチャートである。
【図22】主制御基板における大当たり判定処理を示すフローチャートである。
【図23】主制御基板における特別図柄判定処理を示すフローチャートである。
【図24】主制御基板における特図変動パターン決定処理を示すフローチャートである。
【図25】主制御基板における特別図柄変動処理を示すフローチャートである。
【図26】主制御基板における特別図柄停止処理を示すフローチャートである。
【図27】主制御基板における大当たり遊技処理を示すフローチャートである。
【図28】主制御基板における大当たり遊技終了処理を示すフローチャートである。
【図29】主制御基板における普図普電制御処理を示すフローチャートである。
【図30】主制御基板における普通図柄記憶判定処理を示すフローチャートである。
【図31】主制御基板における普通図柄変動処理を示すフローチャートである。
【図32】主制御基板における普通図柄停止処理を示すフローチャートである。
【図33】主制御基板における補助遊技処理を示すフローチャートである。
【図34】主制御基板における電断割込処理を示すフローチャートである。
【図35】主制御基板から演出制御基板に送信されるコマンドの種別を示す図(1)である。
【図36】主制御基板から演出制御基板に送信されるコマンドの種別を示す図(2)である。
【図37】演出制御基板におけるメイン処理を示すフローチャートである。
【図38】演出制御基板におけるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図39】演出制御基板におけるコマンド解析処理の途中までを示すフローチャートである。
【図40】図39のコマンド解析処理の続きを示すフローチャートである。
【図41】電断復旧時報知処理を示すフローチャートである。
【図42】大当たり遊技中における電断復旧画面の一例を示す図である。
【図43】演出制御基板における報知パターン決定処理1を示すフローチャートである。
【図44】大当たり遊技中に第2大入賞口を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるための報知演出の一例を示す図である。
【図45】大当たり遊技中に第1大入賞口を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるための報知演出の一例を示す図である。
【図46】大当たり遊技中に第1大入賞口または第2大入賞口を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるための報知演出の一例を示す図である。
【図47】演出制御基板における報知パターン決定処理2を示すフローチャートである。
【図48】大当たり遊技における第1大入賞口及び第2大入賞口の開閉状態と、特定領域の有効及び無効の状態を時間的に示すタイミングチャートである。
【図49】演出制御基板における特定領域入賞時報知処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。図1に示すように、遊技機Yは、遊技盤取付枠Y1と、遊技盤取付枠Y1に対して回動可能に支持されるガラス扉Y2、遊技球が流下する遊技領域2Aが形成されている遊技盤2とを有する。
【0011】
遊技盤取付枠Y1は、遊技店の島設備に固定される外枠(図示なし)に回動可能に支持され、脱着可能に取り付けられている。
【0012】
ガラス扉Y2は、水平方向の一端側においてヒンジ機構部Hを介して遊技盤取付枠Y1に脱着自在に連結されており、ヒンジ機構部Hを支点として回動可能に支持されている。よって、ガラス扉Y2を、ヒンジ機構部Hを支点として扉のように回動することによって、遊技領域2Aおよび遊技盤取付枠Y1の前面部分を開閉することができる。ガラス扉Y2は、遊技盤2を閉鎖した状態で、遊技領域2Aを視認可能に覆っている。
【0013】
また、ガラス扉Y2の他端側には、ガラス扉Y2を遊技盤取付枠Y1に固定するロック機構Rが設けられている。ロック機構Rによる固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。
【0014】
ガラス扉Y2には、複数の遊技球を貯留する受け皿50と、遊技球を発射させるための操作が可能な遊技球発射操作装置3とが設けられている。遊技球発射操作装置3は遊技球を遊技領域2Aに向けて発射可能な遊技球発射装置(図示なし)に接続されている。なお、遊技球発射装置は、遊技盤取付枠Y1の前面に設けられている。受け皿50に貯留されている遊技球が遊技球発射装置に供給される。
【0015】
遊技球発射操作装置3は、ガラス扉Y2に固定されている基体、基体に回動可能に設けられている発射ハンドル32を有する。遊技球発射装置は、発射ハンドル32の回動角度に応じた強さ(以下、「遊技球発射強度」という)で、遊技球を発射する。
【0016】
遊技盤2の遊技領域2Aは、遊技盤2の表面から突出した状態で取り付けられた区画部材29によって区画されている。区画部材29は、枠状の飾り枠29A、湾曲形状を呈した内側レール部材29B、外側レール部材29C及び後述する第2大入賞口9の直下に配置され、上面で遊技球を第2始動口7に誘導可能な誘導経路を構成する誘導部材29Dで構成されている。
【0017】
飾り枠29Aの内側には、液晶表示ディスプレイからなる画像表示装置14が嵌め込まれ、後述する演出用役物装置17が設けられてこれらが一体化された演出装置のユニットを構成するセンター役物が遊技盤2の中央部に嵌め込まれている。また、飾り枠29Aの外側には内側レール部材29Bが配置され、内側レール部材29Bのさらに外側には外側レール部材29Cが配置されている。有効に(所定の遊技球発射強度で正常に)発射された遊技球は、内側レール部材29Bと外側レール部材29Cとの間を上昇して遊技領域2Aに進入し、遊技領域2A内を流下する。このとき、遊技球は遊技領域2Aに設けられた複数の釘や風車との衝突によって、様々な方向に流下する。
【0018】
遊技領域2Aには、複数(本実施の形態では3つ)の一般入賞口11が設けられている。各一般入賞口11には、一般入賞口検出センサ11aが設けられており、この一般入賞口検出センサ11aが遊技球の入賞を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
【0019】
また、遊技領域2Aの右斜下部分には、遊技球の通過が可能な入賞ゲート10が設けられている。入賞ゲート10には、遊技球を検出する入賞ゲート検出センサ10aが設けられている。入賞ゲート検出センサ10aが遊技球を検出することを条件に、普通図柄の抽選が行われる。
【0020】
遊技領域2Aの下部で、画像表示装置14の下方に、不変であり、且つ、常時入球可能である第1始動口6が設けられている。飾り枠29Aの左側には釘や風車等によって遊技球を第1始動口6へ誘導する一連の遊技球経路が形成されている。第1始動口6には、遊技球を検出する第1始動口検出センサ6aが設けられており、この検出センサ6aが遊技球を検出することを条件に、第1特別図柄の抽選が行われる。また、第1始動口検出センサ6aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば、3個)の賞球が払い出される。
【0021】
第1始動口6の直下に、可変の第2始動口7が設けられている。第2始動口7は、第2始動口制御装置70によって入賞不可能な第1の基本態様又は入賞可能な第1の特別態様のいずれかに制御される。第2始動口7にも、遊技球を検出する第2始動口検出センサ7aが設けられており、この検出センサ7aが遊技球を検出することを条件に、第2特別図柄の抽選が行われる。また、第2始動口検出センサ7aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば、3個)の賞球が払い出される。
【0022】
第2始動口制御装置70は、下辺部分に回転軸が設けられ、回動可能な普通可動片70A及び普通可動片70Aを回動させる駆動部としての第2始動口開閉ソレノイド70Bを具備しており、所定条件が成立することを条件として第2始動口開閉ソレノイド70Bが駆動し、普通可動片70Aが回動する。普通可動片70Aは、矩形状の扉部材で構成されており、通常は(所定条件が成立する以外は)、表面が遊技領域2Aと面一になる状態で停止し、第2始動口7を封鎖している。この停止状態の(未作動の)普通可動片70Aによって第2始動口7が封鎖されることで、第2始動口7が入賞不可能な第1の基本態様に制御されている。
【0023】
一方、所定条件が成立すると、普通可動片70Aが回転軸を中心に前方側に回動して第2始動口7が開放されることで、第2始動口7が入賞可能な第1の特別態様に制御される。このとき、第2始動口7が開放されると共に、普通可動片70Aが遊技領域2Aから突出した状態になるため、流下する遊技球を受けて第2始動口7へ誘導することが可能となる。なお、第2始動口制御装置70についての所定条件とは、上述した普通図柄の抽選(以下において、「普通図柄抽選」という)において、当たりに当選することである。
【0024】
遊技領域2Aの右側における入賞ゲート10の下流側には、可変の第1大入賞口8が設けられている。第1大入賞口8は、第1大入賞口制御装置80によって入賞不可能な第2の基本態様又は入賞可能な第2の特別態様のいずれかに制御される。第1大入賞口8には、遊技球を検出する第1大入賞口検出センサ8aが設けられており、この検出センサ8aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば、15個)の賞球が払い出される。
【0025】
第1大入賞口制御装置80は、下辺部分に回転軸が設けられた矩形状の扉部材で構成される第1特別可動片80Aを具備しており、第1特別可動片80Aは、所定条件が成立する場合にのみ作動する。すなわち、第1特別可動片80Aは、通常は(所定条件が成立する以外は)、表面が遊技領域2Aと面一になる状態で停止し、第1大入賞口8を封鎖している。この停止状態の(未作動の)第1特別可動片80Aによって第1大入賞口8が封鎖されることで、第1大入賞口8が入賞不可能な第2の基本態様に制御されている。
【0026】
一方、所定条件が成立すると、第1特別可動片80Aが回転軸を中心に前方側に回動して第1大入賞口8が開放されることで、第1大入賞口8が入賞可能な第2の特別態様に制御される。このとき、第1大入賞口8が開放されると共に、第1特別可動片80Aが遊技領域2Aから突出した状態になるため、流下する遊技球を受けて第1大入賞口8へ誘導することが可能となる。なお、第1大入賞口制御装置80についての所定条件とは、上述した第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選(以下において、第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選の双方を指す場合、総称して「特別図柄抽選」という)において、特賞(大当たり)に当選することである。
【0027】
遊技領域2Aの右側における第1大入賞口8の左斜下方には、可変の第2大入賞口9が設けられている(図3参照)。第2大入賞口9は、第2大入賞口制御装置90によって入賞不可能な第3の基本態様又は入賞可能な第3の特別態様のいずれかに制御される。第2大入賞口9には、遊技球を検出する第2大入賞口検出センサ9aが設けられており、この検出センサ9aが遊技球を検出すると、所定個数(例えば、15個)の賞球が払い出される。
【0028】
第2大入賞口制御装置90は下辺部分に回転軸が設けられた矩形状の扉部材で構成される第2特別可動片90Aを具備しており、第2特別可動片90Aは所定条件が成立する場合にのみ作動する。
すなわち、第2特別可動片90Aは、通常は(所定条件が成立する以外は)、表面が遊技領域2Aと面一になる状態で停止し、第2大入賞口9を封鎖している。この停止状態の(未作動の)第2特別可動片90Aによって第2大入賞口9が封鎖されることで、第2大入賞口9が入賞不可能な第3の基本態様に制御されている。
【0029】
一方、所定条件が成立すると、第2特別可動片90Aが回転軸を中心に前方側に回動して第2大入賞口9が開放されることで、第2大入賞口9が入賞可能な第3の特別態様に制御される。このとき、第2大入賞口9が開放されると共に、第2特別可動片90Aが遊技領域2Aから突出した状態になるため、流下する遊技球を受けて第2大入賞口9へ誘導することが可能となる。なお、第2大入賞口制御装置90についての所定条件とは、特別図柄抽選において、特賞(大当たり)に当選することである。
【0030】
また、第2大入賞口9の内部には、遊技球が通過可能な特定領域12が設けられている。この特定領域12には、特定領域開閉ソレノイド120Bの駆動によってスライドする振分装置としてのスライド部材120Aが設けられている。このスライド部材120Aは、前方向にスライドして特定領域12の上部に配置されると、特定領域12を閉鎖状態とする。また、特定領域12の開口部分を覆ったスライド部材120Aが後方向にスライドすると、特定領域12を開放状態とする。
この特定領域12は、後述する「特定領域有効期間」において開放状態とされ、それ以外の期間においては閉鎖状態とされる。
【0031】
この特定領域12には、通過した遊技球を検出可能な特定領域検出センサ12aが設けられている。特定領域12上部にスライド部材120Aがなく、特定領域12が開放状態とされている場合に第2大入賞口9に入球した遊技球は、特定領域12を通過し、その際に特定領域検出センサ12aによって検出される。その後、第2大入賞口検出センサ9aによって第2大入賞口9への入賞が検出される。一方、特定領域12がスライド部材120Aによって閉鎖状態とされている場合に第2大入賞口9に入球した遊技球は、特定領域12を通過せずに開口部120Cに進入して特定領域12とは異なり特定領域検出センサ12aを設けない非特定領域を通過した後に、第2大入賞口検出センサ9aによって検出される。
【0032】
また、遊技領域2Aの下方には、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21並びに普通図柄表示装置22からなる図柄表示装置、及び、第1特別図柄保留表示装置23、第2特別図柄保留表示装置24並びに普通図柄保留表示装置25からなる保留表示装置、さらには右打ち表示装置26が設けられている。
【0033】
第1特別図柄表示装置20は、第1始動口6に遊技球が入賞することを条件に行われる第1特別図柄の抽選の結果を表示する可変表示装置、第2特別図柄表示装置21は、第2始動口7に遊技球が入賞することを条件に行われる第2特別図柄の抽選の結果を表示する可変表示装置である。各特別図柄の抽選の結果には1又は複数の特別図柄が予め設定されており、特別図柄の抽選が行われると、当該抽選の結果に応じた特別図柄が特別図柄表示装置20、21に停止状態で表示される。つまり、特別図柄表示装置20、21における特別図柄の停止表示は、当該特別図柄抽選の結果の報知となる。
【0034】
特別図柄表示装置20、21は、例えばそれぞれ複数のLEDを具備しており、大当たりに当選した場合には大当たりに対応する特定のLEDが点灯し、ハズレであった場合にはハズレに対応する特定のLEDが点灯する。
このようにして特別図柄表示装置20、21が具備するLEDが点灯することによって現される文字、図形及び模様等の外観形象が特別図柄を構成する。そして、このように、特別図柄の停止表示が行われる前には必ず所定時間変動する。
すなわち、1回の特別図柄の抽選に対して、特別図柄表示が行われ、1回の特別図柄表示においては、識別情報としての特別図柄の変動表示及び特別図柄の停止表示が行われる。そして、この識別情報の変動表示結果が特別表示結果となることによって複数のラウンドに亘って第1大入賞口8及び第2大入賞口9のうちの少なくとも一方が開閉制御される特別遊技状態(大当たり遊技状態)を発生させる。
【0035】
普通図柄表示装置22は、遊技球が入賞ゲート10を通過することを条件に行われる普通図柄抽選の結果を表示する可変表示装置である。普通図柄抽選の結果には普通図柄が設定されており、普通図柄の抽選が行われると、当該抽選の結果に応じた普通図柄が普通図柄表示装置22に停止状態で表示される。つまり、普通図柄表示装置22における普通図柄の停止表示は、当該普通図柄の抽選の結果の報知となる。
【0036】
普通図柄表示装置22は、例えば複数のLEDを具備しており、当たりに当選した場合には当たりに対応する特定のLEDが点灯し、ハズレであった場合にはハズレに対応する特定のLEDが点灯する。このようにして普通図柄表示装置22が具備するLEDが点灯することによって現される文字、図形及び模様等の外観形象が普通図柄を構成するが、このような普通図柄の停止表示が行われる前には必ず所定時間変動する。
すなわち、1回の普通図柄の抽選に対して、普通図柄表示が行われ、1回の普通図柄表示においては、普通図柄の変動表示及び普通図柄の停止表示が行われる。
【0037】
右打ち表示装置26は、例えばLEDを具備しており、遊技領域2Aにおける第1大入賞口8及び第2大入賞口9が配置されている右側領域を遊技球が流下するように遊技球を発射させるべきとき(所謂「右打ち」を行うべきとき)にLEDが点灯されて、その事を表示する。
【0038】
特別図柄の変動表示中や第1大入賞口制御装置80、第2大入賞口制御装置90が作動する大当たり遊技中に、第1始動口6、第2始動口7に遊技球が入賞しても、即座に特別図柄の変動表示が行われて特別図柄の抽選の結果が報知される訳ではない。一定条件下で特別図柄の変動表示(特別図柄の抽選の結果の確定的な報知)が保留されることがある。一定条件として、特別図柄の変動表示を保留できる個数に上限値が設けられている。本実施の形態では、その上限値は第1始動口6、第2始動口7に対して「4」に設定されている。すなわち、第1始動口6、第2始動口7に対して特別図柄の変動表示、すなわち、特別図柄の抽選の権利を4個まで保留することができる。そして、第1特別図柄保留表示装置23は、第1始動口6に対応し、第2特別図柄保留表示装置24は、第2始動口7に対応しており、それぞれの第1特別図柄保留表示装置23、第2特別図柄保留表示装置24には現時点の保留数(U1、U2)が所定の態様で表示される。普通図柄の変動表示についても同様に、上限保留数が4個に設定されており、その保留数が、普通図柄保留表示装置25において表示される。
【0039】
また、遊技機Yには、様々な演出を実行する演出装置が設けられている。本実施の形態では、演出装置は、画像表示装置14、音声出力装置15、演出用照明装置16、及び、演出用役物装置17で構成されている。画像表示装置14と演出用役物装置17とが遊技盤2に設けられ、音声出力装置15と演出用照明装置16とがガラス扉Y2に設けられている。
【0040】
画像表示装置14は、様々な静止画や動画を表示することで画像による演出を行う。なお、本実施の形態においては、画像表示装置14として液晶ディスプレイが用いられているが、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等他の方式の表示装置を用いこともできる。
【0041】
上記演出用役物装置17は、可動部17Aを具備し、可動部17Aを作動させることで、動作による演出を行う。
【0042】
また、音声出力装置15は、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力することでサウンドによる演出を行い、演出用照明装置16は、各ランプの光の照射方向や発光色を変更することで照明による演出を行う。
【0043】
また、図2の部分斜視図に示すように、受け皿50には、演出に係る入力装置として、演出ボタン装置18及び選択ボタン装置19が設けられている。
【0044】
演出ボタン装置18は、操作可能な演出ボタン18A及び演出ボタン18Aに接続されて、演出ボタン18Aの被操作を検出する演出ボタン検出スイッチ18aを具備する(図4参照)。
【0045】
選択ボタン装置19は、操作可能な選択ボタン19A及び選択ボタン19Aに接続されて、選択ボタン19Aの被操作を検出する選択ボタン検出スイッチ19aを具備する(図4参照)。
【0046】
選択ボタン19Aは、上ボタン191A、左ボタン192A、下ボタン193A及び右ボタン194Aからなる。各ボタン191A?194Aは、受け皿50から突出した状態で押圧可能に設けられている。
【0047】
演出装置は、遊技の進行(状態)に応じて様々な演出を実行する。遊技中に高い頻度で行われる演出は、遊技球の第1始動口6または第2始動口7への有効な入賞に基づく特別図柄の抽選に対して行われる抽選演出である。画像表示装置14による抽選演出では、基本的には、まず演出図柄(識別情報)が所定の態様で所定時間変動する演出図柄の変動表示が行われ、次いで、演出図柄が停止し、当該抽選演出が終了することを意味する演出図柄の停止表示が行われる。
【0048】
演出図柄は、複数の装飾図柄で構成されており、全ての装飾図柄が停止表示されることをもって演出図柄の停止表示という。例えば、画像表示装置14等の表示領域の左側領域、中央領域及び右側領域において、装飾図柄の変動表示及び装飾図柄の停止表示が行われる。この場合、全ての装飾図柄の停止表示が終了した際の所定の有効ライン上に配置された装飾図柄の配列が当該特別図柄の抽選の結果に対応し得る。ただし、抽選演出は特別図柄の抽選に対応して行われるが、あくまで特別図柄の抽選に対する「演出」であるので、演出図柄が停止表示されたときの有効ライン上の装飾図柄の配列が、必ずしも当該特別図柄の抽選の結果(停止表示された特別図柄)を表しているとは限らない。このように装飾図柄が左側領域、中央領域、及び、右側領域で表示される場合、左側領域に表示される装飾図柄を左図柄、右側領域に表示される装飾図柄を右図柄、中央領域に表示される装飾図柄を中図柄という。
【0049】
各装飾図柄の変動表示では、当該変動表示が開始されてから停止表示が行われるまでの所定時間、複数の装飾図柄が次から次に規則的に縦方向(例えば、上から下)に移動(スクロール)する。このスクロール表示によって、あたかも現在抽選が行われているような印象を遊技者に与える。
【0050】
演出図柄の変動表示態様は様々であるが、例えば、装飾図柄が最初は高速で移動し、最後に徐々に減速しながら停止する場合や、減速せずに急に停止する場合がある。また、例えば、左図柄、右図柄、中図柄の順番で停止する態様、左図柄と右図柄とが同時に停止し、最後に中図柄が停止する態様、3つの演出図柄が同時に停止する態様等がある。なお、特別図柄の抽選が所定期間行われない内部的な待機状態(所謂、客待ち状態)になると、デモ演出が行われる。
【0051】
遊技機Yの裏面には、主制御基板101、演出制御基板102、払出制御基板103、電源基板107、遊技情報出力端子板108等が設けられている。また、電源基板107には遊技機Yに電力を給電するための電源プラグや、図示しない電源スイッチが設けられている。
【0052】
(遊技機の内部構成)
次に、図4を用いて、遊技の進行の制御について説明する。
【0053】
電源基板107は、コンデンサからなるバックアップ電源(図示せず)を備えているとともに、電源監視回路107aが搭載されている。電源基板107は、遊技機Yに電源電圧を供給するとともに、電源監視回路107aによって遊技機Yに供給する電源電圧(供給電力)を監視し、電源電圧が正常値よりも低い所定レベル値となったときに、そのことを検出し、電圧低下信号を主制御基板101に出力する。
なお、バックアップ電源は、コンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
【0054】
電源監視回路107aは、電源に供給されるAC24Vを整流したDC30Vを監視することによってその30Vの電圧低下を検出する。具体的には、電源電圧が所定のレベル値(例えば+22V)以下になると、電圧低下を検出して電圧低下信号を出力する。なお、監視対象である電源電圧は、各基板に搭載されている回路素子の電源電圧(例えば+5V)よりも高い電圧である。例えば、交流から直流に変換された直後の電圧(+30V)が用いられている。電源監視回路107aからの電圧低下信号は、主制御基板101に供給される。
【0055】
さらに、監視電圧(+30V)が、遊技機Yの各種スイッチに供給される電圧(例えば+12V)よりも高い値であれば、電断時のスイッチオン誤検出を防止できる。すなわち、+30V電源の電圧を監視すると、+30Vの作成以降に作られる+12Vが落ち始める以前の段階でその低下を検出することができる。
すなわち、+12V電源の電圧が低下するとスイッチ出力がオン状態を呈するようになるが、+12Vより速く低下する+30V電源電圧を監視して電断を認識することで、スイッチ出力がオン状態を呈する前に電断の復旧待ちの状態に入り、スイッチ出力を検出しない状態となる。
【0056】
主制御基板101は、遊技の基本動作を制御する。
この主制御基板101は、メインCPU101a、メインROM101b、及び、メインRAM101cを備えている。メインCPU101aは、各検出センサやタイマ(水晶振動子)等からの入力信号に基づいて、メインROM101bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示装置を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板に所定のコマンドを送信したりする。メインRAM101cは、メインCPU101aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0057】
また、メインRAM101cは、その一部または全部が電源基板107において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。
すなわち、遊技機Yに対する電力供給が停止(電断)しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、メインRAM101cの一部または全部の内容は保存される。すなわち、メインCPU101aは、遊技機Yへの供給電力が正常値よりも低い所定レベル値になったことを検出したことに基づき、少なくともこの所定レベル値を検出したときの遊技状態を含む遊技状態情報を、遊技機Yへの供給電力が供給されない状態においても保持可能にメインRAM101cに記憶する。
特に、少なくとも、遊技状態すなわちメインCPU101aの制御状態に応じたデータ(大当たり遊技フラグ、ラウンド番号(R)、大入賞口開放フラグ、高確率状態指定フラグ、高確率フラグ(確変フラグ)、特別図柄の判定結果(大当たりまたはハズレ、大当たり種別)、時短フラグ、時短残り回数(時短回数カウンタ)、特図特電処理データ、普図普電処理データ等)、及び、未払出賞球数を示すデータは、遊技の進行状態を示すデータであり、バックアップRAMに保存される(バックアップデータ)。
メインCPU101aの制御状態に応じたデータとは、電断が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を電断の発生前に復旧させるために必要なデータである。なお、本実施の形態では、メインRAM101cの全部が、電源バックアップされる。
【0058】
ここで、「大当たり遊技フラグ」は、大当たり遊技状態に制御されているとき(大当たり遊技の実行中)にはONにセットされるフラグである。
【0059】
「ラウンド番号(R)」は、大当たり遊技における現在のラウンド数を示すものであり、各ラウンドの開始時に、ラウンド遊技回数記憶領域に「1」を加算して記憶するものである。
【0060】
「大入賞口開放フラグ」は、第1大入賞口8または第2大入賞口9を開放しているときにはONにセットされ、第1大入賞口8または第2大入賞口9が閉鎖しているときにはOFFにセットされるフラグである。
【0061】
「高確率フラグ(確変フラグ)」は、高確率状態(確変状態)に制御されているときにセットされるフラグである。また、「時短フラグ」は、時短状態に制御されているときにセットされるフラグである。
【0062】
さらに、主制御基板101の入力ポート(図示せず)には、上述したように、電源基板170からの電源電圧が所定レベル値以下に低下したことを示す電断信号が入力される。すなわち、電源基板170に搭載されている電源監視回路107aは、遊技機Yにおいて使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5V等)の電圧値を監視して、電圧値が予め定められた所定レベル値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電断信号を主制御基板101に出力する。
また、主制御基板101の入力ポートには、メインRAM101cの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
【0063】
主制御基板101の入力側には、第1始動口検出センサ6a、第2始動口検出センサ7a、第1大入賞口検出センサ8a、第2大入賞口検出センサ9a、入賞ゲート検出センサ10a、一般入賞口検出センサ11a、及び、特定領域検出センサ12aが接続されており、入力ポート(図示せず)を介して各センサに対応した検出信号が主制御基板101に入力する。
【0064】
主制御基板101の出力側には、第2始動口制御装置70の普通可動片70Aを作動させる第2始動口開閉ソレノイド70B、及び、第1大入賞口制御装置80の第1特別可動片80Aを作動させる第1大入賞口開閉ソレノイド80B、及び、第2大入賞口制御装置90の第2特別可動片90Aを作動させる第2大入賞口開閉ソレノイド90B、スライド部材120Aにスライド動作を行わせる特定領域開閉ソレノイド120Bが接続されており、出力ポート(図示せず)を介して各ソレノイドを制御する信号が出力される。
【0065】
また、主制御基板101の出力側には、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、普通図柄表示装置22、第1特別図柄保留表示装置23、第2特別図柄保留表示装置24及び普通図柄保留表示装置25、さらには右打ち表示装置26が接続されており、出力ポート(図示せず)を介して各表示装置を制御する信号が出力される。
【0066】
さらに、主制御基板101の出力側には遊技情報出力端子板108が接続されており、出力ポート(図示せず)を介して、所定の遊技に関する情報(以下、遊技情報という)が変換された外部信号として出力される。
遊技情報出力端子板108には遊技情報表示装置700及び遊技店のホールコンピュータが接続されており、上記の所定の遊技情報(外部信号)が遊技情報出力端子板108から遊技情報表示装置700及びホールコンピュータに送信される。所定の遊技情報が遊技情報表示装置700で出力(表示)されることで、遊技者は遊技店に設置された遊技機(台)選びの判断材料が提供されることになる。
一方、所定の遊技情報がホールコンピュータに接続された表示装置やプリンターで出力(表示・印刷)されることで、遊技店は各遊技機の稼働状況を把握することができる。
【0067】
なお、本実施の形態では、遊技情報出力端子板108と遊技情報表示装置700とが接続され、遊技情報表示装置700とホールコンピュータとが接続されているが、接続態様はこれに限られるものでなく、遊技情報出力端子板108とホールコンピュータとが接続され、ホールコンピュータと遊技情報表示装置700とが接続される態様でも、遊技情報出力端子板108から遊技情報表示装置700及びホールコンピュータの双方に直接接続される態様でもよい。
【0068】
演出制御基板102は、主に遊技状況に応じた遊技演出や客待ち状態に応じたデモ演出等の各種演出を制御する。すなわち、演出を実行する画像表示装置14、音声出力装置15、演出用照明装置16及び演出用役物装置17に演出を実行させる。
【0069】
演出制御基板102は、サブCPU102a、サブROM102b、及び、サブRAM102cを備えており、主制御基板101に、当該主制御基板101から演出制御基板102への一方向に通信可能に接続されている。主制御基板101は、後述する特別図柄判定(大当たり判定を含む)の結果に基づく所定のコマンドを演出制御基板102に送信するので、所定のコマンドは演出制御基板102に入力信号として入力する。また、演出制御基板102の入力側には、ランプ制御基板104を中継して演出ボタン検出スイッチ18a及び選択ボタン検出スイッチ19aが接続されている。
【0070】
演出ボタン検出スイッチ18aは、演出ボタン18Aが操作されると、ランプ制御基板104を介して、演出ボタン18Aの操作が行われたことを示す演出ボタン検出信号を演出制御基板102に出力する。選択ボタン検出スイッチ19aは、選択ボタン19Aが操作されると、ランプ制御基板104を介して、選択ボタン19Aの操作が行われたことを示す選択ボタン検出信号を演出制御基板102に出力する。
【0071】
選択ボタン検出スイッチ19aは、上ボタン191Aに接続されて上ボタン191Aの被操作を検出する上ボタン検出スイッチ191a、左ボタン192Aに接続されて左ボタン192Aの被操作を検出する左ボタン検出スイッチ192a、下ボタン193Aに接続されて下ボタン193Aの被操作を検出する下ボタン検出スイッチ193a、及び、右ボタン194Aに接続されて右ボタン194Aの被操作を検出する右ボタン検出スイッチ194aからなる。なお、各ボタン検出スイッチ191a、192a、193a、194aは、被操作を検出すると、それぞれ、上ボタン検出信号、左ボタン検出信号、下ボタン検出信号、右ボタン検出信号を、ランプ制御基板104に出力する。なお、上ボタン検出信号、左ボタン検出信号、下ボタン検出信号、及び、右ボタン検出信号を総称して「選択ボタン検出信号」という。
【0072】
サブCPU102aは、主制御基板101から出力されたコマンド、演出ボタン装置18から出力された演出ボタン検出信号、選択ボタン装置19から出力された選択ボタン検出信号、タイマ(水晶振動子)からの入力信号等に基づいて、サブROM102bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、ランプ制御基板104及び画像制御基板105に演出制御コマンドを送信する。サブRAM102cは、サブCPU102aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0073】
払出制御基板103は、遊技球の発射制御と遊技球の払い出し制御とを行う。この払出制御基板103は、払出CPU103a、払出ROM103b、払出RAM103cを備えており、主制御基板101及び発射制御基板106に対して、双方向に通信可能に接続されている。
【0074】
払出CPU103aの入力側には、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数スイッチ51aが接続されており、これらからの払出球検知信号とタイマからの入力信号とに基づいて、払出ROM103bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板101に送信する。
【0075】
払出制御基板103の出力側には、貯留タンク(図示なし)から所定数の遊技球を遊技者に払い出すための払出装置5の払出駆動部51が接続されている。払出CPU103aは、主制御基板101から送信された賞球要求信号に基づいて、払出ROM103bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、払出装置5を制御して所定の遊技球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAM103cは、払出CPU103aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0076】
発射制御基板106は、発射CPU106a、発射ROM106b、及び、発射RAM106cを備えており、払出制御基板103に双方向に通信可能に接続されている。
【0077】
発射制御基板106は、入力側でタッチセンサ32aと発射ボリュームのつまみ32bに接続されている。タッチセンサ32aは発射ハンドル32内に取り付けられている。タッチセンサ32aは、遊技者が発射ハンドル32に触れると、発射ハンドル32に人間が接触したことを検知し、発射制御基板106に発射ハンドル検出信号を送信する。発射ボリュームのつまみ32bは発射ハンドル32に接続されている。発射ボリュームのつまみ32bは、発射ハンドル32に連動して回動し、回動角度を検出する。
【0078】
発射制御基板106は、出力側で遊技球発射装置の発射ソレノイド41に接続されている。発射制御基板106は、タッチセンサ32aから発射ハンドル検出信号を受信すると、発射ソレノイド41の通電を許可する。
【0079】
そして、発射ハンドル32が操作されて、発射ハンドル32の回転角度が変化すると、発射ハンドル32に連結されているギアが回転すると共に、ギアに連結した発射ボリュームのつまみ32bが回転する。この発射ボリュームのつまみ32bが検出する発射ハンドル32の回動角度に応じた電圧が、発射ソレノイド41に印加される。
【0080】
そして、発射ソレノイド41に電圧が印加されると、発射ソレノイド41が印加電圧に応じて作動する。このように、発射制御基板106は、タッチセンサ32aからの発射ハンドル検出信号及び発射ボリュームのつまみ32bからの入力信号が有する情報に基づいて、発射ソレノイド41を通電制御し、遊技球を発射させる。
【0081】
なお、本実施の形態では、発射ソレノイド41の往復速度は、発射制御基板106に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。発射ソレノイド41が1往復する毎に1個の遊技球が発射されるため、1分間における発射される遊技球の個数は、約99.9(個/分)となる。
【0082】
ランプ制御基板104は、上記各基板と同様に、ランプCPU104a、ランプROM104b、ランプRAM104cを備えており、出力側で演出用照明装置16及び演出用役物装置17に接続されている。ランプCPU104aは、演出制御基板102から送信される演出制御に係るコマンド(以下、「演出制御コマンド」という)に基づいて演出用照明装置16の発光制御、および、演出用照明装置16の光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御を行う。また、ランプCPU104aは、演出制御コマンドに基づいて演出用役物装置17を作動させるソレノイドやモータに対する駆動制御を行う。また、ランプ制御基板104は、入力側で演出ボタン装置18の演出ボタン検出スイッチ18a及び選択ボタン装置19の選択ボタン検出スイッチ19aに接続されており、演出ボタン検出信号及び選択ボタン検出信号を入力させると共に、演出制御基板102に出力し、演出制御基板102との間で演出ボタン検出信号及び選択ボタン検出信号を中継する。
【0083】
画像制御基板105は、少なくとも画像表示装置14に表示させる動画や静止画等の画像に係る映像信号を生成し、画像表示装置14に出力する画像生成部105Bと、音声出力装置15に出力させる音声に係る音声信号を生成し、音声出力装置15に出力する音声生成部105Cと、画像生成部105B及び音声生成部105Cを統括して制御する統括部105Aとを有する。
【0084】
画像制御基板105の統括部105Aは、画像表示装置14による画像表示制御を行うため統括CPU105Aa、統括ROM105Ab、及び、統括RAM105Acを備えている。
【0085】
統括CPU105Aaは、制御プログラム等が記憶されている統括ROM105Abに接続されており、統括CPU105Aaの動作に必要な制御プログラムが読み出されるようになっている。統括CPU105Aaは、演出制御基板102から送信される演出制御コマンド等の演出制御に係るコマンドを受信すると、コマンドに基づいて画像生成部105Bに画像表示装置14に表示させる画像の指示を出すと共に、音声生成部105Cに音声出力装置15から出力させる音の指示を出す。
【0086】
統括RAM105Acは、統括CPU105Aaの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、統括ROM105Abから読み出されたデータを一時的に記憶するものである。
【0087】
また、統括ROM105Abは、マスクROMで構成されており、統括ROM105Abの制御処理のプログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報等が記憶されている。
【0088】
このアニメパターンは、画像による演出の具体的な内容を構成するアニメーションを表示するにあたり参照され、アニメパターンにはアニメシーン情報や各アニメシーンの表示順序等に関連付けられている。なお、アニメシーン情報には、ウェイトフレーム(表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、描画のためのパラメータ(スプライトの表示位置、表示倍率、透過率等)、描画方法、画像表示装置14の輝度のパラメータとなるデューティー比等などの各種情報が含まれている。
【0089】
画像生成部105Bは、画像プロセッサであるVDP(Video Display Processor)105Baと、画像データが格納されたCGROM105Bb、及び、画像データから生成された描画データを一時的に記憶するフレームバッファ等を有するVRAM105Bcを備えている。
【0090】
VDP105Baは、画像データが記憶されているCGROM105Bbに接続されており、統括CPU105Aaからの指示に基づいて、画像データに基づいて映像信号(RGB信号等)の元となる描画データを生成する。画像データは、画像表示装置14に表示させる画像(フレーム)、例えば、装飾図柄画像や装飾図柄の背景を構成する、景色、キャラクター、及び台詞等の背景画像等の個々の画像を表す素材的なデータである。一方、描画データは個々の画像が複合されて(重ね合わされて)構成されるフレーム全体の画像を表す合成的なデータである。
【0091】
CGROM105Bbは、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば、32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなる画像データ(スプライト、ムービー)等を圧縮して記憶している。画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。また、CGROM105Bbは、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータを圧縮せずに記憶している。なお、CGROM105Bbは、全ての画像データを圧縮せずとも、一部のみ圧縮している構成でもよい。また、ムービーの圧縮方式としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
【0092】
また、画像生成部105Bは、水晶発振器を有している。水晶発振器は、VDP105Baにパルス信号を出力する。VDP105Baは、このパルス信号を分周することで、画像表示装置14と同期を図るための同期信号(水平同期信号・垂直同期信号)を生成し、画像表示装置14に出力する。
【0093】
次に、図5?図12を参照して、メインROM101bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
【0094】
図5(a-1)(a-2)は、大当たり判定テーブルの一例を示す図である。大当たり判定とは、始動口6、7への入賞に基づき取得した大当たり判定用乱数に基づいて、少なくとも特別遊技を実行する権利獲得の成否(特賞の当否)を決定することである。
図5(a-1)は、第1始動口6への入賞を契機に行われる第1特別図柄の抽選における大当たり判定において参照されるテーブル(以下、「第1特別図柄用の大当たり判定テーブル」という)である。
一方、図5(a-2)は、第2始動口7への入賞を契機に行われる第2特別図柄の抽選における大当たり判定において参照されるテーブル(以下、「第2特別図柄用の大当たり判定テーブル」という)である。
【0095】
いずれの大当たり判定テーブルも、後述する大当たりの当選確率が、相対的に低い(標準値に設定された)状態のときに参照される大当たり判定テーブル(以下、「低確率用大当たり判定テーブル」という)と、相対的に高い(標準値より高く設定された)状態のときに参照される大当たり判定テーブル(以下、「高確率用大当たり判定テーブル」という)とで構成されている。取得された大当たり判定用乱数を大当たり判定テーブルに照合することで、「大当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。
【0096】
各大当たり判定テーブルには、大当たり判定値と判定結果とが一義的に対応付けられて格納されている。すなわち、取得された大当たり判定用乱数を大当たり判定テーブルに照合することで、「大当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。「大当たり」に当選すると、第1大入賞口8又は第2大入賞口9の開放を伴う大当たり遊技が実行される。
【0097】
大当たり判定の結果が「ハズレ」である場合は、さらに、図5(b)のリーチ判定テーブルに基づいてリーチ判定が行われる。リーチ判定テーブルには、リーチ判定値とリーチ演出の有無とが一義的に対応付けられて格納されている。取得されたリーチ判定用乱数をリーチ判定テーブルに照合することで、リーチ演出の当否が判定される。リーチ判定の結果、リーチに当選する(リーチ演出有りと判定される)と、当該抽選演出中に遊技者の大当たり当選への期待感を高めるためのリーチ演出が行われる。
【0098】
リーチ演出の態様としては、例えば、演出図柄の変動表示中に画像表示装置14の左側領域、中央領域、及び、右側領域のうちの2つの領域で装飾図柄が擬似停止し(演出図柄の一部が擬似的な停止表示を行い)、残り1つの領域における所定の有効ライン上で所定の装飾図柄が停止すれば大当たりの当選を表す装飾図柄の配列となる状態(所謂「リーチ状態」)が発生する態様がある。
大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、このリーチ状態という演出的な特定状態になっても、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることに変わりはない。しかし、遊技中に画像表示装置14等で頻繁に行われる主要な抽選演出において、大当たり当選を表す3つの装飾図柄の配列のうち2つの装飾図柄が揃い、途中まで「大当たり」当選と同一の状況を創出することで遊技者の大当たり当選に対する期待感を高めることができる。
【0099】
なお、リーチ状態が発生するリーチ演出では、このようなリーチ状態の成立後に、他に特別な演出が行われることなく、最後の演出図柄として大当たりを示さない装飾図柄が有効ライン上で停止して、当該抽選演出が終了する場合や、リーチ状態成立後に発展演出(所謂「スーパーリーチ演出」)に展開していく場合がある。また、リーチ演出において、必ずリーチ状態が発生するとは限らない。すなわち、リーチ状態が発生しなくても、遊技者の大当たり当選への期待感を高めることができるリーチ演出もある。
【0100】
図6(a)?図6(b)は、特別図柄判定テーブルの一例を示す図である。特別図柄判定とは、取得した特別図柄判定用乱数に基づいて特別図柄表示装置20、21において停止表示される特別図柄(識別情報)の態様(特別図柄の種類:特図停止図柄データ・特別演出図柄指定コマンド)を決定することである。
【0101】
特別図柄判定用テーブルは、大当たり判定の結果(大当たり及びハズレ)によって大きく分類されている。すなわち、図6(a)は、当該大当たり判定の結果が「大当たり」である場合の特別図柄判定において参照されるテーブル、図6(b)は、当該大当たり判定の結果が「ハズレ」である場合の特別図柄判定において参照されるテーブルである。
【0102】
さらに、これらの各テーブルは当該特別図柄の抽選の契機となる始動口の種類によっても分類されている。当該大当たり判定の結果が「ハズレ」である場合には、特別図柄判定テーブルはリーチ演出の有無によっても分類されている。各特別図柄判定テーブルには、特別図柄用判定値と、特別図柄の種類とが一義的に対応付けられて格納されている。
特別図柄の識別情報として、特図停止図柄データ及び特別演出図柄指定コマンドが設定されている。特図停止図柄データは、主制御基板101における処理において用いられ、特別演出図柄指定コマンドは当該特別図柄判定時に演出制御基板102に送信される。
【0103】
図6(a)?図6(b)に示すように、特別演出図柄指定コマンドは、コマンドの分類を識別するための1バイトのMODEデータと、コマンドの内容(機能)を示すための1バイトのDATAデータとから構成されている。特別演出図柄指定コマンドについては、MODEデータが「E1H」であれば、第1始動口6に遊技球が入賞したこと(第1特別図柄表示装置20)を表し、MODEデータが「E2H」であれば、第2始動口7に遊技球が入賞したこと(第2特別図柄表示装置21)を表す。
【0104】
図7は、大当たり遊技を制御する際に用いられる大当たり遊技制御テーブルの一例を示す図である。
【0105】
大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技を制御するための条件が格納されている。大当たり遊技を制御するための条件として、大当たり遊技が開始されてから、第1大入賞口8、第2大入賞口9の最初の開放が行われるまでの期間であるオープニングの時間と、オープニング開始時に演出制御基板102に送信するオープニング指定コマンド、第1大入賞口8、第2大入賞口9の開閉を制御する際に用いるテーブルの種類、第1大入賞口8の最後の開放が終了してから、大当たり遊技が終了するまでの期間であるエンディングの時間、及び、エンディング開始時に演出制御基板102に送信するエンディング指定コマンドが設定されている。
これらの大当たりを制御するための条件は、大当たりの種類、すなわち、特別図柄の種類(特図停止図柄データ)に関連付けられている。すなわち、大当たり遊技の際に、いずれの制御条件を用いるかは特別図柄の種類に基づいて選択される。
【0106】
図8(a)?図8(c)は、第1大入賞口8、第2大入賞口9の開閉を制御する際に用いる大当たり遊技用の大入賞口開閉制御テーブルの一例を示す図である。図8(a)は大当たり遊技を構成する16R(1)大当たり遊技において参照されるテーブル、図8(b)は大当たり遊技を構成する16R(2)大当たり遊技において参照されるテーブル、図8(c)は大当たり遊技を構成する16R(3)大当たり遊技において参照されるテーブルである。
【0107】
大当たり遊技用の大入賞口開閉制御テーブルには、大当たり遊技時の第1大入賞口8、第2大入賞口9の開閉を制御するための条件が格納されている。第1大入賞口8、第2大入賞口9の開閉を制御するための条件として、ラウンド遊技の番号であるラウンド番号(R)、各ラウンド遊技における大入賞口制御装置の作動(第1大入賞口8、第2大入賞口9の開放)番号である特電作動番号(K)、及び、開閉させる大入賞口の種類、開放時間・閉鎖時間(作動時間・未作動時間)が設定されている。
【0108】
図9(a)は、遊技条件データを決定する際に参照する参照データ判定テーブルの一例を示す図である。遊技条件データとは、大当たり当選の際に、当該大当たり遊技後に新たに設定(変動)する遊技条件の状態を表す識別情報である。遊技条件データは、当該特別図柄抽選の際の大当たりの当選確率の状態及び当該特別図柄抽選の結果(特図停止図柄データ)に対応付けられている。すなわち、当該テーブルは、大当たりの当選確率の状態(低確率状態/高確率状態)によって分けられており、分けられた各テーブルにおいて、特別図柄の種類(特図停止図柄データ)と遊技条件データとが一義的に対応付けられて格納されている。
【0109】
遊技条件データは、1バイトのデータで構成されている。遊技条件データは、当該大当たり当選により新たに設定される始動口入賞容易性の状態を表す。「01H」であれば、当該大当たり遊技後に始動口入賞容易性が容易状態に設定され、「00H」であれば、当該大当たり遊技後に始動口入賞容易性が困難状態に設定される。
【0110】
図9(b)は、遊技条件判定テーブルの一例を示す図である。遊技条件判定とは、大当たり遊技が終了する際に(大当たり遊技終了処理の際に)新たに設定される遊技条件の状態を決定することである。上述したように、本実施の形態においては、遊技条件として、始動口入賞容易性が設定されている。当該テーブルは、遊技条件データと、各遊技条件の状態、すなわち、後述するその遊技条件の状態を示すフラグ(時短フラグ)のON/OFF及び当該遊技条件の状態によって実行可能な特別図柄表示の回数(Ja:以下、「実行可能回数」という)とが一義的に関連付けられて格納されている。すなわち、この特別図柄表示の実行可能回数とは、特別図柄抽選、換言すれば、その結果の報知に係る特別図柄表示の規定回数を意味する。
【0111】
(特別図柄の変動パターン判定テーブル)
図10?図11は、後述するように特別図柄の変動表示の態様(以下、「特図変動パターン」という)を決定する際に参照される特図変動パターン判定テーブルの一例を示す図である。特図変動パターンには、特別図柄の変動表示に要する時間(以下、「特図変動時間」という)や演出の種別が関連付けられている。
なお、特図変動パターンは、第1特別図柄表示装置20において表示される第1特別図柄の変動表示の態様である第1特図変動パターンと、第2特別図柄表示装置21において表示される第2特別図柄の変動表示態様である第2特図変動パターンとで区別される。
【0112】
特図変動パターン判定テーブルは、後述する遊技状態によって大きく分けられている。なお、図10は、後述する低確率状態且つ非時短状態において特別図柄の変動パターンを決定する際に参照される特図変動パターン判定テーブルの一例を示す図であり、図11は、後述する高確率状態且つ時短状態、及び、低確率状態且つ時短状態において特図変動パターンを決定する際に参照される特図変動パターン判定テーブルの一例を示す図である。
【0113】
そして、特図変動パターン判定テーブルは、さらに、特別図柄抽選の結果及び特別図柄表示において作動する特別図柄表示装置(当該特別図柄表示に係る始動口)の種別などが反映された特図停止図柄データ及び特別図柄保留数(U1またはU2)によって分けられている。
【0114】
各テーブルにおいて、特図変動パターン用判定値と、一又は複数の特図変動パターンとが一義的に関連付けられて格納されている。特図変動パターンは、予め設定された所定の確率で割り振られているため、特図変動パターンには大当たり当選の期待度が設定されていることになる。
【0115】
なお、各特図変動パターンに対応して始動口入賞指定コマンド及び特別図柄の変動パターン指定コマンドが設定されている。始動口入賞指定コマンドは、第1始動口6、第2始動口7の入賞時に(ステップS200の入力制御処理時に)生成されて演出制御基板102に送信され、特図変動パターン指定コマンドは、当該特別図柄の変動表示開始時に(ステップS300の特別図柄記憶判定処理時に)生成されて演出制御基板102に送信される。いずれのコマンドも、始動口の種別を識別するための1バイトのMODEデータと、特図変動パターンを識別するための1バイトのDATAデータとから構成されている。
【0116】
図12(a)?図12(f)は、入賞ゲート10への入賞に基づく普通図柄系遊技を制御する際に用いられるテーブルの一例を示す。
【0117】
図12(a)は、普通図柄用の当たり判定テーブルの一例を示す図である。当たり判定とは、入賞ゲート10への入賞に基づき取得した当たり判定用乱数に基づいて、少なくとも第2始動口7の開放を伴う補助遊技を実行する権利獲得の成否(当たりの当否)を決定することである。
【0118】
当たり判定テーブルは、後述する始動口入賞容易性の状態によって分けられている。具体的には、当たり判定テーブルは、非時短状態のときに参照される当たり判定テーブルと、時短状態のときに参照される当たり判定テーブルとで分けられており、メインROM101bに格納されている。
取得された当たり判定用乱数を当たり判定テーブルに照合することで、「当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。すなわち、各当たり判定テーブルには、当たり判定値と判定結果とが一義的に対応付けられて格納されており、取得された当たり判定用乱数を当たり判定テーブルに照合することで、「当たり」又は「ハズレ」のいずれかが決定される。「当たり」に当選すると、第2始動口7が開放する補助遊技が実行される。
【0119】
図12(b)は、普通図柄判定テーブルの一例を示す図である。普通図柄判定とは、入賞ゲート10への入賞に基づいて取得された普通図柄判定用乱数に基づいて普通図柄表示装置22において停止表示される普通図柄の態様(普通図柄の種類:普図停止図柄データ・普通演出図柄指定データ)を決定することである。普通図柄判定用テーブルは、当たり判定の結果(当たり及びハズレ)によって分けられており、いずれもメインROM101bに格納されている。
【0120】
図12(c)は、普通図柄の変動表示に要する時間(以下、「普図変動時間」という)に対応付けられた普通図柄の変動パターン(以下、「普図変動パターン」という)を判定するための普図変動パターン判定テーブルを示す図である。普図変動パターン判定テーブルは、時短状態のときに参照される普図変動パターン判定テーブルと、非時短状態のときに参照される普図変動パターン判定テーブルとで構成されている。いずれのテーブルもメインROM101bに格納されている。
【0121】
取得された普図変動パターン判定用乱数を普図変動パターン判定テーブルに照合することで、普図変動パターンが決定される。本実施の形態では、各テーブルにおいて1つの普図変動パターンのみが設定されている。すなわち、時短状態における普図変動時間の期待値は3.0秒、一方、非時短状態における普図変動時間の期待値は15.0秒となっている(図12(c)参照)。
【0122】
図12(d)は、補助遊技参照データ判定テーブルの一例を示す図である。このテーブルには、補助遊技を行う際に参照されるデータ(補助遊技参照データ)が格納されている。図12(d)に示す様に、補助遊技参照データ判定テーブルには、現在の第2始動口7への入賞容易性状態と普図停止図柄データとの組み合わせと、補助遊技参照データとが対応付けられている。すなわち、補助遊技参照データは、当該普通図柄抽選が行われた際の始動口入賞容易性状態及び当該普通図柄抽選の結果に関する情報を有する。
【0123】
図12(e)は、補助遊技制御テーブルの一例を示す図である。このテーブルには、補助遊技を制御するための条件が上記の補助遊技参照データに関連付けられて格納されている。
補助遊技を制御するための条件として、補助遊技が開始してから、第2始動口7の最初の開放が行われるまでの期間であるオープニングの時間と、第2始動口7の最後の開放が終了してから、補助遊技が終了するまでの期間であるエンディングの時間とが設定されている。なお、補助遊技制御テーブルもメインROM101bに格納されている。
【0124】
図12(f)は、当たり用の第2始動口開閉制御テーブルの一例を示す図である。このテーブルは、始動口入賞容易性が非時短状態のときに参照される第2始動口開閉制御テーブル(非時短用第2始動口開閉制御テーブル)と、時短状態のときに参照される第2始動口開閉制御テーブル(時短用第2始動口開閉制御テーブル)とで構成されている。いずれのテーブルもメインROM101bに格納されている。
【0125】
各テーブルには、補助遊技時の第2始動口7の開閉を制御するための条件が上記の補助遊技参照データに関連付けられて格納されている。第2始動口7の開閉を制御するための条件として、第2始動口制御装置70の作動(第2始動口7の開放)順番である普電作動番号(D)、及び、各開放時間・閉鎖時間(作動時間・未作動時間)が設定されている。本実施の形態では、各テーブルにおいて1種類の条件パターンのみが設定されている。すなわち、時短用第2始動口開閉制御テーブルにおける開放時間の期待値は5.0秒、一方、非時短用第2始動口開閉制御テーブルにおける開放時間の期待値は0.2秒となっている。
【0126】
(大当たり遊技の種類の説明)
大当たり遊技について説明する。本実施の形態においては、第1大入賞口8、第2大入賞口9の開放を伴う(第1大入賞口制御装置80、第2大入賞口制御装置90が作動する)大当たり遊技は、「大当たり」に当選した際に実行され、第1大入賞口8、第2大入賞口9が開閉する「大当たり遊技」で構成されている。
大当たり遊技は、図8(a)?(c)に示すように、主に第1大入賞口8、第2大入賞口9の開閉態様の相違によって「16R(1)大当たり遊技」と「16R(2)大当たり遊技」と「16R(3)大当たり遊技」とに分けられる。以下、「16R(1)大当たり遊技」を伴う「大当たり」を「16R(1)大当たり」と、「16R(2)大当たり遊技」を伴う「大当たり」を「16R(2)大当たり」と、「16R(3)大当たり遊技」を伴う「大当たり」を「16R(3)大当たり」とする。
【0127】
大当たり遊技では、第1大入賞口8、第2大入賞口9が1回以上は開放するラウンド遊技が所定回数実行される。
各ラウンド遊技においては、開放し得る回数(以下、「最大開放回数」という。本実施の形態において、最大開放回数は1回である。)と、開放し得る時間の合計(以下、「最大開放時間」という。)とが予め設定されている。
「開放し得る」となっているのは、1回のラウンド遊技中に第1大入賞口8に入賞できる遊技球の個数が制限されているからであり、本実施の形態においてその個数は、9個である。
したがって、最大開放時間が経過していなくても、9個の遊技球の入賞によって第1大入賞口8、第2大入賞口9が閉鎖し、そのラウンド遊技が終了することもある。
なお、各ラウンド遊技における第1大入賞口8、第2大入賞口9の最大開放回数及び最大開放時間は、各大当たり遊技で統一されていても統一されていなくてもよい。
【0128】
(遊技条件の説明)
次に、遊技が進行する際の条件となる遊技条件について説明する。本実施の形態において、大当たりの当選確率については「低確率」状態又は「高確率」状態のもとで遊技が進行し、遊技球の第2始動口7への入賞容易性については「時短」状態又は「非時短」状態のもとで遊技が進行する。初期(電源投入時)の遊技条件は、「低確率」状態且つ「非時短」状態に設定されており、この「低確率」状態且つ「非時短」状態を基準として「通常遊技状態」と称する。
【0129】
本実施の形態において大当たりの当選確率についての「低確率」状態とは、遊技球が第1始動口6または第2始動口7に入賞したことを条件として行われる特別図柄抽選の大当たり判定における大当たりの当選確率が、1/380と相対的に遊技者に不利に設定されていることをいう。ここでいう「大当たり」の当選とは、特別図柄抽選において「第1長当たり遊技」、「第2長当たり遊技」又は「短当たり遊技」のいずれかを実行する権利を獲得することである。これに対して「高確率」状態とは、大当たりの当選確率が「低確率」状態より高く、すなわち、相対的に遊技者に有利な1/40に設定されていることである。したがって、大当たりの当選確率が「高確率」状態のときは、「低確率」状態のときよりも大当たりの当選が容易となり、単位時間当たりの大当たりの当選可能回数が相対的に多くなるので、遊技者に有利な状態と言える。
【0130】
なお、「高確率」状態は、大当たり遊技において遊技球が特定領域12を有効に通過することによって、当該大当たり遊技の終了する際に発生する。すなわち、大当たりに当選して、当該大当たり遊技中に第2大入賞口9が開放している間に第2大入賞口9に入球し、特定領域12を通過すると、当該大当たり遊技の終了後に「高確率」状態となり、当該大当たり遊技中に特定領域12を通過することができないと「高確率」状態は発生せず、「低確率」状態となる。
【0131】
ここで、16R(1)大当たり遊技では、8回目のラウンド遊技、及び、12回目のラウンド遊技において、それぞれ第2大入賞口9が1回、29.5秒間(最大開放時間)若しくは遊技球が9個入賞するまで開放するため、当該大当たり遊技中に遊技球に特定領域12を通過させることは容易である。よって、16R(1)大当たりは、「高確率」状態を発生させ易い大当たりということができる。
また、16R(2)大当たり遊技及び16R(3)大当たり遊技では、8回目のラウンド遊技、及び、12回目のラウンド遊技において、それぞれ第2大入賞口9が1回開放する。しかしながら、その最大開放時間は、何れも0.1秒と短いため、これら16R(2)大当たり遊技、16(3)大当たり遊技中に遊技球に特定領域12を通過させることは困難である。よって、16R(2)大当たり遊技及び16R(3)大当たり遊技は、「高確率」状態を発生させ難い大当たりということができる。
【0132】
「非時短」状態とは、第2始動口7への入賞容易性が通常の状態である。具体的には、「非時短」状態では、遊技球が入賞ゲート10に入賞したことを条件として行われる普通図柄の抽選に対応する普通図柄の変動表示に要する時間(以下、普図変動時間という)が、15秒に設定され、普通図柄の抽選において「当たり」に当選したときに作動する第2始動口制御装置70の作動時間(第2始動口7の開放時間)の合計が0.2秒に設定され、普通図柄用の当たり判定において当たりに当選する確率が1/50に設定されていることをいう。なお、「開放時間の合計」となっているのは、1回の当たりに対して第2始動口7が複数回開放することがあり、又、1回の当たりに対して遊技球が入賞できる個数が制限されており、遊技球がその個数入賞すると当該開放時間の経過を待たず閉鎖するからである。
【0133】
これに対して「時短」状態とは、「非時短」状態に比べて、単位時間当たりにおける第2始動口制御装置70の作動時間(第2始動口7の開放時間)が長く、第2始動口7への入賞容易性が「非時短」状態に比べて高い状態、すなわち、「非時短」状態に比べて第2始動口7へ入賞させ易い状態のことをいう。第2始動口7への入賞容易性が相対的に高いことによって、単位時間当たりにおける第2特別図柄抽選の実行可能回数が多くなる。同一の大当たりの当選確率のもとでは、単位時間当たりにおける第2特別図柄抽選の実行回数が多い方が、必然的に単位時間当たりにおける大当たりの当選回数も多くなることから、「時短」状態は「非時短」状態に比して遊技者に有利な状態といえる。
【0134】
上述したように、本実施の形態では、「時短」状態では、普図変動時間が3.0秒に設定され、第2始動口7の最大開放時間の合計が5.0秒に設定され、当たりに当選する確率が1/5に設定される。
すなわち、第2始動口7への入賞容易性の構成要素全てについて「非時短」状態より遊技者に有利に設定されている。なお、「時短」状態では、第2始動口7は1.0秒間の閉鎖時間(インターバル)を介して2回開放しているが、当該閉鎖がなく、1回開放するだけでも良い。また、閉鎖が複数回設けられていても良い。
【0135】
なお、本実施の形態では、第1始動口6、第2始動口7に遊技球が入賞すると、3球の賞球を得ることができるものの、遊技者が適切な発射ハンドル32の操作で遊技球の発射を行っても、遊技者が所持する遊技球の個数が減少し易い。しかしながら、「時短」状態のときは、「非時短」状態に比して第2始動口7への入賞が容易になるので、遊技者が所持する遊技球の個数の減少を抑えることができる。つまり、遊技者が所持する遊技球の個数の観点からも「時短」状態は「非時短」状態に比べて遊技者に有利に設定されている。
【0136】
このように、大当たりの当選によって、大当たり遊技の種類(第1長当たり遊技/第2長当たり遊技/短当たり遊技)と、大当たり遊技の終了後に新たに設定される遊技条件の状態(非時短状態/時短状態との組み合わせ)とが決定される。このことを鑑みると、実質的な大当たりの種類(遊技者が享受する利益度に基づく大当たりの種類)は、実行される大当たり遊技の種類と、当該大当たり遊技終了後に新たに設定される遊技条件の状態との組合せと言える。そこで、以下、特図停止図柄データに基づく大当たりの種類とは別に、大当たりによって導かれた大当たり遊技の種類と大当たり遊技の終了後の遊技条件との組合せ、すなわち、遊技者が享受する利益の種類に基づいて、大当たりの種類を分類することができる。
【0137】
大当たりの当選により第1長当たり遊技を実行させ、その後に遊技条件の状態を「時短」状態に設定させる大当たりを「時短有第1長当たり」、大当たりの当選により第2長当たり遊技を実行させ、その後に遊技条件の状態を「時短」状態に設定させる大当たりを「時短有第2長当たり」、当選により短当たり遊技を実行させ、その後に遊技条件の状態を「時短」状態に設定させる大当たりを「時短有短当たり」と称する。
【0138】
なお、大当たり当選すると、当該大当たり遊技前の状態に関わらず当該大当たり遊技が開始する際に通常遊技状態に設定される。すなわち、大当たりの当選確率は低確率状態になり、第2始動口7の入賞容易性は大当たり遊技中には必ず非時短状態になる。
【0139】
次に、遊技機Yにおける遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
【0140】
(主制御基板のメイン処理)
図14を用いて、主制御基板101のメイン処理を説明する。
【0141】
電源基板107により電源が供給されると、メインCPU101aにシステムリセットが発生し、メインCPU101aは、以下のメイン処理を行う。
【0142】
まず、ステップS1において、メインCPU101aは、メインRAM101cへのアクセスを許可に設定する。
【0143】
ステップS2において、メインCPU101aは、RAMクリアスイッチがオンとなっているか判定し、RAMクリアスイッチがオンと判定された場合、RAMクリアを行うためステップS8に処理を移す。一方、RAMクリアスイッチがオンと判定されなかた場合には、ステップS3に処理を移す。
【0144】
ステップS3において、メインCPU101aは、電源投入時のメインRAM101cのチェックサムを作成する。
【0145】
ステップS4において、作成した電源投入時のメインRAM101cのチェックサムと電断時のメインRAM101cのチェックサムとを比較する。ここで、一致していれば正常と判定し、ステップS5に処理を移し、一致していなければエラーと判定し、ステップS8に処理を移す。
【0146】
ステップS5において、メインCPU101aは、バックアップされているメインRAM101cの遊技状態記憶領域からの遊技状態の情報をロードする。
【0147】
ステップS6において、メインCPU101aは、ロードした遊技状態の情報に基づいて電断復旧指定コマンドを決定し、決定した電断復旧指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0148】
ステップS7において、メインCPU101aは、電断復電時に初期値を必要とするメインRAM101cの作業領域に初期値を設定し、バックアップが有効である場合のRAMの設定処理を行う。
【0149】
具体的には、メインROM101bに格納されているバックアップ時設定テーブル(図示せず)の先頭アドレスをポインタに設定し、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(メインRAM101c内の領域)に設定する。
この作業領域は、バックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。また、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、少なくとも、遊技状態すなわちメインCPU101aの制御状態に応じたデータ(大当たり遊技フラグ、ラウンド番号(R)、大入賞口開放フラグ、高確率状態指定フラグ、高確率フラグ(確変フラグ)、特別図柄の判定結果(大当たりまたはハズレ、大当たり種別)、時短フラグ、時短残り回数(時短回数カウンタ)、特図特電処理データ、普図普電処理データ等)、及び、未払出賞球数を示すデータや、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
【0150】
ステップS8において、メインCPU101aは、メインRAM101cの使用領域をクリアする。
【0151】
ステップS9において、メインCPU101aは、初期化時に初期値を必要とするメインRAM101cの作業領域に初期値を設定し、バックアップが有効でない場合のメインRAM101cの設定処理を行う。
【0152】
ステップS10において、メインCPU101aは、電源投入時指定コマンドを決定し、決定した電源投入時指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0153】
ステップS11において、メインCPU101aは、送信バッファにセットされているコマンドを、演出制御基板102に送信するコマンド送信処理を行う。すなわち、電源投入時指定コマンドを演出制御基板102に送信する。
【0154】
ステップS12において、メインCPU101aは、RAMクリアスイッチが再度押下されるまで待機し、RAMクリアスイッチが再度押下されるとステップS13に処理を移す。
【0155】
ステップS13において、メインCPU101aは、RAMクリア指定コマンドを決定し、決定したRAMクリア指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0156】
ステップS14において、メインCPU101aは、メインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされているコマンドを演出制御基板102に送信するコマンド送信処理を行う。すなわち、電断復旧指定コマンドまたはRAMクリア指定コマンドのいずれかのコマンドを演出制御基板102に送信する。
【0157】
このステップS14においてメインCPU101aが送信する電断復旧指定コマンドは、後述するように、遊技機Yの電源が投入されて、正常に復旧したことを示すものであるとともに、電断前にバックアップされたデータ(大当たり遊技フラグ、高確率状態指定フラグ、高確率フラグ(確変フラグ)、時短フラグ等)に基づき、電断復旧時の遊技状態も示している。例えば、電断復旧時に大当たり遊技状態フラグがセットされていれば、「大当たり遊技状態」であることを示す電断復旧指定コマンド(後述する「電断復旧5指定コマンド」)を送信する。
【0158】
ステップS15において、メインCPU101aは、CPU周辺のデバイスの初期設定を行う。
【0159】
ステップS20において、メインCPU101aは、変動パターン用乱数値、リーチ判定用乱数値の更新を行う(演出乱数更新処理)。
【0160】
ステップS30において、メインCPU101aは、特別図柄判定用初期値乱数、大当たり図柄用初期値乱数、小当たり図柄用初期値乱数の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS20とステップS30との処理を繰り返し行う。
【0161】
(主制御基板のタイマ割込処理)
図15を用いて、主制御基板101のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板101に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下のタイマ割込処理が実行される。
【0162】
まず、ステップS100において、メインCPU101aは、メインCPU101aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
【0163】
ステップS110において、メインCPU101aは、特別図柄の変動時間の更新処理、特別図柄の停止時間の更新処理、オープニング時間の更新処理、大入賞口8の開閉時間の更新処理等を行う特別遊技タイマカウンタ、及び、普通図柄の変動時間の更新処理、普通図柄の停止時間の更新処理、並びに、第2始動口7の開閉時間の更新処理等を行う補助遊技タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。
【0164】
ステップS120において、メインCPU101aは、大当たり判定用乱数値、特別図柄判定用乱数値、当たり判定用乱数値の乱数更新処理を行う。具体的には、それぞれの乱数カウンタを+1加算して、乱数カウンタを更新する。なお、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の初期値乱数の値から乱数を更新する。
【0165】
ステップS130において、メインCPU101aは、大当たり判定用初期値乱数カウンタ、特別図柄用初期値乱数カウンタ、当たり判定用初期値乱数カウンタを+1加算して乱数カウンタを更新する初期値乱数更新処理を行う。
【0166】
ステップS200において、メインCPU101aは、入力制御処理を行う。この処理において、メインCPU101aは、所定の検出センサから新たに有効な信号が送信されたか否か判定する入力制御処理を行う。詳しくは、図16?図19を用いて後述する。
【0167】
ステップS300において、メインCPU101aは、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、第1特別図柄保留表示装置23、第2特別図柄保留表示装置24、第1大入賞口制御装置80、及び、第2大入賞口制御装置90の制御(特別図柄系装置の制御)を行うための特図特電制御処理(特別図柄系処理)を行う。詳しくは、図20?図28を用いて後述する。
【0168】
ステップS400において、メインCPU101aは、普通図柄表示装置22、普通図柄保留表示装置25、第2始動口制御装置70の制御(普通図柄系装置の制御)を行うための普図普電制御処理(普通図柄系処理)を行う。詳しくは、図29?図33を用いて後述する。
【0169】
ステップS500において、メインCPU101aは、払出制御処理を行う。この処理において、メインCPU101aは、始動口(第1始動口6、第2始動口7)、第1大入賞口8、第2大入賞口9、及び、一般入賞口11に対応する賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えている場合、それぞれの入賞口に対応する賞球個数を示す賞球要求信号を払出制御基板103に送信する。そして賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
【0170】
ステップS600において、メインCPU101aは、遊技に関する情報を外部信号として遊技情報表示装置700等の外部装置に出力するための外部信号出力制御データ、第2始動口開閉ソレノイド70B、第1大入賞口開閉ソレノイド80B、及び、第2大入賞口開閉ソレノイド90Bを駆動させるための駆動制御データ(始動口開閉ソレノイド駆動データ及び大入賞口開閉ソレノイド駆動データ)、及び、図柄表示装置20、21、22や保留表示装置23、24、25に所定の図柄を表示させるための表示制御データ(特別図柄表示データ、普通図柄表示データ、特別図柄保留表示データ、普通図柄保留表示データ)のデータ作成処理を行う。
【0171】
ステップS700において、メインCPU101aは、出力制御処理を行う。この処理において、まず上記S600で作成した外部信号出力制御データ、駆動制御データに基づいて信号を出力させるポート出力処理が行われる。次いで、図柄表示装置20、21、22及び保留表示装置23、24、25、右打ち表示装置26の各LEDを点灯させるために、上記ステップS600で作成した表示制御データに基づいて信号を出力させる表示装置出力処理を行う。最後に、メインRAM101cの送信バッファにセットされているコマンドを他の基板に送信するコマンド送信処理も行う。
【0172】
ステップS800において、メインCPU101aは、ステップS100で退避した情報をメインCPU101aのレジスタに復帰させる。
【0173】
図16を用いて、入力制御処理を説明する。
まず、ステップS210において、メインCPU101aは、第1大入賞口検出センサ8aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1大入賞口8に入賞したか否かを判定する。メインCPU101aは、第1大入賞口検出センサ8aから検出信号を入力していない場合には、ステップS220に処理を移す。メインCPU101aは、第1大入賞口検出センサ8aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、第1大入賞口8又は第2大入賞口9に入賞した遊技球を計数するためのラウンド入賞カウンタ(C)のカウンタ値を加算して更新する。
【0174】
ステップS220において、メインCPU101aは、第2大入賞口検出センサ9aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第2大入賞口9に入賞したか否かを判定する。メインCPU101aは、第2大入賞口検出センサ9aから検出信号を入力していない場合には、ステップS230に処理を移す。メインCPU101aは、第2大入賞口検出センサ9aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、第1大入賞口8又は第2大入賞口9に入賞した遊技球を計数するためのラウンド入賞カウンタ(C)のカウンタ値を加算して更新する。
【0175】
ステップS230において、メインCPU101aは、第1始動口検出センサ6aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1始動口6に入賞したか否かを判定する。詳細は、図17(a)を用いて後述する。
【0176】
ステップS240において、メインCPU101aは、第2始動口検出センサ7aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第2始動口7に入賞したか否かを判定する。詳細は、図17(b)を用いて後述する。
【0177】
ステップS250において、メインCPU101aは、入賞ゲート検出センサ10aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が入賞ゲート10に入賞したか否かを判定する。詳細は、図18を用いて後述する。
【0178】
ステップS260において、メインCPU101aは、特定領域検出センサ12aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が特定領域12に入賞したか否かを判定する。詳細は、図19を用いて後述する。
【0179】
ステップS270において、メインCPU101aは、一般入賞口検出センサ11aから検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が一般入賞口11に入賞したか否かを判定する。メインCPU101aは、一般入賞口検出センサ11aから検出信号を入力していない場合には、当該入力制御処理を終了する。メインCPU101aは、一般入賞口検出センサ11aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる一般入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
【0180】
次に、図17(a)を用いて第1始動口検出信号入力処理について説明する。
ステップS231において、メインCPU101aは、第1始動口検出センサ6aから有効な検出信号かあったか否か、すなわち、所定の実行条件が成立したか否かを判定する。有効な検出信号がなければ当該処理を終了し、有効な検出信号があれば、ステップS232において、始動口賞球カウンタを「1」加算して更新すると共に、メインRAM101cの第1始動口入賞フラグ記憶領域に第1始動口入賞フラグをONする。
【0181】
メインCPU101aは、ステップS233において、第1特別図柄保留数カウンタのカウンタ値(U1、「第1特図保留数」ともいう)が4(上限値)より小さいか否かを判定する。カウンタ値(U1)が4より小さくない、すなわち、該カウンタ値(U1)が4であれば当該処理を終了し、第1特図保留数(U1)が4より小さければ、特別図柄表示を実行する権利が得られることを意味するので、メインCPU101aは、ステップS234において第1特別図柄保留数カウンタのカウンタ値(U1)を「1」加算して更新する。そして、ステップS234においては、第1特別図柄保留表示装置23に表示される第1特図保留数(U1)を更新するために、その保留数を示す特別図柄保留表示データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
【0182】
メインCPU101aは、ステップS235において、大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数及び特図変動パターン判定用乱数からなる判定情報を取得する。具体的には、各乱数カウンタが示す乱数値を第1特別図柄保留記憶領域に記憶する。なお、第1特別図柄記憶保留領域は第1記憶部?第4記憶部に分けられており(図13(a)参照)、判定情報は判定情報が記憶されていない記憶部の中で番号の小さい記憶部から順に記憶されていく。
【0183】
そして、メインCPU101aは、ステップS236において第1始動口6への入賞に基づく第1事前判定処理を行う。ここで、第1事前判定処理について説明する。第1事前判定処理は、ステップS300の特図特電制御処理において決定される所定事項を、当該第1始動口6への入賞に基づく確定的な特別図柄の変動表示(特別図柄の抽選の結果の報知)の前に事前に判定する処理である。
【0184】
具体的には、ステップS235で取得した特別図柄抽選に係る判定情報(大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数)に基づいて、大当たり判定、特別図柄判定、リーチ判定及び特図変動パターン判定を行う。すなわち、メインCPU101aは、第1事前判定において、大当たり判定処理、特別図柄判定処理、及び、特図変動パターン判定処理を行う。ここでは、第1事前判定の判定結果として、第1始動口入賞指定コマンドが決定される。第1始動口入賞指定コマンドには第1事前判定の判定結果に関する情報(大当たりの当否、特別図柄の種類、リーチの有無及び特図変動パターン)が含まれている。
【0185】
そして、メインCPU101aは、ステップS237において、第1始動口入賞指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域(送信バッファ)にセットする。
【0186】
次いで、図17(b)を用いて、第2始動口検出信号入力処理について説明する。
ステップS241において、メインCPU101aは、第2始動口検出センサ7aから有効な検出信号かあったか否か、すなわち、所定の実行条件が成立したか否かを判定する。有効な検出信号がなければ当該処理を終了し、有効な検出信号があれば、ステップS242において、始動口賞球カウンタを「1」加算して更新し、第2始動口入賞規定カウンタを「1」加算して更新すると共に、メインRAM101cの第2始動口入賞フラグ記憶領域に第2始動口入賞フラグをONする。第2始動口入賞規定カウンタとは、1回の補助遊技における第2始動口7への入賞個数を計数する装置である。これは、本実施の形態では、1回の補助遊技に対する第2始動口7への入賞個数が制限されているからである。
【0187】
メインCPU101aは、ステップS243において、第2特別図柄保留数カウンタのカウンタ値(U2、「第2特図保留数」ともいう)が4(上限値)より小さいか否かを判定する。カウンタ値(U2)が4より小さくない、すなわち、該カウンタ値(U2)が4であれば当該処理を終了し、第2特図保留数(U2)が4より小さければ、特別図柄表示を実行する権利が得られることを意味するので、メインCPU101aは、ステップS244において第2特別図柄保留数カウンタのカウンタ値(U2)を「1」加算して更新する。そして、ステップS244においては、第2特別図柄保留表示装置24に表示される第2特図保留数(U2)を更新するために、その保留数を示す特別図柄保留表示データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
【0188】
メインCPU101aは、ステップS245において、大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数及び特図変動パターン判定用乱数からなる判定情報を取得する。具体的には、各乱数カウンタが示す乱数値(図13(c)参照)を第2特別図柄保留記憶領域に記憶する。なお、第2特別図柄記憶保留領域は第1記憶部?第4記憶部に分けられており(図13(b)参照)、判定情報は判定情報が記憶されていない記憶部の中で番号の小さい記憶部から順に記憶されていく。
【0189】
そして、メインCPU101aは、ステップS246において第2始動口7への入賞に基づく第2事前判定処理を行う。ここで、第2事前判定処理について説明する。第2事前判定処理は、ステップS300の特図特電制御処理において決定される所定事項を、当該第2始動口7への入賞に基づく確定的な特別図柄の変動表示(特別図柄の抽選の結果の報知)の前に事前に判定する処理である。
【0190】
具体的には、ステップS245で取得した特別図柄抽選に係る判定情報(大当たり判定用乱数、特別図柄判定用乱数、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数)に基づいて、大当たり判定、特別図柄判定、リーチ判定及び特図変動パターン判定を行う。すなわち、メインCPU101aは、第2事前判定において、大当たり判定処理、特別図柄判定処理、及び、特図変動パターン判定処理を行う。ここでは、第2事前判定の判定結果として、第2始動口入賞指定コマンドが決定される。第2始動口入賞指定コマンドには第2事前判定の判定結果に関する情報(大当たりの当否、特別図柄の種類、リーチの有無及び特図変動パターン)が含まれている。
【0191】
そして、メインCPU101aは、ステップS247において、第2始動口入賞指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域(送信バッファ)にセットする。
【0192】
次に、図18を用いて入賞ゲート検出信号入力処理について説明する。
ステップS251において、メインCPU101aは、入賞ゲート検出センサ10aから有効な検出信号かあったか否か、すなわち、所定の実行条件が成立したか否かを判定する。有効な検出信号がなければ当該処理を終了し、有効な検出信号があれば、ステップS252において、普通図柄保留数カウンタのカウンタ値(G、「普図保留数」ともいう)が4(上限値)より小さいか否かを判定する。カウンタ値(G)が4より小さくない、すなわち、該カウンタ値(G)が4であれば当該処理を終了し、カウンタ値(G)が4より小さければ、普通図柄表示を実行する権利が得られることを意味するので、メインCPU101aは、ステップS253において普通図柄保留数カウンタのカウンタ値(G)を「1」加算して更新する。なお、メインCPU101aは、ステップS253において、普通図柄保留表示装置25に表示される普図保留数(G)を更新するために、その保留数を示す普通図柄保留表示データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
【0193】
メインCPU101aは、ステップS254において当たり判定用乱数、普通図柄判定用乱数等からなる判定情報を取得し、当該入賞ゲート検出信号入力処理を終了する。具体的に、メインCPU101aは、普通図柄抽選に係るカウンタが示す乱数値をメインRAM101cの普通図柄保留記憶領域に記憶する。
【0194】
次に、図19を用いて特定領域検出信号入力処理について説明する。ステップS261において、特定領域検出センサ12aから有効な検出信号かあったか否かを判定する。有効な検出信号がなければ当該処理を終了し、有効な検出信号があれば、ステップS262に処理を移し、後述するメインROM101cにおいて特定領域有効期間設定フラグがONにセットされているか否かを確認することによって、現在、特定領域有効期間中であるか否かを判定する。
【0195】
メインCPU101aは、現在特定領域有効期間中ではないと判定するとステップS265に処理を移し、現在特定領域有効期間中であると判定すると、ステップS263においてメインRAM101cの高確率状態指定フラグに高確率状態指定フラグをONに設定し、ステップS264においてメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域に有効期間中特定領域入賞指定コマンドをセットし、当該特定領域検出信号入力処理を終了する。
なお、本実施の形態では、特定領域有効期間において、特定領域検出センサ12aが遊技球を最初に検出したときに、高確率指定フラグをONに設定し、この高確率指定フラグONの設定以降に遊技球を検出したときには、この高確率指定フラグの再設定を行わないようにする。
【0196】
高確率指定フラグがONに設定されていることは、特定領域有効期間中に遊技球が特定領域12を通過したことを意味する。メインCPU101aは、高確率指定フラグがONに設定されていることに基づいて、当該大当たり遊技の後に遊技状態を、通常遊技状態に比べて識別情報の変動表示結果が大当たりとなる特別表示結果(特図停止図柄データ10?15、20?25に相当)となり易い高確率状態(特定遊技状態)に設定する。
【0197】
サブCPU102aは、ステップS265において、メインRAM101cの演出用伝送データ格納領域に有効期間外特定領域入賞指定コマンドをセットし、当該特定領域検出信号入力処理を終了する。
【0198】
次に、図20を用いて、特図特電制御処理を説明する。ステップS301において特図特電処理データの値をロードし、ステップS302においてロードした特図特電処理データから分岐アドレスを参照し、特図特電処理データ=0であれば特別図柄記憶判定処理(ステップS310)に処理を移し、特図特電処理データ=1であれば特別図柄変動処理(ステップS320)に処理を移し、特図特電処理データ=2であれば特別図柄停止処理(ステップS330)に処理を移し、特図特電処理データ=3であれば大当たり遊技処理(ステップS340)に処理を移し、特図特電処理データ=4であれば大当たり遊技終了処理(ステップS350)に処理を移す。詳しくは、図21?図28を用いて後述する。
【0199】
次に、図21を用いて、特別図柄記憶判定処理を説明する。
ステップS310-1において、メインCPU101aは、特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する。ここで、特別図柄の変動表示中であれば、当該処理を終了し、特別図柄の変動表示中でなければ、ステップ310-2に処理を移す。
【0200】
ステップS310-2において、メインCPU101aは、第2特図保留数(U2)が1以上であるか否かを判断する。第2特図保留数(U2)が1以上でない場合には、ステップS310-4に処理を移し、第2特図保留数(U2)が1以上であると判断した場合にはステップS310-3に処理を移す。
【0201】
メインCPU101aは、ステップS310-3において、第2特別図柄保留数カウンタのカウンタ値を「1」減算して更新し、ステップS310-6において、第2特別図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行い、第1記憶部?第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。
【0202】
例えば、第2特別図柄保留記憶領域の第4記憶部に記憶されているデータは、第2特別図柄保留記憶領域の第3記憶部にシフトされる。また、第2特別図柄保留記憶領域の第1記憶部に記憶されているデータは、第1特別図柄及び第2特別図柄に共通の当該変動用記憶部(第0記憶部)にシフトされ、第0記憶部に記憶されていたデータは、消去される。これにより、前回の遊技で用いられた大当たり判定用乱数値、特別図柄判定用乱数値、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数が消去される。さらに、前回の遊技で用いた停止図柄データ及び遊技条件データも各々に対応する記憶領域から消去される。
【0203】
一方、ステップS310-4において、メインCPU101aは、第1特図保留数(U1)が1以上であるか否かを判断する。メインCPU101aは、ステップS310-4において、第1特図保留数(U1)が1以上であると判断した場合にはステップS310-5において第1特別図柄保留数カウンタのカウンタ値を「1」減算して更新し、ステップS310-6において、第1特別図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。
【0204】
例えば、第1特別図柄保留記憶領域の第4記憶部に記憶されているデータは、第1特別図柄保留記憶領域の第3記憶部にシフトされる。また、第1特別図柄保留記憶領域の第1記憶部に記憶されているデータは、当該変動用記憶部(第0記憶部)にシフトされ、第0記憶部に記憶されていたデータは、消去される。これにより、前回の遊技で用いた大当たり判定用乱数値、特別図柄判定用乱数値、リーチ判定用乱数、及び、特図変動パターン判定用乱数が消去される。さらに、前回の遊技で用いた停止図柄データ及び遊技条件データも各々に対応する記憶領域から消去される。
【0205】
なお、ステップS310-6におけるデータのシフト処理(当該保留の消化処理)にともなって、第1特図保留数(U1)又は第2特図保留数(U2)を更新するために、具体的には、そのデータに係る始動口の種類に対応する特別図柄保留表示装置23、24の表示内容を変更するために、第1、第2特別図柄保留表示データをメインRAM101cの所定領域にセットする。この保留表示データには、特別図柄保留表示装置の種類に関する情報及び特別図柄保留数(U1又はU2)に関する情報が含まれている。
【0206】
また、本実施の形態では、ステップS310-2?S310-6において第2特別図柄保留記憶領域を第1特別図柄保留記憶領域よりも優先させてシフトさせることとしたが、始動口に入賞した順序で、第1特別図柄保留記憶領域または第2特別図柄保留記憶領域をシフトさせてもよいし、第1特別図柄保留記憶領域を第2特別図柄保留記憶領域よりも優先させてシフトさせてもよい。
【0207】
ステップS310-4において、第1特別図柄保留数(U1)が1以上でないと判定された場合には、ステップS319-1?ステップS319-3の客待ち状態設定処理に処理を移す。メインCPU101aは、最初に、ステップS319-1において、デモ判定フラグ記憶領域にデモ判定フラグ「01H」がセットされているか否かを判定する。デモ判定フラグ記憶領域にデモ判定フラグ「01H」がセットされている場合には当該特別図柄記憶判定処理を終了し、デモ判定フラグ記憶領域にデモ判定フラグ「01H」がセットされていない場合にはステップS319-2に処理を移す。
【0208】
ステップS319-2において、メインCPU101aは、後述するステップS319-3でデモ指定コマンドを何度もセットすることがないように、デモ判定フラグ記憶領域にデモ判定フラグ「01H」をセットする。
【0209】
ステップS319-3において、メインCPU101aは、デモ指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、特別図柄記憶判定処理を終了する。
【0210】
ステップS311において、メインCPU101aは、上記ステップS310-6においてシフトされて新しく第0記憶部に記憶されたデータに基づいて、大当たり判定処理を実行する。
【0211】
ここで、図22を用いて、大当たり判定処理を説明する。
ステップS311-1において、メインCPU101aは、当該大当たり判定処理がいずれの始動口への入賞によるものであるかを判定する。具体的には、当該大当たり判定に係る大当たり判定用乱数(判定情報)が第1始動口6への入賞によって取得されたものであるか否かを判定する。
【0212】
メインCPU101a、ステップS311-1において第1始動口6と判断した場合、ステップS311-2において、第1特別図柄用の大当たり判定テーブルを選択する。一方、ステップS311-1において第1始動口6ではない(第2始動口7である)と判断した場合、ステップS311-3において、メインCPU101aは、第2特別図柄用の大当たり判定テーブルを選択する。
【0213】
次に、ステップS311-4において、メインCPU101aは、高確率フラグ記憶領域に高確率フラグがONされているか否かを判断する。ここで、高確率フラグ記憶領域に高確率フラグがONされているということは、現在の大当たりの当選確率が高確率であるということである。
【0214】
ステップS311-4において、高確率フラグ記憶領域に高確率フラグがONされていると判断した場合には、ステップS311-5において、メインCPU101aは、ステップS311-2又はステップS311-3で選択したテーブルの中からさらに「第1高確率用大当たり判定テーブル」又は「第2高確率用大当たり判定テーブル」を選択する。一方、高確率フラグ記憶領域に高確率フラグがONされていないと判断した場合には、ステップS311-6において、メインCPU101aは、ステップS311-2又はステップS311-3で選択したテーブルの中からさらに「第1低確率用大当たり判定テーブル」又は「第2低確率用大当たり判定テーブル」を選択する。
【0215】
ステップS311-7において、メインCPU101aは、上記ステップS310-6においてシフトされて第0記憶部にある大当たり判定用乱数値を、上記ステップS311-5またはステップS311-6で選択された「高確率用大当たり判定テーブル」または「低確率用大当たり判定テーブル」に基づいて判定し、当該大当たり判定処理を終了する。
【0216】
大当たり判定処理が終了したら、メインCPU101aは、図21に示す特別図柄記憶判定処理に戻り、ステップS312において、特別図柄判定処理を行う。特別図柄判定処理では、大当たり判定処理の結果に基づいて、特別図柄表示装置20、21において停止表示される特別図柄の態様が決定される。ここで、図23を用いて特別図柄判定処理を説明する。
【0217】
まず、メインCPU101aは、ステップS312-1において、当該大当たり判定の結果が「大当たり」であるか否かを判定する。ここで「大当たり」と判定された場合には、メインCPU101aは、ステップS312-4において、大当たり当選用の特別図柄判定テーブルを選択し、「大当たり」と判定されなかった場合には、ステップS312-2に処理を移す。
【0218】
ステップS312-2において、メインCPU101aは、リーチ判定を行う。具体的には、上記ステップS310-6でシフトされて第0記憶部にあるリーチ判定用乱数値をリーチ判定テーブルに照合する。
【0219】
ステップS312-3においてメインCPU101aは、上記ステップS312-2におけるリーチ判定の結果、「リーチ有り」と判定されたか否かを判定する。「リーチ有り」と判定された場合には、ステップS312-5に処理を移し、リーチ有りハズレ用の特別図柄判定テーブルを選択する。一方、「リーチ有り」ではない、すなわち、「リーチなし」と判定された場合には、ステップS312-6に処理を移し、リーチ無しハズレ用の特別図柄判定テーブルを選択する。
【0220】
メインCPU101aは、ステップS312-7において、始動口入賞フラグ記憶領域にONされている始動口入賞フラグに基づいて当該処理に係る始動口を確認し(第1始動口6 or 第2始動口7)、ステップS312-8において始動口の種類に基づいて、第1始動口用の特別図柄判定テーブル、又は、第2始動口用の特別図柄判定テーブルのいずれか一方を選択する。
【0221】
ステップS312-9において、メインCPU101aは、上記ステップS310-6においてシフトされて第0記憶部にある特別図柄判定用乱数値を、選択された特別図柄判定テーブルに照合する特別図柄判定を行う。そして、ステップS312-10において、ステップS312-9における特別図柄判定の結果に基づいて演出図柄指定コマンドを決定し、決定した演出図柄指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0222】
次いで、メインCPU101aは、ステップS312-11において、ステップS312-9における特別図柄判定の結果に基づいて特別図柄に係る停止図柄データ(以下、「特図停止図柄データ」という)、すなわち、特別図柄の種類を決定し、決定した特図停止図柄データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
【0223】
決定された特図停止図柄データは、後述するように図24の特図変動パターン決定処理において特図変動パターンを決定する際、図26の特別図柄停止処理において「大当たり特別図柄」を判断する際、図27の大当たり遊技処理において第1大入賞口8、第2大入賞口9の開閉態様を決定する際にも用いられる。
【0224】
ステップS312-12において、メインCPU101aは、参照データ判定テーブルに特図停止図柄データを照合して参照データをセットし、当該特別図柄判定処理を終了する。具体的には、メインCPU101aは、高確率フラグ記憶領域を確認して、現在の大当たりの当選確率の状態に応じた参照データ判定テーブルを選択する。次いで、選択された参照データ判定テーブルに特図停止図柄データを照合して参照データを決定し、メインRAM101cの参照データ記憶領域にセットする。
【0225】
上記のようにして特別図柄判定処理が終了したら、メインCPU101aは、図21に示す特別図柄記憶判定処理に戻り、ステップS313において、特図変動パターン決定処理を行う。特図変動パターン決定処理では、大当たり判定の結果、特別図柄判定の結果及びリーチ判定の結果に基づいて、当該(これから行う)特別図柄の変動表示に要する時間(以下、特図変動時間という)等に関する情報が含まれる特図変動パターンを決定する。
【0226】
次に、図24を用いて、特図変動パターン決定処理を説明する。
ステップS313-1において、メインCPU101aは、後述する高確率フラグのON/OFFと、時短フラグのON/OFFを参照して、現在の遊技状態(高確率状態/低確率状態、且つ、時短状態/非時短状態)を確認して、遊技状態に対応付けられた特図変動パターン判定テーブルを選択する。
【0227】
メインCPU101aは、ステップS313-2において、メインRAM101cに記憶されている特図停止図柄データを確認し、特図停止図柄データに基づいて特図変動パターン判定テーブルを決定する。これは、本実施の形態では、遊技状態によって分けられた特図変動パターン判定テーブルは、さらに特図停止図柄データによって分けられているからである。
【0228】
なお、特図停止図柄データが「19」又は「29」の場合、すなわち、特別図柄抽選の結果がリーチ無しハズレである場合は、さらに当該特図変動パターン決定処理に係る特図保留数(U1orU2)にも基づいて特図変動パターン判定テーブルを決定する。これは、本実施の形態では、リーチ無しハズレに係る特図変動パターン判定テーブルが特図保留数によっても分けられているからである。
【0229】
特図変動パターン判定テーブルが決定されれば、メインCPU101aは、ステップS313-3において、特図変動パターン判定を行う。具体的には、決定した特図変動パターン判定テーブルに特図変動パターン判定用乱数を照合し、特図変動パターンを決定する。
【0230】
メインCPU101aは、特図変動パターンを決定すると、図21に示す特別図柄記憶判定処理に戻り、ステップS310-7において、特図変動パターンに対応する特図変動パターン指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットする。特図変動パターン指定コマンドは演出制御基板102に送信され、演出制御基板102はこのコマンドを受信することによって、特別図柄の変動表示が開始することを認識し、最終的には特図変動パターン指定コマンドに基づいて変動演出の内容に関連付けられた変動演出パターンを決定する。
【0231】
メインCPU101aは、ステップS310-8において、当該特別図柄の変動表示開始時における遊技条件の状態を確認し、その状態が反映された遊技状態指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0232】
そして、メインCPU101aは、ステップS310-9において、当該特図変動パターンに対応付けられた特図変動時間(図10、図11参照)を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは上記ステップS110において4ms毎に減算処理されていく。
【0233】
メインCPU101aは、ステップS310-10において、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21で特別図柄の変動表示を行うために特別図柄変動表示用データをセットする。特別図柄変動表示用データには、作動させる特別図柄表示装置の種類、変動表示の態様、変動時間等の情報が含まれる。
【0234】
メインCPU101aは、ステップS310-11において、デモ判定フラグ記憶領域にフラグ「00H」をセットする、すなわち、デモ判定フラグ記憶領域をクリアし、ステップS310-12において、特図特電処理データ=1をセットし、当該特別図柄記憶判定処理を終了する。
【0235】
次に、図25を用いて、特別図柄変動処理を説明する。
ステップS320-1において、メインCPU101aは、ステップS310-9においてセットされた特図変動時間が経過したか否か(特別遊技タイマカウンタ=0か?)、すなわち、特別図柄の変動表示が終了するか否かを判定する。その結果、セットされた時間が経過していないと判定した場合には、特別図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
【0236】
メインCPU101aは、セットされた特図変動時間が経過したと判定した場合には、ステップS320-2において、演出制御基板102に特別図柄の変動表示が終了することを伝えるために演出図柄停止指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0237】
ステップS320-3において、メインCPU101aは、特別図柄表示装置20、21に特別図柄を停止表示するために、上記ステップS312-13でセットされた特図停止図柄データに基づいて特図停止表示用データをセットする。これにより、遊技者に当該特別図柄抽選の結果が報知される。ステップS320-4において、メインCPU101aは、特別図柄の停止表示に要する時間(以下、「特図停止時間」という。例えば、0.8秒)を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、ステップS110において、4ms毎に減算処理されていく。
【0238】
そして、メインCPU101aは、ステップS320-5において、特図特電処理データに2をセットし、ステップS320-6において第1始動口入賞フラグ又は第2始動口入賞フラグをOFFし、当該特別図柄変動処理を終了する。
【0239】
次に、図26をいて、特別図柄停止処理を説明する。
ステップS330-1において、メインCPU101aは、ステップS320-4で特別遊技タイマカウンタにセットされた特図停止時間が経過したか否か(特別遊技タイマカウンタ=0?)、すなわち、特別図柄の停止表示が終了するか否かを判定する。その結果、特図停止時間が経過していないと判定した場合には、当該特別図柄停止処理を終了し、特図停止時間が経過したと判定した場合には、ステップS330-2に処理を移す。
【0240】
ステップS330-2において、メインCPU101aは、時短フラグ記憶領域に時短フラグがONされているか否かを判断する。時短フラグ記憶領域に時短フラグがONされているということは、現在、時短状態であることを意味する。時短フラグ記憶領域に時短フラグがONされている場合には、ステップS330-3に処理を移し、時短フラグ記憶領域に時短フラグがOFFされている場合には、ステップS330-6に処理を移す。
【0241】
ステップS330-3において、メインCPU101aは、時短状態による特別図柄の変動表示の残り回数(J:以下「時短状態残り回数」という)を示す時短状態の残り回数カウンタのカウンタ値から「1」を減算した演算値(J-1)を、時短状態残り回数(J)として記憶する。
【0242】
ステップS330-4において、メインCPU101aは、時短状態残り回数(J)=0か否かを判定する。時短状態残り回数(J)=0であれば、ステップS330-5に処理を移し、時短状態残り回数(J)=0でなければ、ステップS330-6に処理を移す。
【0243】
ステップS330-5において、メインCPU101aは、時短フラグ記憶領域に記憶されている時短フラグをOFFする。なお、上記時短状態残り回数(J)が「0」になるということは、時短状態において特別図柄の変動表示が実行可能回数(Ja)行われ、「時短」状態による特別図柄の変動表示が終了することを意味する。
【0244】
ステップS330-6において、メインCPU101aは、高確率フラグ記憶領域に高確率フラグがONされているか否かを判断する。高確率フラグ記憶領域に高確率フラグがONされているということは、現在、高確率状態であることを意味する。高確率フラグ記憶領域に高確率フラグがONされている場合には、ステップS330-7に処理を移し、高確率フラグ記憶領域に高確率フラグがOFFされている場合には、ステップS330-10に処理を移す。
【0245】
ステップS330-7において、メインCPU101aは、高確率状態による特別図柄の変動表示の残り回数(X:以下、「高確率状態残り回数」という)を示す高確率状態残り回数カウンタのカウンタ値から「1」を減算した演算値(X-1)を、新たな高確率状態残り回数(X)として記憶する。
【0246】
ステップS330-8において、メインCPU101aは、高確率状態残り回数(X)=0か否かを判定する。高確率状態残り回数(X)=0であれば、ステップS330-9に処理を移し、高確率状態残り回数(X)=0でなければ、ステップS330-10に処理を移す。
【0247】
ステップS330-9において、メインCPU101aは、高確率フラグ記憶領域に記憶されている高確率フラグをOFFする。なお、上記高確率状態残り回数(X)が「0」になるということは、高確率状態において特別図柄の変動表示が実行可能回数(Xa)行われ、「高確率」状態による特別図柄の変動表示が終了することを意味する。
【0248】
ステップS330-10において、メインCPU101aは、現在の遊技条件の状態を確認し、該遊技状態を示す遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0249】
ステップS330-11において、メインCPU101aは、当該特別図柄停止処理に係る大当たり判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを判定する。具体的には特図停止図柄データ記憶領域に記憶されている特図停止図柄データが大当たり特別図柄(停止図柄データ=10?15、20?25)に係るものであるか否かを判定する。ここで、大当たり特別図柄と判定された場合には、ステップS330-13に処理を移し、大当たり特別図柄と判定されなかった場合には、ステップS330-12に処理を移す。
【0250】
ステップS330-12において、メインCPU101aは、特図特電処理データに0をセットし、図21に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
【0251】
メインCPU101aは、ステップS330-13において、特図特電処理データに3をセットし、ステップS330-14において、遊技条件フラグ記憶領域(時短フラグ記憶領域及び高確率フラグ記憶領域)、高確率状態の残り変動回数カウンタ、及び、時短状態の残り変動回数カウンタをリセットする。
【0252】
メインCPU101aは、ステップS330-15において、特図停止図柄データに応じたオープニング指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。次いで、メインCPU101a、特図停止図柄データに応じたオープニング時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
また、メインCPU101aは、オープニングを開始させる際に、メインRAM101cの大当たり遊技フラグ記憶領域において大当たり遊技フラグをONにセットする。なお、メインCPU101aは、大当たり遊技の終了時にこの大当たり遊技フラグをONにセットする。
【0253】
次に、図27を用いて、大当たり遊技処理を説明する。
ステップS340-1において、メインCPU101aは、現在オープニング中であるか否かを判定する。ここでいう「オープニング」とは、大当たり遊技が開始されてから第1ラウンド遊技(第1大入賞口8、第2大入賞口9の最初の開放)が開始するまでの期間のことをいう。
現在オープニング中であると判定した場合には、ステップS340-2に処理を移し、現在オープニング中でないと判定した場合には、S340-7に処理を移す。
【0254】
なお、メインCPU101aは、オープニングの開始時に、右打ち表示装置26の点灯を開始させる。以後、右打ち表示装置26は、大当たり遊技が終了して時短状態が終了するまで継続して点灯する。
【0255】
ステップS340-2において、メインCPU101aは、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判定する。すなわち、メインCPU101aは、特別遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判定し、特別遊技タイマカウンタ=0であると、オープニング時間を経過したと判定する。その結果、メインCPU101aは、設定されたオープニング時間を経過していない場合には、当該大当たり遊技処理を終了し、次のサブルーチンを実行し、オープニング時間を経過している場合にはステップS340-3に処理を移す。
【0256】
ステップS340-3において、メインCPU101aは、大当たり遊技開始処理を行う。具体的に、メインCPU101aは、特図停止図柄データに応じて、いずれの大当たりであるかを確認し、大当たりの種類に応じた大入賞口開閉制御テーブル(図8)を選択すると共に、メインRAM101cの所定領域にセットする。すなわち、メインCPU101aは、特図停止図柄データに応じて、16R(1)大当たり遊技用大入賞口開閉制御テーブル、16R(2)大当たり遊技用大入賞口開閉制御テーブル、又は、16R(3)大当たり遊技用大入賞口開閉制御テーブルをメインRAM101cの所定領域にセットする。
そして、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数記憶領域に記憶されている値(ラウンド番号(R))に「1」を加算して記憶する。なお、ステップS340-3の時点ではラウンド遊技が1回も実行されていないので、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数記憶領域には「1」を記憶することとなる。
なお、このラウンド遊技回数記憶領域に記憶されている値(ラウンド番号(R))は現在のラウンド数を示すものであり、遊技機Yを電断する場合においても、そのラウンド番号(R)はバックアップされる。
【0257】
ステップS340-4において、メインCPU101aは、大入賞口開放処理を行う。具体的に、メインCPU101aは、特電作動番号記憶領域に記憶されている値(特電作動番号(K))に「1」を加算して記憶する。
そして、メインCPU101aは、第1大入賞口開閉ソレノイド80Bを通電して第1大入賞口8を開放するために、又は、第2大入賞口開閉ソレノイド90Bを通電して第2大入賞口9を開放するために、大入賞口開閉ソレノイド通電開始データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
ここで、メインCPU101aは、ステップ340-3において決定された大入賞口開閉制御テーブルを参照して、ラウンド番号(R)及び特電作動番号(K)に基づいて、第1大入賞口8、第2大入賞口9の開放時間(第1大入賞口制御装置80、第2大入賞口制御装置90の作動時間)を特別遊技タイマカウンタにセットする。なお、特別遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
メインCPU101aは、第1大入賞口8または第2大入賞口9を開放したときに、メインRAM101cの大入賞口開放フラグ記憶領域において、大入賞口開放フラグをON(=1)する。なお、この大入賞口開放フラグ(ON)の情報は、遊技機Yを電断する場合においても、バックアップされる。
【0258】
ステップS340-5において、メインCPU101aは、大入賞口開放指定コマンド送信処理を行う。すなわち、メインCPU101aは、当選した大当たりの種別に応じた大入賞口開放制御テーブル(図8(a)?(c)の何れか)に基づいて、その大当たり遊技の大当たりラウンドにおいて第1大入賞口8または第2大入賞口9を開放させる際に大入賞口開放指定コマンドを演出制御基板102に送信する。
具体的には、メインCPU101aは、第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口開閉扉17bを開放させるときに、その開放回数に応じた大入賞口開放指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットする。その後、すぐさま演出用伝送データ格納領域にセットされている大入賞口開放指定コマンドは、演出制御基板102に送信されることになる。
例えば、16R(1)大当たり遊技(図8(a))の第1ラウンド(大入賞口の1回目の開放)では、第1大入賞口8を開放させる。この際、メインCPU101aは、「16R(1)大当たり開放1回目用第1大入賞口開放指定コマンド」(図36参照)を演出制御基板102に送信する。
また、この16R(1)大当たり遊技の第8ラウンド(大入賞口の8回目の開放)及び第12ラウンド(大入賞口の12回目の開放)では、第2大入賞口9を開放させる。この際、メインCPU101aは、それぞれ「16R(1)大当たり開放8回目用第2大入賞口開放指定コマンド」、「16R(1)大当たり開放12回目用第2大入賞口開放指定コマンド」(図36参照)を演出制御基板102に送信する。
【0259】
なお、演出制御基板102におけるサブCPU102aは、大入賞口開放指定コマンドを受信する毎にその受信回数をカウンタ(図示せず)においてカウントする。サブCPU102は、そのカウント値によって大入賞口(第1大入賞口8または第2大入賞口9)の開放が何回目であるかを把握する。
【0260】
ステップS340-6において、メインCPU101aは、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。具体的に、メインCPU101aは、特電作動番号(K)の値が、K=1(図8参照)であるか否かを判定し、K=1であった場合には、ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。これは、ラウンド遊技が開始する旨の情報を演出制御基板102に送信するためである。例えば、16R(1)大当たり遊技の1回目のラウンド遊技の1回目の開放時においては、ラウンド遊技回数記憶領域に「1」がセットされ、特電作動番号記憶領域に「1」がセットされているので、第1ラウンド遊技を示すラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。一方、特電作動番号記憶領域に「1」がセットされていない場合には、ラウンド指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットせずに、当該大当たり遊技処理を終了する。
すなわち、K=1である場合というのはラウンド遊技の開始を意味するので、メインCPU101aは、ラウンドの開始時にのみ、ラウンド指定コマンドを送信する。なお、演出制御基板102がラウンド指定コマンドを受信すると、例えば「ROUND1」といった具合に演出用の表示が画像表示装置14にて行われる。
【0261】
ステップS340-7において、メインCPU101aは、現在エンディング中であるか否かを判定する。ここでいう「エンディング」とは、予め設定されたラウンド遊技を全て終了した後(第1大入賞口8、第2大入賞口9の最後の開放が終了して)から当該大当たり遊技が終了するまでの期間のことをいう。したがって、現在エンディング中であると判断した場合には、ステップS340-23に処理を移し、エンディング時間を経過したか否かが判断され、現在エンディング中でないと判断した場合には、ステップS340-8に処理を移す。
【0262】
ステップS340-8において、メインCPU101aは、第1大入賞口8、第2大入賞口9が開放中であるか否か、すなわち、第1大入賞口制御装置80、第2大入賞口制御装置90が作動中であるか否かを判断する。メインCPU101aは、第1大入賞口8、第2大入賞口9が開放中であると判断した場合には、ステップS340-9に処理を進め、第1大入賞口8、第2大入賞口9が開放中でないと判断した場合には、ステップS340-17に処理を進める。
【0263】
ステップS340-9において、メインCPU101aは、特定領域有効期間の開始条件が成立したか否かを判断する。すなわち、メインCPU101aは、大当たりの種類に応じた大入賞口開閉制御テーブル(図8)に基づいて、第2大入賞口9が開放するラウンドの開始から規定時間(例えば3秒)が経過したか否かを判断する。メインCPU101aは、特定領域有効期間の開始条件が成立した、すなわち、第2大入賞口9が開放するラウンドの開始から規定時間(例えば3秒)が経過したと判断した場合には、ステップS340-10に処理を進め、特定領域有効期間の開始条件が成立していない、すなわち、第2大入賞口9が開放するラウンドの開始から規定時間(例えば3秒)が経過していないと判断した場合には、ステップS340-13に処理を進める。
【0264】
ステップS340-10において、メインCPU101aは、特定領域有効期間を開始する処理を行う。具体的に、メインCPU101aはこの特定領域有効期間においては、それまで特定領域12上にあるスライド部材120Aを後方向にスライドさせて特定領域12を開放させる。また、メインCPU101aは、この特定領域有効期間を開始したときに、メインRAM101cの所定領域において現在特定領域有効期間中である旨の特定領域有効期間設定フラグをONにセットする。なお、メインCPU102aは、この特定領域有効期間の開始時に、特定領域12が有効化された旨を示す特定領域有効化信号を遊技情報出力端子板108からホールコンピュータに出力するようにしてもよい。
【0265】
ステップS340-11において、メインCPU101aは、特定有効期間が経過したか否か、すなわち、特定領域有効期間の開始から予め定められた時間(例えば6秒)が経過したか否かを判断し、この特定領域有効期間が経過したと判断した場合にはステップS340-12に処理を進め、特定領域有効期間が経過していないと判断した場合にはステップS340-13に処理を進める。
【0266】
ステップS340-12において、メインCPU101aは、特定領域有効期間を終了する処理を行う。具体的に、メインCPU101aはこの特定領域有効期間において開放されていた特定領域12を、スライド部材120Aを前方向にスライドさせて閉鎖状態とする。また、メインCPU101aは、この特定領域有効期間を終了したときに、メインRAM101cの所定領域において現在特定領域有効期間でない旨を示すために特定領域有効期間設定フラグをOFFにセットする。
【0267】
ステップS340-13において、メインCPU101aは、第1大入賞口8、第2大入賞口9の開放を終了させるための「開放終了条件」が成立したか否かを判断する。この「開放終了条件」としては、ラウンド入賞カウンタのカウンタ値がラウンド遊技における規定個数(例えば9個)に達したこと、又は、最大開放時間が経過したこと(特別遊技タイマカウンタ=0となったこと)が採用されている。そして、「開放終了条件」が成立したと判定した場合にはステップS340-14に処理を移し、「開放終了条件」が成立しないと判定した場合には当該大当たり遊技処理を終了する。
【0268】
ステップS340-14において、メインCPU101aは、大入賞口閉鎖処理を行う。大入賞口閉鎖処理は、第1大入賞口8を閉鎖するために第1大入賞口開閉ソレノイド80Bの通電停止データを、又は、第2大入賞口9を閉鎖するために第2大入賞口開閉ソレノイド90Bの通電停止データをサブRAM102cの所定領域にセットするとともに、上記ステップ340-3において決定された大入賞口開閉制御テーブルを参照して、現在のラウンド番号(R)および特電作動番号(K)に基づいて、第1大入賞口8、第2大入賞口9の閉鎖時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。これにより、第1大入賞口8、第2大入賞口9が閉鎖することになる。
【0269】
ステップS340-15において、メインCPU101aは、大入賞口閉鎖指定コマンド送信処理を行う。すなわち、メインCPU101aは、当選した大当たりの種別に応じた大入賞口開放制御テーブル(図8(a)?(c)の何れか)に基づいて、その大当たり遊技の大当たりラウンドにおいて第1大入賞口8または第2大入賞口9を閉鎖させる際に大入賞口閉鎖指定コマンドを演出制御基板102に送信する。
具体的には、メインCPU101aは、第1大入賞口開閉扉16bまたは第2大入賞口開閉扉17bを閉鎖させるときに、その閉鎖回数に応じた大入賞口閉鎖指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットする。その後、すぐさま演出用伝送データ格納領域にセットされている大入賞口閉鎖指定コマンドは、演出制御基板102に送信されることになる。
例えば、16R(1)大当たり遊技(図8(a))の第1ラウンド(大入賞口の1回目の閉鎖)では、第1大入賞口8を閉鎖させる。この際、メインCPU101aは、「16R(1)大当たり閉鎖1回目用第1大入賞口閉鎖指定コマンド」(図36参照)を演出制御基板102に送信する。
また、この16R(1)大当たり遊技の第7ラウンド(大入賞口の7回目の開放)及び第11ラウンド(大入賞口の11回目の閉鎖)では、第1大入賞口8を閉鎖させる。この際、メインCPU101aは、それぞれ「16R(1)大当たり閉鎖7回目用第1大入賞口閉鎖指定コマンド」、「16R(1)大当たり閉鎖11回目用第1大入賞口閉鎖指定コマンド」(図36参照)を演出制御基板102に送信する。
【0270】
なお、演出制御基板102におけるサブCPU102aは、大入賞口閉鎖指定コマンドを受信する毎にその受信回数をカウンタ(図示せず)においてカウントする。サブCPU102は、そのカウント値によって大入賞口(第1大入賞口8または第2大入賞口9)の閉鎖が何回目であるかを把握する。
【0271】
ステップS340-16において、メインCPU101aは、1回のラウンド遊技が終了したか否かを判断する。具体的には、1回のラウンド遊技は、特電作動番号(K)が当該ラウンド遊技において設定された開放回数となること、又は、ラウンド入賞カウンタのカウンタ値(C)が規定個数(例えば9個)に達したことを条件に終了するので、かかる条件が成立したか否かを判断する。そして、1回のラウンド遊技が終了したと判断した場合にはステップS340-18に処理を移し、1回のラウンドが終了していないと判断した場合には、当該大当たり遊技処理を終了する。
【0272】
ステップS340-8において、メインCPU101aは、第1大入賞口8、第2大入賞口9が開放中ではないと判定した場合には、ステップS340-17において、予め設定された閉鎖時間が経過したか否かを判断する。その結果、閉鎖時間が経過していない場合には、当該大当たり遊技処理を終了し、閉鎖時間が経過している場合にはステップS340-4に処理を移す。
【0273】
ステップS340-18において、メインCPU101aは、リセット処理を行う。具体的に、メインCPU101aは、特電作動番号記憶領域をクリアすると共に、ラウンド入賞カウンタのカウンタ値をクリアする。
【0274】
ステップS340-19において、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数記憶領域に記憶された値(ラウンド番号(R))が当該大当たり遊技で実行されるラウンド遊技回数であるか否かを判断する。メインCPU101aは「YES」と判断する場合には、ステップS340-21に処理を移し、「NO」と判断する場合には、ステップS340-20に処理を移す。
【0275】
ステップS340-20において、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数記憶領域に記憶されている現在のラウンド番号(R)に「1」を加算して記憶する。
【0276】
ステップS340-21において、メインCPU101aは、大当たり遊技終了処理を行う。具体的に、メインCPU101aは、ラウンド遊技回数記憶領域に記憶されたラウンド番号(R)をリセットする。
【0277】
ステップS340-22において、メインCPU101aは、エンディング処理を行う。具体的に、メインCPU101aは、特図停止図柄データに応じて、大当たりの種類を確認し、演出制御基板102に送信する大当たりの種類に対応付けられたエンディング指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。次に、メインCPU101aは、大当たりの種類に応じたエンディング時間を特別遊技タイマカウンタにセットする。
【0278】
ステップS340-23において、メインCPU101aは、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判断し、エンディング時間を経過したと判定した場合にはステップS340-24に処理を移し、エンディング時間を経過していないと判断した場合には、そのまま当該大当たり遊技処理を終了する。
【0279】
ステップS340-24において、メインCPU101aは、特図特電処理データに4をセットし、図28に示す大当たり遊技終了処理に処理を移す。
【0280】
図28用いて、大当たり遊技終了処理を説明する。ステップS350-1において、メインCPU101aは、遊技条件データをロードする。
【0281】
ステップS350-2において、メインCPU101aは、メインRAM101cの高確率状態指定フラグ記憶領域に高確率状態指定フラグがONにされているか否かの判定を行う。メインCPU101aは、高確率状態指定フラグがONにされていないと判定すると、ステップS350-5に処理を移し、高確率状態指定フラグがONにされていると判定すると、ステップS350-3において、メインRAM101cの高確率フラグ記憶領域において高確率フラグ(例えば、「01H」)をONにすると共に、高確率状態残り回数カウンタに実行可能回数(Xa)(本実施の形態では、120回)をセットし、ステップS350-4において、高確率状態指定フラグをOFFにする。
【0282】
ステップS350-5において、メインCPU101aは、メインRAM101cの時短フラグ記憶領域に時短フラグ(01H)をONにすると共に、時短状態残り回数カウンタに実行可能回数(Ja)をセットする。このステップS350-5において、メインCPU101aは、ステップS350-2でYESであれば、時短状態残り回数カウンタに実行可能回数(Ja)として120回をセットし、ステップS350-2でNOであれば、時短状態残り回数カウンタに実行可能回数(Ja)として100回をセットする。
なお、実行可能回数(Ja)は、これらの回数に限定されない。
【0283】
本実施の形態では、この時短状態が終了したときに、メインCPU101aは、上述のオープニング処理(S330-15)によるオープニング開始時からの右打ち表示装置26の点灯を終了させる。
【0284】
ステップS350-6において、メインCPU101aは、現在の遊技条件の状態を確認し、現在の遊技条件の状態を示す遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、ステップS350-7において、特図特電処理データに0をセットし、図21に示す特別図柄記憶判定処理に処理を移す。
【0285】
次に、図29を用いて、普図普電制御処理を説明する。
ステップS401において、メインCPU101aは、普図普電処理データの値をロードし、ステップS402においてロードした普図普電処理データから分岐アドレスを参照し、普図普電処理データ=0であれば、入賞ゲート10への入賞に基づいて取得された判定情報に基づいて第2始動口7が開放するか否かの普通図柄判定等を含む普通図柄記憶判定処理(ステップS410)に処理を移し、普図普電処理データ=1であれば、普通図柄判定に基づいて普通図柄表示装置22が変動しているときの普通図柄変動処理(ステップS420)に処理を移し、普図普電処理データ=2であれば、普通図柄表示装置22が停止しているときの普通図柄停止処理(ステップS430)に処理を移し、普図普電処理データ=3であれば第2始動口7の開閉制御を行う(第2始動口制御装置70を作動させる)補助遊技処理(ステップS440)に処理を移す。
【0286】
図30を用いて、普通図柄記憶判定処理を説明する。
ステップS410-1において、メインCPU101aは、普通図柄の変動表示中であるか否かを判定し、変動表示中であると判定すれば当該普通図柄記憶判定処理を終了し、変動表示中ではないと判定すればステップS410-2に処理を移す。
【0287】
ステップS410-2において、メインCPU101aは、普通図柄保留数カウンタのカウンタ値(普通図柄の保留数(G)、以下「普図保留数(G)」という)が1以上であるかを判定する。普図保留数(G)が「0」の場合には普通図柄の変動表示は行われないため、普通図柄変動処理を終了する。
【0288】
ステップS410-2において、メインCPU101aは、普図保留数(G)が「1」以上であると判定した場合には、ステップS410-3において、普通図柄保留数カウンタのカウンタ値(G)から「1」を減算して更新し、新たな普図保留数(G)を設定する。
【0289】
ステップS410-4において、メインCPU101aは、普通図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。具体的には、メインCPU101aは、第0記憶部?第4記憶部に記憶された各データを1つ前の番号の記憶部にシフトさせる。このとき、1つ前の記憶部に記憶されているデータは、所定の処理領域に書き込まれるとともに、普通図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。ここで、データのシフト(当該保留の消化)にともなって普通図柄保留表示装置25の表示内容を変更するために、具体的には現時点の普図保留数(G)を表示するために普通図柄保留表示データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
【0290】
ステップS410-5において、メインCPU101aは、当たり判定、すなわち、普通図柄保留記憶領域に記憶された当たり判定用乱数の判定を行う。具体的には、メインCPU101aは、上記ステップS410-4でシフトされて第0記憶部にある当たり判定用乱数をメインROM101bに格納された普通図柄用の当たり判定テーブルに照合して当たりか否かの判定を行う。
なお、本実施の形態では、当たり判定テーブルは、始動口入賞容易性の状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられているので(図12(a)参照)、時短フラグ記憶領域を確認して、現在の始動口入賞容易性の状態に係る普通図柄用の当たり判定テーブルを選択する。
【0291】
ステップS410-6において、メインCPU101aは、普通図柄判定処理を行う。具体的に、メインCPU101aは、上記ステップS410-4でシフトされて第0記憶部にある普通図柄判定用乱数をメインROM101bに格納された普通図柄判定テーブルに照合して普通図柄の判定を行う。上述したようにこの普通図柄判定テーブルは、当たり判定の結果(当たり/ハズレ)に対応付けられているので、当該当たり判定の結果を確認して、当該当たり判定の結果に係る普通図柄判定テーブルを選択する。
【0292】
そして、ステップS410-7において、メインCPU101aは、普通図柄判定の結果に基づいて普通演出図柄指定コマンドを決定し、決定した普通演出図柄指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。ステップS410-8において、メインCPU101aは、普通図柄判定の結果に基づいて普通図柄に係る停止図柄データ(以下、「普図停止図柄データ」という)、すなわち、普通図柄の種類を決定し、決定した普図停止図柄データをメインRAM101cの所定領域にセットする。
【0293】
決定された普図停止図柄データは普図変動パターン決定処理において普図変動パターンを決定する際、図32の普通図柄停止処理において、当たり普通図柄か否かを判断する際、図33の補助遊技処理において第2始動口7の開閉態様を決定する際にも用いられる。
【0294】
ここでいう当たり普通図柄とは、上記普通図柄表示装置22を構成する左端のLEDによる一定時間の点灯により表現される図柄のことであり、ハズレ普通図柄とは右端のLEDによる一定時間の点灯により表現される図柄のことである。
【0295】
ステップS410-9において、メインCPU101aは、普図変動パターン判定処理を行う。具体的には、普図変動パターン判定テーブルは、始動口入賞容易性の状態によって分類されているので、メインCPU101aは、まず、時短フラグ記憶領域を確認して、現在の始動口入賞容易性の状態に係る普図変動パターン判定テーブルを選択する。そして、メインCPU101aは、上記ステップS410-4でシフトされて第0記憶部にある普図変動パターン判定用乱数を、選択された普図変動パターン判定テーブルに照合して普図変動パターン(普図変動時間)を決定する。
【0296】
ステップS410-10おいて、メインCPU101aは、普図変動パターン判定処理において決定された普図変動時間を補助遊技タイマカウンタにセットする。このステップの処理によって、普通図柄の変動表示の時間が決定されることとなる。なお、補助遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。
【0297】
ステップS410-11において、メインCPU101aは、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示を行うために普通図柄変動表示用データをセットし、ステップS410-12において普図停止図柄データを補助遊技参照データ判定テーブルに照合して補助遊技参照データを決定し、メインRAM101cの補助遊技参照データ記憶領域にセットする。
【0298】
ステップS410-13において、メインCPU101aは、普図普電処理データに「1」をセットし、当該普通図柄変動処理を終了する。なお、普通図柄変動表示用データには、作動させる普通図柄表示装置22の種類、変動表示の態様、変動時間等の情報が含まれる。
【0299】
次に、図31を用いて、普通図柄変動処理を説明する。
ステップS420-1において、メインCPU101aは、ステップS410-10でセットされた普図変動時間が経過したか否か(補助遊技タイマカウンタ=0か?))、すなわち、普通図柄の変動表示が終了するか否かを判定する。その結果、セットされた時間を経過していないと判断した場合には、普通図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
【0300】
ステップS420-2において、メインCPU101aは、普図変動終了コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、ステップS420-3において、上記ステップS410-8でセットされた普図停止図柄データに基づき普通図柄表示装置22に停止表示するための普図停止表示用データをセットする。これにより、遊技者に当該普通図柄の抽選の結果が報知されることになる。ステップS420-4において、メインCPU101aは、普通遊技カウンタに普通図柄停止時間(例えば、0.8秒)をセットする。なお、補助遊技タイマカウンタは、ステップS110において、4ms毎に減算処理されていく。
【0301】
そして、メインCPU101aは、ステップS420-5において、普図普電処理データに2をセットし、当該普通図柄変動処理を終了する。
【0302】
次に、図32を用いて普通図柄停止処理を説明する。
ステップS430-1において、メインCPU101aは、ステップS420-4で補助遊技タイマカウンタにセットされた普通図柄停止時間が経過したか否か(補助遊技タイマカウンタ=0?)、すなわち、普通図柄の停止表示が終了するか否かを判定する。その結果、普図停止時間が経過していないと判定した場合には、当該普通図柄停止処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
【0303】
メインCPU101aは、ステップS420-3でセットされた時間が経過したと判定した場合には、ステップS430-2において、当該普通図柄停止処理に係る当たり判定の判果が「当たり」であるか否かを判定する。具体的には、普図停止図柄データ記憶領域に記憶されている普図停止図柄データが当たり普通別図柄に係るものであるか否かを判定する。ここで、当たり普通図柄と判定された場合には、ステップS430-4に処理を移し、当たり普通図柄と判定されなかった場合には、ステップS430-3に処理を移す。
【0304】
ステップS430-4において、メインCPU101aは、普図普電処理データに3をセットする。そして、メインCPU101aは、ステップS430-5において、普図停止図柄データに応じたオープニング指定コマンドをメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットし、補助遊技制御テーブルに基づいて普図停止図柄に応じたオープニング時間を補助遊技タイマカウンタにセットする。なお、補助遊技タイマカウンタは、上記ステップS110において、4ms毎に減算処理される。本処理が終了されることで、普通図柄停止処理を終了する。
【0305】
ステップS430-3において、メインCPU101aは、普図普電処理データに0をセットし、当該普通図柄停止処理を終了する。
【0306】
図33を用いて、補助遊技処理を説明する。
ステップS440-1において、メインCPU101aは、現在オープニング中であるか否かを判断する。現在オープニング中であると判断した場合には、ステップS440-2に処理を移し、現在オープニング中でないと判断した場合には、ステップS440-5に処理を移す。
【0307】
ステップS440-2において、メインCPU101aは、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判定する。すなわち、メインCPU101aは、補助遊技タイマカウンタ=0であるか否かを判定し、補助遊技タイマカウンタ=0となったら、オープニング時間を経過したと判定する。その結果、オープニング時間を経過していない場合には、当該補助遊技処理を終了し、オープニング時間を経過している場合にはステップS440-3に処理を移す。
【0308】
ステップS440-3において、メインCPU101aは、補助遊技開始処理を行う。補助遊技開始処理では、メインCPU101aは、まず、メインRAM101cの補助遊技参照データ記憶領域に記憶されている補助遊技参照データに基づいて第2始動口開閉制御テーブルを選択し、メインRAM101cの所定領域にセットする。
【0309】
ステップS440-4において、メインCPU101aは、第2始動口開放処理を行う。第2始動口開放処理では、まず普電作動番号記憶領域に記憶されている値(普電作動番号(D))に「1」を加算して記憶する。そして、普通可動片70Aを作動させるために第2始動口開閉ソレノイド70Bの通電開始データをセットするとともに、上記ステップS440-3でセットされた第2始動口開閉制御テーブルを参照して、現在の普電作動番号(D)に基づいた第2始動口7の開放時間を補助遊技タイマカウンタにセットする。
【0310】
ステップS440-5において、メインCPU101aは、現在エンディング中であるか否かを判定する。ここでいうエンディングとは、第2始動口7の最後の開放が終了してから補助遊技が終了するまでの期間のこという。したがって、メインCPU101aは、現在エンディング中であると判定した場合には、ステップS440-12に処理を移し、現在エンディング中でないと判定した場合には、ステップS440-6に処理が移す。
【0311】
ステップS440-6において、メインCPU101aは、第2始動口7が開放中であるか否かを判定する。メインCPU101aは、第2始動口7が開放中であると判定した場合には、ステップS440-7において、第2始動口7の開放を終了させるための「開放終了条件」が成立したか否かを判定する。この「開放終了条件」として、始動口規定入賞カウンタのカウンタ値が規定(最大)個数(例えば10個)に達したこと、又は、第2始動口7の1回の開放時間が経過したこと(補助遊技タイマカウンタ=0となったこと)が採用される。そして、メインCPU101aは、「開放終了条件」が成立したと判定した場合にはステップS440-8に処理を移し、「開放終了条件」が成立しないと判定した場合には当該補助遊技処理を終了する。
【0312】
ステップS440-8において、メインCPU101aは、第2始動口閉鎖処理を行う。第2始動口閉鎖処理では、第2始動口7を閉鎖するために第2始動口開閉ソレノイド70Bの通電停止データをセットするとともに、上記ステップS440-3でセットされた第2始動口開閉制御テーブルを参照して、現在の普電作動番号(D)に基づいて、第2始動口7の閉鎖時間を補助遊技タイマカウンタにセットする。これにより、第2始動口7が閉鎖することになる。
【0313】
ステップS440-9において、メインCPU101aは、補助遊技終了条件が成立したか否かを判定する。
補助遊技終了条件とは、普電作動番号(D)が予め設定された第2始動口7の開放回数になること、又は、始動口規定入賞カウンタのカウンタ値が最大個数(例えば10個)に達したことである。そして、メインCPU101aは、補助遊技終了条件が成立したと判定した場合にはステップS440-10に処理を移し、補助遊技終了条件が成立していないと判定した場合には当該補助遊技処理を終了する。
【0314】
ステップS440-10において、メインCPU101aは、普電作動番号記憶領域に「0」をセットするとともに、第2始動口入賞規定カウンタに「0」をセットする。すなわち、普電作動番号記憶領域および第2始動口規定入賞カウンタをクリアする。
【0315】
ステップS440-11において、メインCPU101aは、普図停止図柄データに応じたエンディング指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットすると共に、補助遊技制御テーブルに基づいて普図停止図柄データに応じたエンディング時間を補助遊技タイマカウンタにセットする。
【0316】
メインCPU101aは、ステップS440-6において第2始動口7が開放中ではないと判定した場合には、ステップS440-13において、ステップS440-8で設定された閉鎖時間が経過したか否かを判定する。なお、閉鎖時間も、オープニング時間と同様に補助遊技タイマカウンタ=0であるか否かで判定される。その結果、メインCPU101aは、閉鎖時間を経過していないと判定した場合には、当該補助遊技処理を終了し、閉鎖時間を経過したと判定した場合には、ステップS440-4に処理を移す。
【0317】
メインCPU101aは、ステップS440-12において、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判定し、エンディング時間を経過したと判定した場合には、ステップS440-14に処理を移し、エンディング時間を経過していないと判定した場合には、当該補助遊技処理を終了する。
【0318】
ステップS440-14において、メインCPU101aは、普図普電処理データ=0をセットし、当該補助遊技処理を終了する。
【0319】
(主制御基板の電断割込処理)
図34を用いて、主制御基板101の電断割込処理を説明する。
【0320】
電源基板170が停電を検出すると、電圧低下信号を主制御基板101に出力する。すると、メインCPU101aは、以下の電断割り込み処理を行う。
【0321】
ステップS450において、メインCPU101aは、出力ポートをクリアし、第2始動口開閉ソレノイド70B、第1大入賞口開閉ソレノイド80B、第2大入賞口開閉ソレノイド90B等のデータをオフにする。
【0322】
ステップS451において、メインCPU101aは、使用しているメインRAM101cのチェックサムを作成し、保存する。
【0323】
ステップS452において、メインCPU101aは、メインRAM101cへのアクセスを禁止に設定し、メインRAM101cの内容を保護する。その後、無限ループを行い、電源ダウンに備える。
このステップS452において、メインCPU101aは、上述したように、少なくとも、遊技状態すなわちメインCPU101aの制御状態に応じたデータ(大当たり遊技フラグ、ラウンド番号(R)、大入賞口開放フラグ、高確率状態指定フラグ、高確率フラグ(確変フラグ)、特別図柄の判定結果(大当たりまたはハズレ、大当たり種別)、時短フラグ、時短残り回数(時短回数カウンタ)、特図特電処理データ、普図普電処理データ等)、及び、未払出賞球数を示すデータが、バックアップデータとして、バックアップRAMであるメインRAM101cに保存される。
メインCPU101aは、その後の遊技機Yの起動後、これらのバックアップしたデータをロードする。これにより、電断復旧時、メインCPU101aは、電断発生時の制御状態を復旧する。
【0324】
上述の図8(a)に示す16R(1)大当たり遊技の場合、メインCPU101aは、例えば第3ラウンドにおいて、第1大入賞口8を29.5秒(s)若しくは遊技球が9個入賞するまで開放状態に制御した後に2.0秒(s)閉鎖状態に制御する。
【0325】
例えば、この16R(1)大当たり遊技の第3ラウンドで第1大入賞口8が開放状態に制御されているときに遊技機Yに電断が生じたとする。この場合、電断時の制御状態を示す情報として、大当たり種別(16R(1)大当たり)、ラウンド番号R=3、及び、大入賞口開放フラグ(ON)がメインRAM101cにおいてバックアップされる。
これにより、メインCPU101aは、電断復旧時、メインRAM101cにおいてバックアップされた大当たり種別(16R(1)大当たり)、ラウンド番号R=3、及び、大入賞口開放フラグ(ON)に基づいて、第3ラウンドの第1大入賞口8の開放状態を復旧させる。
また、例えば、この16R(1)大当たり遊技の第3ラウンドで第1大入賞口8が閉鎖状態に制御されているときに遊技機Yに電断が生じたとする。この場合、電断時の制御状態を示す情報として、大当たり種別(16R(1)大当たり)、ラウンド番号R=3、及び、大入賞口開放フラグ(OFF)がメインRAM101cにおいてバックアップされる。
これにより、メインCPU101aは、電断復旧時、メインRAM101cにおいてバックアップされた大当たり種別(16R(1)大当たり)、ラウンド番号R=3、及び、大入賞口開放フラグ(OFF)に基づいて、第3ラウンドの第1大入賞口8の閉鎖状態を復旧させる。
【0326】
また、例えば、この16R(1)大当たり遊技の第8ラウンドで第1大入賞口8に入球した遊技球が特定領域12を通過し、その後、遊技機Yに電断が生じたとする。
この場合、メインCPU101aは、メインRAM101cにおいて、高確率状態指定フラグをONに設定するが、電断が生じた際に、この高確率状態指定フラグONの情報はバックアップされる。
そのため、メインCPU101aは、このように電断が生じた場合であっても、その後に電断が復旧した際には、メインRAM101cにおいてバックアップされた高確率状態指定フラグONの情報に基づいて、大当たり遊技の終了後に、遊技状態を高確率状態(確変状態)に制御することができる。
【0327】
(コマンドの説明)
ここで、上述のフローチャートに示す動作を行う主制御基板101から演出制御基板102に送信されるコマンドの種別について、図35及び図36を用いて説明する。
【0328】
図35に示すように、主制御基板101から演出制御基板102に送信されるコマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEの情報と、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAの情報とから構成されている。
【0329】
「演出図柄指定コマンド」は、停止表示される特別図柄の種別を示すものであり、「MODE」が「E0H」で設定され、特別図柄の種別に合わせてDATAの情報が設定されている。なお、特別図柄の種別が結果的に大当たりの種別や遊技状態(高確率/低確率)を決定するものであるから、演出図柄指定コマンドは、大当たりの種別や、遊技状態を示すものともいえる。
【0330】
この演出図柄指定コマンドは、各種の特別図柄が決定され、特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドが演出制御基板102に送信される。具体的には、上記ステップS312において各種の特別図柄が決定され、上記ステップS310-10において特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドがメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている演出図柄指定コマンドが演出制御基板102に送信されることになる。
【0331】
「第1特別図柄記憶指定コマンド」は、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている保留記憶数を示すものであり、「MODE」が「E1H」で設定され、保留記憶数に合わせてDATAの情報が設定されている。
この第1特別図柄記憶指定コマンドは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている保留記憶数が切り替わるときに、保留記憶数に対応する第1特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板102に送信される。具体的には、上記ステップS230または上記ステップS311において第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている値が増減したときに、増減後の保留記憶数に対応する第1特別図柄記憶指定コマンドがメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第1特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板102に送信されることになる。
【0332】
「第2特別図柄記憶指定コマンド」は、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている保留記憶数を示すものであり、「MODE」が「E2H」で設定され、保留記憶数に合わせてDATAの情報が設定されている。
この第2特別図柄記憶指定コマンドは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている保留記憶数が切り替わるときに、保留記憶数に対応する第2特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板102に送信される。具体的には、上記ステップS240または上記ステップS311において第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている値が増減したときに、増減後の保留記憶数に対応する第2特別図柄記憶指定コマンドがメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第2特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板102に送信されることになる。
なお、本実施の形態では、「第1特別図柄記憶指定コマンド」と「第2特別図柄記憶指定コマンド」とをまとめて「特別図柄記憶指定コマンド」という。
【0333】
「図柄確定コマンド」は、特別図柄が停止表示されていることを示すものであり、「MODE」が「E3H」で設定され、「DATA」が「00H」に設定されている。
この図柄確定コマンドは、特別図柄が停止表示されているときに演出制御基板102に送信される。具体的には、上記ステップS320において特別図柄を第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に停止表示させるときに、図柄確定コマンドがメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている図柄確定コマンドが演出制御基板102に送信されることになる。
【0334】
「電源投入時指定コマンド」は、遊技機Yの電源が投入されたことを示すものであり、「MODE」が「E4H」で設定され、「DATA」が「00H」に設定されている。
この電源投入時指定コマンドは、遊技機Yの電源が投入されたときに演出制御基板102に送信される。具体的には、上記ステップS10において遊技機Yの電源が投入されたときに、電源投入時指定コマンドがメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている電源投入時指定コマンドが演出制御基板102に送信されることになる。
【0335】
「RAMクリア指定コマンド」は、メインRAM101cに記憶された情報がクリアされたことを示すものであり、「MODE」が「E4H」で設定され、「DATA」が「01H」に設定されている。
ここで、遊技機Yの裏側には図示しないRAMクリアボタンが設けられており、RAMクリアボタンを押圧しながら、遊技機Yの電源を投入すると、上記ステップS10においてメインRAM101cに記憶された情報がクリアされる。
そして、RAMクリア指定コマンドは、RAMクリアボタンを押圧しながら遊技機Yの電源が投入されたときに演出制御基板102に送信される。具体的には、上記ステップS10においてRAMクリアボタンを押圧しながら遊技機Yの電源が投入されたときに、RAMクリア指定コマンドがメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているRAMクリア指定コマンドが演出制御基板102に送信されることになる。
【0336】
「電断復旧指定コマンド」は、遊技機Yの電源が投入されて、正常に復旧したことを示すものであり、「MODE」が「E4H」で設定され、「DATA」が「02H?06H」に設定されている。電断復旧指定コマンドは、電断復旧時の遊技状態も示しており、電断復旧時の遊技状態が「低確率状態かつ非時短状態」であれば「DATA」が「02H」に設定され、「低確率状態かつ時短状態」であれば「DATA」が「03H」に設定され、「高確率状態かつ非時短状態」であれば「DATA」が「04H」に設定され、「高確率状態かつ時短状態」であれば「DATA」が「05H」に設定される。また、電断復旧時の遊技状態が「大当たり遊技状態」であれば、「DATA」が「06H」に設定される。
【0337】
この電断復旧指定コマンドは、遊技機Yの電源が投入されて、正常に復旧したときに演出制御基板102に送信される。具体的には、遊技機Yの電源が投入されると、電源投入時にメインRAM101cのチェックサムを作成し、作成した電源投入時のメインRAM101cのチェックサムと電断時のメインRAM101cのチェックサムとを比較する。ここで、チェックサムが一致していれば正常に復旧したものと判定し、遊技状態に応じて電断復旧指定コマンドを生成し、生成した電断復旧指定コマンドがメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている電源投入時指定コマンドが演出制御基板102に送信されることになる。
【0338】
「デモ指定コマンド」は、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21が作動していないことを示すものであり、「MODE」が「E5H」で設定され、「DATA」が「00H」に設定されている。
このデモ指定コマンドは、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21の特別図柄の保留記憶がないときに、演出制御基板102に送信される。具体的には、上記ステップS311において第1特別図柄保留数(U1)記憶領域または第2特別図柄保留数(U2)記憶領域のいずれの記憶領域にも1以上のデータがセットされていないときに、デモ指定コマンドがメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているデモ指定コマンドが演出制御基板102に送信されることになる。
【0339】
「第1特別図柄用変動パターン指定コマンド」は、第1特別図柄表示装置20における特別図柄の変動時間(変動態様)を示すものであり、「MODE」が「E6H」で設定され、各種の変動パターンに合わせてDATAの情報が設定されている。
この第1特別図柄用変動パターン指定コマンドは、第1特別図柄表示装置20の特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第1特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板102に送信される。具体的には、上記ステップS313において特別図柄の変動パターンが決定され、上記ステップS310-10において特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第1特別図柄用変動パターン指定コマンドがメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第1特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板102に送信されることになる。
【0340】
「第2特別図柄用変動パターン指定コマンド」は、第2特別図柄表示装置21における特別図柄の変動時間(変動態様)を示すものであり、「MODE」が「E7H」で設定され、各種の変動パターンに合わせてDATAの情報が設定されている。
この第2特別図柄用変動パターン指定コマンドは、第2特別図柄表示装置21の特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第2特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板102に送信される。
具体的には、上記ステップS313において特別図柄の変動パターンが決定され、上記ステップS310-10において特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第2特別図柄用変動パターン指定コマンドがメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第2特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板102に送信されることになる。
なお、本実施の形態では、「第1特別図柄用変動パターン指定コマンド」と「第2特別図柄用変動パターン指定コマンド」とをまとめて、「変動パターン指定コマンド」という。
【0341】
また、図36に示すように、「16R(1)大当たり用ラウンド指定コマンド」は、16R(1)大当たりの大当たり遊技における各ラウンドのラウンド番号R(R=1?16)を指定するものであり、「MODE」が「E8H」で設定され、ラウンド番号に合わせてDATAの情報が設定されている。
本実施の形態においては、16R(1)大当たりの大当たり遊技は、図8(a)に示す「16R(1)大当たり遊技用大入賞口開閉制御テーブル」に基づいて大入賞口の開閉制御が行われる。
例えば、1ラウンド(R=1)においては、第1大入賞口8の1回目の開放が開始されるときに、「16R(1)大当たり用1ラウンド指定コマンド」がメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている「16R(1)大当たり用1ラウンド指定コマンド」が演出制御基板102に送信されることになる。
また、2ラウンドにおいては、第1大入賞口8の2回目の開放が開始する前の閉鎖時間(s)(インターバル)の開始時に、「16R(1)大当たり用2ラウンド指定コマンド」がメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている「16R(1)大当たり用2ラウンド指定コマンド」が演出制御基板102に送信されることになる。
3?16ラウンドにおいても、同様に、第1大入賞口8または第2大入賞口9の開放が開始する前の閉鎖時間(s)の開始時に、「16R(1)大当たり用3ラウンド指定コマンド」?「16R(1)大当たり用16ラウンド指定コマンド」のうちのラウンド番号に応じたコマンドがメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている当該コマンドが演出制御基板102に送信されることになる。
【0342】
また、「16R(2)大当たり用ラウンド指定コマンド」は、16R(2)大当たりの大当たり遊技における各ラウンドのラウンド番号R(R=1?16)を指定するものであり、「MODE」が「E9H」で設定され、ラウンド番号に合わせてDATAの情報が設定されている。
本実施の形態においては、16R(2)大当たりの大当たり遊技は、図8(b)に示す「16R(2)大当たり遊技用大入賞口開閉制御テーブル」に基づいて大入賞口の開閉制御が行われる。
したがって、例えば、1ラウンド(R=1)においては、第1大入賞口8の1回目の開放が開始されるときに、「16R(2)大当たり用1ラウンド指定コマンド」がメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている「16R(2)大当たり用1ラウンド指定コマンド」が演出制御基板102に送信されることになる。
また、2ラウンドにおいては、第1大入賞口8の2回目の開放が開始する前の閉鎖時間(s)(インターバル)の開始時に、「16R(2)大当たり用2ラウンド指定コマンド」がメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている「16R(2)大当たり用2ラウンド指定コマンド」が演出制御基板102に送信されることになる。
3?16ラウンドにおいても、同様に、第1大入賞口8または第2大入賞口9の開放が開始する前の閉鎖時間の開始時に、「16R(2)大当たり用3ラウンド指定コマンド」?「16R(2)大当たり用16ラウンド指定コマンド」のうちのラウンド番号に応じたコマンドがメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている当該コマンドが演出制御基板102に送信されることになる。
【0343】
また、「16R(3)大当たり用ラウンド指定コマンド」は、16R(3)大当たりの大当たり遊技における各ラウンドのラウンド番号R(R=1?16)を指定するものであり、「MODE」が「EAH」で設定され、ラウンド番号に合わせてDATAの情報が設定されている。
本実施の形態においては、16R(3)大当たりの大当たり遊技は、図8(c)に示す「16R(3)大当たり遊技用大入賞口開閉制御テーブル」に基づいて大入賞口の開閉制御が行われる。
したがって、例えば、第1ラウンド(R=1)においては、第1大入賞口8の1回目の開放が開始されるときに、「16R(3)大当たり用1ラウンド指定コマンド」がメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている「16R(3)大当たり用1ラウンド指定コマンド」が演出制御基板102に送信されることになる。
また、第2ラウンドにおいては、第1大入賞口8の2回目の開放が開始する前の閉鎖時間(s)(インターバル)の開始時に、「16R(3)大当たり用2ラウンド指定コマンド」がメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている「16R(3)大当たり用2ラウンド指定コマンド」が演出制御基板102に送信されることになる。
3?16ラウンドにおいても、同様に、第1大入賞口8または第2大入賞口9の開放が開始する前の閉鎖時間の開始時に、「16R(3)大当たり用3ラウンド指定コマンド」?「16R(3)大当たり用16ラウンド指定コマンド」のうちのラウンド番号に応じたコマンドがメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている当該コマンドが演出制御基板102に送信されることになる。
【0344】
「大入賞口閉鎖指定コマンド」は、各ラウンドにおいて開放された第1大入賞口8または第2大入賞口9が閉鎖されたことを指定するものであり、大当たりの種別(16R(1)大当たり、16R(2)大当たり、16R(3)大当たり)に応じて「MODE」が「EBH」?「EDH」で設定され、各ラウンドに応じてDATAの情報が設定されている。
この大入賞口閉鎖指定コマンドは、開放された第1大入賞口8または第2大入賞口9を閉鎖するときに、その閉鎖毎に応じた大入賞口閉鎖指定コマンドが演出制御基板102に送信される。
具体的には、上記ステップS340-9において第1特別可動片80A(または第2特別可動片90A)を閉鎖させるときに、その閉鎖前のラウンド数に対応する大入賞口閉鎖指定コマンドがメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている大入賞口閉鎖指定コマンドが演出制御基板102に送信されることになる。
【0345】
「大入賞口開放指定コマンド」は、各種大当りの種別に合わせた大当たりのラウンド数に対応するコマンドであり、各ラウンドにおいて第1大入賞口8または第2大入賞口9が開放されたことを示すものであり、大当たりの種別(16R(1)大当たり、16R(2)大当たり、16R(3)大当たり)に応じて「MODE」が「EEH」?「EGH」で設定され、各ラウンドに応じてDATAの情報が設定されている。
この大入賞口開放指定コマンドは、第1大入賞口8または第2大入賞口9を開放するときに、その開放毎に応じた大入賞口開放指定コマンドが演出制御基板102に送信される。
具体的には、上記ステップS340-9において第1特別可動片80A(または第2特別可動片90A)を開放させるときに、その開放時のラウンド数に対応する大入賞口開放指定コマンドがメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている大入賞口開放指定コマンドが演出制御基板102に送信されることになる。
【0346】
「オープニング指定コマンド」は、各種の大当りが開始することを示すものであり、「MODE」が「EHH」で設定され、大当たりの種別に合わせてDATAの情報が設定されている。
このオープニング指定コマンドは、各種の大当りが開始するときに、大当たりの種別に対応するオープニング指定コマンドが演出制御基板102に送信される。具体的には、上記ステップS340の大当たり遊技処理の開始のときに、大当たりの種別に対応するオープニング指定コマンドがメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているオープニング指定コマンドが演出制御基板102に送信されることになる。
【0347】
「エンディング指定コマンド」は、各種の大当りが終了したことを示すものであり、「MODE」が「EIH」で設定され、大当たりの種別に合わせてDATAの情報が設定されている。
このエンディング指定コマンドは、各種の大当りが終了するときに、大当たりの種別に対応するエンディング指定コマンドが演出制御基板102に送信される。具体的には、上記ステップS350の大当り遊技終了処理の開始のときに、大当たりの種別に対応するエンディング指定コマンドがメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているエンディング指定コマンドが演出制御基板102に送信されることになる。
【0348】
「遊技状態指定コマンド」は、時短状態であるか非時短状態であるかを示すものであり、「MODE」が「EJH」で設定され、非時短状態であれば「DATA」が「00H」に設定され、時短状態であれば「DATA」が「01H」に設定されている。
この遊技状態指定コマンドは、特別図柄の変動開始時、特別図柄の変動終了時、大当り遊技の開始時および大当りの終了時に、遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドが演出制御基板102に送信される。
具体的には、上記ステップS310-10において特別図柄の変動表示が開始されるとき、上記ステップS320において特別図柄を停止表示させるとき、上記ステップS330において高確率フラグ、高確率遊技回数、時短フラグおよび時短回数(J)をクリアしたとき、上記ステップS350において高確率フラグ、高確率遊技回数、時短フラグおよび時短回数(J)の設定を行ったときに、現在の遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドがメインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている遊技状態指定コマンドが演出制御基板102に送信されることになる。
【0349】
(演出制御基板のメイン処理)
次に、演出制御基板102におけるサブCPU102aにより実行される処理について説明する。
【0350】
最初に、図37を用いて、演出制御基板102のメイン処理を説明する。電源基板107からサブCPU102aに電力が供給されると、サブCPU102aにシステムリセットが発生し、サブCPU102aは、以下の処理を行う。
【0351】
まず、ステップS1001において、サブCPU102aは、初期化処理を行う。この処理において、サブROM102bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、フラグやコマンドなどが記憶されるサブRAM102cを初期化する処理を行う。
【0352】
ステップS1002において、サブCPU102aは、演出用乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU102aは、サブRAM102cに記憶される演出用の乱数(変動演出パターン判定用乱数、演出ステージ判定用乱数等)を更新する処理を行う。サブCPU102aは、ステップS1002の処理を繰り返し行いながら、所定の割込処理を待つ。
【0353】
(演出制御基板のタイマ割込処理)
演出制御基板102に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(例えば、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、図38に示すタイマ割込処理が実行される。
【0354】
まず、ステップS1100において、サブCPU102aは、サブCPU102aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
【0355】
ステップS1200において、サブCPU102aは、各種の演出に係る時間管理を行うための各タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。
【0356】
ステップS1300において、サブCPU102aは、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU102aは、サブRAM102cの受信バッファに格納されているコマンドを解析する処理を行う。詳しくは、図39及び図40を用いて後述する。なお、演出制御基板102は、主制御基板101から送信されたコマンドを受信すると、図示しない演出制御基板102の受信割込処理を行い、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、本ステップS1300において受信したコマンドを解析する処理が行われる。
【0357】
ステップS1400において、サブCPU102aは、演出ボタン装置18の操作に基づく演出(演出ボタン演出)に係る演出ボタン演出制御処理を行う。
【0358】
ステップS1500において、サブCPU102aは、特図保留演出制御処理を行う。この処理において、メインCPU101aは、特図保留演出を制御するための特図保留演出制御処理を行う。
【0359】
ステップS1600において、サブCPU102aは、客待ち状態に対応するデモ演出を制御するデモ演出制御処理を行う。
【0360】
ステップS1700において、サブCPU102aは、サブRAM102cの送信バッファにセットされている各種の演出制御コマンドをランプ制御基板104及び画像制御基板105へ送信するデータ出力処理を行う。
【0361】
ステップS1800において、サブCPU102aは、ステップS1100で退避した情報をサブCPU102aのレジスタに復帰させる。
【0362】
(演出制御基板のコマンド解析処理)
図39及び図40を用いて、演出制御基板102によるコマンド解析処理を説明する。
【0363】
ステップS1301において、サブCPU102aは、受信バッファに新たに送信されてきたコマンドが記憶されているか否かを判定する。サブCPU102aは、コマンドがなければ当該コマンド解析処理を終了し、受信バッファにコマンドがあれば、ステップS1302に処理を移す。
【0364】
ステップS1302において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが始動口入賞指定コマンドであれば、ステップS1303に処理を移し、始動口入賞指定コマンドでなければステップS1304に処理を移す。
【0365】
ステップS1303において、サブCPU102aは、始動口入賞指定コマンドを解析して、当該始動口入賞指定コマンドに係る始動口の種類を確認して、その種類ごとに設けられている演出情報記憶領域に記憶すると共に、保留数カウンタのカウンタ値を「1」加算する保留数加算処理を行い、当該コマンド解析処理を終了する。なお、演出情報記憶領域は始動口の種類毎に第1記憶部?第4記憶部に分けられており、始動口入賞指定コマンドは始動口入賞指定コマンドが記憶されていない記憶部の中で番号の小さい記憶部から順に記憶されていく。
【0366】
ステップS1304において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、特別演出図柄指定コマンドであるか否かを判定する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが特別演出図柄指定コマンドであれば、ステップS1305及びステップS1306に処理を移し、特別演出図柄指定コマンドでなければステップS1307に処理を移す。
【0367】
ステップS1305において、サブCPU102aは、当該特別演出図柄指定コマンドに係る始動口の種類を確認して、その始動口に対応する演出情報記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行うと共に、その種類ごとに設けられている保留数カウンタのカウンタ値を「1」減算する保留数減算処理を行う。データのシフト処理では、第1記憶部?第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。例えば、第1演出情報記憶領域の第4記憶部に記憶されているデータは、第1演出情報記憶領域の第3記憶部にシフトされる。また、第1演出情報記憶領域の第1記憶部に記憶されているデータは、第1演出情報記憶領域及び第2演出情報記憶領域に共通の当該変動用記憶部(第0記憶部)にシフトされ、第0記憶部に記憶されていたデータは、消去される。
【0368】
次に、ステップS1306において、サブCPU102aは、特別演出図柄指定コマンドを解析して、受信した特別演出図柄指定コマンドが有する情報に基づいて、画像表示装置14に停止表示させる演出図柄、すなわち、装飾図柄の組み合わせを決定する演出図柄パターン決定処理を行い、当該コマンド解析処理を終了する。
【0369】
サブCPU102aは、ステップS1307において、受信バッファに格納されているコマンドが、特図変動パターン指定コマンドであるか否かを判定する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが特図変動パターン指定コマンドであれば、ステップS1308に処理を移し、特図変動パターン指定コマンドでなければステップS1309に処理を移す。
【0370】
ステップS1308において、サブCPU102aは、この抽選演出の変動演出の態様である変動演出パターンを決定する変動演出パターン決定処理を行い、当該コマンド解析処理を終了する。
「変動演出パターン」は、変動演出の態様(具体的な内容)を表す識別情報であり、画像表示装置14、音声出力装置15、演出用照明装置16、演出用役物装置17、及び、演出ボタン装置18によって行われる変動演出の態様が対応付けられている。
この変動演出パターン決定処理において、サブCPU102aは、演出パターン判定用乱数に係る乱数カウンタ示す乱数値をサブRAM102cの演出パターン判定用乱数記憶領域に記憶する。次に、サブCPU102aは、この記憶した演出パターン判定用乱数を、決定した変動演出パターン判定テーブルに照合して変動演出パターンを決定する変動演出パターン判定を行う。
そして、サブCPU102aは、この変動演出パターンに対応する変動演出制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットし、変動演出パターンをサブRAM102cの変動演出データ記憶領域にセットする。
【0371】
なお、送信バッファにセットされた変動演出制御コマンドは、ステップS1700のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。
そして、例えば、画像制御基板105は、変動演出制御コマンドを受信すると、そのコマンドが示す変動演出パターンに基づく演出図柄の変動表示を画像表示装置14に行わせる(演出図柄の変動表示を行う)と共に、そのコマンドに対応する変動演出パターンに基づく背景画像等を画像表示装置14に表示させる。
【0372】
ステップS1309において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、演出図柄停止指定コマンドであるか否かを判定する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが演出図柄停止指定コマンドであれば、ステップS1310に処理を移し、演出図柄停止指定コマンドでなければステップS1311に処理を移す。
【0373】
ステップS1310において、サブCPU102aは、演出図柄を停止表示させることを示す演出図柄停止コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットする。演出図柄停止コマンドはデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。ランプ制御基板104及び画像制御基板105は、演出図柄停止指定コマンドを受信することにより、当該変動演出が終了することを認識し、当該変動演出を終了させると共に、演出図柄の停止表示を行う。
【0374】
ステップS1311において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが遊技状態指定コマンドであればステップS1312に処理を移し、遊技状態指定コマンドでなければステップS1313に処理を移す。サブCPU102aは、ステップS1312において、受信した遊技状態指定コマンドに基づいた遊技状態を示すデータをサブRAM102cにある遊技状態記憶領域にセットし、当該コマンド解析処理を終了する。
【0375】
サブCPU102aは、ステップS1313において、受信バッファに格納されているコマンドが、オープニング指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドがオープニング指定コマンドであればステップS1314に処理を移し、オープニング指定コマンドでなければステップS1315に処理を移す。
【0376】
サブCPU102aは、ステップS1314において、特別遊技(大当たり遊技)に係る演出である特別遊技演出(大当たり遊技演出)の態様である特別遊技演出パターンを決定する特別遊技演出パターン処理を行い、当該コマンド解析処理を終了する。この特別遊技演出パターンには、第1大入賞口8を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるための報知(後述する「報知A」)の報知パターンも含まれる。
【0377】
ステップS1315において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、ラウンド指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドがラウンド指定コマンドであればステップS1316に処理を移し、ラウンド指定コマンドでなければステップS1317に処理を移す。
【0378】
ステップS1316において、サブCPU102aは、ラウンド演出の態様であるラウンド演出パターンを決定するラウンド演出パターン決定処理を行い、当該コマンド解析処理を終了する。具体的には、サブCPU102aは、ラウンド指定コマンドに基づいてラウンド演出パターンを決定すると共に、決定したラウンド演出パターンを示すラウンド演出データをラウンド演出パターン記憶領域にセットし、決定したラウンド演出パターンを示すラウンド演出制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットする。
【0379】
ステップS1317において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、大入賞口閉鎖指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが大入賞口閉鎖指定コマンドであればステップS1318に処理を移し、大入賞口閉鎖指定コマンドでなければステップS1319に処理を移す。
【0380】
ステップS1318において、サブCPU102aは、遊技球を流下させる発射操作に関する報知の報知パターンを決定する報知パターン決定処理1を行い、当該コマンド解析処理を終了する。このステップS1318の処理の詳細については図43を用いて後述する。
【0381】
ステップS1319において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、大入賞口開放指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが大入賞口開放指定コマンドであればステップS1320に処理を移し、大入賞口開放指定コマンドでなければステップS1321に処理を移す。
【0382】
ステップS1320において、サブCPU102aは、遊技球を流下させる発射操作に関する報知の報知パターンを決定する報知パターン決定処理2を行い、当該コマンド解析処理を終了する。このステップS1320の処理の詳細については図47を用いて後述する。
【0383】
ステップS1321において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、電断復旧指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが電断復旧指定コマンドであればステップS1322に処理を移し、電断復旧指定コマンドでなければステップS1323に処理を移す。
【0384】
ここで、図41を用いてステップS1322の電断復旧時報知処理を説明する。
【0385】
ステップS1401において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されている電断復旧時指定コマンドが、電断復旧時5指定コマンド(大当たり遊技状態における電断復旧時を指定)であるか否かを判断し、電断復旧時5指定コマンドであると判断した場合にはステップS1402に処理を進める。
一方、ステップS1401において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されている電断復旧時指定コマンドが、電断復旧時5指定コマンドではなく、他の遊技状態において電断復旧時を指定する電断復旧時指定コマンドであると判断した場合にはステップS1404に処理を進める。
【0386】
ステップS1402において、サブCPU102aは、電断復旧時5指定コマンドに基づいて、大当たり遊技状態における電断の復旧を遊技者に認識させるための電断復旧時報知の報知パターンに対応する大当たり遊技電断復旧時報知データをサブRAM102cの大当たり遊技電断復旧時報知データ記憶領域にセットする。
【0387】
そして、ステップS1403において、サブCPU102aは、大当たり遊技状態における電断の復旧を遊技者に認識させるための電断復旧時報知の報知パターンに対応する大当たり遊技電断復旧時報知制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットする。この送信バッファにセットされた大当たり遊技電断復旧時報知制御コマンドは、ステップS1700のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。
そして、画像制御基板105は、大当たり遊技電断復旧時報知制御コマンドを受信すると、そのコマンドが示す大当たり遊技における電断復旧時報知の報知パターンに基づく報知画像を表示する。
すなわち、画像制御基板105は、大当たり遊技の実行中に電断が復旧したときに、第1大入賞口8または第2大入賞口を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるための画像として、例えば、図42に示すように、通常の電断復旧画面において表示される「電断復旧中」との表示の下に、「右を狙って下さい!」といった文字メッセージと共に、第1大入賞口8及び第2大入賞口9を矢印によって認識させるイラストを有する報知画像を画像表示装置14に表示させる。
【0388】
大当たり遊技における電断復旧時にこのような報知画像を画像表示装置14に表示させることにより、遊技者は、大当たり遊技において電断が生じた場合においても、その後の電断復旧時に表示される電断復旧画面を見ることで、発射操作装置3により、第1大入賞口8または第2大入賞口を狙って遊技球を流下させる操作として、所謂「右打ち」を行うことができる。
【0389】
一方、ステップS1404において、サブCPU102aは、電断復旧時1?4指定コマンドの何れかに基づいて、各遊技状態における電断の復旧を遊技者に認識させるための電断復旧時報知の報知パターンに対応する電断復旧時報知データをサブRAM102cの電断復旧時報知データ記憶領域にセットする。
【0390】
そして、ステップS1404において、サブCPU102aは、各遊技状態における電断の復旧を遊技者に認識させるための電断復旧時報知の報知パターンに対応する電断復旧時報知制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットする。この送信バッファにセットされた各遊技状態における電断復旧時報知制御コマンドは、ステップS1700のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。
そして、画像制御基板105は、各遊技状態における電断復旧時報知制御コマンドを受信すると、そのコマンドが示す遊技状態における電断復旧時報知の報知パターンに基づく報知画像(「電断復旧中」)を表示する。
さらに、画像制御基板105は、「電断復旧中」との表示とともに、例えば、電断が復旧したときの遊技状態に応じた適切な操作を行うことを遊技者に認識させるための表示を有する電断復旧画面を画像表示装置14に表示させるようにしてもよい。例えば、遊技状態が低確率且つ非時短状態であれば、「電断復旧中」との表示とともに、「左打ちして下さい。」との文字メッセージを画像表示装置14に表示させるようにしてもよい。
【0391】
図40の説明に戻り、ステップS1323において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、特定領域入賞指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが特定領域入賞指定コマンドであればステップS1324に処理を移し、特定領域入賞指定コマンドでなければステップS1325に処理を移す。
【0392】
サブCPU102aは、ステップS1324において、特定領域入賞時報知処理を行い、さらにはサブRAM102cの特定領域入賞指定コマンド記憶領域に特定領域入賞指定コマンドをONし、当該コマンド解析処理を終了する。なお、このステップS1324の処理の詳細については図49を用いて後述する。
【0393】
ステップS1325において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、エンディング指定コマンドであるか否かを確認する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドがエンディング指定コマンドであればステップS1326に処理を移して当該、エンディング指定コマンドでなければ、ステップS1327に処理を移す。
【0394】
ステップS1326において、サブCPU102aは、エンディング演出の態様であるエンディング演出パターンを決定するエンディング演出パターン決定処理を行い、当該コマンド解析処理を終了する。
【0395】
ステップS1327において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドが、デモ指定コマンドであるか否かを判定する。サブCPU102aは、受信バッファに格納されているコマンドがデモ指定コマンドであれば、ステップS1328に処理を移し、デモ指定コマンドでなければ当該コマンド解析処理を終了する。
【0396】
ステップS1328において、サブCPU102aは、特定のデモ演出パターンを決定するデモ演出パターン決定処理を行い、当該コマンド解析処理を終了する。
【0397】
(報知パターン決定処理1)
図43を用いて、演出制御基板102による報知パターン決定処理1を説明する。
【0398】
ステップS1501において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されている大入賞口閉鎖指定コマンドが、16R(1)大当たり閉鎖7回目用第1大入賞口閉鎖指定コマンドであるか否かを判断し、16R(1)大当たり閉鎖7回目用第1大入賞口閉鎖指定コマンドであると判断した場合にはステップS1503に処理を進め、16R(1)大当たり閉鎖7回目用第1大入賞口閉鎖指定コマンドでないと判断した場合にはステップS1502に処理を進める。
【0399】
ステップS1502において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されている大入賞口閉鎖指定コマンドが、16R(1)大当たり閉鎖11回目用第1大入賞口閉鎖指定コマンドであるか否かを判断し、16R(1)大当たり閉鎖11回目用第1大入賞口閉鎖指定コマンドであると判断した場合にはステップS1503に処理を進め、16R(1)大当たり閉鎖11回目用第1大入賞口閉鎖指定コマンドでないと判断した場合にはステップS1505に処理を進める。
【0400】
ステップS1503において、サブCPU102aは、第2大入賞口9を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるための報知(報知A)の報知パターンに対応する報知AデータをサブRAM102cの報知Aデータ記憶領域にセットする。
【0401】
ステップS1504において、サブCPU102aは、報知Aの報知パターンに対応する報知A制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットする。なお、送信バッファにセットされた報知A制御コマンドは、ステップS1700のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。
そして、画像制御基板105は、報知A制御コマンドを受信すると、そのコマンドが示す報知Aの報知パターンに基づく報知画像として、例えば図44に示すように「チャンスアタッカーを狙おう!」との文字メッセージと共に、第2大入賞口9(チャンスアタッカー)を矢印によって認識させるイラストを有する報知Aの報知画像を画像表示装置14に表示させる。これにより、第2大入賞口9を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるようにする。
さらに、ランプ制御基板104の制御によって多数のランプを交互に点滅させる等して、例えば左側から右側に、光が流れるように見える態様で発光して、第2第大入賞口9を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるように報知させる。
【0402】
ステップS1505において、サブCPU102aは、第1大入賞口8を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるための報知(報知B)の報知パターンに対応する報知BデータをサブRAM102cの報知Bデータ記憶領域にセットする。
【0403】
ステップS1506において、サブCPU102aは、報知Bの報知パターンに対応する報知B制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットする。なお、送信バッファにセットされた報知B制御コマンドは、ステップS1700のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。
そして、画像制御基板105は、報知B制御コマンドを受信すると、そのコマンドが示す報知Bの報知パターンに基づく報知画像として、例えば図45に示すように「ここを狙おう!」との文字メッセージと共に、第1大入賞口8を矢印によって認識させるイラストを有する報知Bの報知画像を画像表示装置14に表示させる。これにより、第1大入賞口8を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるようにする。
さらに、ランプ制御基板104の制御によって多数のランプを交互に点滅させる等して、例えば左側から右側に、光が流れるように見える態様で発光して、第1第大入賞口8を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるように報知させる。
【0404】
なお、この報知Bの報知画像は、この図45に示す画像に限定されない。報知Bの報知画像は、例えば図46に示すように、「右を狙おう!」との文字と共に、第1大入賞口8及び第2大入賞口9を矢印によって認識させるイラストを有する報知画像であってもよい。このような図46の報知画像によっても、遊技者に対し、第1大入賞口8を狙って遊技球を流下させることを認識させることが可能である。
この場合においても、ランプ制御基板104の制御によって、遊技盤に備えられた複数のランプを交互に点滅させる等して、例えば左側から右側に、光が流れるように見える態様で発光して、第1大入賞口8及び第2第大入賞口9を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるように報知させるようにしてもよい。
【0405】
また、報知Aの報知画像の文字メッセージを報知Bの報知画像の文字メッセージと共通のものとしてもよい。すなわち、図44に示す報知Aの報知画像の文字メッセージを「チャンスアタッカーを狙おう!」に代えて「ここを狙おう!」或いは「右を狙おう!」としてもよい。
【0406】
(報知パターン決定処理2)
図47を用いて、演出制御基板102による報知パターン決定処理2を説明する。
【0407】
ステップS1601において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されている大入賞口開放指定コマンドが、16R(1)大当たり開放8回目用第2大入賞口開放指定コマンドであるか否かを判断し、16R(1)大当たり開放8回目用第2大入賞口開放指定コマンドであると判断した場合にはステップS1603に処理を進め、16R(1)大当たり開放8回目用第2大入賞口開放指定コマンドでないと判断した場合にはステップS1602に処理を進める。
【0408】
ステップS1602において、サブCPU102aは、受信バッファに格納されている大入賞口開放指定コマンドが、16R(1)大当たり開放12回目用第2大入賞口開放指定コマンドであるか否かを判断し、16R(1)大当たり開放12回目用第2大入賞口開放指定コマンドであると判断した場合にはステップS1603に処理を進め、16R(1)大当たり開放12回目用第2大入賞口開放指定コマンドでないと判断した場合にはステップS1605に処理を進める。
【0409】
ステップS1603において、サブCPU102aは、第2大入賞口9を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるための報知(報知A)の報知パターンに対応する報知AデータをサブRAM102cの報知Aデータ記憶領域にセットする。
【0410】
ステップS1604において、サブCPU102aは、報知Aの報知パターンに対応する報知A制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットする。この送信バッファにセットされた報知A制御コマンドは、ステップS1700のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。
そして、画像制御基板105は、報知A制御コマンドを受信すると、そのコマンドが示す報知Aの報知パターンに基づく報知画像として、例えば上述した図44に示す報知Aの報知画像を画像表示装置14に表示させる。これにより、第2大入賞口9を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるようにする。
【0411】
ステップS1605において、サブCPU102aは、第1大入賞口8を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるための報知(報知B)の報知パターンに対応する報知BデータをサブRAM102cの報知Bデータ記憶領域にセットする。
【0412】
ステップS1606において、サブCPU102aは、報知Bの報知パターンに対応する報知B制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットする。この送信バッファにセットされた報知B制御コマンドは、ステップS1700のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。
そして、画像制御基板105は、報知B制御コマンドを受信すると、そのコマンドが示す報知Bの報知パターンに基づく報知画像として、例えば上述した図45または図46の報知Bの報知画像を画像表示装置14に表示させる。これにより、第1大入賞口8を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるようにする。
【0413】
なお、サブCPU102aは、主制御基板101から受信したコマンドに基づいて行う演出を、主制御基板101から次のコマンドを受信するまで継続して行う。
例えば、サブCPU102aが主制御基板101から16R(1)大当たり閉鎖7回目用第1大入賞口閉鎖指定コマンドを受信することにより第1の報知A(事前報知)を開始すると、この第1の報知Aの演出を主制御基板101から16R(1)大当たり開放8回目用第2大入賞口開放指定コマンドを受信するまで行う。サブCPU102aは、この16R(1)大当たり開放8回目用第2大入賞口開放指定コマンドを受信することによっても、第2の報知A(開放中報知)の演出を開始する。したがって、第1の報知A(事前報知)と第2の報知A(開放中報知)とからなる報知Aの演出は、第7ラウンドにおける第1大入賞口8が閉鎖したときから第8ラウンドにおける第2大入賞口9の開放が終了するときまで継続して行われる。
【0414】
ところで、第1の報知A(事前報知)と第2の報知A(開放中報知)の演出内容は異なるものであってもよい。その場合には、第7ラウンドにおける第1大入賞口8の閉鎖時間(第7ラウンドと第8ラウンドとのインターバル)において第1の報知A(事前報知)が行われた後に、第8ラウンドにおける第2大入賞口9の開放時間において、この事前報知の内容とは異なる内容の第2の報知A(開放中報知)が行われるようになる。
【0415】
図48は、大当たり遊技における第1大入賞口8及び第2大入賞口9の開閉状態と、第2大入賞口9内に設けられた特定領域12の有効及び無効の状態を時間的に示すタイミングチャートであり、図48(a)は、16R(1)大当たり遊技におけるタイミングチャートであり、図48(b)は、16R(2)大当たり遊技におけるタイミングチャートであり、図48(c)は、16R(3)大当たり遊技におけるタイミングチャートである。
【0416】
16R(1)大当たり遊技では、第2大入賞口9内に設けられた特定領域12が特定領域有効期間において有効化される(開放状態となる)第8ラウンド及び第12ラウンドで第2大入賞口9が29.5秒若しくは遊技球が9個入賞するまで開放する(図8(a)参照)。
この16R(1)大当たり遊技では、図48(a)に示すように、第7ラウンド(7R)における第1大入賞口8の開放時間が経過して第1大入賞口8が閉鎖するタイミングT1、すなわち、特定領域12が有効化する第8ラウンドの直前の第7ラウンドの閉鎖時間(第7ラウンドと第8ラウンドとのインターバル)の開始時に、メインCPU101aは、16R(1)大当たり閉鎖7回目用第1大入賞口閉鎖指定コマンドを演出制御基板102に送信する。
16R(1)大当たり閉鎖7回目用第1大入賞口閉鎖指定コマンドを受信した演出制御基板102のサブCPU102aは、上述したように、ステップS1503及びステップS1504の処理を行うことにより、第1の報知A(事前報知)の報知画像(図44参照)を画像表示装置14に表示させる。
【0417】
そして、この16R(1)大当たり遊技の第7ラウンド(7R)における第1大入賞口8の閉鎖時間が経過して第2大入賞口9が開放するタイミングT2、すなわち、特定領域12が有効化する第8ラウンドの開始時に、メインCPU101aは、16R(1)大当たり開放8回目用第2大入賞口開放指定コマンドを演出制御基板102に送信する。
この16R(1)大当たり開放8回目用第2大入賞口開放指定コマンドを受信した演出制御基板102のサブCPU102aは、上述したように、ステップS1603及びステップS1604の処理を行うことにより、第2の報知A(開放中報知)の報知画像(図44参照)を画像表示装置14に表示させる。
【0418】
そして、第8ラウンド(8R)の開始から規定時間(例えば3秒)経過したタイミングT3において上述の特定領域有効期間が開始し、その開始から6秒間は特定領域12が有効化される(開放状態となる)。
【0419】
すなわち、16(1)大当たり遊技では、オープニングの開始から第7ラウンドの第1大入賞口8の開放時間までは、報知Bの報知画像(図45または図46参照)が表示され、第2大入賞口9内の特定領域12が有効化される第8ラウンドの開始直前のインターバルの開始時(T1)から第8ラウンドの第2大入賞口9の開放時間が終了するまでは、報知Aの報知画像(図44参照)が表示される。
【0420】
同様に、16R(1)大当たり遊技の第11ラウンド(11R)における第1大入賞口8の開放時間が経過して第1大入賞口8が閉鎖するタイミングT4、すなわち、特定領域12が有効化される第12ラウンドの直前のインターバル(第11ラウンドにおける第1大入賞口8の閉鎖時間)の開始時に、メインCPU101aは、16R(1)大当たり閉鎖11回目用第1大入賞口閉鎖指定コマンドを演出制御基板102に送信する。
この16R(1)大当たり閉鎖11回目用第1大入賞口閉鎖指定コマンドを受信した演出制御基板102のサブCPU102aは、上述したように、ステップS1503及びステップS1504の処理を行うことにより、第1の報知A(事前報知)の報知画像(図44参照)を画像表示装置14に表示させる。
【0421】
そして、この16R(1)大当たり遊技の第11ラウンド(11R)における第1大入賞口8の閉鎖時間が経過して第2大入賞口9が開放するタイミングT5、すなわち、特定領域12が有効化する第12ラウンドの開始時に、メインCPU101aは、16R(1)大当たり開放12回目用第2大入賞口開放指定コマンドを演出制御基板102に送信する。
この16R(1)大当たり開放12回目用第2大入賞口開放指定コマンドを受信した演出制御基板102のサブCPU102aは、上述したように、ステップS1603及びステップS1604の処理を行うことにより、第2の報知A(開放中報知)の報知画像(図44参照)を画像表示装置14に表示させる。
【0422】
そして、第12ラウンド(12R)の開始から規定時間(例えば3秒)経過したタイミングT6において上述の特定領域有効期間が開始し、その開始から6秒間は特定期間が有効化される。
【0423】
すなわち、16(1)大当たり遊技では、第2大入賞口9内の特定領域12が有効化される第8ラウンド直前のインターバル(第7ラウンドにおける第1大入賞口8の閉鎖時間)の開始時(T1)から第8ラウンドの第2大入賞口9の開放時間が終了するまでは、報知Aの報知画像(図44参照)が表示される。そして、第9ラウンド直前のインターバル(第8ラウンドにおける第2大入賞口9の閉鎖時間)の開始時から第11ラウンドの第1大入賞口8の開放時間が終了するまでは、報知Bの報知画像(図45または図46参照)が表示される。
さらに、第2大入賞口9内の特定領域12が再び有効化される第12ラウンド直前のインターバル(第11ラウンドにおける第1大入賞口8の閉鎖時間)の開始時(T4)から第12ラウンドの第2大入賞口9の開放時間が終了するまでは、報知Aの報知画像(図44参照)が表示される。そして、第13ラウンド直前のインターバル(第12ラウンドにおける第1大入賞口8の閉鎖時間)の開始時から第16ラウンドの第1大入賞口8の閉鎖時間が終了するまでは、報知Bの報知画像(図45または図46参照)が表示される。
【0424】
このように、遊技機Yは、特定領域12が有効化される第8ラウンド及び第12ラウンドで第2大入賞口9が29.5秒若しくは遊技球が9個入賞するまで開放する16大当たり(1)遊技では、第2大入賞口9を狙って遊技球を流下させることを遊技者に適切に認識させることができる。
【0425】
ところで、図48(b)に示すように、16R(2)大当たり遊技では、第8ラウンド及び第12ラウンドのそれぞれの開始時(T7、T9)から規定時間(例えば3秒)経過したタイミング(T8、T10)において、特定領域12が有効化される。また、図48(c)に示すように、16R(3)大当たり遊技においても、第8ラウンド及び第12ラウンドのそれぞれの開始時(T11、T13)から規定時間(例えば3秒)経過したタイミング(T12、T14)において、特定領域12が有効化される(開放状態となる)。しかしながら、16R(2)大当たり遊技、16R(3)大当たり遊技では、何れも第2大入賞口9の開放時間は、0.1秒と短い(図8(c)参照)。
したがって、16R(2)大当たり遊技、16R(3)大当たり遊技の何れにおいても、遊技者は、第2大入賞口9に遊技球を入球させることが難しい。そのため、遊技機Yは、16R(2)大当たり遊技、16R(3)大当たり遊技の何れにおいても、オープニングの開始からラウンド遊技の終了まで報知Bの報知画像(図45または図46参照)が表示される。
【0426】
(特定領域入賞時報知処理)
次に、図49を用いて、演出制御基板102による特定領域入賞時報知処理(図40のステップS1324)を説明する。
【0427】
ステップS1701において、サブCPU102aは、大当たり遊技における特定領域有効期間中に、第2大入賞口9内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことを特定領域検出センサ12aが検出したことに基づいて、有効期間中特定領域入賞指定フラグをサブRAM102cの有効期間中特定領域入賞指定フラグ記憶領域においてONにセットする。
【0428】
ステップS1702において、サブCPU102aは、報知Aの演出に代えて、大当たり遊技状態の終了後に高確率状態(確変状態)に制御されることを遊技者に認識させるための確変報知の演出を行うようにする。
すなわち、サブCPU102aは、特定領域有効期間中に第2大入賞口9内の特定領域12を遊技球が通過したことにより主制御基板101から有効期間中特定領域入賞指定コマンドを受信する。すると、サブCPU102aは、この有効期間中特定領域入賞指定コマンドに基づいて、大当たり遊技状態の終了後に高確率状態(確変状態)に制御されることを遊技者に認識させるための確変報知の報知パターンに対応する確変報知データをサブRAM102cの確変報知データ記憶領域にセットする。
【0429】
ステップS1703において、サブCPU102aは、確変報知の報知パターンに対応する確変報知制御コマンドをサブRAM102cの送信バッファにセットする。この送信バッファにセットされた確変報知制御コマンドは、ステップS1700のデータ出力処理によってランプ制御基板104及び画像制御基板105に送信される。
そして、画像制御基板105は、確変報知制御コマンドを受信すると、そのコマンドが示す確変報知の報知パターンに基づく報知画像として、例えば「確変確定!」との文字メッセージを有する報知画像を画像表示装置14に表示させる。これにより、大当たり遊技状態の終了後に、遊技状態が高確率遊技状態(確変状態)に制御されることを遊技者に認識させるようにする。
【0430】
なお、遊技状態が高確率状態(確変状態)に制御されているときに、大当たりに当選することで大当たり遊技を実行する場合には、上述の報知A、報知Bの何れも行わないようにする。すなわち、所謂「右打ち」を既に行っている遊技者に対しては、改めて「右打ち」を行わせるための報知を行わないようにすることで、遊技者に煩わしさを感じさせないようにすることができる。
【0431】
また、本実施の形態において、第2大入賞口9は、特定領域開閉ソレノイド120Bの駆動によってスライド部材120Aがスライドすることにより特定領域12が開放状態または閉鎖状態となる構造であるが、第2大入賞口9の構造はこれに限定されない。
【0432】
例えば、第2大入賞口9は、振分装置としてスライド部材120Aに代えて可動弁を設け、この可動弁が特定領域12側と開口部12C(非特定領域)側に切り替わる可動動作を行うことで、遊技球を特定領域12側と開口部12C(非特定領域)側とに振り分けるようにしてもよい。なお、この場合、上述の「特定領域有効期間」(例えば6秒間)にのみ、可動弁が特定領域12側に切り替わるようになる。
【0433】
また、第2大入賞口9の構造は、上述の振分装置、開口部120C(すなわち非特定領域)の何れも設けない構造としてもよい。この構造において、メインCPU101aは、例えば、ステップS340-10において、特定領域検出センサ12aをON(特定領域12を有効化)にすることにより、「特定領域有効期間」を開始し、S340-11において特定領域有効期間として予め定められた期間(例えば6秒間)が経過したときに(S340-11でYES)、ステップS340-12において特定領域検出センサ12aをOFFにして特定領域有効期間を終了させるようにしてもよい。
或いは、この構造において、第2大入賞口9が開放しているときに入球した遊技球を有効に検出し、これにより、必ず、大当たり遊技の終了後に遊技状態を高確率状態に制御するようにしてもよい。
【0434】
また、本実施の形態は、上述した大当たり遊技とは異なる大当たり遊技を実行した場合においても適用可能である。
例えば、低確率/非時短状態(通常遊技状態)(所謂初当たり)で当選することによって複数回(例えば5回)のセットの大当たりの権利を獲得する連続大当たりを設けた遊技機としてもよい。この場合、遊技機は、例えば1回目?4回目の各回の大当たり遊技の所定ラウンドにおいて特定領域有効期間を設定し、その特定領域有効期間中に特定領域12を遊技球が通過することで高確率/時短状態に設定し、次の大当たりに当選することで大当たり遊技を実行する。そして、遊技機は、例えば5回目の大当たり遊技の所定ラウンドの特定領域有効期間においては特定領域12に遊技球を通過させない、若しくは、通過しても高確率状態指定フラグをONにしないようにし、その大当たり遊技の終了後に低確率/時短(例えば100回限定)遊技状態に制御する。
【0435】
また、上述の本実施の形態では、報知A及び報知Bの何れの場合も、遊技盤に備えられた複数のランプが、光が流れるように見える態様で発光して、第1大入賞口8または第2大入賞口9の方向に遊技球を発射すべきことを報知した。しかしながら、これに限定されず、例えば第2大入賞口9を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させる場合には、第2大入賞口9自体にランプをさらに設け、この遊技盤に備えられた複数のランプの発光に加えて第2大入賞口9自体も発光させて、全体として光が流れるように見える態様で発光して、第2大入賞口9の方向に遊技球を発射すべきことを報知してもよい。
【0436】
また、報知A及び報知Bの演出は、上述した本実施の形態で述べたものに限定されず、例えば、スピーカや役物等の他の手段を用いて実行されてもよい。
また、報知Aの演出は、報知Bの演出よりも遊技者の注意をより強く引くことができる演出(つまり、より派手な演出)であってもよい。このことによって、遊技者は、第2大入賞口9へ狙って遊技球を流下させるための報知Aの演出が行われたときに、第1大入賞口8へ狙って遊技球を流下させるための報知Bの演出とは異なる演出であることを直感的に認識でき、また、演出Bよりも更に重要な演出報知演出(特定領域12への遊技球通過に関わる報知演出)であることを直感的に認識できることができる。
【0437】
また、上述の本実施の形態では、16R(1)大当たり遊技において、第2大入賞口9を狙って遊技球を流下させるための報知Aを、第2大入賞口9が開放する第8ラウンド直前のインターバル(第7ラウンドにおける第1大入賞口8の閉鎖時間)の開始から行うようにした。しかしながら、この第8ラウンド直前のインターバルよりも前に、第8ラウンドでは特定領域12が有効化される旨を予告する予告報知を行うようにしてもよい。例えば第7ラウンドの開始時、或いはさらに前の第6ラウンドの開始時にこの予告報知を行うようにしてもよい。
例えば、サブCPU102aは、主制御基板101から16R(1)大当たり開放7回目用第1大入賞口開放指定コマンドを受信すると、このコマンドに基づいて、16R(1)大当たり遊技の第7ラウンド開始時に、「8ラウンドではチャンスアタッカーを狙おう!」との文字メッセージを有する報知画像を画像表示装置14に表示させる予告報知の制御を行うようにしてもよい。
【0438】
また、遊技機Yは、第8ラウンドよりも前の任意のラウンドにおいて、第8ラウンドでは特定領域12が有効化される旨を示唆する示唆演出を行うようにしてもよい。
例えば、サブCPU102aは、主制御基板101から16R(1)大当たり開放5回目用第1大入賞口開放指定コマンドを受信すると、このコマンドに基づいて、16R(1)大当たり遊技の第5ラウンド開始時に、「8ラウンドで入賞すれば確変かも!?」といった文字メッセージを有する示唆画像を画像表示装置14に表示させる示唆演出の制御を行うようにしてもよい。
【0439】
また、上述の本実施の形態では、第2大入賞口9に入球した遊技球が特定領域12を通過した後に、第2大入賞口9に入賞したことが検出されるものとした。しかしながら、第2大入賞口9の入口部分に第2大入賞口検出スイッチが配置されて、第2大入賞口9に遊技球が入った時点で第2大入賞口9に入賞したことが検出されるものとしてもよい。
【0440】
また、上述の本実施の形態の遊技機Yは、特定領域12が設けられていない第1大入賞口8と、特定領域12が設けられた第2大入賞口9とを備えた構造として説明した。しかしながら、大入賞口の数は、これに限定されない。例えば、本実施の形態では、特定領域12が設けられた第2大入賞口9のみを備える遊技機であってもよい。
この場合、例えば、特定のラウンドにおいてのみ特定領域12を開放状態とする特定領域有効期間を設け、それ以外のラウンドでは特定領域12を閉鎖状態とするようにしてもよい。
或いは、特定のラウンドにおいては、他のラウンドよりも長い時間、特定領域12を開放させて、その特定のラウンドにおいてのみ遊技球を特定領域12に入球可能とするようにしてもよい。
【0441】
また、上述の本実施の形態では、第8ラウンドと第12ラウンドといった複数のラウンドにおいて特定領域有効期間を設けるようにした。この場合、たとえ第8ラウンドにおいて特定領域12を遊技球が通過しないことで大当たり遊技の終了後に高確率状態(確変状態)となることが決定しなかった場合においても、遊技者は、その後の第12ラウンドにおいて、再度、特定領域12に遊技球を通過させる機会を得ることができる。
しかしながら、特定領域有効期間は、これに限定されない。遊技機Yは、例えば第8ラウンドの特定領域有効期間において遊技球が特定領域12を通過することで大当たり遊技の終了後に高確率状態(確変状態)となることが決定し、高確率状態指定フラグがONに設定された場合には、その後の第12ラウンドにおいては、特定領域有効期間を設定しないようにしてもよい。
或いは、遊技機Yは、予め、1つのラウンド(例えば第8ラウンドのみ)において特定領域有効期間を設定するようにしてもよい。
【0442】
また、上述の本実施の形態では、遊技機Yは、第8ラウンド開始直前のインターバル及び第8ラウンドの第2大入賞口9の開放時間と、第12ラウンド開始直前のインターバル及び第12ラウンドの第2大入賞口9の開放時間において報知Aを行うようにした。
しかしながら、これに限定されず、遊技機Yは、例えば第8ラウンドの特定領域有効期間において遊技球が特定領域を通過し、大当たり遊技の終了後に高確率状態(確変状態)となることが決定し、高確率状態指定フラグがONに設定された場合には、第12ラウンド開始直前のインターバル及び第12ラウンドの第2大入賞口9の開放時間においては、報知Aに代えて報知Bを行うようにしてもよい。
【0443】
また、本実施の形態においては、大当たり遊技の種類は、上述したものに限定されない。例えば、第1ラウンドから第8ラウンドまでは、図8(a)に示す第1ラウンドから第8ラウンドまでと同様の長時間(最大29.5秒)の開放制御を行い、第9ラウンドから第16ラウンドまでは、図8(c)に示す第9ラウンドから第16ラウンドまでと同様の短時間(0.1)秒の開放制御を行う大当たり遊技であってもよい。
この大当たり遊技の場合、当たりのラウンド数としては16ラウンドではあるが、賞球獲得可能なラウンド数としては8ラウンドである。したがって、この大当たり遊技は、この賞球獲得可能なラウンドのうちの第8ラウンドでのみ、特定領域12に遊技球を通過させて大当たり遊技の終了後の確変状態を決定させることが可能な、所謂「実質8R確変大当たり」とすることができる。
【0444】
さらに、上述の本実施の形態の遊技機Yは、特定領域有効期間を第8ラウンド及び第12ラウンドにおいて設定した。しかしながら、特定領域有効期間を設定するラウンドは、第8ラウンド及び第12ラウンドに限定されず、他のラウンドであってもよい。
或いは、全てのラウンドにおいて特定領域有効期間を設け、その特定領域有効期間の長さを任意に設定してもよい。この場合、最も長い特定領域有効期間が設定されたラウンドの直前のインターバルの開始時に第1の報知A(事前報知)を行い、その特定領域有効期間が設定されたラウンドの開始時に第2の報知A(開放中報知)を行うようにしてもよい。
【0445】
また、メインCPU101aが特定領域有効期間設定フラグをONに設定したことに基づいてこの特定領域有効期間設定フラグに応じた特定領域有効期間設定コマンドを演出制御基板102に送信し、サブCPU102aがこの特定領域有効期間設定コマンドを受信したことに基づいて、特定領域有効期間の開始時に、報知Aを行うようにしてもよい。
或いは、特定領域有効期間の開始時に、第2大入賞口9内部の遊技球の振分装置(スライド部材120A又は可動弁)が遊技球を特定領域12に入球可能とするように作動した際の、その作動を示す振分装置作動コマンドが主制御基板101から演出制御基板102に送信され、サブCPU102aが、この振分装置作動コマンドに基づいて報知Aを行うようにしてもよい。
【0446】
また、上述した本実施の形態では、第1大入賞口8及び第2大入賞口9は、何れも遊技領域2Aの右側に設けられているが、第1大入賞口8と第2大入賞口9は、遊技球発射操作装置3によって遊技球を打ち分けることが可能な別々の位置に設けるようにしてもよい。
【0447】
また、本実施の形態における遊技機Yは、大当たり遊技の終了後は所定変動回数が経過するまでの間、高確率状態が設定される、所謂「ST(Special Time)機」と呼ばれる遊技機である。なお、遊技機Yは、ST機に限らず、次の大当たりに当選するまで高確率状態が継続する(若しくは10000回確変の)遊技機であってもよい。
【0448】
このように、本実施の形態における遊技機は、大当たり遊技を行うと判定された場合に、遊技領域に設けられた少なくとも1つの大入賞口を開閉させるラウンド遊技を複数回実行する大当たり遊技を行う。
そして、この遊技機は、大当たり遊技が行われているときに大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過することを条件に、大当たり遊技の終了後に、遊技状態を遊技者にとって有利な遊技状態である高確率状態に制御する。
そして、この遊技機は、第1の大当たり遊技を行うと判定された場合には、所定のラウンドにおいて大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過し易い開閉制御を行う大当たり遊技を行い、これとは別の第2の大当たり遊技を行うと判定された場合には、所定のラウンド遊技において大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過し難い開閉制御を行う大当たり遊技を行う。
そして、この遊技機は、大当たり遊技における少なくとも第1ラウンドにおいては、大入賞口を狙って遊技球を流下させるべきことを示す報知を行い、所定のラウンドの際にも、大入賞口を狙って遊技球を流下させるべきことを示す報知を行う。
【0449】
また、本実施の形態における遊技機は、図8及び図48に示すように、大当たり遊技において所定のラウンド直前のインターバルは、5.0秒であり、他のインターバル(2.0秒)よりも長く設定している。
【0450】
また、本実施の形態における遊技機は、何れの大当たり遊技であっても、第1ラウンドの際には、第1大入賞口8を狙って遊技球を流下させるべきことを示す報知を行う。そして第1の大当たり遊技における所定のラウンドの際には、第2大入賞口9を狙って遊技球を流下させるべきことを示す報知を行い、これとは別の第2の大当たり遊技の所定のラウンドにおいては、このような報知を行わないようにする。
【0451】
上述した遊技機に設けられている各構成要素は、単なる一例に過ぎず他の構成であっても、本発明の範囲を逸脱しなければ本発明を実現できることは言うまでもない。
【0452】
以上、本発明を実施形態を用いて詳細に説明してきたが、上述の説明はあくまでも例示に過ぎず、その範囲は限定されるものではない。
【0453】
Y 遊技機
6 第1始動口
6a 第1始動口検出センサ
7 第2始動口
7a 第2始動口検出センサ
8 第1大入賞口
8a 第1大入賞口検出センサ
9 第2大入賞口
9a 第2大入賞口検出センサ
12 特定領域(所定領域)
12a 特定領域検出センサ
14 画像表示装置
80 大入賞口制御装置
101 主制御基板
101a メインCPU
101b メインROM
101c メインRAM
102 演出制御基板
102a サブCPU
102b サブROM
102c サブRAM
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変動表示結果が特別表示結果となると複数のラウンドに亘って大入賞口が、遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能な閉鎖状態とに制御される特別遊技状態を発生させる遊技機において、
前記特別遊技状態において前記大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過した場合、該特別遊技状態が終了した後、通常遊技状態に比べて前記特別表示結果となり易い特定遊技状態に制御する一方、前記特別遊技状態において、前記大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過しなかった場合、該特別遊技状態が終了した後、前記通常遊技状態に制御する遊技状態制御手段を備え、
前記特別遊技状態には、第1特別遊技状態と、該第1特別遊技状態よりも遊技球が前記特定領域を通過し易い第2特別遊技状態と、があり、
前記大入賞口は、遊技領域のうちの右側領域を流下する遊技球が入球可能に配置され、
前記複数のラウンドにおいて、前記大入賞口に遊技球を入球させることを遊技者が認識可能な画像を表示装置に表示する表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、
前記第1特別遊技状態においては、前記複数のラウンドのうち特定ラウンドが開始される前に、前記特定領域に遊技球を入球させることを遊技者が認識可能な画像を前記表示装置に表示しない一方、
前記第2特別遊技状態においては、前記特定ラウンドが開始される前に、前記特定領域に遊技球が通過し易い状態となることを遊技者が認識可能な画像を前記表示装置に表示した後、前記特定領域に遊技球を入球させることを遊技者が認識可能な画像を前記表示装置に表示する、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記表示制御手段により前記表示装置に表示される前記画像とは異なる表示態様で、前記複数のラウンドにおいて前記右側領域に遊技球を流下させることを表示する表示手段を備え、
前記表示手段は、
前記表示装置に表示される前記画像の種類に関わらず、少なくとも前記特別遊技状態が終了するまでの間、前記右側領域に遊技球を流下させることを表示する、ことを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2019-03-07 
結審通知日 2019-03-11 
審決日 2019-03-25 
出願番号 特願2014-252994(P2014-252994)
審決分類 P 1 41・ 852- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 澤田 真治  
特許庁審判長 平城 俊雅
特許庁審判官 川崎 優
鉄 豊郎
登録日 2017-08-04 
登録番号 特許第6186343号(P6186343)
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人エビス国際特許事務所  
代理人 特許業務法人 エビス国際特許事務所  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ