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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01L
管理番号 1351249
審判番号 不服2017-6593  
総通号数 234 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-06-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-05-09 
確定日 2019-05-22 
事件の表示 特願2014-257046「フェムト秒レーザ及びプラズマエッチングを用いたウェハダイシング」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 6月11日出願公開、特開2015-109450、請求項の数(15)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,2011年(平成23年)6月20日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2011年6月15日,2010年6月22日,米国)を国際出願日とする出願である特願2013-516658号の一部を平成26年12月19日に新たな出願としたものであって,その手続の経緯は以下のとおりである。
平成28年 3月29日付け 拒絶理由通知書
平成28年 9月29日 意見書・手続補正書の提出
平成29年 1月18日付け 拒絶査定
平成29年 5月 9日 審判請求書の提出
平成30年 6月28日付け 拒絶理由通知書
平成31年 1月 1日 意見書・手続補正書の提出

第2 原査定の概要
原査定(平成29年1月18日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

この出願の請求項1ないし7に係る発明は,以下の引用文献1に記載された発明に基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>
引用文献1 米国特許出願公開第2010/0129984号明細書

第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由(平成30年6月28日付け拒絶理由)の概要は次のとおりである。

この出願の請求項1ないし15に係る発明は,以下の引用文献2ないし7に記載された発明に基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>
引用文献2 特開2008-193034号公報
引用文献3 特表2007-533139号公報
引用文献4 特表2011-517368号公報
引用文献5 国際公開第2010/080983号
引用文献6 特開2010-165963号公報
引用文献7 特表2011-517622号公報

第4 本願発明
本願請求項1ないし15に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明15」という。)は,平成31年1月1日提出の手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし15に記載された事項により特定される発明であり,本願発明1ないし15は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
複数の集積回路を含む半導体ウェハをダイシングするシステムにおいて、
アーム又はブレードを備えるロボットを含むファクトリインタフェースと、
前記ファクトリインタフェースに連結されたレーザスクライブ装置と、
ロードロックにより前記ファクトリインタフェースに連結され、プラズマエッチングチャンバと、前記プラズマエッチングチャンバに連結された搬送チャンバを備えるクラスタツールを備え、
前記レーザスクライブ装置は前記クラスタツールに含まれず、半導体ウェハは前記レーザスクライブ装置から前記ファクトリインタフェースの前記ロボットに搬送され、前記ファクトリインタフェースの前記ロボットから、前記クラスタツールの前記ロードロックを介して、前記クラスタツールの前記搬送チャンバに搬送され、前記クラスタツールの前記搬送チャンバから前記プラズマエッチングチャンバに搬送されるシステム。
【請求項2】
前記レーザスクライブ装置が、半導体ウェハの集積回路間のストリートのレーザアブレーションを実行するように構成され、前記プラズマエッチングチャンバが、前記レーザアブレーションの後に、前記半導体ウェハをエッチングして、前記集積回路を個片化するように構成された請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記クラスタツールが、前記半導体ウェハの前記集積回路上にマスク層を形成するように構成された成膜チャンバを含む請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記クラスタツールが、前記レーザアブレーション又は前記エッチングの後に前記半導体ウェハを洗浄するように構成されたウェット/ドライステーションを含む請求項2記載のシステム。
【請求項5】
前記フェムト秒ベースのレーザの波長が約540ナノメートル以下であり、レーザパルス幅が約400フェムト秒以下である請求項1記載のシステム。
【請求項6】
プラズマエッチングチャンバは高密度プラズマを生成するように構成される請求項1記載のシステム。
【請求項7】
成膜チャンバはポリマ層を堆積するように構成される請求項3記載のシステム。
【請求項8】
計量ステーションを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項9】
システムの全体的設置面積は、約3500mm×3800mmである、請求項1記載のシステム。
【請求項10】
レーザスクライブ装置は、フェムト秒ベースのレーザを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項11】
複数の集積回路を含む半導体ウェハをダイシングするためのシステムであって、
アーム又はブレードを備えるロボットを含むファクトリインタフェースと、
前記ファクトリインタフェースに結合され、フェムト秒ベースのレーザを含むレーザスクライブ装置であって、半導体ウェハの集積回路間のストリートのレーザアブレーションを実行するように構成されるレーザスクライブ装置と、
ロードロックにより前記ファクトリインタフェースに結合されたクラスタツールであって、
レーザアブレーションに続いて集積回路を個片化するために半導体ウェハをエッチングするように構成されたプラズマエッチングチャンバと、
前記プラズマエッチングチャンバに連結された搬送チャンバと、
前記半導体ウェハの集積回路の上方にマスク層を形成するように構成された成膜チャンバと、
レーザアブレーション又はエッチングに続いて、前記半導体ウェハを洗浄するように構成されたウェット/ドライステーションとを含むクラスタツールとを含み、
前記レーザスクライブ装置は、前記クラスタツールに含まれておらず、
システムの全体的設置面積は、約3500mm×3800mmであり、
前記半導体ウェハは前記レーザスクライブ装置から前記ファクトリインタフェースの前記ロボットに搬送され、前記ファクトリインタフェースの前記ロボットから、前記クラスタツールの前記ロードロックを介して、前記クラスタツールの前記搬送チャンバに搬送され、前記クラスタツールの前記搬送チャンバから前記プラズマエッチングチャンバに搬送されるシステム。
【請求項12】
フェムト秒ベースのレーザは、約540ナノメートル以下の波長と、約400フェムト秒以下のレーザパルス幅を有する、請求項11記載のシステム。
【請求項13】
プラズマエッチングチャンバは、高密度プラズマを生成するように構成される、請求項11記載のシステム。
【請求項14】
成膜チャンバは、ポリマ層を堆積させるように構成される、請求項11記載のシステム。
【請求項15】
計量ステーションを含む、請求項11記載のシステム。」

第5 引用文献,引用発明等
1 引用文献1記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には,図面とともに次の事項が記載されている。(下線は,当審で付与した。以下,同じ。)

「[0002] 1. Field of the Invention
[0003] The present invention relates to a field of semiconductor fabrication and, more specifically, to an apparatus for and method of singulating a wafer in high volume manufacturing.」
(当審訳:[0002] 1.発明の分野
[0003] 本発明は,半導体製造の分野に関し,より具体的には,大量生産において,ウェハを個片化するための装置および方法に関するものである。)

「[0018] In an embodiment of the present invention, the substrate 300 includes a hermetic passivation layer, such as silicon nitride or polyimide.」
(当審訳:[0018] 本発明の一実施形態では,基板300は,気密パッシベーション層は,窒化シリコンまたはポリイミド等を含む。)

「[0033] In an embodiment of the present invention, wafer dicing removes bulk material, such as Silicon, from the remaining thickness of the substrate 300 by a process of ablation.
[0034] Wafer dicing is also known as wafer singulation. In an embodiment of the present invention, wafer dicing removes bulk material, such as Silicon, from the remaining thickness of the substrate 300 by a process of laser-assisted chemical etching.」
(当審訳:[0033] 本発明の一実施形態において,ウェハダイシングは,アブレーションのプロセスによって,基板300の残りの厚さから,シリコンなどのバルク材料を除去する。
[0034] ウェハダイシングは,ウェハの個片化として知られている。本発明の一実施形態において,ウェハダイシングは,レーザアシスト化学エッチングのプロセスによって,基板300の残りの厚さから,シリコンなどのバルク材料を除去する。)

「[0045] Next, a singulation apparatus 10 according to the present invention that performs laser scribing and laser-assisted chemical etching will be described. In an embodiment of the present invention as shown in FIG. 1, a substrate transport mechanism 430 transfers the mounted substrate 300 and tape frame from a cartridge, cassette, or magazine in and out of the singulation apparatus 10. In an embodiment of the present invention, the singulation apparatus 10 includes two substrate transport mechanisms 430 to improve throughput and tool uptime.」
(当審訳:[0045] 次に、レーザスクライブ及びレーザアシスト化学エッチングを行う本発明の個片化装置10について説明する。図1に示すように、本発明の一実施形態では、基板搬送機構430は、実装基板300とテープフレームをカートリッジ、カセットまたはマガジンから個片化装置10へ転送する。本発明の一実施形態では、個片化装置10には2つの基板搬送機構430を備えてスループットおよび稼働率を向上させる。)

「[0057] In an embodiment of the present invention, the singulation apparatus 10 includes at least one process chamber 1010 inside the enclosure 1000. During operation, the process chamber 1010 is sealed off from an environment surrounding the enclosure 1000.」
(当審訳:[0057] 本発明の一実施形態では、個片化装置10は、少なくとも1つのプロセスチャンバ1010が筐体1000に内設される。動作中、プロセスチャンバ1010は、筐体1000により周囲の環境から密封されている。)

「[0096] In an embodiment of the present invention, the laser beam 200 is from an excimer laser. In an embodiment of the present invention, the laser beam 200 has a wavelength of 351 nm (XeF). In an embodiment of the present invention, the laser beam 200 has a wavelength of 308 nm (XeCl). In an embodiment of the present invention, the laser beam 200 has a wavelength of 248 nm (KrF). In an embodiment of the present invention, the laser beam 200 has a wavelength of 193 nm (ArF). In an embodiment of the present invention, the laser beam 200 has a wavelength of 157 nm (F_(2)).」
(当審訳:[0096] 本発明の一実施形態において,レーザビーム200は,エキシマレーザからのものである。本発明の一実施形態において,レーザビーム200は351nm(XeF)の波長を有する。本発明の一実施形態において,レーザビーム200は,308nm(XeCl)の波長を有する。本発明の一実施形態において,レーザビーム200は,248nm(KrF)の波長を有する。本発明の実施形態では,レーザビーム200は,193nm(ArF)の波長を有する。本発明の一実施形態において,レーザビーム200は,157nm(F_(2))の波長を有する。)

「[0100] In an embodiment of the present invention, the laser beam 200 is a femtosecond laser with a pulse width of 5-35 (10^(-15)) femtoseconds. In an embodiment of the present invention, the laser beam 200 is a femtosecond laser with a pulse width of 35-175 (10^(-15)) femtoseconds. In an embodiment of the present invention, the laser beam 200 is a femtosecond laser with a pulse width of 175-525 (10^(-15)) femtoseconds.」
(当審訳:[0100] 本発明の一実施形態において,レーザビーム200は,5-35(10^(-15))フェムト秒のパルス幅を有するフェムト秒レーザである。本発明の一実施形態において,レーザビーム200は,35-175(10^(-15))フェムト秒のパルス幅を有するフェムト秒レーザである。本発明の一実施形態において,レーザビーム200は,175-525(10^(-15))フェムト秒のパルス幅を有するフェムト秒レーザである。)

「[0189] In an embodiment of the present invention, the robots in the substrate transport mechanism 430 are articulated to provide random access to various processing chambers 1010, 1020.
[0190] In an embodiment of the present invention, the singulation apparatus 10 includes multiple process chambers 1010, 1020 arranged in a horizontal plane. In an embodiment of the present invention, the multiple process chambers 1010, 1020 are arranged from left to right. In an embodiment of the present invention, the multiple process chambers 1010, 1020 are arranged from front to back. In an embodiment of the present invention, the multiple process chambers 1010, 1020 are arranged radially in a horizontal plane.」
(当審訳:[0189] 本発明の一実施形態では,基板搬送機構430のロボットは,種々のプロセスチャンバ1010,1020へのランダムアクセスを提供するように連接されている。
[0190] 本発明の一実施形態では,個片化装置10は,水平面内に配置された複数のプロセスチャンバ1010,1020を含む。本発明の実施形態では,複数のプロセスチャンバ1010,1020は,左から右に配置されている。本発明の一実施形態では,複数のプロセスチャンバ1010,1020は,前方から後方に配置されている。本発明の一実施形態では,複数のプロセスチャンバ1010,1020は,水平平面内で半径方向に配置されている。)

「[0194] In an embodiment of the present invention, the multiple process chambers 1010, 1020 offer a choice of different processes in parallel for different products.
[0195] In an embodiment of the present invention, the multiple process chambers 1010, 1020 run different processes in series, such as in sequential processing of a product.」
(当審訳:[0194] 本発明の一実施形態では、複数のプロセスチャンバ1010,1020は,異なる製品のために並行に異なるプロセスの選択を提供する。
[0195] 本発明の実施形態では,複数のプロセスチャンバ1010,1020は,一連の順次処理のような異なるプロセスを実行する。)

「[0197] In an embodiment of the present invention, the different processes include (a) a laser scribe process, such as with small energy pulses at a high repetition rate, to remove surface layers, such as metal and oxide, of the substrate 300 with a thickness of about 10 um, followed by (b) a laser dice process, such as with large energy pulses, to etch underlying layers, such as bulk silicon in the substrate 300.」
(当審訳:[0197] 本発明の異なるプロセスは、(a)レーザスクライブプロセスによって,高繰り返し率での小さいエネルギーパルスを用いるなどして,基板300の厚さ約20μmの表面層,例えば,金属及び酸化物を除去し,続いて,(b)レーザ切断プロセスによって,大きなエネルギーパルスを用いるなどして,基板内300のバルクシリコンのような,下層をエッチングする。)

「[0213] In an embodiment of the present invention, the substrate 300 is cleaned with a plasma.」
(当審訳:[0213] 本発明の実施形態では,基板300はプラズマで洗浄される。)

上記記載から,引用文献1には,以下の発明(以下,「引用発明1」という。)が記載されている。

「ウェハを個片化するための装置であって,
筐体1000にプロセスチャンバ1010,1020が内設され,筐体1000により,プロセスチャンバ1010,1020が周囲の環境から密封され,
筐体内1000の基板搬送機構430のロボットは,プロセスチャンバ1010,1020へのランダムアクセスを提供するように連接され,
プロセスチャンバ1010,1020は,一連の順次処理のような異なるプロセスを実行し,
異なるプロセスは,フェムト秒ベースのレーザを用いた,レーザスクライブプロセス及び,続いて行われるレーザ切断プロセスである,
ウェハを個片化するための装置。」

2 引用文献2記載事項
当審の拒絶の理由に引用された引用文献2には,図面とともに次の事項が記載されている。

「【技術分野】
【0001】
本発明は、スクライブラインにテストパターンが形成された半導体ウェハを個々の集積回路毎に分割して半導体チップを製造する半導体チップの製造方法に関するものである。」

「【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の半導体チップの製造方法に用いられる半導体ウェハの詳細説明図、図2は本発明の一実施の形態の半導体チップの製造方法を示すフロー図、図3は本発明の一実施の形態の半導体チップの製造方法を示す工程説明図、図4は本発明の一実施の形態の半導体チップの製造方法において使用されるレーザ加工装置の斜視図、図5は本発明の一実施の形態の半導体チップの製造方法における半導体ウェハの部分断面図、図6は本発明の一実施の形態の半導体チップの製造方法において使用されるプラズマ処理装置の断面図、図7、図9は本発明の一実施の形態の半導体チップの製造方法を示す工程説明図、図8は本発明の一実施の形態の半導体チップの製造方法における半導体ウェハの部分斜視図である。
【0010】
まず図1を参照して、本実施の形態における半導体チップの製造に用いられる半導体ウェハ1について説明する。図1において半導体ウェハ1は、各半導体チップを切り分けるために格子状に配列されたスクライブライン2aによって、複数の矩形状のチップ領域2(領域)に区画されている。半導体ウェハ1の回路形成面である表面1aにおいて、各チップ領域2にはそれぞれ集積回路3が形成されており、スクライブライン2aにはテストパターン4が形成されている。テストパターン4は、半導体チップの製造工程において特性試験などに用いられ、その機能を果たした後に除去されるものである。本実施の形態に示す半導体チップの製造方法は、半導体ウェハ1をプラズマエッチングを用いたプラズマダイシングによって個々の集積回路3毎に分割して、個片の半導体チップを製造するものである。
【0011】
次に、半導体チップの製造方法の詳細工程について、図2のフローに沿って各図を参照しながら説明する。図2において、まず表面1aに集積回路3およびテストパターン4が形成された半導体ウェハ1を対象として(図3(a)参照)、保持シート貼り付け(ST1)および保護シート貼り付け(ST2)が実行される。なお、ここに示す保持シート貼り付け(ST1)および保護シート貼り付け(ST2)は、どちらを先に行ってもよい。
【0012】
すなわち図3(b)に示すように、表面1aの反対側の裏面1b側に、半導体ウェハ1が個片に分割された状態の半導体チップを保持するための保持シート8を貼り付ける。保持シート8は、後工程のダイボンディングにおいて半導体チップを接着するための接着層として機能するダイアタッチフィルム6と樹脂シート7とを積層した構成となっており、この保持シート貼り付けにおいてはダイアタッチフィルム6を裏面1bに接触させて貼着する。ここでは、樹脂シート7として紫外光によって粘着力が低下する粘着層を備えたUVテープを用いるようにしており、後工程のダイボンディング工程において下面側から紫外光を照射することにより、個片の半導体チップの取り出しを容易に行うことができる。
【0013】
また表面1a側には、回路形成面を保護する保護シート5が貼り付けられる。ここでは、保護シート5として光によって粘着力が低下する粘着層を有する樹脂シートであるUVテープを使用する。そして本実施の形態においては、後述するように、半導体ウェハ1に貼り付けられた保護シート5において、スクライブライン2aに相当する範囲を除去して、半導体ウェハ1を個片の半導体チップに分割するためのプラズマエッチングにおけるマスクとして機能させるようにしている。
【0014】
すなわち、(ST1)、(ST2)においては、半導体ウェハ1において集積回路3が形成された側の表面1aにプラズマエッチングにおけるマスクとなる保護シート5を貼り付け、さらに裏面1bに個片に分割された状態の半導体チップを保持するための保持シート8を貼り付ける(シート貼り付け工程)。そしてここでは保持シート8として、ダイアタッチフィルム6を備えた樹脂シート7を使用し、シート貼り付け工程においてこのダイアタッチフィルム6を半導体ウェハ1の裏面1bに接触させて、この保持シート8を貼り付けるようにしている。
【0015】
次に、テストパターン4の除去が行われる(ST3)。ここでは、図4に示すレーザ加工装置10を用い、レーザ光によって保護シート5をスクライブライン2aに沿って除去して、上述のプラズマエッチングにおけるマスクを形成するマスク形成処理と同時に、テストパターン4の除去が行われる。
【0016】
レーザ加工装置10の構造を図4を参照して説明する。図4において、ウェハ保持部11上には表面に保護シート5が貼り付けられた半導体ウェハ1が保持されている。ウェハ保持部11の上方には、レーザ照射部9およびカメラ19が装着された移動プレート18が、移動機構17によって移動自在に配設されている。レーザ照射部9はレーザ発生部14によって発生したレーザ光9aを下方の半導体ウェハ1に対して照射する。
【0017】
カメラ19は赤外線カメラであり、下方に位置した半導体ウェハ1を赤外光により撮像する。このとき、保護シート5を透視して半導体ウェハ1の集積回路3や認識マークなどを撮像することができる。そして撮像結果を認識部16によって認識処理することにより、半導体ウェハ1における集積回路3やスクライブライン2aの配列位置を検出できるようになっている。
【0018】
レーザ発生部14、認識部16、移動機構17は制御部15によって制御され、制御部15が操作・入力部12からの操作指令に基づきこれら各部を制御する際には、ワークデータ記憶部13に記憶されたデータが参照される。ワークデータ記憶部13には、スクライブライン2aの配列位置に関するデータや、スクライブライン2aの幅であるダイシング幅に関するデータが記憶されている。ダイシング幅は、図3(b)に示すように、保護シート5において半導体ウェハ1におけるスクライブライン2aに対応する領域、すなわち境界線領域5aの幅に一致する。ワークデータ記憶部13へのデータ書き込みは、操作・入力部12によって行えるようになっている。
【0019】
このレーザ加工装置10によって半導体ウェハ1を対象としたレーザ加工を実行する際には、制御部15は、認識部16によって検出された半導体ウェハ1の実際の位置と、ワークデータ記憶部13に記憶されたスクライブライン2aの位置を示すデータに基づき、移動機構17を制御する。これにより、移動機構17はレーザ照射部9を半導体ウェハ1の上面においてスクライブライン2aに沿って移動させる。そして制御部15がダイシング幅に関するデータに基づいてレーザ発生部14を制御することにより、レーザ照射部9からダイシング幅に応じた除去幅で保護シート5の境界線領域5aを除去するのに適切な出力のレーザ光9aが照射される。そしてこのレーザ加工により、半導体ウェハ1表面の保護シート5において、半導体チップ相互を切り分けるスクライブライン2aに対応した境界線領域5aのみが除去されて、溝状の開口部5bが形成されたプラズマダイシング用のマスクパターンが形成される。
【0020】
半導体ウェハ1によるレーザ加工においては、レーザ加工装置10に備えられたレーザ照射部9からレーザ光9aを照射させ、図3(c)に示すように、半導体ウェハ1においてスクライブライン2aに沿ってレーザ照射部9を移動させる。これにより、図3(d)に示すように、レーザ照射部9から照射されるレーザ光9aによって境界線領域5aを除去して保護シート5を貫通する開口部5bを形成するとともに、半導体ウェハ1の表面1aに形成されたテストパターン4をレーザ光9aによって除去する。
【0021】
すなわち(ST3)においては、保護シート5が貼り付けられた半導体ウェハ1のスクライブライン2aに沿ってレーザ光9aを保護シート5側から照射することにより、スクライブライン2a上の保護シート5を前述のダイシング幅に相当する所定幅だけ除去してプラズマダイシングのマスクを形成するとともに、半導体ウェハ1においてスクライブライン2aに相当する位置に形成されていたテストパターン4を、半導体ウェハ1の表面層とともに除去する(テストパターン除去工程)。
【0022】
図5は、このテストパターン除去工程後の開口部5bの詳細を図示している。レーザ加工においては、保護シート5においてスクライブライン2aに対応する境界線領域5aの樹脂成分がレーザ光9aによって除去されて開口部5bが形成される。そして開口部5bの底部が保護シート5の下面まで到達した後は、レーザ光9aの作用は半導体ウェハ1の表面1aに及ぶようになる。これにより表面1aにおいてスクライブライン2aの位置に存在していたテストパターン4が半導体ウェハ1の表面層とともに除去され、レーザ光9aの作用はさらに半導体ウェハ1の内部まで及ぶ。このとき、レーザ光9aによって半導体ウェハ1の表面層が除去されて形成された凹部1cの表面には、微小なクラックを含むダメージ層1dが形成される。
【0023】
ダメージ層1dはそのまま放置すると半導体ウェハ1の強度を低下させるため除去しなければならない。本実施の形態においては、半導体ウェハ1をプラズマエッチングによって分割するプラズマダイシングの過程において、ダメージ層1dも同時に除去するようにしている。このとき、ダメージ層1dの形成範囲が開口部5bの底部の開口範囲を超えて拡がっているような場合には、ダメージ層1dは部分的に保護シート5の下面に覆われた状態となる(図5に示す矢印a参照)。このような場合には、保護シート5の下面によって覆われた部分にはプラズマエッチングの作用は及ばず、プラズマダイシングによって半導体ウェハ1が個片の半導体チップに分割された後においても、ダメージ層1dが部分的に残留する場合が生じる。
【0024】
このため、このような有害なダメージ層1dをプラズマダイシングにおいて完全に除去することを可能とするための処理、すなわちプラズマエッチングによって保護シート5の開口部5bの開口幅を拡げ、ダメージ層1dを全て開口部5bの底部に露呈させるためのアッシングが実行される(ST4)。このアッシングは、プラズマダイシング工程に先立って、レーザ光9aによって除去された保護シート5の開口部5bの開口幅を拡げるための予備的なプラズマエッチングを行うことにより実行される。
【0025】
次いで、プラズマダイシングが実行される。すなわち、テストパターン除去工程の後、保護シート5が除去された半導体ウェハ1の、前述のダイシング幅(所定幅)に対応する部分をプラズマエッチングすることにより、レーザ光9aの照射によって生じたダメージ層1dを除去するとともに、半導体ウェハ1を個々の集積回路3毎に分割する(プラズマダイシング工程)。
【0026】
ここで、上述の予備的なプラズマエッチングおよびプラズマダイシングにおいて使用されるプラズマ処理装置20について、図6を参照して説明する。図6において、真空チャンバ21の内部は半導体ウェハ1を対象としたプラズマ処理を行うための密閉された処理空間となっている。真空チャンバ21の内部には高周波側電極22およびガス供給電極23が対向して配置されている。高周波側電極22上には、処理対象の半導体ウェハ1が周囲を絶縁リング22aによって囲まれた状態で載置され、真空吸引または静電吸引によって保持される。
【0027】
ガス供給電極23に設けられたガス供給孔23aには、開閉バルブ25a、25bおよび流量制御バルブ26a、25bを介してそれぞれプラズマ発生用ガス供給部27a、27bが接続されている。プラズマ発生用ガス供給部27aは、保護シート5やダイアタッチフィルム6を除去するアッシングを目的とするプラズマ処理において用いられる酸素または酸素の混合ガスを供給する。プラズマ発生用ガス供給部27bは、半導体ウェハ1の主成分であるシリコンを除去してダイシング溝を形成することを目的とするプラズマダイシングにおいて用いられるフッ素系のプラズマ発生用ガスを供給する。開閉バルブ25a、25bおよび流量制御バルブ26a、25bを制御することにより、ガス供給孔23aに供給されるプラズマ発生用ガスの種類の切換および供給流量の調整が行えるようになっている。
【0028】
供給されたプラズマ発生用ガスは、ガス供給電極23の下面に装着された多孔質プレート24を介して、高周波側電極21上の半導体ウェハ1に対して均一に吹き付けられる。この状態で、高周波電源部28を駆動して高周波側電極22に高周波電圧を印加することにより、ガス供給電極23と高周波側電極22との間には酸素ガスのプラズマまたはフッ素系ガスのプラズマが発生し、これによりそれぞれの場合において目的とするプラズマ処理が実行される。このプラズマ処理過程においては、冷却ユニット29を駆動して冷媒を高周波電極22内に循環させ、プラズマの熱によって半導体ウェハ1が昇温するのを防止する。
【0029】
すなわち(ST3)後の半導体ウェハ1を対象として、酸素ガスまたは酸素ガスの混合ガスをプラズマ発生用ガスとするプラズマ処理を実行することにより、図7(a)に示すように、保護シート5に開口部5bが設けられた半導体ウェハ1に対して酸素ガスプラズマP1が作用し、これにより保護シート5や開口部5bの内部には酸素ガスプラズマP1による等方性のエッチング作用が及び、有機物である保護シート5を酸素ガスププラズマP1によって灰化して除去するアッシングが行われる。
【0030】
このアッシングによる効果の詳細を、図8を参照して説明する。図8(a)は、レーザ光によるテストパターン除去後の開口部5bの状態を示している。図8(a)に示すように、レーザ加工後の開口部5bにおいては、内側面5cは平滑面ではなく、微細な筋状の凹凸部が形成された状態となる。そして開口部5bの上端の上縁部5dには、溶融した保護シート5が上方に盛り上がって固化したカエリ部が形成され、また上縁部5dの近傍には一旦溶融した保護シート5の樹脂成分が微粒状に固化したスパッタ5eが付着した状態となり、さらに開口部5bの底部には未除去部分が部分的に残留した残渣5fが存在している。そしてこの状態では、開口部5bの底部における開口幅は保護シート5の上面における開口幅よりも小さいB1となっている。
【0031】
図8(b)は、図8(a)の状態に対して酸素ガスプラズマP1によるアッシングを実行した後の状態を示している。ここに示すように、酸素ガスプラズマP1の等方性エッチング作用により、保護シート5の表面や内側面5cの内部に存在する凹凸部分が平滑化され、内側面5cや上縁部5dは滑らかな表面となり、スパッタ5eや残渣5fは消失する。そしてエッチング作用が内側面5cや開口部5bの底部に及ぶことにより、開口部5bの開口幅は、図8(a)に示すB1よりも大きいB2に拡大する。これにより、図5に示すように、ダメージ層1dが部分的に両端部(矢印a参照)において保護シート5によって覆われていた状態から、図7(a)に示すように、ダメージ層1dが開口部5b内で全
て露呈した状態に改善される。以下に説明するプラズマダイシングは、この状態で行われる。
【0032】
次いでプラズマダイシングが実行される(ST5)。すなわち、プラズマ処理装置20において開閉バルブ25a、25bを操作することにより、プラズマ発生用ガス供給部27bからフッ素系のプラズマ発生用ガスをガス供給孔23aに供給した状態でプラズマを発生させる。そして発生したフッ素ガスプラズマP2を、開口部5b内において露呈した半導体ウェハ1に作用させることにより、図7(b)に示すように、シリコンを主成分とする半導体ウェハ1が開口部5bに対応した除去幅で除去される。
【0033】
これにより、半導体ウェハ1を上下に貫くダイシング溝部1eが形成され、半導体ウェハ1は個片の半導体チップ1*に分割される。このとき、レーザ加工により凹部1cの表面に形成されたダメージ層1dもプラズマの作用によりともに除去されるが、前述のようにダメージ層1dは開口部5b内で完全に露呈されていることからダメージ層1dは完全に除去され、未除去のダメージ層1dが部分的に残留することによる半導体チップの強度低下などの不具合が生じない。
【0034】
すなわち(ST5)においては、テストパターン除去工程の後、半導体ウェハ1において、除去された所定幅の保護シート5、すなわち境界線領域5aに対応する部分をプラズマエッチングすることにより、レーザ加工においてレーザ光9aの照射によって生じたダメージ層1cを除去するとともに、半導体ウェハ1を個々の集積回路3毎に個片の半導体チップ1*に分割する(プラズマダイシング工程)。
【0035】
次いで、DAFプラズマエッチングが実行される(ST6)。ここではレーザ加工装置10において開閉バルブ25a、25bを操作することにより、プラズマ発生用ガスの供給元を再びプラズマ発生用ガス供給部27aに切り換え、プラズマ発生用ガス供給部27aから酸素または酸素の混合ガスをプラズマ発生用ガスとしてガス供給孔23aに供給した状態でプラズマを発生させる。すなわち、図7(c)に示すように、酸素または酸素系のプラズマ発生用ガスを供給することにより発生した酸素ガスプラズマP1を、プラズマダイシング工程において形成されたダイシング溝部1eを介して、ダイアタッチフィルム6に作用させる。
【0036】
これにより、ダイシング溝部1e内に露呈した有機物であるダイアタッチフィルム6が、酸素ガスプラズマP1によって灰化されて除去される。すなわちここではプラズマダイシング工程の後、隣接する個片の半導体チップ1*間のダイアタッチフィルム7を、酸素もしくは酸素を含んだガスによるプラズマでエッチングして除去する。そしてこれにより、ダイシング溝部1eによって分割された複数の個片の半導体チップ1*は、それぞれがダイアタッチフィルム6を介して樹脂シート7によって保持された状態となる。
【0037】
次いで、保護シート5の剥離を容易にするための紫外線照射を行う(ST7)。ここでは半導体ウェハ1の表面1a側から、紫外線を保護シート5に対して照射することにより、保護シート5を表面1aに貼着させる粘着力を低下させる。なお(ST5)において、フッ素系ガスのプラズマからの紫外線が発生するが、この紫外線の光量が保護シート5の粘着力を低下させるのに十分であれば、(ST7)の工程は省略してもよい。そしてこの後、保護シート5を剥離除去するための粘着シート貼付を行う(ST8)。すなわち、図9(a)に示すように、保護シート5の上面側から、粘着シートであるダイボンディングシート30を複数の半導体チップ1*を対象として一括して貼り付ける。なお、(ST7)の紫外線照射と、(ST8)の粘着シート貼付は、紫外線が透過可能なダイボンディングシート30を用いる場合には、どちらを先に行ってもよい。
【0038】
次いで、保護シート5を半導体ウェハ1の表面から除去する保護シート除去を行う(ST9)(保護シート除去工程)。すなわち、図9(b)に示すように、ダイボンディングシート30を上方に引きはがすことにより、それぞれの個片の半導体チップ1*において、保護シート5を上面1aから剥離させる。そしてこれにより、図1に示す半導体ウェハ1を集積回路3毎に個片に分割して製造された半導体チップ1*を、ダイアタッチフィルム6を介して樹脂シート7に保持させた構成の半導体チップの集合体101が完成する。
【0039】
この半導体チップの集合体101は、ウェハリングなどの治具によって保持された状態でダイボンディング工程に送られ、ここで図9(c)に示すように、個片の半導体チップ1*は、1つづつ樹脂シート7から順次取り出される。半導体チップ1*の取り出しに際しては、UVテープである樹脂シート7の下面側から予め紫外線を照射することにより、ダイアタッチフィルム6を貼着する粘着力が低下し、取り出し時の剥離が容易となる。そして取り出された半導体チップ1*は、接着層であるダイアタッチフィルム6を介して基板にボンディングされる。
【0040】
上記説明したように、本実施の形態に示す半導体チップの製造方法においては、半導体ウェハ1において集積回路3が形成された側の表面1aに、ダイシングのためのプラズマエッチングにおけるマスクとなる保護シート5を貼り付け、保護シート5が貼り付けられた半導体ウェハ1のスクライブライン2aに沿ってレーザ光を保護シート5側から照射してスクライブライン2a上の保護シート5を所定幅だけ除去してマスクを形成するとともに、このレーザ光によってテストパターン4を半導体ウェハ1の表面層とともに除去するようにしたものである。」

上記記載から,引用文献2には,以下の発明(以下,「引用発明2」という。)が記載されている。

「半導体ウェハを個々の集積回路毎に分割して半導体チップを製造する半導体チップの製造方法に用いられる装置であって,
プラズマエッチングにおけるマスクとして機能させる半導体ウェハ1に貼り付けられた保護シート5を,スクライブライン2aに沿ってダイシング幅に相当する所定幅だけ除去し,プラズマエッチングにおけるマスクを形成するとともに,半導体ウェハ1においてスクライブライン2aに相当する位置に形成されていたテストパターン4を,半導体ウェハ1の表面層とともに除去する工程(テストパターン除去工程)に使用される,レーザ加工装置10を有し,
テストパターン除去工程の後,保護シート5が除去された半導体ウェハ1の,前記ダイシング幅(所定幅)に対応する部分をプラズマエッチングすることにより,レーザ光の照射によって生じたダメージ層1dを除去するとともに,半導体ウェハ1を個々の集積回路毎に分割する工程(プラズマダイシング工程)において使用される,プラズマ処理装置20を有する,
半導体チップの製造方法に用いられる装置。」

3 引用文献3記載事項
当審の拒絶の理由に引用された引用文献3には,図面とともに次の事項が記載されている。

「【0001】
発明の分野
[0001]本発明の実施形態は、一般的には、インサイチュで金属材料とシリコン材料の多層膜スタック除去処理のための方法及び装置に関する。本発明は、フラットパネルディスプレイのための薄膜トランジスタ製造に特に有用である。」

「【0013】
[0020]図1は、大面積基板(例えば、少なくとも0.25平方メートルのデバイス側表面積を有する基板)上に形成される異なる材料を含む膜スタックのインサイチュ処理(即ち、ツールから基板を取り出さずに)のために構成された半導体処理システム又はクラスタツール100を示す一実施形態である。例示的な処理ツール100は、一般的には、1つ以上のプロセスチャンバ104A-Eによって取り囲まれた搬送チャンバ102と、ファクトリインタフェース110と、1つ以上のロードロックチャンバ106と、ポストエッチング残渣除去ステーション142とを含む。処理ツール100は、任意にコーティングステーション140を含んでもよい。図1に示された実施形態においては、搬送チャンバ102で維持される真空環境とファクトリインタフェース110で維持されるほぼ周囲環境との間で基板搬送を容易にするために、1つのロードロックチャンバ106が搬送チャンバ102とファクトリインタフェース110との間に配置される。搬送ロボット108は、チャンバ104A-E、106の間に基板を移動させるために搬送チャンバ102の中央に配置される。本発明から利益を得るように適合させることができる処理システムの一例は、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社の子会社のAKTから入手できる25KPECVD処理システムである。膜スタックのインサイチュエッチングのための方法及び装置は例示的な処理ツール100によって本明細書に記載されるが、本発明は異なる構成を有する他の処理システムに適合させ実施されてもよいことが企図される。例えば、システム100は単一チャンバ内に複数の処理領域から構成されてもよいことが企図される。
【0014】
[0021]ファクトリインタフェース110は、一般的には、1つ以上の基板ストレージカセット114、インタフェースロボット116、ポストエッチング残渣除去ステーション142、コーティングステーション140を収容する。各カセット114は、その中に複数の基板112を保管するように構成される。基板112は、典型的には、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニタ、大面積スクリーンテレビ、PDAや携帯電話のディスプレイ等の製造に適したガラス材料から形成される。インタフェースロボット116は、一般的には、カセット114とポストエッチング残渣除去ステーション142と搬送チャンバ102との間に基板を移動させるように構成される。ファクトリインタフェース110は、一般的には、大気圧或いは大気圧付近に維持される。一実施形態においては、ろ過された空気をファクトリインタフェース110に供給して、ファクトリインタフェース110内のパーティクル濃度を最小限にし、対応して基板清浄度が高められる。」

【図1】

4 引用文献4記載事項
当審の拒絶の理由に引用された引用文献4には,図面とともに次の事項が記載されている。

「【0001】
(発明の分野)
本発明の実施形態は、概ね、半導体処理システムに関する。特に、本発明の実施形態は半導体製造中に基板の背面からポリマーを除去するのに用いられる半導体処理システムに関する。」

「【0044】
図4は本発明を実行するのに好適なポリマー除去チャンバ100及び基板処理チャンバ302の一実施形態を含む例示的な処理システム400の概略平面図である。一実施態様において、プロセスシステム400はカリフォルニア州サンタクララにあるアプライドマテリアルズ社から市販されているCENTURA(商標名)インテグレーテッドプロセッシングシステムであるかもしれない。(他のメーカーからの他の装置を含む)他の処理システムも本発明の恩恵を受けることは考えられる。
【0045】
システム400は真空処理プラットフォーム404、ファクトリインターフェース402、及びシステムコントローラ444を含む。プラットフォーム404は複数のプロセスチャンバ100、302、420、432、450を含み、真空基板搬送チャンバ436に結合された少なくとも1つのロードロックチャンバ422を含む。1つのロードロックチャンバ422が図4に示されている。ポリマー除去チャンバ100は、通常、従来のシステムのロードロックチャンバがあった位置に置かれ、主要な処理チャンバの大きな変更若しくは損失なしに現存する装置構成に組み込まれ得る。ファクトリインターフェース402はロードロックチャンバ422により搬送チャンバ426に接続され結合される。一実施態様において、複数のプロセスチャンバは、上述したような、少なくとも1つのポリマー除去チャンバ100と、1つ以上の図3の基板処理リアクタ302を含む。
【0046】
一実施態様において、ファクトリインターフェイス402は、基板110の搬送を行うために少なくとも1つのドッキングステーション408と少なくとも1つのファクトリインターフェースロボット414を含む。ドッキングステーション408は、少なくとも1つ以上の上面開口統合ポッド(FOUP)を受入れるように構成される。2つのFOUPS406A-Bが図4の実施態様の中に示されている。ロボット414の一端に設けられたブレード416を有するファクトリインターフェースロボット414は、ファクトリーインターフェース402から、ロードロックチャンバ422を介して、処理プラットフォーム404へ基板110を搬送するよう構成される。追加的に、1つ以上の計測用ステーション418がFOUPS406A-Bからの基板の計測を行うためにファクトリーインターフェース402のターミナル426に接続されるかもしれない。
【0047】
ロードロックチャンバ422はファクトリーインターフェース402に結合された第1のポート及び搬送チャンバ436に結合された第2のポートを有する。ロードロックチャンバ422は、搬送チャンバ436の真空環境と、ファクトリーインターフェース402の周囲(例えば、大気圧)環境との間で基板のやり取りを行うために、ロードロックチャンバ422を排気、及び、吸気する圧力制御システム(図示せず)に接続されている。
【0048】
搬送チャンバ436はその中に設けられた真空ロボット430を有する。真空ロボット430は、ロードロックチャンバ422とプロセスチャンバ100、302、420、432、450との間で基板110の搬送を可能とするブレード434を有する。
【0049】
一実施態様において、エッチングチャンバ302は塩素含有ガス、炭素含有ガス、シリコンフッ化ガス、窒素含有ガス等の反応性ガスを用いて、その中の基板110をエッチングする。反応性ガスの例は、4フッ化炭素(CF_(4))、C_(4)F_(6)、C_(4)F_(8)、CHF_(3)、C_(2)F_(6)、C_(5)F_(8)、CH_(2)F_(2)、SiF_(4)、SiCl_(4)、Br_(2),NF_(3)、N_(2)、CO、CO_(2)、臭化水素、塩素(He)等を含む。He又はAr等の不活性ガスもエッチングチャンバに供給される。エッチングプロセスの間にエッチングされ得る、基板110上に形成された材料層は、低誘電体層、バリア層、シリコン含有層、金属層及び誘電体層を含む。エッチングされるべき材料層の例は、アプライドマテリアルズ社から市販されているBLACK DIAMOND(商標名)膜等のシリコンカーバイドオキサイド(SiOC)、又は、アプライドマテリアルズ社から市販されているBLOK(商標名)膜等のカーボンナイトライド(SiCN)、CVD酸化物、SiO_(2)、ポリシリコン、TEOS、アモルファスシリコン、USG、窒化シリコン(SiN)、ホウ素がドープされた、あるいは、リンがドープされたシリコン膜等である。基板110の上にも形成された材料層が、シリコンカーバイド酸化層(SiOC)である例示的な実施態様の場合、CF_(4)、C_(4)F_(6)、O_(2)及びArのうちの少なくとも1つを含むガス混合物がシリコンカーバイド酸化層をエッチングするために用いられるかもしれない。また、CO、CO_(2)が選択的に供給されてもよい。基板110の上に形成された材料層が酸化シリコン層(SiO_(2))である別の例示的な実施態様の場合、C_(4)F_(8)、C_(2)F_(6)、C_(4)F_(6)、CF_(4)及びCHF_(3)のうちの少なくとも1つを含むガス混合物がシリコン酸化層をエッチングするために用いられるかもしれない。基板110の上に形成された材料層がシリコンカーバイド(SiC)及び/又はシリコンカーバイドナイトライド層(SiCN)である更に別の実施態様の場合、CH_(2)F_(2)、N_(2)及びArのうちの少なくとも1つを含むガス混合物がシリコンカーバイド(SiC)及び/又はシリコンカーバイドナイトライド層(SiCN)をエッチングするために用いられるかもしれない。基板110上に形成された材料層が窒化シリコン(SiN)である更に別の実施態様の場合、CH_(2)F_(2)、CHF_(3)、N_(2)及びArの内の少なくとも1つを含むガス混合物が窒化シリコン層(SiN)をエッチングするために用いられるかもしれない。
【0050】
システムコントローラ444はプロセス処理システム400に接続されている。システムコントローラ444は、システム400のプロセスチャンバ100、302、420、432、450を直接制御することにより、若しくは、選択的に、プロセスチャンバ100、302、420、432、450及びシステム400と関連するコンピュータ(若しくはコントローラ)を制御することにより、システム400の動作を制御する。動作中、システムコントローラ444はシステム400の動作を最適化するために、各チャンバ及びシステムコントローラ444からのデータ収集及びフィードバックを可能とする。
【0051】
システムコントローラ444は主に、中央処理ユニット(CPU)438、メモリ440、サポート回路442を含む。CPU438は産業用の用途に使用され得る一般的な目的のコンピュータプロセッサのいかなるタイプのうちの1つであってもよい。サポート回路442は従来の方式によりCPU438に接続され、キャッシュ、クロック回路、入出力サブシステム、電源等を含むかもしれない。図5を参照して以下に説明されるポリマー残渣を除去するための方法500等のソフトウェアルーチンは、CPU438により実行されるとき、CPU438を特定な目的のコンピュータ(コントローラ)442に変換する。また、このソフトウェアルーチンは、システム400から遠隔に存在する第二のコントローラ(図示せず)により、保持、及び/または、実行されるかもしれない。」

【図4】

5 引用文献5記載事項
当審の拒絶の理由に引用された引用文献5には,図面とともに次の事項が記載されている。

「FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to electronic device manufacturing, and more specifically to systems, apparatus and methods for transporting substrates.」(第1頁12行乃至15行)

(当審訳:発明の分野
本発明は,電子デバイス製造に関し,より詳細には,基板を搬送するためのシステム,装置,および方法に関する。)

「FIG. 1 is a schematic diagram of an exemplary embodiment of a substrate processing system 100 according to the present invention. The substrate processing system 100 may include a transfer chamber 102 within which a robot apparatus 104 in accordance with another aspect of the invention may be housed. The robot apparatus 104 may be adapted to put or pick a substrate 105 to or from a destination. The destination may be a chamber coupled to the transfer chamber 102. For example, the destination may be one or more process chambers 106 and/or one or more load lock chambers 108 which may be coupled to the transfer chamber 102. Process chambers 106 may be adapted to carry out any number of process steps, such as deposition, oxidation, nitration, etching, polishing, cleaning, lithography, or the like. The load lock chambers 108 may be adapted to interface with a factory interface 138, which may receive substrates from substrate carriers 140 docked in load ports 142. In some embodiments, the transfer chamber 102 may be operated under a vacuum, for example.」(第6頁21行乃至第7頁8行)
(当審訳:図1は,本発明による基板処理システム100の例示的な一実施形態の概略図である。基板処理システム100は,搬送チャンバ102を備えてもよく,この搬送チャンバ102の中には,本発明の別の態様によるロボット装置104が収容されうる。ロボット装置104は,基板105を目的地に配置するまたは目的地から取り出すことができる。目的地は,搬送チャンバ102に結合されたチャンバであってもよい。例えば,目的地は,1つまたは複数のプロセスチャンバ106,および/または搬送チャンバ102に結合されうる1つまたは複数のロードロックチャンバ108であってもよい。プロセスチャンバ106は,堆積,酸化,硝酸処理,エッチング,研磨,洗浄,またはリソグラフィ等々の,任意の数の加工ステップを実施してもよい。ロードロックチャンバ108は,ファクトリインターフェース138と連結してもよく,このファクトリインターフェース138は,ロードポート142にドッキングされた基板キャリア140から基板を受けうる。いくつかの実施形態においては,搬送チャンバ102は,例えば真空下において作動されてもよい。)

6 引用文献6記載事項
当審の拒絶の理由に引用された引用文献6には,図面とともに次の事項が記載されている。

「【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハをチップに個片化する処理方法に関する発明である。」

「【0054】
次に、第2の実施形態について説明する。図6?図8は、第2の実施形態にかかる半導体ウェハの処理方法を断面概略図を用いて説明する図である。以下の実施形態で第1の実施形態と同一の様態を果たす要素には同一の番号を付し、重複した説明は避ける。
【0055】
図6(a)に示すように、水溶性フィルム5と半導体ウェハ裏面研削用の表面保護テープ3とを粘着剤層4を介して積層する。
【0056】
次に、図6(b)に示すように、半導体ウェハ1のパターン面2側に、水溶性フィルム5を介して表面保護テープ3を貼合する。水溶性フィルム5はパターン面2に加熱により貼合する。
【0057】
次に、第1の実施形態と同様に、図6(c)に示すように、半導体ウェハ1の非パターン面を研削する。
【0058】
次に、第1の実施形態と同様に、図7(a)に示すように、半導体ウェハ1の非パターン面を支持固定用テープ12を用いてリングフレーム14に固定する。
【0059】
次に、第1の実施形態と同様に、図7(b)に示すように、表面保護テープ3の粘着剤層4と水溶性フィルム5との層間で剥離を行い、表面保護テープ3を除去する。
【0060】
次に、第1の実施形態と同様に、図7(c)に示すように、レーザー光照射手段6から照射されたレーザー光7により、半導体ウェハ1のストリートに沿って、水溶性フィルム5を切断し、図8(a)に示されるように溝8を入れる。また、水溶性フィルム5の好ましい切断手段については、第1の実施形態における好ましい切断手段と同様である。
【0061】
次に、第1の実施形態と同様に、図8(b)に示されるように、プラズマエッチング装置10においてプラズマ9による処理を行い、溝8においてむき出しにされた半導体ウェハ1をエッチングし、チップに個片化する。
【0062】
次に、第1の実施形態と同様に、図8(c)に示すように、水あるいは温水11にて洗浄を行うことにより水溶性フィルムの溶解・除去を行う。
【0063】
次に、第1の実施形態と同様に、図8(d)に示すように、個別化された半導体ウェハ1のチップは、ピックアップ工程に移される。」

7 引用文献7記載事項
当審の拒絶の理由に引用された引用文献7には,図面とともに次の事項が記載されている。

「【0002】
本開示は一般に、パルスレーザ、及び高繰返し率パルスレーザを使用する材料の機械加工に関する。」

「【0018】
スクライビング、ダイシング、切削、又は加工して多材料加工物のある領域から材料を除去する方法の実施例が提供される。幾つかの実施例では、この方法は、多材料加工物の少なくとも1つの材料の方へレーザパルスを誘導するステップを含む。レーザパルスは数十フェムト秒から約500ピコ秒の範囲内のパルス幅、及び数百kHzから約10MHzのパルス繰返し率を有することができる。加工物はパターンと半導体ウエハの両方を含むことができ、パターンは誘電体材料及び金属材料のうちの少なくとも1つを含むことができる。この方法はまた、数ミクロンから約50μm(1/e2)の範囲内のスポット寸法を有するレーザスポット内にレーザパルスを集束させるステップ、及びパターンの少なくとも一部分から材料を除去する場合の隣接する集束スポット間の重複が、半導体ウエハの少なくとも一部分から材料を除去する場合の隣接する集束スポット間の重複より実質上大きくなるような走査速度で、少なくとも1つの材料に対してレーザスポットを位置決めするステップを含むことができる。特定の有利な実装形態では、この方法は、この領域の周りの再堆積材料の蓄積を制限しながら、加工物の1つ以上の材料内の蓄熱を制御する。」

「【0093】
幾つかの実施例では、レーザシステム104は、1つ以上の極短パルス(USP)を出力するように構成されたUSPレーザを含むことができる。極短パルスは、例えば、約10ピコ秒未満などの持続時間を有することができる。図1Fに示す例示的なシステム100では、レーザシステム104は、超高速パルス列を生成することが可能なファイバベースのレーザを含むことができる。例えば、このレーザは、IMRA America,Inc.(ミシガン州アナーバー)から入手可能なFCPA μJewelレーザを含むことができる。レーザパルスの波長は約1μmとすることができる。幾つかの実施例では、例えば波長約520nmの緑色光パルスなど、より短い波長のレーザパルスが使用される。他の実施例では、任意の他の適切なレーザシステムを実施することができる。特定の実施例では、レーザシステム104はパルス幅が約10ピコ秒未満のレーザパルスを生成することができる。例えば、パルス幅は約100フェムト秒から約1ピコ秒の範囲内とすることができる。幾つかの実施例では、パルス幅は約10フェムト秒から約500ピコ秒の範囲内である。レーザシステム104の他の実施例では、例えば、10ナノ秒以下、1ナノ秒以下、100ピコ秒以下、1ピコ秒以下、及び/又は100フェムト秒以下などの他のパルス幅が使用される。」

第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)引用発明1を主引例とする検討
ア 本願発明1と引用発明1を対比する。
(ア) 引用発明1の「ウェハを個片化するための装置」は,「プロセスチャンバ1010,1020」や「基板搬送機構430」を備えているから,システムであると言える。
また,引用発明1の「ウェハを個片化するための装置」において,ウェハを個片化する際には,ウェハ上に複数の集積回路が形成されていることは技術常識であるから,引用発明1の「ウェハを個片化するための装置」は,本願発明1の「複数の集積回路を含む半導体ウェハをダイシングするシステム」に相当する。

(イ) 引用発明1の「筐体内1000の基板搬送機構430のロボット」は,本願発明1の「アーム又はブレードを備えるロボット」と,「ロボット」である点で共通する。

(ウ) 引用発明1の「プロセスチャンバ1010,1020」のうち,一方は,「レーザスクライブプロセス」を実行するから,引用発明1の「レーザスクライブプロセス」を実行する「プロセスチャンバ」は,本願発明1の「レーザスクライブ装置」に相当する。

(エ) 引用発明1の「プロセスチャンバ1010,1020」のうち,一方は,「レーザ切断プロセス」を実行するから,引用発明1は「レーザ切断プロセス」を実行する「プロセスチャンバ」を備えていると言える。
また,「レーザ切断プロセス」を実行する「プロセスチャンバ」は,ウェハを個片化しているから,本願発明1の「プラズマエッチングチャンバ」と,ウェハを個片化するチャンバである点で共通する。

(オ) してみれば,本願発明1と引用発明1とは,以下の点で一致し,又相違する。
[一致点]
「複数の集積回路を含む半導体ウェハをダイシングするシステムにおいて,
ロボットと,
レーザスクライブ装置と,
ウェハを個片化するチャンバとを備えるシステム。」

[相違点1]
「ロボット」について,本願発明1は「アーム又はブレードを備えるロボット」であり,また,「ファクトリインタフェース」に含まれているのに対して,引用発明1の「ロボット」は,「アーム又はブレードを備える」のか不明であり,又,「ファクトリインタフェース」に含まれていない点。

[相違点2]
「レーザスクライブ装置」について,本願発明1は「前記ファクトリインタフェースに連結され」,又「前記レーザスクライブ装置は前記クラスタツールに含まれ」ていないのに対して,引用発明1はそのようになっていない点。

[相違点3]
「ウェハを個片化するチャンバ」について,本願発明1は「プラズマエッチングチャンバ」であり,「ロードロックにより前記ファクトリインタフェースに連結され」ているのに対して,引用発明1はそのようになっていない点。

[相違点4]
本願発明1は「前記プラズマエッチングチャンバに連結された搬送チャンバを備えるクラスタツール」を備えているのに対して,引用発明1はそのようになっていない点。

[相違点5]
本願発明1は「半導体ウェハは前記レーザスクライブ装置から前記ファクトリインタフェースの前記ロボットに搬送され、前記ファクトリインタフェースの前記ロボットから、前記クラスタツールの前記ロードロックを介して、前記クラスタツールの前記搬送チャンバに搬送され、前記クラスタツールの前記搬送チャンバから前記プラズマエッチングチャンバに搬送される」のに対して,引用発明1はそのようになっていない点。

イ 相違点についての判断
(ア) 以下,[相違点2]について検討する。
「レーザスクライブ装置」について,上記[相違点2]に係る構成は,引用文献2ないし7には記載されておらず,又,周知の構成であるとも認められない。
そうすると,引用発明1を,引用文献2ないし7に記載された事項から,[相違点2]に係る構成と同様の構成を有する発明とすることが,容易であったとは言えない。

(イ) したがって,他の相違点について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても引用発明1及び引用文献2ないし7に記載された事項に基づいて容易に発明できたものあるとは言えない。

(2)引用発明2を主引例とする検討
ア 本願発明1と引用発明2を対比する。
(ア) 引用発明2は,「半導体ウェハを個々の集積回路毎に分割して半導体チップを製造する半導体チップの製造方法に用いられる装置」であって,「レーザ加工装置10」及び「プラズマ処理装置20」を備えているから,システムであると言える。
そうすると,引用発明2の「半導体ウェハを個々の集積回路毎に分割して半導体チップを製造する半導体チップの製造方法に用いられる装置」は,本願発明1の「複数の集積回路を含む半導体ウェハをダイシングするシステム」に相当する。

(イ) 引用発明2の「レーザ加工装置10」は,「半導体ウェハ1に貼り付けられた保護シート5を,スクライブライン2aに沿ってダイシング幅に相当する所定幅だけ除去し,プラズマエッチングにおけるマスクを形成するとともに、半導体ウェハ1においてスクライブライン2aに相当する位置に形成されていたテストパターン4を、半導体ウェハ1の表面層とともに除去する工程(テストパターン除去工程)」に使用されており,この「テストパターン除去工程」は,本願明細書段落【0013】の「レーザスクライブ工程は、マスク層、有機及び無機誘電体層及びデバイス層をきれいに除去するために用いてもよい。」の「レーザスクライブ工程」に相当する。
そうすると,引用発明2の「レーザ加工装置10」は,本願発明1の「レーザスクライブ装置」に相当する。

(ウ) 引用発明2の「プラズマ処理装置20」は,「保護シート5が除去された半導体ウェハ1の、前記ダイシング幅(所定幅)に対応する部分をプラズマエッチングすることにより、レーザ光の照射によって生じたダメージ層1dを除去するとともに、半導体ウェハ1を個々の集積回路毎に分割する工程(プラズマダイシング工程)」に使用されており,この「プラズマダイシング工程」は,本願明細書段落【0013】の「ダイシング工程のプラズマエッチング部を用いて、ウェハ又は基板のバルクの全厚、例えばバルク単結晶シリコンの全厚をエッチングすることにより、ダイ又はチップの個片化、即ち、ダイシングを行ってもよい。」の「ダイシング工程」に相当する。
そうすると,引用発明2の「プラズマ処理装置20」は,本願発明1の「プラズマエッチングチャンバ」に相当する。

(エ) してみれば,本願発明1と引用発明2とは,以下の点で一致し,又相違する。
[一致点]
「複数の集積回路を含む半導体ウェハをダイシングするシステムにおいて,
レーザスクライブ装置と,
プラズマエッチングチャンバを備えるシステム。」

[相違点6]
本願発明1は,「アーム又はブレードを備えるロボットを含むファクトリインタフェース」を備えているのに対して,引用発明2は対応する構成を備えていない点。

[相違点7]
「レーザスクライブ装置」について,本願発明1は「前記ファクトリインタフェースに連結され」,又「前記レーザスクライブ装置は前記クラスタツールに含まれ」ていないのに対して,引用発明2はそのようになっていない点。

[相違点8]
「プラズマエッチングチャンバ」について,本願発明1は「ロードロックにより前記ファクトリインタフェースに連結され」ているのに対して,引用発明2はそのようになっていない点。

[相違点9]
本願発明1は「前記プラズマエッチングチャンバに連結された搬送チャンバを備えるクラスタツール」を備えているのに対して,引用発明2は対応する構成を備えていない点。

[相違点10]
本願発明1は「半導体ウェハは前記レーザスクライブ装置から前記ファクトリインタフェースの前記ロボットに搬送され、前記ファクトリインタフェースの前記ロボットから、前記クラスタツールの前記ロードロックを介して、前記クラスタツールの前記搬送チャンバに搬送され、前記クラスタツールの前記搬送チャンバから前記プラズマエッチングチャンバに搬送される」のに対して,引用発明2はそのようになっていない点。

イ 相違点についての判断
(ア) 以下,[相違点7]について検討する。
「レーザスクライブ装置」について,上記[相違点7]に係る構成は,引用文献1及び引用文献3ないし7には記載されておらず,又,周知の構成であるとも認められない。
そうすると,引用発明2を,引用文献1及び引用文献3ないし7に記載された事項から,[相違点7]に係る構成と同様の構成を有する発明とすることが,容易であったとは言えない。

(イ) したがって,他の相違点について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても引用発明2及び引用文献1並びに引用文献3ないし7に記載された事項に基づいて容易に発明できたものあるとは言えない。

2 本願発明2ないし10について
本願発明2ないし10は,本願発明1を引用するものであり,上記1(1)で検討した[相違点1]ないし[相違点5]及び,上記1(2)で検討した[相違点6]ないし[相違点10]に係る構成を全て備える「システム」であるから,上記1(1)イ及び上記1(2)イで検討したと同様の理由により,引用発明1及び引用文献2ないし7に記載された事項,並びに,引用発明2及び引用文献1並びに引用文献3ないし7に記載された事項に基づいて,当業者が容易に発明することができたものではない。

3 本願発明11について
(1)引用発明1を主引例とする検討
ア 本願発明11と引用発明1を対比する。
(ア) 引用発明1の「ウェハを個片化するための装置」は,「プロセスチャンバ1010,1020」や「基板搬送機構430」を備えているから,システムであると言える。
また,引用発明1の「ウェハを個片化するための装置」において,ウェハを個片化する際には,ウェハ上に複数の集積回路が形成されていることは技術常識であるから,引用発明1の「ウェハを個片化するための装置」は,本願発明11の「複数の集積回路を含む半導体ウェハをダイシングするシステム」に相当する。

(イ) 引用発明1の「筐体内1000の基板搬送機構430のロボット」は,本願発明11の「アーム又はブレードを備えるロボット」と,「ロボット」である点で共通する。

(ウ) 引用発明1の「プロセスチャンバ1010,1020」のうち,一方は,「フェムト秒ベースのレーザを用いた,」「レーザスクライブプロセス」を実行するから,引用発明1の「フェムト秒ベースのレーザを用いた,」「レーザスクライブプロセス」を実行する「プロセスチャンバ」は,本願発明11の「フェムト秒ベースのレーザを含むレーザスクライブ装置」に相当する。
また,「ウェハを個片化」するためには,個片化の際の切断箇所となる,「半導体ウェハの集積回路間のストリート」にレーザ当てる必要があることは技術常識であるから,引用発明1の「レーザスクライブプロセス」においても,半導体ウェハの集積回路間のストリートのレーザアブレーションを実行していると認められる。

(エ) 引用発明1の「プロセスチャンバ1010,1020」のうち,一方は,「レーザ切断プロセス」を実行するから,引用発明1は「レーザ切断プロセス」を実行する「プロセスチャンバ」を備えていると言える。
また,「レーザ切断プロセス」を実行する「プロセスチャンバ」は,「フェムト秒ベースのレーザを用いた」プロセスの後に,ウェハを個片化しているから,本願発明11の「プラズマエッチングチャンバ」と,レーザアブレーションに続いて集積回路を個片化するチャンバである点で共通する。

(オ) してみれば,本願発明11と引用発明1とは,以下の点で一致し,又相違する。
[一致点]
「複数の集積回路を含む半導体ウェハをダイシングするためのシステムであって、
ロボットと、
フェムト秒ベースのレーザを含むレーザスクライブ装置であって、半導体ウェハの集積回路間のストリートのレーザアブレーションを実行するように構成されるレーザスクライブ装置と、
レーザアブレーションに続いて集積回路を個片化するチャンバと,
前記半導体ウェハは前記レーザスクライブ装置から前記ファクトリインタフェースの前記ロボットに搬送され、前記ファクトリインタフェースの前記ロボットから、前記クラスタツールの前記ロードロックを介して、前記クラスタツールの前記搬送チャンバに搬送され、前記クラスタツールの前記搬送チャンバから前記プラズマエッチングチャンバに搬送されるシステム。」

[相違点11]
「ロボット」について,本願発明11は「アーム又はブレードを備えるロボット」であり,また,「ファクトリインタフェース」に含まれているのに対して,引用発明1の「ロボット」は,「アーム又はブレードを備える」のか不明であり,又,「ファクトリインタフェース」に含まれていない点。

[相違点12]
「フェムト秒ベースのレーザを含むレーザスクライブ装置」について,本願発明11は,「前記ファクトリインタフェースに連結され」,又「前記レーザスクライブ装置は前記クラスタツールに含まれ」ていないのに対して,引用発明1はそのようになっていない点。

[相違点13]
「集積回路を個片化するチャンバ」について,本願発明11は,「ロードロックにより前記ファクトリインタフェースに結合されたクラスタツール」に含まれた「半導体ウェハをエッチングするように構成されたプラズマエッチングチャンバ」であるのに対して,引用発明1はそのようになっていない点。

[相違点14]
本願発明11は,「ロードロックにより前記ファクトリインタフェースに結合されたクラスタツール」を備えており,この「クラスタツール」について,上記[相違点13]の「半導体ウェハをエッチングするように構成されたプラズマエッチングチャンバ」に加え,「前記半導体ウェハの集積回路の上方にマスク層を形成するように構成された成膜チャンバと、レーザアブレーション又はエッチングに続いて、前記半導体ウェハを洗浄するように構成されたウェット/ドライステーションとを含むクラスタツールとを含」んでいるのに対して,引用発明1は対応する構成を有していない点。

[相違点15]
本願発明11は「システムの全体的設置面積は、約3500mm×3800mmであ」るのに対して,引用発明1は「システムの全体的設置面積」が不明である点。

[相違点16]
本願発明11は「前記半導体ウェハは前記レーザスクライブ装置から前記ファクトリインタフェースの前記ロボットに搬送され、前記ファクトリインタフェースの前記ロボットから、前記クラスタツールの前記ロードロックを介して、前記クラスタツールの前記搬送チャンバに搬送され、前記クラスタツールの前記搬送チャンバから前記プラズマエッチングチャンバに搬送される」のに対して,引用発明1はそのようになっていない点。

イ 相違点についての判断
(ア) 以下,[相違点12]について検討する。
「レーザスクライブ装置」について,上記[相違点12]に係る構成は,引用文献2ないし7には記載されておらず,又,周知の構成であるとも認められない。
そうすると,引用発明1を,引用文献2ないし7に記載された事項から,[相違点12]に係る構成と同様の構成を有する発明とすることが,容易であったとは言えない。

(イ) したがって,他の相違点について判断するまでもなく,本願発明11は,当業者であっても引用発明1及び引用文献2ないし7に記載された事項に基づいて容易に発明できたものあるとは言えない。

(2)引用発明2を主引例とする検討
ア 本願発明1と引用発明2を対比する。
(ア) 引用発明2は,「半導体ウェハを個々の集積回路毎に分割して半導体チップを製造する半導体チップの製造方法に用いられる装置」であって,「レーザ加工装置10」及び「プラズマ処理装置20」を備えているから,システムであると言える。
そうすると,引用発明2の「半導体ウェハを個々の集積回路毎に分割して半導体チップを製造する半導体チップの製造方法に用いられる装置」は,本願発明11の「複数の集積回路を含む半導体ウェハをダイシングするためのシステム」に相当する。

(イ) 引用発明2の「レーザ加工装置10」は,「半導体ウェハ1に貼り付けられた保護シート5を,スクライブライン2aに沿ってダイシング幅に相当する所定幅だけ除去し,プラズマエッチングにおけるマスクを形成するとともに、半導体ウェハ1においてスクライブライン2aに相当する位置に形成されていたテストパターン4を、半導体ウェハ1の表面層とともに除去する工程(テストパターン除去工程)」に使用されており,この「テストパターン除去工程」は,本願発明11の「半導体ウェハの集積回路間のストリートのレーザアブレーションを実行する」ことに相当する。
そうすると,引用発明2の「レーザ加工装置10」は,本願発明11の「半導体ウェハの集積回路間のストリートのレーザアブレーションを実行するように構成されるレーザスクライブ装置」に相当する。

(ウ) 引用発明2の「プラズマ処理装置20」は,「テストパターン除去工程の後,保護シート5が除去された半導体ウェハ1の、前記ダイシング幅(所定幅)に対応する部分をプラズマエッチングすることにより、レーザ光の照射によって生じたダメージ層1dを除去するとともに、半導体ウェハ1を個々の集積回路毎に分割する工程(プラズマダイシング工程)」に使用されており,この「プラズマダイシング工程」は,本願発明11の「レーザアブレーションに続いて集積回路を個片化するために半導体ウェハをエッチングする」ことに相当する。
そうすると,引用発明2の「プラズマ処理装置20」は,本願発明11の「レーザアブレーションに続いて集積回路を個片化するために半導体ウェハをエッチングするように構成されたプラズマエッチングチャンバ」に相当する。

(エ) してみれば,本願発明11と引用発明2とは,以下の点で一致し,又相違する。
[一致点]
「複数の集積回路を含む半導体ウェハをダイシングするためのシステムであって,
半導体ウェハの集積回路間のストリートのレーザアブレーションを実行するように構成されるレーザスクライブ装置と,
レーザアブレーションに続いて集積回路を個片化するために半導体ウェハをエッチングするように構成されたプラズマエッチングチャンバと,
を備えるシステム。」

[相違点17]
本願発明11は,「アーム又はブレードを備えるロボットを含むファクトリインタフェース」を備えているのに対して,引用発明2は対応する構成を備えていない点。

[相違点18]
「レーザスクライブ装置」について,本願発明11は「前記ファクトリインタフェースに結合され」,又「前記レーザスクライブ装置は前記クラスタツールに含まれ」ていないのに対して,引用発明2はそのようになっていない点。

[相違点19]
「レーザスクライブ装置」について,本願発明11は「フェムト秒ベースのレーザを含むレーザスクライブ装置」であるのに対して,引用発明2はそのようになっていない点。

[相違点20]
本願発明11は「ロードロックにより前記ファクトリインタフェースに結合されたクラスタツールであって、レーザアブレーションに続いて集積回路を個片化するために半導体ウェハをエッチングするように構成されたプラズマエッチングチャンバと、前記プラズマエッチングチャンバに連結された搬送チャンバと、前記半導体ウェハの集積回路の上方にマスク層を形成するように構成された成膜チャンバと、レーザアブレーション又はエッチングに続いて、前記半導体ウェハを洗浄するように構成されたウェット/ドライステーションとを含むクラスタツールとを含」んでいる「クラスタツール」を備えているのに対して,引用発明2は,本願発明11の「レーザアブレーションに続いて集積回路を個片化するために半導体ウェハをエッチングするように構成されたプラズマエッチングチャンバ」に相当する構成である「プラズマ処理装置20」を備えているものの,上記「クラスタツール」を備えていない点。

[相違点21]
本願発明11は「システムの全体的設置面積は、約3500mm×3800mmであ」るのに対して,引用発明2は「システムの全体的設置面積」が不明である点。

[相違点22]
本願発明11は「前記半導体ウェハは前記レーザスクライブ装置から前記ファクトリインタフェースの前記ロボットに搬送され、前記ファクトリインタフェースの前記ロボットから、前記クラスタツールの前記ロードロックを介して、前記クラスタツールの前記搬送チャンバに搬送され、前記クラスタツールの前記搬送チャンバから前記プラズマエッチングチャンバに搬送される」のに対して,引用発明2はそのようになっていない点。

イ 相違点についての判断
(ア) 以下,[相違点18]について検討する。
「レーザスクライブ装置」について,上記[相違点18]に係る構成は,引用文献1及び引用文献3ないし7には記載されておらず,又,周知の構成であるとも認められない。
そうすると,引用発明2を,引用文献1及び引用文献3ないし7に記載された事項から,[相違点18]に係る構成と同様の構成を有する発明とすることが,容易であったとは言えない。

(イ) したがって,他の相違点について判断するまでもなく,本願発明11は,当業者であっても引用発明2及び引用文献1並びに引用文献3ないし7に記載された事項に基づいて容易に発明できたものあるとは言えない。

4 本願発明12ないし15について
本願発明12ないし15は,本願発明11を引用するものであり,上記3(1)で検討した[相違点11]ないし[相違点16]及び,上記3(2)で検討した[相違点17]ないし[相違点22]に係る構成を全て備える「システム」であるから,上記3(1)イ及び上記3(2)イで検討したと同様の理由により,引用発明1及び引用文献2ないし7に記載された事項,並びに,引用発明2及び引用文献1並びに引用文献3ないし7に記載された事項に基づいて,当業者が容易に発明することができたものではない。

第7 原査定について
上記第6のとおりであるから,本願発明1ないし15は,拒絶査定において引用された引用文献1に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって,原査定の理由によって,本願を拒絶することはできない。

第8 当審拒絶理由について
上記第6のとおりであるから,本願発明1ないし15は,当審拒絶理由において引用された引用文献2ないし7に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって,当審拒絶理由によって,本願を拒絶することはできない。

第9 むすび
以上のとおり,本願発明1ないし15は,当業者が引用文献1に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-05-08 
出願番号 特願2014-257046(P2014-257046)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H01L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 儀同 孝信  
特許庁審判長 加藤 浩一
特許庁審判官 飯田 清司
小田 浩
発明の名称 フェムト秒レーザ及びプラズマエッチングを用いたウェハダイシング  
代理人 安齋 嘉章  

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