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審決分類 審判 一部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  B65D
審判 一部申し立て 2項進歩性  B65D
審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載  B65D
管理番号 1351377
異議申立番号 異議2018-700541  
総通号数 234 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-06-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-07-05 
確定日 2019-03-11 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6256247号発明「バッグインボックス用の包装箱」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6256247号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、2〕、3について訂正することを認める。 特許第6256247号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第6256247号(以下「本件特許」という。)の請求項1?4に係る特許についての出願は、平成26年8月5日の出願であって、平成29年12月15日にその特許権の設定登録がされ(平成30年1月10日特許掲載公報発行)、その後、平成30年7月5日に特許異議申立人吉原朋重(以下「異議申立人」という。)により請求項1?3に係る特許に対して特許異議の申立てがされ、平成30年8月23日付けで取消理由が通知され、平成30年10月22日に特許権者より意見書の提出及び訂正の請求(以下「本件訂正請求」といい、本件訂正請求に係る訂正を「本件訂正」という。)がされ、平成30年12月10日に異議申立人から意見書が提出され、平成30年12月20日付けで審尋がなされ、平成31年1月23日に特許権者より回答書が提出された。

2.訂正の適否
(1)訂正の内容
本件訂正は、以下の訂正事項1及び2からなるものである。それぞれの訂正事項について、訂正箇所に下線を付して示すと次のとおりである。

ア.訂正事項1
本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1に、
「前記一対の外フラップ(21,22)の少なくとも一方には,前記一対の内フラップ(23,24)の一方又は両方を内部に向かって押し上げるための底上げフラップ(40)が形成されており,
前記一対の外フラップ(21,22)の他方に,前記取出口(1)が形成されており,
前記一対の内フラップ(23,24)には,前記取出口(1)に対応した位置に,切欠き(25,26)が形成されている
包装箱。」とあるのを、
「前記一対の外フラップ(21,22)の少なくとも一方には,前記一対の内フラップ(23,24)の一方又は両方を内部に向かって押し上げるための底上げフラップ(40)が形成されており,
前記一対の外フラップ(21,22)の他方に,前記取出口(1)が形成されており,
前記一対の内フラップ(23,24)には,前記取出口(1)に対応した位置に,切欠き(25,26)が形成されており,
前記底上げフラップ(40)は、前記一対の内フラップ(23,24)の一方又は両方を内部に向かって押し上げる方向に折り曲げられたときに,当該底上げフラップ(40)が形成された前記外フラップ(21,22)に連接する前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の一方に接触する
包装箱。」に訂正する。請求項1の記載を引用する請求項2についても、同様に訂正する。

イ.訂正事項2
本件訂正前の特許請求の範囲の請求項3に、
「前記底上げフラップ(40)は,
直線状の折線(41)と,当該折線(41)の一端と他端を繋ぐ屈折線状又は曲線状の切離可能線(42)と,によって周囲を囲われた部分である
包装箱。」とあるのを、
「前記底上げフラップ(40)は,
直線状の折線(41)と,当該折線(41)の一端と他端を繋ぐ屈折線状又は曲線状の切離可能線(42)と,によって周囲を囲われた部分であり,
前記一対の内フラップ(23,24)の一方又は両方を内部に向かって押し上げる方向に折り曲げられたときに,当該底上げフラップ(40)が形成された前記外フラップ(21,22)に連接する前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の一方に接触する
包装箱。」に訂正する。

(2)一群の請求項
本件訂正前の請求項1及び同請求項1を直接的に引用する請求項2は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項であり、訂正事項1による訂正は当該一群の請求項1及び2に対してなされたものである。
したがって、本件訂正は、特許法第120条の5第4項の規定に適合する。

(3)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア.訂正事項1
訂正事項1は、訂正前の請求項1における「底上げフラップ(40)」について、「前記一対の内フラップ(23,24)の一方又は両方を内部に向かって押し上げる方向に折り曲げられたときに,当該底上げフラップ(40)が形成された前記外フラップ(21,22)に連接する前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の一方に接触する」と限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項1は、本件特許明細書の段落【0026】の「・・・このため,底上げフラップ40を,箱内部へと折り曲げることで,一対の内フラップ23,24とを押し上げることができる。」という記載、段落【0033】の「図4は,包装箱100の断面形状を模式的に示している。図4(a)は,底上げフラップ40を起立させる前の状態を示しており,図4(b)は,底上げフラップ40を起立させた後の状態を示している。図4(b)に示されるように,後外フラップ22に形成された底上げフラップ40を箱内部に押し込んで起立させると,一対の内フラップ23,24の片側(後側)が押し上げられて,一対の内フラップ23,24が傾斜する。・・・」という記載、【図4】(b)において示されている底上げフラップ40が側面板12に接触している様子、及び、本件訂正前の特許請求の範囲の「【請求項1】・・・前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の一方の下方に折線を介して連接した一対の外フラップ(21,22)と,・・・前記一対の外フラップ(21,22)の少なくとも一方には,前記一対の内フラップ(23,24)の一方又は両方を内部に向かって押し上げるための底上げフラップ(40)が形成・・・」という記載からみて、新規事項を追加するものではなく、また、実質的に特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

イ.訂正事項2
訂正事項2は、訂正前の請求項3における「底上げフラップ(40)」について、「前記一対の内フラップ(23,24)の一方又は両方を内部に向かって押し上げる方向に折り曲げられたときに,当該底上げフラップ(40)が形成された前記外フラップ(21,22)に連接する前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の一方に接触する」と限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項2は、本件特許明細書の段落【0026】の「・・・このため,底上げフラップ40を,箱内部へと折り曲げることで,一対の内フラップ23,24とを押し上げることができる。」という記載、本件特許明細書の段落【0033】の「図4は,包装箱100の断面形状を模式的に示している。図4(a)は,底上げフラップ40を起立させる前の状態を示しており,図4(b)は,底上げフラップ40を起立させた後の状態を示している。図4(b)に示されるように,後外フラップ22に形成された底上げフラップ40を箱内部に押し込んで起立させると,一対の内フラップ23,24の片側(後側)が押し上げられて,一対の内フラップ23,24が傾斜する。・・・」という記載、【図4】(b)において示されている底上げフラップ40が側面板12に接触している様子、及び、本件訂正前の特許請求の範囲の「【請求項1】・・・前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の一方の下方に折線を介して連接した一対の外フラップ(21,22)と,・・・前記一対の外フラップ(21,22)の少なくとも一方には,前記一対の内フラップ(23,24)の一方又は両方を内部に向かって押し上げるための底上げフラップ(40)が形成・・・」という記載からみて、新規事項を追加するものではなく、また、実質的に特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

(4)小括
したがって、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項並びに第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-2〕、3について訂正を認める。

3.特許異議の申立てについて
(1)本件発明
本件訂正が認められたことにより、本件特許の請求項1?4に係る発明(以下「本件発明1?4」という。)は、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲の請求項1?4に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
【請求項1】
流体の注出口が設けられた包装体を内部に収容可能であり,前記包装体内の流体を前記注出口を介して外部に取り出すための取出口(1)を有する包装箱であって,
側面(10)と底面(20)とを備え,
前記側面(10)は,
前後左右の側面板(11,12,13,14)を有し,
前記底面(20)は,
前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の一方の下方に折線を介して連接した一対の外フラップ(21,22)と,
前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の他方の下方に折線を介して連接し,前記外フラップ(21,22)の内面側に折り込まれる一対の内フラップ(23,24)と,を有し,
前記一対の外フラップ(21,22)の少なくとも一方には,前記一対の内フラップ(23,24)の一方又は両方を内部に向かって押し上げるための底上げフラップ(40)が形成されており,
前記一対の外フラップ(21,22)の他方に,前記取出口(1)が形成されており,
前記一対の内フラップ(23,24)には,前記取出口(1)に対応した位置に,切欠き(25,26)が形成されており,
前記底上げフラップ(40)は、前記一対の内フラップ(23,24)の一方又は両方を内部に向かって押し上げる方向に折り曲げられたときに,当該底上げフラップ(40)が形成された前記外フラップ(21,22)に連接する前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の一方に接触する
包装箱。
【請求項2】
前記底上げフラップ(40)は,
前記一対の外フラップ(21,22)の一方にのみ形成されており,且つ,
前記一対の内フラップ(23,24)の両方を内部に向かって押し上げることが可能な位置に形成されている
請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
流体の注出口が設けられた包装体を内部に収容可能であり,前記包装体内の流体を前記注出口を介して外部に取り出すための取出口(1)を有する包装箱であって,
側面(10)と底面(20)とを備え,
前記側面(10)は,
前後左右の側面板(11,12,13,14)を有し,
前記底面(20)は,
前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の一方の下方に折線を介して連接した一対の外フラップ(21,22)と,
前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の他方の下方に折線を介して連接し,前記外フラップ(21,22)の内面側に折り込まれる一対の内フラップ(23,24)と,を有し,
前記一対の外フラップ(21,22)の少なくとも一方には,前記一対の内フラップ(23,24)の一方又は両方を内部に向かって押し上げるための底上げフラップ(40)が形成されており,
前記底上げフラップ(40)は,
直線状の折線(41)と,当該折線(41)の一端と他端を繋ぐ屈折線状又は曲線状の切離可能線(42)と,によって周囲を囲われた部分であり,
前記一対の内フラップ(23,24)の一方又は両方を内部に向かって押し上げる方向に折り曲げられたときに,当該底上げフラップ(40)が形成された前記外フラップ(21,22)に連接する前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の一方に接触する
包装箱。
【請求項4】
流体の注出口が設けられた包装体を内部に収容可能であり,前記包装体内の流体を前記注出口を介して外部に取り出すための取出口(1)を有する包装箱であって,
側面(10)と底面(20)とを備え,
前記側面(10)は,
前後左右の側面板(11,12,13,14)を有し,
前記底面(20)は,
前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の一方の下方に折線を介して連接した一対の外フラップ(21,22)と,
前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の他方の下方に折線を介して連接し,前記外フラップ(21,22)の内面側に折り込まれる一対の内フラップ(23,24)と,を有し,
前記一対の外フラップ(21,22)の少なくとも一方には,前記一対の内フラップ(23,24)の一方又は両方を内部に向かって押し上げるための底上げフラップ(40)が形成されており,
前記底上げフラップ(40)を有する前記外フラップ(22)が連接している前記側面板(12)には,上側と下側の少なくとも2箇所に,指を差し込むことのできる指掛孔(51,52)が形成されている
包装箱。

(2)取消理由の概要
当審において、本件発明1?3に係る特許に対して、平成30年8月23日付けで通知した取消理由の概要は、以下のとおりである。
なお、異議申立人が申立てた全ての申立理由を含むものである。

理由1 本件発明1?3は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
理由2 本件発明1?3は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
理由3 本件特許は、明細書及び図面の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。



ア.理由1及び2について
<刊行物等一覧>
甲1.特開2012-6615号公報(特許異議申立書に添付された甲第1号証)

イ.理由3について
本件特許明細書の段落【0020】?【0034】及び【図1】?【図4】に係る実施形態は、底上げフラップ40を起立させたとしても、内フラップ23,24の先端縁は水平状態を維持したまま上方に変位することになり、内フラップ23,24が前後方向に傾斜することにはならないため、図4の記載と整合しない。
そして、本件特許明細書及び図面には、他に本件発明1?3に係る実施形態は記載されていないから、本件特許明細書及び図面は、当業者が本件発明1?3を実施することが出来る程度に明確かつ十分に記載されているものではない。

(3)取消理由についての判断
ア.理由1及び2について
(ア)甲1に記載された発明
甲1には、図面と共に、以下の記載がある。
a.「【0001】
本発明は、液体が充填されるプラスチックフィルム製の柔軟な内袋を保護、保形するために段ボール製の外箱に収容したバッグインボックスタイプの包装容器に関するものである。」

b.「【0021】
つぎに本発明を図示する実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図中1はバッグインボックスタイプの包装容器で、段ボール製の外箱2の内側に、液体が充填されるプラスチックフィルム製の柔軟な袋本体に注出口具を取り付けた内袋3を収納している点については従来通りのものである。そして、本発明のこの包装容器1における外箱2は、この外箱2の展開状態を表現しているブランクに示されているように、横一連にして連接された四面の側面板40、41、42、43から箱胴部4が形成され、前記側面板40、41、42、43それぞれの下端に連接された以下に示すフラップ50、51、52、53を折り重ねて所要位置をホットメルトなどの接着剤や粘着テープなどを介して貼り合わせることで外箱底面となる底部閉鎖部5を形成し、また、側面板40、41、42、43それぞれの上端に連接された以下に示すフラップ60、61、62、63を折り重ね、底部閉鎖部5と同様に所要位置をホットメルトなどの接着剤や粘着テープなどを介して貼り合わせることで外箱天面となる天部閉鎖部6を形成して、六面体の箱体としている。」

c.「【0024】
上記天部閉鎖部(外箱天面の閉鎖部)6では、対向する一組のフラップ61、63が、閉鎖部形成に際して先に折られる内フラップとされ、この内フラップ61、63の上に、残りの対向する一組のフラップ60、62が外フラップとなって折り重ねられて、この天部閉鎖部6が形成されている。」

d.「【0026】
・・・この舌片70を折り起こし、注出口具位置となる部位を閉じている部材を除去して形成される開放部分を通して箱内部から注出口具30を引き出したのち、注出口具30に舌片70が掛かるようにしてその舌片70を外フラップ60と面一に戻すことで注出口具30が外フラップ62中に定置される。なお、天部閉鎖部6において前記外フラップ62の下位となる内フラップ61、63それぞれには、この外フラップ62との重なる部分において、前記注出口具の引出しに干渉することのないようにした形状に設けられている。」

e.「【0030】
そして、本例では、手掛け孔形成領域9が閉じた形態にする閉鎖手段10は、長円状領域90にある部材であって上記折り罫aとミシン目bとで囲まれた上述の包材である。このように手掛け孔形成領域9は、長円状領域90の包材が閉鎖位置にあることで閉じられたものとなっていることから、長円状領域90に位置する閉鎖手段10(すなわち、長円状領域90にある包材)を折り罫aから箱内部に折り曲げることで開孔が得られ、この開孔が手先を差し入れることのできる手掛け孔11となる。」

f.「【0037】
さらに図17と図18とは実施例7を示していて、この実施例7は上記実施例1のさらなる変化例であり、外フラップ60の中央に長円状領域90を位置させて、これのみで手掛け孔形成領域9を構成している。すなわち、上記実施例1では、フラップ重ね合わせ部8での内フラップ61,63それぞれに切り欠き領域91も重ね合わせるようにして手掛け孔形成領域を形成しているが、この実施例7においては前記切り欠き領域91を設けていない点で相違している。そして、この実施例7では折り罫aに連続するミシン目bは図示のように外フラップ60の自由端中央側に向けて山形に設けられており、その先端部分が、下位の内フラップ61,63の自由端間に対応位置する。この長円状領域90では閉鎖部材10が前記ミシン目bに沿った部分が山形となるため、閉鎖部材10を折り罫aの位置から折り込めば、図18に示されているように閉鎖部材10の端縁が有る程度の長さを持って下位の内フラップ61,63それぞれに接することとなり、閉鎖部材10を折り込む力が内フラップ61,63それぞれを押し下げるように適正に作用し、閉鎖部材10変形や内フラップ61,63の変形を生じさせずにその閉鎖部材10の折り込みが容易になる。」

g.「【図1】」 h.「【図2】」


i.「【図17】」 j.「【図18】」


上記a.?j.の摘記事項を総合すると、甲1には以下の発明(以下「甲1-1発明」という。)が記載されているといえる。
「液体の注出口具30が設けられた内袋3を内部に収容可能であり,内袋30内の液体を注出口具30を介して外部に取り出すための開放部分を有する外箱2であって,
箱胴部4と天部閉鎖部6とを備え,
箱胴部4は,
前後左右の側面板40,41,42,43を有し,
天部閉鎖部6は,
前後の側面板40,42の上方に折線を介して連接した一対の外フラップ60,62と,
左右の側面板41,43の上方に折線を介して連接し,外フラップ60,62の内面側に折り込まれる一対の内フラップ61,63と,を有し,
外フラップ60には,一対の内フラップ61,63の両方を内部に向かって押すことのできる閉鎖手段10が形成されており,
外フラップ62に,開放部分が形成されており,
一対の内フラップ61,63には,前記開放部分に対応した位置に,切欠きが形成されている
包装箱。」

また、上記i.の記載より、閉鎖手段10は折り罫aとミシン目bとによって周囲を囲われた部分であること、及び、ミシン目bが折り罫aの一端と他端を繋ぐ屈折線と曲線とからなる線であることが、看取できる。
したがって、甲1には以下の発明(以下「甲1-2発明」という。)が記載されているといえる。
「液体の注出口具30が設けられた内袋3を内部に収容可能であり,内袋30内の液体を注出口具30を介して外部に取り出すための開放部分を有する外箱2であって,
箱胴部4と天部閉鎖部6とを備え,
箱胴部4は,
前後左右の側面板40,41,42,43を有し,
天部閉鎖部6は,
前後の側面板40,42の上方に折線を介して連接した一対の外フラップ60,62と,
左右の側面板41,43の上方に折線を介して連接し,外フラップ60,62の内面側に折り込まれる一対の内フラップ61,63と,を有し,
外フラップ60には,一対の内フラップ61,63の両方を内部に向かって押すことのできる閉鎖手段10が形成されており,
閉鎖手段10は,
直線状の折り罫aと,当該折り罫aの一端と他端を繋ぐ屈折線状又は曲線状のミシン目bと,によって周囲を囲われた部分である
包装箱。」

(イ)本件発明1について
a.本件発明1は、上記3.(1)において示したとおりのものである。

b.本件発明1と甲1-1発明とを対比すると、以下のとおりとなる。
甲1-1発明の「注出口具30」「内袋3」「開放部分」「外箱2」は、それぞれ、本件発明1の「注出口」「包装体」「取出口(1)」「包装箱」に相当する。
甲1-1発明の「前後左右の側面板40,41,42,43」「前後の側面板40,42」「左右の側面板41,43」は、それぞれ、本件発明1の「側面(10)」「前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の一方」「前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の他方」に相当する。
甲1-1発明の「外フラップ60,62」「内フラップ61,63」は、それぞれ、本件発明1の「外フラップ(21,22)」「内フラップ(23,24)」に相当する。
甲1-1発明の「閉鎖手段10」は、上記(ア)f.に示した甲1の段落【0037】の記載を参照すると、一対の内フラップ61,63の両方を内部に向かって押すことができるものであるから、本件発明1の「底上げフラップ(40)」に相当する。
甲1-1発明の「切欠き」は、本件発明1の「切欠き(25,26)」に相当する。

よって、本件発明1と甲1-1発明は、以下の構成において一致する。
「流体の注出口が設けられた包装体を内部に収容可能であり,前記包装体内の流体を前記注出口を介して外部に取り出すための取出口(1)を有する包装箱であって,
側面(10)と底面(20)とを備え,
前記側面(10)は,
前後左右の側面板(11,12,13,14)を有し,
前記底面(20)は,
前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の一方の下方に折線を介して連接した一対の外フラップ(21,22)と,
前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の他方の下方に折線を介して連接し,前記外フラップ(21,22)の内面側に折り込まれる一対の内フラップ(23,24)と,を有し,
前記一対の外フラップ(21,22)の少なくとも一方には,前記一対の内フラップ(23,24)の一方又は両方を内部に向かって押し上げるための底上げフラップ(40)が形成されており,
前記一対の外フラップ(21,22)の他方に,前記取出口(1)が形成されており,
前記一対の内フラップ(23,24)には,前記取出口(1)に対応した位置に,切欠き(25,26)が形成されている,
包装箱。」

そして、本件発明1と甲1-1発明は、以下の点で相違する。
<相違点1>
本件発明1は、「前記底上げフラップ(40)は、前記一対の内フラップ(23,24)の一方又は両方を内部に向かって押し上げる方向に折り曲げられたときに,当該底上げフラップ(40)が形成された前記外フラップ(21,22)に連接する前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の一方に接触する」のに対し、甲1-1発明は、閉鎖手段10が、一対の内フラップ61,63の両方を内部に向かって押すものであるが、その際に、閉鎖手段10が形成された外フラップ60に連接する側面板40に接触するか否かが明らかではない点。

c.上記相違点1について検討する。
上記(ア)i.に示した甲1の【図17】は、あくまでも説明図であって、各部の寸法を正確に記したものであるとはいえないものの、折り罫aからミシン目bの山形部の頂点に向かって引いた垂線が、折り罫aから側面板40に向かって引いた垂線よりも、短いことは明らかである。そして、折り罫aからミシン目bの山形部の頂点に向かって引いた垂線が、折り罫aから側面板40に向かって引いた垂線よりも長いということを示唆する事項は、甲1には何ら記載されていない。
よって、甲1-1発明において、閉鎖手段10が内部に向かって折り曲げられた際に側面板40に接触するとはいえないから、上記相違点1は実質的な相違点である。

また、本件発明1は上記相違点1に係る発明特定事項を備えることによって、内フラップ(23,24)の傾斜状態を維持しやすくなるという顕著な効果を発揮する。
よって、上記相違点1に係る発明特定事項は、甲1-1発明に基いて当業者が容易になしえたものではない。

d.したがって、本件発明1は甲1-1発明と上記相違点1において実質的に相違するから、本件発明1は甲1-1発明であるとはいえない。
また、本件発明1は、甲1-1発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

e.異議申立人は平成30年12月10日付け意見書と併せて、甲第2号証(実願昭52-97003号(実開昭54-26529号)のマイクロフィルム、以下「甲2」という。)、甲第3号証(特許第4679227号公報、以下「甲3」という。)、及び甲第4号証(特許第6284454号公報、以下「甲4」という。)を提出し、同意見書において、「上記甲2?4号証から明らかなとおり、包装箱の一面に折目線の両端を屈曲した切り込みによって繋いだ箇所を箱内部に押し込み、該一面に隣接する壁面に接触させるという態様は、本件特許発明1の出願時にはすでに周知技術であることがわかる。よって、甲1発明の閉鎖部材10を甲2?4に記載された周知技術によって設計変更することで、訂正発明1の構成に想到することは当業者にとって容易である。」(第5ページ第1?5行)と主張している。
しかし、甲4は、本件特許の出願前に公開されていた刊行物ではない。
また、甲1-1発明の閉鎖手段10、及び、甲2?4に記載された包装箱の一面に折目線の両端を屈曲した切り込みによって繋いだ箇所を箱内部に押し込むことは、いずれも、把手を構成するためのものであり、本件発明1のように、包装体内の流体を注出口を導くことについて、甲1?4には何ら記載も示唆もなく、当該事項を当業者が容易に想到し得たとはいえない。
さらに、本件発明1は上記相違点1に係る発明特定事項を備えることによって、内フラップ(23,24)の傾斜状態を維持しやすくなるという顕著な効果を発揮する。
したがって、異議申立人の上記主張は、当を得たものではない。

(ウ)本件発明2について
本件発明2は、上記3.(1)において示したとおりのものである。
本件発明2は本件発明1の発明特定事項を全て含み、さらに技術的な限定を加えたものである。
よって、上記(イ)で検討したのと同様の理由により、本件発明2は、甲1-1発明であるとはいえない。また、本件発明2は、甲1-1発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(エ)本件発明3について
a.本件発明3は、上記3.(1)において示したとおりのものである。

b.本件発明3と甲1-2発明とを対比すると、本件発明3と甲1-2発明は、以下の構成において一致する。
「流体の注出口が設けられた包装体を内部に収容可能であり,前記包装体内の流体を前記注出口を介して外部に取り出すための取出口(1)を有する包装箱であって,
側面(10)と底面(20)とを備え,
前記側面(10)は,
前後左右の側面板(11,12,13,14)を有し,
前記底面(20)は,
前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の一方の下方に折線を介して連接した一対の外フラップ(21,22)と,
前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の他方の下方に折線を介して連接し,前記外フラップ(21,22)の内面側に折り込まれる一対の内フラップ(23,24)と,を有し,
前記一対の外フラップ(21,22)の少なくとも一方には,前記一対の内フラップ(23,24)の一方又は両方を内部に向かって押し上げるための底上げフラップ(40)が形成されており,
前記底上げフラップ(40)は,
直線状の折線(41)と,当該折線(41)の一端と他端を繋ぐ屈折線状又は曲線状の切離可能線(42)と,によって周囲を囲われた部分である,
包装箱。」

そして、本件発明3と甲1-2発明は、以下の点で相違する。
<相違点2>
本件発明3は「前記底上げフラップ(40)は、前記一対の内フラップ(23,24)の一方又は両方を内部に向かって押し上げる方向に折り曲げられたときに,当該底上げフラップ(40)が形成された前記外フラップ(21,22)に連接する前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の一方に接触する」のに対し、閉鎖手段10は、一対の内フラップ61,63の両方を内部に向かって押す方向に折り曲げられたときに、閉鎖手段10が形成された外フラップ60に連接する側面板40に接触するか否かが明らかではない点。

c.上記相違点2について検討すると、当該相違点は上記相違点1と同じであるから、上記(イ)c.で検討したとおり、上記相違点2は実質的な相違点である。
また、上記相違点2に係る発明特定事項は、甲1-2発明に基いて当業者が容易になしえたものではない。

d.したがって、本件発明3は甲1-2発明と上記相違点2において実質的に相違するから、本件発明3は甲1-2発明であるとはいえない。
また、本件発明3は、甲1-2発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

イ.理由3について
(ア)本件特許明細書の段落【0021】?【0032】及び【図1】?【図3】には、本件発明1?3の一実施形態として、包装箱100の展開図、包装箱100への可撓性包装体200の収容の様子、包装箱100の底面20の様子などが説明されており、【図4】(b)では、少なくとも、底上げフラップ40が側面板12に接触している様子が説明されている。
そうしてみると、こうした一連の記載に接した当業者が、本件発明1?3を実施することができないとまではいえない。
そして、【図4】は、「包装箱100の断面形状を模式的に示している(段落【0033】)」ものであって、内フラップ23,24のうち底上げフラップ40で支えられている部分よりも、取出口1に近接する支えがない部分の方が、包装体内の流体の重量によって押し下げられ、内フラップ23,24が傾斜することを模式的に図示していると理解することができる。そうすると、【図4】は内フラップ23,24の前後方向の傾斜を正確に表したものではないとしても、そのような模式的な図示によって本件発明1?3が実施できないとまではいえない。
したがって、本件特許明細書及び図面は、当業者が本件発明1?3を実施することが出来る程度に明確かつ十分に記載されているといえる。

(イ)異議申立人の平成30年12月10日付け意見書における主張について
a.異議申立人は同意見書において、「つまり、要約的にいえば、特許権者は、上述のとおり「包装箱100の内部に流体が充填された可撓性包装体200を収容した状態では、…それ以外の部位(特に参考図4及び参考図5において黄色で着色した範囲)は、可撓性包装体200内の流体の重さによって下方に押し下げられるように変形します。」などと主張するが、そもそも、変形するほどの量の流体が収容されている段階では、底上げフラップ40によって内フラップ23,24を押し上げる必要はない。
してみると、特許権者は、「・・・本件特許発明に係る包装箱100の内部に流体の充填された可撓性の包装体200(内袋)が収容されることを全く考慮せずに論じられたものであり、本件特許発明の構成の解釈として正しくありません。・・・(第3頁)」などと主張するが、かかる主張は、訂正発明1に係る可撓性の包装体200(内袋)にどの程度の量の流体が残存したときに訂正発明の特徴部分である底上げフラップを用いるかを全く考慮せずに論じられたものであり、訂正発明1の構成の解釈として全く正しくない。」(第8ページ第15?26行)と主張している。
また、異議申立人は同意見書において、「もし仮に、内フラップが流体の残量の多少、及び、内フラップ自体の強度の如何によらず、必ず「流体の重さによって下方に押し下げられるように変形」することが技術常識であるのであれば、特許権者からそのような技術常識を証する証拠が多数提出されてしかるべきであるが、特許権者は自己の主張を裏付ける証拠を一切提出していない。」(第10ページ第7行?第10行)とも主張している。
しかし、本件特許明細書の段落【0021】?【0032】及び【図1】?【図3】には、本件発明1?3の一実施形態として、包装箱100の展開図、包装箱100への可撓性包装体200の収容の様子、包装箱100の底面20の様子などが説明されており、【図4】(b)では、少なくとも、底上げフラップ40が側面板12に接触している様子が説明されているから、本件発明の詳細な説明は、当業者が本件発明の実施をすることができる程度に、明確かつ十分に記載されていると評価できるものであり、【図4】が模式的に図示されたものであって、傾斜を正確に表していないからといって、当業者が発明の実施をすることができない程度に不明確あるいは不十分であるというものではない。
したがって、異議申立人の上記主張は、当を得たものではない。

b.また、異議申立人は同意見書において、「同様に、特許権者は、今般の意見書では上記参考図5を示して、内フラップのうち、底上げフラップで支持されている部位から一定の距離離間した黄色に着色した範囲が下方に押し下げられると、内フラップの変形箇所を具体的に詳説している。もし、仮に係る主張が正しいと仮定すると、底上げフラップを押し上げたときの内フラップを断面図で示した場合、下記参考図4に青色で追記するように、多少水平方向に伸びてから湾曲するはずである。・・・【参考図4】(当審略)・・・しかしながら、少なくとも図4(B)に示された内フラップは、完全な直線であり、特許権者が今般詳説したように、内フラップの一部が変形しているという状態を認識することはできない。」(同意見書第9ページ第1行?第10ページ第3行)と主張している。
しかし、本件特許明細書の段落【0033】に「図4は,包装箱100の断面形状を模式的に示している。・・・」と記載されていることを踏まえると、【図4】は必ずしも各部が正確に示されたものではなく、模式的に図示されたものと解するのが自然である。
したがって、異議申立人の上記主張は、当を得たものではない。

ウ.小括
以上のとおり、本件発明1?3に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものとはいえないから、同法第113条第2号に該当せず、取り消されるべきものとはいえない。
また、本件発明1?3に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとはいえないから、同法第113条第2号に該当せず、取り消されるべきものとはいえない。
そして、本件特許は、特許法第36条第4項第1号の規定に違反してされたものとはいえないから、同法第113条第4号に該当せず、取り消されるべきものとはいえない。

4.むすび
以上のとおり、取消理由通知に記載した取消理由によっては、本件発明1?3に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1?3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の注出口が設けられた包装体を内部に収容可能であり,前記包装体内の流体を前記注出口を介して外部に取り出すための取出口(1)を有する包装箱であって,
側面(10)と底面(20)とを備え,
前記側面(10)は,
前後左右の側面板(11,12,13,14)を有し,
前記底面(20)は,
前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の一方の下方に折線を介して連接した一対の外フラップ(21,22)と,
前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の他方の下方に折線を介して連接し,前記外フラップ(21,22)の内面側に折り込まれる一対の内フラップ(23,24)と,を有し,
前記一対の外フラップ(21,22)の少なくとも一方には,前記一対の内フラップ(23,24)の一方又は両方を内部に向かって押し上げるための底上げフラップ(40)が形成されており,
前記一対の外フラップ(21,22)の他方に,前記取出口(1)が形成されており,
前記一対の内フラップ(23,24)には,前記取出口(1)に対応した位置に,切欠き(25,26)が形成されており,
前記底上げフラップ(40)は,前記一対の内フラップ(23,24)の一方又は両方を内部に向かって押し上げる方向に折り曲げられたときに,当該底上げフラップ(40)が形成された前記外フラップ(21,22)に連接する前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の一方に接触する
包装箱。
【請求項2】
前記底上げフラップ(40)は,
前記一対の外フラップ(21,22)の一方にのみ形成されており,且つ,
前記一対の内フラップ(23,24)の両方を内部に向かって押し上げることが可能な位置に形成されている
請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
流体の注出口が設けられた包装体を内部に収容可能であり,前記包装体内の流体を前記注出口を介して外部に取り出すための取出口(1)を有する包装箱であって,
側面(10)と底面(20)とを備え,
前記側面(10)は,
前後左右の側面板(11,12,13,14)を有し,
前記底面(20)は,
前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の一方の下方に折線を介して連接した一対の外フラップ(21,22)と,
前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の他方の下方に折線を介して連接し,前記外フラップ(21,22)の内面側に折り込まれる一対の内フラップ(23,24)と,を有し,
前記一対の外フラップ(21,22)の少なくとも一方には,前記一対の内フラップ(23,24)の一方又は両方を内部に向かって押し上げるための底上げフラップ(40)が形成されており,
前記底上げフラップ(40)は,
直線状の折線(41)と,当該折線(41)の一端と他端を繋ぐ屈折線状又は曲線状の切離可能線(42)と,によって周囲を囲われた部分であり,
前記一対の内フラップ(23,24)の一方又は両方を内部に向かって押し上げる方向に折り曲げられたときに,当該底上げフラップ(40)が形成された前記外フラップ(21,22)に連接する前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の一方に接触する
包装箱。
【請求項4】
流体の注出口が設けられた包装体を内部に収容可能であり,前記包装体内の流体を前記注出口を介して外部に取り出すための取出口(1)を有する包装箱であって,
側面(10)と底面(20)とを備え,
前記側面(10)は,
前後左右の側面板(11,12,13,14)を有し,
前記底面(20)は,
前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の一方の下方に折線を介して連接した一対の外フラップ(21,22)と,
前後の側面板(11,12)又は左右の側面板(13,14)の他方の下方に折線を介して連接し,前記外フラップ(21,22)の内面側に折り込まれる一対の内フラップ(23,24)と,を有し,
前記一対の外フラップ(21,22)の少なくとも一方には,前記一対の内フラップ(23,24)の一方又は両方を内部に向かって押し上げるための底上げフラップ(40)が形成されており,
前記底上げフラップ(40)を有する前記外フラップ(22)が連接している前記側面板(12)には,上側と下側の少なくとも2箇所に,指を差し込むことのできる指掛孔(51,52)が形成されている
包装箱。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-02-28 
出願番号 特願2014-159437(P2014-159437)
審決分類 P 1 652・ 113- YAA (B65D)
P 1 652・ 121- YAA (B65D)
P 1 652・ 536- YAA (B65D)
最終処分 維持  
前審関与審査官 植前 津子  
特許庁審判長 久保 克彦
特許庁審判官 佐々木 正章
竹下 晋司
登録日 2017-12-15 
登録番号 特許第6256247号(P6256247)
権利者 王子ホールディングス株式会社
発明の名称 バッグインボックス用の包装箱  
代理人 関 大祐  
代理人 廣瀬 隆行  
代理人 関 大祐  
代理人 廣瀬 隆行  

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