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審決分類 審判 一部申し立て 発明同一  G01N
管理番号 1351458
異議申立番号 異議2019-700164  
総通号数 234 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-06-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-02-27 
確定日 2019-05-17 
異議申立件数
事件の表示 特許第6391176号発明「診断システム、移動装置、及び診断プログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6391176号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6391176号の請求項1?10に係る特許についての出願は、平成27年11月12日に出願され、平成30年8月31日にその特許権の設定登録がされ、平成30年9月19日に特許掲載公報が発行された。その後、その請求項1?3に係る特許に対し、平成31年2月27日に特許異議申立人筒井ますみ(以下「申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った。

第2 本件発明
特許第6391176号の請求項1?3の特許に係る発明(以下「本件発明1」?「本件発明3」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1?3に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
診断対象の壁面に打撃を与える打撃部、及び前記打撃で生じる打音の波形を表す打音データを生成するマイクロホン部を有する移動体と、
前記打音データを用いて前記壁面を診断し、診断結果を出力する診断装置と、
前記移動体を前記壁面に沿って移動させる移動装置と、
前記移動体の前記壁面内における位置を特定可能なように、前記移動装置によって移動される前記移動体及び前記壁面を撮像し、撮像結果を出力する撮像装置と、
前記撮像装置から前記撮像結果を、前記診断装置から前記診断結果を、それぞれ時系列データとして取得すると共に、各時点の前記撮像結果ごとに、該撮像結果を画像処理することで前記移動体の前記壁面内に占める領域を特定し、その特定した領域に、該撮像結果が表す時点に対応する前記診断結果が関連付けられており、かつ該診断結果を視覚的に把握することができる画像を形成する関連付け装置と、
を備える診断システム。
【請求項2】
前記関連付け装置から前記画像を取得し、取得した前記画像を表示出力する携帯端末、
をさらに備える請求項1に記載の診断システム。
【請求項3】
前記関連付け装置が、前記画像を表示出力する表示部を有する請求項1又は2に記載の診断システム。」

第3 申立理由の概要
申立人は、証拠として甲1号証(以下「甲1」という。)及び甲2号証(以下「甲2」という。)を提出し、本件発明1?3は甲1に記載された発明と同一であり、本件発明1は甲2に記載された発明と同一であるから、請求項1?3に係る特許は、特許法第29条の2の規定に違反してされたものであり、請求項1?3に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。
なお、申立人は、甲1として特開2016-205901号公報の写し、甲2として特開2016-191661号公報の写しを提出して、証拠説明書の立証の趣旨に「特許異議の申立てに係る特許の出願日前に、特許異議の申立てに係る特許と同一の発明が出願されていたこと。」と記載している。これら甲1及び甲2は、それぞれ、特願2015-85371号(以下「甲1出願」という。)及び特願2015-72576号(以下「甲2出願」という。)が、上記本件特許の出願日前の特許出願であってその出願後に出願公開がされたものであることを示しており、また、甲1及び甲2の記載内容は、それぞれ、甲1出願及び甲2出願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、それぞれ「甲1出願当初明細書等」及び「甲2出願当初明細書等」という。)に記載された内容と同一である。
そして、本件特許の発明者は、甲1出願に係る発明をした者とも、甲2出願に係る発明をした者とも同一ではなく、また、本件特許の出願時において、本件特許の出願人は甲1出願の出願人とも、甲2出願の出願人とも同一ではない。
甲1:特開2016-205901号公報
甲2:特開2016-191661号公報

第4 甲号証の記載事項
1 甲1について
(1)甲1には、以下の事項が記載されている。なお、下線は当審において付した。
(甲1ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象物の状態の検出結果またはその評価結果と検査対象物の検出箇所の位置を示す位置情報とを関連付けて評価する検査対象物の状態評価装置に関する。」

(甲1イ)「【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
・・・
【0009】
状態評価装置10は、外装材4の状態の評価結果と建物外面部の位置(検査対象物の検出箇所の位置)を示す位置情報とを関連付けて評価するものである。
状態評価装置10は、検出部12と、評価部14と、指標部16と、撮像部18と、位置情報生成部20と、検査対象物評価情報生成部22と、記憶部24と、表示部26と、表示制御部28とを含んで構成されている。
【0010】
検出部12は、建物外面部の状態を検出するものであり、言い換えると、建物外面部の状態を示す個別測定情報を生成するものである。
本実施の形態では、検出部12は、作業者が把持して状態を評価すべき外装材4の表面に当て付けて使用される。
そして、検出部12は、外装材4を打撃した際に発生する打音および振動を個別測定情報として検出する。なお、状態評価装置10が評価する対象が建物外面部のひび割れや汚損であれば、検出部12は建物外面部を撮像してひび割れや汚損を検出する撮像装置で構成されることになる。また、状態評価装置10が評価する対象が建物外面部の温度であれば、検出部12は建物外面部の温度を検出する温度計で構成されることになる。要するに、検出部12は状態評価装置10が評価する対象に対応したものが採用される。
また、本実施の形態では、検出部12により打音および振動が検出される毎にトリガ信号が検出部12から位置情報生成部20に供給されるように構成されている。
【0011】
評価部14は、検出部12によって検出された、建物外面部の状態を示す個別測定情報に基づいて建物外面部の状態を評価して個別評価情報を生成するものである。
本実施の形態では、個別評価情報は、建物躯体2に接着された外装材4の剥離の有無を示す情報と、外装材4の背面の空洞の外装材4の深さ方向における位置を示す情報とを含む。
なお、評価部14による個別評価情報の生成は、検出部12で検出された打音および振動の検出信号の周波数、振幅、波長などの検出結果に基づいてなされ、このような個別評価情報の生成の手法として従来公知の様々な手法が採用可能である。
【0012】
指標部16は、図2に示すように、検出部12に一体的に設けられ、本実施の形態では、検出部12の筐体1202の外面に設けられている。
指標部16は、撮像部18によって撮像可能であればよく、例えば、記号やマークが付されたシールで指標部16を構成してもよく、点灯あるいは点滅する光源で指標部16を構成してもよい。
【0013】
撮像部18は、指標部16と、検査対象物の表面の互いに離れた少なくとも2箇所に設定された複数の基準点とを含む範囲を撮像して画像情報を生成するものである。
撮像部18として、CCDカメラや赤外線カメラなどの静止画あるいは動画を撮像可能な従来公知の様々な撮像装置が使用可能である。本実施の形態では、撮像部18が常時一定の時間間隔(例えば0.1秒単位)で静止画を撮像するものとするが、撮像部18が動画を撮像するものであってもよい。
・・・
【0015】
位置情報生成部20は、検出部12により外装材4を打撃した際に発生する打音および振動が検出された時刻に対応して撮像部18で撮像された画像情報に基づいて、複数の基準点の位置に対する指標部16の相対的な位置、すなわち検出部12の位置を示す位置情報を生成するものである。言い換えると、検出部12の位置を示す位置情報を検査対象物
の検出箇所の位置情報として生成するものである。
なお、検出部12により外装材4を打撃した際に発生する打音および振動が検出された時刻に対応して撮像部18で撮像された画像情報とは、検出部12により打音および振動が検出された時刻と同時刻あるいはほぼ同時刻に撮像部18で撮像された画像情報であればよい。
本実施の形態では、位置情報生成部20は、撮像部18から時間経過と共に順次供給される画像情報のうち、検出部12から供給されるトリガ信号に対応する画像情報を選択し、この選択された画像情報に基づいて複数の基準点の位置に対する指標部16の相対的な位置を示す位置情報を生成する。
・・・
【0017】
検査対象物評価情報生成部22は、評価部14から供給される個別評価情報と、位置情報生成部20から供給される位置情報とを関連付けた検査対象物評価情報を生成する。
【0018】
記憶部24は、撮像部18で撮像された画像情報と検査対象物評価情報生成部22から供給される検査対象物評価情報とを関連付けて記憶するものである。
【0019】
表示部26は、画像を表示するものである。
表示制御部28は、表示部26に各種情報を表示させるものである。
表示制御部28は、画像情報に基づいて建物外面の画像を表示部26に表示させると共に、検査対象物評価情報に含まれる位置情報によって特定される建物外面の画像上の箇所に、検査対象物評価情報に含まれ位置情報に関連付けられた個別評価情報を表示させる。すなわち、表示部26に表示された建物外面の画像に重ね合わせて個別評価情報を表示させる。
本実施の形態では、表示部26による個別評価情報の表示は、個別評価情報をその評価内容に対応付けられた複数種類の色を呈するマークで表示することによってなされる。
・・・
【0020】
図1に示すように、評価部14、位置情報生成部20、検査対象物評価情報生成部22、記憶部24、表示部26、表示制御部28は、コンピュータ30によって構成することができる。
コンピュータ30は、例えば、作業員が携帯可能なタブレット端末で構成され、検出部12とケーブルで接続されている。
・・・
【0021】
次に、図3のフローチャートを参照して状態評価装置10の動作について説明する。
まず、図2に示すように、評価対象となる建物躯体2に設けられた外装材4の表面に複数の基準点P1、P2、P3、P4を設置する(ステップS10)。
この際、各基準点P1、P2、P3、P4の位置は実測されており既知となっている。
次に、撮像部18によって撮像される撮像範囲Aに、各基準点P1、P2、P3、P4の全てが撮像されるように撮像部18を設置する(ステップS12)。
図4に、建物躯体2の近傍に足場54を構築し、作業者Mが足場54を利用して建物外面部に対する検出作業を行なう場合の例を示し、図5に、作業者Mが建物上部から吊り下げられたゴンドラ56を利用して建物外面部に対する検出作業を行なう場合の例を示す。なお、作業員が携帯するコンピュータ30は図示を省略している。
図4に示す例では、足場54上に設置した三脚58に取り付けた撮像部18を用いて撮像範囲Aの撮像を行なう。図5に示す例では、ゴンドラ56に設けた支持部材60に取着した撮像部18を用いて撮像範囲Aの撮像を行なう。
【0022】
作業者は、検出部12を診断対象となる外装材4の表面に当接させる(ステップS14)。
なお、図4、図5に示すように、検出部12の筐体1202に支持棒62の先端が取着されており、作業者Mは支持棒62を把持することにより検出部12を広い範囲にわたって容易に移動できるように図られている。
【0023】
次に、作業者Mが検出部12を操作することにより、外装材4の表面が打撃され打音や振動が検出され、その検出結果(検出信号)が評価部14に供給される(ステップS16,S18)。」

(甲1ウ)図4及び図5として、以下の図面が記載されている。
【図4】


【図5】



(2)甲1発明について
上記甲1の記載から、甲1出願当初明細書等には、以下の発明が記載されていると認められる。なお、図面番号については省略した。
「外装材の状態の評価結果と建物外面部の位置(検査対象物の検出箇所の位置)を示す位置情報とを関連付けて評価する状態評価装置であって、
検出部と、評価部と、指標部と、撮像部と、位置情報生成部と、検査対象物評価情報生成部と、記憶部と、表示部と、表示制御部とを含んで構成されており、
検出部は、外装材を打撃した際に発生する打音および振動を個別測定情報として検出し、
指標部は、検出部に一体的に設けられ、検出部の筐体の外面に設けられており、
評価部は、検出部によって検出された、建物外面部の状態を示す個別測定情報に基づいて建物外面部の状態を評価して個別評価情報を生成するものであり、
撮像部は、指標部と、検査対象物の表面の互いに離れた少なくとも2箇所に設定された複数の基準点とを含む範囲を撮像して画像情報を生成するものであり、
位置情報生成部は、検出部により外装材を打撃した際に発生する打音および振動が検出された時刻に対応して撮像部で撮像された画像情報に基づいて、複数の基準点の位置に対する指標部の相対的な位置、すなわち検出部の位置を示す位置情報を生成するものであり、
検査対象物評価情報生成部は、評価部から供給される個別評価情報と、位置情報生成部から供給される位置情報とを関連付けた検査対象物評価情報を生成するものであり、
表示制御部は、画像情報に基づいて建物外面の画像を表示部に表示させると共に、検査対象物評価情報に含まれる位置情報によって特定される建物外面の画像上の箇所に、検査対象物評価情報に含まれ位置情報に関連付けられた個別評価情報を表示させるものであり、
表示部による個別評価情報の表示は、個別評価情報をその評価内容に対応付けられた複数種類の色を呈するマークで表示することによってなされるものであり、
上記評価部、位置情報生成部、検査対象物評価情報生成部、記憶部、表示部、表示制御部は、コンピュータによって構成することができるものであって、
足場上に設置した三脚に取り付けた撮像部を用いて撮像範囲の撮像を行なう、又は、ゴンドラに設けた支持部材に取着した撮像部を用いて撮像範囲の撮像を行ない、検出部の筐体に支持棒の先端が取着されており、作業者は支持棒を把持することにより、検出部を外装材の表面に当て付けて広い範囲にわたって容易に移動できるように図られている、
状態評価装置。」(以下「甲1発明」という。)


2 甲2について
(1)甲2には、以下の事項が記載されている。なお、下線は当審において付した。
(甲2ア)「【0001】
本発明は、例えば、橋梁やトンネルの内壁などの構造物の状態を点検する装置に関するものである。

(甲2イ)「【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る構造物の点検システム1の構成を示す図で、同図において、10は音・映像採取装置、20は加振装置、30はデータ処理装置、40は記憶・演算装置、50は移動体制御装置、60は表示装置である。
音・映像採取装置10は、音・映像採取ユニット10Aと、第1の移動手段10Bと、雲台10Cとを備え、音・映像採取ユニット10Aは、雲台10Cを介して、第1の移動手段10Bに搭載される。
また、加振装置20は、加振手段20Aと、加振手段20Aを搭載する第2の移動手段20Bとを備える。
移動体制御装置50は、第1の移動手段10B及び第2の移動手段20Bの移動及び停止を制御するとともに、加振手段20Aの加振のタイミングを制御する。
なお、本例では、データ処理装置30を第1の移動手段10Bに搭載したが、記憶・演算装置40及び表示装置60とともに、作業エリアに設置してもよい。」
【0014】
音・映像採取ユニット10Aは、4個のマイクロフォンM1?M4を備えた音採取手段11と、撮影手段としてのCCDカメラ(以下、カメラという)12と、マイクロフォンM1?M4とカメラ12とを装着する平面板13と、平面板13の周縁部に配置される吸音材14と、温度センサー15とを備える。
・・・
【0015】
図3は、音・映像採取装置10の詳細を示す図で、音・映像採取ユニット10Aを搭載する第1の移動手段10Bは、部材取付部16aと、移動体16bと、図外の移動体駆動部とを備える。
部材取付部16aは、例えば、板材により形成された台により構成される。
移動体16bは、例えば、部材取付部16aに連結された車輪支持脚161と、車輪支持脚161の先端側に設けられた車輪162とにより構成される。
本例では、車輪162を永久磁石材料から構成するとともに、車輪支持脚161を、柔軟関節用部材から構成することで、第1の移動手段10Bを、鋼鉄製の橋梁の主桁や構成部材に吸着しながら走行することができるようにしている。
・・・
【0017】
図5は、加振装置20の詳細を示す図である。
加振手段20Aは、一端が取付部材21を介して第2の移動手段20Bに連結される支持軸体22と、支持軸体22の他端部に、支持軸体22の中心軸を回転中心として回転可能に取付けられた回転打撃部材23とを備える。
回転打撃部材23の外周面は、一定周期で凹凸が繰り返される凹部23aと凸部23bとが形成されており、回転打撃部材23の凸部23bが点検対象である橋梁やトンネルの内壁などの構造物表面に接触した状態で回転することによって、構造物の表面を周期的に打撃して加振する。
第2の移動手段20Bは、第1の移動手段10Bと同様の構成で、板材により形成された部材取付部26aと、車輪262及び車輪支持脚261とを有する移動体26bと、図外の移動体駆動部とを備える。
第2の移動手段20Bにおいても、車輪262を永久磁石材料から構成するとともに、車輪支持脚261を、柔軟関節用部材から構成することで、鋼鉄製の橋梁の主桁や構成部材に吸着しながら走行することができるようにしている。
・・・
【0018】
データ処理装置30は、音データ入出力手段31と、映像入出力手段32とを備え、記憶・演算装置40は、記憶手段41と、3次元モデル作成手段42と、音源方向推定手段43と、音源推定用画像作成手段44と、異音発生位置特定手段45を備える。
・・・
【0019】
記憶手段41は、音圧波形データと画像データとを保存するとともに、以下に説明する3次元モデル作成手段42で作成された構造物の3次元モデルを記憶する。
3次元モデル作成手段42は、カメラ12により連続的に撮影されて記憶手段41に記憶された複数の画像データを用い、周知のステレオマッチングの手法により、構造物の3次元モデルを作成する。」

(甲2ウ)図1として、以下の図面が記載されている。
【図1】


(甲2エ)「【0023】
次に、本発明による構造物の点検方法について、図8のフローチャートを参照して説明する。本例では、点検対象とする構造物を橋梁とした場合について説明する。
まず、加振装置20を、橋梁下面の所定の点検対象箇所にセットするとともに、音・映像採取装置10を、点検対象部分から所定距離だけ離れたデータ採取箇所にセットする(ステップS10)。そして、加振手段20Aにて、橋梁下面の点検対象箇所を加振するとともに、音・映像採取装置10にて加振点近傍で発生する音の音圧信号と映像とを採取する(ステップS11)。
このとき、第2の移動手段20Bを制御して、加振装置20を初期位置から点検対象箇所まで走行させて停止させた後、第1の移動手段10Bを制御して、音・映像採取装置10を初期位置からデータ採取箇所まで走行させて停止させれば、音・映像採取装置10の位置であるカメラ12の位置は、初期位置を原点とする3次元座標で表せる。
次に、マイクロフォンM1?M4の出力信号である音圧信号を増幅してA/D変換して得られた音圧波形データを記憶手段41に保存するとともに、カメラ12の映像信号をA/D変換して得られた画像データを記憶手段41に保存する(ステップS12)。
そして、音・映像採取装置10と加振装置20を移動させながら、複数の箇所で、音の情報と映像の情報とを採取する。
【0024】
複数の画像データが得られた時点で、ステレオマッチングの手法により、点検対象物である橋梁の3次元モデルを作成(ステップS13)した後、この3次元モデルを用いて、橋梁の下部側から見た図面である2次元図面を作成する(ステップS14)。
具体的には、2枚の画像データから共通部分を特定するパターンマッチングにて共通部分を特定し、この共通部分の3次元座標をステレオ投影にて求める作業を、複数組について行えば、構造物の3次元モデルを作成することができる。2次元図面は、ある平面への3次元モデルの正射影として得られるが、本例では、平面を水平面としたので、3次元モデルのx座標とy座標とが2次元図面のx座標とy座標となる。
ステップS15では、採取した音圧波形データを用いて、異音の音源方向である水平角θp及び仰角φpを推定した後、音源方向のデータと画像データとを合成した音源推定用画像を作成する(ステップS16)。
なお、音源推定用画像Gを作成した後、3次元モデル及び2次元図面を作成してもよいし、音源推定用画像の作成と3次元モデル及び2次元図面の作成を同時に行ってもよい。
【0025】
次に、音源の位置に十字マークを付けられた音源位置表示画像Gsを作成(ステップS17)した後、この音源位置表示画像Gsの十字マーク近傍の画像を、3次元モデルとパターンマッチングさせることで、十字マークの3次元座標(xk,yk,zk)を特定する(ステップS18)。
最後に、2次元図面上に音源の位置(xk,yk)を示す十字マークを付けた音源画像Sを作成し、音源位置表示画像Gsと音源画像Sとを表示装置60の表示画面60Mに表示をする(ステップS19)。」

(2)甲2発明について
上記甲2の記載から、甲2出願当初明細書等には、以下の発明が記載されていると認められる。なお、図面番号については省略した。
「音・映像採取装置、加振装置、データ処理装置、記憶・演算装置、移動体制御装置、表示装置で構成される橋梁やトンネルの内壁などの構造物の点検システムであって、
音・映像採取装置は、音・映像採取ユニットと、第1の移動手段と、雲台とを備え、音・映像採取ユニットは、雲台を介して、第1の移動手段に搭載され、音・映像採取ユニットは、4個のマイクロフォンを備えた音採取手段と、撮影手段としてのカメラとを備え、
加振装置は、加振手段と、加振手段を搭載する第2の移動手段とを備え、加振手段は、構造物の表面を周期的に打撃して加振するものであり、
第1の移動手段及び第2の移動手段は、構成部材に吸着しながら走行することができるものであり、
データ処理装置は、音データ入出力手段と、映像入出力手段とを備え、
記憶・演算装置は、記憶手段と、3次元モデル作成手段と、音源方向推定手段と、音源推定用画像作成手段と、異音発生位置特定手段を備え、3次元モデル作成手段は、カメラにより連続的に撮影されて記憶手段に記憶された複数の画像データを用い構造物の3次元モデルを作成する、構造物の点検システムにおいて、
第2の移動手段を制御して、加振装置を初期位置から点検対象箇所まで走行させて停止させた後、第1の移動手段を制御して、音・映像採取装置を初期位置からデータ採取箇所まで走行させて停止させ、音・映像採取装置の位置であるカメラの位置により初期位置を原点とする3次元座標で表し、そして、音・映像採取装置と加振装置を移動させながら、複数の箇所で、音の情報と映像の情報とを採取し、採取した音圧波形データを用いて、異音の音源方向である水平角θ_(p)及び仰角φ_(p)を推定した後、音源方向のデータと画像データとを合成した音源推定用画像を作成し、次に、音源の位置に十字マークを付けられた音源位置表示画像を作成した後、この音源位置表示画像の十字マーク近傍の画像を、3次元モデルとパターンマッチングさせることで、十字マークの3次元座標(x_(k),y_(k),z_(k))を特定し、最後に、2次元図面上に音源の位置(x_(k),y_(k))を示す十字マークを付けた音源画像を作成し、音源位置表示画像と音源画像とを表示装置の表示画面に表示をする、
構造物の点検システム。」(以下「甲2発明」という。)


第5 申立理由についての判断
1 甲1に基づく特許法第29条の2について
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
(ア)移動体について
甲1発明の「外装材を打撃した際に発生する打音および振動を個別測定情報として検出」する「検出部」は、「打音および振動」から「個別測定情報」(データ)を生成しているといえることから、本件発明1の「打撃で生じる打音の波形を表す打音データを生成するマイクロホン部」に相当する。
そして、甲1発明の「検出部の筐体」は、「検出部の筐体に支持棒の先端が取着されており、作業者は支持棒を把持することにより、検出部を外装材の表面に当て付けて広い範囲にわたって容易に移動できるように図られている」ことから、本件発明1の「マイクロホン部を有する移動体」に相当する。

(イ)診断装置について
甲1発明の「検出部によって検出された、建物外面部の状態を示す個別測定情報に基づいて建物外面部の状態を評価して個別評価情報を生成するものであ」る「評価部」は、本件発明1の「前記打音データを用いて前記壁面を診断し、診断結果を出力する診断装置」に相当する。

(ウ)移動装置について
a 甲1発明の「支持棒の先端が取着されて」いる「検出部の筐体」を、「支持棒を把持することにより、検出部を外装材の表面に当て付けて広い範囲にわたって容易に移動」させる「作業者」と、本件発明1の「前記移動体を前記壁面に沿って移動させる移動装置」とは、「者」と「装置」の共通する上位概念を「動体」と記するなら、両者は「前記移動体を前記壁面に沿って移動させる動体」という点で共通する。

b 申立人の主張
申立人は、特許異議申立書において、本件発明1の「移動装置」に対する部分の甲1に記載されている発明として「C1 検出部12を外装材4(建物外面部)に沿って移動させるゴンドラ56」と認定し、これは本件発明1の「前記移動体を前記壁面に沿って移動させる移動装置」に相当していると述べている。
しかし、甲1に「検出部12は、作業者が把持して状態を評価すべき外装材4の表面に当て付けて使用される。」(摘記(甲1イ))、「作業者は、検出部12を診断対象となる外装材4の表面に当接させる(ステップS14)。なお、図4、図5に示すように、検出部12の筐体1202に支持棒62の先端が取着されており、作業者Mは支持棒62を把持することにより検出部12を広い範囲にわたって容易に移動できるように図られている。」(摘記(甲1イ))と記載されており、検出部12を移動させるのは「作業者」であり、「ゴンドラ」と認定するのは誤りである。
仮に、「検出部、作業者及びゴンドラ」を本件発明1の「移動体」に、ゴンドラを動かす建物の屋上にある装置(甲1には記載されていないが、技術常識から装置があるものとする)を本件発明1の「移動装置」に相当するとした場合には、建物の屋上にある装置が検出部を移動させることになるが、その際「作業者」は検出部を支持するだけの「支持体」となり、作業者が検出部12を移動させることを前提にした甲1発明に整合しないことになる。

(エ)撮像装置について
甲1発明の「検出部に一体的に設けられ、検出部の筐体の外面に設けられて」いる「指標部と、検査対象物の表面の互いに離れた少なくとも2箇所に設定された複数の基準点とを含む範囲を撮像して画像情報を生成するものであ」る「撮像部」は、「複数の基準点の位置に対する指標部の相対的な位置、すなわち検出部の位置を示す」ものであるから、本件発明1の「前記移動体の前記壁面内における位置を特定可能なように、前記移動装置によって移動される前記移動体及び前記壁面を撮像し、撮像結果を出力する撮像装置」に相当する。

(オ)関連付け装置について
a 撮像結果と診断結果のが関連付けについて
甲1発明の「位置情報生成部」において、甲1発明の「検出部により外装材を打撃した際に発生する打音および振動が検出された時刻に対応して撮像部で撮像された画像情報」は、本件発明1の「時系列データとして取得する」「前記撮像装置から前記撮像結果」に相当している。そして、甲1発明の「画像情報に基づいて、複数の基準点の位置に対する指標部の相対的な位置、すなわち検出部の位置を示す位置情報を生成する」ことにおいて、「指標部」は「検出部に一体的に設けられ、検出部の筐体の外面に設けられて」いるものであるから、「画像情報に基づいて」「指標部の相対的な位置」「を生成する」ことは、筐体の外装材に占める領域を特定しているともいえ、本件発明1の「該撮像結果を画像処理することで前記移動体の前記壁面内に占める領域を特定し」ていることに相当するといえる。
一方、甲1発明の「評価部から供給される個別評価情報」は、本件発明1の「前記診断装置から前記診断結果」に相当し、それは「検出部により外装材を打撃した際に発生する打音および振動が検出された時刻」におけるものであるから、「時系列データとして取得」しているといえる。
そうすると、甲1発明の「検査対象物評価情報生成部」において、甲1発明の「位置情報生成部から供給される位置情報と」「評価部から供給される個別評価情報と」「を関連付けた検査対象物評価情報を生成する」ことは、本件発明1の「その特定した領域に、該撮像結果が表す時点に対応する前記診断結果が関連付け」ることを行っているといえる。

b 画像形成について
甲1発明「表示制御部」及び「表示部」において、甲1発明の「個別評価情報をその評価内容に対応付けられた複数種類の色を呈するマークで表示する」ことは、「視覚的に把握することができる画像を形成」しているといえることから、本件発明1の「該診断結果を視覚的に把握することができる画像を形成する」ことに相当する。

c まとめ
上記a及びbを踏まえると、甲1発明の「位置情報生成部」、「検査対象物評価情報生成部」、「表示制御部」及び「表示部」は、本件発明1の「関連付け装置」に相当しているといえる。

(カ)甲1発明の「状態評価装置」は、本件発明1の「診断システム」に相当する。

イ 一致点・相違点
してみれば、本件発明1と甲1発明とは、
(一致点)
「打撃で生じる打音の波形を表す打音データを生成するマイクロホン部を有する移動体と、
前記打音データを用いて前記壁面を診断し、診断結果を出力する診断装置と、
前記移動体を前記壁面に沿って移動させる動体と、
前記移動体の前記壁面内における位置を特定可能なように、前記移動装置によって移動される前記移動体及び前記壁面を撮像し、撮像結果を出力する撮像装置と、
前記撮像装置から前記撮像結果を、前記診断装置から前記診断結果を、それぞれ時系列データとして取得すると共に、各時点の前記撮像結果ごとに、該撮像結果を画像処理することで前記移動体の前記壁面内に占める領域を特定し、その特定した領域に、該撮像結果が表す時点に対応する前記診断結果が関連付けられており、かつ該診断結果を視覚的に把握することができる画像を形成する関連付け装置と、
を備える診断システム。」
の点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点1)
移動体が、本件発明1では「診断対象の壁面に打撃を与える打撃部」を有しているが、甲1発明では、筐体が打撃部を有しているか不明である点。

(相違点2)
動体が、本件発明1では「移動装置」であるのに対し、甲1発明では「作業者」である点。

相違点の判断
事案に鑑み、相違点2について検討する。
「移動装置」と「作業者」とは、前者が「装置」であり、後者が「人」であるから、両者は実質的な相違点である。
したがって、本件発明1は、相違点1について検討するまでもなく、甲1発明ではない。

ウ 小括
よって、本件発明1は、甲1発明と同一でないことから、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないとはいえない。

(2)本件発明2及び3について
本件発明2及び3は、本件発明1を引用してさらに限定をしたものであるから、本件発明1が甲1発明と同一でない以上、本件発明2及び3も甲1発明と同一といえず、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないとはいえない。


2 甲2に基づく特許法第29条の2について
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲2発明とを対比する。
(ア)打撃部、マイクロホン部、移動体について
甲2発明の「内壁などの」「構造物の表面を周期的に打撃して加振する」「加振手段」は、本件発明1「診断対象の壁面に打撃を与える打撃部」に相当する。
また、甲2発明の「4個のマイクロフォンを備えた音採取手段」は、マイクロフォンとは音圧を電気信号に変換するもので、「音圧波形データ」を生成しているといえることから、本件発明1の「前記打撃で生じる打音の波形を表す打音データを生成するマイクロホン部」に相当する。
そして、甲2発明の「音・映像採取装置」は「第1の移動手段」によって「移動」することができ、「加振装置」は「第2の移動手段」「第1の移動手段」によって「移動」することができるから、これら各々と、本件発明1の「移動体」とは、「移動体」という限りにおいて共通する。

(イ)診断装置について
甲2発明の「採取した音圧波形データを用いて、異音の音源方向である水平角θ_(p)及び仰角φ_(p)を推定した後、音源方向のデータと画像データとを合成した音源推定用画像を作成し、次に、音源の位置に十字マークを付けられた音源位置表示画像を作成」する「音源方向推定手段と、音源推定用画像作成手段」は、「音源」を「推定」することにより「内壁などの構造物の点検」を行っているから、本件発明1の「前記打音データを用いて前記壁面を診断し、診断結果を出力する診断装置」に相当する。

(ウ)移動装置について
甲2発明の「第1の移動手段及び第2の移動手段」は、「構成部材に吸着しながら走行すること」により「音・映像採取装置」及び「加振装置」を「移動」させるものであり、ここで「構成部材」とは「内壁などの」「構造物」のことであるから、本件発明1の「前記移動体を前記壁面に沿って移動させる移動装置」に相当する。

(エ)撮像装置について
「構造物の3次元モデルを作成する」際に「用い」る「記憶手段に記憶された複数の画像データ」を得るために「構造物」を「連続的に撮影」する「撮影手段としてのカメラ」と、本件発明1の「前記移動体の前記壁面内における位置を特定可能なように、前記移動装置によって移動される前記移動体及び前記壁面を撮像し、撮像結果を出力する撮像装置」とは、「前記壁面を撮像し、撮像結果を出力する撮像装置」という限りにおいて共通する。

(オ)関連付け装置について
a 甲2発明の「異音発生位置特定手段」において、甲2発明の「音源推定用画像を作成し、次に、音源の位置に十字マークを付けられた音源位置表示画像を作成した後、この音源位置表示画像の十字マーク近傍の画像を、3次元モデルとパターンマッチングさせることで、十字マークの3次元座標(x_(k),y_(k),z_(k))を特定」することは、本件発明1の「領域に」「前記診断結果が関連付け」るということに相当する。

b また、甲2発明の「表示装置」において「音源位置表示画像と音源画像とを表示装置の表示画面に表示をする」ために「2次元図面上に音源の位置(x_(k),y_(k))を示す十字マークを付けた音源画像を作成」することは、本件発明1の「診断結果を視覚的に把握することができる画像を形成する」ことに相当する。

c してみれば、甲2発明の「異音発生位置特定手段」及び「表示装置」と、本件発明1の「関連付け装置」とは、「領域に」「診断結果が関連付け」、「診断結果を視覚的に把握することができる画像を形成する」という点で共通する。

(カ)甲2発明の「構造物の点検システム」は、本件発明1の「診断システム」に相当する。

イ 一致点・相違点
してみれば、本件発明1と甲2発明とは、
(一致点)
「診断対象の壁面に打撃を与える打撃部、前記打撃で生じる打音の波形を表す打音データを生成するマイクロホン部、移動体と、
前記打音データを用いて前記壁面を診断し、診断結果を出力する診断装置と、
前記移動体を前記壁面に沿って移動させる移動装置と、
前記壁面を撮像し、撮像結果を出力する撮像装置と、
領域に診断結果が関連付けられており、かつ該診断結果を視覚的に把握することができる画像を形成する関連付け装置と、
を備える診断システム。」
の点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点1)
移動体が、本件発明1では「打撃部」「及び」「マイクロホン部を有する移動体」であるのに対し、甲2発明では、「第1の移動手段」によって「移動」する「音採取手段」「を備えた」「音・映像採取装置」と、「第2の移動手段」によって「移動」する「加振手段」「を備えた」「加振装置」とが別であり、「音採取手段」及び「加振手段」を有する移動体ではない点。

(相違点2)
撮像装置が、本件発明1では「前記移動体の前記壁面内における位置を特定可能なように、前記移動装置によって移動される前記移動体」「を撮像」するのに対し、甲2発明では、少なくとも、「音・映像採取装置」及び「加振装置」を撮影するものではない点。

(相違点3)
関連付け装置が、本件発明1は「前記撮像装置から前記撮像結果を、前記診断装置から前記診断結果を、それぞれ時系列データとして取得すると共に、各時点の前記撮像結果ごとに、該撮像結果を画像処理することで前記移動体の前記壁面内に占める領域を特定し、その特定した領域に、該撮像結果が表す時点に対応する前記診断結果が関連付けられて」いるのに対し、甲2発明は、撮像結果と診断結果をそれぞれ時系列データとして取得するものではなく、また、移動体の壁面内に占める領域を特定するものでもない点。

相違点の判断
事案に鑑み、相違点1について検討する。
「第1の移動手段」によって「移動」する「音・映像採取装置」と、「第2の移動手段」によって「移動」する「加振装置」とは、別々の移動体であり、「音採取手段」及び「加振手段」を有する移動体ではないから、相違点1は実質的な相違点である。
したがって、本件発明1は、相違点2及び3について検討するまでもなく、甲2発明ではない。

ウ 小括
よって、本件発明1は、甲2発明と同一でないことから、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないとはいえない。

第6 むすび
以上のとおり、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1?3に係る特許が、特許法第113条第2号の規定に該当するものとして取り消すことはできない。
また、他に請求項1?3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2019-05-07 
出願番号 特願2015-222430(P2015-222430)
審決分類 P 1 652・ 161- Y (G01N)
最終処分 維持  
前審関与審査官 嶋田 行志立澤 正樹  
特許庁審判長 伊藤 昌哉
特許庁審判官 三崎 仁
▲高▼見 重雄
登録日 2018-08-31 
登録番号 特許第6391176号(P6391176)
権利者 国立大学法人 鹿児島大学
発明の名称 診断システム、移動装置、及び診断プログラム  
代理人 山中 生太  
代理人 末富 孝典  
代理人 木村 満  
代理人 山口 浩一  

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