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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する C12N
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する C12N
管理番号 1351698
審判番号 訂正2019-390026  
総通号数 235 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-07-26 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2019-02-14 
確定日 2019-05-17 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6441802号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6441802号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔2-4、6-32、35-40〕について訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6441802号は、平成25年10月2日(パリ条約による優先権主張 2012年10月2日 アメリカ合衆国(US))を国際出願日として出願され、その請求項1?42に係る発明について平成30年11月30日に特許権の設定登録がされたものであり、その後、平成31年2月14日に本件の訂正審判が請求されたものである。

第2 請求の趣旨および訂正の内容
本件審判の請求の趣旨は、特許第6441802号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2?4、6?32及び35?40について訂正することを認めるとの審決を求めるものであって、その訂正の内容は、下記訂正事項のとおりである。

1 訂正事項
(1) 訂正事項1
請求項2における「5×10^(-8)M以上の結合親和性K_(d)」を「5×10^(-8)M以上の解離定数(K_(d))」と訂正する。
(2) 訂正事項2
請求項3における「1×10^(-7)M以上の結合親和性K_(d)」を「1×10^(-7)M以上のK_(d)」と訂正する。
(3) 訂正事項3
請求項4における「1×10^(-6)M以上の結合親和性K_(d)」を「1×10^(-6)M以上のK_(d)」と訂正する。
(4) 上記訂正事項1ないし3はいずれも、本件特許請求の範囲中の、「○○以上の結合親和性K_(d)」という記述を「○○以上の解離定数(K_(d))」又は「○○以上のK_(d)」と訂正するものであり、○○という数値が「結合親和性」についての数値であったものを「解離定数」についての数値に訂正するものということができる。(以下、上記訂正事項1ないし3をまとめて「本件訂正」という。)

第3 当審の判断
1 一群の請求項について
請求項6ないし32及び35ないし40は、本件訂正の対象である請求項2ないし4のいずれか1項の記載を直接又は間接的に引用する関係にあるので、本件訂正は一群の請求項2?4、6?32及び35?40について訂正することを請求するものである。

2 訂正の目的について
本件訂正前の請求項2ないし4は「【請求項2】 前記CARが、5×10^(-8)M以上の結合親和性K_(d)で前記第1の抗原に結合する、請求項1に記載の免疫応答細胞。【請求項3】 前記CARが、1×10^(-7)M以上の結合親和性K_(d)で前記第1の抗原に結合する、請求項1に記載の免疫応答細胞。【請求項4】 前記CARが、1×10^(-6)M以上の結合親和性K_(d)で前記第1の抗原に結合する、請求項1に記載の免疫応答細胞。」と記載されており、これらの請求項は、いずれも、「前記CAR」と「前記第1の抗原」との結合に関する数値を特定する請求項であると認められる。
ここで、AとBが結合してA・B複合体を形成する平衡反応における結合定数Kは、
K=[A・B複合体]/([A]×[B])
で表され、
また、A・B複合体がAとBに解離する平衡反応における解離定数K’は、
K’=([A]×[B])/[A・B複合体]
で表される(ここで、[A]、[B]、[A・B複合体]は、それぞれ、Aのモル濃度、Bのモル濃度、A・B複合体のモル濃度を表す。)ことは、当該技術分野における技術常識であり、また、結合定数Kの単位がM^(-1)(モル濃度の逆数)であること、解離定数K’の単位がM(モル濃度)であることも、当該技術分野における技術常識である。
そして、前記訂正事項を含む請求項2ないし4に示された数値の単位がM(モル濃度)であることからすると、これらの請求項に示された数値は「解離定数」についての数値であることは明らかであるため、本件訂正はいずれも、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。

また、訂正前の「結合親和性」について、本件明細書の段落【0025】には「『親和性』とは、抗体と単一のハプテンもしくは抗原決定基との間の結合強度の尺度を意味する。」と記載されていることから、「結合親和性」とは「結合の強さ」を意味するものと認められるが、これは、通常、上述した結合定数Kによって表される。しかし、訂正前の請求項2ないし4では、その数値の単位を解離定数の単位であるM(モル濃度)で示していることから、これらの請求項の記載には不合理な部分が存在していた。そして、本件訂正はそのような不合理な記載を訂正し、本来の意味とするものであることから、本件訂正はいずれも、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

3 願書に最初に添付した外国語書面の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
本件特許の国際出願日における国際出願の明細書の[0029]には、「用語『抗原認識レセプター』とは、本明細書で使用される場合、抗原の結合に応答して免疫細胞(例えば、T細胞)を活性化することができるレセプターをいう。例示的な抗原認識レセプターは、天然又は内因性のT細胞レセプターであるか、又は腫瘍抗原結合ドメインが免疫細胞(例えば、T細胞)を活性化することができる細胞内シグナル伝達ドメインに融合されているキメラ抗原レセプターであり得る。(当審による翻訳)」と、[0030]には、「本発明の種々の実施形態において、上記抗原認識レセプターは低親和性を有する。低親和性は、マイクロモル濃度又はナノモル濃度の親和性(例えば、10^(-5)、50^(-6)、10^(-6)、5×10^(-7)、10^(-7)、5×10^(-8)、10^(-8)、5×10^(-9)、10^(-9)M)を含む。(当審による翻訳。また、下線は当審で付与した。)」と記載されていることから、訂正後の請求項2ないし4において特定された「前記CAR(キメラ抗原レセプター)」と「前記第1の抗原」が5×10^(-8)M、10^(-7)M又は10^(-6)Mという結合の強さで結合することは願書に最初に添付した外国語書面の明細書に記載されている。そうしてみると、低親和性について、これらの数値の下限値を特定する訂正後の請求項2ないし4は、願書に最初に添付した外国語書面の明細書の記載から自明な事項であり、本件訂正は特許法第126条第5項に適合する。

4 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
前記2のとおり、本件訂正は誤記の訂正を目的とするものであり、かつ、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、本件訂正の前後において特許請求の範囲に拡張又は変更はないことから、本件訂正は特許法第126条第6項に適合する。

5 独立して特許を受けることができるものであることについて
訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないので、本件訂正は特許法第126条第7項に適合する。

第4 むすび
本件審判請求における請求項2?4、6?32、35?40に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号又は第3号に規定する事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおりに審決する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
免疫応答細胞であって、
(a)第1の抗原に結合するキメラ抗原レセプター(CAR)であって、ここで該第1の抗原への該CARの結合は、該免疫応答細胞へと活性化シグナルを送達し得る、CAR;および
(b)第2の抗原に結合するキメラ共刺激レセプター(CCR)であって、ここで該第2の抗原への該CCRの結合は、該免疫応答細胞へと共刺激シグナルを送達し得るが、単独では該免疫応答細胞へと活性化シグナルを送達しない、CCR、
を含み、ここで該免疫応答細胞は、該第1の抗原について単一陽性である細胞に対するものと比較して、該第1の抗原および該第2の抗原の両方について陽性である細胞に対してより高い程度の細胞溶解活性を示し、該細胞は、該第1の抗原について単一陽性である細胞に対して、細胞溶解活性を実質的に示さないか、または、無視できる細胞溶解活性を示す、免疫応答細胞。
【請求項2】
前記CARが、5×10^(-8)M以上の解離定数(K_(d))で前記第1の抗原に結合する、請求項1に記載の免疫応答細胞。
【請求項3】
前記CARが、1×10^(-7)M以上のK_(d)で前記第1の抗原に結合する、請求項1に記載の免疫応答細胞。
【請求項4】
前記CARが、1×10^(-6)M以上のK_(d)で前記第1の抗原に結合する、請求項1に記載の免疫応答細胞。
【請求項5】
前記CARが、前記CCRが前記第2の抗原に結合する結合親和性と比較してより低い結合親和性で前記第1の抗原に結合する、請求項1に記載の免疫応答細胞。
【請求項6】
前記免疫応答細胞は、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)、制御性T細胞、ヒト胚性幹細胞、およびリンパ系細胞に分化し得る多能性幹細胞からなる群より選択される、請求項1?5のいずれか1項に記載の免疫応答細胞。
【請求項7】
前記第1および/または第2の抗原は、腫瘍抗原もしくは病原体抗原である、請求項1?6のいずれか1項に記載の免疫応答細胞。
【請求項8】
前記CARは、組換え発現される、請求項1?7のいずれか1項に記載の免疫応答細胞。
【請求項9】
前記CARは、ベクターから発現される、請求項1?8のいずれか1項に記載の免疫応答細胞。
【請求項10】
前記キメラ共刺激レセプター(CCR)は、ベクターから発現される、請求項1?9のいずれか1項に記載の免疫応答細胞。
【請求項11】
前記免疫応答細胞は、自己由来である、請求項1?10のいずれか1項に記載の免疫応答細胞。
【請求項12】
前記第1のおよび第2の抗原は、PSCA、CAIX、CEA、CDS、CD7、CD10、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD34、CD38、CD41、CD44、CD49f、CD56、CD74、CD133、CD138、サイトメガロウイルス(CMV)感染細胞抗原、EGP-2、EGP-40、EpCAM、erb-B2,3,4、FBP、胎児型アセチルコリンレセプター、葉酸レセプター-a、GD2、GD3、HER-2、hTERT、IL-13R-a2、x-軽鎖、KDR、LeY、LI細胞接着分子、MAGE-Al、MUC1、メソテリン、NKG2Dリガンド、NY-ESO-1、腫瘍胎児性抗原(h5T4)、PSMA、ROR1、TAG-72、VEGF-R2、およびWT-1からなる群より選択される、請求項1?11のいずれか1項に記載の免疫応答細胞。
【請求項13】
前記第1のおよび第2の抗原は、CD133、サイトメガロウイルス(CMV)感染細胞抗原、erb-B2、KDR メソテリン、NKG2Dリガンド、NY-ES0-1、腫瘍胎児性抗原(h5T4)、PSCA、PSMA、CD19、VEGF-R2、およびWT-1からなる群より選択される別個の抗原である、請求項1?12のいずれか1項に記載の免疫応答細胞。
【請求項14】
前記第1のおよび第2の抗原は、HER2、MUC1、CD44、CD49f、EpCAM、CEA、CD133、サイトメガロウイルス(CMV)感染細胞抗原、EGP-2、EGP-40、EpCAM、erb-B2,3,4、FBP、KDR、メソテリン、NKG2Dリガンド、NY-ES0-1、腫瘍胎児性抗原(h5T4)、PSCA、PSMA、VEGF-R2、およびWT-1からなる群より選択される、請求項1?12のいずれか1項に記載の免疫応答細胞。
【請求項15】
前記第1のおよび第2の抗原は、PSCAおよびPSMAである、請求項1?12のいずれか1項に記載の免疫応答細胞。
【請求項16】
前記第1のおよび第2の抗原は、CD10およびCD19である、請求項1?12のいずれか1項に記載の免疫応答細胞。
【請求項17】
前記第1のおよび第2の抗原は、CD56およびCD138である、請求項1?12のいずれか1項に記載の免疫応答細胞。
【請求項18】
前記第1のおよび第2の抗原は、メソテリン、葉酸レセプター-a、CD44、およびCD133からなる群より選択される別個の抗原である、請求項1?12のいずれか1項に記載の免疫応答細胞。
【請求項19】
前記CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3鎖シグナル伝達ドメインである、請求項1?18のいずれか1項に記載の免疫応答細胞。
【請求項20】
前記キメラ共刺激レセプター(CCR)の細胞内シグナル伝達ドメインは、CD97、CD1 la-CD18、CD2、ICOS、CD27、CD154、CD5、OX40、4-1BBもしくはCD28シグナル伝達ドメインである、請求項1?19のいずれか1項に記載の免疫応答細胞。
【請求項21】
前記CARは、19z1、Lz1もしくはPz1である、請求項1?20のいずれか1項に記載の免疫応答細胞。
【請求項22】
腫瘍細胞死の誘導において使用するための組成物であって、該組成物は、請求項1?21のいずれか一項に記載の免疫応答細胞を含む、組成物。
【請求項23】
前記免疫応答細胞は、腫瘍細胞数を減少させる、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記免疫応答細胞は、腫瘍サイズを縮小させる、請求項22に記載の組成物。
【請求項25】
前記免疫応答細胞は、前記腫瘍を根絶する、請求項22に記載の組成物。
【請求項26】
被験体における新生物の処置もしくは予防における使用のための組成物であって、該組成物は、請求項1?21のいずれか一項に記載の免疫応答細胞を含む、組成物。
【請求項27】
前記新生物は、前立腺がん、乳がん、B細胞白血病、多発性骨髄腫、および卵巣がんからなる群より選択される、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記新生物は、乳がんであり、前記第1のおよび第2の腫瘍抗原は、HER2、MUC1、CD44、CD49f、EpCAM、CEA、CD133、サイトメガロウイルス(CMV)感染細胞抗原、EGP-2、EGP-40、EpCAM、erb-B2,3,4、FBP、KDR、メソテリン、NKG2Dリガンド、NY-ESO-1、腫瘍胎児性抗原(h5T4)、PSCA、PSMA、VEGF-R2、およびWT-1からなる群より選択される別個の抗原である、請求項26または27に記載の組成物。
【請求項29】
前記新生物は、B細胞白血病であり、前記第1のおよび第2の腫瘍抗原は、CD10およびCD19である、請求項26?28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】
前記新生物は、多発性骨髄腫であり、前記第1のおよび第2の腫瘍抗原は、CD56およびCD138である、請求項26?28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項31】
前記新生物は、卵巣がんであり、前記第1のおよび第2の腫瘍抗原は、メソテリン、葉酸レセプター-a、CD44、およびCD133からなる群より選択される別個の抗原である、請求項26?28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項32】
前記免疫応答細胞は、前記被験体において腫瘍負荷量を減少させるかもしくは根絶する、請求項26?31のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項33】
抗原特異的免疫応答細胞を生成するための方法であって、該方法は、該免疫応答細胞に、キメラ共刺激レセプター(CCR)をコードする第1の核酸配列を導入する工程であって、ここで該CCRは、第2の抗原に結合し、かつ、免疫応答細胞を刺激する細胞内シグナル伝達ドメインに連結した抗原結合ドメインを含み、該第2の抗原への該CCRの結合は、該免疫応答細胞へと共刺激シグナルを送達し得るが、単独では該免疫応答細胞へと活性化シグナルを送達せず、ここで該免疫応答細胞は、第1の抗原に結合するキメラ抗原レセプター(CAR)を含み、ここで該第1の抗原への該CARの結合は、該免疫応答細胞へと活性化シグナルを送達し得る、工程を包含し、ここで該免疫応答細胞は、該第1の抗原について単一陽性である細胞に対するものと比較して、該第1の抗原および該第2の抗原の両方について陽性である細胞に対してより高い程度の細胞溶解活性を示し、該細胞は、該第1の抗原について単一陽性である細胞に対して、細胞溶解活性を実質的に示さないか、または、無視できる細胞溶解活性を示す、方法。
【請求項34】
前記方法は、前記CARをコードする第2の核酸配列を導入する工程をさらに包含し、ここで該CARは、免疫応答細胞を活性化する第2の細胞内シグナル伝達ドメインに連結した第2の抗原結合ドメインを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
請求項1?21のいずれか1項に記載の免疫応答細胞および薬学的に受容可能な賦形剤を含む、薬学的組成物。
【請求項36】
少なくとも1×10^(4)の前記免疫応答細胞を含む、請求項35に記載の薬学的組成物。
【請求項37】
少なくとも1×10^(8)の前記免疫応答細胞を含む、請求項35に記載の薬学的組成物。
【請求項38】
1×10^(4)?1×10^(10)の前記免疫応答細胞を含む、請求項35に記載の薬学的組成物。
【請求項39】
1×10^(5)?1×10^(9)の前記免疫応答細胞を含む、請求項35に記載の薬学的組成物。
【請求項40】
1×10^(6)?1×10^(8)の前記免疫応答細胞を含む、請求項35に記載の薬学的組成物。
【請求項41】
前立腺がんの処置において使用するための、T細胞を含む組成物であって、該T細胞は、
(a)PSCAもしくはCD19に結合するキメラ抗原レセプター(CAR)であって、ここでPSCAもしくはCD19への該CARの結合は、該T細胞へと活性化シグナルを送達し得る、CARと、
(b)PSMAに結合するキメラ共刺激レセプター(CCR)であって、ここでPSMAへの該CCRの結合は、該T細胞へと共刺激シグナルを送達し得るが、単独では該T細胞へと活性化シグナルを送達しない、CCRと
を含み、ここで該T細胞は、PSCAもしくはCD19について単一陽性である細胞に対するものと比較して、PSCAとPSMA、または、CD19とPSMAについて陽性である細胞に対してより高い程度の細胞溶解活性を示し、該T細胞は、PSCAもしくはCD19について単一陽性である細胞に対して、細胞溶解活性を実質的に示さないか、または、無視できる細胞溶解活性を示す、組成物。
【請求項42】
免疫応答細胞であって、
(a)第1の抗原に結合するキメラ抗原レセプター(CAR)であって、ここで該第1の抗原への該CARの結合は、該免疫応答細胞へと活性化シグナルを送達し得る、CAR、および
(b)第2の抗原に結合するキメラ共刺激レセプター(CCR)であって、ここで該第2の抗原への該CCRの結合は、該免疫応答細胞へと共刺激シグナルを送達し得るが、単独では該免疫応答細胞へと活性化シグナルを送達しない、CCRを含む免疫応答細胞を含む、キットであって、ここで該免疫応答細胞は、該第1の抗原について単一陽性である細胞に対するものと比較して、該第1の抗原および該第2の抗原の両方について陽性である細胞に対してより高い程度の細胞溶解活性を示し、該細胞は、該第1の抗原について単一陽性である細胞に対して、細胞溶解活性を実質的に示さないか、または、無視できる細胞溶解活性を示す、キット。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2019-04-23 
結審通知日 2019-04-24 
審決日 2019-05-08 
出願番号 特願2015-534828(P2015-534828)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (C12N)
P 1 41・ 852- Y (C12N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 戸来 幸男  
特許庁審判長 中島 庸子
特許庁審判官 大宅 郁治
常見 優
登録日 2018-11-30 
登録番号 特許第6441802号(P6441802)
発明の名称 免疫療法のための組成物および方法  
代理人 山本 秀策  
代理人 森下 夏樹  
代理人 山本 秀策  
代理人 森下 夏樹  

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