• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B60S
管理番号 1351730
審判番号 不服2018-5568  
総通号数 235 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-07-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-04-23 
確定日 2019-06-04 
事件の表示 特願2013-246322号「車載カメラの洗浄装置及び車載カメラの洗浄方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年6月8日出願公開、特開2015-104933号、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成25年11月28日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成29年 7月20日付け:拒絶理由通知書
平成29年 9月 8日付け:意見書、手続補正書の提出
平成30年 1月15日付け:拒絶査定
平成30年 4月23日付け:審判請求書、手続補正書の提出

第2.原査定の概要
原査定(平成30年1月15日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願の請求項1、5に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2,3に記載された技術的事項に基いて、本願の請求項2、3に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2?4に記載された技術的事項に基づいて、本願の請求項4に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2、3、5、6に記載された技術的事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

1.特開2011-240920号公報
2.実願昭48-20107号(実開昭49-122523号)のマイクロ
フィルム
3.実願平5-66504号(実開平7-35212号)のCD-ROM
4.実願昭55-104165号(実開昭57-27117号)のマイクロ
フィルム
5.特開2013-100077号公報
6.特開2011-224541号公報

第3.本願発明
本願の請求項1?5に係る発明(以下それぞれ「本願発明1」?「本願発明5」という。)は、平成30年4月23日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1?5に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。
「 【請求項1】
車体に設けられたカメラに空気を供給する空気供給路と、
該空気供給路の途中に雨水を供給する雨水供給路とを備え、
前記空気供給路は、
管状に形成され、前記空気が流通する空気流通管と、
該空気流通管の先端から噴射された前記空気の前記カメラに達するまでの流路となる空気噴射路とを有し、
前記空気流通管の先端部にはノズルが設けられ、
該ノズルは、
湾曲形成された湾曲部と、
該湾曲部に連続して下方に向かうにしたがって次第に前記カメラ側に向かうように直線状に形成された噴射部と、を有し、
前記湾曲部は、上流側から下流側に向かうにしたがって次第に内径が小さくなるように形成され、
前記雨水供給路は、
前記車体の外面に沿って前記雨水を流通させる雨水流通路と、
該雨水流通路内の前記雨水を下方に導く下向き雨水路とを有し、
該下向き雨水路の先端は、前記空気噴射路の上方に設けられ、
前記噴射部の延在方向の延長線と前記下向き雨水路の先端から下方に向かって延びる線とが交差していることを特徴とする車載カメラの洗浄装置。
【請求項2】
車体に設けられたカメラに空気を供給する空気供給路と、
該空気供給路の途中に雨水を供給する雨水供給路とを備え、
前記空気供給路は、
管状に形成され、前記空気が流通する空気流通管と、
該空気流通管の先端から噴射された前記空気の前記カメラに達するまでの流路となる空気噴射路とを有し、
前記雨水供給路は、
前記車体の外面に沿って前記雨水を流通させる雨水流通路と、
該雨水流通路内の前記雨水を下方に導く下向き雨水路とを有し、
前記雨水流通路は、車体の進行方向に対して後方に向かうにしたがって下方に向かい、該下向き雨水路の先端は、前記空気噴射路の上方に設けられ、
前記カメラのレンズは、前記下向き雨水路の先端より下方に設置されていることを特徴とする車載カメラの洗浄装置。
【請求項3】
前記雨水流通路は、前記車体の車両本体と、該車両本体に対して開閉可能とされたトランクドアとの間に形成された間隙の一部であることを特徴とする請求項1または2に記載の車載カメラの洗浄装置。
【請求項4】
前記車両本体と前記トランクドアとの間に形成され、大気側からトランク側へ向かって延びる間隙には、前記雨水の前記大気側から前記トランク側への流通を規制する規制部が設けられ、
前記雨水流通路は、前記間隙における前記規制部よりも前記大気側の部分とされていることを特徴とする請求項3に記載の車載カメラの洗浄装置。
【請求項5】
車体に設けられたカメラに空気を供給する空気供給工程と、
前記空気を前記カメラに供給する空気供給路の途中に、雨水を供給する雨水供給工程と
を備え、
前記空気供給路は、
管状に形成され、前記空気が流通する空気流通管と、
該空気流通管の先端から噴射された前記空気の前記カメラに達するまでの流路となる空気噴射路とを有し、
前記空気流通管の先端部にはノズルが設けられ、
該ノズルは、
湾曲形成された湾曲部と、
該湾曲部に連続して下方に向かうにしたがって次第に前記カメラ側に向かうように直線状に形成された噴射部と、を有し、
前記湾曲部は、上流から下流に向かうにしたがって次第に内径が小さく形成され、
前記雨水を供給する雨水供給路は、
前記車体の外面に沿って前記雨水を流通させる雨水流通路と、
該雨水流通路内の前記雨水を下方に導く下向き雨水路とを有し、
該下向き雨水路の先端は、前記空気噴射路の上方に設けられ、
前記噴射部の延在方向の延長線と前記下向き雨水路の先端から下方に向かって延びる線とが交差していることを特徴とする車載カメラの洗浄方法。」

第4.引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
ア.原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。なお、下線は当審で付した。以下同様。

「【請求項1】
車室外で車両のウィンドウの上方に設けられた光学センサを収容する収容部と、
洗浄液を貯留可能な洗浄液タンクから供給された洗浄液を前記収容部に収容されている前記光学センサのレンズのレンズ面又は当該レンズに対向するカバーガラスがある場合には当該カバーガラスのガラス面に向けて噴射して当該レンズ面又は当該ガラス面を洗浄する洗浄動作を行う洗浄ノズルと、を備え、
車室外で車両のウィンドウの上方に、前記洗浄ノズルから噴射された洗浄液が前記レンズ面又は前記ガラス面を洗浄した後に前記ウィンドウのウィンドウ面へと流れる位置に設けたことを特徴とする車載光学センサカバー。」

「【0001】
本発明は、車両に搭載されている例えばカメラやレーザー等の光学センサと共に使用される車載光学センサカバー、前記車載光学センサカバーと光学センサとを備えた車載光学センサ装置に関する。」

「【0047】
図14に示すように、カメラカバー101の筐体102にあって正面側に透明部材からなるカバーガラス103がカメラ3のレンズ5に対向して設けられ、洗浄液タンク15からチューブ10を介して洗浄ノズル9に供給された洗浄液が噴射口11からカバーガラス103のガラス面103aに向けて噴射される構成であっても良い。この場合、筐体102の内部にカメラ3全体が収容されるので、筐体102の前後方向(正面側から背面側まで)の寸法は第1の及び第2の実施形態で説明した筐体6の寸法よりも長くなる。このように構成すれば、カメラ3のレンズ5をカバーガラス103により保護した上で、洗浄液をガラス面103aに向けて適切に噴射して当該ガラス面103aに付着した付着物を適切に除去することができ、カメラ3が被写体を適切に撮影できなくなるといった不具合を回避してカメラ3を適切に動作させることができる。」

「【0053】
図19に示すように、カメラカバー151の筐体152にあってカバーガラス103のガラス面103aにエアを噴射するエアノズル153とチューブ154とエアポンプ155とを含むエア噴射機構156が設けられ、洗浄液が洗浄ノズル9の噴射口11からカバーガラス103のガラス面103aに向けて噴射されている途中又は噴射された後に、エア噴射機構156からカバーガラス103のガラス面103aにエアが噴射される構成であっても良い。このように構成すれば、この場合も、カバーガラス103のガラス面103aに洗浄液が付着したまま放置されることを回避することができる。」

以下の【図14】及び【図19】が示されている。


イ.上記ア.の記載事項から次のことが認定できる。
段落【0053】の記載内容及び【図19】の図示内容から、洗浄ノズル9は、前記洗浄ノズル9内の洗浄液を下方に導くノズル及び噴射口11を有すること。また、エアノズル153の先端部にはノズル及び噴射口を有すること。
なお、【図19】には、カバーガラス103が示されていないが、段落【0053】の記載内容からカバーガラス103を有するものとして理解できる。

したがって、上記ア.の記載事項及び上記イ.の認定事項並びに【図14】及び【図19】の図示内容から、上記引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「車室外で車両のウィンドウの上方に設けられたカメラ3を収容する筐体152と、洗浄液を貯留可能な洗浄液タンク15から供給された前記洗浄液を前記筐体152に収容されている前記カメラ3のレンズ5に対向するカバーガラス103のガラス面103aに向けて噴射して当該ガラス面103aを洗浄する洗浄動作を行う洗浄ノズル9と、を備えた車載光学センサカバー151において、
前記洗浄ノズル9は、前記洗浄ノズル9内の前記洗浄液を下方に導くノズル及び噴射口11を有し、
前記車載光学センサカメラカバー151の前記筐体152にあって前記カバーガラス103の前記ガラス面103aにエアを噴射するエアノズル153とチューブ154とエアポンプ155とを含むエア噴射機構156が設けられ、前記洗浄液が前記洗浄ノズル9の前記噴射口11から前記カバーガラス103の前記ガラス面103aに向けて噴射されている途中又は噴射された後に、前記エア噴射機構156から前記カバーガラス103の前記ガラス面103aにエアが噴射される構成であり、前記エアノズル153の先端部にはノズル及び噴射口を有する車載光学センサカバー151。」

2.引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2の特に実用新案登録請求の範囲の記載及び図面からみて、当該引用文献2には、フロントガラスの前面に装着したノズルより所望時に清浄水を噴きつけてガラス面を浄化するようにしたフロントガラス清浄用噴射装置において、フロントガラスの一側又は両側に附設した雨水ガイド溝をパイプを介して清浄液保留タンクに連通し、雨水を清浄水として利用するという技術的事項が記載されていると認められる。

3.引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3の特に実用新案登録請求の範囲の記載及び【図1】からみて、当該引用文献3には、建設機械の運転室のフロント側のウインドガラスを清掃するウインドウオッシャ装置において、前記運転室の頂部に降った雨水をウオッシャ液を収容するタンク内に導入する樋を設けるという技術的事項が記載されていると認められる。

4.引用文献4について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献4の2ページ5行?14行の記載からみて、当該引用文献4には、ボディ16とトランクリッド14の隙間Sから侵入した雨水を、開口部周縁7を樋として機能させ、該開口部周縁7に沿い高位部Hから低位部Lに流れ低位部Lに設けた流出用凹部15から外部に流出させるという技術的事項が記載されていると認められる。

5.引用文献5について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献5の特に請求項1の記載からみて、当該引用文献5には、カメラ洗浄装置において、高圧空気用通路(11a)を流れる高圧空気に洗浄水を混入し、微粒子化した水粒が噴射口(13b)から噴射させるという技術的事項が記載されていると認められる。

6.引用文献6について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献6の特に請求項1の記載からみて、当該引用文献6には、空気と洗浄水との混合流体を高速・高密度で噴射する混合流体噴射装置であって、圧縮された前記空気が流れる空気通路に、加圧された前記洗浄水が流れる洗浄水通路を合流させて、前記洗浄水の微小洗浄水粒子を形成するエジェクタ部を介して、ノズルから、圧縮空気と前記微小洗浄水粒子とが混合された混合流体を噴射するという技術的事項が記載されていると認められる。

第5.対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
ア.後者の「車室外で車両のウィンドウの上方に設けられたカメラ3」は、前者の「車体に設けられたカメラ」に相当する。

イ.本願発明1の「空気供給路」に関する対比
後者の「前記車載光学センサカメラカバー151の前記筐体152にあって前記カバーガラス103の前記ガラス面103aにエアを噴射するエアノズル153とチューブ154」は、前者の「管状に形成され、前記空気が流通する空気流通管」に相当する。
また、後者は「エアノズル153」の噴射口から噴射されたエアの「前記カバーガラス103の前記ガラス面103a」に達するまでの流路となるエア噴射路を有することは明らかであるところ、該エア噴射路は、前者の「該空気流通管の先端から噴射された前記空気の前記カメラに達するまでの流路となる空気噴射路」に相当し、後者の「エアノズル153とチューブ154」と当該エア噴射路を併せたものは、前者の「カメラに空気を供給する空気供給路」に相当する。
さらに、後者の「前記エアノズル153の先端部にはノズル及び噴射口を有する」との構成と、前者の「前記空気流通管の先端部にはノズルが設けられ、該ノズルは、湾曲形成された湾曲部と、該湾曲部に連続して下方に向かうにしたがって次第に前記カメラ側に向かうように直線状に形成された噴射部と、を有し、前記湾曲部は、上流側から下流側に向かうにしたがって次第に内径が小さくなるように形成され」との構成とは、「前記空気流通管の先端部にはノズルが設けられ」との構成の限度で共通する。

ウ.本願発明1の「雨水供給路」に関する対比
後者の「洗浄液を貯留可能な洗浄液タンク15から供給された前記洗浄液を前記筐体152に収容されている前記カメラ3のレンズ5に対向するカバーガラス103のガラス面103aに向けて噴射して当該ガラス面103aを洗浄する洗浄動作を行う洗浄ノズル9」と、前者の「該空気供給路の途中に雨水を供給する雨水供給路」との対比においては、「液体を供給する液体供給路」の限度で共通し、前者の「前記車体の外面に沿って前記雨水を流通させる雨水流通路」との対比においては、「前記液体を流通させる液体流通路」の限度で共通する。
また、後者の「前記洗浄ノズル9内の前記洗浄液を下方に導くノズル」と、前者の「該雨水流通路内の前記雨水を下方に導く下向き雨水路」とは、「該液体流通路内の前記液体を下方に導く下向き液体路」の限度で共通し、後者の「ノズル」の「噴射口11」は、【図19】を参酌すると、エアノズル153の上方に設けられることは明らかであるから、後者の「ノズル部」の「噴射口11」の構成と、前者の「該下向き雨水路の先端は、前記空気噴射路の上方に設けられ」との構成とは、「該下向き液体路の先端は、前記空気噴射路の上方に設けられ」との構成の限度で共通する。

エ.後者の「車載光学センサカバー151」は、上記ア.?ウ.で述べたとおり、カメラ3の洗浄機能を有するものであるから、前者の「車載カメラの洗浄装置」に相当する。

したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「車体に設けられたカメラに空気を供給する空気供給路と、
液体を供給する液体供給路とを備え、
前記空気供給路は、
管状に形成され、前記空気が流通する空気流通管と、
該空気流通管の先端から噴射された前記空気の前記カメラに達するまでの流路となる空気噴射路とを有し、
前記空気流通管の先端部にはノズルが設けられ、
前記液体供給路は、
前記液体を流通させる液体流通路と、
該液体流通路内の前記液体を下方に導く下向き液体路とを有し、
該下向き液体路の先端は、前記空気噴射路の上方に設けられる車載カメラの洗浄装置。」

(相違点1)
「液体供給路」に関し、
本願発明1は、「空気供給路の途中に、雨水」を供給する「雨水供給路」であり、前記「雨水供給路」は、「前記車体の外面に沿って前記雨水を」流通させる「雨水流通路」と、該「雨水流通路内の前記雨水」を下方に導く「下向き雨水路」とを有し、該「下向き雨水路」の先端は、前記空気噴射路の上方に設けられるのに対し、
引用発明は、「洗浄液を」を供給する「洗浄ノズル9」であり、前記「洗浄ノズル9」は、「洗浄液を貯留可能な洗浄液タンク15から供給された前記洗浄液を」を流通させるものであり、該「洗浄ノズル9」内の前記「洗浄液」を下方に導く「ノズル」とを有し、該「ノズル」の先端は、前記空気噴射路の上方に設けられる点。

(相違点2)
「空気流通管」の「ノズル」に関し、
本願発明1は、「該ノズルは、湾曲形成された湾曲部と、該湾曲部に連続して下方に向かうにしたがって次第に前記カメラ側に向かうように直線状に形成された噴射部と、を有し、前記湾曲部は、上流側から下流側に向かうにしたがって次第に内径が小さくなるように形成され」ているのに対し、
引用発明は、「エアノズル153」の「ノズル」は、【図19】におおまかな形状が示されているが、その具体的形状までは特定されておらず、かかる「噴射部」も特定されていない点。

(相違点3)
本願発明1は、「前記噴射部の延在方向の延長線と前記下向き雨水路の先端から下方に向かって延びる線とが交差している」のに対し、
引用発明は、かかる特定がされていない点。

(2)相違点についての判断
上記相違点1について検討する。
引用文献2、3に記載された技術的事項に基づけば、車両のフロントガラスの洗浄装置において、雨水を雨水ガイド部材等を介してタンクに貯留し、タンクに貯留した該雨水を利用してフロントガラスの洗浄を行うことが従来周知の技術ということができる。
そして、引用発明及び上記周知技術は車両設備の洗浄という機能で共通するという観点から引用発明に上記周知技術を適用すれば、引用発明は、「雨水を雨水ガイド部材等を介して洗浄液タンク15に貯留し、該洗浄液タンク15から供給された雨水を筐体152に収容されているカメラ3のレンズ5に対向するカバーガラス103のガラス面103aに向けて噴射して当該ガラス面103aを洗浄する洗浄動作を行う洗浄ノズル9」を備える構成(以下「構成A」ということがある。)になるということができる。
しかしながら、本願発明1は、「前記雨水供給路は、前記車体の外面に沿って前記雨水を流通させる雨水流通路と、該雨水流通路内の前記雨水を下方に導く下向き雨水路とを有し」との事項を発明特定事項とするものであるのに対し、上記構成Aでは、「雨水を雨水ガイド部材等を介して洗浄液タンク15貯留」する構成における「ガイド部材等」は「前記車体の外面に沿って前記雨水を流通させる雨水流通路」に相当するものということができるが、「洗浄液タンク15」より下流側に備えられる「洗浄ノズル9」は「前記車体の外面に沿って前記雨水を流通させる雨水流通路」に相当するものとはいえないし、引用発明の「記洗浄ノズル9内の前記洗浄液を下方に導くノズル」も本願発明1の「該雨水流通路内の前記雨水を下方に導く下向き雨水路」に相当するものとはいえない。
そうすると、引用発明に引用文献2、3に記載された周知技術を適用しても、上記相違点1に係る本願発明1の構成に至るものではない。また、引用文献4?6は、原査定時の本願の請求項3,4に引用された文献であるところ、引用文献4?6に記載された技術的事項を適用しても上記相違点1に係る本願発明1の構成に至るものではない。
したがって、上記相違点2、3について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明、引用文献2、3に記載された周知技術及び引用文献4?6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2.本願発明2?5について
本願発明2?5も、本願発明1の「前記雨水供給路は、前記車体の外面に沿って前記雨水を流通させる雨水流通路と、該雨水流通路内の前記雨水を下方に導く下向き雨水路とを有し」との事項を発明特定事項として含むものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2、3に記載された周知技術及び引用文献4?6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

第6.むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-05-20 
出願番号 特願2013-246322(P2013-246322)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (B60S)
最終処分 成立  
前審関与審査官 鈴木 敏史  
特許庁審判長 氏原 康宏
特許庁審判官 島田 信一
中川 真一
発明の名称 車載カメラの洗浄装置及び車載カメラの洗浄方法  
代理人 棚井 澄雄  
代理人 松沼 泰史  
代理人 伊藤 英輔  
代理人 森 隆一郎  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ