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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H05B
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H05B
管理番号 1351960
審判番号 不服2017-16821  
総通号数 235 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-07-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-11-13 
確定日 2019-05-22 
事件の表示 特願2015-503616号「負荷電流制御回路」拒絶査定不服審判事件〔平成25年10月3日国際公開、WO2013/149082、平成27年7月9日国内公表、特表2015-519682号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年3月28日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2012年3月29日、2013年3月14日、いずれも米国)の出願であって、平成28年12月7日付けで拒絶理由通知がされ、これに対して、平成29年3月13日付けで意見書、及び手続補正書が提出され、これに対して、平成29年7月6日付けで拒絶査定がされ、これに対して、平成29年11月13日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出されたものである。

第2 平成29年11月13日にされた手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]
平成29年11月13日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1.補正の内容
1-1.本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項9の記載は、次のとおり補正された。(下線は、当審で付与した。)
「【請求項9】
1つまたは複数の発光デバイスを動作させるためのシステムであって、
電流フィードバック入力を具備し、前記1つまたは複数の発光デバイスと電気通信する電流制御電圧レギュレータと、
電流が前記1つまたは複数の発光デバイスを通る電流経路内に配置され、前記電流フィードバック入力と直接電気通信する電流感知デバイスと、
を備え、
前記電流制御電圧レギュレータは、光強度を制御するために、前記電流フィードバック入力に対応し前記1つまたは複数の発光デバイスを通る電流と、所望の電流との差に基づいて出力電圧を調整することにより、前記1つまたは複数の発光デバイスを通る電流を調節する、システム。」

1-2.本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、平成29年3月13日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項9の記載は、次のとおりである。
「【請求項9】
1つまたは複数の発光デバイスを動作させるためのシステムであって、
電流フィードバック入力を具備し、前記1つまたは複数の発光デバイスと電気通信する電流制御電圧レギュレータと、
電流が前記1つまたは複数の発光デバイスを通る電流経路内に配置され、前記電流フィードバック入力と直接電気通信する電流感知デバイスと、
を備え、
前記電流制御電圧レギュレータは、光強度を制御するために、前記1つまたは複数の発光デバイスを通る電流と、所望の電流との差に基づいて出力電圧を調整することにより、前記1つまたは複数の発光デバイスを通る電流を調節する、システム。」

上記補正は、本件補正前の請求項9に記載された発明を特定するために必要な事項である「前記1つまたは複数の発光デバイスを通る電流」について、「前記電流フィードバック入力に対応し前記1つまたは複数の発光デバイスを通る電流」と限定する補正を含むものであり、かつ、補正前の請求項9に記載された発明と補正後の請求項9に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項9に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。

2.引用刊行物とその記載事項
(1)刊行物1
ア.原査定の拒絶の理由に引用された、本願の優先日前に頒布された、特開2008-130523号公報(以下、「刊行物1」という。)には、LED点灯回路およびそれを用いる照明器具に関して、図面とともに、次の記載がある(なお、下線は当審で付与。)。
(ア)「【請求項1】
1または直列複数段のLEDから成るLED負荷回路が相互に並列に複数配置されて成るLEDモジュールに対して、直流電源から通電を行うようにしたLED点灯回路において、
前記各LED負荷回路に直列に設けられ、カレントミラー回路を構成して前記各LED負荷回路における通電電流値を連動させる制御素子であって、いずれか1つが前記カレントミラーの基準電流回路となるようにダイオード構造とされるそのような制御素子と、
前記ダイオード構造の制御素子の回路に直列に挿入され、LEDのON電圧をVfとし、そのばらつきをσとし、直列段数をnとするとき、定格電流でVf×n×σ以上の電圧降下を生じるインピーダンス素子とを含むことを特徴とするLED点灯回路。
・・・
【請求項5】
前記直流電源は、DC-DCコンバータであり、
前記各LED負荷回路を流れる総電流値または前記ダイオード接続された制御素子に対応するLED負荷回路を流れる電流値を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段からの検出結果を比較するための基準電圧源および比較器と、
前記比較器からの出力に応じて、前記LEDモジュールへの通電電流値の総和が予め定める値となるように前記直流電源をフィードバック制御する制御手段とを備えて構成されることを特徴とする請求項1?4のいずれか1項に記載のLED点灯回路。」
(イ)「【0003】
詳しくは、LEDの光出力は通電電流値に依存する・・・」
(ウ)「【0004】
図9は、典型的な従来技術のLED点灯回路1の構成を示すブロック図である。・・・
【0006】・・・比較結果が前記制御回路6に与えられており、制御回路6は・・・DC-DCコンバータ5の定電圧出力を制御する。」
(エ)「【0010】
そこで、本件発明者は、図12で示すようなLED点灯回路21を、特許文献3で提案した。・・・なお、何れかの抵抗(この例ではr24)と並列に設けたバイパススイッチswによって該抵抗r24を短絡することで、前記基準電流を増加させ、光出力を増加させられるようにもなっている。」
(オ)「【0012】
本発明の目的は、多数のLEDの光出力を、低損失で均一化することができるLED点灯回路およびそれを用いる照明器具を提供することである。」
(カ)「【0036】
さらにまた、本発明のLED点灯回路は、以上のように、直流電源から前記各LED負荷回路への通電電流値を検出し、その検出結果に基づいて、前記通電電流値の総和が予め定める値となるように、フィードバックによって前記直流電源を定電流制御する。」
(キ)「【0037】
それゆえ、定電圧制御に比べて、制御素子での損失が小さく、低損失化することができる。」
(ク)「【0040】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の一形態に係るLED点灯回路31の構成を示すブロック図である。このLED点灯回路1では、LEDD1を多数直列に接続したLED負荷回路U1?U3を3回路並列に接続してLEDモジュール32が構成されている。各LED負荷回路U1?U3における直列LED負荷の段数は任意であり、単一のLEDから構成されていてもよい。・・・
【0042】
前記LEDモジュール32には、商用電源33からの電圧Vacを、ノイズカット用のコンデンサC1から整流ブリッジ34にて直流化し、DC-DCコンバータ35を介して電圧変換した直流電圧VDCが与えられる。DC-DCコンバータ35は、前記整流ブリッジ34の直流出力電圧をスイッチングするスイッチング素子Q0と、前記のスイッチングによる励磁エネルギーを蓄積/放出するチョークコイルLと、前記チョークコイルLからの出力電流を整流・平滑化するダイオードDおよび平滑コンデンサC2と、前記スイッチング素子Q0を流れる電流を電圧に変換して検知するための抵抗R1と、前記スイッチング素子Q0のスイッチングを制御する制御回路36とを備えて構成される昇圧チョッパー回路から成る。
【0043】
そして直流電源であるそのDC-DCコンバータ35からLEDモジュール32へ流れる電流は、電流検知抵抗R2によって電圧値に変換されて、比較回路37において、基準電圧源38からの基準電圧Vrefと比較され、その比較結果が前記制御回路36にフィードバックされる。制御回路36は、前記抵抗R1,R2の検知結果に応答して、前記スイッチング素子Q0のスイッチング周波数やデューティを制御する。こうして、前記電圧VDCの定電圧制御およびLEDモジュール32へ流れる電流の定電流制御が行われるようになっている。
【0044】
注目すべきは、本実施の形態では、各LED負荷回路U1?U3には、それらを流れる通電電流値を相互に等しくするために、カレントミラー回路を構成する制御素子Q1?Q3が直列に設けられており、それらの制御素子Q1?Q3の内のいずれか1つ(図1の例ではQ1)を前記カレントミラーの基準電流回路となるようにダイオード構造とし、制御端子を介して残余の制御素子(図1の例ではQ2,Q3)の通電電流値を連動させること
で、各LED負荷回路U1?U3間のバランスを取ることである。」
(ケ)「【0061】
[実施の形態4]
図8は、本発明の実施の他の形態に係るLED点灯回路71の構成を示すブロック図である。このLED点灯回路71において、前述のLED点灯回路31に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、このLED点灯回路71では、DC-DCコンバータ35に定電流のフィードバック制御を行うにあたって、その電流検知抵抗R2を、各LED負荷回路U1?U3の内、何れか1つ(図8の例ではU1)に挿入することである。この場合、前記抵抗R2による損失を削減することができる(図8の例では、図1の例に対して、略1/3)。また、基準となるLED負荷回路以外でLEDD1に断線が生じても、残余の回路は、一定の電流値のままで点灯を続けることができる。
【0062】
ここで、特開2006-203044号公報には、ON電圧Vfが異なる並列LEDの電流調整を行うにあたって、直列にトランジスタを接続するとともに、そのゲートを共通に駆動し、さらに前記ON電圧Vfが小さいLEDに対しては、直列にダミーのダイオードを接続し、前記ON電圧Vfの差を小さくすることが示されている。しかしながら、この先行技術では、カレントミラーの基準電流は別途に作成しており、前記ON電圧Vfの差を小さくするためにダイオードが挿入されるのに対して、本実施の形態では、カレントミラーの基準電流が作成できるように、前記ON電圧Vfの差が大きくなるように挿入される。したがって、この先行技術のようにRGB発光で白色光を発生する場合、この先行技術ではON電圧Vfの小さい(2V程度)Rの素子の系統にダイオードを挿入することになるが、本実施の形態では、ON電圧Vfの大きい(3?3.5V程度)Bの素子の系統にダイオードを挿入することになり、全く異なるものである。」

上記(ア)?(ケ)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「1または直列複数段のLEDから成るLED負荷回路が相互に並列に複数配置されて成るLEDモジュールに対して、直流電源から通電を行うようにしたLED点灯回路であって、
直流電源は、DC-DCコンバータであり、
各LED負荷回路を流れる総電流値を検出する電流検出手段と、
電流検出手段からの検出結果を比較するための基準電圧源および比較器と、
前記比較器からの出力に応じて、前記LEDモジュールへの通電電流値の総和が予め定める値となるように前記直流電源をフィードバック制御する制御手段と
を備える、LED点灯回路。」

3.本願補正発明と引用発明との対比
(1)両発明の対応関係
(a)引用発明の「LED」は、本願補正発明の「発光デバイス」に相当する。
そして、「LEDモジュールに対して、直流電源から通電を行うように」して点灯することは、発光デバイスを動作させることに他ならないから、引用発明の「1または直列複数段のLEDから成るLED負荷回路が相互に並列に複数配置されて成るLEDモジュールに対して、直流電源から通電を行うようにしたLED点灯回路」は、本願補正発明の「1つまたは複数の発光デバイスを動作させるためのシステム」に相当する。
(b)引用発明の「電流検出手段からの検出結果を比較するための基準電圧源および比較器」は、「各LED負荷回路を流れる総電流値を検出する・・・電流検出手段からの検出結果を比較する」ものであり、その「出力に応じて、前記LEDモジュールへの通電電流値の総和が予め定める値となるように前記直流電源をフィードバック制御する」ものであるので、本願補正発明の「電流フィードバック入力」に相当する。
そして、「電流検出手段からの検出結果を比較するための基準電圧源および比較器」、「直流電源をフィードバック制御する制御手段」及び「直流電源」は全体で、本願補正発明の「電流フィードバック入力を具備し、前記1つまたは複数の発光デバイスと電気通信する電流制御電圧レギュレータ」に相当する。
(c)引用発明の「各LED負荷回路を流れる総電流値を検出する電流検出手段」は、刊行物1摘記事項(ク)の「図1・・・直流電源であるそのDC-DCコンバータ35からLEDモジュール32へ流れる電流は、電流検知抵抗R2によって電圧値に変換され」の電流検知抵抗R2であって、各LEDを通る電流経路内に配置されるものであり、「電流検出手段からの検出結果」である電流が、上記(b)で「電流フィードバック入力」に相当するとした「比較器」に直接電気信号として入力されるものであるので、本願補正発明の「電流が前記1つまたは複数の発光デバイスを通る電流経路内に配置され、前記電流フィードバック入力と直接電気通信する電流感知デバイス」に相当する。
(d)引用発明の「LEDモジュールへの通電電流値の総和」は「各LED負荷回路を流れる総電流値」であって、「比較器」(本願補正発明の「電流フィードバック入力」に相当するもの)からの「出力に応じて、・・・予め定める値となるように前記直流電源をフィードバック制御」されるものあるので、本願補正発明の「電流フィードバック入力に対応し前記1つまたは複数の発光デバイスを通る電流」に相当する。
また、引用発明の「基準電圧源」は「電流検出手段からの検出結果を比較するための」基準となるものであって、引用発明の「比較器からの出力」は、「電流検出手段からの検出結果」と当該基準を「比較」したものであるので、本願補正発明の「1つまたは複数の発光デバイスを通る電流と、所望の電流との差」に相当するものである。
そして、引用発明の「直流電源」の「フィードバック制御」は、上記(b)で「電流フィードバック入力」に相当するとした「比較器」の「出力に応じて」、すなわち、対応して「直流電源をフィードバック制御する」ものであり、さらに、刊行物1摘記事項(ク)の「・・・DC-DCコンバータ35からLEDモジュール32へ流れる電流は、電流検知抵抗R2によって電圧値に変換されて、比較回路37において、基準電圧源38からの基準電圧Vrefと比較され、その比較結果が前記制御回路36にフィードバックされ・・・スイッチング素子Q0のスイッチング周波数やデューティを制御する。こうして、前記電圧VDCの定電圧制御およびLEDモジュール32へ流れる電流の定電流制御が行われる」もの(なお、「前記電圧VDCの定電圧制御」は、刊行物1摘記事項(ウ)の図9の典型的な従来技術の「比較結果が前記制御回路6に与えられており、制御回路6は・・・DC-DCコンバータ5の定電圧出力を制御する」と同様にDC-DCコンバータの定電圧出力を制御するもの)であり、所望の電流との差に基づいて出力電圧を調整するといえるものである。
さらに、当該出力電圧の調整は、「LEDモジュールへの通電電流値の総和が予め定める値となるよう」にするものであるので、発光デバイスを通る電流を調節するものといえるものでもある。
そうすると、引用発明の「比較器からの出力に応じて、前記LEDモジュールへの通電電流値の総和が予め定める値となるように前記直流電源をフィードバック制御する」ことと、本願補正発明の「前記電流制御電圧レギュレータは、光強度を制御するために、前記電流フィードバック入力に対応し前記1つまたは複数の発光デバイスを通る電流と、所望の電流との差に基づいて出力電圧を調整することにより、前記1つまたは複数の発光デバイスを通る電流を調節する」こととは、「前記電流制御電圧レギュレータは、前記電流フィードバック入力に対応し前記1つまたは複数の発光デバイスを通る電流と、所望の電流との差に基づいて出力電圧を調整することにより、前記1つまたは複数の発光デバイスを通る電流を調節する」点で共通する。

したがって、本願補正発明と引用発明とは、
「1つまたは複数の発光デバイスを動作させるためのシステムであって、
電流フィードバック入力を具備し、前記1つまたは複数の発光デバイスと電気通信する電流制御電圧レギュレータと、
電流が前記1つまたは複数の発光デバイスを通る電流経路内に配置され、前記電流フィードバック入力と直接電気通信する電流感知デバイスと、
を備え、
前記電流制御電圧レギュレータは、前記電流フィードバック入力に対応し前記1つまたは複数の発光デバイスを通る電流と、所望の電流との差に基づいて出力電圧を調整することにより、前記1つまたは複数の発光デバイスを通る電流を調節する、システム。」
の点で一致し、以下の点で相違する。

相違点:1つまたは複数の発光デバイスを通る電流を調節が、本願補正発明は「光強度を制御するため」のものであるのに対して、引用発明は、その点が特定されていない点。

4.判断
上記相違点について、判断する。
(a)引用文献1摘記事項(イ)に「LEDの光出力は通電電流値に依存する」と、摘記事項(エ)に「バイパススイッチswによって該抵抗r24を短絡することで、前記基準電流を増加させ、光出力を増加させられる」と記載されている様に、LED点灯回路において、LEDモジュールへの通電電流値の制御が、光強度を制御する機能を備えたものであることは、技術常識である。
(b)そして、引用文献1記載のLED点灯回路も含めた点灯回路において、一定光量で点灯するものであるにしても、可変調光するものであるにしても、所望の光強度で点灯することは、点灯回路の基本機能であるので、引用文献1記載のLED点灯回路における、「LEDモジュールへの通電電流値の総和が予め定める値となるように・・・する」フィードバック制御を、所望の光強度で点灯するものとすることは、当業者が容易になし得ることである。
(c)請求人は、審判請求書「3.(4)(4-2)」において「引用文献1の図8に開示された比較回路37は、制御素子Q1と電流検知抵抗R2との接続ノードの電圧と基準電圧Vrefとを比較しており、LED負荷回路U1、U2、U3を通った電流と基準電流との差に基づいて出力電圧を調整しており、本願請求項9に係る発明のように、電流フィードバック入力に対応し1つまたは複数の発光デバイスを通る電流と、所望の電流との差に基づいて出力電圧を調整することにより、前記1つまたは複数の発光デバイスを通る電流を調節しておりません。」と主張しているが、引用発明のフィードバック制御が「・・・出力電圧を調整することにより、・・・発光デバイスを通る電流を調節する」ものであることは、上記「3.(d)」に記載したとおりである。
(d)さらに、仮に、本願補正発明の「光強度を制御するために、・・・出力電圧を調整することにより、前記1つまたは複数の発光デバイスを通る電流を調節」が、「光強度を可変に制御する」ものに限定されたものであるとしても、刊行物1摘記事項(エ)に従来技術として「基準電流を増加させ、光出力を増加させられるようにもなっている。」ものが記載されている様に、点灯回路における、所謂調光制御は周知のものであって、引用発明のフィードバック制御の「LEDモジュールへの通電電流値の総和が予め定める値」を、複数または可変の値として、従来周知の調光制御機能を付加することも、当業者が適宜なし得ることであるので、「光強度を可変に制御する」ものに限定しても、引用発明、及び引用文献1に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであることが変わるものではない。
(e)本願発明の奏する作用効果は、引用発明、及び引用文献1に記載された事項から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

したがって、本願補正発明は、引用発明、及び引用文献1に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.まとめ
以上のとおり、本願補正発明は、引用発明、及び引用文献1に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。よって、本願補正発明は、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものである。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1.本件出願の請求項9に係る発明
平成29年11月13日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本件出願の請求項9に係る発明は、平成29年3月13日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項9に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。
「【請求項9】
1つまたは複数の発光デバイスを動作させるためのシステムであって、
電流フィードバック入力を具備し、前記1つまたは複数の発光デバイスと電気通信する電流制御電圧レギュレータと、
電流が前記1つまたは複数の発光デバイスを通る電流経路内に配置され、前記電流フィードバック入力と直接電気通信する電流感知デバイスと、
を備え、
前記電流制御電圧レギュレータは、光強度を制御するために、前記1つまたは複数の発光デバイスを通る電流と、所望の電流との差に基づいて出力電圧を調整することにより、前記1つまたは複数の発光デバイスを通る電流を調節する、システム。」

2.引用刊行物とその記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1とその記載事項は、前記の「第2 2.(1)」に記載したとおりである。

3.対比・判断
本願発明の発明特定事項を全て含むとともに、本願発明の発明特定事項に更に限定を付加した本願補正発明が、前記「第2」の「3.」?「4.」に記載したとおり、引用発明、及び引用文献1に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も本願補正発明と同様の理由により、引用発明、及び引用文献1に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
したがって、本願発明については、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
そうすると、このような特許を受けることができない発明を包含する本願は、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2018-12-18 
結審通知日 2018-12-25 
審決日 2019-01-07 
出願番号 特願2015-503616(P2015-503616)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H05B)
P 1 8・ 121- Z (H05B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 松本 泰典  
特許庁審判長 和田 雄二
特許庁審判官 氏原 康宏
中川 真一
発明の名称 負荷電流制御回路  
代理人 特許業務法人スズエ国際特許事務所  
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