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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06T
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06T
管理番号 1352787
審判番号 不服2018-3586  
総通号数 236 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-08-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-03-13 
確定日 2019-06-20 
事件の表示 特願2013-199405「化粧料の評価方法、及び表情しわの定量化方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 4月 9日出願公開、特開2015- 64823〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年9月26日の出願であって、平成29年7月3日付けで拒絶理由が通知され、平成29年12月14日付けで拒絶査定がされ、これを不服として平成30年3月13日に本件審判請求がされ、同時に手続補正がされたものである。

第2 平成30年3月13日付け手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成30年3月13日付けの手続補正を却下する。
[理由]
1.補正の内容
平成30年3月13日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)により補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1を引用する請求項3に係る発明の発明特定事項である
「前記化粧料の効果を評価する工程において、化粧料塗布後の表情しわの長さが短く、及び/又は化粧料塗布後の表情しわの面積が小さくなっている場合、化粧料の効果があると評価する」
を、
「前記化粧料の効果を評価する工程において、化粧料塗布後の表情しわの長さが3%以上短く、及び/又は化粧料塗布後の表情しわの面積が3%以上小さくなっている場合、化粧料の効果があると評価する」
と限定したものである(下線は、補正により付加された部分を示すために当審により付したものである。)。

2.補正の適否
(1)目的
請求項1に係る補正は、補正前の請求項3に係る発明の発明特定事項を限定したものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そこで、補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて以下に検討する。

(2)独立特許要件
ア.本願補正発明
本願補正発明は、平成30年3月13日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。なお、本願補正発明の各構成の符号は当審において付与したものであり、以下、構成A?構成C2と称する。

[本願補正発明]
(A)化粧料塗布前後の、表情しわを含む肌のカラー画像を準備する工程、
(B)該カラー画像に対して2値化処理を行い、得られた2値化処理画像から化粧料塗布前後の表情しわの長さ及び/又は面積を計測する工程、及び
(C1)前記計測した化粧料塗布前後の表情しわの長さ及び/又は面積を指標として、化粧料の効果を評価する工程、
を含み、
(C2)前記化粧料の効果を評価する工程において、化粧料塗布後の表情しわの長さが3%以上短く、及び/又は化粧料塗布後の表情しわの面積が3%以上小さくなっている場合、化粧料の効果があると評価する、化粧料の評価方法。

イ.引用文献、引用発明
(ア)引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された特開2006-81846号公報(以下、「引用文献1」という)には、図面とともに次の事項が記載されている。なお、下線は、当審により付与したものである。

「【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔面溝の評価方法及び装置に係り、特に、医療や化粧分野で用いるのに好適な、鼻唇溝、目尻、額、下眼、上眼瞼、口角、上口唇等にある溝やしわ等の顔面溝の溝部分の長さ、幅、面積を計測して評価するための顔面溝の評価方法及び装置に関する。」

「【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、顔面の溝部位を再現性良く撮影した上で、溝を簡易に定量的に評価することが可能となる。従って、治療や化粧の前後で比較検証可能なデータを得ることができ、医療や美容の分野で有用である。」

「【0040】
コンピュータ150にある1つ以上のモジュールは、メモリ310に格納された皮膚画像を解析して、皮膚状態を代表する結果を1つ以上生成することができる。これらのモジュールは、ソフトウェアによって、又はソフトウェアとハードウェアの組合せによって実行することができる。各モジュールが生成した結果は、ディスプレイ155へ出力できるだけでなく、実例データベース200に格納することもできる。上記の3つの顔画像のRGB信号は、生成された結果と一緒にディスプレイ155及び実例データベース200へ送ってもよい。このようにRGB信号を評価結果と共に実例データベース200に蓄積することにより、過去の実例についてもそのオリジナル画像を参照しながら検査することが可能になる。実例の名称、被検者の年齢、性別等の個人情報も、評価結果と共に実例データベース200に蓄積してもよい。」

「【0042】
前記しわ評価モジュール320における、本発明に係るしわの評価は、図4に示すような手順に従って行なわれる。即ち、まずステップ1010で、前記CCDカメラ120による画像撮影を行ない、ステップ1020でメモリ310に記録・保存する。次いでステップ1030でRGBのアナログ信号を、コンピュータ150での処理に適したデジタル信号に変換し、ステップ1040で画像を入力する。」

「【0045】
図4のステップ1040終了後、ステップ1050に進み、例えば非特許文献2乃至5に記載されたような方法で、特徴点の抽出を行ない、ステップ1060で測定範囲を自動設定する。具体的には、目尻縮緬しわ(単に目尻しわとも称する)の解析時には、図6に示す如く、特徴点として片目の目尻P(座標を(px,py)とする)を抽出し、該点Pを中心とする上下の所定長さH(例えば30mm)及び後頭部側の所定幅W(例えば30mm)の領域R1(px,py-H/2)-R2(px+W,py-H/2)-R3(px+W,py+H/2)-R4(px,py+H/2)を測定範囲510に自動設定する。」

「【0050】
図4のステップ1060で測定範囲が設定された後、しわを評価する際には、ステップ1070に進み、注目画素と注目画素を平均化した画素との差分による画素を作成する。平均時の短径サイズは、例えば4mm×4mmとすることができる。
【0051】
次いでステップ1080に進み、差分画像を2値化する。次いでステップ1090に進み、パーティクルアナライズを行ない、毛穴等によるゴミを除去してオブジェクト(しわ)を抽出する。」

「【0054】
ステップ1090又は1110でオブジェクトが抽出された後、ステップ1120に進み、オブジェクトの輪郭スムージングを行なう。
【0055】
次いでステップ1130で、1画素でトレースした細線化画像を得ると共に、しわ領域を決定し、ステップ1140で、細線化画像から最大フェレ径間の開始位置と終了位置の距離が最短な区間をしわの長さとして計測する。又、細線化画像の(端点総数+分岐点総数)/2から、しわの本数を計測する。次いでステップ1160でしわの面積を計測し、細線化画像の注目画素の方向ベクトルに対して垂直に引いたオブジェクトの最大幅をしわの幅とする。しわの長さに属する区間において、しわの幅の平均値をしわの平均幅として、又、しわの幅の最大値をしわの最大幅として、それぞれを計測する。
【0056】
計測結果の表示画面の例を図11に示す。図において、420は原画像表示領域、422は計測結果画像(例えばしわのみ)表示領域、424は数値結果の表示領域、426は表示画像の保存ボタン、428は数値結果のテキストファイルへの保存ボタンである。
【0057】
このようにして、顔面の溝部位を再現性良く撮影した上で、溝を簡易に定量的に評価することが可能となる。」

(イ)引用発明
引用文献1の上記記載、特に下線部及び図4の記載によれば、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という)が記載されていると認められる。なお、( )内は明細書の関連する箇所の段落番号を示す。また、引用発明の各構成については、以下、構成a?構成e2と称する。

[引用発明]
(a)化粧分野で用いるのに好適な、鼻唇溝、目尻、額、下眼、上眼瞼、口角、上口唇等にある溝やしわ等の顔面溝の溝部分の長さ、幅、面積を計測して評価するための顔面溝の評価方法であって(【0001】)、
(b)CCDカメラ120による画像撮影を行ない、メモリ310に記録・保存し、次いでRGBのアナログ信号を、コンピュータ150での処理に適したデジタル信号に変換し、画像を入力し(【0042】)、
(c1)特徴点の抽出を行ない、測定範囲を自動設定し(【0045】)、測定範囲が設定された後、しわを評価する際には、注目画素と注目画素を平均化した画素との差分による画素を作成し(【0050】)、差分画像を2値化し、パーティクルアナライズを行ない、毛穴等によるゴミを除去してオブジェクト(しわ)を抽出し(【0051】)、オブジェクトが抽出された後、オブジェクトの輪郭スムージングを行い(【0054】)、1画素でトレースした細線化画像を得ると共に、しわ領域を決定し(【0055】)、
(c2)細線化画像から最大フェレ径間の開始位置と終了位置の距離が最短な区間をしわの長さとして計測し、しわの面積を計測し、(【0055】)、
(d1)計測結果を表示画面に表示し、計測結果画像表示領域、数値結果の表示領域を有し(【0056】)、
(d2)このようにして、顔面の溝部位を再現性良く撮影した上で、溝を簡易に定量的に評価することが可能となり(【0057】)、
(e1)RGB信号を評価結果と共に実例データベース200に蓄積することにより、過去の実例についてもそのオリジナル画像を参照しながら検査することが可能になり(【0040】)、
(e2)化粧の前後で比較検証可能なデータを得ることができる(【0027】)、
顔面溝の評価方法。

ウ.本願補正発明と引用発明との対比
(ア)本願補正発明の構成Aについて
構成aの「鼻唇溝、目尻、額、下眼、上眼瞼、口角、上口唇等にある溝やしわ等の顔面溝」は、構成Aの「表情しわ」に相当する。
構成bの「CCDカメラ120による画像撮影」の対象は、「鼻唇溝、目尻、額、下眼、上眼瞼、口角、上口唇等にある溝やしわ等の顔面溝」を含む部分であるから、構成Aの「表情しわを含む肌」に相当する。
構成bの撮影された「RGBのアナログ信号」が変換され入力される「画像」は、RGBのカラー画像であるから、構成Aの「カラー画像」に相当する。
したがって、引用発明の構成bは、「表情しわを含む肌のカラー画像を準備する工程」といえる。
また、引用発明は、構成e1及び構成e2を有するものであって、このように化粧の前後で比較検証を行うために、化粧の前のカラー画像を準備して評価し、評価結果と共に実例データベース200に蓄積しておき、その後、化粧の後のカラー画像を準備して評価し、評価結果を上記蓄積した評価結果と比較する必要があるのは明らかである。
したがって、引用発明は、「化粧料塗布前後の、表情しわを含む肌のカラー画像を準備する工程」を含むといえる。
よって、本願補正発明と引用発明とは、構成Aを含む点で一致する。

(イ)本願補正発明の構成Bについて
構成c1で作成した「注目画素と注目画素を平均化した画素との差分による画素」は、構成bで入力した「画像」であり、当該「差分による画素」の画像が「差分画像」であるから、構成c1の「差分画像を2値化」は、構成Bの「該カラー画像に対して2値化処理を行い」に相当する。そして、構成c1の「細線化画像」は、当該差分画像を2値化して得られた画像であるから、構成Bの「2値化処理画像」に相当する。
さらに、構成c2の「細線化画像」から「しわの長さとして計測し、しわの面積を計測」することは、構成Bの「2値化処理画像」から「表情しわの長さ及び/又は面積を計測する」ことに相当する。
構成Bの「化粧料塗布前後の表情しわ」については、上記(ア)における検討と同様である。
よって、本願補正発明と引用発明とは、構成Bを含む点で一致する。

(ウ)本願補正発明の構成C1、C2について
上記(ア)において検討したとおり、引用発明は、構成d1ないしe2を有するから、「化粧の前後で比較検証可能なデータを得る方法」であるといえる。
また、本願補正発明の構成C1の「化粧料塗布前後の表情しわの長さ及び/又は面積」は、化粧料塗布前後で短く、及び/又は小さくなったかどうかを検証できるデータ、すなわち、「化粧の前後で比較検証可能なデータ」といえる。
よって、本願補正発明と引用発明とは、「化粧の前後で比較検証可能なデータを得る方法」である点では共通するものであるといえる。
しかしながら、本願補正発明は、「前記計測した化粧料塗布前後の表情しわの長さ及び/又は面積を指標として、化粧料の効果を評価する工程、
を含み、
前記化粧料の効果を評価する工程において、化粧料塗布後の表情しわの長さが3%以上短く、及び/又は化粧料塗布後の表情しわの面積が3%以上小さくなっている場合、化粧料の効果があると評価する、化粧料の評価方法」であるのに対し、引用発明は、化粧料の効果を評価することは特定されていない点で両者は相違する。

以上によると、本願補正発明と引用発明の一致点、相違点は次のとおりである。

[一致点]
化粧料塗布前後の、表情しわを含む肌のカラー画像を準備する工程、
該カラー画像に対して2値化処理を行い、得られた2値化処理画像から化粧料塗布前後の表情しわの長さ及び/又は面積を計測する工程、
を含む、
化粧の前後で比較検証可能なデータを得る方法。

[相違点]
本願補正発明は、「前記計測した化粧料塗布前後の表情しわの長さ及び/又は面積を指標として、化粧料の効果を評価する工程、
を含み、
前記化粧料の効果を評価する工程において、化粧料塗布後の表情しわの長さが3%以上短く、及び/又は化粧料塗布後の表情しわの面積が3%以上小さくなっている場合、化粧料の効果があると評価する、化粧料の評価方法」であるのに対し、引用発明は、化粧の前後で比較検証可能なデータを得るものではあるものの、化粧料の効果を評価することは特定されていない点。

エ.判断
上記相違点について検討する。
計測した化粧前と化粧後それぞれのしわの長さや面積を数値で表示し比較検証できるときに、例えば、化粧前よりも化粧後がしわの長さが短くなったり、面積が小さくなったりしたときに、“化粧の効果があった”と評価することは、化粧をする目的を考えるとごく自然なことであるから、化粧の前後で比較検証可能なデータを得ることができる引用発明において、該データに基づいて、化粧前よりも化粧後がしわの長さが短くなっている、あるいは、しわの面積が小さくなっている場合に、化粧料の効果があると評価することは、当業者が容易に想到し得ることである。
また、引用発明は、デジタル画像データに基づいて、化粧前と化粧後のしわの長さや面積を数値で表示し比較検証できるものであるから、しわの長さが短くなっている、あるいは、しわの面積が小さくなっている度合いがどの程度かを、デジタル画像データの解像度を任意に設定することにより様々な数値範囲で計算し得るものであることは当業者に明らかであり、さらに、化粧の分野では、目視では正確には認識できないような3%程度の化粧の効果でも、その評価が求められることは容易に想定し得るから、引用発明において、化粧前と化粧後とを比較検証しようとするときに、しわの長さが3%以上短くなっている、あるいは、しわの面積が3%以上小さくなっている場合に、化粧料にそのような効果があると評価することは適宜なし得ることである。
したがって、引用発明において、「前記計測した化粧料塗布前後の表情しわの長さ及び/又は面積を指標として、化粧料の効果を評価する工程、を含み、前記化粧料の効果を評価する工程において、化粧料塗布後の表情しわの長さが3%以上短く、及び/又は化粧料塗布後の表情しわの面積が3%以上小さくなっている場合、化粧料の効果があると評価する、化粧料の評価方法」とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
よって、本願補正発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

オ.独立特許要件のまとめ
以上のとおりであるから、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(3)補正の適否のまとめ
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1.本願発明
平成30年3月13日付けの手続補正は、上述のとおり却下されたので、本願の請求項1-4に係る発明は、出願当初の特許請求の範囲の請求項1-4に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1を引用する請求項3に係る発明(以下、「本願発明」という)は、引用形式の記載を独立形式の記載に改めて記載すると次のとおりのものである。

[本願発明]
「化粧料塗布前後の、表情しわを含む肌のカラー画像を準備する工程、
該カラー画像に対して2値化処理を行い、得られた2値化処理画像から化粧料塗布前後の表情しわの長さ及び/又は面積を計測する工程、及び
前記計測した化粧料塗布前後の表情しわの長さ及び/又は面積を指標として、化粧料の効果を評価する工程、
を含み、
前記化粧料の効果を評価する工程において、化粧料塗布後の表情しわの長さが短く、及び/又は化粧料塗布後の表情しわの面積が小さくなっている場合、化粧料の効果があると評価する、化粧料の評価方法。」

2.引用発明
引用文献1に記載された発明は、上記「第2 2.(2)イ.(イ)引用発明」に記載したとおりである。

3.本願発明と引用発明との対比
本願発明と引用発明との対比は、上記「第2.2.(2)ウ.本願補正発明と引用発明との対比」と同様にでき、両者の一致点、相違点は次のとおりである。

[一致点]
化粧料塗布前後の、表情しわを含む肌のカラー画像を準備する工程、
該カラー画像に対して2値化処理を行い、得られた2値化処理画像から化粧料塗布前後の表情しわの長さ及び/又は面積を計測する工程、
を含む、
化粧の前後で比較検証可能なデータを得る方法。

[相違点]
本願発明は、「前記計測した化粧料塗布前後の表情しわの長さ及び/又は面積を指標として、化粧料の効果を評価する工程、
を含み、
前記化粧料の効果を評価する工程において、化粧料塗布後の表情しわの長さが短く、及び/又は化粧料塗布後の表情しわの面積が小さくなっている場合、化粧料の効果があると評価する、化粧料の評価方法」であるのに対し、引用発明は、化粧の前後で比較検証可能なデータを得るものではあるものの、化粧料の効果を評価することは特定されていない点。

4.判断
上記相違点について検討する。
計測した化粧前と化粧後それぞれのしわの長さや面積を数値で表示し比較検証できるときに、例えば、化粧前よりも化粧後がしわの長さが短くなったり、面積が小さくなったりしたときに、“化粧の効果があった”と評価することは、化粧をする目的を考えるとごく自然なことであるから、化粧の前後で比較検証可能なデータを得ることができる引用発明において、該データに基づいて、化粧前よりも化粧後がしわの長さが短くなっている、あるいは、しわの面積が小さくなっている場合に、化粧料の効果があると評価することは、当業者が容易に想到し得ることである。
よって、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願の請求項3に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、その他の請求項について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2019-04-18 
結審通知日 2019-04-23 
審決日 2019-05-08 
出願番号 特願2013-199405(P2013-199405)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G06T)
P 1 8・ 121- Z (G06T)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐藤 実松田 直也  
特許庁審判長 鳥居 稔
特許庁審判官 渡辺 努
千葉 輝久
発明の名称 化粧料の評価方法、及び表情しわの定量化方法  
代理人 川口 嘉之  
代理人 下田 俊明  
代理人 諌山 雅美  
代理人 佐貫 伸一  
代理人 丹羽 武司  

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