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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 G02B
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G02B
管理番号 1352948
審判番号 不服2018-6081  
総通号数 236 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-08-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-05-02 
確定日 2019-07-16 
事件の表示 特願2013-193387「結像光学系および画像投射装置」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 3月30日出願公開,特開2015- 60062,請求項の数(11)〕について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 
理由 第1 事案の概要
1 手続等の経緯
特願2013-193387号(以下「本件出願」という。)は,平成25年9月18日を出願日とする特許出願であって,出願後の手続の経緯は,概略,以下のとおりである。
平成28年 9月16日付け:手続補正書
平成29年 7月 5日付け:拒絶理由通知書
平成29年 9月 7日付け:意見書
平成29年 9月 7日付け:手続補正書
平成29年 9月11日付け:意見書
平成29年 9月11日付け:手続補正書
平成30年 1月30日付け:拒絶査定
平成30年 5月 2日付け:審判請求書

2 本願発明
本件出願の請求項1?請求項11に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」?「本願発明11」という。)は,平成29年9月11日付け手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1?請求項11に記載された事項によって特定されるとおりの,以下のものである。
「【請求項1】
拡大共役側の所定位置と縮小共役側の所定位置とを共役にすると共に,前記2つの所定位置と共役な中間結像位置に中間像を形成する結像光学系であって,
前記結像光学系に入射する光束のうち軸外主光線が前記結像光学系の光軸と交差する2点の間において前記中間結像位置よりも前記拡大共役側に配置され,前記拡大共役側の面が前記拡大共役側に向かって凸の面である第1正レンズと,
前記2点の間において前記中間結像位置よりも前記縮小共役側に配置され,前記縮小共役側の面が前記縮小共役側に向かって凸の面である第2正レンズと,
前記第1正レンズおよび前記第2正レンズの間に配置された負レンズとを有し,
前記第1正レンズ,前記負レンズおよび前記第2正レンズの材料のアッベ数をそれぞれν1,ν2およびν3とし,屈折率をそれぞれN1,N2,N3とするとき,以下の条件を満足することを特徴とする結像光学系。
5<ν2-ν1<80
5<ν2-ν3<80
0<ν3-ν1<20
0.03<N1-N2<1.0
0.03<N3-N2<1.0

【請求項2】
前記第1正レンズのシェイプファクターをSP1とし,前記第2正レンズのシェイプファクターをL3とするとき,以下の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の結像光学系。
-10<SP1<0
0<SP3<+10
ただし,前記シェイプファクターSPは,前記拡大共役側のレンズ面の曲率半径をR1とし,前記縮小共役側のレンズ面の曲率半径をR2とするとき,
SP=(R1+R2)/(R1-R2)
により定義される。

【請求項3】
前記第1正レンズの材料の部分分散比をθgf1とするとき,以下の条件を満足することを特徴する請求項1または2に記載の結像光学系。
0.600<θgf1<0.800
ただし,前記第1正レンズの材料のg線,f線およびC線に対する屈折率をそれぞれNg,Nf,NCとして,部分分散比θgf1は,
θgf1=(Ng-Nf )/ (Nf -NC)
により定義される。

【請求項4】
前記第1正レンズの材料の異常分散性をΔθgf1とするとき,以下の条件を満足することを特徴する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の結像光学系。
0.010<Δθgf1<0.050
ただし,異常分散性をΔθgf1は,
Δθgf1=θgf1-(0.6438-0.001682×ν1)
により定義される。

【請求項5】
該結像光学系は,前記拡大共役側から前記縮小共役側に順に,広角レンズ部と,フィールドレンズ部と,リレーレンズ部とを有し,
前記広角レンズ部,前記フィールドレンズ部および前記リレーレンズ部の焦点距離をそれぞれfWL,fFLおよびfRLとするとき,以下の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の結像光学系。
0<fWL/fFL<2.0
0<fWL/fRL<2.0

【請求項6】
前記第1正レンズ,前記負レンズおよび前記第2正レンズの焦点距離をそれぞれ,f1,f2およびf3とするとき,以下の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の結像光学系。
0.5<f1/f3<3.0
-2.0<f2/f3<-0.5

【請求項7】
前記第負レンズと前記第2正レンズとの間に,非球面レンズが配置されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の結像光学系。

【請求項8】
前記負レンズは,前記中間結像位置よりも前記縮小共役側に配置されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の結像光学系。

【請求項9】
前記負レンズは,前記結像光学系が備える複数のレンズのうち前記中間結像位置よりも前記縮小共役側に位置する複数のレンズの中で最も前記中間結像位置に近いことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の結像光学系。

【請求項10】
入射した光を変調する光変調素子と,
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の結像光学系であって,前記縮小共役側に配置された前記光変調素子により変調された光を,前記拡大共役側の被投射面に投射する投射光学系とを有することを特徴とする画像投射用光学系。

【請求項11】
請求項10に記載の画像投射用光学系を有し,
入力された画像信号に基づいて前記光変調素子を駆動することを特徴とする画像投射装置。」

3 原査定の拒絶の理由
平成30年1月30日付け拒絶査定(以下「原査定」という。)における拒絶の理由は,概略,[A]本願発明1?7及び9?11は,その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である米国特許出願公開第2005/0117123号明細書(以下「引用文献1」という。)に記載された発明であるから,特許法29条1項3号に該当し,特許を受けることができない,[B]本願発明1?11は,その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である引用文献1に記載された発明に基づいて,その出願前にその発明の技術分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない,というものである。

第2 当合議体の判断
1 引用文献の記載及び引用発明
(1) 引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1は,本件出願の出願前に頒布された刊行物であるところ,そこには,以下の記載がある(下線は当合議体が付したものであり,引用発明の認定や判断等に活用した箇所を示す。)。
なお,参考訳においては,原文において分断されて掲載されている表を,連結して記載している。また,表4?表13の非球面係数の面番号「1」及び「2」は,それぞれ「2」及び「3」の誤記と認められるが,原文の表については,そのままとしている。
ア 「BACKGROUND OF THE INVENTION
[0002] The present invention relates to a projection image display apparatus that displays images by projecting them onto the front of a screen or from the rear of the screen. The invention also relates to a projection optical unit used for such a display apparatus.」
(参考訳:技術分野
[0002] 本発明は,拡大画像をスクリーン前面上に投影して画像表示を行う投影型映像表示装置,該拡大画像をスクリーン背面から投影する投影型映像表示装置に関する。本発明は,これら装置に用いられる投影光学ユニットにも関する。)

イ 「[0011] Additionally, for the projection color image display apparatus mentioned above, great amounts of development investment have been required for the design and development of a new projection optical unit in order to match the effective screen size of the panel to be used.
[0012] In this way, to realize more compact dimensions of a rear-projection color image display apparatus, a projection optical unit is required that ensures wider-angle imaging, higher focusing performance, higher magnifications, and longer back-focusing. It is also desirable that even when a panel different in effective screen size and in scheme is used, the amount of development investment should be minimized by partially modifying standard components without redesigning and redeveloping all illumination optics or the projection optical unit.
[0013] The present invention was made in view of the problems and situations mentioned above, and an object of the invention is to provide a technology that allows a more compact set to be obtained.」
(参考訳:[0011] また,以上述べた投影型カラー映像表示装置においては,使用するパネルの有効画面寸法に合わせて新規に投影光学ユニットを設計開発するため多額な開発投資を必要としていた。
[0012] このように,背面投影型カラー映像表示装置の寸法のコンパクト化を実現するために,より広画角な画像,より高い合焦性能,より大きな倍率,より長いバックフォーカス性能を保証する投影光学ユニットが必要となる。また,有効画面寸法や方式が異なるパネルを使用した場合でも,照明光学系の全てや投影光学ユニットを再設計,再開発することなく,標準の構成要素の一部を変更することにより開発投資額を少なくすることも望ましい。
[0013] 本発明は,このような課題と状況に鑑みて為されたものであり,その目的は,セットのコンパクト化を実現可能な技術を提供することにある。)

ウ 「[0014] In order to attain the above object, the present invention takes a configuration in which, between an optical path ranging from an image display device to a screen, are arranged a first projection optical unit having positive refracting power for forming a first enlarged image, and a second projection optical unit having positive refracting power, positioned at the screen side of the first lens group and for forming a second enlarged image on the screen by further enlarging the first enlarged image obtained by the first projection optical unit, wherein the first enlarged image is formed closer to the image display element than to the second projection optical unit.」
(参考訳:[0014] 上記目的を達成するために,本発明は,映像表示素子からスクリーンまでの光路の間に,第1の拡大像を形成するための正の屈折力を持つ第1投射光学ユニットと,該第1のレンズ群のスクリーン側に位置し前記第1投射光学ユニットによって得られた第1の拡大像を更に拡大して前記スクリーンに第2の拡大像を形成するための,正の屈折力を持つ第2投射光学ユニットとを配置し,前記第1の拡大像が前記第2投射光学ユニットよりも映像表示素子側において結像する構成を取るものである。)

エ 「[0084] Next, the basic configuration and functions of a projection optical unit according to the present invention are described below using FIG. 1. In the present invention, the projection optical unit for providing an enlarged projection of the images displayed by image display elements is divided into two lens groups. One of the lens groups constitutes a first projection optical unit that forms a first enlarged image, and the other lens group constitutes a second projection optical unit that forms a second enlarged image by further enlarging the first enlarged image, the second projection optical unit having positive refractive power.」
(参考訳:
[0084] 次に,図1を用いて,以下に本発明の投影光学ユニットの基本構成及び機能について説明する。本発明においては,映像表示素子に表示された画像を拡大投影する投影光学ユニットを,2つのレンズ群に分けている。レンズ群の一方は,第1の拡大像を形成するための第1投射光学ユニットであり,他方のレンズ群は,第1投射光学ユニットによって得られた第1の拡大像を更に拡大して第2の拡大像を形成するための,正の屈折力を持つ第2投射光学ユニットである。)

オ 「Embodiment 1-1
[0095] Embodiment 1 of a first projection optical unit is described using FIGS. 3 to 12 and Table 1.

[0096]

[0097] FIG. 3 is a configuration diagram and spot diagram of a first projection optical unit. This figure indicates the way the luminous flux irradiated from an image display element in a telecentric state converges telecentrically at a first enlarged image side.」
(参考訳:実施例1-1
[0095] 図3から図12と表1を用いて第1投射光学ユニットの実施例1について説明する。

[0096]

[0097] 図3は,第1投射光学ユニットの構成図と光線図である。図からは,映像表示素子からテレセントリックな状態で出射した光束が,第1拡大像側でテレセントリックに結像している様子がわかる。)

カ 「[0104] Embodiment 2 of a first projection optical unit is described below using FIGS. 13 to 22 and Table 2.

[0105]

[0106] FIG. 13 is a configuration diagram and spot diagram of Embodiment 2 of a first projection optical unit according to the present invention. This figure indicates the way the luminous flux irradiated from an image display element in a telecentric state converges telecentrically at a first enlarged image side.

(参考訳:[0104] 図13から図22と表2を用いて第1投射光学ユニットの実施例2について以下に説明する。

[0105]

[0106] 図13は,本発明の第1投射光学ユニットの実施例2の構成図と光線図である。図からは,映像表示素子からテレセントリックな状態で出射した光束が,第1拡大像側でテレセントリックに結像している様子がわかる。
)

キ 「[0113] Embodiment 3 of a first projection optical unit is described below using FIGS. 23 to 32 and Table 3.

[0114]

[0115] FIG. 23 is a configuration diagram and spot diagram of Embodiment 3 of a first projection optical unit according to the present invention. This figure indicates the way the luminous flux irradiated from an image display element in a telecentric state converges telecentrically at a first enlarged image side.」
(参考訳:[0113] 図23から図32と表3を用いて第1投射光学ユニットの実施例3について以下に説明する。

[0114]

[0115] 図23は,本発明の第1投射光学ユニットの実施例3の構成図と光線図である。図からは,映像表示素子からテレセントリックな状態で出射した光束が,第1拡大像側でテレセントリックに結像している様子がわかる。)

ク 「[0127] Embodiments of a second projection optical unit according to the present invention are shown in FIGS. 33 to 42. Each of these embodiments is described below using the accompanying drawings. For FIGS. 33 to 42, however, description is omitted since the respective embodiments seem to be made understandable similarly to FIG. 33 by referring to the data listed in Tables 4 to 12(当合議体注:「12」は「13」の誤記である。).
…(省略)…
[0129]
…(省略)…

[0130]

[0131]

[0132]

[0133]

[0134]

[0135]

[0136]

[0137]

[0138]

[0139]

[0140]

[0141]

[0142]

[0143]

[0144]

[0145]

[0146]

[0147]

[0148]


(参考訳:[0127] 図33?42に,本発明の第2投射光学ユニットの実施例が示されている。以下,これら実施例の各々が,付随する図面を用いて説明される。図34?42については,下記の表4?13に示したデータから図33と同様に理解できると思われるので,説明を省略する。
…(省略)…
[0129]
…(省略)…

[0130]

[0131]

[0132]

[0133]

[0134]

[0135]

[0136]

[0137]

[0138]

[0139]

[0140]

[0141]

[0142]

[0143]

[0144]

[0145]

[0146]

[0147]

[0148]

)

ケ 「[0151] Next, an example of a projection optical system in which Embodiment 1 of a first projection optical unit and Embodiment 1 of a second projection optical unit are combined is described below using FIGS. 43 to 55.
[0152] FIG. 43 is a configuration diagram of the projection optical system, wherein the second projection optical unit is Y-Z sectionally decentered by 9.8 mm with respect to the first projection optical unit.」
(参考訳:[0151] 次に,第1投射光学ユニットの実施例1と,第2投射光学ユニットの実施例1を組み合わせた投影光学系の例について,図43から図55を用いて以下に説明する。
[0152] 図43は,投影光学系の構成図であり,YZ断面で第1投射光学ユニットに対して,第2投射光学ユニットを9.8mm偏心させている。)

コ 特許請求の範囲
「1. A projection optical unit for enlarged projection of an image displayed by an image display element, comprising:
a first projection optical unit for forming a first enlarged image, said first projection optical unit having positive refractive power; and
a second projection optical unit positioned at an enlarged image side of said first projection optical unit in order to form a second enlarged image by further enlarging the first enlarged image obtained by said first projection optical unit, said second projection optical unit having positive refractive power;
wherein the first enlarged image is formed at the image display element side, rather than at said second projection optical unit,
a magnification M1 of the first enlarged image is smaller than a magnification M2 of the second enlarged image, and
said first projection optical unit includes an aperture stop that defines an F-value of said entire projection optical unit.
…(省略)…
3. The projection optical unit according to claim 1, further including a structure for moving said entire second projection optical unit in an optical-axis direction thereof.
4. The projection optical unit according to claim 3, further including a structure for making variable an amount of eccentricity between an optical axis of said first projection optical unit and that of said second projection optical unit.
5. The projection optical unit according to claim 4, wherein said entire first projection optical unit or a lens element which forms part thereof is adapted to be replaceable.
6. The projection optical unit according to claim 4, wherein said entire second projection optical unit or a lens element which forms part thereof is adapted to be replaceable.」
(参考訳:1.映像表示素子に表示された画像を拡大投影する投影光学ユニットであって,
第1の拡大像を形成するための,正の屈折力を持つ第1投射光学ユニットと,
前記第1投射光学ユニットの拡大像側に位置し,前記第1投射光学ユニットによって得られた第1の拡大像を更に拡大して第2の拡大像を形成するための,正の屈折力を持つ第2投射光学ユニットを具備し,
ここで,前記第1の拡大像が前記第2投射光学ユニットよりも映像表示素子側において結像し,
前記第1の拡大像の倍率M1が,前記第2の拡大像の倍率M2より小さく,
前記第1投射光学ユニットは,前記投影光学ユニット全体のF値を画定する開口絞りを具備する,
投影光学ユニット。
…(省略)…
3.さらに,前記第2投射光学ユニット全体を光軸方向に移動させるための手段を具備する,請求項1に記載された投影光学ユニット。
4.さらに,前記第1投射光学ユニットの光軸と前記第2投射光学ユニットの光軸の間の偏心量を可変にするための構造を具備する,請求項3に記載された投影光学ユニット。
5.さらに,前記第1投射光学ユニット全体又はその一部を構成するレンズ要素は交換可能である,請求項4に記載された投影光学ユニット。
6.さらに,前記第2投射光学ユニット全体又はその一部を構成するレンズ要素は交換可能である,請求項4に記載された投影光学ユニット。)

サ 図1,図3,図13,図23,図33?図43
図1:

図3:

図13:

図23:

図33:

図34:

図35:

図36:

図37:

図38:

図39:

図40:

図41:

図42:

図43:


(2) 引用発明
引用文献1の[0095]?[0115]には,第1投射光学ユニットの具体例として,レンズデータが表1?表3のいずれかのものである第1投射光学ユニットが記載されている。ここで,第1投射光学ユニットにおいては,映像表示素子からテレセントリックな状態で出射した光束が,第1拡大像側でテレセントリックに結像している。また,引用文献1の[0127]?[0148]には,第2投射光学ユニットの具体例として,レンズデータが表4?表13のいずれかのものである第2投射光学ユニットも記載されている。さらに,引用文献1には,特許請求の範囲の5.に記載されているように,第1投射光学ユニットに対して第2投射光学ユニットを交換可能とした投影光学ユニットや,特許請求の範囲の6.に記載されているように,第1投射光学ユニットに対して第2投射光学ユニットを交換可能とした投影光学ユニットが記載されている。
そうしてみると,引用文献1からは,第1投射光学ユニット(3種類)と第2投射光学ユニット(10種類)の組み合わせに応じた,3×10=30通りの,投影光学ユニットが記載されていると理解されるところ,事案に鑑みて,ひとまず,次の発明を「引用発明」とする。
「 映像表示素子に表示された画像を拡大投影する投影光学ユニットであって,
投影光学ユニットは,
第1の拡大像を形成するための,正の屈折力を持つ第1投射光学ユニットと,
第1投射光学ユニットの拡大像側に位置し,第1投射光学ユニットによって得られた第1の拡大像を更に拡大して第2の拡大像を形成するための,正の屈折力を持つ第2投射光学ユニットを具備し,
ここで,第1の拡大像が第2投射光学ユニットよりも映像表示素子側において結像し,
第1の拡大像の倍率M1が,第2の拡大像の倍率M2より小さく,
第1投射光学ユニットは,投影光学ユニット全体のF値を画定する開口絞りを具備し,
第2投射光学ユニット全体を光軸方向に移動させるための手段を具備し,
第1投射光学ユニットの光軸と第2投射光学ユニットの光軸の間の偏心量を可変にするための構造を具備し,
映像表示素子からテレセントリックな状態で出射した光束が,第1拡大像側でテレセントリックに結像しており,
さらに,
第1投射光学ユニットのレンズデータは,以下の表1のものであり,
第2投射光学ユニットのレンズデータは,以下の表13のものである,
投影光学ユニット。
表1:

表13:



2 対比及び判断
(1) 対比
ア 結像光学系
引用発明は,「映像表示素子に表示された画像を拡大投影する投影光学ユニットであって」,「投影光学ユニットは」,「第1の拡大像を形成するための,正の屈折力を持つ第1投射光学ユニットと」,「第1投射光学ユニットの拡大像側に位置し,第1投射光学ユニットによって得られた第1の拡大像を更に拡大して第2の拡大像を形成するための,正の屈折力を持つ第2投射光学ユニットを具備し」,「第1の拡大像が第2投射光学ユニットよりも映像表示素子側において結像」する。
上記の光学的な位置関係からみて,引用発明の「映像表示素子に表示された画像」の位置は,投影光学ユニットの縮小側にあり,「第2の拡大像」が形成される位置は,投影光学ユニットの拡大側にある。また,「第1の拡大像」が形成,すなわち結像される位置は,「映像表示素子に表示された画像」の位置と「第2の拡大像」が形成される位置の中間の位置である。そして,本件出願前の当業者の技術常識を勘案すると,引用発明の「映像表示素子に表示された画像」の位置と,「第1の拡大像」が形成される位置と,「第2の拡大像」が形成される位置は,共役の関係にある。
以上勘案すると,引用発明の「映像表示素子に表示された画像」の位置,「第1の拡大像」が形成される位置,「第2の拡大像」が形成される位置,及び「投影光学ユニット」は,それぞれ本願発明の「縮小共役側の所定位置」,「中間結像位置」,「拡大共役側の所定位置」及び「結像光学系」に相当する。また,引用発明の「投影光学ユニット」は,本件特許発明の「結像光学系」における「拡大共役側の所定位置と縮小共役側の所定位置とを共役にすると共に,前記2つの所定位置と共役な中間結像位置に中間像を形成する」という構成を具備する。

イ 2点
引用発明の「第1投射光学ユニット」及び「第2投射光学ユニット」のレンズデータは,表1及び表13のものである。また,引用発明の「第1投射光学ユニットは,投影光学ユニット全体のF値を画定する開口絞りを具備」するところ,開口絞り面は,面番号14の位置である(表1)。
そうしてみると,引用発明の「投影光学ユニット」の光線図は,以下のとおりになる。

(当合議体注:偏心量は,[0152]の記載を参考に,9.8mmと仮定した。また,各レンズを区別するため,映像表示素子側から順に,A?Zの符号を付した。以下,それぞれ「レンズA」?「レンズZ」という場合がある。)
また,上記の開口絞り面の位置及び光線図からみて,引用発明の「投影光学ユニット」に入射する光束のうち軸外主光線が「投影光学ユニット」の光軸と交差する点は,[1]「第1投射光学ユニット」の14面の位置,及び[2]「第2投射光学ユニット」の13面と14面の間の位置,にあると理解される。
したがって,引用発明の各レンズのうち,本願発明の「前記結像光学系に入射する光束のうち軸外主光線が前記結像光学系の光軸と交差する2点の間」という要件を満たすレンズは,「第1投射光学ユニット」の14面?第1拡大像面の間のレンズ,及び「第2投射光学ユニット」の13面?27面の間のレンズ(上記光線図における,「レンズG」?「レンズT」)である。

ウ 第1正レンズ
引用発明の「第2投射光学ユニット」のレンズデータは,表13に記載されたとおりである。また,引用発明の「投影光学ユニット」に入射する光束のうち軸外主光線が「投影光学ユニット」の光軸と交差する点については,前記イで述べたとおりである。
そうしてみると,引用発明の「第2投射光学ユニット」に含まれるレンズのうち,以下の5枚のレンズは,いずれも,「投影光学ユニット」に入射する光束のうち軸外主光線が「投影光学ユニット」の光軸と交差する2点の間において,「第1の拡大像」が形成される位置よりも「第2の拡大像」が形成される側に配置され,かつ,「第2の拡大像」が形成される側の面が,「第2の拡大像」が形成される側に向かって凸の面であるレンズである。
・14面及び15面を形成する「レンズT」
・16面及び17面を形成する「レンズS」
・19面及び20面を形成する「レンズQ」
・23面及び24面を形成する「レンズO」
・25面及び26面を形成する「レンズN」
したがって,引用発明のこれらレンズは,いずれも本願発明1の,「前記結像光学系に入射する光束のうち軸外主光線が前記結像光学系の光軸と交差する2点の間において前記中間結像位置よりも前記拡大共役側に配置され,前記拡大共役側の面が前記拡大共役側に向かって凸の面である」という要件を満たす「第1正レンズ」に相当する。

エ 第2正レンズ
引用発明の「第1投射光学ユニット」のレンズデータは,表1に記載されたとおりである。また,引用発明の「投影光学ユニット」に入射する光束のうち軸外主光線が「投影光学ユニット」の光軸と交差する点については,前記イで述べたとおりである。
そうしてみると,引用発明の「第1投射光学ユニット」に含まれるレンズのうち,以下の2枚のレンズは,いずれも,「投影光学ユニット」に入射する光束のうち軸外主光線が「投影光学ユニット」の光軸と交差する2点の間において「第1の拡大像」が形成される位置よりも「映像表示素子」側に配置され,「映像表示素子」側の面が「映像表示素子」側に向かって凸の面であるレンズである。
・14面及び15面を形成する「レンズH」
・22面及び23面を形成する「レンズL」
したがって,引用発明のこれらレンズは,いずれも本願発明の,「前記2点の間において前記中間結像位置よりも前記縮小共役側に配置され,前記縮小共役側の面が前記縮小共役側に向かって凸の面である」という要件を満たす,「第2正レンズ」に相当する。

オ 負レンズ
引用発明の「第1投射光学ユニット」及び「第2投射光学ユニット」のレンズデータは,それぞれ表1及び表13に記載されたとおりである。また,引用発明の「投影光学ユニット」に含まれる各レンズのうち,本願発明の「第1正レンズ」の要件を満たすレンズ,及び「第2正レンズ」の要件を満たすレンズは,それぞれ前記ウ及び前記エで述べたとおりである。
そうしてみると,引用発明の「第1投射光学ユニット」に含まれるレンズのうち,以下の2枚のレンズは,「レンズH」を本願発明の「第2正レンズ」と理解した場合において,本願発明の「前記第1正レンズおよび前記第2正レンズの間に配置された」という要件を満たす「負レンズ」に相当する。
・16面及び17面を形成する「レンズI」
・18面及び19面を形成する「レンズJ」
(当合議体注:「レンズI」及び「レンズJ」は,「レンズL」を本願発明の「第2正レンズ」と理解した場合においては,「前記第1正レンズおよび前記第2正レンズの間に配置された」という,本願発明の「負レンズ」の要件を満たさない。)

また,引用発明の「第2投射光学ユニット」に含まれるレンズのうち,以下の2枚のレンズは,「レンズS」又は「レンズT」を本願発明の「第1正レンズ」と理解した場合において,本願発明の「前記第1正レンズおよび前記第2正レンズの間に配置された」という要件を満たす「負レンズ」に相当する。
・17面及び18面を形成する「レンズR」
・21面及び22面を形成する「レンズP」
(当合議体注:「レンズR」は,「レンズN」,「レンズO」又は「レンズQ」を本願発明の「第1正レンズ」と理解した場合においては,「前記第1正レンズおよび前記第2正レンズの間に配置された」という,本願発明の「負レンズ」の要件を満たさない。また,「レンズP」は,「レンズN」又は「レンズO」を本願発明の「第1正レンズ」と理解した場合においては,「前記第1正レンズおよび前記第2正レンズの間に配置された」という,本願発明の「負レンズ」の要件を満たさない。)

カ 4つの条件
事案に鑑みて,本願発明1の5つの「以下の条件」のうち,以下の4つの条件について,検討する。
5<ν2-ν1<80
5<ν2-ν3<80
0.03<N1-N2<1.0
0.03<N3-N2<1.0

引用発明の「第1投射光学ユニット」に含まれる各レンズの硝材は,表1に記載されたとおりであるから,その屈折率及びアッベ数は,以下のとおりである。

また,引用発明の「第2投射光学ユニット」に含まれるレンズの屈折率及びアッベ数は,表13に記載されたとおりである。
ここで,前記オで述べたとおり,引用発明において,本願発明の「負レンズ」と理解可能なレンズは,「レンズI」,「レンズJ」,「レンズP」及び「レンズR」である。そこで,これらレンズ毎に,場合分けして,以下,検討する。
(ア)引用発明の「レンズI」を本願発明の「負レンズ」と理解した場合
この場合には,上記4つの条件を満たすことができない。
すなわち,引用発明の「レンズI」のアッベ数は「27.53」である。
これに対して,本願発明の「第1正レンズ」に相当する,引用発明の「レンズN」,「レンズO」,「レンズQ」,「レンズS」及び「レンズT」のアッベ数は,最も小さいものでも「レンズN」及び「レンズT」の,「23.8」である。
そうしてみると,引用発明の「レンズI」を本願発明の「負レンズ」と理解した場合,ν2-ν1の値は,最も大きくても,3.73と計算される(当合議体注:27.53-23.8=3.73)。
したがって,引用発明の「レンズI」を本願発明の「負レンズ」と理解した場合には,上記4つの条件のうち,条件「5<ν2-ν1<80」を満たすことができない。また,途中経過は省略するが,上記4つの条件のうち,条件「5<ν2-ν3<80」及び条件「0.03<N3-N2<1.0」も満たすことができない。

(イ)引用発明の「レンズJ」を本願発明の「負レンズ」と理解した場合
引用発明の「レンズJ」の屈折率及びアッベ数は,それぞれ「1.497」及び「81.61」である。
したがって,引用発明の「レンズN」又は「レンズT」(屈折率1.847,アッベ数23.8)を本願発明の「第1正レンズ」と理解し,かつ,引用発明の「レンズH」(屈折率1.63854,アッベ数55.45)を本願発明の「第2正レンズ」と理解した場合には,上記4つの条件が満たされる。
(当合議体注:「ν2-ν1」は,81.61-23.8=57.81と計算される。「ν2-ν3」は,81.61-55.45=26.16と計算される。「N1-N2」は,1.847-1.497=0.35と計算される。「N3-N2」は,1.63854-1.497=0.14154と計算される。)

(ウ)引用発明の「レンズP」を本願発明の「負レンズ」と理解した場合
引用発明の「レンズP」の屈折率及びアッベ数は,それぞれ「1.492」及び「57.9」である。
したがって,引用発明の「レンズT」(屈折率1.847,アッベ数23.8)を本願発明の「第1正レンズ」と理解し,かつ,引用発明の「レンズL」(屈折率1.8042,アッベ数46.5)を本願発明の「第2正レンズ」と理解した場合には,上記4つの条件が満たされる。
(当合議体注:「ν2-ν1」は,57.9-23.8=34.1と計算される。「ν2-ν3」は,57.9-46.5=11.4と計算される。「N1-N2」は,1.847-1.492=0.355と計算される。「N3-N2」は,1.8042-1.492=0.3122と計算される。)

(エ)引用発明の「レンズR」を本願発明の「負レンズ」と理解した場合
この場合には,上記4つの条件を満たすことができない。
すなわち,引用発明の「レンズR」のアッベ数は,「23.8」である。
これに対して,本願発明の「第1正レンズ」に相当する,引用発明の「レンズT」のアッベ数は,「23.8」である。そうしてみると,引用発明の「レンズR」を本願発明の「負レンズ」と理解した場合,ν2-ν1の値は,0と計算される。
したがって,引用発明の「レンズR」を本願発明の「負レンズ」と理解した場合には,上記4つの条件のうち,「5<ν2-ν1<80」を満たすことができない。また,途中経過は省略するが,上記4つの条件のうち,他の3つの条件も満たすことができない。

(2) 一致点及び相違点
ア 一致点
本願発明1と引用発明は,次の構成で一致する。
「 拡大共役側の所定位置と縮小共役側の所定位置とを共役にすると共に,前記2つの所定位置と共役な中間結像位置に中間像を形成する結像光学系であって,
前記結像光学系に入射する光束のうち軸外主光線が前記結像光学系の光軸と交差する2点の間において前記中間結像位置よりも前記拡大共役側に配置され,前記拡大共役側の面が前記拡大共役側に向かって凸の面である第1正レンズと,
前記2点の間において前記中間結像位置よりも前記縮小共役側に配置され,前記縮小共役側の面が前記縮小共役側に向かって凸の面である第2正レンズと,
前記第1正レンズおよび前記第2正レンズの間に配置された負レンズとを有し,
前記第1正レンズ,前記負レンズおよび前記第2正レンズの材料のアッベ数をそれぞれν1,ν2およびν3とし,屈折率をそれぞれN1,N2,N3とするとき,以下の条件を満足する結像光学系。
5<ν2-ν1<80
5<ν2-ν3<80
0.03<N1-N2<1.0
0.03<N3-N2<1.0」

イ 相違点
本願発明1は,「0<ν3-ν1<20」の条件を満足するのに対して,引用発明は,この条件を満足しない点。
(当合議体注:本願発明の「第1正レンズ」と理解することができる,引用発明のレンズは,「レンズN」,「レンズO」,「レンズQ」,「レンズS」及び「レンズT」である。そして,これらレンズのアッベ数は,それぞれ「23.8」,「57.9」,「81.6」,「81.6」及び「23.8」である。これに対して,本願発明の「第2正レンズ」と理解することができる,引用発明の「レンズH」及び「レンズL」のアッベ数は,それぞれ「55.45」及び「46.5」である。したがって,「0<ν3-ν1<20」の条件を満足しない。)

(3) 判断
29条1項3号について
本願発明1と引用発明は,前記(2)イで述べた相違点において相違する。
したがって,本願発明1と引用発明は,同一ではない。

29条2項について
引用発明の「投影光学ユニット」には,種々の硝材が用いられている。そして,例えば,本願発明1の「第1正レンズ」に相当する引用発明の「レンズT」(アッベ数23.8)の硝材を,引用発明の「レンズU」(アッベ数35.9)の硝材に替えると,引用発明は,相違点に係る本願発明1の構成を具備したものとなる(当合議体注:他の条件も,引き続き満たす。)。
しかしながら,引用文献1には,引用発明の各レンズの硝材が,どのような技術思想に基づいて選択されたものなのかに関する記載がない。また,本件出願の出願前の当業者が,上記のような硝材の変更を促すような技術常識を心得ていたということもできない。なお,硝材を変更した場合には,アッベ数及び屈折率が変化するから,色収差はもちろん,単色収差も悪化すると考えられる。
以上のとおりであるから,たとえ当業者といえども,引用発明のレンズの硝材を,上記のように変更することが,容易であったということはできない。
したがって,本願発明1は,引用発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

(4) 他の引用発明について
前記(2)で述べたとおり,引用文献1からは,第1投射光学ユニットと第2投射光学ユニットの組み合わせに応じて,30通りの引用発明が理解される。
しかしながら,引用文献1に記載された第1投射光学ユニット(表1?表3のレンズデータのもの)において,本願発明1の「第2正レンズ」と理解しうるレンズ(映像表示素子側が凸である,開口絞り面以降の正レンズ)のアッベ数は,55.45(14面及び15面を形成するレンズ)又は46.5(22面及び23面を形成するレンズ)のみである。
そうしてみると,引用文献1に記載された第2投射光学ユニット(表4?表13のレンズデータのもの)において,アッベ数が26.5超55.45未満であり,かつ,本願発明1の「第1正レンズ」と理解しうるレンズがない限り,本願発明1の条件「0<ν3-ν1<20」を満たさないといえる。
(当合議体注:「26.5超55.45未満」の下限値は,46.5-20=26.5という計算で得たものであり,上限値は,55.45-0=55.45という計算で得たものである。)
ところが,引用文献1に記載された第2投射光学ユニット(表4?表13のレンズデータのもの)において,本願発明1の「第1正レンズ」と理解できるレンズのアッベ数は,すべて「26.5超55.45未満」の要件を満たさない。
すなわち,以下のとおりである。

したがって,本願発明1は,引用文献1に記載された30通りの引用発明のいずれとも同一ではない。また,本願発明1は,前記(3)で述べたのと同様の理由により,引用文献1に記載された30通りの引用発明のいずれかに基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるということもできない。

(5) 本願発明2?本願発明11について
本願発明2?本願発明9は,いずれも,本願発明1に対して,さらに他の発明特定事項を付加してなる「結像光学系」の発明である。
また,本願発明10及び11は,それぞれ,少なくとも,本願発明1の結像光学系を具備してなる「画像投射用光学系」及び「画像投射装置」の発明である。
したがって,本願発明1と同じ理由により,本願発明2?本願発明11も,引用文献1に記載された30通りの引用発明のいずれとも同一ではなく,また,引用文献1に記載された30通りの引用発明のいずれかに基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるということもできない。

3 むすび
以上のとおり,本願発明1?本願発明11は,引用文献1に記載された発明ということができず,また,引用文献1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。したがって,原査定の拒絶の理由によっては,本件出願を拒絶することはできない。
また,他に本件出願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-06-24 
出願番号 特願2013-193387(P2013-193387)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G02B)
P 1 8・ 113- WY (G02B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 小倉 宏之  
特許庁審判長 中田 誠
特許庁審判官 樋口 信宏
河原 正
発明の名称 結像光学系および画像投射装置  
代理人 平山 倫也  
代理人 藤元 亮輔  
代理人 水本 敦也  

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