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審決分類 審判 全部申し立て ただし書き3号明りょうでない記載の釈明  C23C
審判 全部申し立て 2項進歩性  C23C
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C23C
審判 全部申し立て 判示事項別分類コード:857  C23C
審判 全部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  C23C
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C23C
管理番号 1353156
異議申立番号 異議2018-700847  
総通号数 236 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-08-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-10-17 
確定日 2019-06-07 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6317636号発明「磁気記録媒体用スパッタリングターゲット」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6317636号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?5〕について訂正することを認める。 特許第6317636号の請求項2?5に係る特許を維持する。 特許第6317636号の請求項1に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯

特許第6317636号(以下、「本件特許」という。)の請求項1?5に係る特許についての出願は、平成26年7月9日の出願であって、平成30年4月6日にその特許権の設定登録がされ、同年4月25日に特許掲載公報の発行がされたものであり、その後、その特許について、同年10月17日付けで特許業務法人藤央特許事務所(以下、「申立人」という。)により下記甲第1、2号証を証拠方法とする特許異議の申立てがされ、同年12月19日付けで取消理由が通知され、平成31年3月8日付けで特許権者より意見書の提出及び訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)がされ、同年4月12日付けで申立人より意見書の提出がされたものである。

(証拠方法)
甲第1号証:国際公開2010/074171号
甲第2号証:国際公開2012/014504号

第2 訂正の適否についての判断

1.訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は、以下のとおりである(当審注:下線は当審が付与した。)。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に記載された
「SiO_(2)はクリストバライトであることを特徴とする請求項1に記載の」を、
「Cr:0mol%を超えて10mol%以下、Pt:11mol%を超えて25mol%以下、残余がCo及び不可避不純物からなる金属相84mol%以上92mol%以下と、CrTi_(2)O_(5)及びSiO_(2)を含む酸化物相8mol%以上16mol%以下と、を含むことを特徴とする磁気記録媒体用スパッタリングターゲットであって、SiO_(2)はクリストバライトであることを特徴とする」に訂正する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に記載された
「0mol%を超えて10mol%以下であることを特徴とする請求項1に記載の」を、
「2mol%以上10mol%以下であることを特徴とする請求項2に記載の」に訂正する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4に記載された
「請求項1?3のいずれに記載の」を、
「請求項2又は3のいずれに記載の」に訂正する。

(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5に記載された
「請求項1?4のいずれかに記載の」を、
「請求項2?4のいずれかに記載の」に訂正する。

2.訂正要件の判断
(1)訂正事項1、4、5について
訂正事項1は請求項を削除するものであり、訂正事項4、5はそれに伴い選択的引用請求項の一部を削除するものであるから、何れも特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてしたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(2)訂正事項2について
訂正事項2は、訂正前の請求項2に記載された発明について、訂正前の請求項1との引用関係を解消して独立形式としたものであって、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項を引用しないものとすることを目的にするものである。また、金属相を構成するCrの量「10mol%」が上限を意味することを明確にするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的にするものである。さらに、金属相と酸化物相の含有量の数値範囲を限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的としている。
金属相を構成するCrの量「10mol%」が上限(?以下)を意味することは、本件明細書【0038】以降に記載されている実施例1において、作製したスパッタリングターゲットの最終組成でCrが5.38mol%及び4.9mol%であることが確認されたと記載されている(【0043】)ことから自明であり、また、金属相と酸化物相の含有量の数値範囲については、本件明細書【0020】に、「金属相が84mol%以上92mol%以下及び酸化物相が8mol%以上16mol%以下であることが好ましい。」と記載されていることから、いずれも願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてしたものである。また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)訂正事項3について
訂正事項3は、CrTi_(2)O_(5)の含有量の数値範囲を限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的としている。また、引用する請求項について請求項1であったものを請求項2とする訂正については、訂正前の請求項1と請求項2との関係から実質的に「SiO_(2)はクリストバライトであること」をさらに特定したものであるといえるから、特許請求の範囲の減縮を目的としている。
CrTi_(2)O_(5)の含有量の数値範囲については、本件明細書【0043】に実施例1において作製したスパッタリングターゲットの最終組成でCrTi_(2)O_(5)の含有量が2mol%であることが確認されたと記載されており、SiO_(2)はクリストバライトであることも同じ実施例1で確認されたと記載されている(【0041】【0042】)ことから、いずれも願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてしたものである。また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(4)その他
訂正前の請求項2?5が、訂正前の請求項1を引用するものであるから、訂正事項1?5の特許請求の範囲の訂正は、一群の請求項1?5について請求されたものである。
また、本件訂正請求においては、全ての請求項に対して特許異議の申立てがされているので、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項の規定は適用されない。

3.むすび
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項並びに同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?5〕について訂正を認める。

第3 特許異議申立について

1.本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項2?5に係る発明(以下、それぞれ「本件発明2?5」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項2?5に記載された次の事項により特定されるとおりのものであると認める(当審注:下線は当審が付与した。)。

「 【請求項1】
(削除)
【請求項2】
Cr:0mol%を超えて10mol%以下、Pt:11mol%を超えて25mol%以下、残余がCo及び不可避不純物からなる金属相84mol%以上92mol%以下と、CrTi_(2)O_(5)及びSiO_(2)を含む酸化物相8mol%以上16mol%以下と、を含むことを特徴とする磁気記録媒体用スパッタリングターゲットであって、SiO_(2)はクリストバライトであることを特徴とする磁気記録媒体用スパッタリングターゲット。
【請求項3】
CrTi_(2)O_(5)の含有量が2mol%以上10mol%以下であることを特徴とする請求項2に記載の磁気記録媒体用スパッタリングターゲット。
【請求項4】
前記酸化物相が、TiO_(2)、Cr_(2)O_(3)、B_(2)O_(3)、CoO、Co_(3)O_(4)から選択される1種以上をさらに含むことを特徴とする請求項2又は3のいずれに記載の磁気記録媒体用スパッタリングターゲット。
【請求項5】
相対密度が97%以上であることを特徴とする請求項2?4のいずれかに記載の磁気記録媒体用スパッタリングターゲット。」

2.取消理由の概要
訂正前の請求項1?5に係る特許に対して通知した取消理由の概要は以下のとおりである。

理由1(明確性)
本件特許は、特許請求の範囲の記載が以下の(ア)、(イ)の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない出願に対してされたものである。
(ア)特許請求の範囲の【請求項1】における「Cr:0mol%を超えて10mol%」との記載は明瞭でない。
(イ)特許請求の範囲の【請求項1】における「CrTi_(2)O_(5)及びSiO_(2)を含む酸化物相0mol%を超えて」及び【請求項3】における「CrTi_(2)O_(5)の含有量が0mol%を超えて」については、0mol%に限りなく近いものを含むものであると解されるところ、有意な量がどの程度であるかが明瞭でなく、発明が明確でない。例えば、本件明細書及び図面において、比較例1に係る図2について、微量の「CrTi_(2)O_(5)」さえも、その存在を否定するものであるか否かの客観的な判断根拠が不明である。

理由2(新規性)
本件特許の請求項1、3、4に係る発明は、甲第1号証(国際公開2010/074171号)に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、請求項1、3、4に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。

3.取消理由に対する当審の判断
(1)取消理由1(明確性)について
上記(ア)の点の不備については、訂正事項2に係る訂正により、「10mol%以下」と明確になったので、解消した。
上記(イ)の点の不備については、訂正事項2に係る訂正により、「CrTi_(2)O_(5)及びSiO_(2)を含む酸化物相8mol%以上16mol%以下」と明確になり、さらに、訂正事項3に係る訂正により、「CrTi_(2)O_(5)の含有量が2mol%以上10mol%以下」と明確になったので、解消した。
よって、取消理由1は理由がない。

(2)取消理由2(新規性)について
訂正事項1に係る訂正により、請求項1は削除された。また、訂正事項3、4に係る訂正により、本件発明3、4は、いずれも本件発明2の発明特定事項をすべて含むものとなった。
そこで、本件発明2と甲第1号証に記載された発明とを対比し、新規性について判断する。

ア.甲第1号証の記載事項及び引用発明
甲第1号証には、以下の(ア)?(キ)の記載がある。

(ア)
「 請求の範囲
[請求項1]
CoおよびPt、またはCo、CrおよびPtと、SiO_(2)および/またはTiO_(2)と、Co_(3)O_(4)および/またはCoOとを含有することを特徴とするスパッタリングターゲット。
[請求項2]
Co_(3)O_(4)および/またはCoOの含有量が0.1?10mol%であることを特徴とする請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
[請求項3]
原料粉末を1000℃以下で焼結することにより得られることを特徴とする請求項1または2に記載のスパッタリングターゲット。
[請求項4]
相対密度が94%以上であることを特徴とする請求項1?3のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
[請求項5]
請求項1?4のいずれかに記載のスパッタリングターゲットを用いてスタッパリングを行うことにより得られた磁気記録膜。
[請求項6]
請求項1?4のいずれかに記載のスパッタリングターゲットを用いてスタッパリングを行うことを特徴とする磁気記録膜の形成方法。」

(イ)
「[0027] 本発明に係るスパッタリングターゲットに含有されるCo_(3)O_(4)およびCoO等の酸化物の量としては、スパッタリングターゲットを構成する各成分のモル数の合計に対して0.1?10mol%が好ましく、より好ましくは0.2?3mol%であり、さらに好ましくは0.4?2mol%であり、特に好ましくは0.6?1.2mol%である。酸化物の含有量が、0.1mol%より少ないと、スパッタリング時に酸素原子をSiおよびTiに十分に供給することができず、SiO_(2)およびTiO_(2)の還元を十分に抑制することができない場合があり、10mol%より多いと、スパッタリング時に酸素原子をSiおよびTiに供給しなかった酸化物がターゲット中に多量に残存し、これがスパッタリングに悪影響を与え、形成された磁気記録膜の保磁力を低下させる場合がある。
[0028] 本発明に係るスパッタリングターゲットは、前記酸化物以外に、CoおよびPt、またはCo、CrおよびPt、ならびにSiO_(2)および/またはTiO_(2)を含有する。
[0029] CoおよびPt、またはCo、CrおよびPtは、本ターゲットにおいて磁性相を構成する成分である。すなわち、本ターゲットは、CoおよびPtを磁性相の必須成分として含有し、Crを磁性相の任意成分として含有する。これらの組成は、従来の磁気記録膜用スパッタリングターゲットにおけるこれらの組成と同様にすることができる。たとえば、ターゲットに含まれるCo、CrおよびPtのモル数の合計に対し、Coの比率を50?80モル%、Crの比率を0?25モル%、Ptの比率を10?25モル%とすることができる。なお、本ターゲットは、本発明の目的が達成できる限り、磁性相の成分としてCo、CrおよびPt以外の成分を含有することができる。」

(ウ)
「[0031] SiO_(2)および/またはTiO_(2)は、本ターゲットにおいて非磁性相を構成する成分である。すなわち、本ターゲットは、SiO_(2)、TiO_(2)、またはSiO_(2)およびTiO_(2)を非磁性相の必須成分として含有する。これらの組成は、従来の磁気記録膜用スパッタリングターゲットにおけるこれらの組成と同様にすることができる。たとえば、ターゲットに含まれる各成分、すなわち磁性相を構成する各成分および非磁性相を構成する各成分のモル数の合計に対し、SiO_(2)のみが含まれる場合は、その比率を1?15mol%とすることができ、TiO_(2)のみが含まれる場合は、その比率を1?15mol%とすることができ、SiO_(2)およびTiO_(2)の両方が含まれる場合は、SiO_(2)の比率とTiO_(2)の比率との合計を1?20mol%とすることができる。なお、本ターゲットは、本発明の目的が達成できる限り、非磁性相の成分としてSiO_(2)およびTiO_(2)以外の成分を含有することができる。
[0032] 本発明に係るスパッタリングターゲットの相対密度は、94%以上であることが好ましく、97%以上であることがより好ましい。前記相対密度の上限値については特に限定されないが、通常100%以下である。上記相対密度の値を有するターゲット、いわゆる高密度のターゲットであると、該ターゲットをスパッタリングしたときの熱衝撃や温度差などに起因するターゲットの割れが生じにくく、ターゲット厚を無駄なく有効に活用することができる。また、パーティクルおよびアーキングの発生を有効に低減することができ、スパッタリング速度を向上させることもできる。
[0033] なお、前記相対密度は、焼結後のスパッタリングターゲットについてアルキメデス法に基づき測定した値である。」

(エ)
「[0034] 本発明に係るスパッタリングターゲットは、従来の磁気記録膜用スパッタリングターゲットと同様にして製造することができる。すなわち、Co粉末およびPt粉末、またはCo粉末、Cr粉末およびPt粉末と、SiO_(2)粉末および/またはTiO_(2)粉末と、Co_(3)O_(4)粉末および/またはCoO粉末とを所定の組成比となるように混合して原料粉末を作製し、これを焼結することにより製造することができる。
[0035] 焼結温度については、本発明の目的を達成することができる限り特に制限はないが、1000℃以下であることが好ましい。1000℃より高い温度で焼結すると、SiO_(2)、TiO_(2)やCo_(3)O_(4)等の酸化物が焼結時に還元され、たとえばCo_(3)O_(4)の還元により生成した酸素原子がCr原子と結合するなどの現象が起き、スパッタリングターゲットの性能が低下する場合がある。
[0036] 焼結方法に特に制限はなく、従来スパッタリングターゲットの焼結方法として多く採用されているホットプレス(HP)法を用いてもよいが、通電焼結法を用いることが好ましい。
[0037] 本発明に係るスパッタリングターゲットは、従来の磁気記録膜用スパッタリングターゲットと同様にしてスパッタリングすることができる。」

(オ)
「[0039] (実施例1?31および34?45、比較例1?9)
[スパッタリングターゲットの製造]
平均粒径1.5μmのCo粉、平均粒径3.0μmのCr粉、平均粒径1.5μmのPt粉、平均粒径1.0μmのSiO_(2)粉、平均粒径3.0μmのTiO_(2)粉、平均粒径1.0μmのCo_(3)O_(4)粉および平均粒径3μmのCoO粉を表1の組成になるように混合し、混合粉を得た。混合にはボールミルを用いた。なお、表1におけるCo、CrおよびPtの組成比は、磁性相を構成するCo、CrおよびPtのモル数の合計に対するモル%を意味し、SiO_(2)、TiO_(2)、 Co_(3)O_(4)およびCoOの組成比は、前記混合粉に含まれる全成分のモル数の合計に対するモル%を意味する。したがって、混合粉に含まれる全成分の組成比を、混合粉に含まれる全成分のモル数の合計に対するモル%で表せば、たとえば実施例1の場合には、「59.735mol%Co-18.38mol%Cr-13.785mol%Pt-4mol%SiO_(2)-4mol%TiO_(2)-0.1mol%Co_(3)O_(4)」となる。
[0040] 得られた混合粉を、通電焼結装置を用いて下記の条件で焼結した。
[0041] <焼結条件>
結雰囲気:真空
昇温速度:800℃/hr
焼結温度:表1の通り
焼結保持時間:1hr
圧力:50MPa
降温速度:400℃/hr(最高焼結温度から200℃まで)
得られた焼結体を切削加工することにより、φ4インチのスパッタリングターゲットを得た。」

(カ)
「[0045] [パーティクル数の評価]
前記スパッタリングターゲットおよび下地膜形成用のCo-Zr-NbならびにRuターゲットを用いて、以下の製膜条件下でスパッタリング処理を施した。
[0046] スパッタリング中に発生したパーティクルの数を測定し、下記の基準で評価した。結果を表1に示した。
[0047] <製膜条件>
製膜装置:枚葉式スパッタリング装置(型式:MSL-464、トッキ(株)製)
膜構成(膜厚):ガラス基板/Co-Zr-Nb(20nm)/Ru(10nm)/磁気記録膜(15nm)
プロセスガス:Ar
プロセス圧力:0.2?5.0Pa
投入電力:2.5?5.0W/cm^(2)
基板温度:室温?50℃
<パーティクル数の評価基準>
○:良好に使用できる
△:使用できる
×:使用できない 」

(キ)
「[0048] (実施例32、33)
通電焼結装置の代わりにホットプレス焼結装置を用いた以外は、実施例1と同様にしてスパッタリングターゲットを得た。
[0049] このスパッタリングターゲットを用いて、実施例1と同様にして相対密度の測定、パーティクル数の評価および保磁力の測定を行った。結果を表1に示した。
[0050]
[表1]



甲第1号証には、上記摘示(ア)より、「Co、CrおよびPtと、SiO_(2)およびTiO_(2)と、Co_(3)O_(4)および/またはCoOとを含有する磁気記録膜用スパッタリングターゲット。」の発明が記載されている。そして、上記摘示(イ)より、「Co、CrおよびPtのモル数の合計に対し、Coの比率を50?80モル%、Crの比率を0?25モル%、Ptの比率を10?25モル%とすることができ」、「本ターゲットは、CoおよびPtを磁性相の必須成分として含有し、Crを磁性相の任意成分として含有」し、「Co_(3)O_(4)およびCoO等の酸化物の量としては、スパッタリングターゲットを構成する各成分のモル数の合計に対して0.1?10mol%が好ましく」、上記摘示(ウ)より、「SiO_(2)および/またはTiO_(2)は、本ターゲットにおいて非磁性相を構成する成分である。・・・磁性相を構成する各成分および非磁性相を構成する各成分のモル数の合計に対し、・・・SiO_(2)およびTiO_(2)の両方が含まれる場合は、SiO_(2)の比率とTiO_(2)の比率との合計を1?20mol%とすることができ」るものであり、上記摘示(オ)、(キ)より、スパッタリングターゲットはこれら各成分からなる混合粉を焼結して得られるものであるから、これらを総合すると、甲第1号証には、
「磁性相を構成するCo、CrおよびPtと、非磁性相を構成するSiO_(2)およびTiO_(2)と、酸化物のCo_(3)O_(4)および/またはCoOとを含有する磁気記録膜用スパッタリングターゲットであって、
Co、CrおよびPtのモル数の合計に対し、Coの比率が50?80モル%、Crの比率が0?25モル%、Ptの比率が10?25モル%であり、
磁性相を構成する各成分および非磁性相を構成する各成分のモル数の合計に対し、SiO_(2)およびTiO_(2)の両方が含まれる場合のSiO_(2)の比率とTiO_(2)の比率との合計が1?20mol%であり、
酸化物のCo_(3)O_(4)およびCoOの量が、スパッタリングターゲットを構成する各成分のモル数の合計に対して0.1?10mol%であり、
これら各成分からなる混合粉を焼結して得られる前記磁気記録膜用スパッタリングターゲット。」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

そして、引用発明に関し、上記摘示(オ)、(キ)には、実施例40、41及び比較例7の開示があり、各成分の具体的な数値を入れて書き下すと以下のようになる。

実施例40
「磁性相を構成するCo、CrおよびPtと、非磁性相を構成するSiO_(2)およびTiO_(2)と、酸化物のCoOとを含有する磁気記録膜用スパッタリングターゲットであって、
Co、CrおよびPtのモル数の合計に対し、Coの比率が70モル%、Crの比率が10モル%、Ptの比率が20モル%であり、
非磁性相を構成する各成分の量が、スパッタリングターゲットを構成する各成分のモル数の合計に対し、SiO_(2)の比率8mol%、TiO_(2)の比率7mol%で合計が15mol%、酸化物のCoOの量が4.0mol%であり、
これら各成分からなる混合粉を930℃で焼結して得られる前記磁気記録膜用スパッタリングターゲット。」(以下、「引用発明40」という。)

実施例41
「磁性相を構成するCo、CrおよびPtと、非磁性相を構成するSiO_(2)およびTiO_(2)と、酸化物のCo_(3)O_(4)とを含有する磁気記録膜用スパッタリングターゲットであって、
Co、CrおよびPtのモル数の合計に対し、Coの比率が70モル%、Crの比率が10モル%、Ptの比率が20モル%であり、
非磁性相を構成する各成分の量が、スパッタリングターゲットを構成する各成分のモル数の合計に対し、SiO_(2)の比率8mol%、TiO_(2)の比率7mol%で合計が15mol%、酸化物のCo_(3)O_(4)の量が1.0mol%であり、
これら各成分からなる混合粉を930℃で焼結して得られる前記磁気記録膜用スパッタリングターゲット。」(以下、「引用発明41」という。)

比較例7
「磁性相を構成するCo、CrおよびPtと、非磁性相を構成するSiO_(2)およびTiO_(2)とを含有する磁気記録膜用スパッタリングターゲットであって、
Co、CrおよびPtのモル数の合計に対し、Coの比率が70モル%、Crの比率が10モル%、Ptの比率が20モル%であり、
非磁性相を構成する各成分の量が、スパッタリングターゲットを構成する各成分のモル数の合計に対し、SiO_(2)の比率8mol%、TiO_(2)の比率7mol%で合計が15mol%であり、
これら各成分からなる混合粉を930℃で焼結して得られる前記磁気記録膜用スパッタリングターゲット。」 (以下、「引用発明7」という。)

イ.本件発明2と引用発明40、41、7との対比
まず、本件発明2と引用発明40とを対比するに、引用発明40の「Co、CrおよびPt」の大部分は、焼結後に磁性相を構成して、本件発明2の「Cr、Pt、残余がCo及び不可避不純物からなる金属相」に概ね相当し、引用発明40の「Cr」の一部及び「非磁性相を構成するSiO_(2)およびTiO_(2)と、酸化物のCoOと」は、焼結時に本件明細書の【0025】に記載されている反応の起こることが見込まれるから、焼結後において、本件発明2の「CrTi_(2)O_(5)及びSiO_(2)を含む酸化物相」に概ね相当し、引用発明40の「磁気記録膜用スパッタリングターゲット」は、本件発明2の「磁気記録媒体用スパッタリングターゲット」に相当すると認められる。
そうすると、本件発明2と引用発明40とは、
「Cr、Pt、Coの金属相と、CrTi_(2)O_(5)及びSiO_(2)を含む酸化物相と、を含む磁気記録媒体用スパッタリングターゲット。」の発明である点で一致し、少なくとも、以下の相違点1、2で相違する。

相違点1:本件発明2では、金属相について「84mol%以上92mol以下」、酸化物相について「8mol%以上16mol%以下」と特定されているのに対し、引用発明40では、非磁性相は19(15+4.0)mol%で残りの磁性相は81mol%と見積もられる点

相違点2:本件発明2では、「SiO_(2)はクリストバライトである」のに対し、引用発明40では、SiO_(2)の結晶構造について明示されておらず、クリストバライトであるか否かは不明である点

また、本件発明2と引用発明41、7との対比においても、少なくとも同様の相違点2がある。
そこで、相違点2について先に検討する。
SiO_(2)の結晶化に係るクリストバライトについては、本件明細書の【0005】、【0010】、甲第2号証の[0031][0035]等の記載から、焼結温度が1120℃を超え、概ね1200℃以上の高温とした場合に生成するものであることが技術常識であるといえるから、焼結温度が930℃である引用発明40、41、7においては、生成していないとみるのが常識的である。
よって、相違点2は実質的なものである。

ウ.小括
以上のとおりであるから、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明2は甲第1号証に記載された発明ではない。
本件発明3、4は、本件発明2の発明特定事項をすべて含み、さらに技術的限定を付したものであるから、同様に、甲第1号証に記載された発明ではない。
よって、取消理由2は理由がない。

4.取消理由で採用しなかった異議申立理由について
(1)特許法第29条第2項(進歩性)について
申立人は、訂正前の請求項1?5に係る発明について、甲第1号証に記載された発明及び周知技術(甲第2号証の記載事項)に基づく進歩性欠如を主張している。

ア.甲第1号証に記載された引用発明
申立人は、異議申立書12?17頁において、甲第1号証に記載された実施例32に着目した主張をしているので、上記摘示(オ)?(キ)の実施例32に関し開示されている各成分の具体的な数値を引用発明に適用して書き下すと、実施例32として以下の発明が記載されているものと認められる。

実施例32
「磁性相を構成するCo、CrおよびPtと、非磁性相を構成するSiO_(2)およびTiO_(2)と、酸化物のCo_(3)O_(4)とを含有する磁気記録膜用スパッタリングターゲットであって、
Co、CrおよびPtのモル数の合計に対し、Coの比率が65モル%、Crの比率が20モル%、Ptの比率が15モル%であり、
非磁性相を構成する各成分の量が、スパッタリングターゲットを構成する各成分のモル数の合計に対し、SiO_(2)の比率4mol%、TiO_(2)の比率4mol%で合計が8mol%であり、酸化物のCo_(3)O_(4)の量が、スパッタリングターゲットを構成する各成分のモル数の合計に対して1.0mol%であり、
これら各成分からなる混合粉を1230℃でホットプレス焼結して得られる前記磁気記録膜用スパッタリングターゲット。」 (以下、「引用発明32」という。)

イ.本件発明2と引用発明32との対比
本件発明2と引用発明32とを対比するに、引用発明32の「Co、CrおよびPt」の大部分は、焼結後に磁性相を構成して、本件発明2の「Cr、Pt、残余がCo及び不可避不純物からなる金属相」に概ね相当し、引用発明32の「Cr」の一部及び「非磁性相を構成するSiO_(2)およびTiO_(2)と、酸化物のCo_(3)O_(4)と」は、焼結時に本件明細書の【0026】に記載されている反応の起こることが見込まれるから、焼結後において、本件発明2の「CrTi_(2)O_(5)及びSiO_(2)を含む酸化物相」に概ね相当し、引用発明32の「磁気記録膜用スパッタリングターゲット」は、本件発明2の「磁気記録媒体用スパッタリングターゲット」に相当すると認められる。
また、引用発明32では、非磁性相が9(8+1.0)mol%であり、残りの磁性相が91mol%であるから、それぞれ、本件発明2の酸化物相「8mol%以上16mol%以下」、金属相「84mol%以上92mol以下」に相当する。
そうすると、本件発明2と引用発明32とは、
「Cr、Pt、Coの金属相91mol%と、CrTi_(2)O_(5)及びSiO_(2)を含む酸化物相9mol%と、を含む磁気記録媒体用スパッタリングターゲット。」の発明である点で一致し、少なくとも、以下の相違点1、2で相違する。

相違点1:本件発明2では、金属相について「Cr:0mol%を超えて10mol%以下、Pt:11mol%を超えて25mol%以下、残余がCo及び不可避不純物からなる」と特定されているのに対し、引用発明32では、混合粉を1230℃でホットプレス焼結後、該混合粉中に含まれていた「Coの比率が65モル%、Crの比率が20モル%、Ptの比率が15モル%」の大部分が金属相を構成するものである点

相違点2:本件発明2では、「SiO_(2)はクリストバライトである」のに対し、引用発明32では、SiO_(2)の結晶構造について明示されておらず、クリストバライトであるか否かは不明である点

まず、相違点1について検討する。引用発明32において金属相を構成することとなるCrの比率について考察するに、焼結前の混合粉のCrのうち焼結により酸化物相を構成することとなる量は、上記摘示(エ)から混合粉の酸化物量や焼結条件を考慮して多くとも数モル%程度でしかないから、焼結前の「Crの比率が20モル%」からみて金属相を構成することとなるCrの比率は10モル%を超えるものと見積もられる。よって、本件発明2の「Cr:0mol%を超えて10mol%以下」とは実質的に相違するといえる。
ここで、引用発明では、焼結前のCr比率について0?25モル%とできるから、引用発明32について焼結前のCr比率を10モル%以下程度とすることは一見すると容易に発想できそうであるが、引用発明は、上記摘示(エ)から、焼結温度は1000℃以下であることが好ましいとされるものであって、1000℃より高い温度で焼結した場合のSiO_(2)、TiO_(2)やCo_(3)O_(4)等の酸化物の還元等により、スパッタリングターゲットの性能低下が懸念される発明である。そして、甲第1号証に開示された実施例1?31、34?45、比較例1?9は、いずれも焼結温度930℃かそれ以下であって、焼結温度1000℃を超えた例は、50以上開示された実施例・比較例の内、引用発明32の他は上記摘示(カ)でパーティクル数の評価において劣るものとされている1例(実施例33)しかない。
してみれば、1000℃より高い温度で焼結した引用発明32は、実施例33とともに、スパッタリングターゲットとして一応使用できるものの性能低下に懸念のある相対的に劣る位置づけのものと把握できるから、引用発明32をベースに不利な焼結条件を維持したままその焼結前のCr比率のみを変動させるような変更を、当業者が通常試みることであるとはいえない。
よって、引用発明32において相違点1を解消することは、当業者であっても容易なことではない。

ウ.本件発明2と引用発明40、41、7との対比
申立人は、意見書において、本件発明2と引用発明40、41、7との対比(上記3.(2)イ.)に関し、甲第1号証の[0035](上記摘示(エ))、[0050][表1](上記摘示(キ))によれば、当業者であれば焼結温度を1230℃と適宜変更することができるから、相違点2は容易に解消される旨主張している。さらに、申立人は、甲第2号証を引用し、1000℃以上の焼結によりSiO_(2)がクリストバライトとなることは周知技術であるとも主張している。
しかし、引用発明は、上記イ.でも述べたとおり、焼結温度は1000℃以下であることが好ましいとされるものであって、1000℃より高い温度で焼結した場合のスパッタリングターゲットの性能低下が懸念される発明である。そして、焼結温度1000℃を超えた例は、甲第1号証に50以上開示された実施例・比較例の内、実施例32(1230℃)と実施例33(1100℃)との僅か2例だけであり、しかも実施例33は上記摘示(カ)によればパーティクル数の評価において劣るものとされている。
してみれば、引用発明において、1000℃より高い温度で焼結することを動機づける理由は乏しく、仮に1000℃以上の焼結条件が周知技術であったとしても、引用発明ではそれが不利な条件であるとされているのだから、当該周知技術の採用が容易なことであるとはいえない。まして好ましい焼結条件を選択した具体例である引用発明40、41、7において、焼結温度のみを1230℃と変更することは、当業者が適宜なし得る程度のことであるとはいえない。
よって、申立人の主張は採用できない。

エ.小括
以上のとおりであるから、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明2は、甲第1号証に記載された発明及び周知技術(甲第2号証の記載事項)に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
本件発明3?5は、本件発明2の発明特定事項をすべて含み、さらに技術的限定を付したものであるから、同様に、甲第1号証に記載された発明及び周知技術(甲第2号証の記載事項)に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(2)特許法第36条第6項第1号(サポート要件)について
申立人は、訂正前の請求項1に係る発明について、本件特許請求の範囲の請求項1に記載されている「Cr:0mol%を超えて10mol%」は、磁気記録媒体用スパッタリングターゲットにおいて、Crのモル数が「10mol%」であると解釈されるところ、本件明細書の実施例1で得られた磁気記録媒体用スパッタリングターゲットにおけるCrのモル数は「5.38molあるいは4.9mol」でしかないから、数値が一致しておらず、本件発明の課題解決の効果が発揮されたことを当業者が理解できない旨主張する。
この主張に関し検討するに、まず、訂正前の請求項1の「Cr:0mol%を超えて10mol%」との記載については、明瞭でない点を内在するものであったが、上記した取消理由1において判断したように、本来は「Cr:0mol%を超えて10mol%以下」として解釈すべきところのものであったといえる。してみれば、実施例1で得られた磁気記録媒体用スパッタリングターゲットにおけるCrのモル数「5.38molあるいは4.9mol」はこの発明特定事項を満たすものである。
そして、最終組成において金属相のCrが10mol%程度となる磁気記録媒体用スパッタリングターゲットについては、本件明細書の【0022】に「本発明の磁気記録媒体用スパッタリングターゲットは、原料となるCr、Pt及びCo金属粉を所定の配合割合となるように秤量して、合金浴湯を調製し、ガスアトマイズを行って合金アトマイズ粉末を調製し、次いで合金アトマイズ粉末に酸化物粉末を混合分散させて混合粉末を調製し、焼結することによって製造することができる。」と記載されていることから、原料となるCr、Pt、Coの金属粉の配合割合を実施例1を参考に逆算して適宜秤量、調製、焼結して製造できることは自明であり、実施例1のものと同様の作用が推認できるから、本件明細書の発明の詳細な説明に記載された発明であるといえる。
よって、申立人の主張は採用できない。

第4 むすび
以上のとおり、本件請求項2?5に係る特許は、当審の通知した取消理由又は特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては取り消すことはできない。さらに、他に本件請求項2?5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、本件請求項1は、訂正により削除されたため、同請求項に係る特許に対する特許異議の申立てについては、申立ての対象が存在しないものとなったから、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】(削除)
【請求項2】
Cr:0mol%を超えて10mol%以下、Pt:11mol%を超えて25mol%以下、残余がCo及び不可避不純物からなる金属相84mol%以上92mol%以下と、CrTi_(2)O_(5)及びSiO_(2)を含む酸化物相8mol%以上16mol%以下と、を含むことを特徴とする磁気記録媒体用スパッタリングターゲットであって、SiO_(2)はクリストバライトであることを特徴とする磁気記録媒体用スパッタリングターゲット。
【請求項3】
CrTi_(2)O_(5)の含有量が2mol%以上10mol%以下であることを特徴とする請求項2に記載の磁気記録媒体用スパッタリングターゲット。
【請求項4】
前記酸化物相が、TiO_(2)、Cr_(2)O_(3)、B_(2)O_(3)、CoO、Co_(3)O_(4)から選択される1種以上をさらに含むことを特徴とする請求項2又は3のいずれに記載の磁気記録媒体用スパッタリングターゲット。
【請求項5】
相対密度が97%以上であることを特徴とする請求項2?4のいずれかに記載の磁気記録媒体用スパッタリングターゲット。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-05-29 
出願番号 特願2014-141771(P2014-141771)
審決分類 P 1 651・ 853- YAA (C23C)
P 1 651・ 113- YAA (C23C)
P 1 651・ 121- YAA (C23C)
P 1 651・ 537- YAA (C23C)
P 1 651・ 851- YAA (C23C)
P 1 651・ 857- YAA (C23C)
最終処分 維持  
前審関与審査官 今井 淳一  
特許庁審判長 豊永 茂弘
特許庁審判官 菊地 則義
櫛引 明佳
登録日 2018-04-06 
登録番号 特許第6317636号(P6317636)
権利者 田中貴金属工業株式会社
発明の名称 磁気記録媒体用スパッタリングターゲット  
代理人 松山 美奈子  
代理人 松山 美奈子  

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