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審決分類 審判 査定不服 特39条先願 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1353485
審判番号 不服2018-15410  
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-11-21 
確定日 2019-07-11 
事件の表示 特願2016-147470号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年10月20日出願公開、特開2016-182478号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成23年3月30日に出願した特願2011-76378号の一部を平成27年10月1日に新たな特許出願(特願2015-195635号)とし、さらにその一部を平成28年7月27日に新たな特許出願(特願2016-147470号)としたものであって、同年11月14日に手続補正書が提出され、平成29年9月1日付けで拒絶の理由が通知され、同年11月2日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成30年3月16日付けで最後の拒絶の理由が通知され、その応答期間内に応答がなされなかったところ、同年9月20日付け(発送日:同年9月25日)で拒絶査定がなされ、それに対して、同年11月21日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。


第2 本願発明

本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成29年11月2日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものであると認める(A?Qは、当審にて分説して付した。)。

「【請求項1】
A 所定条件の成立に基づいて抽選を行う抽選手段と、
B 該抽選手段による前記抽選の結果に応じて遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
C 前記遊技が行われる遊技領域と、
D 該遊技領域を遊技者側から視認可能にする遊技窓部を備えた枠体と、を備える遊技機であって、
E 前記枠体は、
F 前記遊技窓部の下方に配置され遊技球を貯留する遊技球貯留皿を備えた皿ユニットと、
G 前記遊技窓部の外縁に略沿って当該遊技窓部の外側に配置され、前記遊技の進行に伴って実行される遊技演出に関連して発光可能な周発光手段と、
H 前記遊技窓部から離れる方向に所定の幅を有して前記周発光手段の前側を被覆すると共に透光性を有する周装飾部と、
I 前記周発光手段を複数の周発光部に分割するように当該複数の周発光部の周方向の間に配置され、前記遊技演出に関連して発光可能な複数の分割発光手段と、
J 前記遊技窓部から離れる方向に所定の幅を有して前記分割発光手段の前側を被覆すると共に少なくとも一部に透光性を有する分割装飾部と、を具備し、
K 前記周発光手段と前記分割発光手段とは、前記遊技演出に関連して互いに異なる発光色に制御可能とされ、
L 前記周発光手段の複数の周発光部は、それぞれ別の系統に分けられており、前記複数の周発光部ごとに発光制御可能とされ、
M 前記複数の分割発光手段は、それぞれ別の系統に分けられており、前記複数の分割発光手段ごとに発光制御可能とされ、
N それぞれ別の系統に分けられる前記複数の周発光部のうち二以上の前記周発光部を同一基板上に設け、
O 前記分割発光手段の周方向の長さよりも前記周発光部の周方向の長さを長く設定し、
P 前記皿ユニットの前縁付近には前記皿ユニットを発光装飾する皿ユニット発光手段を設けた
Q ことを特徴とする遊技機。」


第3 先願発明

1.原査定における拒絶理由の概要
原査定の拒絶の理由は、概略、次のとおりの理由を含むものである。
(先願)この出願の平成29年11月2日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、その出願日前の下記の出願に係る発明と同一であるから、特許法第39条第1項の規定により特許を受けることができない。



先願2.特願2016-216730号(特開2017-18830号)

2.先願発明
原査定の拒絶の理由において先願2として引用された特願2016-216730号(以下、「先願」という。)は、本願の出願遡及日(平成23年3月30日)より前の平成23年3月29日に出願された特願2011-73427号の一部を平成27年4月8日に新たな特許出願である特願2015-79606号とし、その一部を平成28年11月4日に新たな特許出願としたものであって、先願は、特許6320487号として登録されている。
先願の請求項1に係る発明(以下、「先願発明」という。)は、その特許6320487号公報の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである(a?q、yは、先願発明を分説するために当審で付した。)。

「【請求項1】
a 所定条件の成立に基づいて抽選を行う抽選手段と、
b 該抽選手段による前記抽選の結果に応じて遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
c 前記遊技が行われる遊技領域と、
d 該遊技領域を遊技者側から視認可能にする遊技窓部を備えた枠体と、を備える遊技機であって、
e 前記枠体は、
g 前記遊技窓部の外縁に略沿って当該遊技窓部の外側に配置され、前記遊技の進行に伴って実行される遊技演出に関連して発光可能な周発光手段と、
h 前記遊技窓部から離れる方向に所定の幅を有して前記周発光手段の前側を被覆すると共に透光性を有する周装飾部と、
i 前記周発光手段を複数の周発光部に分割するように当該複数の周発光部の周方向の間に配置され、前記遊技演出に関連して発光可能な複数の分割発光手段と、
j 前記遊技窓部から離れる方向に所定の幅を有して前記分割発光手段の前側を被覆すると共に少なくとも一部に透光性を有する分割装飾部と、を具備し、
k 前記周発光手段と前記分割発光手段とは、前記遊技演出に関連して互いに異なる発光色に制御可能とされ、
l 前記周発光手段の複数の周発光部は、それぞれ別の系統に分けられており、前記複数の周発光部ごとに発光制御可能とされ、
m 前記複数の分割発光手段は、それぞれ別の系統に分けられており、前記複数の分割発光手段ごとに発光制御可能とされ、
n それぞれ別の系統に分けられる前記複数の周発光部のうち二以上の前記周発光部を同一基板上に設け、
y 前記複数の周発光部は、少なくとも発光手段を所定個数備える第1周発光部と、備えられている前記発光手段の個数が前記第1周発光部とは異なる第2周発光部と、を含み、
o 前記分割発光手段の周方向の長さよりも前記周発光部の周方向の長さを長く設定した
q ことを特徴とする遊技機。」


第4 当審の判断

1.本願発明と先願発明との対比・判断
本願発明と先願発明とを対比する。

(1)発明特定事項A?E、G?O、Qについて
先願発明の発明特定事項a、b、c、d、e、g、h、i、j、k、l、m、n、o、qは、それぞれ、本願発明の発明特定事項A、B、C、D、E、G、H、I、J、K、L、M、N、O、Qと文言で一致し、相当関係にあるといえる。

(2)一致点及び相違点
上記(1)から、本願発明と先願発明は、発明特定事項A?E、G?O、Qの点で一致し、以下の点で一応相違する。

ア 相違点1(本願発明の発明特定事項F)
本願発明は、「前記遊技窓部の下方に配置され遊技球を貯留する遊技球貯留皿を備えた皿ユニットと」(発明特定事項F)を具備しているのに対し、先願発明はその構成を発明特定事項として有していない点。

イ 相違点2(先願発明の発明特定事項y)
本願発明は、先願発明の発明特定事項y(「前記複数の周発光部は、少なくとも発光手段を所定個数備える第1周発光部と、備えられている前記発光手段の個数が前記第1周発光部とは異なる第2周発光部と、」)を有していないのに対し、先願発明は当該発明特定事項を有している点。

ウ 相違点3(本願発明の発明特定事項P)
本願発明は、「前記皿ユニットの前縁付近には前記皿ユニットを発光装飾する皿ユニット発光手段を設け」(発明特定事項P)ているのに対し、先願発明は当該発明特定事項を有していない点。

(3)判断
上記相違点1ないし3について、以下に検討する。

ア 相違点1及び3(本願発明の発明特定事項F、P)について
相違点1と相違点3とは、いずれも、「皿ユニット」に関わる事項であるので、まとめて検討する。
遊技機が、遊技窓部の下方に配置され遊技球を貯留する遊技球貯留皿を備えた皿ユニットを具備すること(以下、「前者」という。)及び当該皿ユニットの前縁付近に皿ユニットを発光装飾する皿ユニット発光手段を設けること(以下、「後者」という。)は、いずれも本願の出願遡及日前において周知の技術であって、例えば、特開2008-119209号公報(前者について、【0014】、図2を参照。パチンコ遊技機1が、遊技盤4に形成されて球が打ち込まれる遊技領域20を遊技者が視認し得る透明板ユニットとしてのガラスユニット190(「遊技窓部」に相当。)と該ガラスユニット190の下方に配置され且つ遊技の結果発生した賞球を受け入れて発射レール38の発射位置に供給する皿ユニット300とを備えた扉枠5を備える技術が示されている。また、後者について、【0083】-【0087】、図10、図33を参照。皿ユニット300の前縁付近に、LED装飾空間部307を覆うレンズカバー309が設けられるとともにLED装飾空間部307にはその底面部を構成するようにLED(「発光手段」に相当。)が実装されたLED基板308が設けられ、レンズカバー309が連続してほぼ均一に照明されているように視認できるようにした技術が示されている。)、特開2007-222371号公報(前者について、【0019】、図1参照。パチンコ遊技機1の前面枠3の前面側に設けた前面カバー部材9に透視可能なガラス板10(「遊技窓部」に相当。)を収納し、前面カバー部材9を閉じると、遊技盤5が前面カバー部材9により覆われるとともに、ガラス板10を通して遊技領域7を前方から透視できるように構成し、さらに、前面カバー部材9の下方に上皿ユニット11と下皿ユニット12とを左右に少し位置をずらした状態で上下に設ける技術が示されている。また、後者について、【0020】、図1参照。上皿ユニット11の前縁部に遊技状態に応じて点灯する長尺な装飾ランプ17(「発光手段」に相当。)を配置する技術が示されている。)、特開2005-66047号公報(前者について、【0016】、図2参照。パチンコ機の中枠12に横開き式のガラス扉14(「遊技窓部」に相当。)を組み付けた前枠13と、前枠13の下部において中枠12に対して着脱および開放可能に組み付けられる上球皿ユニット15を備える技術が示されている。また、後者について、【0017】-【0018】、図1、図3-図5参照。上球皿ユニット15の前縁付近となる上球皿ユニット15の前面を形成する膨出部23の前面に、上下方向に離間して配設された左右方向に延在するスリット状の長孔23aの後方にLED79(「発光手段」に相当。)が配設される技術が示されている。)に示されるとおりである。
そして、遊技機において、遊技球を貯留する遊技球貯留皿は当然備えられている構成であることを参酌すると、先願発明において、遊技窓部の下方に配置され遊技球を貯留する遊技球貯留皿を備えた皿ユニットを具備すること、及び、当該皿ユニットの前縁付近には皿ユニットを発光装飾する皿ユニット発光手段を設けるという、遊技機分野における本願の出願遡及日前において周知の技術を付加することは、課題解決のための具体化手段における微差であって、新たな効果を奏するものではないから、上記相違点1及び3はいずれも実質的な相違点とはいえず、当該相違点1及び3について、本願発明と先願発明とは実質的に同一である。

イ 相違点2(先願発明の発明特定事項y)について
(判断1)
1)本願発明と先願発明は、いずれも、
「前記周発光手段の複数の周発光部は、それぞれ別の系統に分けられており、前記複数の周発光部ごとに発光制御可能とされ、」
との構成を備えている(本願発明の発明特定事項L、先願発明の発明特定事項l参照。)。
そうすると、本願発明及び先願発明においてはいずれも、「複数の周発光部」は、それぞれ「別の系統」であって、それぞれ「複数の周発光部ごとに発光制御可能」である点で共通する構成を備えているといえる。

2)ここで、本願発明、先願発明ともに、「周発光手段」は、「透光性を有する周装飾部」で「前側を被覆」されており(本願発明の発明特定事項H、先願発明の発明特定事項h)、このような「透光性を有する周装飾部」で「前側を被覆」された「周発光手段」において、その内部に「発光手段」を複数個並べて構成するとともに、「発光手段」をいくつかの領域に区分して各領域毎に適宜の個数の「発光手段」の点灯制御を行うことは技術常識である(ちなみに、本願の明細書に記載される実施例及び先願の明細書に記載される実施例においても、いずれもレンズ(「周装飾部」)で前側を被覆された複数個のLED(「発光手段」)を並べて構成したものを「周発光手段」とし、さらに「周発光部」として、レンズを構成する各レンズ部毎に対応する位置の1個、2個又は3個のLEDを系統として分けている。本願明細書の【0280】-【0294】、図53、図54を参照。)。

3)そして、本願発明及び先願発明においてはいずれも、「周発光手段」において、「複数の周発光部」は、それぞれ「別の系統」であって、それぞれ「複数の周発光部ごとに発光制御可能」としたものであるから、本願発明及び先願発明において、「複数の周発光部」は、それぞれ「系統」も異なり、「発光制御」もまた別になされるものであり、本願発明において、「周発光手段」を構成する「複数の周発光部」が「備える」「発光手段」を、それぞれ同じ個数に揃える理由など、発明特定事項Lからみるとあるはずもなく、発明特定事項yの有無が、実質的な相違点になるといえないことは明らかなことである。
よって、当該相違点2について本願発明と先願発明とは実質同一である。

(判断2)
また別の観点から検討してみる。
1)本願発明と先願発明は、
「前記周発光手段の複数の周発光部は、それぞれ別の系統に分けられており、前記複数の周発光部ごとに発光制御可能とされ」るとの共通の構成(本願発明の発明特定事項L、先願発明の発明特定事項l参照。)を備えているのだから、本願発明と先願発明は、発明特定事項yの有無とは関係なく、両者は「複数の周発光部」を備える点で共通するものといえる。

2)一方、「透光性を有する周装飾部」で「前側を被覆」する「周発光手段」(本願発明の発明特定事項H、先願発明の発明特定事項h)において、その内部に「発光手段」を複数個並べて構成するとともに「発光手段」をいくつかの領域に区分して各領域毎に適宜の個数の「発光手段」の点灯制御を行うことが技術常識であることは、上記(判断1)2)のとおりである。

3)そして、「周発光手段」を構成する各々の「周発光部」に備えられた「発光手段」の個数がどうであろうとも、「周発光部」を発光させるとの作用において何ら違いがないことからすれば、発明特定事項yの有無は、「複数の周発光部」ごとに、技術常識であるところの「発光手段」の「個数の異同」を特定した「下位概念」で表現したものと、それを明確にしない「上位概念」で表現したものとの違いであるというべきである。

4)してみると、発明特定事項yを特定することで、「複数の周発光部」ごとに、技術常識であるところの「発光手段」の「個数の異同」を特定した下位概念で表現した先願発明と、発明特定事項yを特定しないことで、「複数の周発光部」ごとに、技術常識であるところの「発光手段」の「個数の異同」を特定せずに「上位概念」で表現した本願発明とは、当該相違点2について実質的には同一のものである。

(判断3)
さらに別の観点から検討してみる。
1)本願発明と先願発明のいずれも、「前記周発光手段の複数の周発光部は、それぞれ別の系統に分けられており、前記複数の周発光部ごとに発光制御可能とされ」 (発明特定事項L)、「周発光手段」が「複数の周発光部」 を備えているものである。
ここで、「透光性を有する周装飾部」で「前側を被覆」する発光部を備えた遊技機において、それぞれの発光部が備える発光手段の個数が、少なくとも2種類の個数を含むものとすることは、本願の出願遡及日前において周知の技術であって、例えば、特開2009-261475号公報(【0280】、図110を参照。前側に配置される拡散レンズ部材2110のレンズ部2113と対応する位置の表面にLED2120が実装されている発光装飾基板2130は、そのレンズ部2113の大きさに応じて一つのレンズ部2113に対して一つ又は複数のLED2120が備えられている技術が示されている。)、特開2009-50492号公報(【0449】、図110を参照。示されている技術事項は上記特開2009-261475号公報に同じ。)、特開2009-279089号公報(【0086】、図31-図33を参照。基板ユニット376の前側にLEDを多数搭載した光源LED基板370が配設され、その前側にLEDの光を反射させる額縁状の反射部材350、透光ベース部材380が装着され、さらに前側は拡散シート440及び装飾シート420に覆われている発光装置ユニット80において、反射部材350は、中央部に反射部材開口部356が開口された額縁状を呈し、正面視において放射状に広がるように設けられた反射区画壁352で区画されることで多数の発光小領域351が形成され、夫々の発光小領域351に対して、LED416が3個乃至4個配設されている技術が示されている。)に示されるとおりである。

2)そうすると、本願発明と先願発明とにおいて、発明特定事項yの有無は周知の技術の有無といえる。
そして、先願発明の発明特定事項yについて、「周発光手段」が備える「複数の周発光部」 から、上記周知の技術を削除することは、課題解決のための具体化手段における微差であって、新たな効果を奏するものではないから、上記相違点2は実質的な相違点とはいえず、当該相違点2について、本願発明と先願発明とは実質的に同一である。

以上のとおり、相違点1ないし3は、いずれも実質的な相違点とはいえず、本願発明と先願発明とは実質同一である。

2.審判請求書における主張に対して
審判請求人は、原査定の拒絶の理由において引用された先願2(本審決においては「先願」と称している。)について、「【本願発明が特許されるべき理由】 (2)本願発明が拒絶理由を回避した理由」において次の主張をしている。
「(ロ)・・・しかしながら、・・・上記相違点5は単純に上位概念化されたことによる差異ではないと思料いたします。
・・・
また、先願2は、
「前記複数の周発光部は、少なくとも発光手段を所定個数備える第1周発光部と、備えられている前記発光手段の個数が前記第1周発光部とは異なる第2周発光部と、を含み、」・・・(B)
という上記相違点5の構成を有することにより、周発光部の大きさに応じて配置する発光手段の個数を適宜変化させて複数の周発光部夫々の発光強度を均一にすることができるという顕著な効果を奏します。
一方、本願の請求項1には上記した顕著な効果を奏する上記・・・(B)の構成が含まれていません。
つまり、本願発明は、単純に先願1及び先願2の発明特定事項を上位概念化したものではなく、・・・先願2の奏する上記した顕著な効果(相違点5によって生ずる効果)を本願発明では奏することができない以上、本願発明と先願1又は先願2と実質的に同一であるというご認定は失当であると言わざるを得ません。
したがって、本願の請求項1に係る発明と先願1、2の請求項1に係る発明とは、実質同一ではないと思料致します。 」

この主張について検討するに、本願発明が、先願発明の「前記複数の周発光部は、少なくとも発光手段を所定個数備える第1周発光部と、備えられている前記発光手段の個数が前記第1周発光部とは異なる第2周発光部と」を含むことを発明特定事項と有していないことは、本願発明が、上記発明特定事項yを発明特定事項として含むものを排除しているのではなく、上記「1.(3)イ 相違点2(先願発明2の発明特定事項y)について」(判断1)にて判断を示したとおり、本願発明において、「周発光手段」を構成する「複数の周発光部」が「備える」「発光手段」を、それぞれ同じ個数に揃える理由など、発明特定事項Lからみるとあるはずもなく、発明特定事項yの有無が、実質的な相違点になるといえないことは明らかなことであるか、あるいは、同(判断2)にて判断を示したとおり、「周発光手段」を構成する各々の「周発光部」に備えられた「発光手段」の個数がどうであろうとも、「周発光部」を発光させるとの作用において何ら違いがないことからすれば、発明特定事項yを特定することで、「複数の周発光部」ごとに、技術常識であるところの「発光手段」の「個数の異同」を特定した下位概念で表現した先願発明と、発明特定事項yを特定しないことで、「複数の周発光部」ごとに、技術常識であるところの「発光手段」の「個数の異同」を特定せずに「上位概念」で表現した本願発明とは、当該相違点2について実質的には同一のものである。
さらに観点を変えて、同(判断3)にて判断を示したとおり、複数の発光部を備える遊技機において、それぞれの発光部が備える発光手段の個数が、少なくとも2種類の個数を含むものとすることは、本願の出願遡及日前において周知の技術であると認められる。さらに、請求人が主張する「周発光部の大きさに応じて配置する発光手段の個数を適宜変化させて複数の周発光部夫々の発光強度を均一にすることができる」という効果についても、周知の技術の例として提示した特開2009-261475号公報、特開2009-50492号公報に示されるように、そのレンズ部2113の大きさに応じて一つのレンズ部2113に対して一つ又は複数のLED2120が備えられていることは、すなわち、発光強度を均一にすることを意図していることは明らかであるから、上記周知の技術から予測し得る効果であるので、先願発明の発明特定事項yから当該周知の技術を削除をすることにより新たな効果を奏するものではない。
したがって、先願発明の発明特定事項yについて、「周発光手段」が備える「複数の周発光部」 から、上記周知の技術を削除することは、課題解決のための具体化手段における微差であって、新たな効果を奏するものではないから、上記相違点2は実質的な相違点とはいえず、当該相違点2について、本願発明と先願発明とは実質的に同一である。

よって、請求人の上記主張を採用することはできない。


第5 むすび
以上のとおり、本願発明は、本願遡及日前の出願である先願の請求項1に係る発明と同一であるから、特許法第39条第1項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2019-05-09 
結審通知日 2019-05-14 
審決日 2019-05-27 
出願番号 特願2016-147470(P2016-147470)
審決分類 P 1 8・ 4- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 齋藤 智也  
特許庁審判長 石井 哲
特許庁審判官 松川 直樹
▲吉▼川 康史
発明の名称 遊技機  
代理人 今崎 一司  
代理人 古田 広人  
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