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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01W
管理番号 1353555
審判番号 不服2018-5068  
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-04-12 
確定日 2019-07-30 
事件の表示 特願2016-505664「選択可能な時間増分単位で短時間予報を生成し表示する方法」拒絶査定不服審判事件〔平成26年10月 9日国際公開、WO2014/161081、平成28年 6月23日国内公表、特表2016-518593、請求項の数(19)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の概要

本願は、2014年4月4日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2013年4月4日、米国、2013年6月16日、米国、2013年6月19日、米国、2013年6月20日、米国、2013年6月26日、米国、2013年7月22日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成29年2月7日付けで拒絶理由が通知され、同年7月13日付けで意見書及び手続補正書が提出されたが、同年12月6日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)がなされた。
本件は、これに対して、平成30年4月12日付けで拒絶査定に対する審判請求がなされ、同時に手続補正がなされたものである。
その後、当審において、平成31年3月13日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、令和元年6月14日付けで意見書及び手続補正書が提出された。


第2 本願発明
本願の請求項1?19に係る発明(以下、それぞれ、「本願発明1」?「本願発明19」という。)は、令和元年6月14日付けで提出された手続補正書でした手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?19に記載された事項により特定されるものと認められるところ、本願発明1は、次のとおりのものである。

「 【請求項1】
所与の時刻に開始し、所与の期間にわたる、所与の区域についての時間順の一続きの天気予報を出力するための、コンピュータによって実施される方法であって、
気象値予想器によって生成された予想気象値を受け取るステップであり、前記予想気象値は、デフォルトの時間増分単位で間隔を空けた複数のデフォルトの期間にわたって続く、ステップと、
ユーザから選択された時間増分単位を受け取るステップであり、前記選択された時間増分単位は、前記所与の時刻に開始し、前記選択された時間増分単位で間隔を空けた一続きの選択された期間を定義し、前記選択された時間増分単位は、各選択された期間が前記複数のデフォルトの期間のうち少なくとも2つの期間を含むような、前記デフォルトの時間増分単位よりも長い時間である、ステップと、
前記選択された期間に含まれる前記複数のデフォルトの期間のうち前記少なくとも2つの期間についての前記予想気象値を集約することによって、各選択された期間についての予想気象値を生成するステップと、
前記一続きの選択された期間についての予想気象値を出力するステップとを含む方法。」

なお、本願発明2?15、18、19は、本願発明1を減縮した発明であり、本願発明16、17は、それぞれ、方法の発明である本願発明1をシステム、装置の発明にしたものである。


第3 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特表2004-516462号公報)には、次の事項が記載されている。

(1)「【0001】
発明の分野
本発明は、要求に応じて一般の気象条件についての情報にアクセスする能力を、個人に提供するシステムや方法に関するものである。より詳細に説明すると、このシステムと方法は、正確かつ迅速に、しかも位置に基づいた局地的で使用者に特化した短時間に有効な気象情報を使用者に要求させ、受け取ることを可能にする。このような気象通報を以下“ナウキャスティング”と称する。」

(2)「【0018】
これらの目的およびこれまでに言及されていない他の目的は、本発明のシステムおよび方法によって遂行される。本発明のシステムおよび方法においては、利用者は、保存されているナウキャスト設定(利用者の端末内に保存されるかあるいはナウキャスト提供のサーバー内に保存されている設定)を有効にするためや、あるいは選択可能な気象情報を取得するために質問を作成し実行するために、簡単でしかも利用者への親和性が高いインターネットのブラウザやWAP、GPRS、あるいは他のあらゆる情報/音声ネットッワーク・インターフェイスを使用する。インターフェイスおよび/あるいは質問は、インターネットやあるいは携帯電話網(あるいはその他の手段)のような公共の通信網を通してナウキャスト提供システムに送信される。一旦利用者が望む気象状況のタイプ、手に入れたい情報の位置、および手に入れたい情報の時間帯と時間間隔(1時間まで1分きざみの間隔で5分毎に行われる情報の更新に基づいて)のような情報のパラメータを選択すると、本発明のソフトウェアは、要求の作成と要求を開始する。これは、例えば携帯電話の位置探査技術、GPSの位置探査、あるいは利用者の入力(とくに利用者が即時に最寄りのネットワーク・コネクションから遠く離れた位置の情報を求めた場合)によって決定される利用者の実際の位置に基づくナウキャストの利用者が選択したパラメータについての気象条件の展開と時間の展開に基づく情報の配布を目的としている。
【0019】
ナウキャスト提供のサーバーは気象センターに位置するサーバーと通信し、関心のある場所のナウキャスティングされた地図を提供するために、衛星やレーダー地図を利用した特殊な気象観測やアルゴリズムで得た未処理の気象情報をダウンロードして処理する。その情報は、1分から60分の間隔をおいて気象と周囲の多彩な情報を備えており、その関心のある場所の1km^(2)程の広さで一定の時間間隔をおいて連続している一連のものである。地図は、利用書に使いやすい表に変換され、利用者への応答はすぐ利用者に返される。」

(3)「【0040】
5. 短範囲予報標準の気象学上の碁盤の目を入れられた予報データ
データ取得元:Met-Service
予報範囲:予報範囲は、現在より6時間から12時間前に収集されたデータにもとづく。予報の範囲は、どの場所であろうと当日から5日先まで可能である。
予報の方法論:予報は、気象パラメータを数十kmの碁盤の目状の解像度で計算する気象モデルから算出される。予報される分野は、大気圧、気温、湿度、風、雲、降水量に関するものである。
予報の精度:より近い未来についての予報であるほど、予報の精度はより高まるだろう。そのため1番高い精度は、すぐ目前の将来における予報である。しかし現在から6時間から12時間前に収集されたデータに基づく(収集と計算時間は、長時間かかるので)“すぐ目前の将来”の予報でさえも、これから起こること(例えば雨の開始と停止)を分析できないほどの範囲の精度に既に減退している。そしてこの予報は、地理的に数十kmの碁盤の目の精度で必然的な予報を提供するにすぎない。」

(4)「【0063】
ナウキャスティング処理を完了させることに寄与する3つのより気象学的な分析方法は:
[1] 雲の形成が先行している 風が集中している地域を確認するためにドップラー風を使用する。このような特徴は、1時間から3時間という時間帯で雲と降水量の状況を予報する基礎である。;
[2] 地形学的な特徴330の利用は、降水量の予報を調整するためである。その予報の基準は、雲は高所に上がるにつれより広く発達し低所に下るににつれ拡散するするという事実にもとづいている。;
[3] 地表の温度の使用は、雲の発達をより良く予報するためである。雲は、熱エネルギーの供給を受けてより暖かい地表で発達することを好む。例えば、暑い夏の日に都市によって発生するヒートアイランドの上空に雲を形成する。熱についての情報は、すでに他のデータ取得元によって存在し、予報に定量的に利用されている。
【0064】
上の操作は、次にあげるアルゴリズムに基づく簡単な形式で実行することが可能である。:
1. 最新の5分間のために時間的に連続したレーダー図を取得する(42)。
2. 相互相関法やあるいは他の方法によって気象レーダーの反射の直線的な動きを確認する。
3. 1,2,3…60分先のために、段階2で見受けられる動きに応じて現在のレーダー図を更新する。そしてそれによって設定された間隔でレーダー図を取得する。
4. 関心のある地点87(利用者によって選択された場所)に関する様々な気象要素を取得するためにレーダーの反射を解析する。そして時間の関数としてこれからの1時間における1分毎のその地点における天候を取得する。解析には、地表近くの気温および湿度とレーダー気象学で知られている原理に応じてレーダーの反射の組成が考慮される。
5. この予報された天候の記録より、利用者が関心のあるパラメータを取り出し要求毎に送信する、あるいは警告を出す条件が満足されている場合は、警告の送信を開始する。」

すると、上記引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されている。

「利用者は、保存されているナウキャスト設定(利用者の端末内に保存されるかあるいはナウキャスト提供のサーバー内に保存されている設定)を有効にするためや、あるいは選択可能な気象情報を取得するために質問を作成し実行するために、簡単でしかも利用者への親和性が高いインターネットのブラウザやWAP、GPRS、あるいは他のあらゆる情報/音声ネットッワーク・インターフェイスを使用して、インターフェイスおよび/あるいは質問は、インターネットやあるいは携帯電話網(あるいはその他の手段)のような公共の通信網を通してナウキャスト提供システムに送信され、一旦利用者が望む気象状況のタイプ、手に入れたい情報の位置、および手に入れたい情報の時間帯と時間間隔(1時間まで1分きざみの間隔で5分毎に行われる情報の更新に基づいて)のような情報のパラメータを選択すると、ソフトウェアは、要求の作成と要求を開始し、携帯電話の位置探査技術、GPSの位置探査、あるいは利用者の入力(とくに利用者が即時に最寄りのネットワーク・コネクションから遠く離れた位置の情報を求めた場合)によって決定される利用者の実際の位置に基づくナウキャストの利用者が選択したパラメータについての気象条件の展開と時間の展開に基づく情報の配布を行う方法において、
ナウキャスト提供のサーバーは気象センターに位置するサーバーと通信し、関心のある場所のナウキャスティングされた地図を提供するために、衛星やレーダー地図を利用した特殊な気象観測やアルゴリズムで得た未処理の気象情報をダウンロードして処理し、その情報は、1分から60分の間隔をおいて気象と周囲の多彩な情報を備えており、その関心のある場所の1km^(2)程の広さで一定の時間間隔をおいて連続している一連のものであり、地図は、利用書に使いやすい表に変換され、利用者への応答はすぐ利用者に返される、方法。」

2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特表2004-069478号公報)には、次の事項が記載されている。

(1)「【0043】
(2)予想落雷確率Pの計算例
予想落雷率Pは、図1のフローで計算し、例えば、表3の事例No.1の「2001年7月17日の14時00分」に入手した気象庁からの気象レーダ情報に基づき、図2aに示すように、60分後までは10分毎に上記「超短時間降水予測システム」により予想降水強度(エコー強度)を算出し、180分後までは、30分毎に、その「超短時間降水予測システム」により予想降水強度を算出し、それ以後は、図2bに示すように、1時間毎に、ANEMOSシステムによる予想降水強度(雨量強度)を算出し、それらの算出値に基づいて行う。」

(2)「
【図2a】

【図2b】




第4 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明1を対比する。

ア 引用発明1は、「一旦利用者が望む気象状況のタイプ、手に入れたい情報の位置、および手に入れたい情報の時間帯と時間間隔(1時間まで1分きざみの間隔で5分毎に行われる情報の更新に基づいて)のような情報のパラメータを選択すると、」
「ソフトウェアは、要求の作成と要求を開始し、携帯電話の位置探査技術、GPSの位置探査、あるいは利用者の入力(とくに利用者が即時に最寄りのネットワーク・コネクションから遠く離れた位置の情報を求めた場合)によって決定される利用者の実際の位置に基づくナウキャストの利用者が選択したパラメータについての気象条件の展開と時間の展開に基づく情報の配布を行う方法」である。
このうちの「一旦利用者が望む気象状況のタイプ」及び「ナウキャストの利用者が選択したパラメータについての気象条件」は、本願発明1の「天気予報」に相当し、また、「手に入れたい情報の位置」及び「手に入れたい情報の時間帯」は、それぞれ、本願発明1の「所与の区域」及び「所与の時刻に開始し、所与の期間にわたる」に相当する。
また、「ソフトウェア」がコンピュータによって実行されることは自明である。
すると、引用発明1の上記「方法」は、本願発明1の「所与の時刻に開始し、所与の期間にわたる、所与の区域についての時間順の一続きの天気予報を出力するための、コンピュータによって実施される方法」に相当する。

イ 引用発明1では、「ナウキャスト提供のサーバーは気象センターに位置するサーバーと通信し、関心のある場所のナウキャスティングされた地図を提供するために、衛星やレーダー地図を利用した特殊な気象観測やアルゴリズムで得た未処理の気象情報をダウンロードして処理し、」「利用者の実際の位置に基づくナウキャストの利用者が選択したパラメータについての気象条件の展開と時間の展開に基づく情報の配布を行う」ことから、引用発明1の「ナウキャスト提供サーバ」は、本願発明1の「気象値予想器」であると認められる。
すると、引用発明1の「利用者の実際の位置に基づくナウキャストの利用者が選択したパラメータについての気象条件の展開と時間の展開に基づく情報の配布を行う」ことは、本願発明1の「気象値予想器によって生成された予想気象値を受け取るステップ」に相当する。

ウ 引用発明1の「利用者は、保存されているナウキャスト設定(利用者の端末内に保存されるかあるいはナウキャスト提供のサーバー内に保存されている設定)を有効にするためや、あるいは選択可能な気象情報を取得するために質問を作成し実行するために、簡単でしかも利用者への親和性が高いインターネットのブラウザやWAP、GPRS、あるいは他のあらゆる情報/音声ネットッワーク・インターフェイスを使用して、インターフェイスおよび/あるいは質問は、インターネットやあるいは携帯電話網(あるいはその他の手段)のような公共の通信網を通してナウキャスト提供システムに送信され、一旦利用者が望む気象状況のタイプ、手に入れたい情報の位置、および手に入れたい情報の時間帯と時間間隔(1時間まで1分きざみの間隔で」「)のような情報のパラメータを選択する」ことが、本願発明1の「ユーザから選択された時間増分単位を受け取るステップであり、前記選択された時間増分単位は、前記所与の時刻に開始し、前記選択された時間増分単位で間隔を空けた一続きの選択された期間を定義」することに相当する。

エ 引用発明1の「ナウキャスト提供のサーバーは・・・利用者への応答はすぐ利用者に返される」ことは、本願発明1の「各選択された期間についての予想気象値を生成するステップと、前記一続きの選択された期間についての予想気象値を出力するステップ」に相当する。

(一致点)
上記ア?エでの検討から、本願発明1と引用発明1は、
「所与の時刻に開始し、所与の期間にわたる、所与の区域についての時間順の一続きの天気予報を出力するための、コンピュータによって実施される方法であって、
気象値予想器によって生成された予想気象値を受け取るステップと、
ユーザから選択された時間増分単位を受け取るステップであり、前記選択された時間増分単位は、前記所与の時刻に開始し、前記選択された時間増分単位で間隔を空けた一続きの選択された期間を定義する、ステップと、
各選択された期間についての予想気象値を生成するステップと、
前記一続きの選択された期間についての予想気象値を出力するステップとを含む方法。」
で一致し、次の点で相違する。

(相違点)
(ア)「気象値予想器によって生成された予想気象値を受け取るステップ」が、本願発明1では、「前記予想気象値は、デフォルトの時間増分単位で間隔を空けた複数のデフォルトの期間にわたって続く、ステップ」であるのに対して、引用発明1では、「5分毎に行われる情報の更新に基づいて)」「衛星やレーダー地図を利用した特殊な気象観測やアルゴリズムで得た未処理の気象情報をダウンロードして処理し、その情報は、1分から60分の間隔をおいて気象と周囲の多彩な情報を備えており、その関心のある場所の1km2程の広さで一定の時間間隔をおいて連続している一連のものであ」ると、気象予想のためのデータが所定の時間間隔をおいて連続する一連のものであることは特定されるものの、それらを処理して生成する気象予想がどのようなタイミングで生成されるかが明らかでない点。

(イ)上位相違点(ア)のように、引用発明1では、本願発明1の「デフォルトの期間」に対応する技術事項が定義できないため、当然に、本願発明1の「前記選択された時間増分単位は、各選択された期間が前記複数のデフォルトの期間のうち少なくとも2つの期間を含むような、前記デフォルトの時間増分単位よりも長い時間である」こと、「前記選択された期間に含まれる前記複数のデフォルトの期間のうち前記少なくとも2つの期間についての前記予想気象値を集約することによって、各選択された期間についての予想気象値を生成するステップ」に対応する技術事項が特定されない点。

(2)判断
上記相違点(ア)について、以下、検討する。
引用文献1には、上記第3の1(3)及び(4)で挙げた記載のほか、すべての記載を精査しても、気象予想値が生成される時間間隔の詳細は不明であって、また、この時間間隔とユーザが選択した時間間隔との関係についての記載はないから、引用発明1に加え、引用文献1の他の全記載を参照しても、上記相違点(ア)に係る本件発明1の発明特定事項が容易に想到し得たということはできない。
また、引用文献2には、気象予想の時間間隔が変化するという技術事項が開示されるのみである。

(3)小括
よって、本願発明1は、引用発明1及び引用文献1、2に記載された技術事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2 本願発明2?15、18、19について
本願発明2?15、18、19も、本願発明1の上記相違点(ア)に係る発明特定事項を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明1及び引用文献1、2に記載された技術事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

3 本願発明16、17について
本願発明16、17も、本願発明1の上記相違点に係る発明特定事項を、システム又は装置の発明を特定する発明特定事項として備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明1及び引用文献1、2に記載された技術事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。


第5 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。

本願請求項1?9、11?19に係る発明は、以下の引用文献1に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
また、本願請求項10に係る発明は、以下の引用文献1及び2に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特表2004-516462号公報
2.特表2004-069478号公報


第6 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

本願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。



請求項16及び17の記載について
「前記選択された時間増分単位は、前記所与の時刻に開始し、前記選択された時間増分単位で間隔を空けた一続きの選択された期間を定義し、前記選択された時間増分単位は前記デフォルトの時間増分単位よりも長い/く」とのみの特定では、「選択された期間」が「複数のデフォルトの期間」が含まれない構成も含まれるところ、「前記選択された期間に含まれる複数の前記デフォルトの期間についての前記予想気象値を集約する」との記載と対応しないから、請求項16及び17に係る発明が明確に特定できない。

よって、請求項16及び17に係る発明は、明確でない。


第7 原査定についての判断
原査定は、上記第5で示したとおりのものであって、上記第3及び4で説示したとおり、本願発明1?19は、引用発明1及び引用文献1、2に記載された技術事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえないから、原査定を維持することはできない。


第8 当審拒理について
補正により、本願発明16、17に、
「各選択された期間が複数のデフォルトの期間のうち少なくとも2つの期間を含むような、」という記載が追加された結果、当審拒理は解消した。


第9 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-07-16 
出願番号 特願2016-505664(P2016-505664)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G01W)
最終処分 成立  
前審関与審査官 北川 創  
特許庁審判長 福島 浩司
特許庁審判官 ▲高▼見 重雄
伊藤 昌哉
発明の名称 選択可能な時間増分単位で短時間予報を生成し表示する方法  
代理人 阿部 寛  
代理人 酒巻 順一郎  
代理人 野田 雅一  
代理人 池田 成人  
代理人 山口 和弘  

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