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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 F16B
管理番号 1353621
審判番号 不服2018-4953  
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-04-11 
確定日 2019-08-06 
事件の表示 特願2015-160054「締結装置および可動構造体」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 2月16日出願公開、特開2017- 36818、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成27年8月14日の出願であって、平成29年8月21日付けで拒絶理由通知がされ、平成29年10月16日に意見書及び手続補正書が提出され、平成30年1月11日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、平成30年4月11日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。

第2 原査定の概要
原査定(平成30年1月11日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願の請求項1ないし4に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の引用文献1ないし4に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。そのうち、本願の請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基いて、或いは、引用文献2に記載された発明並びに引用文献1に記載された事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、また、本願の請求項2に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

引用文献等一覧
1.米国特許第6345836号明細書
2.米国特許出願公開第2014/0290006号明細書
3.実願昭60-148793号(実開昭62-55725号)のマイクロフィルム(周知技術を示す文献)
4.登録実用新案第3018466号公報(周知技術を示す文献)

第3 本願発明
本願の請求項1ないし4に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明4」という。)は、平成29年10月16日の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定される発明であり、そのうちの本願発明1及び本願発明2は以下のとおりの発明である。

(本願発明1)
「 【請求項1】
第一部材と第二部材とを相対回転可能に連結するとともに相対回転不能に締結する締結装置であって、
前記第一部材と前記第二部材とに亘って挿通される軸部材と、
前記第一部材に固定されるとともに前記軸部材の軸回りに回転自在に支持される第一係合部材と、
前記第二部材に固定されるとともに前記軸部材の軸方向に進退自在かつ該軸部材の軸回りに回転不能に支持される第二係合部材と、
前記軸部材に係止されて前記第二係合部材を前記第一係合部材に向かって押圧または非押圧とする操作部材と、を備え、
前記第一係合部材と前記第二係合部材とは、互いの対向面に形成されて噛合可能な歯部をそれぞれ有するとともに、前記操作部材によって互いに押圧されることで前記歯部同士が噛合する締結状態と、前記操作部材を非押圧として互いに離隔することで前記歯部同士の噛合が解除される締結解除状態と、が切り換え可能に構成され、
前記歯部は、前記軸部材の軸方向に直交する平面に沿った歯先面と、この歯先面に所定の傾斜角度で交差する噛合面と、を有して形成され、前記傾斜角度は、前記第一部材に対して前記第二部材を回転させるように力を加えることによって、前記第一係合部材および前記第二係合部材が互いに隔離して前記締結解除状態となる角度に設定されていることを特徴とする締結装置。」

(本願発明2)
「 【請求項2】
第一部材と第二部材と第三部材とを相対回転可能に連結するとともに相対回転不能に締結する締結装置であって、
前記第一部材と前記第二部材と前記第三部材とに亘って挿通される軸部材と、
前記第一部材に固定されるとともに前記軸部材の軸回りに回転自在に支持される第一係合部材と、
前記第二部材に固定されるとともに前記軸部材の軸回りに回転自在に支持される第二係合部材と、
前記第三部材に固定されるとともに前記軸部材の軸方向に進退自在かつ該軸部材の軸回りに回転不能に支持される第三係合部材と、
前記軸部材に係止されて前記第三係合部材を前記第二係合部材および前記第一係合部材に向かって押圧または非押圧とする操作部材と、を備え、
前記第一係合部材と前記第二係合部材とは、互いの対向面に形成されて噛合可能な歯部をそれぞれ有し、前記第二係合部材と前記第三係合部材とは、互いの対向面に形成されて噛合可能な歯部をそれぞれ有し、前記第一係合部材、前記第二係合部材および前記第三係合部材は、前記操作部材によって互いに押圧されることで前記歯部同士が噛合する締結状態と、前記操作部材を非押圧として互いに離隔することで前記歯部同士の噛合が解除される締結解除状態と、が切り換え可能に構成され、
前記歯部は、前記軸部材の軸方向に直交する平面に沿った歯先面と、この歯先面に所定の傾斜角度で交差する噛合面と、を有して形成され、前記傾斜角度は、前記第一部材に対して前記第二部材を、当該第二部材に対して前記第三部材を回転させるように力を加えることによって、前記第一係合部材、前記第二係合部材、および前記第三係合部材が互いに隔離して前記締結解除状態となる角度に設定されていることを特徴とする締結装置。」

なお、本願発明3及び4の概要は以下のとおりである。
本願発明3は、本願発明1または本願発明2を減縮した発明である。
本願発明4は、本願発明1の締結装置を備えた可動構造体に係る発明である。

第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。

「Referring to FIGS. from 5 through 25 , a folding collapsible golf cart in accordance with the present invention comprises a handle 1 , a front main shaft 41 , a rear main shaft 42 , an upper golf bag cradle 43 , a wheel bracket 6 , two wheel holder frames 61 , and two wheels 64 . The handle 1 comprises two rod members, namely, the first rod member 11 and the second rod member 12 arranged in parallel. Two engagement blocks, namely, the first engagement block 21 and the second engagement block 22 are respectively mounted on the rod members 11 and 12 of the handle 1 . The rod members 11 and 12 each have a transversely extended axle hole 111 or 121 near one end. The engagement block 21 and 22 are respectively injection-molded from plastics, each comprising a toothed face 210 or 220 disposed at one side, an axle hole 211 or 221 axially extended through the center of the toothed face 210 or 220 , and a transversely extended coupling hole 214 or 224 , which receives the rod member 11 or 12 . The first engagement block 21 further comprises a protruded portion 213 axially extended from the border area of the flat outer end 212 thereof A locating block 23 is fixedly mounted on one end, namely, the front end of the front main shaft 41 , and meshed between the engagement blocks 21 and 22 . The other end, namely, the rear end of the front main shaft 41 is fixedly mounted with a first mounting frame 51 . The upper golf bag cradle 43 is pivotally coupled to the front main shaft 41 by a pivot 410 . The locating block 23 is injection-molded from plastics, comprising two toothed faces 231 and 232 disposed at two distal ends thereof and adapted for engaging the toothed faces 210 and 220 of the engagement block 21 and 22 , a radially extended mounting hole 230 , which receives the front end of the front main shaft 41 , and an axle hole 234 axially extended through the center of the toothed faces 210 and 220 . The front main shaft 41 has an axle hole 411 transversely disposed near the front end. After insertion of the front end of the front main shaft 41 into the mounting hole 230 of the locating block 23 , a pivot bolt 20 is inserted through the axle hole 121 of the second rod member 12 , the axle hole 221 of the second engagement block 22 , the axle hole 234 of the locating block 23 , the axle hole 411 of the front main shaft 41 , the axle hole 111 of the first rod member 11 and the axle hole 211 of the first engagement block 21 , and then a locking lever 3 is coupled to the pivot bolt 20 , and then a positioning plate 30 is fastened to the pivot bolt 20 to secure the locking lever 3 in place. The locking lever 3 is injection molded from plastics, comprising a recessed positioning portion 31 , which receives the positioning plate 30 , an axle groove 32 backwardly extended from the recessed positioning portion 31 for the passing of the pivot bolt 20 , and a stop portion 321 disposed at one end of the axle groove 32 (see FIGS. 8 and 9 ). The positioning plate 30 comprises an embedded metal block 301 and a screw hole 3011 formed on the metal block 301 and threaded onto the threaded rear end 201 of the pivot bolt 20 . After installation, the locking lever 3 can be turned between the locking position where the top side 33 of the locking lever 3 and the upper part 351 of the inner side 35 of the locking lever 3 are respectively stopped at the bottom side 2131 of the protruded portion 213 and the flat outer end 212 of the first engagement block 21 (see FIG. 17 ), and the unlocking position where the stop portion 321 of the locking lever 3 is stopped at the threaded rear end 201 of the pivot bolt 20 , and gaps A and B are respectively left between the top side 33 of the locking lever 3 and the flat outer end 212 of the first engagement block 21 and between the upper part 341 of the outer side 34 of the locking lever 3 and the and bottom side 2131 of the protruded portion 213 of the first engagement block 21 (see FIG. 18 ), enabling the first engagement block 21 and the second engagement block 22 to be disengaged from the locating block 23 , and therefore the handle 1 is allowed to be turned relative to the locating block 23 and the front main shaft 41 to the desired angle.
(当審仮訳:
図5?図25を参照すると、本発明にしたがった小さく折り畳める折り畳み式ゴルフカートは、ハンドル1、前主軸41、後主軸42、上部ゴルフバッグ受け部43、車輪ブラケット6、2つの車輪保持枠61、及び2つの車輪64を含む。ハンドル1は、2本のロッド部材、すなわち、互いに平行に配置された第1のロッド部材11及び第2のロッド部材12を有する。ハンドル1のロッド部材11、12上には、2個の係合ブロック、すなわち、それぞれ第1係合ブロック21と、第2係合ブロック22とが取り付けられている。ロッド部材11及び12は、それぞれの一方端の近傍で横方向に延在する軸孔111、121を有している。係合ブロック21、22は、それぞれ樹脂より射出成形され、それぞれその一側部に配置された歯付き面210、220と歯付き面210または220と、の中心を通って軸方向に延在する軸孔211、221と、ロッド部材11または12を受ける横方向に延在する連結孔214又は224とを有している。第1係合ブロック21は、さらに、その平坦な外側端部212との境界領域から軸方向に延在する突出部213を備えている。位置決めブロック23が、前主軸41の一端すなわち前端に固定され、係合ブロック21及び22の間で噛合している。前主軸41の他端すなわち後端は、第1取付フレーム51に固定されている。上部ゴルフバッグ受け部43は、枢軸410によって前主軸41に旋回可能に連結される。位置決めブロック23は、樹脂より射出成形され、2つの遠位端に配置された2個の歯付き面231及び232を有し、係合ブロック21、22の歯付き面210および220に係合するようにされており、さらに、前主軸41の前端が挿入される、半径方向に延在する取付孔230、及び、歯付き面210及び220の中心を通って軸方向に延在する軸孔234を有する。前主軸41は、前端部の近くで横方向に配置される軸孔411を有している。前主軸41の前端を位置決めブロック23の取付孔230に挿入した後、ピボットボルト20を、第2ロッド部材12の軸孔121、第2係合ブロック22の軸孔221、位置決めブロック23の軸孔234、前主軸41の軸孔411、第1ロッド部材11の軸孔111、そして第1係合ブロック21の軸孔211に挿通し、当該ピボットボルト20にロックレバー3を接続し、そして位置決めプレート30をピボットボルト20に固定し、それにより、ロックレバー3を所定位置に固定する。ロックレバー3は、樹脂より射出成形され、位置決めプレート30を受ける凹状位置決め部31、当該凹状位置決め部31から後方へ延在する軸溝32、及び、軸溝32の一端に配置された停止部321を備える(図8及び図9参照)。位置決めプレート30は埋め込まれた金属ブロック301、及び当該金属ブロック301に形成したねじ孔3011であって、ピボットボルト20のねじ付き後端部201にねじ込まれるねじ孔3011を有する。取り付け後、ロックレバー3は、ロックレバー3の上面33及びロックレバー3の内側35の上方部分351が、それぞれ突出部213の底側2131と第1係合ブロック21の平坦な外側端部212に係止されるロック位置(図17参照)と、ロックレバー3の係止部321が、ピボットボルト20のねじ付き後端部201に係止され、ロックレバー3の上側33と第1係合ブロック21の平坦な外側端部212との間と、ロックレバー3の外側34の上部341と第1係合ブロック21の突出部213の底側2131との間に、それぞれ間隙AとBが残され、第1係合ブロック21及び第2係合ブロック22が、位置決めブロック23から解放され、従ってハンドル1が位置決めブロック23と前主軸41に対して所望の角度に相対回動することを許容するロック解除位置(図18を参照)との間で回動させることができる。)」(3欄12行-4欄15行)

「When adjusting the angular position of the handle 1 , the locking lever 3 is turned from the locking position shown in FIG. 17 to the unlocking position shown in FIG. 18 to move the stop portion 321 to the threaded rear end 201 of the pivot bolt 20 , so that gaps A and B are respectively left between the top side 33 of the locking lever 3 and the flat outer end 212 of the first engagement block 21 and between the upper part 341 of the outer side 34 of the locking lever 3 and the and bottom side 2131 of the protruded portion 213 of the first engagement block 21 for enabling the first engagement block 21 and the second engagement block 22 to be disengaged from the locating block 23 , and therefore the handle 1 is allowed to be turned relative to the locating block 23 and the front main shaft 41 to the desired angle. After adjustment, the locking lever 3 is turned back from the unlocking position to the locking position to force the first engagement block 21 and the second engagement block 22 into engagement with the locating block 23 again (see FIGS. 7 and 17 ).
(当審仮訳:
ハンドル1の角度位置を調節するときは、ロックレバー3を図17に示すロック位置から図18に示すロック解除位置に回動し、停止部321をピボットボルト20のねじ付き後端部201に移動させると、間隙A,Bがそれぞれ係止レバー3の上面33と第1係合ブロック21の平坦な外側端部212と、係止レバー3の外側面34の上端部341と第1係合ブロック21の突起部213の下面2131との間にあるので、第1係合ブロック21と第2係合ブロック22を位置決めブロック23から係合解除することができ、したがってハンドル1を、位置決めブロック23と主軸41に対して所望の角度に相対回動させることができる。位置調整後に、ロックレバー3をロック解除位置からロック位置に移動させ、再び第1の係合ブロック21および第2の係合ブロック22を押し付けて位置決めブロック23に係合させる(図7及び図17参照)。)」(5欄41-59行)





上記、Fig.7、8、17、18からすると、「歯部は、ピボットボルト20の軸方向に直交する平面に沿った歯先面と、この歯先面に交差する噛合面を有して形成され」ているといえる。

したがって、上記引用文献1には、「第1係合ブロック21」及び「位置決めブロック23」のみの係合に注目し、本願発明1に倣って整理すると、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

(引用発明1)
「前主軸41とロッド部材11とを相対回転可能に接続するとともに相対回転不能に係合する係合装置であって、
前主軸41とロッド部材11とに亘って挿通されるピボットボルト20と、
前主軸41に固定されるとともにピボットボルト20の軸回りに回転自在に支持される位置決めブロック23と、
ロッド部材11に固定されるとともにピボットボルト20の軸方向に進退自在かつ該ピボットボルト20の軸回りに回転自在に支持される第1係合ブロック21と、
ピボットボルト20に係止されて第1係合ブロック21を位置決めブロック23に向かって押圧または非押圧とするロックレバー3と、を備え、
位置決めブロック23と第1係合ブロック21とは、歯付き面231及び歯付き面210に形成されて噛合可能な歯部をそれぞれ有するとともに、ロックレバー3によって互いに押圧されることで歯部同士が噛合するロック位置と、ロックレバー3を非押圧として互いに離隔することで歯部同士の噛合が解除されるロック解除位置と、が切り換え可能に構成され、
歯部は、ピボットボルト20の軸方向に直交する平面に沿った歯先面と、この歯先面に交差する噛合面を有して形成される係合装置。」

また、上記引用文献1には、「第1係合ブロック21」、「位置決めブロック23」及び「第2係合ブロック22」の係合に注目し、本願発明2に倣って整理すると、次の発明(以下「引用発明1’」という。)が記載されていると認められる。

(引用発明1’)
「ロッド部材12と前主軸41とロッド部材11とを相対回転可能に接続するとともに相対回転不能に係合する係合装置であって、
ロッド部材12と前主軸41とロッド部材11とに亘って挿通されるピボットボルト20と、
ロッド部材12に固定されるとともにピボットボルト20の軸回りに回転自在に支持される第2係合ブロック22と、
前主軸41に固定されるとともにピボットボルト20の軸回りに回転自在に支持される位置決めブロック23と、
ロッド部材11に固定されるとともにピボットボルト20の軸方向に進退自在かつ該ピボットボルト20の軸回りに回転自在に支持される第1係合ブロック21と、
ピボットボルト20に係止されて第1係合ブロック21を位置決めブロック23及び第2係合ブロック22に向かって押圧または非押圧とするロックレバー3と、を備え、
第2係合ブロック22と位置決めブロック23とは、歯付き面220及び歯付き面232に形成されて噛合可能な歯部をそれぞれ有し、位置決めブロック23と第1係合ブロック21とは、歯付き面231及び歯付き面210に形成されて噛合可能な歯部をそれぞれ有し、第2係合ブロック22、位置決めブロック23および第1係合ブロック21は、ロックレバー3によって互いに押圧されることで歯部同士が噛合するロック位置と、ロックレバー3を非押圧として互いに離隔することで歯部同士の噛合が解除されるロック解除位置と、が切り換え可能に構成され、
歯部は、ピボットボルト20の軸方向に直交する平面に沿った歯先面と、この歯先面に交差する噛合面を有して形成される係合装置。」

2.引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。

「As shown in FIGS. 5 and 6 , a handle assembly 2 may comprise two handle height adjustment devices 100 .
The two handle height adjustment devices are preferably pivotable about a common axis of rotation 500 .
According to embodiments herein, a handle height adjustment device comprises a first disk member 200 which is connected to a first arm element 21 of the handle assembly.
In the embodiment shown in FIGS. 5 and 6 , the first arm element 21 is part of an upper frame 24 of the handle assembly 2 .
The first disk member may be integrally formed with the first arm element.
The first disk member may be integrally formed with the first arm element by means of injection molding.
The first disk member may be made of a plastic material.
A toothed surface 201 of the first disk member may be provided with radially extending teeth.
According to the embodiment shown in FIGS. 5 and 6 , the first disk member 200 has a through hole 202 .
According to embodiments herein, a handle height adjustment device comprises a second disk member 300 which is connected to a second arm element 22 of the handle assembly 2 .
In the embodiment shown in FIGS. 5 and 6 , the second arm element 22 is part of a lower frame 23 of the handle assembly 2 . The second disk member may be integrally formed with the second arm element.
The second disk member may be integrally formed with the second arm element by means of injection molding. The second disk member 300 may be made of a plastic material.
A toothed surface 301 of the second disk member 300 may be provided with radially extending teeth.
The second disk member 300 may have a blind hole 302 or a through hole 302 .
As shown in FIGS. 5 and 6 , a disk interconnecting member 400 embodied as a rod 400 or bolt 400 is arranged to adjoin the first disk member 200 and the second disk member 300 .
A knob 600 may be connected to the rod 400 . The rod 400 and the knob 600 may be 35 integrally formed. The knob enables the rod 400 to be readily turned by hand.
The rod extends along an axis of rotation 500 of the handle height adjustment device 100 .
The rod 400 is arranged to extend through the hole of the first disk member and the hole of the second disk member.
A first interconnection mechanism 401 is arranged to interconnect the rod 400 and the first disk member 200 .
The first interconnection mechanism is configured such that the rod may rotate freely relative to the first disk member, about the axis of rotation 500 , whereas it is inhibited from moving axially relative to the first disk member.
The first interconnection mechanism may be a snap-fit mechanism.
The first disk member may have a groove extending around a circumference of the hole, in which groove a flange provided on the rod may run.
A second interconnection mechanism 402 is arranged to threadably interconnect the rod 400 and the second disk member 300 .
The second interconnection mechanism may comprise male threads 403 provided on the rod 400 and female threads 404 provided around the circumference of the hole of the second disk member.
FIGS. 9 and 10 schematically illustrate a handle height adjustment device according to embodiments herein. The handle height adjustment device 100 shown in FIG. 9 is in a locked state 700 , whereas the handle height adjustment device 100 shown in FIG. 10 is in an open state 800 .
(当審仮訳:
図5及び図6に示すように、ハンドルアセンブリ2は、2つのハンドル高さ調節装置100を含むことができる。
2つのハンドル高さ調節装置は、共通の回転軸線500を中心として旋回可能であることが好ましい。
本明細書の実施形態によれば、ハンドル高さ調節装置は、ハンドルアセンブリの第1アーム部材21に接続された第1ディスク部材200を備えている。
図5及び図6に示す実施形態では、第1アーム部材21は、ハンドルアセンブリ2の上部フレーム24の一部である。
第1ディスク部材は、第1アーム部材と一体的に形成することができる。
第1ディスク部材は、射出成形により第1アーム部材と一体的に形成することができる。
第1ディスク部材は、プラスチック材料で作られてもよい。
第1ディスク部材の歯付き面201は、半径方向に延びる歯を設けてもよい。
図5及び図6に示す実施形態によれば、第1ディスク部材200は貫通孔202を有している。
本明細書の実施形態によれば、ハンドル高さ調節装置は、ハンドルアセンブリ2の第2アーム部材22に連結された第2ディスク部材300を備えている。
図5及び図6に示す実施形態では、第2アーム部材22は、ハンドルアセンブリ2の下部フレーム23の一部である。第2ディスク部材は、第2アーム部材と一体的に形成することができる。
第2ディスク部材は、射出成形により、第2アーム部材と一体的に形成することができる。第2ディスク部材300は、プラスチック材料で作られてもよい。
第2ディスク部材300の歯付き面301は、半径方向に延びる歯を設けてもよい。
第2ディスク部材300は、めくら穴302または貫通孔302を有することができる。
図5及び図6に示すように、ロッド400またはボルト400として形成されたディスクの相互連結部材400は、第1ディスク部材200と第2ディスク部材300と隣接するように配置されている。
ノブ600は、ロッド400に接続されてもよい。ロッド400及びノブ600は、一体形成されてもよい。ノブは、ロッド400を手で容易に回すことができるようにする。
ロッドはハンドル高さ調節装置100の回転軸線500に沿って延びている。
ロッド400は、第1ディスク部材の穴と第2ディスク部材の穴を通って延びるように配置されている。
第1の相互接続機構401は、ロッド400及び第1ディスク部材200を相互接続するように配置されている。
第1の相互接続機構は、ロッドが、第1ディスク部材に対して回転軸500の周りに自由に相対回転でき、第1ディスク部材に対して軸方向に移動するのが阻止されるように構成される。
第1の相互接続機構は、スナップ式機構であってもよい。
第1ディスク部材は、穴の周囲の周りに延在する溝を有しており、この溝部にロッドに設けられたフランジが延びていてもよい。
第2の相互接続機構402は、ロッド400と第2ディスク部材300を螺合可能に構成されている。
第2の相互接続機構は、ロッド400に設けられた雄ネジ403と第2ディスク部材の穴の周囲に設けられた雌ネジ404を含むことができる。
図9及び図10は、本発明の実施形態に係るハンドル高さ調節装置を概略的に示す。図9に示したハンドル高さ調節装置100は、ロック状態700を示し、一方、図10に示すハンドル高さ調節装置100は、解放状態800にある。)」(段落[0046]-[0070])

「The first disk member 200 has a face surface 201 wherein teeth radially extend from the center of the disk face. The second disk member 300 is arranged to be concentrically joined to the first disk member by the rod 400 . The second disk member 300 has a face surface 301 that is a mirror image of the face of the first disk member 200 , thereby enabling the face of the first disk member 200 to intermesh with the face of the second disk member 300 . Due to the radial pattern of teeth on both the first disk member 200 and the second disk member 300 , the two disk members can be intermeshed at numerous points as disk members rotate relative to each other about the axis of rotation 500 .
The rod 400 passes through the center of the second disk member 300 and the first disk member 200 . As the rod 400 is rotated in a first direction, a clamping force forces the second disk member 300 to intermesh with the first disk member 200 and two disks become firmly affixed together. However, when the rod 400 is loosened by means of rotating it in a second direction-opposite to the first direction, the teeth of the first disk member 200 and the second disk member 300 will separate and the second disk member 300 is free to rotate independently of the first disk member 200 .
Rotation of the rod/bolt in the second direction not only releases the clamping force between the first disk member and the second disk member. It also actively separates the first disk member from the first disk member thanks to the threaded interconnection mechanism 402 interconnecting the rod and the second disk member and the first interconnection mechanism adjoining the rod and the first disk member.
Rotation of the rod bolt in a releasing direction forces the second disk member to move axially relative to the rod, whereas the first disk member is inhibited from moving axially relative to the rod thanks to the first interconnection mechanism.
Previously known handle height adjustment devices comprising disk members and an interconnecting rod may be configured such the two disk members may stay in an intermeshed position, although the clamping force is removed. An operator using such a handle height adjustment assembly will have to manually separate the first disk member from the second disk member in order to allow relative rotation between the disk members.
In other previously known handle height adjustment devices an optional spring element is placed between the first disk member 200 and the second disk member 300 . The spring element acts to separate the second disk member 300 from the first disk member 200 as the rod 400 is loosened. In a handle height adjustment device according to embodiments herein no such spring element is needed.
According to embodiments herein the knob 600 may push on the second disk member when the rod and the knob are rotated in the first direction.
The handle height adjustment device may also be configured such that the knob pushes on the first disk member when the knob and the rod are rotated in the first direction.
(当審仮訳:
第1ディスク部材200は、歯がディスク面の中心から放射状に延びるフェース面201を有している。第2ディスク部材300は、ロッド400によって第1ディスク部材に同軸に結合されるように配置される。第2ディスク部材300は、第1ディスク部材200のフェース面の鏡像であるフェース面301を有し、これにより第1ディスク部材200のフェース面は第2ディスク部材300のフェース面とかみ合うことを可能にする。第1ディスク部材200と第2ディスク部材300の両方の歯の半径方向のパターンによって、2つのディスク部材は、回転軸線500を中心として互いに相対的に回転するディスク部材に多数の箇所で相互に噛合できる。
ロッド400は、第2ディスク部材300及び第1ディスク部材200の中心を通過する。ロッド400を、第1の方向に回転させると、クランプ力により、第2ディスク部材300が第1ディスク部材200と噛み合い、2つのディスクは、一緒にしっかり固着する。しかしながら、ロッド400を前記第1の方向と反対の、第2の方向に回転させることで緩めると、第1ディスク部材200と第2ディスク部材300の歯は分離して、第2ディスク部材300と第1ディスク部材200とは独立して回転できる。
ロッドあるいはボルトを第2の方向へ回転させると、第1ディスク部材と第2ディスク部材との間のクランプ力を解放するだけでない。それはまた、ロッドと第2ディスク部材とを相互接続するねじ接続機構402とロッドと第1ディスク部材とに隣接する第1の相互接続機構によって、第1ディスク部材と第1(当審注:「second:第2」の誤り。)ディスク部材を強制的に分離する。
ロッドあるいはボルトをロック解除方向へ回転させると、第2ディスク部材がロッドに対して軸方向に強制的に移動し、第1ディスク部材がロッドに対して軸方向に移動するのは第1の相互接続機構によって阻止される。
従来から知られたディスク部材および相互接続ロッドを含むハンドル高さ調節装置は、2つのディスク部材が、締付け力が除去され、互いに噛み合う位置に留まるように構成されている。このようなハンドル高さ調節装置を使用する使用者は、ディスク部材間の相対回転を可能にするために、第1ディスク部材を第2ディスク部材から手で分離しなければならない。
既に公知の他のハンドル高さ調節装置には、バネ部材が第1ディスク部材200と第2ディスク部材300との間に配置されている。ロッド400を解放すると、バネ部材は第2ディスク部材300を第1ディスク部材200から分離するように作用する。本明細書の実施形態によれば、ハンドル高さ調節装置において、このようなばね部材は必要とされない。
本明細書の実施形態によれば、ノブ600は、ロッドとノブを第1の方向に回転すると、第2ディスク部材を押す。
ハンドル高さ調節装置は、ノブとロッドを第1の方向に回転すると、ノブが第1ディスク部材を押すように構成することもできる。)」(段落[0074]-[0081])





したがって、上記引用文献2には、Fig.5、6、9、10に係る実施形態に注目し、本願発明1に倣って整理すると、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。

(引用発明2)
「第1アーム部材21と第2アーム部材22とを相対回転可能に相互接続するとともに相対回転不能に相互接続するハンドル高さ調節装置100であって、
第1アーム部材21と第2アーム部材22とに亘って挿通されるロッド400と、
第1アーム部材21に一体形成されるとともにロッド400の軸回りに回転自在に支持される第1ディスク部材200と、
第2アーム部材22に連結されるとともにロッド400の軸方向に進退自在かつ該ロッド400の軸回りに回転自在に支持される第2ディスク部材300と、
ロッド400に接続されて第2アーム部材22を第1ディスク部材200に向かって押圧または非押圧とするノブ600と、を備え、
第1ディスク部材200と第2ディスク部材300とは、歯付き面201及び歯付き面301に形成されて噛合可能な歯をそれぞれ有するとともに、ノブ600を第1の方向に回転することによって互いに押圧されることで歯同士が噛合するロック状態700と、ノブ600を第2の方向に回転することによって非押圧として互いに離隔することで歯同士の噛合が解除される開放状態800と、が切り換え可能に構成され、
開放状態800では、第1ディスク部材200と第2ディスク部材300を強制的に分離するハンドル高さ調節装置100。」

3.引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。

「アームAとアームBとの係止部3、およびアームAと支持部2との係止部4においては、各部材の接触面に第5図に示すように半径方向に複数の歯5が刻設され、これにより互いに継手が構成されている。以下の説明ではこの歯5をギザ歯と呼び、一対のギザ歯で継手が構成される。
第3図に示すように継手が締付けられた状態では、係止部3および係止部4のギザ歯5が互いに噛合し、アームAおよびアームBの回動が規制されて各アームは、支持部2に対して所定の開き角度で固定されることになる。アームAとアームBの開き角度を変えるには、第4図に示すようにハンドル1をゆるめ、係止部3および係止部4のギザ歯の係合を開放してアームAおよびアームBを旋回させ所定の角度に設定すればよい。」(明細書2頁19行?同3頁13行)





したがって、上記引用文献3には、「軸方向に直交する平面に沿った歯先面に対して、噛合面を所定の傾斜角度で交差させた歯部に係る技術的事項」が記載されていると認められる。

4.引用文献4について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献4には、図面とともに次の事項が記載されている。

「 【0012】
固定エルボ19には放射方向に嵌め穴193が設けられ、もって図4中に示される支架41を嵌設することができる。また可動エルボ11の側向には冠歯車111が設けられ、そのほぼ放射方向に嵌め穴113が設けられ、もって図4に示される支架42、43等を嵌設される。可動エルボ11の嵌め穴113は偏心に設置され、対称の可動エルボ12が設置されることができ、よって二つの可動エルボ11、12は一対を成す。
【0013】
可動エルボ11、12上の、冠歯車を設けた1側の横にはそれぞれ連結ブロック13が設けられ、連結ブロック13の軸穴132もまた軸2の断面形状と同じ形に設けられ、連結ブロック13のもう1側には冠歯車131が設けられて、よって可動エルボ11、12の可動エルボ111、121と相互に噛み合うことができ、連結ブロック13と可動エルボ11、12の間は、弾性体14でもって歯面が相互に分離する推力を提供する。
【0014】
さらに、連結ブロック13の背面は一組の凸輪板15、15Aの圧制を受け、凸輪板15、15Aと凸輪座16はいずれも軸2上に嵌められる。その中の活動部品、即ち凸輪板15、15Aはその軸穴153、153Aが円形を呈し、軸2との直接の連動作用を発生しない。また固定部品、即ち凸輪座16は、その軸穴161は方形穴とされて、軸2に連動するよう連接される。
【0015】
凸輪座16の外側はボルト18及び端辺のボルト17により締結されて一つの軸方向の空間を限定する。端辺のボルト17は、軸2の軸端21の内部に設けられたねじ部23に螺合し、ボルト18は軸2の相対部分に設けられたねじ穴22内に螺合される。これにより、凸輪座16と凸輪板15、15Aに相対設置された突出部161、151、151A、161Aが相互に圧迫するとき、連結ブロック13を圧迫して、その冠歯車131に可動エルボ11、12上の冠歯車111、121と噛み合わせる。これにより可動エルボ11、12は連結ブロック13を経て軸2上にてロック、固定され、軸2と固定エルボ19が位置決めされる。」





したがって、上記引用文献4には、「軸方向に直交する平面に沿った歯先面に対して、噛合面を所定の傾斜角度で交差させた歯部に係る技術的事項」が記載されていると認められる。

第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)引用発明1に基いて
(1-1)対比
本願発明1と引用発明1とを対比すると、次のことがいえる。
その機能・構造からして、引用発明1の「前主軸41」は本願発明1の「第一部材」に相当し、同様に、「ロッド部材11」は「第二部材」に、「接続する」は「連結する」に、「係合する」は「締結する」に、「係合装置」は「締結装置」に、「ピボットボルト20」は「軸部材」に、「位置決めブロック23」は「第一係合部材」に、「第1係合ブロック21」は「第二係合部材」に、「ロックレバー3」は「操作部材」に、「歯付き面231及び歯付き面210」は「互いの対向面」に、「ロック位置」は「締結状態」に、「ロック解除位置」は「締結解除状態」に、それぞれ相当する。
また、本願発明1の「歯部は、前記軸部材の軸方向に直交する平面に沿った歯先面と、この歯先面に所定の傾斜角度で交差する噛合面と、を有して形成され、前記傾斜角度は、前記第一部材に対して前記第二部材を回転させるように力を加えることによって、前記第一係合部材および前記第二係合部材が互いに隔離して前記締結解除状態となる角度に設定されている」態様と引用発明1の「歯部は、ピボットボルト20の軸方向に直交する平面に沿った歯先面と、この歯先面に交差する噛合面を有して形成される」態様とは、「歯部は、軸部材の軸方向に直交する平面に沿った歯先面と、この歯先面に交差する噛合面を有して形成される」態様の限りにおいて一致している。

したがって、本願発明1と引用発明1との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「第一部材と第二部材とを相対回転可能に連結するとともに相対回転不能に締結する締結装置であって、
第一部材と第二部材とに亘って挿通される軸部材と、
第一部材に固定されるとともに軸部材の軸回りに回転自在に支持される第一係合部材と、
第二部材に固定されるとともに軸部材の軸方向に進退自在かつ該軸部材に支持される第二係合部材と、
軸部材に係止されて第二係合部材を第一係合部材に向かって押圧または非押圧とする操作部材と、を備え、
第一係合部材と第二係合部材とは、互いの対向面に形成されて噛合可能な歯部をそれぞれ有するとともに、操作部材によって互いに押圧されることで歯部同士が噛合する締結状態と、操作部材を非押圧として互いに離隔することで歯部同士の噛合が解除される締結解除状態と、が切り換え可能に構成され、
歯部は、軸部材の軸方向に直交する平面に沿った歯先面と、この歯先面に交差する噛合面を有して形成される締結装置。」

(相違点)
(相違点1)
本願発明1は「第二係合部材」が「軸部材の軸回りに回転不能に支持される」のに対し、引用発明1では、「第1係合ブロック21」が「ピボットボルト20の軸回りに回転自在に支持される」点。

(相違点2)
本願発明1は「歯部は、前記軸部材の軸方向に直交する平面に沿った歯先面と、この歯先面に所定の傾斜角度で交差する噛合面と、を有して形成され、前記傾斜角度は、前記第一部材に対して前記第二部材を回転させるように力を加えることによって、前記第一係合部材および前記第二係合部材が互いに隔離して前記締結解除状態となる角度に設定されている」のに対して、引用発明1では、「歯部は、ピボットボルト20の軸方向に直交する平面に沿った歯先面と、この歯先面に交差する噛合面を有して形成される」ものの、「噛合面」の「傾斜角度」に係る構成が不明である点。

(1-2)相違点についての判断
上記相違点1について検討すると、引用発明1の「ピボットボルト20」は特殊なものとはいえず、「第1係合ブロック21」をその軸回りに回転不能とするためには、例えば、キー及びキー溝のような回動防止のための特定の構造を備えるものとする必要があるところ、引用発明1において、「ピボットボルト20」を特定の構造のものとする特段の動機づけは見当たらないから、引用発明1をして上記相違点1に係る本願発明1の構成とする動機づけがあるとはいえない。
また、上記相違点2について検討すると、引用発明1は、前主軸41とロッド部材11とを相対回転不能に係合できるという係合装置なのであって、引用文献1には、図面を除くと歯部の形状の詳細についての記載は見当たらず、係合を解除するために歯部の形状を工夫するといったことを示唆する記載もないことから、引用文献3及び4に「軸方向に直交する平面に沿った歯先面に対して、噛合面を所定の傾斜角度で交差させた歯部に係る技術的事項」が記載されているとしても、引用発明1に引用文献3及び4に記載された技術的事項を適用する動機づけがあるとはいえない。さらに、上記相違点2に係る本願発明1の構成により、本願発明1は第一部材に対して第二部材を回転させるように力を加えることによって、第一係合部材および第二係合部材が互いに隔離して締結解除状態となるという作用効果を奏するものである。
以上のことからすると、引用発明1をして上記相違点1及び2に係る本願発明1の構成とすることは、当業者といえども、容易に想到することができたということはできない。
したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明1及び引用文献3及び4に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

(2)引用発明2に基いて
(2-1)対比
本願発明1と引用発明2とを対比すると、次のことがいえる。
その機能・構造からして、引用発明2の「第1アーム部材21」は本願発明1の「第一部材」に相当し、同様に、「第2アーム部材22」は「第二部材」に、「ハンドル高さ調節装置100」は「締結装置」に、「ロッド400」は「軸部材」に、「第1ディスク部材」は「第一係合部材」に、「第2ディスク部材」は「第二係合部材」に、「ノブ600」は「操作部材」に、「歯付き面201及び歯付き面301」は「互いの対向面」に、「歯」は「歯部」に、「ロック状態700」は「締結状態」に、「開放状態800」は「締結解除状態」に、それぞれ相当する。
また、本願発明1の「第一係合部材」が「第一部材に固定され」、「第二係合部材」が「第二部材に固定される」態様と、引用発明2の「第1ディスク部材200」が「第1アーム部材21に一体形成され」、「第2ディスク部材300」が「第2アーム部材22に連結され」る態様とは、「第一係合部材」が「第一部材に結合され」、「第二係合部材」が「第二部材に結合される」態様の限りにおいて一致している。
そして、本願発明1の「操作部材」が「軸部材に係止されて」いる態様と、引用発明2の「ノブ600」が「ロッド400に接続されて」いる態様とは、「操作部材」が「軸部材に結合されて」いる態様の限りにおいて一致している。

したがって、本願発明1と引用発明2との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「第一部材と第二部材とを相対回転可能に連結するとともに相対回転不能に締結する締結装置であって、
第一部材と第二部材とに亘って挿通される軸部材と、
第一部材に結合されるとともに軸部材の軸回りに回転自在に支持される第一係合部材と、
第二部材に結合されるとともに軸部材の軸方向に進退自在かつ該軸部材に支持される第二係合部材と、
軸部材に結合されて第二係合部材を第一係合部材に向かって押圧または非押圧とする操作部材と、を備え、
第一係合部材と第二係合部材とは、互いの対向面に形成されて噛合可能な歯部をそれぞれ有するとともに、操作部材によって互いに押圧されることで歯部同士が噛合する締結状態と、操作部材を非押圧として互いに離隔することで歯部同士の噛合が解除される締結解除状態と、が切り換え可能に構成される、締結装置。」

(相違点)
(相違点A)
「第一係合部材」が「第一部材に結合され」、「第二係合部材」が「第二部材に結合される」態様に関し、本願発明1は「第一係合部材」が「第一部材に固定され」、「第二係合部材」が「第二部材に固定される」のに対し、引用発明2では「第1ディスク部材200」が「第1アーム部材21に一体形成され」、「第2ディスク部材300」が「第2アーム部材22に連結され」る点。

(相違点B)
「操作部材」が「軸部材に結合されて」いる態様に関し、本願発明1は、「操作部材」が「軸部材に係止されて」いるのに対し、引用発明2では「ノブ600」が「ロッド400に接続されて」いる点。

(相違点C)
本願発明1は、「第二係合部材」が「軸部材の軸回りに回転不能に支持される」のに対し、引用発明2では、「第2ディスク部材」が「ロッド400の軸回りに回転自在に支持される」点。

(相違点D)
本願発明1は、「歯部は、前記軸部材の軸方向に直交する平面に沿った歯先面と、この歯先面に所定の傾斜角度で交差する噛合面と、を有して形成され、前記傾斜角度は、前記第一部材に対して前記第二部材を回転させるように力を加えることによって、前記第一係合部材および前記第二係合部材が互いに隔離して前記締結解除状態となる角度に設定されている」のに対し、引用発明2では、そのような構成について不明であり、「開放状態800では、第1ディスク部材と第2ディスク部材を強制的に分離する」点。

(2-2)相違点についての判断
まず、上記相違点Cについて検討すると、引用発明2は「ノブ600を第1の方向に回転することによって」「ロック状態700と、ノブ600を第2の方向に回転することによって」「開放状態800と、が切り換え可能」なのであるから、引用発明2において「第2ディスク部材」に対し「ロッド400」が回転不能とすることは、阻害要因があるといえる。
つぎに、上記相違点Dについて検討すると、引用発明2は、「開放状態800では、第1ディスク部材と第2ディスク部材を強制的に分離する」のであるから、第1ディスク部材と第2ディスク部材を分離するための別の構成を採用する動機づけはないというべきであって、引用文献3及び4に「軸方向に直交する平面に沿った歯先面に対して、噛合面を所定の傾斜角度で交差させた歯部に係る技術的事項」が記載されているとしても、引用発明2に引用文献3及び4に記載された技術的事項を適用する動機づけがあるとはいえない。
以上のことからすると、上記相違点A及びBについて検討するまでもなく、引用発明2をして上記相違点C及びDに係る本願発明1の構成とすることは、当業者といえども、容易に想到することができたということはできない。
したがって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明2及び引用文献1、引用文献3及び4に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

2.本願発明2について
(1)対比
本願発明2と引用発明1’とを対比すると、次のことがいえる。
その機能・構造からして、引用発明1’の「ロッド部材12」は本願発明2の「第一部材」に相当し、同様に、「前主軸41」は「第二部材」に、「ロッド部材11」は「第三部材」に、「接続する」は「連結する」に、「係合する」は「締結する」に、「係合装置」は「締結装置」に、「ピボットボルト20」は「軸部材」に、「第2係合ブロック22」は「第一係合部材」に、「位置決めブロック23」は「第二係合部材」に、「第1係合ブロック21」は「第三係合部材」に、「ロックレバー3」は「操作部材」に、(第2係合ブロック22と位置決めブロック23の)「歯付き面220及び歯付き面232」は(第一係合部材と第二係合部材の)「互いの対向面」に、(位置決めブロック23と第1係合ブロック21の)「歯付き面231及び歯付き面210」は(第二係合部材と第三係合部材の)「互いの対向面」に、「ロック位置」は「締結状態」に、「ロック解除位置」は「締結解除状態」に、それぞれ相当する。
また、本願発明2の「歯部は、前記軸部材の軸方向に直交する平面に沿った歯先面と、この歯先面に所定の傾斜角度で交差する噛合面と、を有して形成され、前記傾斜角度は、前記第一部材に対して前記第二部材を、当該第二部材に対して前記第三部材を回転させるように力を加えることによって、前記第一係合部材、前記第二係合部材、および前記第三係合部材が互いに隔離して前記締結解除状態となる角度に設定されている」態様と、引用発明1’の「歯部は、ピボットボルト20の軸方向に直交する平面に沿った歯先面と、この歯先面に交差する噛合面を有して形成される」態様とは、「歯部は、軸部材の軸方向に直交する平面に沿った歯先面と、この歯先面に交差する噛合面を有して形成される」態様の限りにおいて一致している。

したがって、本願発明2と引用発明1’の間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「第一部材と第二部材と第三部材とを相対回転可能に連結するとともに相対回転不能に締結する締結装置であって、
第一部材と第二部材と第三部材とに亘って挿通される軸部材と、
第一部材に固定されるとともに軸部材の軸回りに回転自在に支持される第一係合部材と、
第二部材に固定されるとともに軸部材の軸回りに回転自在に支持される第二係合部材と、
第三部材に固定されるとともに軸部材の軸方向に進退自在に支持される第三係合部材と、
軸部材に係止されて第三係合部材を第二係合部材および第一係合部材に向かって押圧または非押圧とする操作部材と、を備え、
第一係合部材と第二係合部材とは、互いの対向面に形成されて噛合可能な歯部をそれぞれ有し、第二係合部材と第三係合部材とは、互いの対向面に形成されて噛合可能な歯部をそれぞれ有し、第一係合部材、第二係合部材および第三係合部材は、操作部材によって互いに押圧されることで歯部同士が噛合する締結状態と、操作部材を非押圧として互いに離隔することで歯部同士の噛合が解除される締結解除状態と、が切り換え可能に構成され、
歯部は、軸部材の軸方向に直交する平面に沿った歯先面と、この歯先面に交差する噛合面を有して形成される締結装置。」

(相違点)
(相違点1’)
本願発明2は「第三係合部材」が「軸部材の軸回りに回転不能に支持される」のに対し、引用発明1’では、「第1係合ブロック21」が「ピボットボルト20の軸回りに回転自在に支持される」点。

(相違点2’)
本願発明2は「歯部は、前記軸部材の軸方向に直交する平面に沿った歯先面と、この歯先面に所定の傾斜角度で交差する噛合面と、を有して形成され、前記傾斜角度は、前記第一部材に対して前記第二部材を、当該第二部材に対して前記第三部材を回転させるように力を加えることによって、前記第一係合部材、前記第二係合部材、および前記第三係合部材が互いに隔離して前記締結解除状態となる角度に設定されている」のに対して、引用発明1’では、「歯部は、ピボットボルト20の軸方向に直交する平面に沿った歯先面と、この歯先面に交差する噛合面を有して形成される」ものの、「噛合面」の「傾斜角度」に係る構成が不明である点。

(2)相違点についての判断
上記相違点1’について検討すると、上記相違点1についてと同様に、引用発明1’において上記相違1’に係る本願発明2の構成とする動機づけがあるとはいえない。
また、相違点2’について検討すると、上記相違点2についてと同様に、引用文献3及び4に「軸方向に直交する平面に沿った歯先面に対して、噛合面を所定の傾斜角度で交差させた歯部に係る技術的事項」が記載されているとしても、引用発明1’に引用文献3及び4に記載された技術的事項を適用する動機づけがあるとはいえない。さらに、上記相違点2’に係る本願発明2の構成により、本願発明2は第一部材に対して第二部材を、第二部材に対して第三部材を回転させるように力を加えることによって、第一係合部材、第二係合部材、および第三係合部材が互いに隔離して締結解除状態となるという作用効果を奏するものである。
以上のことからすると、引用発明1’をして相違点1’及び2’に係る本願発明2の構成とすることは、当業者といえども、容易に想到することができたということはできない。
したがって、本願発明2は、当業者であっても、引用発明1’及び引用文献3及び4に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

3.本願発明3について
本願発明3は、本願発明1または2を減縮した発明であるから、本願発明1または2と同様の理由により、当業者であっても、引用発明1及び周知技術に基いて、または、引用発明2並びに引用文献1に記載された技術的事項及び周知技術に基いて、容易に発明をすることができたものとはいえない。

4.本願発明4について
本願発明4は、本願発明1の締結装置を備えた可動構造体に係る発明であるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明1及び周知技術に基いて、または、引用発明2並びに引用文献1に記載された技術的事項及び周知技術に基いて、容易に発明をすることができたものとはいえない。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明1ないし4は、当業者が、引用発明1及び周知技術に基いて、引用発明2並びに引用文献1に記載された技術的事項及び周知技術に基いて、あるいは、引用発明1’及び周知技術に基いて、容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-07-19 
出願番号 特願2015-160054(P2015-160054)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (F16B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 熊谷 健治  
特許庁審判長 大町 真義
特許庁審判官 藤田 和英
田村 嘉章
発明の名称 締結装置および可動構造体  
代理人 福井 仁  
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