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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1353736
審判番号 不服2018-2476  
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-02-21 
確定日 2019-07-24 
事件の表示 特願2016-551702「検索エリアを評価する方法」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 2月 9日国際公開、WO2017/020184、平成29年10月 5日国内公表、特表2017-529710〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2015年(平成27年)7月31日を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成28年 8月12日:手続補正書
平成29年 7月27日:拒絶理由通知
平成29年 9月26日:意見書、手続補正書
平成29年11月30日:拒絶査定
平成30年 2月21日:拒絶査定不服審判請求
平成30年 2月21日:手続補正書

第2 平成30年2月21日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成30年2月21日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1 本件補正の内容
平成30年2月21日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、平成29年9月26日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし25を、本件補正による特許請求の範囲の請求項1ないし25に補正するものであり、本件補正は、請求項1に係る次の補正事項を含むものである(下線は補正箇所を示す。)。

(補正前の請求項1)
【請求項1】
ビデオを符号化する検索エリアを評価する方法であって、
無人航空機に搭載された画像取得デバイスによって、ビデオフレーム構成要素を含むビデオを取得するステップと、
前記無人航空機の環境についての情報を前記無人航空機に搭載された1つ又は複数のセンサから取得するステップと、
前記情報に基づいて前記ビデオフレーム構成要素に関連付けられたオプティカルフロー場データを生成するステップと、
前記オプティカルフロー場データに基づいて検索エリアを変更又は維持するステップとを含む、方法。

(補正後の請求項1)
【請求項1】
ビデオを符号化する検索エリアを評価する方法であって、
無人航空機に搭載された画像取得デバイスによって、ビデオフレーム構成要素を含むビデオを取得するステップと、
前記画像取得デバイスのヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の周りの回転についての少なくとも1つの情報を、前記無人航空機に搭載された1つ又は複数のセンサから取得するステップと、
前記情報に基づいて前記ビデオフレーム構成要素に関連付けられたオプティカルフロー場データを生成するステップと、
前記オプティカルフロー場データに基づいて検索エリアを変更又は維持するステップとを含む、方法。

2 補正の適合性
(1)補正の目的について
請求項1に係る補正は、補正前の「前記無人航空機の環境についての情報を前記無人航空機に搭載された1つ又は複数のセンサから取得するステップ」という記載を、補正後の「前記画像取得デバイスのヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の周りの回転についての少なくとも1つの情報を、前記無人航空機に搭載された1つ又は複数のセンサから取得するステップ」という記載とする補正である。
当該補正は、補正前の「前記無人航空機の環境についての情報」を、「前記画像取得デバイスのヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の周りの回転についての少なくとも1つの情報」と下位概念化するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正といえる。
そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は変わるものではなく、同一であるといえるから、請求項1に係る補正は、特許法第17条の2第5項第2号の規定に該当するものである。

(2)補正の範囲及び単一性について
請求項1に係る補正は、国際出願日における国際特許出願の明細書若しくは図面(図面の中の説明に限る。)の翻訳文、国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の翻訳文又は国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明を除く。)(以下、翻訳文等という。)の段落0030、0032、0033、0035、0048、0052、0053、0100、0110及び0120の記載に基づくものである。
よって、請求項1に係る補正は、翻訳文等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第17条の2第3項の規定に適合するものである。

また、請求項1に係る補正は、上記のとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正であるから、本件補正前の請求項1に記載された発明と、本件補正後の請求項1に記載された発明は、発明の単一性の要件を満たすものといえ、請求項1に係る補正は、特許法第17条の2第4項の規定に適合するものである。

(3)独立特許要件について
以上のように、請求項1に係る補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正であるから、本件補正後の請求項1に記載された発明が、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について以下に検討する。

(3-1)本願補正発明
本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)は、次のとおりのものである。
なお、本願補正発明の各構成の符号は、説明のために当審において付与したものであり、以下、構成A?構成Eと称する。

(本願補正発明)
(A)ビデオを符号化する検索エリアを評価する方法であって、
(B)無人航空機に搭載された画像取得デバイスによって、ビデオフレーム構成要素を含むビデオを取得するステップと、
(C)前記画像取得デバイスのヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の周りの回転についての少なくとも1つの情報を、前記無人航空機に搭載された1つ又は複数のセンサから取得するステップと、
(D)前記情報に基づいて前記ビデオフレーム構成要素に関連付けられたオプティカルフロー場データを生成するステップと、
(E)前記オプティカルフロー場データに基づいて検索エリアを変更又は維持するステップとを含む、
(A)方法。

(3-2)引用文献の記載事項
ア 引用文献1
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1である特開2008-104181号公報には、「センサ支援ビデオ圧縮」(発明の名称)に関し、図面とともに次に掲げる事項が記載されている。
なお、下線は、強調のために当審で付したものである。

(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオデータ圧縮に関し、特に、自動車用デジタルビデオシステムおよび対応する方法に関する。」

(イ)「【0058】
(詳細な説明)
図1は、本発明に従うビデオシステム100の例示的な実施形態を示す。車両において、コントローラエリアネットワーク(CAN)バスまたはFlexRayバスのようなデジタルバスライン142は、様々な電気制御ユニット、アクチュエータ(図示せず)、センサ130?132などを接続するために使用される。一方、記録媒体165に/からビデオデータを記録/再生するためのビデオエンコーダ110、ビデオデコーダ150、および/または記録媒体のようなマルチメディアコンポーネントは、MOST(メディア指向システムトランスポート)またはFireWire(IEEE1394)ネットワーク化規格に従って、専用マルチメディアバス141によって通信する。情報は、制御バス142とマルチメディアバス141とを相互接続するゲートウェイ145を介して、これら2つのサブシステムの間で交換され得る。ビデオエンコーダ110に直接接続されるビデオカメラ120は、車両に装着され、例えば、車両の前または後ろのエリアから画像を提供する。このシステムは、ビデオデコーダ150に接続された表示ユニット155をさらに備え得る。
【0059】
ビデオエンコーダ110は、カメラからビデオ信号を受信し、そのビデオ信号を圧縮し、マルチメディアバス141に圧縮ビデオデータを出力する。ビデオエンコーダはまた、制御バス142およびゲートウェイ145を介して、様々なセンサ130?132によって提供される情報を受信する。ビデオエンコーダはビデオデータ圧縮に要求される動きベクトルの決定をスピードアップするために、例えば、受信したセンサ情報から車両の動きの現在の状態を再構成し得、この情報を用い得る。」

(ウ)「【0063】
図2は、本発明の実施形態に従うビデオエンコーダのブロック図である。ビデオデータ210は、通常、断片化ユニット215によって、複数のブロックに分割される。各ブロックは、次いで、予測ユニット260によって生成される予測ビデオ画像を減算するために、減算器220に供給される。予測誤差に対応する減算器の出力は、次いで、データ圧縮ユニット230に供給される。データ圧縮ユニット230は、圧縮ビデオデータ290を生成するために、直交変換、量子化、および可変長符号化を含む従来のデータ圧縮方法を適用し得る。予測ユニットは、メモリユニット250に格納された以前に符号化されたビデオブロックと、モデルユニット270によって提供された画像コンテンツの内部モデルとに基づいて、現在のビデオブロックを予測している。ローカルデコーダ240は、後にデコーダによって再構成される際に、画像のリファレンスコピーを提供するようにするために、データ圧縮ユニットおよび減算器によって実行された動作を基本的に逆に行う。モデルユニットは、モデルを入力ビデオデータ210と比較することと、光学フロー推定ユニット285からの光学フロー情報を適用することとによって、モデルをコンスタントに更新した状態で保つ。光学フロー推定ユニット285は、センサ130?132によって提供された情報280から車両の動きの現在の状態を再構成する。動きの現在の状態と既知のカメラパラメータとに基づいて、光学フロー推定ユニット285は、光学フローを推定し、次いで、その光学フローは、モデルユニット270に供給される。ビデオフレームを予測するために使用されるモデルの現在の状態を特徴付けるパラメータもまた、圧縮ビデオデータ290に含まれるようにするために、データ圧縮ユニット230に供給される。
【0064】
本発明の一実施形態に従うと、モデルユニットおよび予測ユニットは、連続するビデオ画像間の時間的相関関係を減らすために、動きの推定/補償技術を使用し得る。この目的のために、各ビデオ画像は、複数のブロックに分割され、各ブロック内の物体の見かけの動きを示す動きベクトルが決定され、ビデオフレームは、決定された動きベクトルに従って予測される。この場合、モデルパラメータは、動きベクトルの一式全体を備える。
【0065】
しかしながら、本発明は、動きの推定/補償に基づくビデオエンコーダに限定されない。その代わりに、ビデオ画像を予測する他のモデルも、パターン認識に基づくモデルを含んで使用され得る。パターン認識モデルにおいて、他の車両、路面標識、交通標識などの物体も認識され、追跡される。
【0066】
図3Aは、車両に装着されたビデオカメラによって撮られたビデオ画像を示す。ビデオカメラは、車両の前方のエリアに向けられており、このため、画像の左部分にある物体が画像の左下に向かって動き、右部分にある物体が右下に向かって動くようになる(図3Aの矢印)。
【0067】
図3Bは、図3Aと同じビデオカメラによって撮られたビデオ画像を示すが、車両が右手に曲がるのに追随している。この場合、ビデオ画像における物体の見かけの動きは、車両が真っ直ぐに進んでいるときと異なる。
【0068】
より一般的には、ビデオ画像における物体の見かけの動きは、その物体自身の固有の動きまたは距離を除くと、車両の動きの現在の状態に依存し、特に、車両の速度と進行方向に依存する。カメラの焦点距離および視野方向のような他のパラメータもまた、物体の見かけの動きを推定するために考慮されなくてはならない。しかしながら、これらのパラメータは、通常、固定され、既知であるものと考えられる。
【0069】
したがって、車両の動きの現在の状態および関連カメラパラメータが、既知の場合、カメラ視野内の物体の見かけの動きに関する結論は、導き出せ得る。本発明の特にアプローチすることは、車両の動きの現在の状態に関する知覚情報を利用することであり、これは、ビデオデータ圧縮に要する動きベクトルのようなモデルパラメータの決定をスピードアップするためである。
【0070】
車両の現在状態に関する情報は、複数のセンサによって提供され得、複数のセンサは、タコメータ、ステアリングホイールに取り付けられた角度センサなどのような任意の従来の車両のパーツか、あるいは加速度計、ジャイロスコープ、GPS受信機などのような追加センサかのいずれかである。
【0071】
これらのセンサのうちの少なくとも1つによって提供される情報から、車両の動きの現在の状態が、速度、進行方向、直線加速度、および半径方向加速度の点について、再構成され得る。利用可能なセンサ情報が、車両の動きの現在の状態を完全に再構成できない場合、速度および進行方向のような最も重要なパラメータは、残りのパラメータがデフォルト値、例えば、ゼロ加速度によって置換される間に、導出され得る。
【0072】
このようにして決定された車両の動きの現在の状態に基づいて、カメラ視野内の光学フローは、シンプルな幾何学的条件と、そのカメラ視野内の物体の距離および/または固有の動きに関する幾つかの仮定とを用いることによって推定され得る。カメラのフレームレートに依存して、視野内の物体のフレームごとの実際の変位(displacement)は、推定され得る。この情報は、さらに詳しく以下に説明されるようなビデオ圧縮をスピードアップするために使用され得る。」

(エ)「【0077】
本発明の一実施形態に従うと、ビデオ画像は、複数のブロックに分割される。各ブロックに対して、ブロックの見かけの動きを記述するベクトルは、車両の動きの現在の状態に従って決定される。これらのベクトルの全体は、カメラの動きによって生成される光学フローフィールドの表現を形成する。このような光学フローフィールドの例は、真っ直ぐの動きおよび右手に曲がる動きに対して、それぞれ図4Aおよび図4Bに示される。
【0078】
図5は、動きベクトルを決定する従来の方法と、本発明の一実施形態に従う方法との相違を示す。図5Aに示されるように、動きベクトルは、現在のビデオ画像と最適に合致するブロック平行移動(translation)をサーチするために、以前のビデオ画像の現在のブロック550を中心とするサーチ範囲510を定義することによって、従来のように決定される。アプリオリな情報は、画像物体530の見かけの動きに利用可能でないので、サーチ範囲は、物体の全ての可能な動きをカバーするように、十分大きくなる必要がある。したがって、多数の候補平行移動が、評価されなくてはならず、ピクセル差の値が、たとえ大きな数であっても、計算されなくてはならない。
【0079】
本発明に従うと、カメラの動きの現在の状態は、光学フローフィールドが、光学フロー推定ユニット285によって推定され得るようにするために、センサ情報280から導出され得る。ブロックの推定された光学フローベクトル570に基づいて、このブロック内の画像物体の実際の見かけの動きが、推定され得る。これは、図5Bに示されるように、サーチ範囲511は、推定される見かけの動き570に従って、このように定義され得る。画像物体530の実際の見かけの動きは、この推定からわずか(marginally)だけ逸脱することが期待され得、サーチ範囲は、推定570を中心とし得、より重要なことに、この範囲は、従来方法よりもかなり小さいこともあり得る。したがって、わずかの数の候補平行移動のみが、評価されなくてはならず、対応するピクセル差の値の小さな数のみが、計算されなければならない。これは、直接的に、エンコーダの性能が増加したことを意味する。このことによって、より安価なハードウェアコンポーネントから構築され得る。」

イ 引用文献2
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2である特開2009-212937号公報には、「無人移動体のデータ伝送装置および方法」に関し、図面とともに次に掲げる事項が記載されている。
なお、下線は、強調のために当審で付したものである。

(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、無人移動体のデータ伝送装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無人飛行機や無人車両あるいはロボットなど、無人移動体の研究開発は目覚しく、災害現場や人間が立ち入ることが困難な場所での監視活動等への適用が期待される。
【0003】
無人移動体とは、例えば、無人移動体に搭載されたカメラから取得したカメラ情報(画像情報)、センサから取得したセンサ情報(無人移動体の現在位置や進行速度、姿勢など)を、無人移動体から離れた場所に設置された地上装置へ伝送し、それらの情報を元に、地上装置のオペレータは遠隔操縦のための制御情報を地上装置から無人移動体へ伝送し、移動体の遠隔操縦を行うものである。無人移動体と地上装置との伝送には至近距離の場合は有線または無線通信が用いられるが、離れた環境下では無線通信に限られる(例えば、特許文献1参照)。」

(イ)「【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施形態の無人移動体のデータ伝送装置について図1から図5を参照して詳細に説明する。
【0016】
(構成の説明)
図1は、本発明の実施形態の無人移動体のデータ伝送装置のブロック構成図である。図2は、本発明の実施形態の無人移動体のデータ伝送装置の概念図である。本発明の実施形態の無人移動体のデータ伝送装置は、図1および図2に示すように、カメラ情報を無人移動体1から地上装置3へ伝送する移動体送信手段である移動体送信部21と、無人移動体1を移動制御するための制御情報を地上装置3から無人移動体1へ伝送する地上送信手段である地上送信部23とを備えた無人移動体1のデータ伝送装置2である。
【0017】
ここで、本発明の実施形態の特徴とするところは、地上装置3からの制御情報の受信レベルを評価する受信レベル評価手段である受信レベル評価部30と、この受信レベル評価部30の評価結果に基づいてカメラ情報の画像圧縮率または画像サイズを変更するカメラ情報変更手段である画像加工部25および符号化・変調部26とを備えたところにある。
【0018】
また、画像加工部25および符号化・変調部26は、評価結果が所定値以下の場合には、画像圧縮率を高める処理と画像サイズを縮小する処理とを併用して実施する。
【0019】
また、カメラ情報に含まれる情報の変化量を評価する変化量評価手段である変化量評価部27を備え、画像加工部25および符号化・変調部26は、変化量評価部27により変化量が小さいと評価された場合には、画像圧縮率を高める処理を画像サイズを縮小する処理に優先して実施し、変化量評価部27により変化量が大きいと評価された場合には、画像サイズを縮小する処理を画像圧縮率を高める処理に優先して実施する。
【0020】
このときに、画像圧縮率を高める処理を画像サイズを縮小する処理に優先して実施する際、あるいは、画像サイズを縮小する処理を画像圧縮率を高める処理に優先して実施する際の優先度合いが段階的に複数定められてパターン化されており、画像加工部25および符号化・変調部26は、変化量評価部27の評価結果に応じて複数のパターンの中からいずれかのパターンを選択する。
なお、カメラ情報および制御情報の送受信はTDD(Time Division
Duplex (時分割複信))を用いる。」

ウ 引用文献5
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献5である国際公開第2015/079470号には、「VIDEO CODING SYSTEM FOR IMAGES AND VIDEO FROM AIR OR SATELLITE PLATFORM ASSISTED BY SENSORS AND BY A GEOMETRIC MODEL OF THE SCENE」(仮訳:空中または衛星プラットフォームからの画像及びビデオのためのセンサ及びシーンの幾何学的モデルに支援されたビデオ符号化システム)に関し、図面とともに次に掲げる事項が記載されている。
なお、括弧内に当審で作成した仮訳を添付する。また、下線は、強調のために当審で付したものである。

(ア)「Abstract: The described system simultaneously uses an estimation of position and orientation of an image sensor and a geometric model of the scene, made available from a geographic database, to generate a coded flow of bits starting from a video sequence. Camera position and orientation data and geometric model of the scene are used by the video coding system to initialize the movement estimation. In particular, in the ground transmission scenario of video or images from air or satellite platforms, the estimation of camera position and attitude can be made available by the on-board navigation system.」
(要約:記載されたシステムは、画像センサの位置及び方向の推定及び地理的なデータベースから利用可能なシーンの幾何学的モデルを同時に使用して、ビデオシーケンスから始めて、ビットの符号化されたフローを生成する。カメラの位置及び方向のデータ及びシーンの幾何学的モデルは、動き推定を初期化するためにビデオ符号化システムによって使用される。特に、空中または衛星プラットフォームからのビデオまたは画像の地上伝送シナリオにおいて、カメラの位置および姿勢の推定は、搭載されたナビゲーションシステムによって利用可能とすることができる。)

(イ)「The present invention, herein below synthetically called "coding system", related to a digital system for compressing "sequences of overlapped photograms" to be used in acquisition scenarios from an "air or space platform" (balloons, air-models, drones, manned or unmanned aircrafts, rockets, satellites, manned orbiting space stations) . It is meant that two photograms are "overlapped" if portions of the image plane of one or the other are projections of objects from the same space coordinates. This condition is rather common in sequences of video photograms.」(明細書第1頁第7?15行目)
(以下で総合的に「符号化システム」と呼ばれる本発明は、「空中または空間プラットフォーム」(バルーン、空中モデル、ドローン、有人または無人の航空機、ロケット、衛星、有人軌道周回宇宙ステーション)からの取得シナリオで使用される「オーバーラップ写真のシーケンス」を圧縮するデジタルシステムに関するものである。一方または他方の画像プレーンの一部が同一空間座標からの物体の投影である場合には、2つの写真は「オーバーラップしている」ことを意味する。この条件は、ビデオ写真のシーケンスにおいてむしろ一般的である。)

(3-3)引用文献に記載された発明及び技術
ア 引用文献1に記載された発明
引用文献1に記載された発明を以下に認定する。

(ア)自動車用デジタルビデオシステムにおける方法について
上記(3-2)ア(ア)によれば、「本発明は、ビデオデータ圧縮に関し、特に、自動車用デジタルビデオシステムおよび対応する方法に関する」と記載されている。

以上によれば、引用文献1には、『ビデオデータ圧縮に関する自動車用デジタルビデオシステムにおける方法』の発明が記載されている。

(イ)ビデオ信号の受信について
上記(3-2)ア(イ)によれば、「ビデオシステム100の例示的な実施形態」として、「ビデオエンコーダ110に直接接続されるビデオカメラ120は、車両に装着され、例えば、車両の前または後ろのエリアから画像を提供する」ことが記載されている。
また、上記(3-2)ア(イ)によれば、「ビデオエンコーダ110は、カメラからビデオ信号を受信」することが記載されている。

以上によれば、引用文献1には、『ビデオエンコーダが、カメラからビデオ信号を受信することであって、ビデオシステムのビデオエンコーダに直接接続されるビデオカメラは、車両に装着され、車両の前または後ろのエリアから画像を提供すること』が記載されている。

(ウ)センサについて
上記(3-2)ア(イ)によれば、「ビデオエンコーダ110」は、「制御バス142およびゲートウェイ145を介して、様々なセンサ130?132によって提供される情報を受信」することが記載されている。
また、上記(3-2)ア(ウ)によれば、「車両の現在状態に関する情報」は、「複数のセンサによって提供」され、「複数のセンサ」は、「ジャイロスコープ」などのような「追加センサ」であると記載されている。

以上によれば、引用文献1には、『ビデオエンコーダが、制御バスおよびゲートウェイを介して、様々なセンサ130?132によって提供される情報を受信することであって、複数のセンサは、ジャイロスコープなどのような追加センサであること』が記載されている。

(エ)光学フローの推定について
上記(3-2)ア(ウ)によれば、「本発明の実施形態に従うビデオエンコーダ」において、「光学フロー推定ユニット285は、センサ130?132によって提供された情報280から車両の動きの現在の状態を再構成」し、「動きの現在の状態と既知のカメラパラメータとに基づいて、光学フロー推定ユニット285は、光学フローを推定」することが記載されている。
また、上記(3-2)ア(エ)によれば、「ビデオ画像は、複数のブロックに分割」され、「各ブロックに対して、ブロックの見かけの動きを記述するベクトルは、車両の動きの現在の状態に従って決定」され、「これらのベクトルの全体は、カメラの動きによって生成される光学フローフィールドの表現を形成する」ことが記載されている。

以上によれば、引用文献1には、『ビデオエンコーダの光学フロー推定ユニットが、センサ130?132によって提供された情報から車両の動きの現在の状態を再構成し、動きの現在の状態と既知のカメラパラメータとに基づいて、光学フローを推定することであって、ビデオ画像は、複数のブロックに分割され、各ブロックに対して、ブロックの見かけの動きを記述するベクトルが、車両の動きの現在の状態に従って決定され、これらのベクトルの全体が、カメラの動きによって生成される光学フローフィールドの表現を形成すること』が記載されている。

(オ)サーチ範囲について
上記(3-2)ア(ウ)によれば、「ビデオエンコーダ」の「モデルユニット」は、「動きの推定」技術を使用することが記載されている。
また、上記(3-2)ア(エ)によれば、「動きベクトルを決定する」方法について、「動きベクトルは、現在のビデオ画像と最適に合致するブロック平行移動(translation)をサーチするために、以前のビデオ画像の現在のブロック550を中心とするサーチ範囲510を定義する」ことによって、決定されることが記載されている。
また、上記(3-2)ア(エ)によれば、「カメラの動きの現在の状態は、光学フローフィールドが、光学フロー推定ユニット285によって推定され得るようにするために、センサ情報280から導出」され、「ブロックの推定された光学フローベクトル570に基づいて、このブロック内の画像物体の実際の見かけの動きが、推定」され、「サーチ範囲511は、推定される見かけの動き570」に従って、定義され、「サーチ範囲は、推定570を中心」とし、「わずかの数の候補平行移動のみが、評価」されることが記載されている。

以上によれば、引用文献1には、『ビデオエンコーダのモデルユニットが、動きの推定技術を使用することであって、動きベクトルは、現在のビデオ画像と最適に合致するブロック平行移動(translation)をサーチするために、以前のビデオ画像の現在のブロックを中心とするサーチ範囲を定義することによって決定され、ブロックの推定された光学フローベクトル570に基づいて、このブロック内の画像物体の実際の見かけの動きが推定され、サーチ範囲は、推定される見かけの動き570に従って定義され、サーチ範囲は、推定570を中心とし、わずかの数の候補平行移動のみが評価されること』が記載されている。

(カ)まとめ
以上によれば、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。引用発明の各構成については、以下、構成a?構成eと称する。

(引用発明)
(a)ビデオデータ圧縮に関する自動車用デジタルビデオシステムにおける方法であって、
(b)ビデオエンコーダが、カメラからビデオ信号を受信することであって、ビデオシステムのビデオエンコーダに直接接続されるビデオカメラは、車両に装着され、車両の前または後ろのエリアから画像を提供することと、
(c)ビデオエンコーダが、制御バスおよびゲートウェイを介して、様々なセンサ130?132によって提供される情報を受信することであって、複数のセンサは、ジャイロスコープなどのような追加センサであることと、
(d)ビデオエンコーダの光学フロー推定ユニットが、センサ130?132によって提供された情報から車両の動きの現在の状態を再構成し、動きの現在の状態と既知のカメラパラメータとに基づいて、光学フローを推定することであって、ビデオ画像は、複数のブロックに分割され、各ブロックに対して、ブロックの見かけの動きを記述するベクトルが、車両の動きの現在の状態に従って決定され、これらのベクトルの全体が、カメラの動きによって生成される光学フローフィールドの表現を形成することと、
(e)ビデオエンコーダのモデルユニットが、動きの推定技術を使用することであって、動きベクトルは、現在のビデオ画像と最適に合致するブロック平行移動(translation)をサーチするために、以前のビデオ画像の現在のブロックを中心とするサーチ範囲を定義することによって決定され、ブロックの推定された光学フローベクトル570に基づいて、このブロック内の画像物体の実際の見かけの動きが推定され、サーチ範囲は、推定される見かけの動き570に従って定義され、サーチ範囲は、推定570を中心とし、わずかの数の候補平行移動のみが評価されることとを含む、
(a)方法。

イ 引用文献2に記載された技術
上記(3-2)イ(ア)、(イ)によれば、引用文献2には、以下の技術(以下、「文献2技術」という。)が記載されていると認められる。

(文献2技術)
「無人飛行機などの無人移動体のデータ伝送装置において、無人移動体に搭載されたカメラから取得したカメラ情報(画像情報)の画像圧縮率または画像サイズを変更して、地上へ伝送する技術。」

ウ 引用文献5に記載された技術
上記(3-2)ウ(ア)、(イ)によれば、引用文献5には、以下の技術(以下、「文献5技術」という。)が記載されていると認められる。

(文献5技術)
「ドローン、無人の航空機などの空中または空間プラットフォームの符号化システムにおいて、オーバーラップ写真のシーケンスやビデオシーケンスを圧縮する技術。」

(3-4)対比
次に、本願補正発明と、引用発明を対比する。

ア 構成Aについて
構成aの「方法」は、「ビデオデータ圧縮」に関するものであり、構成eを含むものである。
また、構成eの「サーチ範囲」は、「現在のビデオ画像と最適に合致するブロック平行移動(translation)をサーチするため」の範囲であるから、構成eの「わずかの数の候補平行移動のみが評価される」ことは、「サーチ範囲」が「評価される」ことといえる。

構成aの「ビデオデータ圧縮」は、構成Aの「ビデオを符号化する」ことに相当する。
また、構成eの「サーチ範囲」は、構成Aの「検索エリア」に相当するから、「サーチ範囲」が「評価される」ことは、構成Aの「検索エリアを評価する」ことに相当する。

したがって、本願補正発明と引用発明は、「ビデオを符号化する検索エリアを評価する方法」である点で一致する。

イ 構成Bについて
構成bの「ビデオエンコーダ」は、「カメラからビデオ信号を受信」するものであり、構成bの「ビデオカメラ」は、「ビデオエンコーダに直接接続」され、「車両に装着」され、「画像」を提供するものであるから、構成bの「ビデオエンコーダ」は、「車両に装着」された「ビデオカメラ」によって提供される「画像」を「ビデオ信号」として受信するといえる。

構成bの「車両」は、構成Bの「無人航空機」と、「移動体」である点で共通する。
また、構成bの「ビデオカメラ」は、構成Bの「画像取得デバイス」に相当する。
よって、構成bの「車両に装着」された「ビデオカメラ」は、構成Bの「無人航空機に搭載された画像取得デバイス」と、「移動体に搭載された画像取得デバイス」である点で共通する。

構成bの「画像」は、「ビデオカメラ」が提供するものであるから、ビデオのフレームである構成要素といえる。
また、構成bの「ビデオ信号」は、構成bの「画像」を含むものといえる。
よって、構成bの「ビデオ信号」は、構成Bの「ビデオフレーム構成要素を含むビデオ」に相当し、構成bの「ビデオエンコーダ」が、「画像」を「ビデオ信号」として受信することは、構成Bの「ビデオフレーム構成要素を含むビデオを取得する」ことに相当する。

したがって、本願補正発明と引用発明は、「移動体に搭載された画像取得デバイスによって、ビデオフレーム構成要素を含むビデオを取得するステップ」を含む点で共通する。
ただし、「移動体」が、本願補正発明では、「無人航空機」であるのに対し、引用発明では、「車両」である点で、両発明は相違する。

ウ 構成Cについて
構成cの「ビデオエンコーダ」は、「様々なセンサ130?132によって提供される情報を受信」するものであり、「複数のセンサは、ジャイロスコープなどのような追加センサ」であるから、「ジャイロスコープ」は、「センサ130?132」のうちの1つのセンサであるといえる。
よって、構成cの「ビデオエンコーダ」は、「ジャイロスコープ」によって提供される情報を受信するものといえる。
また、「センサ130?132によって提供された情報」は、「車両の動きの現在の状態を再構成」する(構成d)ために用いられるものであるから、構成cの「センサ130?132」のうちの1つのセンサである「ジャイロスコープ」は、構成bの「車両」に搭載されたものといえる。

上記イで述べたとおり、構成bの「車両」は、構成Cの「無人航空機」と、「移動体」である点で共通する。
よって、構成bの「車両」に搭載された、構成cの「センサ130?132」のうちの1つのセンサである「ジャイロスコープ」は、構成Cの「前記無人航空機に搭載された1つ又は複数のセンサ」と、「前記移動体に搭載された1つ又は複数のセンサ」である点で共通する。

「ジャイロスコープ」が、「ヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の周りの回転についての少なくとも1つの情報」を提供するものであることは、センサの分野における技術常識である。
また、上述のとおり、構成cの「ジャイロスコープ」は、構成bの「車両」に搭載されたものといえ、構成bの「ビデオカメラ」は、「車両に装着」されるものであるから、構成cの「ジャイロスコープ」は、構成bの「ビデオカメラ」の「ヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の周りの回転についての少なくとも1つの情報」を提供するものといえる。
また、上記イで述べたとおり、構成bの「ビデオカメラ」は、構成Cの「画像取得デバイス」に相当する。
よって、構成cの「ビデオエンコーダ」が、「ジャイロスコープ」によって提供される情報を受信することは、構成Cと、「前記画像取得デバイスのヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の周りの回転についての少なくとも1つの情報を、前記移動体に搭載された1つ又は複数のセンサから取得する」点で共通する。

したがって、本願補正発明と引用発明は、「前記画像取得デバイスのヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の周りの回転についての少なくとも1つの情報を、前記移動体に搭載された1つ又は複数のセンサから取得するステップ」を含む点で共通する。
ただし、上記イで述べたとおり、「移動体」が、本願補正発明では、「無人航空機」であるのに対し、引用発明では、「車両」である点で、両発明は相違する。

エ 構成Dについて
構成dの「ビデオエンコーダ」の「光学フロー推定ユニット」は、「センサ130?132によって提供された情報」から、「ビデオ画像」の複数のブロックの見かけの動きを記述するベクトル全体である「光学フローフィールド」を推定するものである。

構成dの「センサ130?132によって提供された情報」は、構成Dの「前記情報」に相当する。
また、構成dの「ビデオ画像」は、構成bの「ビデオカメラ」が提供する「画像」といえ、上記イで述べたとおり、構成bの「ビデオカメラ」が提供する「画像」は、「ビデオフレーム構成要素」といえるから、構成dの「ビデオ画像」は、構成Dの「前記ビデオフレーム構成要素」に相当する。
また、構成dの「光学フローフィールド」は、「ビデオ画像」の複数のブロックの見かけの動きを記述するベクトル全体であるから、構成Dの「前記ビデオフレーム構成要素に関連付けられたオプティカルフロー場データ」に相当する。

以上によれば、構成dの「ビデオエンコーダ」の「光学フロー推定ユニット」が、「センサ130?132によって提供された情報」から、「ビデオ画像」の複数のブロックの見かけの動きを記述するベクトル全体である「光学フローフィールド」を推定することは、構成Dの「前記情報に基づいて前記ビデオフレーム構成要素に関連付けられたオプティカルフロー場データを生成する」ことに相当する。

したがって、本願補正発明と引用発明は、「前記情報に基づいて前記ビデオフレーム構成要素に関連付けられたオプティカルフロー場データを生成するステップ」を含む点で一致する。

オ 構成Eについて
構成eの「ビデオエンコーダ」の「モデルユニット」は、動きベクトル決定のための「サーチ範囲」を定義し、「ブロックの推定された光学フローベクトル570に基づいて、このブロック内の画像物体の実際の見かけの動き」を推定し、「推定される見かけの動き570」に従って「サーチ範囲」を定義し、「サーチ範囲」を「推定570を中心」とするものである。

構成eの「ブロックの推定された光学フローベクトル570」は、構成dの「光学フローフィールド」に含まれるベクトルといえ、上記エで述べたとおり、構成dの「光学フローフィールド」は、構成Dの「オプティカルフロー場データ」に相当するから、構成eの「ブロックの推定された光学フローベクトル570」は、構成Eの「前記オプティカルフロー場データ」に相当する。

構成eの「サーチ範囲」は、構成Eの「検索エリア」に相当する。
また、構成eの「ビデオエンコーダ」の「モデルユニット」が、「ブロックの推定された光学フローベクトル570に基づいて、このブロック内の画像物体の実際の見かけの動き」を推定し、「推定される見かけの動き570」に従って「サーチ範囲」を定義し、「サーチ範囲」を「推定570を中心」とすることは、「光学フローベクトル570」に基づいて「サーチ範囲」を「変更」することといえる。
また、「光学フローベクトル570」が0ベクトルである場合に、定義された「サーチ範囲」が、変更されずに維持されることは、当業者にとって明らかである。
よって、構成eの「ビデオエンコーダ」の「モデルユニット」が、「ブロックの推定された光学フローベクトル570に基づいて、このブロック内の画像物体の実際の見かけの動き」を推定し、「推定される見かけの動き570」に従って「サーチ範囲」を定義し、「サーチ範囲」を「推定570を中心」とすることは、構成Eの「前記オプティカルフロー場データに基づいて検索エリアを変更又は維持する」ことに相当する。

したがって、本願補正発明と引用発明は、「前記オプティカルフロー場データに基づいて検索エリアを変更又は維持するステップ」を含む点で一致する。

カ まとめ
以上によれば、本願補正発明と引用発明の一致点及び相違点は、以下のとおりである。

[一致点]
(A)ビデオを符号化する検索エリアを評価する方法であって、
(B’)移動体に搭載された画像取得デバイスによって、ビデオフレーム構成要素を含むビデオを取得するステップと、
(C’)前記画像取得デバイスのヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の周りの回転についての少なくとも1つの情報を、前記移動体に搭載された1つ又は複数のセンサから取得するステップと、
(D)前記情報に基づいて前記ビデオフレーム構成要素に関連付けられたオプティカルフロー場データを生成するステップと、
(E)前記オプティカルフロー場データに基づいて検索エリアを変更又は維持するステップとを含む、
(A)方法。

[相違点]
「移動体」が、本願補正発明では、「無人航空機」(構成B、構成C)であるのに対し、引用発明では、「車両」である点。

(3-5)判断
上記相違点について検討する。

上記(3-3)イ、ウの文献2技術及び文献5技術に見られるように、無人航空機において、画像やビデオの符号化を行うことは周知技術である。
よって、引用発明の方法を、「車両」に対して適用することに代えて、当該周知技術のように、「無人航空機」に対して適用することにより、相違点に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

(3-6)請求人の主張について
請求人は、審判請求書において、「引用文献1には、車両動き情報が、本願発明の「画像取得デバイスのヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の周りの回転についての少なくとも1つの情報」であることは開示も示唆もされていません」と主張している。
しかしながら、上記(3-4)ウで述べたとおり、「ジャイロスコープ」が、「ヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の周りの回転についての少なくとも1つの情報」を提供するものであることは、センサの分野における技術常識であり、構成cの「ジャイロスコープ」は、構成bの「ビデオカメラ」の「ヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の周りの回転についての少なくとも1つの情報」を提供するものといえるから、請求人の主張は採用することができない。

(3-7)効果等について
本願補正発明の構成は、上記のとおり当業者が容易に想到できたものであるところ、本願補正発明が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が容易に予測し得る範囲内のものであり、同範囲を超える顕著なものではない。

(3-8)まとめ
以上のように、本願補正発明は、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。

3 むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反してなされたものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成30年2月21日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成29年9月26日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし25に記載された事項により特定されるものであり、そのうち、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記第2の1に示した(補正前の請求項1)に記載された事項により特定されるとおりのものである。

2 原査定における拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、概略、以下のとおりである。

この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


1.特開2008-104181号公報
2.特開2009-212937号公報(周知技術を示す文献)
5.国際公開第2015/079470号(周知技術を示す文献)

3 引用発明
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1、2、5の記載事項は、上記第2の2(3-2)に示したとおりであり、引用文献1に記載された発明(引用発明)は、上記第2の2(3-3)アに認定したとおりである。

4 対比、判断
本願発明は、上記第2の1の(補正後の請求項1)で限定された「前記画像取得デバイスのヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の周りの回転についての少なくとも1つの情報」という発明特定事項を、「前記無人航空機の環境についての情報」と上位概念化したものである。

そうすると、本願発明を下位概念化したものに相当する本願補正発明が上記第2の2(3)に記載したとおり、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願は、その余の請求項について検討するまでもなく、拒絶をすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2019-02-27 
結審通知日 2019-02-28 
審決日 2019-03-13 
出願番号 特願2016-551702(P2016-551702)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04N)
P 1 8・ 575- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 赤穂 州一郎  
特許庁審判長 鳥居 稔
特許庁審判官 渡辺 努
坂東 大五郎
発明の名称 検索エリアを評価する方法  
代理人 内藤 和彦  
代理人 阿部 豊隆  
代理人 稲葉 良幸  
代理人 大貫 敏史  
代理人 江口 昭彦  
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