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審決分類 審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  C09J
審判 全部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  C09J
審判 全部申し立て 2項進歩性  C09J
審判 全部申し立て ただし書き3号明りょうでない記載の釈明  C09J
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C09J
審判 全部申し立て 判示事項別分類コード:857  C09J
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C09J
管理番号 1354068
異議申立番号 異議2017-700767  
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-09-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-08-07 
確定日 2019-06-27 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6076395号発明「紫外線硬化型樹脂組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6076395号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?16〕について訂正することを認める。 特許第6076395号の請求項1、3、4、6、9?11、15、16に係る特許を維持する。 特許第6076395号の請求項2、5、7、8、12?14に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6076395号の請求項1ないし16に係る特許についての出願は、2012年(平成24年)10月19日(優先権主張 2011年(平成23年)10月21日、日本国(JP))を国際出願日とする特願2013-521329号の一部を、特許法第44条第1項の規定により平成25年11月6日に特願2013-230123号として分割し、さらに、同法同条同項の規定によりこの出願の一部を平成27年2月12日に特願2015-24906号として分割し、さらに、同法同条同項の規定によりこの出願の一部を平成27年5月1日に新たな特許出願として分割したものであり、平成29年1月20日にその特許権の設定登録がされ、同年2月8日に特許掲載公報が発行され、その後、その特許について、同年8月7日に特許異議申立人林誠一(以下、「異議申立人」という。)により特許異議の申立てがなされたものである。
その後の手続の経緯は以下のとおりである。
平成29年11月20日付け 取消理由通知
平成30年 1月19日 訂正請求・意見書提出(特許権者)
同年 2月 1日付け 訂正拒絶理由通知
同年 3月 2日 手続補正書・意見書提出(特許権者)
同年 4月20日 意見書提出(異議申立人)
同年 5月15日付け 訂正拒絶理由通知
(応答期間内に特許権者からの応答はなされなかった。)
同年 8月20日付け 取消理由通知(決定の予告)
同年10月12日 訂正請求・意見書提出(特許権者)
平成31年 1月17日 意見書提出(異議申立人)
同年 2月 8日付け 訂正拒絶理由通知
同年 3月15日 手続補正書・意見書提出(特許権者)

なお、平成30年1月19日にした訂正請求は、特許法第120条の5第7項の規定により、取り下げられたものとみなす。
また、以下、平成30年10月12日に提出された訂正請求書を「本件訂正請求書」といい、本件訂正請求書による訂正の請求を「本件訂正請求」といい、本件訂正請求による訂正を「本件訂正」という。

第2 訂正請求について
1.訂正の内容
本件訂正は、特許第6076395号の特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?16について訂正することを求めるものであり、その訂正の具体的な内容は、以下の訂正事項1?14からなるものである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を、下記[訂正前の請求項1]から[訂正後の請求項1]に訂正する(請求項1を直接又は間接的に引用する請求項2?4、6、9?12及び14?16も同様に訂正する)。
[訂正前の請求項1]
「[請求項1]
(メタ)アクリレート(A)、光重合開始剤(B)及び柔軟化成分を含有する紫外線硬化型樹脂組成物であって、
前記(メタ)アクリレート(A)として、
(i)ウレタン(メタ)アクリレート又はポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレートの少なくとも何れか一方を、及び
(ii)(メタ)アクリレートモノマーとして、アクリロイルモルホリン、ジシクロペンテニルアクリレート及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種の環状骨格を有する(メタ)アクリレートを10重量%以上で、
含み、
デュロメータ硬度計(タイプE)を用いて測定した測定値が10未満である、光学基材の貼り合わせ用紫外線硬化型樹脂組成物。」
[訂正後の請求項1]
「[請求項1]
(メタ)アクリレート(A)、光重合開始剤(B)及び柔軟化成分を含有する紫外線硬化型樹脂組成物であって、
前記(メタ)アクリレート(A)として、
(i)重量平均分子量が7000?25000であって、多価アルコール、イソホロンジイソシアネート及びヒドロキシC2?C4アルキル(メタ)アクリレートの3者の反応物であるウレタン(メタ)アクリレートを、及び
(ii)(メタ)アクリレートモノマーとして、アクリロイルモルホリン、ジシクロペンテニルアクリレート及びジシクロペンタニルアクリレートからなる群から選択される少なくとも1種の環状骨格を有する(メタ)アクリレート、及び、
(iii)(メタ)アクリレートモノマーとして、炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレートを含み、
前記の炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレートがイソオクチルアクリレート、イソアミルアクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチルアクリレート及びトリデシル(メタ)アクリレートであり、
前記の紫外線硬化型樹脂組成物中における、ウレタン(メタ)アクリレートの重量割合が30?70重量%であり、(メタ)アクリレートモノマーの重量割合が10?50重量%であり、光重合開始剤(B)の重量割合が0.3?3重量%であり、前記の紫外線硬化型樹脂組成物の総量に対して、ウレタン(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリレートモノマーの合計含量が40?80重量%である、光学基材の貼り合わせ用紫外線硬化型樹脂組成物。
但し、前記のウレタン(メタ)アクリレートは、ラクトン変性されたものを除く。」

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を、下記[訂正前の請求項2]から[訂正後の請求項2]に訂正する(請求項2を直接又は間接的に引用する請求項3、4、6、9?12及び14?16も同様に訂正する)。
[訂正前の請求項2]
「[請求項2]
前記(メタ)アクリレートモノマーとして、
(iii)炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレート又は水酸基を有する炭素数1?5のアルキル(メタ)アクリレートを含む、請求項1に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。」
[訂正後の請求項2]
「[請求項2]
前記(メタ)アクリレートモノマーとして、
(iii)炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレート又は水酸基を有する炭素数1?5のアルキル(メタ)アクリレートを含む、請求項1に記載の紫外線硬化型樹脂組成物であって、
前記水酸基を有する炭素数1?5のアルキル(メタ)アクリレートが、4-ヒドロキシブチルアクリレートである、請求項1に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。」

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3を、下記[訂正前の請求項3]から[訂正後の請求項3]に訂正する(請求項3を直接又は間接的に引用する請求項4、6、9?12及び14?16も同様に訂正する)。
[訂正前の請求項3]
「[請求項3]
前記柔軟化成分として、下記一般式(1)の構造を有する化合物であるか、又は一般式(1)化合物以外に、ポリイソプレン骨格、ポリブタジエン骨格又はキシレン骨格を有するポリマー又はオリゴマー及びそのエステル化物、フタル酸エステル類、リン酸エステル類、グリコールエステル類、クエン酸エステル類、脂肪族二塩基酸エステル類、脂肪酸エステル類、エポキシ系可塑剤、ヒマシ油類、テルペン系水素添加樹脂及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれるものを含む、請求項1又は2に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
[化1]

(式中、nは0?40の整数、mは10?50の整数を示し、R^(1)およびR^(2)はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、R^(1)及びR^(2)は炭素数1?18のアルキル基、炭素数2?18のアルケニル基、炭素数2?18のアルキニル基又は炭素数6?18のアリール基である。)」
[訂正後の請求項3]
「[請求項3]
前記柔軟化成分として、下記一般式(1)の構造を有する化合物、ポリイソプレン骨格、ポリブタジエン骨格又はキシレン骨格を有するポリマー又はオリゴマー及びそのエステル化物、フタル酸エステル類、リン酸エステル類、グリコールエステル類、クエン酸エステル類、脂肪族二塩基酸エステル類、脂肪酸エステル類、エポキシ系可塑剤、ヒマシ油類、テルペン系水素添加樹脂及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれるものを含む、請求項1又は2に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
[化1]

(式中、nは0?40の整数、mは10?50の整数を示し、R^(1)およびR^(2)はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、R^(1)及びR^(2)は炭素数1?18のアルキル基、炭素数2?18のアルケニル基、炭素数2?18のアルキニル基又は炭素数6?18のアリール基である。)」

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4を、下記[訂正前の請求項4]から[訂正後の請求項4]に訂正する(請求項4を直接又は間接的に引用する請求項6、9?12及び14?16も同様に訂正する)。
[訂正前の請求項4]
「[請求項4]
前記柔軟化成分として、下記一般式(1)の構造を有する化合物であるか、又は一般式(1)化合物以外に、脂肪族二塩基酸エステル類又はテルペン系水素添加樹脂を含む、請求項1?3のいずれか1項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
[化2]

(式中、nは0?40の整数、mは10?50の整数を示し、R^(1)およびR^(2)はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、R^(1)及びR^(2)は炭素数1?18のアルキル基、炭素数2?18のアルケニル基、炭素数2?18のアルキニル基又は炭素数6?18のアリール基である。)」
[訂正後の請求項4]
「[請求項4]
前記柔軟化成分として、下記一般式(1)の構造を有する化合物、脂肪族二塩基酸エステル類又はテルペン系水素添加樹脂を含む、請求項1?3のいずれか1項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
[化2]

(式中、nは0?40の整数、mは10?50の整数を示し、R^(1)およびR^(2)はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、R^(1)及びR^(2)は炭素数1?18のアルキル基、炭素数2?18のアルケニル基、炭素数2?18のアルキニル基又は炭素数6?18のアリール基である。)」

(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5を、削除する。

(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項6を、下記[訂正前の請求項6]から[訂正後の請求項6]に訂正する(請求項6を直接又は間接的に引用する請求項9?12及び14?16も同様に訂正する)。
[訂正前の請求項6]
「[請求項6]
前記(メタ)アクリレート(A)として、
(i)重量平均分子量が7000?25000であって、多価アルコール、ポリイソシアネート及びヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートの反応により得られるウレタン(メタ)アクリレートを含む、請求項1?5のいずれか1項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。」
[訂正後の請求項6]
「[請求項6]
前記(メタ)アクリレート(A)として、
(i)重量平均分子量が7000?25000であって、ポリC2-C4アルキレングリコール、イソホロンジイソシアネート及びヒドロキシC2?C4アルキル(メタ)アクリレートの3者の反応物であるウレタン(メタ)アクリレートを含む、請求項1?4のいずれか1項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。」

(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項7を、削除する。

(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項8を、削除する。

(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項9における「請求項1?8のいずれか1項に記載の」との文言を、「請求項1?4、6のいずれか1項に記載の」と訂正する(請求項9を直接又は間接的に引用する請求項10?12及び14?16も同様に訂正する)。

(10)訂正事項10
特許請求の範囲の請求項11における「請求項1?10のいずれか1項に記載の」との文言を、「請求項1?4、6、9?10のいずれか1項に記載の」と訂正する(請求項11を直接又は間接的に引用する請求項12及び14?16も同様に訂正する)。

(11)訂正事項11
特許請求の範囲の請求項12を、下記[訂正前の請求項12]から[訂正後の請求項12]に訂正する(請求項12を直接又は間接的に引用する請求項14?16も同様に訂正する)。
[訂正前の請求項12]
「[請求項12]
前記(メタ)アクリレートモノマーとして、
(iii)炭素数10?20のアルキル(メタ)アクリレート又は水酸基を有する炭素数1?5のアルキル(メタ)アクリレートを含有する請求項1?11のいずれか1項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。」
[訂正後の請求項12]
「[請求項12]
前記(メタ)アクリレートモノマーとして、
(iii)炭素数10?20のアルキル(メタ)アクリレート又は水酸基を有する炭素数1?5のアルキル(メタ)アクリレートを含有する請求項1?4、6、9?11のいずれか一項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物であって、
前記炭素数10?20のアルキル(メタ)アクリレートがイソオクチルアクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチルアクリレート及びトリデシル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
前記水酸基を有する炭素数1?5のアルキル(メタ)アクリレートが、4-ヒドロキシブチルアクリレートである、紫外線硬化型樹脂組成物。」

(12)訂正事項12
特許請求の範囲の請求項13を、削除する。

(13)訂正事項13
特許請求の範囲の請求項14を、下記[訂正前の請求項14]から[訂正後の請求項14]に訂正する(請求項14を直接又は間接的に引用する請求項15及び16も同様に訂正する)。
[訂正前の請求項14]
「[請求項14]
前記光学基材が、アクリル板及びその他の光学基材である、請求項1?13のいずれか1項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。」
[訂正後の請求項14]
「[請求項14]
前記光学基材が、PET、PC、PMMA、PCとPMMAの複合体、ガラス、COC、COP及びアクリル樹脂を材質とする透明板又はシートである、請求項1?4、6、9?12のいずれか1項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。」

(14)訂正事項14
特許請求の範囲の請求項15における「請求項1?14のいずれか1項に記載の」との文言を、「請求項1?4、6、9?12、14のいずれか1項に記載の」と訂正する(請求項15を引用する請求項16も同様に訂正する)。

2.補正の内容
平成31年3月15日に提出された手続補正書(以下、「本件手続補正書」という。)による手続補正(以下、「本件補正」という。)は、本件訂正請求書の「7 請求の理由」の欄及び「訂正特許請求の範囲」を補正するものであって、その内容は以下のとおりである。
(1)訂正事項1の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(2)の「ア 訂正事項1」の[訂正後の請求項1]を以下のとおりに補正する。
「[請求項1]
(メタ)アクリレート(A)、光重合開始剤(B)及び柔軟化成分を含有する紫外線硬化型樹脂組成物であって、
前記(メタ)アクリレート(A)として、
(i)重量平均分子量が7000?25000であって、多価アルコール、イソホロンジイソシアネート及びヒドロキシC2?C4アルキル(メタ)アクリレートの3者の反応物であるウレタン(メタ)アクリレートを、及び
(ii)(メタ)アクリレートモノマーとして、アクリロイルモルホリン、ジシクロペンテニルアクリレート及びジシクロペンタニルアクリレートからなる群から選択される少なくとも1種の環状骨格を有する(メタ)アクリレートを10重量%以上で、及び、
(iii)(メタ)アクリレートモノマーとして、炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレートを含み、
前記の炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレートがラウリル(メタ)アクリレートであり、
前記の紫外線硬化型樹脂組成物中における、ウレタン(メタ)アクリレートの重量割合が30?70重量%であり、(メタ)アクリレートモノマーの重量割合が10?50重量%であり、光重合開始剤(B)の重量割合が0.3?3重量%であり、
前記の紫外線硬化型樹脂組成物の総量に対して、ウレタン(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリレートモノマーの合計含量が40?80重量%であり、
デュロメータ硬度計(タイプE)を用いて測定した測定値が10未満である、
光学基材の貼り合わせ用紫外線硬化型樹脂組成物。
但し、前記のウレタン(メタ)アクリレートは、ラクトン変性されたものを除く。」

(2)訂正事項2の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(2)の「イ 訂正事項2」を以下のとおりに補正する。
「特許請求の範囲の請求項2を、削除する。」

(3)訂正事項3の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(2)の「ウ 訂正事項3」の[訂正後の請求項3]を以下のとおりに補正する。
「[請求項3]
前記柔軟化成分として、下記一般式(1)の構造を有する化合物、ポリイソプレン骨格、ポリブタジエン骨格又はキシレン骨格を有するポリマー又はオリゴマー及びそのエステル化物、フタル酸エステル類、リン酸エステル類、グリコールエステル類、クエン酸エステル類、脂肪族二塩基酸エステル類、脂肪酸エステル類、エポキシ系可塑剤、ヒマシ油類、テルペン系水素添加樹脂及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれるものを含む、請求項1に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
[化1]

(式中、nは0?40の整数、mは10?50の整数を示し、R^(1)およびR^(2)はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、R^(1)及びR^(2)は炭素数1?18のアルキル基、炭素数2?18のアルケニル基、炭素数2?18のアルキニル基又は炭素数6?18のアリール基である。)」

(4)訂正事項4の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(2)の「エ 訂正事項4」の[訂正後の請求項4]を以下のとおりに補正する。
当審注:本件手続補正書の第2頁(下から3行)には、「請求項1又は3に記載の」と記載されているが、本件手続補正書に添付された補正後の訂正特許請求の範囲の対応箇所には、「請求項1又は3のいずれか1項に記載の」と記載されているから、前者の記載は誤記であり、後者の記載のとおりに補正しようとするものと判断した。
「[請求項4]
前記柔軟化成分として、下記一般式(1)の構造を有する化合物、脂肪族二塩基酸エステル類又はテルペン系水素添加樹脂を含む、請求項1又は請求項3のいずれか1項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
[化2]

(式中、nは0?40の整数、mは10?50の整数を示し、R^(1)およびR^(2)はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、R^(1)及びR^(2)は炭素数1?18のアルキル基、炭素数2?18のアルケニル基、炭素数2?18のアルキニル基又は炭素数6?18のアリール基である。)」

(5)訂正事項6の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(2)の「カ 訂正事項6」の[訂正後の請求項6]を以下のとおりに補正する。
「[請求項6]
前記(メタ)アクリレート(A)として、
(i)重量平均分子量が7000?25000であって、ポリC2-C4アルキレングリコール、イソホロンジイソシアネート及びヒドロキシC2?C4アルキル(メタ)アクリレートの3者の反応物であるウレタン(メタ)アクリレートを含む、請求項1、3?4のいずれか1項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。」

(6)訂正事項9の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(2)の「ケ 訂正事項9」を以下のとおりに補正する。
「 特許請求の範囲の請求項9における「請求項1?8のいずれか1項に記載の」との文言を、「請求項1、3?4、6のいずれか1項に記載の」と訂正する。」

(7)訂正事項10の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(2)の「コ 訂正事項10」を以下のとおりに補正する。
「 特許請求の範囲の請求項11における「請求項1?10のいずれか1項に記載の」との文言を、「請求項1、3?4、6、9?10のいずれか1項に記載の」と訂正する。」

(8)訂正事項11の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(2)の「サ 訂正事項11」を以下のとおりに補正する。
「特許請求の範囲の請求項12を、削除する。」

(9)訂正事項13の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(2)の「ス 訂正事項13」を以下のとおりに補正する。
「特許請求の範囲の請求項14を、削除する。」

(10)訂正事項14の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(2)の「セ 訂正事項14」を以下のとおりに補正する。
「 特許請求の範囲の請求項15における「請求項1?14のいずれか1項に記載の」との文言を、「請求項1、3?4、6、9?11のいずれか1項に記載の」と訂正する。」

(11)対応表の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(2)の「ソ 訂正前後の請求項の対応表」を以下のとおりに補正する。
「 本訂正請求における訂正前後の請求項の対応を以下に示す。



(12)訂正事項1の訂正の理由の(a)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「イ 訂正事項1 (ア)」の「(a)」を以下のとおりに補正する。
「(a)訂正の目的について
訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1における、(メタ)アクリレート(A)を、それぞれ特定のウレタン(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリレートモノマーの構成に減縮するものである。すなわち、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1の紫外線硬化型樹脂組成物中における、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレートモノマー、光重合開始剤の各重量割合、及び、紫外線硬化型樹脂組成物の総量に対する、ウレタン(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリレートモノマーの合計含量を追記し、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
さらに、訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1に「但し、前記のウレタン(メタ)アクリレートは、ラクトン変性されたものを除く。」との追記により、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。」

(13)訂正事項1の訂正の理由の(b)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「イ 訂正事項1 (ア)」の「(b)」を以下のとおりに補正する。
「(b)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記(a)の理由から明らかなように、訂正事項1は、(メタ)アクリレート(A)として、(i)ウレタン(メタ)アクリレートに減縮し、さらにウレタン(メタ)アクリレートを「重量平均分子量が7000?25000であって、多価アルコール、イソホロンジイソシアネート及びヒドロキシC2?C4アルキル(メタ)アクリレートの3者の反応物である」と、より下位の構成に減縮し、また、(メタ)アクリレートモノマーとして(ii)環状骨格を有する(メタ)アクリレート、及び(iii)炭素数5?20のアルキルメタアクリレートとしてラウリル(メタ)アクリレートを含む構成に減縮したものである。
また、紫外線硬化型樹脂組成物中における、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレートモノマー、及び光重合開始剤のそれぞれの重量割合を明確にしたものである。
また、紫外線硬化型樹脂組成物の総量に対する、ウレタン(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリレートモノマーの合計含量を明確にしたものである。
さらに、訂正事項1は、ウレタン(メタ)アクリレートから、ラクトン変性されたものを除くことにより、ウレタン(メタ)アクリレートを、さらに減縮するものである。
前記のとおり、訂正事項1は、ウレタン(メタ)アクリレートから、ラクトン変性されたものを除くことにより、ウレタン(メタ)アクリレートを、さらに減縮するものである。
前記のとおり、訂正事項1は、発明特定事項の減縮、及び明瞭でない記載の釈明を目的とし、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。

(14)訂正事項1の訂正の理由の(c)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「イ 訂正事項1 (ア)」の「(c)」を以下のとおりに補正する。
「(c)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1中、(メタ)アクリレート(A)を、「重量平均分子量が7000?25000であって、多価アルコール、イソホロンジイソシアネート及びヒドロキシC2?C4アルキル(メタ)アクリレートの3者の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート」とする訂正は、段落[0031]、[0032]、[0034]、[0036]及び[0084]の記載に基づく構成である。すなわち、段落[0031]及び[0084]の記載に基づき(メタ)アクリレート(A)をウレタン(メタ)アクリレートに限定し、段落[0032]の「多価アルコール、ポリイソシアネート及びヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートの3者」において、ポリイソシアネートを段落[0084]の記載に基づき「イソホロンジイソシアネート」に減縮し、また、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを段落[0084]の2-ヒドロキシエチルアクリレートを含む構成として、段落[0034]の記載に基づき「ヒドロキシC2?C4アルキル(メタ)アクリレート」に減縮し、さらに段落[0036]に基づきウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量を7000?25000に限定したものである。
また、(ii)(メタ)アクリレートモノマーの構成からジシクロペンタニルメタクリレートを削除したものである。
また、「(iii)(メタ)アクリレートモノマーとして、炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレートを含み」との構成は、段落[0084]の紫外線硬化型樹脂組成物の構成に基づく減縮であり、さらに、炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレートを、段落[0040]の中からラウリル(メタ)アクリレートに限定したものである。
また、紫外線硬化型樹脂組成物中における、ウレタン(メタ)アクリレートの重量割合が30?70重量%であり、」(メタ)アクリレートモノマーの重量割合が10?50重量%であり、光重合開始剤(B)の重量割合が0.3?3重量%である、との減縮は、本件特許の段落[0037]、[0043]及び[0051]の記載に基づくものである。
また、紫外線硬化型樹脂組成物の総量に対して、ウレタン(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリレートモノマーの合計含量が40?80重量%である、との減縮は、本件特許の段落[0043]の記載の(当審注:「の」は、本件手続補正書(第6頁8行)の記載のとおり。)基づくものである。
また、前記ウレタン(メタ)アクリレートが、ラクトン変性されたものを含まないことを明確にし、且つ、その構成を減縮したものである。
前記のとおり、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。」

(15)訂正事項2の訂正の理由の(a)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「ウ 訂正事項2 (ア)」の「(a)」を以下のとおりに補正する。
「(a)訂正の目的について
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項2を削除するものである。すなわち、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。」

(16)訂正事項2の訂正の理由の(b)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「ウ 訂正事項2 (ア)」の「(b)」を以下のとおりに補正する。
「(b)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
前記のとおり、訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項2を削除するものであり、発明特定事項の減縮を目的とし、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。」

(17)訂正事項2の訂正の理由の(c)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「ウ 訂正事項2 (ア)」の「(c)」を以下のとおりに補正する。
「(c)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
前記の通り、訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項2を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。」

(18)訂正事項2の訂正の理由の(d)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「ウ 訂正事項2 (ア)」の「(d)」を以下のとおりに補正する。
「(d) 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
本件においては、訂正事項2により、特許請求の範囲の請求項2は削除されているので、請求項2に係る訂正事項2に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は適用されない。」

(19)訂正事項3の訂正の理由の(a)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「エ 訂正事項3 (ア)」の「(a)」を以下のとおりに補正する。
「(a)訂正の目的について
訂正事項3は、訂正前の特許請求の範囲の請求項3を前記の訂正事項2により削除した、訂正前の請求項2を引用しないものとした上で、の(当審注:「の」は、本件手続補正書(第7頁12行)の記載のとおりであるが、「その」の意と解される。)柔軟化成分の記載から、「であるか、又は一般式(1)化合物以外に」との文言を削除し、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。」

(20)訂正事項3の訂正の理由の(c)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「エ 訂正事項3 (ア)」の「(c)」を以下のとおりに補正する。
「(c)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件明細書」という。)中には、「前記柔軟化成分として、下記一般式(1)の構造を有する化合物、ポリイソプレン骨格、ポリブタジエン骨格又はキシレン骨格を有するポリマー又はオリゴマー及びそのエステル化物、フタル酸エステル類、リン酸エステル類、グリコールエステル類、クエン酸エステル類、脂肪族二塩基酸エステル類、脂肪酸エステル類、エポキシ系可塑剤、ヒマシ油類、テルペン系水素添加樹脂及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれるものを含む」との文言は記載されていない。しかし、以下に記載の理由から、この訂正は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
本件明細書の段落[0058]には、「本発明の紫外線硬化型樹脂組成物には、必要に応じて上記以外の柔軟化成分を使用することができる。」と記載されている。すなわち、本件明細書において、柔軟化成分は段落[0058]に対して「上記」されており、段落[0058]に記載の柔軟化成分は、その「上記以外」の柔軟化成分である。本件明細書中、段落[0058]よりも前の段落において、例えば、「(メタ)アクリレート(A)」や「光重合開始剤(B)」のように、成分の分類名が記載されていない化合物は、段落[0054]?[0057]に記載の一般式(1)で示される構造を有する化合物(以下、「一般式(1)化合物」という。)のみである。すなわち、一般式(1)化合物は、一義的に「上記」されている柔軟化成分に相当する。
また、「必要に応じて上記以外の柔軟化成分」、すなわち、「一般式(1)化合物以外の柔軟化成分」を「使用することができる。」のであるから、一般式(1)化合物と、一般式(1)化合物以外の柔軟化成分とは、同列に選択使用可能である。
前記のとおり、訂正事項3は、明瞭でない記載の釈明を目的とし、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。」

(21)訂正事項4の訂正の理由の(a)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「オ 訂正事項4 (ア)」の「(a)」を以下のとおりに補正する。
「(a)訂正の目的について
訂正事項4は、訂正前の特許請求の範囲の請求項4を前記の訂正事項2により削除した、訂正前の請求項2を引用しないものとした上で、柔軟化成分の記載から、「であるか、又は一般式(1)化合物以外に」との文言を削除し、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。」

(22)訂正事項4の訂正の理由の(c)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「オ 訂正事項4 (ア)」の「(c)」を以下のとおりに補正する。
「(c)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件明細書」という。)中には、「前記柔軟化成分として、下記一般式(1)の構造を有する化合物、脂肪族二塩基酸エステル類又はテルペン系水素添加樹脂を含む」との文言は記載されていない。しかし、上記「ウ 訂正事項3 (c)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること」に記載したのと同じ理由から、訂正事項4は、明瞭でない記載の釈明を目的とし、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。」

(23)訂正事項5の訂正の理由の(c)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「カ 訂正事項5 (ア)」の「(c)」を以下のとおりに補正する。
「(c)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
前記のとおり、訂正事項5は、特許請求の範囲の請求項5を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。」

(24)訂正事項6の訂正の理由の(a)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「キ 訂正事項6 (ア)」の「(a)」を以下のとおりに補正する。
「(a)訂正の目的について
訂正事項6は、訂正前の特許請求の範囲の請求項6を、前記の訂正事項2及び訂正事項5により削除した、訂正前の請求項2及び請求項5を引用しないものとし、また、多価アルコールをポリC2-C4アルキレングリコールに、ポリイソシアネートをイソホロンジイソシアネートに、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートをヒドロキシC2?C4アルキル(メタ)アクリレートにそれぞれ減縮し、さらに「の反応により得られる」との記載を削除し、「3者の反応物である」を追記するものである。すなわち、訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」、及び、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。」

(25)訂正事項6の訂正の理由の(c)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「キ 訂正事項6 (ア)」の「(c)」を以下のとおりに補正する。
「(c)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項6中、多価アルコールをポリC2-C4アルキレングリコールと、ポリイソシアネートをイソホロンジイソシアネートと、また、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートをヒドロキシC2?C4アルキル(メタ)アクリレートとする訂正は、本件明細書の段落[0032]と、段落[0071]、段落[0084]、または段落[0034]の記載に基づく構成である。すなわち、段落[0032]の「多価アルコール、ポリイソシアネート及びヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートの3者」において、多価アルコールを段落[0071](A3)に基づき「ポリC2-C4アルキレングリコール」に、ポリイソシアネートを段落[0084]の記載に基づき「イソホロンジイソシアネート」に、また、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを段落[0034]の記載に基づき「ヒドロキシC2?C4アルキル(メタ)アクリレート」に、それぞれ減縮したものである。
前記のとおり、訂正事項6は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の補正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。」

(26)訂正事項7の訂正の理由の(c)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「ク 訂正事項7 (ア)」の「(c)」を以下のとおりに補正する。
「(c)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
前記のとおり、訂正事項7は、特許請求の範囲の請求項7を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。」

(27)訂正事項8の訂正の理由の(c)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「ケ 訂正事項8 (ア)」の「(c)」を以下のとおりに補正する。
「(c)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
前記のとおり、訂正事項8は、特許請求の範囲の請求項8を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。」

(28)訂正事項9の訂正の理由の(a)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「コ 訂正事項9 (ア)」の「(a)」を以下のとおりに補正する。
「(a)訂正の目的について
訂正事項9は、訂正前の特許請求の範囲の請求項9を、前記の訂正事項2、5、7、8により削除した、訂正前の請求項2,5、7、8を引用しないものとするのであるから、訂正事項9は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。」

(29)訂正事項9の訂正の理由の(c)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「コ 訂正事項9 (ア)」の「(c)」を以下のとおりに補正する。
「(c)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
前記(a)の理由から、訂正事項9は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。」

(30)訂正事項10の訂正の理由の(a)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「サ 訂正事項10 (ア)」の「(a)」を以下のとおりに補正する。
「(a)訂正の目的について
訂正事項10は、訂正前の特許請求の範囲の請求項11を、前記の訂正事項2、5、7、8により削除した、訂正前の請求項2,5、7、8を引用しないものとするのであるから、訂正事項10は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。」

(31)訂正事項10の訂正の理由の(c)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「サ 訂正事項10 (ア)」の「(c)」を以下のとおりに補正する。
「(c)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
前記(a)の理由から、訂正事項10は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。」

(32)訂正事項11の訂正の理由の(a)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「シ 訂正事項11 (ア)」の「(a)」を以下のとおりに補正する。
「(a)訂正の目的について
訂正事項11は、訂正前の特許請求の範囲の請求項12を削除するものである。すなわち、訂正事項11は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。」

(33)訂正事項11の訂正の理由の(b)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「シ 訂正事項11 (ア)」の「(b)」を以下のとおりに補正する。
「(b)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
前記のとおり、訂正事項11は、特許請求の範囲の請求項12を削除するものであり、発明特定事項の減縮を目的とし、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。」

(34)訂正事項11の訂正の理由の(c)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「シ 訂正事項11 (ア)」の「(c)」を以下のとおりに補正する。
「(c)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
前記のとおり、訂正事項11は、特許請求の範囲の請求項12を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。」

(35)訂正事項11の訂正の理由の(d)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「シ 訂正事項11 (ア)」の「(d)」を以下のとおりに補正する。
「(d) 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
前記のとおり、訂正事項11により、特許請求の範囲の請求項12は削除されているので、請求項12に係る訂正事項11に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は適用されない。」

(36)訂正事項12の訂正の理由の(c)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「ス 訂正事項12 (ア)」の「(c)」を以下のとおりに補正する。
「(c)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
前記のとおり、訂正事項12は、特許請求の範囲の請求項13を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。」

(37)訂正事項13の訂正の理由の(a)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「セ 訂正事項13 (ア)」の「(a)」を以下のとおりに補正する。
「(a)訂正の目的について
訂正事項13は、訂正前の特許請求の範囲の請求項14を削除するものである。すなわち、訂正事項13は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。」

(38)訂正事項13の訂正の理由の(b)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「セ 訂正事項13 (ア)」の「(b)」を以下のとおりに補正する。
「(b)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
前記のとおり、訂正事項13は、特許請求の範囲の請求項14を削除するものであり、発明特定事項の減縮を目的とし、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。」

(39)訂正事項13の訂正の理由の(c)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「セ 訂正事項13 (ア)」の「(c)」を以下のとおりに補正する。
「(c)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
前記のとおり、訂正事項13は、特許請求の範囲の請求項14を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。」

(40)訂正事項13の訂正の理由の(d)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「セ 訂正事項13 (ア)」の「(d)」を以下のとおりに補正する。
「(d)特許出願の際に独立して特許を受けることができること
前記のとおり、訂正事項13により、特許請求の範囲の請求項14は削除されているので、請求項14に係る訂正事項13に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は適用されない。」

(41)訂正事項14の訂正の理由の(a)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「ソ 訂正事項14 (ア)」の「(a)」を以下のとおりに補正する。
「(a)訂正の目的について
訂正事項14は、訂正前の特許請求の範囲の請求項15を、前記の訂正事項2、5、7、8、11?13により削除した、訂正前の請求項2,5、7、8、12?14を引用しないものとするのであるから、訂正事項13は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。」

(42)訂正事項14の訂正の理由の(c)の補正
本件訂正請求書における「7 請求の理由」(3)の「ソ 訂正事項14 (ア)」の「(c)」を以下のとおりに補正する。
「(c)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
前記(a)の理由から、訂正事項14は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。」

(43)訂正特許請求の範囲の補正
本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲を、本件手続補正書に添付した訂正特許請求の範囲のとおりに補正する。

3.本件補正の適否
(1)要旨変更の有無について
特許法第120条の5第9項で準用する同法第131条の2第1項は、訂正請求書の補正は、その要旨を変更するものであってはならないものと規定しているが、同項第1号により、請求の理由についてされるときはこの限りでないと規定されているから、訂正請求書の「請求の趣旨」の補正について、要旨の変更が認められていないといえる。そして、「請求の趣旨」の要旨を変更する補正とは、「請求の趣旨」の記載を変更することによって、補正前後で請求の基礎である「訂正を申し立てている事項」の同一性や範囲を変更することである。ここで、「請求の趣旨」は、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲を引用することにより、請求の内容を記載しているから、訂正特許請求の範囲の記載は、訂正請求における「請求の趣旨」と一体不可分のものであり、そうすると、訂正特許請求の範囲を補正することも、「請求の趣旨の補正」として扱われることとなる。
また、特許法第131条の2の趣旨は、審理対象の拡張変更による審理遅延を防止することにあると解されるところ、訂正事項の同一性に変更があっても、例えば、ある請求項の訂正事項を当該請求項の削除という訂正事項に変更する補正及びそれに整合させるための訂正明細書等についての訂正事項の補正、並びに請求項の削除という訂正事項を追加する補正及びそれに整合させるための訂正明細書等についての訂正事項の補正は、審理遅延を生じさせるものではないから、訂正請求書の請求の趣旨の要旨を変更するものとは取り扱わない。
この点を踏まえて、本件補正について検討する。

(2)訂正事項1の補正(第2 2.(1))について
ア 訂正事項1の補正の具体的内容
上記第2 1.(1)「訂正事項1」に記載した内容と、同2.(1)「訂正事項1の補正」に記載した内容とを合わせると、訂正事項1の補正は、具体的には以下の補正事項1?補正事項3を含むものである。
補正事項1:本件訂正請求書の「7 請求の理由」(2)の「ア 訂正事項1」の[訂正後の請求項1]において、
「(ii)・・・環状骨格を有する(メタ)アクリレート、」と記載されているのを、
「(ii)・・・環状骨格を有する(メタ)アクリレートを10重量%以上で、」と補正する。

補正事項2:本件訂正請求書の「7 請求の理由」(2)の「ア 訂正事項1」の[訂正後の請求項1]において、
「である、光学基材の貼り合わせ用紫外線硬化型樹脂組成物。」と記載されているのを、「であり、
デュロメータ硬度計(タイプE)を用いて測定した測定値が10未満である、
光学基材の貼り合わせ用紫外線硬化型樹脂組成物。」と補正する。

補正事項3:本件訂正請求書の「7 請求の理由」(2)の「ア 訂正事項1」の[訂正後の請求項1]において、
「前記の炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレートがイソオクチルアクリレート、イソアミルアクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチルアクリレート及びトリデシル(メタ)アクリレートであり、」と記載されているのを、
「前記の炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレートがラウリル(メタ)アクリレートであり、」と補正する。

イ 補正事項1について
上記第2 1.(1)「訂正事項1」に記載したとおり、本件訂正請求書の訂正事項1は、訂正前の請求項1に「10重量%以上」と記載されていた成分(ii)単独の含有割合を削除する訂正を含むものであるところ、補正事項1は、この訂正を行わないこととする補正である。かかる補正は、訂正事項1の一部を削除することにより、訂正を求める範囲を変更するものであるが、審理の対象をなくすことは審理遅延を生じさせるものではない。
したがって、補正事項1は許容される。

ウ 補正事項2について
上記第2 1.(1)「訂正事項1」に記載したとおり、本件訂正請求書の訂正事項1は、訂正前の請求項1に記載されていた「デュロメータ硬度計(タイプE)を用いて測定した測定値が10未満である」という発明特定事項を削除する訂正を含むものであるところ、補正事項2は、当該訂正を行わないこととする補正である。かかる補正は、訂正事項1の一部を削除することにより、訂正を求める範囲を変更するものであるが、審理の対象をなくすことは審理遅延を生じさせるものではない。
したがって、補正事項2は許容される。

エ 補正事項3について
上記第2 1.(1)「訂正事項1」に記載したとおり、本件訂正請求書の訂正事項1は、訂正後の請求項1において、訂正前の請求項1には記載されていなかった成分(iii)を必須成分として含むこと、すなわち「(iii)(メタ)アクリレートモノマーとして、炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレートを含み、
前記の炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレートがイソオクチルアクリレート、イソアミルアクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチルアクリレート及びトリデシル(メタ)アクリレート」であることを特定する訂正を含む。
これに対し、補正事項3は、本件訂正請求書の訂正事項1により必須成分とする成分(iii)の具体的な化合物の記載を、
「イソオクチルアクリレート、イソアミルアクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチルアクリレート及びトリデシル(メタ)アクリレート」から、「ラウリル(メタ)アクリレート」に補正するものである。
かかる補正は、外形的には補正の前後における成分(iii)を変更するもののようにも見えるが、本件明細書の実施例等の記載を参酌すれば、当審が通知した平成29年11月20日付け取消理由通知の理由3(サポート要件)及び平成30年8月20日付け取消理由通知の理由3(サポート要件)にも記載したように、本件発明1における必須成分(iii)としては、実質的には「ラウリル(メタ)アクリレート」しか示されていないことが明らかであり、それを前提とした審理も行われている。
そうすると、上記補正は審理遅延を生じさせるものではないから、訂正請求書の請求の趣旨の要旨を変更するものとは取り扱わない。
したがって、補正事項3は許容される。

オ 訂正事項1の補正のまとめ
よって、訂正事項1の補正(第2 2.(1))は許容される。

(3)訂正事項2の補正(第2 2.(2))について
当該補正は、請求項2に係る訂正事項2を、請求項2の削除という訂正事項に変更する補正である。かかる補正は、審理遅延を生じさせるものではないから、訂正請求書の請求の趣旨の要旨を変更するものとは取り扱わない。
よって、訂正事項2の補正(第2 2.(2))は許容される。

(4)訂正事項3、4、6、9及び10の補正(第2 2.(3)?同(7))について
これらの補正は、訂正事項2の補正により請求項2が削除されることに伴い、補正前に請求項2を引用していた請求項3、4、6、9及び10の記載を、いずれも請求項2を引用しない記載に改めることにより、上記訂正事項の記載を整合させるための補正である。かかる補正は、審理遅延を生じさせるものではないから、訂正請求書の請求の趣旨の要旨を変更するものとは取り扱わない。
よって、訂正事項3、4、6、9及び10の補正(第2 2.(3)?同(7))はいずれも許容される。

(5)訂正事項11及び13の補正(第2 2.(8)及び同(9))について
これらの補正は、請求項12、14に係る訂正事項11、13を、それぞれ請求項12、14の削除という訂正事項に変更する補正である。かかる補正は、審理遅延を生じさせるものではないから、訂正請求書の請求の趣旨の要旨を変更するものとは取り扱わない。
よって、訂正事項11及び13の補正(第2 2.(8)及び同(9))はいずれも許容される。

(6)訂正事項14の補正(第2 2.(10))について
当該補正は、訂正事項2、11及び13の補正により請求項2、12及び14が削除されることに伴い、補正前に請求項2、12及び14を引用していた請求項15の記載を、請求項2、12及び14を引用しない記載に改めることにより、訂正事項14の記載を整合させるための補正である。かかる補正は、審理遅延を生じさせるものではないから、訂正請求書の請求の趣旨の要旨を変更するものとは取り扱わない。
よって、訂正事項14の補正(第2 2.(10))は許容される。

(7)対応表の補正(第2 2.(11))について
当該補正は、上記訂正事項1?4、6、9?11、13及び14の補正に伴い、対応表の記載を補正後の内容に整合させるための補正である。かかる補正は、審理遅延を生じさせるものではないから、訂正請求書の請求の趣旨の要旨を変更するものとは取り扱わない。
よって、対応表の補正(第2 2.(11))は許容される。

(8)訂正事項1の訂正の理由の補正(第2 2.(12)?同(14))について
これらの補正は、上記訂正事項1の補正(第2 2.(1))に伴い、対応する訂正事項1の訂正の理由の記載を整合させるための補正(第2 2.(12)?同(14))である。
また、上記第2 2.(14)の補正は、本件訂正請求書の「7 請求の理由」(3)の「イ 訂正事項1 (ア)」の「(c)」における「第126条第6項」という記載が、文脈上明らかに「第126条第5項」の誤記であったと解されるところ、当該誤記を本来の記載に正すための補正を含むものであるが、かかる補正は訂正事項の同一性や範囲を実質的に変更するものではない。
よって、訂正事項1の訂正の理由の補正(第2 2.(12)?同(14))はいずれも許容される。

(9)訂正事項2の訂正の理由の補正(第2 2.(15)?同(18))について
これらの補正は、上記訂正事項2の補正(第2 2.(2))に伴い、対応する訂正事項2の訂正の理由の記載を整合させるための補正(第2 2.(15)?同(18))である。
また、上記第2 2.(17)の補正は、本件訂正請求書の「7 請求の理由」(3)の「ウ 訂正事項2 (ア)」の「(c)」における「第126条第6項」という記載が、文脈上明らかに「第126条第5項」の誤記であったと解されるところ、当該誤記を本来の記載に正すための補正を含むものであるが、かかる補正は訂正事項の同一性や範囲を実質的に変更するものではない。
よって、訂正事項2の訂正の理由の補正(第2 2.(15)?同(18))はいずれも許容される。

(10)訂正事項3、4、6、9及び10の訂正の理由の「(a)」の補正(第2 2.(19)、同(21)、同(24)、同(28)及び同(30))について
これらの訂正事項の訂正の理由の「(a)」の補正は、上記訂正事項2の補正(第2 2.(2))に伴い、対応する各訂正事項の訂正の理由の「(a)」の記載を整合させるための補正である。かかる補正は、審理遅延を生じさせるものではないから、訂正請求書の請求の趣旨の要旨を変更するものとは取り扱わない。
よって、上記各訂正事項の訂正の理由の「(a)」の補正(第2 2.(19)、同(21)、同(24)、同(28)及び同(30))はいずれも許容される。

(11)訂正事項3?10、13及び14の訂正の理由の「(c)」の補正(第2 2.(20)、同(22)、同(23)、同(25)?同(27)、同(29)、同(31)、同(36)及び同(42))について
これらの訂正事項の訂正の理由の「(c)」の補正は、「第126条第6項」という記載が、文脈上明らかに「第126条第5項」の誤記であったと解されるところ、当該誤記を本来の記載に正すための補正であるが、かかる補正は訂正事項の同一性や範囲を実質的に変更するものではない。
よって、上記各訂正事項の訂正の理由の「(c)」の補正(第2 2.(20)、同(22)、同(23)、同(25)?同(27)、同(29)、同(31)、同(36)及び同(42))はいずれも許容される。

(12)訂正事項11及び13の訂正の理由の補正(第2 2.(32)?同(35)及び同(37)?(40))について
これらの補正は、上記訂正事項11及び13の補正(第2 2.(8)及び同(9))に伴い、対応する訂正事項11及び13の訂正の理由の記載をそれぞれ整合させるための補正(第2 2.(32)?同(35)及び同(37)?(40))である。
また、上記第2 2.(34)及び同(39)の補正は、本件訂正請求書の「7 請求の理由」(3)の「シ 訂正事項11 (ア)」の「(c)」及び同「セ 訂正事項13 (ア)」の「(c)における「第126条第6項」という記載が、文脈上明らかに「第126条第5項」の誤記であったと解されるところ、当該誤記を本来の記載に正すための補正を含むものであるが、かかる補正は訂正事項の同一性や範囲を実質的に変更するものではない。
よって、訂正事項11及び13の訂正の理由の補正(第2 2.(32)?同(35)及び同(37)?(40))はいずれも許容される。

(13)訂正事項14の訂正の理由の「(a)」の補正(第2 2.(41))について
訂正事項14の訂正の理由の「(a)」の補正(第2 2.(41))は、上記訂正事項2、11及び13の補正(第2 2.(2)、同(8)及び同(9))に伴い、対応する訂正事項14の訂正の理由の「(a)」の記載を整合させるための補正である。かかる補正は、審理遅延を生じさせるものではないから、訂正請求書の請求の趣旨の要旨を変更するものとは取り扱わない。
よって、訂正事項14の訂正の理由の「(a)」の補正(第2 2.(41))は許容される。

(14)本件補正の適否の判断
以上のとおり、本件補正の内容は、いずれも本件訂正請求書の要旨を変更するものではないから、本件補正は特許法第120条の5第9項において準用する同法第131条の2第1項の規定に適合する適法な補正である。
よって、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲を本件手続補正書に添付した訂正特許請求の範囲のとおりに補正することも許容される。
なお、以下、本件補正により補正された本件訂正請求書による訂正を「本件訂正(補正後)」等と記載することがある。

4.本件訂正(補正後)の適否
(1)本件訂正(補正後)の内容
上記第2 3.「本件補正の適否」のとおり、本件補正は認められるから、本件訂正(補正後)は、概略、以下の訂正事項1?14(補正後)からなるものである。

ア 訂正事項1(補正後)
特許請求の範囲の請求項1を、[訂正前の請求項1]から[訂正後の請求項1](補正後)に訂正する(請求項1を直接又は間接的に引用する請求項3、4、6、9?11、15及び16も同様に訂正する)。

イ 訂正事項2(補正後)
特許請求の範囲の請求項2を、削除する。

ウ 訂正事項3(補正後)
特許請求の範囲の請求項3を、[訂正前の請求項3]から[訂正後の請求項3](補正後)に訂正する(請求項3を直接又は間接的に引用する請求項4、6、9?11、15及び16も同様に訂正する)。

エ 訂正事項4(補正後)
特許請求の範囲の請求項4を、[訂正前の請求項4]から[訂正後の請求項4](補正後)に訂正する(請求項4を直接又は間接的に引用する請求項6、9?11、15及び16も同様に訂正する)。

オ 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5を、削除する。

カ 訂正事項6(補正後)
特許請求の範囲の請求項6を、[訂正前の請求項6]から[訂正後の請求項6](補正後)に訂正する(請求項6を直接又は間接的に引用する請求項9?11、15及び16も同様に訂正する)。

キ 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項7を、削除する。

ク 訂正事項8
特許請求の範囲の請求項8を、削除する。

ケ 訂正事項9(補正後)
特許請求の範囲の請求項9における「請求項1?8のいずれか1項に記載の」との文言を、「請求項1、3?4、6のいずれか1項に記載の」と訂正する(請求項9を直接又は間接的に引用する請求項10、11、15及び16も同様に訂正する)。

コ 訂正事項10(補正後)
特許請求の範囲の請求項11における「請求項1?10のいずれか1項に記載の」との文言を、「請求項1、3?4、6、9?10のいずれか1項に記載の」と訂正する(請求項11を直接又は間接的に引用する請求項15及び16も同様に訂正する)。

サ 訂正事項11(補正後)
特許請求の範囲の請求項12を、削除する。

シ 訂正事項12
特許請求の範囲の請求項13を、削除する。

ス 訂正事項13(補正後)
特許請求の範囲の請求項14を、削除する。

セ 訂正事項14(補正後)
特許請求の範囲の請求項15における「請求項1?14のいずれか1項に記載の」との文言を、「請求項1、3?4、6、9?11のいずれか1項に記載の」と訂正する(請求項15を引用する請求項16も同様に訂正する)。

なお、本件訂正(補正後)は、訂正事項1?14(補正後)に係る訂正前の請求項1?16について、請求項2?16は請求項1を直接又は間接的に引用する関係にあり、本件訂正(補正後)後の請求項1、3、4、6、9?11、15及び16は、訂正事項1?14(補正後)によって直接又は連動して訂正され、本件訂正(補正後)後の請求項2、5、7、8及び12?14は削除されているから、本件訂正(補正後)は一群の請求項1?16について請求されたものである。

(2)訂正事項1(補正後)について
ア 訂正の目的について
(ア)成分(i)について
訂正事項1(補正後)は、訂正前の請求項1に記載された(メタ)アクリレート(A)に含まれる成分(i)について、「(i)ウレタン(メタ)アクリレート又はポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレートの少なくとも何れか一方」のうち、「ポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレート」という選択肢を削除するとともに、「ウレタン(メタ)アクリレート」を、「重量平均分子量が7000?25000であって、多価アルコール、イソホロンジイソシアネート及びヒドロキシC2?C4アルキル(メタ)アクリレートの3者の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート」に限定する訂正を含み、当該訂正は成分(i)に相当する化合物の範囲を減縮する訂正に当たるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
請求項1の上記訂正に連動する請求項3、4、6、9?11、15及び16の訂正も、同様の理由により、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(イ)成分(ii)について
訂正事項1(補正後)は、訂正前の請求項1に記載された(メタ)アクリレート(A)に含まれる成分(ii)について、「(ii)(メタ)アクリレートモノマーとして、アクリロイルモルホリン、ジシクロペンテニルアクリレート及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種の環状骨格を有する(メタ)アクリレート」のうち、「ジシクロペンタニルメタアクリレート」の選択肢を削除する訂正を含み、当該訂正は成分(ii)に相当する化合物の範囲を減縮する訂正に当たるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
請求項1の上記訂正に連動する請求項3、4、6、9?11、15及び16の訂正も、同様の理由により、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(ウ)成分(iii)について
訂正事項1(補正後)は、(メタ)アクリレート(A)が、訂正前の請求項1には記載されていなかった成分(iii)を必須成分として含むこと、すなわち「(iii)(メタ)アクリレートモノマーとして、炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレートを含み、前記の炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレートがラウリル(メタ)アクリレート」であることを特定する訂正を含み、当該訂正は(メタ)アクリレート(A)の含有成分の組合せを訂正前より減縮する訂正に当たるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
請求項1の上記訂正に連動する請求項3、4、6、9?11、15及び16の訂正も、同様の理由により、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(エ)ウレタン(メタ)アクリレート及び光重合開始剤(B)の重量割合について
訂正事項1(補正後)は、訂正前には特定されていなかった、紫外線硬化型樹脂組成物中における成分(i)のウレタン(メタ)アクリレートの重量割合及び光重合開始剤(B)の重量割合を、それぞれ「30?70重量%」及び「0.3?3重量%」に特定する訂正を含み、当該訂正は請求項1に係る発明である紫外線硬化型樹脂組成物の成分組成を訂正前より減縮する訂正に当たるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
請求項1の上記訂正に連動する請求項3、4、6、9?11、15及び16の訂正も、同様の理由により、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(オ)(メタ)アクリレートモノマーの含有割合について
訂正事項1(補正後)は、成分(ii)の(メタ)アクリレートモノマーと、訂正により新たに追加される成分(iii)の(メタ)アクリレートモノマーとの合計で、「紫外線硬化型樹脂組成物中における・・・(メタ)アクリレートモノマーの重量割合が10?50重量%」であることを特定する訂正を含み、当該訂正は請求項1に係る発明である紫外線硬化型樹脂組成物の成分組成を訂正前より減縮する訂正に当たるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
請求項1の上記訂正に連動する請求項3、4、6、9?11、15及び16の訂正も、同様の理由により、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(カ)ウレタン(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリレートモノマーの合計含量について
訂正事項1(補正後)は、訂正前には特定されていなかった、紫外線硬化型樹脂中における「ウレタン(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリレートモノマーの合計含量」を「40?80重量%」に特定する訂正を含み、当該訂正は請求項1に係る発明である紫外線硬化型樹脂組成物の成分組成を訂正前より減縮する訂正に当たるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
請求項1の上記訂正に連動する請求項3、4、6、9?11、15及び16の訂正も、同様の理由により、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(キ)除外規定について
訂正事項1(補正後)は、訂正前には記載されていなかった、「但し、前記のウレタン(メタ)アクリレートは、ラクトン変性されたものを除く。」という事項を追加する訂正を含み、当該訂正は請求項1に係る発明である紫外線硬化型樹脂組成物の成分組成を訂正前より減縮する訂正に当たるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
請求項1の上記訂正に連動する請求項3、4、6、9?11、15及び16の訂正も、同様の理由により、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(ク)訂正の目的の適否のまとめ
以上のことから、訂正事項1(補正後)は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

新規事項の追加の有無及び特許請求の範囲の実質的拡張又は変更について
(ア)成分(i)について
訂正事項1(補正後)のうち、成分(i)の「ウレタン(メタ)アクリレート」を「重量平均分子量が7000?25000であって、多価アルコール、イソホロンジイソシアネート及びヒドロキシC2?C4アルキル(メタ)アクリレートの3者の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート」に限定する訂正は、本件明細書の[0036]における重量平均分子量の好ましい数値範囲、[0032]における「上記ウレタン(メタ)アクリレートは、多価アルコール、ポリイソシアネート及びヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートの3者を反応させることによって得られる。」という記載、[0033]における「有機ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート・・・等が挙げられる。」という記載、[0034]における「又、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、・・・等のヒドロキシC2?C4アルキル(メタ)アクリレート・・・等を使用することができる。」という記載、及び[0084]における実施例の記載等に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面(以下、「明細書等」ということがある。)に記載した事項の範囲内においてなされたものである。
また、成分(i)について訂正前の請求項1に記載されていた「ポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレート」という選択肢を削除する訂正が、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてなされたものであることも明らかである。
さらに、成分(i)の選択肢を削除する訂正、並びに「ウレタン(メタ)アクリレート」の重量平均分子量及び反応成分を減縮する訂正が、いずれも特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
加えて、請求項1の上記訂正に連動する請求項3、4、6、9?11、15及び16の訂正も、同様の理由により、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
よって、上記訂正は特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項に規定する要件を満たすものである。

(イ)成分(ii)について
訂正事項1(補正後)のうち、成分(ii)について、訂正前の請求項1に記載されていた「ジシクロペンタニルメタアクリレート」の選択肢を削除する訂正が、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてなされたものであることは明らかである。
また、成分(ii)の選択肢を削除する訂正が、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
さらに、請求項1の上記訂正に連動する請求項3、4、6、9?11、15及び16の訂正も、同様の理由により、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
よって、上記訂正は特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項に規定する要件を満たすものである。

(ウ)成分(iii)について
訂正事項1(補正後)のうち、成分(iii)を必須成分とする訂正は、訂正前の請求項2における「前記(メタ)アクリレートモノマーとして、(iii)炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレート・・・を含む」という記載、本件明細書の[0039]における「上記(メタ)アクリレートモノマーとしては、好適には分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートを使用することができる。」という記載、[0040]における「分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとしては、具体的には・・・ラウリル(メタ)アクリレート・・・等の炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレート;・・・等を挙げることができる。」という記載、[0041]における「分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとしては・・・更に好ましくはラウリル(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。」という記載、及び[0084]における実施例の記載等に基づくものであるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてなされたものである。
また、成分(iii)を必須成分とすることにより(メタ)アクリレート(A)の含有成分の組合せを訂正前より減縮する訂正が、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
さらに、請求項1の上記訂正に連動する請求項3、4、6、9?11、15及び16の訂正も、同様の理由により、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
よって、上記訂正は特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項に規定する要件を満たすものである。

(エ)ウレタン(メタ)アクリレート及び光重合開始剤(B)の重量割合について
訂正事項1(補正後)のうち、紫外線硬化型樹脂組成物中における成分(i)のウレタン(メタ)アクリレートの重量割合及び光重合開始剤(B)の重量割合を特定する訂正は、それぞれ本件明細書の[0037]及び[0051]の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてなされたものである。
また、上記成分の重量割合を特定することにより紫外線硬化型樹脂組成物の成分組成を訂正前より減縮する訂正が、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
さらに、請求項1の上記訂正に連動する請求項3、4、6、9?11、15及び16の訂正も、同様の理由により、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
よって、上記訂正は特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項に規定する要件を満たすものである。

(オ)(メタ)アクリレートモノマーの含有割合について
訂正事項1(補正後)のうち、紫外線硬化型樹脂組成物中における「(メタ)アクリレートモノマーの重量割合」を特定する訂正は、本件明細書の[0043]の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてなされたものである。
また、上記成分の重量割合を特定することにより紫外線硬化型樹脂組成物の成分組成を訂正前より減縮する訂正が、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
さらに、請求項1の上記訂正に連動する請求項3、4、6、9?11、15及び16の訂正も、同様の理由により、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
よって、上記訂正は特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項に規定する要件を満たすものである。

(カ)ウレタン(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリレートモノマーの合計含量について
訂正事項1(補正後)のうち、紫外線硬化型樹脂組成物中における「ウレタン(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリレートモノマーの合計含量」を特定する訂正は、本件明細書の[0043]の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてなされたものである。
また、上記成分の合計含量を特定することにより紫外線硬化型樹脂組成物の成分組成を訂正前より減縮する訂正が、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
さらに、請求項1の上記訂正に連動する請求項3、4、6、9?11、15及び16の訂正も、同様の理由により、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
よって、上記訂正は特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項に規定する要件を満たすものである。

(キ)除外規定について
訂正事項1(補正後)のうち、「但し、前記のウレタン(メタ)アクリレートは、ラクトン変性されたものを除く。」という規定は、平成30年8月20日付け取消理由通知(決定の予告)の第5「1 理由1及び2について」の(3)ア「刊行物1を主引用例として」に記載された刊行物5発明との相違を明らかにするために、本件発明1におけるウレタン(メタ)アクリレートの態様から、ラクトン変性されたものが除外されることを明らかにしたものであるから(平成30年10月12に提出された特許権者の意見書第11頁の「(ホ)-1)-(2)刊行物5を主引用例として」等を参照。)、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてなされたものである。
また、上記成分の除外により紫外線硬化型樹脂組成物の成分組成を訂正前より減縮する訂正が、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
さらに、請求項1の上記訂正に連動する請求項3、4、6、9?11、15及び16の訂正も、同様の理由により、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
よって、上記訂正は特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項に規定する要件を満たすものである。

(ク)新規事項の追加の有無及び特許請求の範囲の実質的拡張又は変更についてのまとめ
以上のことから、訂正事項1(補正後)は、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、また、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項に規定する要件を満たすものである。

ウ 独立特許要件について
本件においては、訂正前のすべての請求項に対して特許異議の申立てがされているから、訂正前の請求項1に係る訂正事項1(補正後)については、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。

エ 訂正事項1(補正後)についてのまとめ
よって、訂正事項1(補正後)は訂正の要件を満たすものといえる。

(3)訂正事項2(補正後)、5、7、8、11(補正後)、12及び13(補正後)について
ア 訂正の目的について
上記訂正事項(補正後)は、それぞれ訂正前の請求項2、5、7、8、12、13及び14を削除するものであるから、いずれも特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更について
上記訂正事項(補正後)は、いずれも請求項を削除する訂正であるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。
また、上記の訂正が、いずれも特許請求の範囲を拡張するものではなく、請求項に係る発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
よって、上記訂正事項(補正後)は、いずれも特許法第120条の5第9項において準用する同法126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

ウ 独立特許要件について
本件においては、訂正前のすべての請求項に対して特許異議の申立てがされているから、訂正前の請求項2、5、7、8、12、13及び14に係る上記訂正事項(補正後)については、いずれも特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。

エ 訂正事項2(補正後)、5、7、8、11(補正後)、12及び13(補正後)についてのまとめ
よって、訂正事項2(補正後)、5、7、8、11(補正後)、12及び13(補正後)は、いずれも訂正の要件を満たすものといえる。

(4)訂正事項3(補正後)について
ア 訂正の目的について
訂正事項3(補正後)のうち、訂正前の請求項3に記載されていた「であるか、又は一般式(1)化合物以外に」という文言を削除する訂正は、平成30年8月20日付け取消理由通知(決定の予告)の第5「3 理由4について」の(4)「本件発明3?16について」に記載された訂正前の請求項3における記載要件違反の指摘に対応するものと解されるから(平成30年10月12日に提出された特許権者の意見書第16頁の「(ホ)-3)-(4)理由4(4)本件発明3?16について」等を参照。)、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項3(補正後)のうち、訂正前の請求項3に記載されていた「請求項1又は2に記載の」を「請求項1に記載の」に改める訂正は、請求項2の削除(訂正事項2(補正後))に伴い、削除された請求項2を引用しているという不明瞭な記載を解消させるためのものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、また、請求項1又は2を引用する形式で記載されていた訂正前の請求項3を、請求項2を引用しないように形式を改めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。
請求項3の上記訂正に連動する請求項4、6、9?11、15及び16の訂正も、同様の理由により、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明及び同第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。

イ 新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項3(補正後)のうち、訂正前の請求項3に記載されていた「であるか、又は一般式(1)化合物以外に」という文言を削除する訂正は、平成30年8月20日付け取消理由通知(決定の予告)の第5「3 理由4について」の(4)「本件発明3?16について」において明確でないと指摘された文言を削除する訂正であるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。
また、訂正事項3(補正後)のうち、訂正前の請求項3に記載されていた「請求項1又は2に記載の」を「請求項1に記載の」に改める訂正も、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。
さらに、訂正事項3(補正後)の上記訂正が、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
加えて、請求項3の上記訂正に連動する請求項4、6、9?11、15及び16の訂正も、同様の理由により、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
よって、訂正事項3(補正後)は、特許法第120条の5第9項において準用する同法126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

ウ 独立特許要件について
本件においては、訂正前のすべての請求項に対して特許異議の申立てがされているから、訂正前の請求項3に係る訂正事項3(補正後)については、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。

エ 訂正事項3(補正後)についてのまとめ
よって、訂正事項3(補正後)は訂正の要件を満たすものといえる。

(5)訂正事項4(補正後)について
ア 訂正の目的について
訂正事項4(補正後)のうち、訂正前の請求項4に記載されていた「であるか、又は一般式(1)化合物以外に」という文言を削除する訂正は、平成30年8月20日付け取消理由通知(決定の予告)の第5「3 理由4について」の(4)「本件発明3?16について」に記載された訂正前の請求項4における記載要件違反の指摘に対応するものと解されるから(平成30年10月12日に提出された特許権者の意見書第16頁の「(ホ)-3)-(4)理由4(4)本件発明3?16について」等を参照。)、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項4(補正後)のうち、訂正前の請求項4に記載されていた「請求項1?3のいずれか1項に記載の」を「請求項1又は請求項3のいずれか1項に記載の」に改める訂正は、請求項2の削除(訂正事項2(補正後))に伴い、削除された請求項2を引用しているという不明瞭な記載を解消させるためのものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、また、請求項1?3のいずれか1項を引用する形式で記載されていた訂正前の請求項4を、請求項2を引用しないように形式を改めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。
請求項4の上記訂正に連動する請求項6、9?11、15及び16の訂正も、同様の理由により、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明及び同第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。

イ 新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項4(補正後)のうち、訂正前の請求項4に記載されていた「であるか、又は一般式(1)化合物以外に」という文言を削除する訂正は、平成30年8月20日付け取消理由通知(決定の予告)の第5「3 理由4について」の(4)「本件発明3?16について」において明確でないと指摘された文言を削除する訂正であるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。
また、訂正事項4(補正後)のうち、訂正前の請求項4に記載されていた「請求項1?3のいずれか1項に記載の」を「請求項1又は請求項3のいずれか1項に記載の」に改める訂正も、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。
さらに、訂正事項4(補正後)の上記訂正が、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
加えて、請求項4の上記訂正に連動する請求項6、9?11、15及び16の訂正も、同様の理由により、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
よって、訂正事項4(補正後)は、特許法第120条の5第9項において準用する同法126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

ウ 独立特許要件について
本件においては、訂正前のすべての請求項に対して特許異議の申立てがされているから、訂正前の請求項4に係る訂正事項4(補正後)については、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。

エ 訂正事項4(補正後)についてのまとめ
よって、訂正事項4(補正後)は訂正の要件を満たすものといえる。

(6)訂正事項6(補正後)について
ア 訂正の目的について
訂正事項6(補正後)のうち、訂正前の請求項6に記載されていた成分(i)の「ウレタン(メタ)アクリレート」を「重量平均分子量が7000?25000であって、多価アルコール、ポリイソシアネート及びヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートの反応により得られる」ものから「重量平均分子量が7000?25000であって、ポリC2-C4アルキレングリコール、イソホロンジイソシアネート及びヒドロキシC2?C4アルキル(メタ)アクリレートの3者の反応物」とする訂正は、成分(i)の反応原料とされる多価アルコール、ポリイソシアネート及びヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートをいずれも限定することにより、3者の反応物である成分(i)に相当する化合物の範囲を減縮する訂正に当たるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正事項6(補正後)のうち、訂正前の請求項6に記載されていた「請求項1?5のいずれか1項に記載の」を「請求項1、3?4のいずれか1項に記載の」に改める訂正は、請求項2及び5の削除(訂正事項2(補正後)及び訂正事項5)に伴い、削除された請求項2及び5を引用しているという不明瞭な記載を解消させるためのものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、また、請求項1?5のいずれか1項を引用する形式で記載されていた訂正前の請求項6を、請求項2及び5を引用しないように形式を改めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。
請求項6の上記訂正に連動する請求項9?11、15及び16の訂正も、同様の理由により、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮、同第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明及び同第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。

イ 新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項6(補正後)のうち、訂正前の請求項6に記載されていた成分(i)の「ウレタン(メタ)アクリレート」を「重量平均分子量が7000?25000であって、ポリC2-C4アルキレングリコール、イソホロンジイソシアネート及びヒドロキシC2?C4アルキル(メタ)アクリレートの3者の反応物」に限定する訂正は、本件明細書の[0033]における「多価アルコールとしては、例えば、・・・ポリエーテルポリオール(例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール・・・等)が挙げられる。・・・有機ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート・・・等が挙げられる。」という記載、[0034]における「ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシC2?C4アルキル(メタ)アクリレート・・・等を使用することができる。」という記載、[0071]における「(A3) 前記(メタ)アクリレートとして、(i)ポリC2-C4アルキレングリコール、ジイソシアネート及びヒドロキシC2-C4アルキル(メタ)アクリレートの反応により得られるウレタン(メタ)アクリレート」という記載、及び[0084]における実施例の記載等に基づくものであるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてなされたものである。
また、訂正事項6(補正後)のうち、訂正前の請求項6に記載されていた「請求項1?5のいずれか1項に記載の」を「請求項1、3?4のいずれか1項に記載の」に改める訂正も、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。
さらに、訂正事項6(補正後)の上記訂正が、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
加えて、請求項6の上記訂正に連動する請求項9?11、15及び16の訂正も、同様の理由により、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
よって、訂正事項6(補正後)は、特許法第120条の5第9項において準用する同法126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

ウ 独立特許要件について
本件においては、訂正前のすべての請求項に対して特許異議の申立てがされているから、訂正前の請求項6に係る訂正事項6(補正後)については、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。

エ 訂正事項6(補正後)についてのまとめ
よって、訂正事項6(補正後)は訂正の要件を満たすものといえる。

(7)訂正事項9(補正後)について
ア 訂正の目的について
訂正事項9(補正後)は、訂正前の請求項9に記載されていた「請求項1?8のいずれか1項に記載の」を「請求項1、3?4、6のいずれか1項に記載の」に改めることにより、請求項2、5、7及び8の削除(訂正事項2(補正後)、訂正事項5、7及び8)に伴い、削除された請求項2、5、7及び8を引用しているという不明瞭な記載を解消させるためのものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、また、請求項1?8のいずれか1項を引用する形式で記載されていた訂正前の請求項9を、請求項2、5、7及び8を引用しないように形式を改めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。
請求項9の上記訂正に連動する請求項10、11、15及び16の訂正も、同様の理由により、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明及び同第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。

イ 新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項9(補正後)は、訂正前の請求項9に記載されていた「請求項1?8のいずれか1項に記載の」を「請求項1、3?4、6のいずれか1項に記載の」に改めるものであるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。
また、訂正事項9(補正後)の上記訂正が、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
さらに、請求項9の上記訂正に連動する請求項10、11、15及び16の訂正も、同様の理由により、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
よって、訂正事項9(補正後)は、特許法第120条の5第9項において準用する同法126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

ウ 独立特許要件について
本件においては、訂正前のすべての請求項に対して特許異議の申立てがされているから、訂正前の請求項9に係る訂正事項9(補正後)については、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。

エ 訂正事項9(補正後)についてのまとめ
よって、訂正事項9(補正後)は訂正の要件を満たすものといえる。

(8)訂正事項10(補正後)について
ア 訂正の目的について
訂正事項10(補正後)は、訂正前の請求項11に記載されていた「請求項1?10のいずれか1項に記載の」を「請求項1、3?4、6、9?10のいずれか1項に記載の」に改めることにより、請求項2、5、7及び8の削除(訂正事項2(補正後)、訂正事項5、7及び8)に伴い、削除された請求項2、5、7及び8を引用しているという不明瞭な記載を解消させるためのものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、また、請求項1?10のいずれか1項を引用する形式で記載されていた訂正前の請求項11を、請求項2、5、7及び8を引用しないように形式を改めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。
請求項11の上記訂正に連動する請求項15及び16の訂正も、同様の理由により、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明及び同第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。

イ 新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項10(補正後)は、訂正前の請求項11に記載されていた「請求項1?10のいずれか1項に記載の」を「請求項1、3?4、6、9?10のいずれか1項に記載の」に改めるものであるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。
また、訂正事項10(補正後)の上記訂正が、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
さらに、請求項11の上記訂正に連動する請求項15及び16の訂正も、同様の理由により、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
よって、訂正事項10(補正後)は、特許法第120条の5第9項において準用する同法126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

ウ 独立特許要件について
本件においては、訂正前のすべての請求項に対して特許異議の申立てがされているから、訂正前の請求項9に係る訂正事項10(補正後)については、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。

エ 訂正事項10(補正後)についてのまとめ
よって、訂正事項10(補正後)は訂正の要件を満たすものといえる。

(9)訂正事項14(補正後)について
ア 訂正の目的について
訂正事項14(補正後)は、訂正前の請求項15に記載されていた「請求項1?14のいずれか1項に記載の」を「請求項1、3?4、6、9?11のいずれか1項に記載の」に改めることにより、請求項2、5、7、8及び12?14の削除(訂正事項2(補正後)、訂正事項5、7、8、訂正事項11(補正後)、訂正事項12及び訂正事項13(補正後))に伴い、削除された請求項2、5、7、8及び12?14を引用しているという不明瞭な記載を解消させるためのものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、また、請求項1?14のいずれか1項を引用する形式で記載されていた訂正前の請求項15を、請求項2、5、7、8及び12?14を引用しないように形式を改めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。
請求項15の上記訂正に連動する請求項16の訂正も、同様の理由により、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明及び同第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。

イ 新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更について
訂正事項14(補正後)は、訂正前の請求項15に記載されていた「請求項1?14のいずれか1項に記載の」を「請求項1、3?4、6、9?11のいずれか1項に記載の」に改めるものであるから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。
また、訂正事項14(補正後)の上記訂正が、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
さらに、請求項15の上記訂正に連動する請求項16の訂正も、同様の理由により、特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないことも明らかである。
よって、訂正事項14(補正後)は、特許法第120条の5第9項において準用する同法126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

ウ 独立特許要件について
本件においては、訂正前のすべての請求項に対して特許異議の申立てがされているから、訂正前の請求項15に係る訂正事項14(補正後)については、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。

エ 訂正事項14(補正後)についてのまとめ
よって、訂正事項14(補正後)は訂正の要件を満たすものといえる。

(10)本件訂正の適否の判断
以上のとおり、本件訂正(補正後)は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、同第3号又は同第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。
よって、訂正後の請求項〔1?16〕について訂正することを認める。

第3 本件発明について
本件訂正(補正後)により訂正された特許請求の範囲の請求項1?16に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」?「本件発明16」という。まとめて、「本件発明」ということもある。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1?16に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「[請求項1]
(メタ)アクリレート(A)、光重合開始剤(B)及び柔軟化成分を含有する紫外線硬化型樹脂組成物であって、
前記(メタ)アクリレート(A)として、
(i)重量平均分子量が7000?25000であって、多価アルコール、イソホロンジイソシアネート及びヒドロキシC2?C4アルキル(メタ)アクリレートの3者の反応物であるウレタン(メタ)アクリレートを、及び
(ii)(メタ)アクリレートモノマーとして、アクリロイルモルホリン、ジシクロペンテニルアクリレート及びジシクロペンタニルアクリレートからなる群から選択される少なくとも1種の環状骨格を有する(メタ)アクリレートを10重量%以上で、及び、
(iii)(メタ)アクリレートモノマーとして、炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレートを含み、
前記の炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレートがラウリル(メタ)アクリレートであり、
前記の紫外線硬化型樹脂組成物中における、ウレタン(メタ)アクリレートの重量割合が30?70重量%であり、(メタ)アクリレートモノマーの重量割合が10?50重量%であり、光重合開始剤(B)の重量割合が0.3?3重量%であり、
前記の紫外線硬化型樹脂組成物の総量に対して、ウレタン(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリレートモノマーの合計含量が40?80重量%であり、
デュロメータ硬度計(タイプE)を用いて測定した測定値が10未満である、
光学基材の貼り合わせ用紫外線硬化型樹脂組成物。
但し、前記のウレタン(メタ)アクリレートは、ラクトン変性されたものを除く。
[請求項2]
(削除)
[請求項3]
前記柔軟化成分として、下記一般式(1)の構造を有する化合物、ポリイソプレン骨格、ポリブタジエン骨格又はキシレン骨格を有するポリマー又はオリゴマー及びそのエステル化物、フタル酸エステル類、リン酸エステル類、グリコールエステル類、クエン酸エステル類、脂肪族二塩基酸エステル類、脂肪酸エステル類、エポキシ系可塑剤、ヒマシ油類、テルペン系水素添加樹脂及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれるものを含む、請求項1に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
[化1]

(式中、nは0?40の整数、mは10?50の整数を示し、R^(1)およびR^(2)はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、R^(1)及びR^(2)は炭素数1?18のアルキル基、炭素数2?18のアルケニル基、炭素数2?18のアルキニル基又は炭素数6?18のアリール基である。)
[請求項4]
前記柔軟化成分として、下記一般式(1)の構造を有する化合物、脂肪族二塩基酸エステル類又はテルペン系水素添加樹脂を含む、請求項1又は請求項3のいずれか1項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
[化2]

(式中、nは0?40の整数、mは10?50の整数を示し、R^(1)およびR^(2)はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、R^(1)及びR^(2)は炭素数1?18のアルキル基、炭素数2?18のアルケニル基、炭素数2?18のアルキニル基又は炭素数6?18のアリール基である。)
[請求項5]
(削除)
[請求項6]
前記(メタ)アクリレート(A)として、
(i)重量平均分子量が7000?25000であって、ポリC2-C4アルキレングリコール、イソホロンジイソシアネート及びヒドロキシC2?C4アルキル(メタ)アクリレートの3者の反応物であるウレタン(メタ)アクリレートを含む、請求項1、3?4のいずれか1項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
[請求項7]
(削除)
[請求項8]
(削除)
[請求項9]
光重合開始剤(B)として、アシルフォスフィンオキサイド化合物を含有する請求項1、3?4、6のいずれか1項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
[請求項10]
アシルフォスフィンオキサイド化合物が、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルエトキシフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドおよびビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルフォスフィンオキサイドからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である請求項9に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
[請求項11]
硬化収縮率が2%未満である請求項1、3?4、6、9?10のいずれか1項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
[請求項12]
(削除)
[請求項13]
(削除)
[請求項14]
(削除)
[請求項15]
請求項1、3?4、6、9?11のいずれか1項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物を硬化して得られる硬化物層。
[請求項16]
請求項15に記載の硬化物層を備える光学部材。」

第4 取消理由(決定の予告)の概要
本件特許1?16に対して平成30年8月20日付けで特許権者に通知した取消理由(決定の予告)の要旨は、次のとおりである。
1.本件発明1、2、6ないし10、12ないし16は、いずれも下記刊行物5又は7に記載された発明であり、本件特許1、2、6ないし10、12ないし16は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものであるから、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。(以下、「理由1」という。)

2.本件発明1ないし16は、いずれも下記刊行物1に記載された発明及び刊行物2ないし5、7に記載された周知の技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、本件発明1、2、6ないし10、12ないし16は、下記刊行物5又は7に記載された発明及び刊行物1、6に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものであり、本件特許1ないし16は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。(以下、「理由2」という。)

3.本件発明1ないし16は、発明の詳細な説明に記載されたものではなく、本件特許1ないし16は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。(以下、「理由3」という。)

4.本件発明1ないし16が、明確でなく、本件特許1ないし16は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。(以下、「理由4」という。)

5.本件特許明細書は、当業者が本件発明1ない16に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものではなく、本件特許1ないし16は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。(以下、「理由5」という。)

なお、上記理由1ないし5は、特許法第29条第1項第3号、同法同条第2項、同法第36条第6項第1号及び第2項、同法同条第4項1号による異議申立て理由を全て含んでいる。

<引用文献等一覧>
刊行物1:国際公開第2011/045862号(甲第3号証)
刊行物2:特開平6-184267号公報(周知技術を示す文献)
刊行物3:特開2008-88294号公報(周知技術を示す文献)
刊行物4:特開2009-292890号公報(周知技術を示す文献)
刊行物5:特開2009-294360号公報(甲第1号証)
刊行物6:国際公開第2007/066590号(甲第4号証)
刊行物7:特開2009-1654号公報(甲第2号証)

第5 取消理由(決定の予告)に関する当審の判断
1.理由1及び2について
(1)刊行物に記載された事項
ア 刊行物1(国際公開第2011/045862号)の記載事項
刊行物1には、以下の事項が記載されている。
(ア1)「請求の範囲
・・・
[請求項9]画像表示パネルと表面パネルとの間に充填する透明樹脂充填剤であって、
硬化後のショアEとして表現される硬度がE4/15?E8/15であり、該硬度に接着強度を乗じた値が400以下である透明樹脂充填剤。」

(イ1)「[0018] 画像表示パネル2は、例えば、液晶表示パネルや、プラズマパネル、有機EL(ElectroluminescenceDisplay)シート等の画像を表示可能なパネルである。画像表面パネル2の表面素材としては、光学ガラスやプラスチック(アクリル樹脂等)が好適に用いられる。
[0019] 表面パネル3は、画像表示パネル2と同等の大きさの板状、シート状又はフィルム状の部材からなる。部材としては、光学ガラスやプラスチック(ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル樹脂、ポリカーボネート等)が好適に用いられる。また、表面パネル3の表面又は裏面には、反射防止膜、遮光膜、視野角制御膜等の光学層を形成してもよい。」

(ウ1)「[0021] ここで、紫外線照射により硬化する紫外線硬化型の透明樹脂充填剤について説明する。透明樹脂充填剤は、ポリウレタンアクリレート、イソボルニルアクリレート等の光反応性アクリレート材料と、光重合開始剤とを主剤とすることが好ましい。
[0022] 例えば、ポリウレタンアクリレート、ポリイソプレン系アクリレート又はそのエステル化物、テルペン系水素添加樹脂、ブタジエン重合体等の1種以上のポリマーと、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシブチルメタクリレート等の1種以上のアクリレート系モノマーと、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン等の光重合開始剤とを含有する樹脂組成物を好適に用いることができる。その他の添加剤、例えば、増感剤、可塑剤、透明粒子等を本発明の目的の範囲で添加することも可能である。」

(エ1)「[0029]<2.表示装置の製造方法> 次に、上述した表示装置の製造方法について説明する。・・・
[0030] この表示装置の製造方法は、画像表示パネル2と表面パネル3との間に透明樹脂充填剤5を充填する充填工程(ステップS1)と、透明樹脂充填剤5を硬化させ、透明樹脂層4を形成する硬化工程(ステップS2)とを有する。さらに、透明樹脂層4に異物の混入等の異常があるか否かを検査する検査工程(ステップS3)と、透明樹脂層4に異常があった場合、画像表示パネル2と表面パネル3との間にリワーク材を移動させて透明樹脂層4を除去する除去工程(ステップS4)とを有する。
[0031] 先ず、ステップS1の充填工程では、図3に示すように表面パネル3と画像表示パネル2との間に透明樹脂充填剤5を充填する。透明樹脂充填剤5の充填方法としては、反転方式、傾斜方式、Gap-Dispense方式等を用いることができる。反転方式は、画像表示パネル2又は表面パネル3のいずれか一方に塗布し、透明樹脂充填剤5を自重に逆らうことなく垂れ下がらせ、気泡混入のないように貼り合わせて充填するものである。・・・
[0032] ステップS2の硬化工程では、透明樹脂充填剤5を硬化させ、透明樹脂層4を形成する。透明樹脂充填剤5の硬化には、加熱又は紫外線照射の少なくともいずれか一方を用いればよいが、画像表示パネル2への熱ダメージ防止の観点から紫外線照射が好ましく用いられる。紫外線硬化型の透明樹脂充填剤5としては、上述したポリウレタンアクリレート、イソボルニルアクリレート等の光反応性アクリレート材料と、光重合開始剤とを主剤とするものが用いられる。
[0033] 図4に示すように、紫外線(UV:Ultraviolet)は、所定の厚さに保たれた透明樹脂充填剤4に対して、表面パネル3を介して照射される。ここで、樹脂の均一な硬化をより達成する観点から、表面パネル3の表面に対して直交する方向から紫外線照射を行うことが好ましい。また、同時に、例えば光ファイバ等を用いて、表示装置1の縁部側から紫外線を照射し、透明樹脂充填剤5の漏れを防止することが好ましい。」

(オ1)「[0045]<3.実施例>
以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。この実施例では、樹脂の塗布性、信頼性、リワーク性等について評価した。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[0046][樹脂1]
ポリイソプレン重合物の無水マレイン酸付加物と2-ヒドロキシエチルメタクリレートとのエステル化物(商品名 UC102、(株)クラレ製、分子量12500)40質量部、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(商品名 FA512M、日立化成工業(株)製)35質量部、2-ヒドロキシプロピルアクリレート(商品名 ライトエステルHOP、共栄社化学(株)製)3質量部、アクリロモルホリン(商品名 ACMO、(株)興人製)3質量部、ベンジルアクリレート(商品名 C160、大阪有機工業(株)製)15質量部、テルペン系水素添加樹脂(商品名 クリアロンP-85、ヤスハラケミカル(株)製)35質量部、ブタジエン重合体(商品名 Polyoil110、日本ゼオン(株)製)120質量部、光重合開始剤(商品名 SpeedCure TPO、日本シイベルヘグナー(株)製)0.5質量部、及び光重合開始剤(商品名 イルガキュア184D、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)4質量部を混練機にて混練し、樹脂1を調製した。表1に上述した樹脂1の配合を示す。」

(カ1)「[0052]
[表1]



(キ1)「[0053]このようにして調整した透明樹脂充填剤(樹脂1?6)について、各種測定を行った。表2に各測定結果を示す。
[0054][表2]

・・・
[0057] [硬化収縮率測定]
硬化前の樹脂と硬化後の樹脂との比重を、電子比重計(MIRAGE社製SD-120L)を用いて測定し、両者の比重差に基づき下記式により硬化収縮率を算出した。その結果、樹脂1,2,4?6の硬化収縮率は、1.8であり、樹脂3の硬化収縮率は、1.0であった。
硬化収縮率(%)=(硬化後樹脂比重-硬化前樹脂比重)/硬化後樹脂比重×100
・・・
[0060] [硬度測定] 専用容器に透明樹脂充填剤(樹脂1?6)を適量入れ、紫外線により硬化させた。硬化後の樹脂(サンプル)を、JIS K6253に準拠したタイプEデュロメータ(アスカー社製アスカーゴム硬度計E型)にセットし、押針の接触から15秒後に硬度を室温にて測定した。また、サンプルの円周部を5点以上測定し、平均値を算出した。その結果、樹脂1のショアEとして表現される硬度はE4/15、樹脂2の硬度はE8/15、樹脂3の硬度はE7/15、樹脂4の硬度はE8/15、樹脂5の硬度はE7/15、及び樹脂6の硬度はE10/15であった。」

(ク1)「背景技術
[0002] 従来、画像表示パネルと表面パネルとの間に透明樹脂充填剤を充填し、硬化させる表示装置が提案されている。透明樹脂充填剤としては、屈折率整合性を有する光学弾性樹脂が用いられ、表示装置の視認性及び耐衝撃性を向上させている(例えば、特許文献1、2参照。)。
[0003] 樹脂の充填方法としては、従来、画像表示パネル又は表面パネルのいずれか一方に塗布し、樹脂を自重に逆らうことなく垂れ下がらせ、気泡混入のないように貼り合わせる反転方式が用いられている。
[0004] また、画像表示パネル又は表面パネルのいずれか一方を傾斜させてその間に充填する傾斜方式や、画像表示パネルと表面パネルとを所定のGap量を確保して平行に配置し、そのGap間に樹脂を充填する、Gap-Dispense方式が提案されている。
[0005] ところで、画像表示パネルと表面パネルとの間に充填された樹脂に気泡等の異物の混入があった場合、硬化前又は硬化後に画像表示パネルと表面パネルとを分離するリペア作業が行われる(例えば、特許文献3、4参照。)。特に、樹脂硬化後のリペア作業は、画像表示パネルと表面パネルとを剥離するのに必要な剥離強度が大きくなり、画像表示パネルや表面パネルにダメージを与えてしまう虞があった。このため、画像表示パネルと表面パネルとを容易且つ確実に剥離し、再利用することが可能な剥離再利用性、いわゆるリワーク性の向上が望まれていた。
・・・
[0006] 本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、優れたリワーク性を有する表示装置及びその製造方法、並びに透明樹脂充填剤を提供すること目的とする。
[0007] 本発明者らは、種々の検討を重ねた結果、ショアEとして表現される硬度に接着強度(凝集力)を乗じた値が400以下であれば、画像表示パネルと表面パネルとを剥離するのに必要な剥離強度が小さくなり、樹脂硬化後のリワーク性を向上させることが可能であることを見出した。」

イ 刊行物2(特開平6-184267号公報)に記載の事項
刊行物2には、以下の事項が記載されている。
(ア2)「[0007]・・・本発明により得られるポリウレタン(メタ)アクリレートは、必要に応じて各種単官能不飽和化合物或いは、多官能不飽和化合物を用いる事が出来る単官能不飽和化合物としては、例えば、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート・・・ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートアクリロイルモルホリン・・・等が挙げられる。」

ウ 刊行物3(特開2008-88294号公報)に記載の事項
刊行物3には、以下の事項が記載されている。
(ア3)「[請求項1]
(A)不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂及びポリエステル(メタ)アクリレート樹脂からなる群から選択される少なくとも1種類の樹脂100質量部に対して、(B)非水溶性ラジカル重合性不飽和単量体50?150質量部と、(C)着色顔料20?200質量部とを含むことを特徴とするFRP防水層用ラジカル重合性遮熱塗料。」

(イ3)「[0025]
本発明で使用する(B)成分は、非水溶性ラジカル重合性不飽和単量体であり、塗料の粘度を下げ、硬度、強度、耐薬品性、耐水性等を向上させるために重要である。・・・具体的には、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート・・・ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン・・・等が挙げられる。」

エ 刊行物4(特開2009-292890号公報)に記載の事項
刊行物4には、以下の事項が記載されている。
(ア4)「[請求項1]
(A)ラジカル重合性樹脂と、
(B)ラジカル重合性不飽和単量体と、
(C)コバルト金属塩と、
(D-1)下記一般式(I)で表される水酸基含有芳香族3級アミンと、
[化1]

(式中、R_(1)は、H、CH_(3)またはOCH_(3)であり、R_(2)は、ヒドロキシアルキル基であり、R_(3)は、アルキル基またはヒドロキシアルキル基である)
(D-2)下記一般式(II)で表される芳香族3級アミンと、
[化2]

(式中、R_(4)は、H、CH_(3)またはOCH_(3)であり、R_(5)及びR_(6)はそれぞれ独立してアルキル基である)
(E)有機過酸化物と
を含有することを特徴とする低温硬化性樹脂組成物。を含有することを特徴とする低温硬化性樹脂組成物。」

(イ4)「[0023]
<ラジカル重合性不飽和単量体>
本発明で使用する(B)成分のラジカル重合性不飽和単量体は、樹脂の粘度を下げ、硬度、強度、耐薬品性、耐水性などを向上させるために重要である。・・・具体的には、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート・・・ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン・・・などが挙げられる。」

オ 刊行物5(特開2009-294360号公報)に記載の事項
刊行物5には、以下の事項が記載されている。
(ア5)「[請求項1]
(A)アクリル酸系誘導体ポリマー、(B)アクリル酸系誘導体及び(C)架橋剤を含有する光学用樹脂組成物であって、硬化反応後の樹脂組成物が、60℃での粘着力が3N/25mm以上、かつ60℃でのtanδが0.40以上である光学用樹脂組成物。
・・・
[請求項4]
(C)架橋剤が、ウレタンアクリレートである請求項1?3のいずれかに記載の光学用樹脂組成物。
[請求項5]
(B)アクリル酸系誘導体が、アルキル基の炭素数が4?18であるアルキルアクリレートと、極性基を含有するアクリレートとの混合物からなる請求項1?4のいずれかに記載の光学用樹脂組成物。
[請求項6]
請求項1?5のいずれかに記載の光学用樹脂組成物に、さらに(D)重合開始剤を含有してなる光学用樹脂組成物。
[請求項7]
請求項1?6のいずれかに記載の光学用樹脂組成物を硬化反応させてなる光学用樹脂材料。
[請求項8]
請求項1?6のいずれかに記載の光学用樹脂組成物が硬化した樹脂層を有する画像表示用装置。」

(イ5)「[技術分野]
[0001]
本発明は、画像表示用装置の割れ防止、応力及び衝撃の緩和に有用で透明性に優れた光学用樹脂組成物及びこの組成物を用いた光学用樹脂材料並びに画像表示用装置に関する。
・・・
[0010]
そこで、ディスプレイの割れ防止のために、特定の樹脂をディスプレイ表面に積層すること又は特定の樹脂を積層した光学フィルターをディスプレイ表面に積層することが提案されている(例えば、特許文献7?9参照)。
・・・
[0014]
また、特許文献7及び8では、使用する樹脂材料の組成に関する考察が特になく、接着性や透明性を発現させる手段が不明瞭である。特に、特許文献7では、樹脂の耐湿信頼性に関する考察がなく、実施例に具体的に示される組成の樹脂材料ではディスプレイに適用後、短時間の耐湿試験において白濁してしまう。
[0015]
また、特許文献8でも、実施例で具体的に示される樹脂の一部にアクリル酸を使用しており、長時間の耐湿試験において、樹脂が白濁してしまい、耐湿試験時に接触している金属を腐食させてしまうという問題が発生する。
[0016]
さらに、特許文献7及び8では、より優れた衝撃吸収性を得るという観点からは、検討が不十分であると考えられる。
特許文献8では、樹脂を用いた耐衝撃層の厚みが0.2?1mmとされるが、厚さを大きくしてより衝撃吸収性を向上させるという観点での開示はない。
[0017]
特許文献9では、耐湿熱性に関する考察がなされているが、本特許文献に記載の樹脂原料組成では、耐衝撃性の大幅な向上は望めない。
また、実施例おける樹脂層の厚みは1mmであり、より優れた衝撃吸収性を得るという観点からは、検討が不十分であると考えられる。
[0018]
また、特許文献9の実施例に記載されるような、どちらかというと硬化後に柔らかい樹脂は、厚く使用した場合、前面フィルターの表面硬度が低下し、耐擦傷性に問題が出てくることが考えられる。
[0019]
・・・
[特許文献9]特開2004-263084号公報
[発明の開示]
[発明が解決しようとする課題]
[0020]
本発明は、透明で、画像表示用装置の保護に必要な衝撃吸収性を有し、耐湿信頼性に優れた粘着力を有する光学用樹脂組成物及びこの組成物を用いた光学用樹脂材料を提供することを第1の目的とするものである。
また、本発明は、耐衝撃性を有し、二重写りがなく鮮明でコントラストの高い画像が得られる画像表示用装置を提供することを第2の目的とするものである。」

(ウ5)「[0031]
<光学用樹脂組成物>
以下、本発明に係る光学用樹脂組成物に含有する成分ごとに説明する。
[(B)アクリル酸系誘導体]
本発明における(B)アクリル酸系誘導体としては、アクリロイル基を分子内に1個有する化合物が好ましく、(a)アルキル基の炭素数が4?18であるアルキルアクリレート(b)水酸基、モルホリン基等の極性基を含有するアクリレートの混合物からなることが好ましい。
[0032]
(b)水酸基、モルホリン基等の極性基は、ガラスなどの被着体の界面と水素結合を形成するため、これらを混合することにより、耐湿熱信頼性に優れた粘着力を得ることができる。
[0033]
上記(B)アクリル酸系誘導体は、(a)アルキルアクリレートを50?87重量%及び(b)極性基を有するアクリレートを13?50重量%の割合で使用することが好ましく、(a)アルキルアクリレートを60?70重量%及び(b)極性基を有するアクリレートを30?40重量%の割合で使用することがより好ましい。
・・・
[0035]
上記の(a)アルキルアクリレートとしては、n-ブチルアクリレート、n-ペンチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、ステアリルアクリレート等が挙げられるが、n-ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレートが好ましく、エチルヘキシルアクリレートが特に好ましい。またこれらのアクリレートは2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
[0036]
上記の(b)極性基を有するアクリレートとしては、2-ヒドロキシエチルアクリレート、1-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、1-ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、3-ヒドロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシブチルアクリレート、1-ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミド等の水酸基含有アクリレート・・・アクリロイルモルホリン等のモルホリン基含有アクリレートなどが挙げられるが、塗工時の作業性の観点から、皮膚刺激性の低いアクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチルアクリルアミド等のアクリレートがより好ましい。これらのアクリレートは2種類以上を組み合わせて使用してもよい。」

(エ5)「[0037]
[(C)架橋剤]
本発明において、(C)架橋剤としては、アクリロイル基を分子内に2個以上有する化合物であることが好ましい。
また、分子量は3×10^(4)?9×10^(4)であることが好ましく、3×10^(4)?5×10^(4)であることがより好ましい。
[0038]
分子量を3×10^(4)以上とすることで、高温高湿環境下で剥がれの発生しない粘着力を得ることができる。また9×10^(4)未満にすることで、ワニスの粘度が高くなりすぎず、シート作製が容易になる。分子量3×10^(4)?9×10^(4)の高分子量架橋剤としては相溶性の点からアルキレングリコールを原料に使用しているものが好ましい。
[0039]
硬化物の強靭さの点から、高分子量架橋剤としては、ポリウレタンのジ(メタ)アクリレート、反応性二重結合末端ポリウレタン(特に、反応性二重結合がアクリロイル基に基づくもの)が好ましい。
[0040]
さらに、これらのうち、ポリウレタンのジオール成分がポリプロピレングリコールやポリテトラメチレングリコールからなるものがより好ましく、ジオール成分がポリプロピレングリコールやポリテトラメチレングリコールで、ジイソシアネート成分がイソホロンジイソシアネートであるポリウレタンを使用するものがさらに好ましい。
[0041]
後述する(A)アクリル酸系誘導体ポリマーと高分子量架橋剤の相溶性が低い場合、高分子量架橋剤の量を多くすると硬化物が白濁するが、高分子量架橋剤の原料にアルキレングリコールを使用することによりポリマーとの相溶性を向上させることができ、高分子量架橋剤の量によらず透明性を保つことができる。
[0042]
また、高分子量の架橋剤を使用することにより、比較的多量に使用した場合でも硬化物が脆くなったり、粘着力が低くなりすぎたりすることを防ぐことが出来る。これにより、架橋剤の使用量を増やすことが出来、配合時の誤差によって硬化物の特性が変化してしまうことを抑制することが出来る。
[0043]
高分子量架橋剤としては、次のものが挙げられる。
(a)ポリウレタンのジ(メタ)アクリレート;詳しくは、ポリウレタンは、多価アルコール化合物と多価イソシアネート化合物を反応させて得られる。
[0044]
多価アルコールとしては、プロピレングリコール・・・等が挙げられる。
[0045]
多価イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート・・・イソホロンジイソシアネート・・・等が挙げられる。
・・・
[0046]
このようなポリウレタンであって多価アルコール過剰で反応させて得られる末端に水酸基を有する化合物を、アクリル酸又はメタクリル酸と反応させることによりポリウレタンのジ(メタ)アクリレートを得ることができる。
[0047]
(b)ポリウレタンをヒドロキシル基と反応性二重結合を有する化合物と反応させて得られる化合物;詳しくは、ポリウレタンの原料となる多価アルコールと多価イソシアネート化合物は前記と同じである。
[0048]
このようなポリウレタンであって多価イソシアネート過剰で反応させて得られる末端にイソシアネート基を有する化合物を、ヒドロキシル基と反応性二重結合を有する化合物と反応させることにより、反応性二重結合末端ポリウレタンとすることができる。
[0049]
ヒドロキシル基と反応性二重結合を有する化合物としては、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート・・・等のメタクリル酸誘導体などが挙げられる。これらの化合物は、1種で又は2種以上併用して使用される。」

(オ5)「[0065]
前記(D1)光重合開始剤として、さらに具体的には・・・ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド・・・等が挙げられる。
[0066]
また、特に、樹脂組成物を着色させないものとしては・・・ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系化合物・・・が好ましい。
[0067]
また、特に厚いシートを作製するためには、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系化合物を含む光重合開始剤が好ましい。」

(カ5)「[0073]
(アクリル酸系誘導体ポリマー1の合成)
冷却管、温度計、撹拌装置、滴下漏斗及び窒素注入管の付いた反応容器に初期モノマーとして、2-エチルヘキシルアクリレート84.0g、2-ヒドロキシエチルアクリレート36.0g及びメチルイソブチルケトン150.0gをとり、100ml/分で窒素置換しながら、15分間で常温(25℃)から70℃まで加熱した。
[0074]
その後、この温度に保ちながら、追加モノマーとして、2-エチルヘキシルアクリレート21.0gと2-ヒドロキシエチルアクリレート9.0gを使用し、これらにラウロイルパーオキシド0.6gを溶解した溶液を準備し、この溶液を60分間かけて滴下し、滴下終了後さらに2時間反応させた。
[0075]
続いて、メチルイソブチルケトンを溜去することにより、2-エチルヘキシルアクリレート及び2-ヒドロキシエチルアクリレートのコポリマー(重量平均分子量250,000)を得た。
[0076]
(ポリウレタンアクリレート1の合成)
冷却管、温度計、攪拌装置、滴下漏斗及び空気注入管のついた反応容器にポリプロピレングリコール(分子量2,000)285.3g、2-エチルヘキシルアクリレート100.0g、重合禁止剤としてp-メトキシフェノール0.13g及び触媒としてジブチル錫ジラウレート0.5gをとり、空気を流しながら75℃に昇温後、70?75℃で攪拌しつつイソホロンジイソシアネート39.6gを2時間かけて均一滴下し、反応を行った。
[0077]
滴下終了後、5時間反応させたところで、さらに、ラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート24.5gを追加し、1時間反応させた。IR測定の結果、イソシアネートが消失したことを確認して反応を終了し、ポリプロピレングリコールとイソホロンジイソシアネートを繰り返し単位として有し、両末端に重合性不飽和結合を有するポリウレタンアクリレート(重量平均分子量32,000)を得た。
・・・
[0080]
実施例1
アクリル酸系誘導体ポリマー1 28.60g、
2-エチルヘキシルアクリレート 40.50g、
アクリロイルモルホリン 17.40g、
ポリウレタンアクリレート1 13.00g、
1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(光重合開始剤)
0.50g
を秤量し、攪拌混合して、光学用樹脂組成物を調製した後、幅100mm、奥行き100mm及び深さ0.25mmの枠に流し込み、上部を紫外線透過ガラスで覆った状態で、紫外線照射装置を用いて紫外線を2,000mJ照射して透明シート1を得た。
[0081]
次に、この透明シート1の60℃での粘着力を測定したところ、11.2N/25mmであった。またtanδは0.49だった。この透明シート1を液晶パネルに貼合し、60℃・95%RHの試験層に3時間投入したところ、剥がれが発生せず、点灯したパネルは、二重写りが無く、コントラストに優れた表示が得られた。」

(キ5)「[0086]
(ポリウレタンアクリレート3の合成)
冷却管、温度計、攪拌装置、滴下漏斗及び空気注入管のついた反応容器にポリプロピレングリコール(分子量2,000)180g、2-ヒドロキシエチルアクリレート2.33g、重合禁止剤としてp-メトキシフェノール0.5g及び触媒としてジブチル錫ジラウレート0.05gをとり、空気を流しながら70℃に昇温後、70?75℃で攪拌しつつイソホロンジイソシアネート22.2gを2時間かけて均一滴下し、反応を行った。
[0087]
滴下終了後、5時間反応させたところで、IR測定の結果、イソシアネートが消失したことを確認して反応を終了し、ポリプロピレングリコールとイソホロンジイソシアネートを繰り返し単位として有し、両末端に重合性不飽和結合を有するポリウレタンアクリレート(重量平均分子量20,000)を得た。
[0088]
比較例1
アクリル酸系誘導体ポリマー1 24.88g、
2-エチルヘキシルアクリレート 27.85g、
2-ヒドロキシエチルアクリレート 11.94g、
ポリウレタンアクリレート3 34.83g、
1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(光重合開始剤)
0.50g
を秤量し、攪拌混合して、光学用樹脂組成物を調製した後、幅100mm、奥行き100mm、深さ0.25mmの枠に流し込み、上部を紫外線透過ガラスで覆った状態で、紫外線照射装置を用いて紫外線を2,000mJ照射して透明シート4を得た。
[0089]
次に、この透明シート4の60℃での粘着力を測定したところ、0.4N/25mmであった。またtanδは0.15だった。この透明シート4を液晶パネルに貼合し、60℃・95%RHの試験層に3時間投入したところ、剥がれが発生した。」

(ク5)「[0096]
各実施例及び各比較例で得られた各透明シートについての試験方法を以下に示す。
[0097]
(粘着力)
作製した透明シートをPETフィルム(東洋紡製A4100,100μm)の易接着面に貼合し、25mm幅にカットした。さらに、もう片面を、ガラスに貼合し、30分放置後、剥離角度:180°、剥離速度:200mm/分、温度:60℃で粘着力を測定した。
[0098]
(耐湿熱信頼性)
作製した透明シートを2インチの液晶パネルに貼合した。さらに、アクリル前面板を貼合した後、オートクレーブ処理(60℃、0.5MPa)を30分間行った。作製した前面板つきのパネルを60℃/95%RHの試験槽に3時間投入し、剥がれの発生有無を目視評価した。
[0099]
各実施例及び比較例で使用したアクリル酸系誘導体ポリマー及び架橋剤の種類/分子量/配合量並びに上記の試験結果をまとめて表1に示す。
[0100]
[表1]



カ 刊行物6(国際公開第2007/066590)に記載の事項
刊行物6には、以下の事項が記載されている。
(ア6)「請求の範囲
[1]透明体と、表示部を有する表示装置と、前記透明体と前記表示装置を接着する透明接着剤を備え、前記透明接着剤の硬化後の硬さがショアA硬度で1?30であることを特徴とする表示機器。」

(イ6)「[0014] そこで、ガラスプレート、透明プラスチックプレート、タッチパネル等の透明体が透明接着剤で表示装置に接着された表示機器おいて、透明接着剤の硬化後の硬さをショアAで硬度1以上30以下とした。さらに、透明体と表示装置の少なくとも一方に液状の透明接着剤を配し、この透明接着剤で表示画面を含む領域を全面接着している。その液状の偏光板の熱による収縮を吸収するためには、透明接着剤は柔らかい方がよく、また、段差部と硬化収縮の応力に対しても、透明接着剤は柔らかい方が良い。しかし、ショアA硬度0では外部からの力により剥がれが生じるため、ショアA硬度は1以上が必要である。また、押し圧による表示ムラでは、透明接着剤層の厚みに関係なくショアA硬度がおおよそ30を超えると一層大きくなる。そのため、ショアA硬度は30以下がよい。」

(ウ6)「[0021] また、透明体は、1.0mm厚の化学強化ガラス板で作製された透明カバープレートであり、表示装置は液晶表示装置である。表示部の透明接着剤層は約100μmの厚みである。硬化後の透明接着剤の硬さは、ショアA硬度で10以下、更に望ましくはショアA硬度で約1?3である。画面領域の硬化率は85%以上で、透明カバープレートの印刷物の領域の透明接着剤の硬化率は、70%以上である。」

キ 刊行物7(特開2009-1654号公報)に記載の事項
刊行物7には、以下の事項が記載されている。
(ア7)「[請求項1]
不飽和二重結合を有する官能基を2つ以上有するウレタン(メタ)アクリレート(A)、不飽和二重結合を有する官能基を1つ有するモノマー(B)、光重合開始剤(C)及びチオール基を2つ以上有するポリチオール化合物(D)を含有する組成物であって、該組成物中、ウレタン(メタ)アクリレート(A)とモノマー(B)の総量に対してポリチオール化合物(D)を1?20重量%含有する光硬化型透明接着剤組成物。
[請求項2]
ウレタン(メタ)アクリレート(A)が多価アルコールと有機ポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレート化合物との反応によって得られる化合物である請求項1記載の光硬化型透明接着剤組成物。
・・・
[請求項5]
モノマー(B)がフェノキシエチルアクリレート及び/又はジシクロペンタニルアクリレートである請求項1ないし4のいずれか一項に記載の光硬化型透明接着剤組成物。
[請求項6]
偏光フィルムと保護板との接着に使用する請求項1ないし5のいずれか一項に記載の光硬化型透明接着剤組成物。
[請求項7]
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の光硬化型透明接着剤組成物の硬化物。
[請求項8]
請求項7記載の光硬化型透明接着剤組成物の硬化物を接着層として有する物品。」

(イ7)「[背景技術]
[0002]
携帯電話、ゲーム機等の携帯端末に液晶ディスプレイ等の表示装置を使用する場合、外力からの保護を目的として表示装置の上面に透明の保護板を設けている。従来、表示装置と保護板の間には空気層が存在しているため、保護板と空気の屈折率差により、特に明るい太陽光の下等において視認性が悪くなるといった問題があった。近年、このような問題を解消すべく空気の層を無くするためのいろいろな試みがなされており、表示装置に直接保護板を接着剤で貼り付ける方法も検討されている。
[0003]
このような方法の場合には、外的応力や環境下において剥離等の不具合が生じないような設計を行う必要がある。又、表示装置の構成部材には耐熱温度があるため接着の際かけられる温度には制約があり、加えて、加熱硬化時に接着剤の粘度が低下し貼り合わせの位置がずれてしまい易いといった難点もあるため熱硬化性の接着剤は使用しにくいという問題がある。このような理由により、高温での加熱が必要ではなく、短時間で硬化できる光硬化型の接着剤が有効といえる。更に、多種多様な設計の機種がある中、接着部の上面に遮光部が一部存在しているような場合もあり、その場合には硬化接着時に照射する紫外線が、表示装置の偏光フィルムやカラーフィルターに悪影響を与えない低エネルギーであっ
ても硬化接着できるような反応性の高い接着剤でなくてはならない。
特許文献1及び特許文献2には光ディスク用接着剤組成物が記載されているが、ポリチオール化合物を必須成分とする組成物は知られていない。
・・・
[発明が解決しようとする課題]
[0005]
本発明は、液晶ディスプレイ等の表示装置上面の偏光フィルムと保護板との接着性に優れ、反応性や透明性が良好で、且つ、耐ヒートサイクル性、耐湿性等に優れる信頼性の高い光硬化型接着剤組成物を提供しようとするものである。
[課題を解決するための手段]
[0006]
本発明者等は、前記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、不飽和二重結合を有する官能基を2つ以上有するウレタン(メタ)アクリレート、不飽和二重結合を有する官能基を1つ有するモノマー、光重合開始剤及びチオール基を2つ以上有するポリチオール化合物を含有する組成物とすることにより、透明性、接着性、信頼性に優れた接着剤組成物を見出し、本発明を完成させるに至った。」

(ウ7)「[0013]
本発明の光硬化型透明接着剤組成物に含有される不飽和二重結合を有する官能基を2つ以上有するウレタン(メタ)アクリレート(A)としては、以下に示すような多価アルコールと有機ポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレート化合物との反応によって得られる化合物が挙げられる。
・・・
[0015]
該多価アルコールとしては、例えば、ネオペンチルグリコール・・・等が挙げられる。これらのうち、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、カプロラクトンアルコールが好ましく、又、これらの多価アルコールを必要に応じて2種以上組み合わせて用いてもよい。
[0016]
該有機ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート・・・等が挙げられ、これらの有機ポリイソシアネートは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのうち、芳香族基を含有しないものが耐光性等に優れている点で好ましく、シクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートが好ましい。これらは、日本ポリウレタン工業(株)、ローディアジャパン(株)、三井東圧化学(株)、三井武田ケミカル(株)等より市販品として入手できる。
[0017]
該水酸基含有(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート・・・等が挙げられ、これらのうち好ましいものは2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又は2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ(C_(1)?C_(4))アルキル(メタ)アクリレートである。必要に応じて、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物は一種以上組み合わせて使用することができる。これらの水酸基含有(メタ)アクリレート化合物は大阪有機化学工業(株)等より市販品として入手可能である。
[0018]
本発明の光硬化型透明接着剤組成物にウレタン(メタ)アクリレート(A)を配合することにより、本発明の光硬化型透明接着剤組成物が硬化する際の応力の低減が可能となり、貼り合わせ後のひずみや剥離の防止に効果がある。該ウレタン(メタ)アクリレート(A)の数平均分子量は3000?12000であることが好ましく、数平均分子量が3000よりも小さいと応力の低減効果が小さく、又、組成物の粘度が低くなり作業性の面からも都合が悪い。一方、12000よりも大きいと本発明の光硬化型樹脂組成物の粘度が著しく増大したり、他の材料との相溶性が悪くなり液が白濁したりするといった不具合が起こる。」

(エ7)「[0020]
本発明の光硬化型透明接着剤組成物に含有される不飽和二重結合を有する官能基を1つ有するモノマー(B)としては、不飽和二重結合として(メタ)アクリレート基やビニル基等を分子内に1つ有している化合物であり、例えば・・・2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート・・・ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート・・・(メタ)アクリロイルモルフォリン・・・フェノキシエチル(メタ)アクリレート・・・等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
[0021]
これらの化合物のうち、着色性、粘度の面より、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートが好ましく、これらの1種又は2種以上を用いてもよい。中でも、フェノキシエチルアクリレート及び/又はジシクロペンタニルアクリレートが特に好ましい。」

(オ7)「[0022]
本発明の光硬化型透明接着剤組成物に含有される光重合開始剤(C)としては、例えば・・・2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド等を挙げることができる。
中でも好ましい光重合開始剤としては、硬化物の着色を考慮して2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等を挙げることができる。これらの光重合開始剤は、チバスペシャリティケミカルズ(株)より、IRGACURE184、IRGACURE907、IRGACURETPOの名称で市販されており、容易に入手可能である。」

(カ7)「[0026]
本発明の光硬化型透明接着剤組成物は、不飽和二重結合を有する官能基を2つ以上有するウレタンアクリレート(A)、不飽和二重結合を有する官能基を1つ有するモノマー(B)、光重合開始剤(C)及びチオール基を2つ以上有するポリチオール化合物(D)を必須成分として含有し、(A)?(D)の各成分を、例えば、混合、加熱、溶解、分散等を行なうことにより調製することができる。
更に、本発明の光硬化型透明接着剤組成物は、必要に応じ、シランカップリング剤、重合禁止剤、レベリング剤、表面潤滑剤、消泡剤、光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、帯電防止剤、充填剤等の添加剤を併用することができる。
[0027]
本発明の光硬化型透明接着剤組成物の硬化物は、常法に従い、紫外線、可視光レーザー等の活性エネルギー線を照射することにより得ることができる。紫外線を使用する場合、低圧又は高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン灯等を用いて照射する。特に、光源としては350?450nmにエネルギー強度が強いランプが好ましい。該硬化物も本発明に含まれる。」

(キ7)「[0031]
実施例1?2、比較例1?3
下記に示す原料を表1の「配合物の組成」に示す重量部で混合し、本発明又は比較用の光硬化型透明接着剤組成物を得た。
[0032]

[0033]
*1:日本化薬(株)製、ポリエーテルポリウレタンジアクリレート(分子量;7200) (A)成分
*2:日立化成(株)製、ジシクロペンタニルモノアクリレート (B)成分
*3:第一工業製薬(株)製、フェノキシエチルアクリレート (B)成分
*4:日本化薬(株)製、トリメチロールプロパントリアクリレート
*5:イルガキュアー907:チバスペシャリティケミカルズ(株)製、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ-プロパン-1-オン(C)成分
*6:堺化学工業(株)製、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート) (D)成分
[0034]
実施例、比較例で得られた光硬化型透明接着剤組成物につき、下記の物性試験を行い、その結果を表2に示した。
(透明性)88mWの超高圧水銀灯を用い3000mJのエネルギーで、2枚の厚さ0.7mmの無アルカリガラスを25μmの厚みで接着させたときの着色の様子を目視で確認した。
[0035]
(耐ヒートサイクル性)88mWの超高圧水銀灯を用い3000mJのエネルギーで、無アルカリガラス(厚さ;0.7mm)と2mm厚のアクリル板を25μmの厚みで接着させたサンプルを、1サイクル、-35℃で30分、85℃で30分の条件で100サイクル行った後、2枚の基板の剥離の様子を観察した。
[0036]
(耐湿性)88mWの超高圧水銀灯を用い3000mJのエネルギーで、無アルカリガラス(厚さ;0.7mm)と2mm厚のアクリル板を25μmの厚みで接着させたサンプルを、60℃、90%RHに100時間放置した後の2枚の基板の剥離の様子を観察した。
[0037]
(ピール強度)幅25mm、長さ50mmの0.7mm厚のLCD用ガラス(保護板)と、偏光フィルムを厚み25μmになるよう貼り合わせ、88mWの超高圧水銀灯を用い3000mJのエネルギーで硬化した。この試験片を、引張り試験機を用い、5mm/分のスピードで試験を行った時の引張り接着強度を測定した。
[0038]

[0039]
表1から明らかなように、実施例1?2の本発明の光硬化型透明接着剤組成物は高い透明性を有し、(D)成分を含有しない比較例1、(B)成分を含有しない比較例2、(D)成分を20%を超えて含有する比較例3の組成物と比べて、耐ヒートサイクル性、耐湿性等の信頼性に優れ、ピール強度から接着性に非常に優れていることを示している。」

(2)刊行物に記載された発明
ア 刊行物1発明
刊行物1には、「表示装置及びその製造方法、並びに透明樹脂充填剤」(発明の名称)に関し、上記(ア1)の[請求項9]に「画像表示パネルと表面パネルとの間に充填する透明樹脂充填剤であって、硬化後のショアEとして表現される硬度がE4/15?E8/15であり、該硬度に接着強度を乗じた値が400以下である透明樹脂充填剤。」が記載されている。
そして、その透明樹脂充填剤の具体例として、刊行物1の上記(オ1)の段落[0046]には、[樹脂1]について、「ポリイソプレン重合物の無水マレイン酸付加物と2-ヒドロキシエチルメタクリレートとのエステル化物(商品名UC102、(株)クラレ製、分子量12500)40質量部、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(商品名FA512M、日立化成工業(株)製)35質量部、2-ヒドロキシプロピルアクリレート(商品名ライトエステルHOP、共栄社化学(株)製)3質量部、アクリロモルホリン(商品名ACMO、(株)興人製)3質量部、ベンジルアクリレート(商品名C160、大阪有機工業(株)製)15質量部、テルペン系水素添加樹脂(商品名クリアロンP-85、ヤスハラケミカル(株)製)35質量部、ブタジエン重合体(商品名 Polyoil110、日本ゼオン(株)製)120質量部、光重合開始剤(商品名SpeedCureTPO、日本シイベルヘグナー(株)製)0.5質量部、及び光重合開始剤(商品名イルガキュア184D、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)4質量部を混練機にて混練し、樹脂1を調製する」ことが記載され、上記(キ1)の段落[0054]の[表2]、段落[0057]及び段落[0060]の記載によれば、この透明樹脂充填材の硬化収縮率は、1.8(%)であり、タイプEデュロメータ(アスカー社製アスカーゴム硬度計E型)を用いて測定したこの透明樹脂充填材の硬化後の測定値(硬度(ショアE))は、「4」であることが分かる。
また、上記(エ1)の段落[0032]、[0033]の記載によれば、透明樹脂充填剤は、「紫外線硬化型」であるとされている。

そうすると、刊行物1には、「画像表示パネルと表面パネルとの間に充填する透明樹脂充填剤であって、ポリイソプレン重合物の無水マレイン酸付加物と2-ヒドロキシエチルメタクリレートとのエステル化物(分子量12500)40質量部、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート35質量部、2-ヒドロキシプロピルアクリレート3質量部、アクリロモルホリン3質量部、ベンジルアクリレート15質量部、テルペン系水素添加樹脂35質量部、ブタジエン重合体120質量部、光重合開始剤(商品名SpeedCureTPO)0.5質量部、及び光重合開始剤(商品名イルガキュア184D)4質量部を含み、硬化収縮率が1.8(%)であり、タイプEデュロメータ(アスカー社製アスカーゴム硬度計E型)を用いて測定した硬化後の測定値(硬度(ショアE))が4である紫外線硬化型の透明樹脂充填剤。」(以下、「刊行物1発明」という。)が記載されているといえる。

イ 刊行物5発明
刊行物5の上記(ア5)の[請求項1]、[請求項4]、[請求項5]を直列的に引用する[請求項6]には、「(A)アクリル酸系誘導体ポリマー、(B)アルキル基の炭素数が4?18であるアルキルアクリレートと、極性基を含有するアクリレートとの混合物、(C)ウレタンアクリレート及び(D)重合開始剤を含有する光学用樹脂組成物であって、硬化反応後の樹脂組成物が、60℃での粘着力が3N/25mm以上、かつ60℃でのtanδが0.40以上である光学用樹脂組成物」が記載されているといえる。
そして、この光学用樹脂組成物の実施例1として、上記(カ5)の段落[0080]には、28.60重量%(28.60g/(28.60g+40.50g+17.40g+13.00g+0.50g)のアクリル酸系誘導体ポリマー1、13.00重量%(13.00g/(28.60g+40.50g+17.40g+13.00g+0.50g)のポリウレタンアクリレート1、上記「アルキル基の炭素数が4?18であるアルキルアクリレート」として、40.50重量%(40.50g/(28.60g+40.50g+17.40g+13.00g+0.50g)の2?エチルヘキシルアクリレート、上記「極性基を含有するアクリレート」として、17.40重量%(17.40g/(28.60g+40.50g+17.40g+13.00g+0.50g)のアクリロイルモルホリン、「(D)重合開始剤」として、0.50重量%(0.50g/(28.60g+40.50g+17.40g+13.00g+0.50g)の1?ヒドロキシ?シクロヘキシル?フェニル?ケトン(光重合開始剤)を使用して、透明シートを得ることが記載されている。
また、上記(ク5)の段落[0098]の記載によれば、作製した透明シートは、液晶パネルに貼合し、さらにアクリル前面板を貼合するものであるから、上記光学用樹脂組成物は、液晶パネルにアクリル前面板を貼合するものであるといえる。

そうすると、刊行物5には、「(A)28.60重量%のアクリル酸系誘導体ポリマー、(B)40.50重量%の2?エチルヘキシルアクリレート、17.40重量%のアクリロイルモルホリン、(C)13.00重量%のウレタンアクリレート及び0.50重量%の1?ヒドロキシ?シクロヘキシル?フェニル?ケトン(光重合開始剤)を含有する光学用樹脂組成物であって、硬化反応後の樹脂組成物が、60℃での粘着力が3N/25mm以上、かつ60℃でのtanδが0.40以上である、液晶パネルにアクリル前面板を貼合する光学用樹脂組成物」(以下、「刊行物5発明」という。)が記載されているといえる。

ウ 刊行物7発明
刊行物7の上記(ア7)の[請求項1]、[請求項2]、[請求項5]を直列的に引用する[請求項6]には、「不飽和二重結合を有する官能基を2つ以上有し、多価アルコールと有機ポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレート化合物との反応によって得られる化合物であるウレタン(メタ)アクリレート(A)、フェノキシエチルアクリレート及び/又はジシクロペンタニルアクリレートである不飽和二重結合を有する官能基を1つ有するモノマー(B)、光重合開始剤(C)及びチオール基を2つ以上有するポリチオール化合物(D)を含有する組成物であって、該組成物中、ウレタン(メタ)アクリレート(A)とモノマー(B)の総量に対してポリチオール化合物(D)を1?20重量%含有する、偏光フィルムと保護板との接着に使用する光硬化型透明接着剤組成物」が記載されているといえる。
そして、この光硬化型透明接着剤組成物の実施例1として、上記(キ7)の段落[0032]には、ポリエーテルポリウレタンジアクリレート(分子量;7200)を56.6重量%(60重量部/(60重量部+20重量部+20重量部+1重量部+5重量部)、上記「フェノキシエチルアクリレート及び/又はジシクロペンタニルアクリレートである不飽和二重結合を有する官能基を1つ有するモノマー(B)」として、ジシクロペンタニルモノアクリレート(ファンクリル FA-513A)及びフェノキシエチルアクリレート(ニューフロンティアPHE)を、それぞれ19.0重量%(20重量部/(60重量部+20重量部+20重量部+1重量部+5重量部)、光重合開始剤を0.9重量%(1重量部/(60重量部+20重量部+20重量部+1重量部+5重量部)含むものが記載されている。
また、上記(キ7)の段落[0037]の記載によれば、上記実施例1の光硬化型透明接着剤組成物は、超高圧水銀灯により硬化されるものであるが、上記(カ7)の段落[0027]の記載によれば、超高圧水銀灯は紫外線を使用する場合に用いられるものであるから、上記光硬化型透明接着剤組成物は、紫外線硬化型透明接着剤組成物であるといえる。

そうすると、刊行物7には、「56.6重量%の不飽和二重結合を有する官能基を2つ以上有し、多価アルコールと有機ポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレート化合物との反応によって得られる化合物であるウレタン(メタ)アクリレート(A)、19.0重量%のジシクロペンタニルモノアクリレート及び19.0重量%のフェノキシエチルアクリレートである不飽和二重結合を有する官能基を1つ有するモノマー(B)、0.9重量%の光重合開始剤(C)及びチオール基を2つ以上有するポリチオール化合物(D)を含有する組成物であって、該組成物中、ウレタン(メタ)アクリレート(A)とモノマー(B)の総量に対してポリチオール化合物(D)を1?20重量%含有する、偏光フィルムと保護板との接着に使用する紫外線硬化型透明接着剤組成物」(以下、「刊行物7発明」という。)が記載されているといえる。

(3)対比・検討
ア 刊行物1を主引用例として
(ア)本件発明1について
(ア-1)本件発明1と刊行物1発明との対比
本件発明1と刊行物1発明とを対比する。
○刊行物1発明の「光重合開始剤(商品名SpeedCureTPO)及び光重合開始剤(商品名イルガキュア184D)」、「タイプEデュロメータ(アスカー社製アスカーゴム硬度計E型)」、及び「紫外線硬化型の透明樹脂充填剤」は、それぞれ、本件発明1の「光重合開始剤(B)」、「デュロメータ硬度計(タイプE)」、及び「紫外線硬化型樹脂組成物」に相当している。

○本件明細書の段落[0058]の「本発明の紫外線硬化型樹脂組成物には、必要に応じて上記以外の柔軟化成分を使用することができる。本発明における上記以外の柔軟化成分としては、紫外線硬化型樹脂において通常使用されている公知の柔軟化成分及び可塑剤が使用できる。使用できる柔軟化成分の具体例としては、前記(メタ)アクリレート又は後記一般式(1)で示される構造を有する化合物を除くポリマー又はオリゴマー・・・テルペン系水素添加樹脂等が挙げられる。上記ポリマー又はオリゴマーの例としては、ポリイソプレン骨格、ポリブタジエン骨格又はキシレン骨格を有するポリマー又はオリゴマー及びそのエステル化物を例示することができ、場合により、ポリブタジエン骨格を有するポリマー又はオリゴマー及びそのエステル化物を使用することが好ましい。ポリブタジエン骨格を有するポリマー又はオリゴマー及びそのエステル化物の具体例としては、ブタジエンホモポリマー、エポキシ変性ポリブタジエン、ブタジエン-スチレンランダムコポリマー、マレイン酸変性ポリブタジエンおよび末端水酸基変性液状ポリブタジエンが挙げられる。」との記載によれば、刊行物1発明の「テルペン系水素添加樹脂」及び「ブタジエン重合体」は、本件発明1の「柔軟化成分」として、例示されているものであるといえるから、本件発明1の「柔軟化成分」に相当する。

○刊行物1発明の「アクリロモルホリン」は、本件発明1の「(ii)(メタ)アクリレートモノマーとして、アクリロイルモルホリン、ジシクロペンテニルアクリレート及びジシクロペンタニルアクリレートからなる群から選択される少なくとも1種の環状骨格を有する(メタ)アクリレート」に相当する。

○刊行物1発明の光重合開始剤(商品名SpeedCureTPO)0.5質量部及び光重合開始剤(商品名イルガキュア184D)4質量部は、透明樹脂充填剤の全質量(155.5質量部)に対して4.5/155.5×100=2.9質量%に相当するから、本件発明1における「光重合開始剤(B)の重量割合が0.3?3重量%」という要件を満たしている。

○刊行物1発明の「タイプEデュロメータ(アスカー社製アスカーゴム硬度計E型)を用いて測定した硬化後の測定値(硬度(ショアE))」である「4」は、本件発明1の「デュロメータ硬度計(タイプE)を用いて測定した測定値」である「10未満」に含まれるものである。

○本件明細書の段落[0010]の「(4)前記光学基材が、遮光部を有する透明ガラス基板、遮光部を有する透明樹脂基板、遮光部と透明電極が形成してあるガラス基板、液晶表示ユニット、プラズマ表示ユニットおよび有機EL表示ユニットからなる群から選ばれる少なくとも一つの表示体ユニットである上記(1)?(3)のいずれか一項に記載の光学部材の製造方法。
(5)一方の光学基材が遮光部を有する保護基材であり、それと貼り合わされる他の光学基材がタッチパネル又はタッチパネルを有する表示体ユニットであり、少なくとも2つの光学基材が貼り合わされた光学部材が、遮光部を有する保護基材を有するタッチパネル又はそれを有する表示体ユニットであり、工程1において、遮光部を有する保護基材のいずれかの面、又は、タッチパネルのタッチ面の、何れか一方、又は、その両者に、前記の紫外線硬化型樹脂組成物を塗布する上記(1)?(4)のいずれか一項に記載の光学部材の製造方法。」との記載によれば、刊行物1発明の「画像表示パネル」及び「表面パネル」が、本件発明1の「光学基材」に相当すると共に、刊行物1の上記(エ1)の段落[0031]の「先ず、ステップS1の充填工程では、図3に示すように表面パネル3と画像表示パネル2との間に透明樹脂充填剤5を充填する。透明樹脂充填剤5の充填方法としては、反転方式、傾斜方式、Gap-Dispense方式等を用いることができる。反転方式は、画像表示パネル2又は表面パネル3のいずれか一方に塗布し、透明樹脂充填剤5を自重に逆らうことなく垂れ下がらせ、気泡混入のないように貼り合わせて充填するものである。」との記載によれば、刊行物1発明の画像表示パネルと表面パネルは透明樹脂充填剤により貼り合わされるものであるといえる。そうすると、刊行物1発明の「画像表示パネルと表面パネルとの間に充填する透明樹脂充填剤」は、本件発明1の「光学基材の貼り合わせ用紫外線硬化型樹脂組成物」に相当するといえる。

以上を踏まえると、本件発明1と刊行物1発明とは、
「(メタ)アクリレート(A)、光重合開始剤(B)及び柔軟化成分を含有する紫外線硬化型樹脂組成物であって、
前記(メタ)アクリレート(A)として、
(ii)(メタ)アクリレートモノマーとして、アクリロイルモルホリン、ジシクロペンテニルアクリレート及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種の環状骨格を有する(メタ)アクリレートを、含み、
前記の紫外線硬化型樹脂組成物中における光重合開始剤(B)の重量割合が0.3?3重量%であり、
デュロメータ硬度計(タイプE)を用いて測定した測定値が10未満である、
光学基材の貼り合わせ用紫外線硬化型樹脂組成物。」
の点で一致し、以下の点で相違しているといえる。

<相違点1>
環状骨格を有する(メタ)アクリレート(ii)について、本件発明1では、「アクリロイルモルホリン、ジシクロペンテニルアクリレート及びジシクロペンタニルアクリレートからなる群から選択される少なくとも1種の環状骨格を有する(メタ)アクリレートを10重量%以上で」含んでいるのに対し、刊行物1発明では、透明樹脂充填剤中、アクリロモルホリンは、10重量%以上では含まれていない点。

<相違点2>
(メタ)アクリレート(A)について、本件発明1では、「(i)重量平均分子量が7000?25000であって、多価アルコール、イソホロンジイソシアネート及びヒドロキシC2?C4アルキル(メタ)アクリレートの3者の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート、但し、前記のウレタン(メタ)アクリレートは、ラクトン変性されたものを除く」を含んでいるのに対し、刊行物1発明では、そのような成分を含んでいない点。

<相違点3>
(メタ)アクリレート(A)について、本件発明1では、「(iii)(メタ)アクリレートモノマーとして、炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレートを含み、前記の炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレートがラウリル(メタ)アクリレートである」のに対し、刊行物1発明では、ラウリル(メタ)アクリレートを含んでいない点。

<相違点4>
配合成分の重量割合について、本件発明1では、「紫外線硬化型樹脂組成物中における、ウレタン(メタ)アクリレートの重量割合が30?70重量%であり、(メタ)アクリレートモノマーの重量割合が10?50重量%であり」、「紫外線硬化型樹脂組成物の総量に対して、ウレタン(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリレートモノマーの合計含量が40?80重量%」であることが特定されているのに対し、刊行物1発明では、そのような重量割合が特定されていない点

そこで、上記相違点について検討する。

(ア-2)相違点1について
(ア-2-1)刊行物1発明の課題について
刊行物1の上記(ク1)の[0001]?[0005]には、背景技術として、画像表示パネルと表面パネルとの間に透明樹脂充填剤を充填し、硬化させる表示装置の製造に際し、充填された樹脂に気泡等の異物があった場合、リペア作業が行われるが、特に樹脂硬化後のリペア作業は、画像表示パネルと表面パネルとを剥離するのに必要な剥離強度が大きくなり、画像表パネルや表面パネルにダメージを与えてしまう虞があったため、両者を容易確実に剥離し、再利用することが可能な剥離再利用性、いわゆるリワーク性の向上が望まれていたことが記載されており、このため、刊行物1発明は、[0007]に記載されたように、「優れたリワーク性を有する表示装置及びその製造方法、並びに透明樹脂充填剤を提供すること」を目的とするものであること、及び[0008]には、「ショアEとして表現される硬度に接着強度(凝集力)を乗じた値が400以下であれば、画像表示パネルと表面パネルとを剥離するのに必要な剥離強度が小さくなり、樹脂硬化後のリワーク性を向上させることが可能であることを見出した」ことが記載されている。

(ア-2-2)刊行物1の記載について
刊行物1の上記(ウ1)の[0021]?[0022]には、「透明樹脂充填剤は、ポリウレタンアクリレート、イソボルニルアクリレート等の光反応性アクリレート材料と、光重合開始剤とを主剤とすることが好ましい」こと、及び「ポリウレタンアクリレート、ポリイソプレン系アクリレート又はそのエステル化物、テルペン系水素添加樹脂、ブタジエン重合体等の1種以上のポリマーと、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシブチルメタクリレート等の1種以上のアクリレート系モノマーと、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン等の光重合開始剤とを含有する樹脂組成物を好適に用いることができる」ことが記載されているが、「アクリレート系モノマー」の例示において、環状骨格を有する化合物(イゾボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート)と環状骨格を有さないその他の化合物とは特段の区別なく並記されており、また、本件発明1の成分(ii)の選択肢であるアクリロイルモルホリン、ジシクロペンテニルアクリレート及びジシクロペンタニルアクリレートは、いずれも例示には含まれていないから、当該記載からは、上記刊行物1発明の課題解決の観点から、特に上記相違点1に係る特定の環状骨格を有するアクリレート系モノマーの重量割合に着目して、10重量%以上とすることが動機付けられるものではなく、仮にそのようにした場合にどのような効果が生じるのかを、刊行物1の記載から予測することも困難である。
また、刊行物1発明の透明樹脂充填剤は、刊行物1の上記(オ1)の[0046]の記載を参照しても、「アクリレート系モノマー」に相当するジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、アクリロモルホリン及びベンジルアクリレートが、それぞれどのような理由で選択され、その重量割合が決められたのか明らかではない。そして、[樹脂1]における「アクリロモルホリン」の重量割合は3/255.5×100=1.17重量%であるが、当該モノマーの重量割合を増加させたり、別の環状骨格を有するモノマーを追加したりすることは、[樹脂1]が有している性質にどのような影響をもたらすか予測ができず、上記刊行物1発明の課題を解決し得なくなる虞があるから、当業者が積極的に動機付けられることではない。
さらに、刊行物1発明([樹脂1])は、環状骨格を有するアクリレート系モノマーの一つとして「ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート」を35/255.5×100=13.7重量%含有しているが、当該化合物は環状骨格とメタクリロイル基とが-OCH_(2)CH_(2)O-基を介して結合している点で、本件発明1の成分(ii)の選択肢(いずれも環状骨格とアクリロイル基とが直結)とは化学構造が異なっている。そして、重合体を構成するモノマーを、そのモノマー単独の重合体のガラス転移温度(Tg)がより高い別のモノマーに置換すると、一般に、硬度や凝集力が高まることが周知(もし必要であれば、特開2008-297376号公報の[0057]、特開2007-79214号公報の[0028]等を参照。)であるところ、重合物のガラス転移温度の点でも、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(35℃ 乙第6号証:特開2003-118046号公報の[0020])と本件発明1の成分(ii)(アクリロイルモルホリン(145℃ 乙第1号証:特開2010-37411号公報の[0024])、ジシクロペンテニルアクリレート(120℃ 乙第1号証:特開2010-37411号公報の[0024])、ジシクロペンタニルアクリレート(120℃ 乙第1号証:特開2010-37411号公報の[0024]))とでは大きく異なっているから、仮に、刊行物1発明における「ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート」を、本件発明1の成分(ii)に相当する他の環状骨格を有するアクリレート系モノマーに置き換えれば、硬化物の硬度や凝集力が変化して、刊行物1発明の課題を解決できなくなる虞がある。
そうすると、当業者がそのようなモノマーの置き換えを動機付けられるものではない。

(ア-2-3)刊行物2?4の記載について
刊行物2(上記(ア2))、刊行物3(上記(ア3)、(イ3))及び刊行物4(上記(ア4)、(イ4))には、高分子量のモノマーに反応させる単官能のモノマーとして、「ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート」、「アクリロイルモルホリン」、及び「ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート」が同列に選択使用可能なモノマーとして記載されているが、上記上記第5 1.(3)ア(ア-2-2)「刊行物1の記載について」にも一部記載したように、「ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート」は、環状骨格と(メタ)アクリロイル基とが-OCH_(2)CH_(2)O-基を介して結合している点で、他の選択肢と化学構造が異なっている。そして、上記のとおり、重合体を構成するモノマーを、そのモノマー単独の重合体のガラス転移温度(Tg)がより高い別のモノマーに置換すると、一般に、硬度や凝集力が高まることが周知であるところ、重合物のガラス転移温度の点でも、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(35℃ 乙第6号証:特開2003-118046号公報の[0020])、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート(13℃ 乙第6号証:特開2003-118046号公報の[0020])と、本件発明1の成分(ii)とでは大きく異なっている。
そうすると、刊行物1と刊行物2?4とを組み合わせても、刊行物1発明における「ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート」を、本件発明1の成分(ii)に相当する他の環状骨格を有するアクリレート系モノマーに置き換えることが動機付けられるものではない。

(ア-2-4)刊行物5の記載について
上記第5 1.(2)イ「刊行物5発明」に記載したとおり、刊行物5には、刊行物1発明と共通の、光学部材の貼り合わせに用いられる紫外線硬化型樹脂組成物の技術分野に属する発明(刊行物5発明)が記載されているところ、刊行物5の上記(ウ5)の[0031]には、「(B)アクリル酸系誘導体」として配合される成分について、「アクリロイル基を分子内に1個有する化合物が好ましく、(a)アルキル基の炭素数が4?18であるアルキルアクリレート(b)水酸基、モルホリン基等の極性基を含有するアクリレートの混合物からなることが好ましい」ことが記載され、[0032]には、「(b)水酸基、モルホリン基等の極性基は、ガラスなどの被着体の界面と水素結合を形成するため、これらを混合することにより、耐湿熱信頼性に優れた粘着力を得ることができる」ことが記載されている。
また、刊行物5発明は、アクリロイルモルホリンを17.40重量%含有するものであり、「紫外線を2,000mJ照射して透明シート1を得」て、「60℃での粘着力を測定したところ、11.2N/25mmであった。またtanδは0.49だった。この透明シート1を液晶パネルに貼合し、60℃・95%RHの試験層に3時間投入したところ、剥がれが発生せず、点灯したパネルは、二重写りが無く、コントラストに優れた表示が得られた」というものであるから、アクリロイルモルホリンにより、実際に「耐湿熱信頼性に優れた粘着力を得ることができ」たものと解される。
しかし、刊行物1発明の解決しようとする課題は「優れたリワーク性を有する表示装置及びその製造方法、並びに透明樹脂充填剤を提供すること」であるから、単に硬化物の粘着力が優れているというだけでは、剥離強度が小さいことも求められる刊行物1発明において、直ちにアクリロイルモルホリンの重量割合を10重量%以上に増加させることの動機付けにはならない。
また、刊行物5発明においてアクリロイルモルホリンと併用されている成分は、刊行物1発明の含有成分とは異なるから、刊行物5発明の性質や、刊行物5の他の記載を参酌しても、刊行物1発明における「アクリロモルホリン」を10重量%以上に増加させた場合の性質を当業者が予測し得るものではない。
よって、刊行物1と刊行物5を組み合わせても、上記相違点1に係る構成に当業者が容易に想到し得たとは認められない。

(ア-2-5)刊行物7の記載について
上記第5 1.(2)ウ「刊行物7発明」に記載したとおり、刊行物7には、刊行物1発明と共通の、光学部材の貼り合わせに用いられる紫外線硬化型樹脂組成物の技術分野に属する発明(刊行物7発明)が記載されているところ、刊行物7の上記(エ7)の[0020]?[0021]には、「不飽和二重結合を有する官能基を1つ有するモノマー(B)」として配合される成分について、「着色性、粘度の面より、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートが好ましく、これらの1種又は2種以上を用いてもよい。中でも、フェノキシエチルアクリレート及び/又はジシクロペンタニルアクリレートが特に好ましい」こと、及び「光硬化型透明接着剤組成物中におけるモノマー(B)の重量割合は30重量%?93重量%が好ましい」ことが記載されている。
また、刊行物7発明は、刊行物7の上記(キ7)の[0032]?[0039]に記載された実施例1に基づき、ジシクロペンタニルモノアクリレートを20/106×100=19.0重量%含有するものであり、[0038]の表2には、60℃、90%RHに100時間放置した後の2枚の基板の剥離の様子を観察したところ、剥離無しであったこと、及びピール強度が5.0Nであったことが記載され、[0039]には、「高い透明性を有し・・・耐ヒートサイクル性、耐湿性等の信頼性に優れ、ピール強度から接着性に非常に優れている」ことが記載されている。
しかし、刊行物1発明の解決しようとする課題は「優れたリワーク性を有する表示装置及びその製造方法、並びに透明樹脂充填剤を提供すること」であるから、刊行物7発明が「耐湿性等の信頼性に優れ、ピール強度から接着性に非常に優れている」といっても、剥離強度が小さいことも求められる刊行物1発明において、直ちにジシクロペンタニルモノアクリレートの重量割合を10重量%以上に増加させることの動機付けにはならない。
また、刊行物7発明においてジシクロペンタニルモノアクリレートと併用されている成分は、刊行物1発明の含有成分とは異なるから、刊行物7発明の性質や、刊行物7の他の記載を参酌しても、刊行物1発明において「ジシクロペンタニルモノアクリレート」を10重量%以上含有させた場合の性質を当業者が予測し得るものではない。
よって、刊行物1と刊行物7を組み合わせても、上記相違点1に係る構成に当業者が容易に想到し得たとは認められない。

(ア-2-6)本件発明の効果について
後記する第5 2.「理由3について」の(1)「本件発明の課題について」に記載したとおり、本件明細書の[0001]?[0007]の記載等を参酌すると、本件発明は「硬化性、柔軟性を含めた密着性のよいタッチパネル又は表示体ユニット等の光学部材に用いる紫外線硬化型樹脂組成物を得る」という効果を奏するものである。
また、本件明細書の[0041]には、「特に、樹脂の柔軟性の観点から、炭素数10?20のアルキル(メタ)アクリレート・・・更に好ましくはラウリル(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。・・・ガラスへの密着性を向上させる観点からは、上記(メタ)アクリレートモノマーとして、・・・アクリロイルモルホリンを使用することが特に好ましい。・・・ラウリル(メタ)アクリレート及びアクリロイルモルホリンの両者を含有することが好ましい。」と記載されていることから、ラウリル(メタ)アクリレートが硬化物の柔軟性を向上させ、アクリロイルモルホリンが硬化物のガラスへの密着性を向上させるものであり、アクリロイルモルホリン及びラウリル(メタ)アクリレートを含む各成分を本件発明1に記載されたような割合で併用することにより、「硬化性、柔軟性を含めた密着性のよい」紫外線硬化型樹脂組成物が得られるものと理解できる。
さらに、[0084]には、アクリロイルモルホリンとラウリルアクリレートとの併用を含む本件発明1に相当する成分の組合せにより「紫外線硬化型樹脂組成物A」を調製したこと、及び[0085]?[0100]には、「紫外線硬化型樹脂組成物A」を用いて光学部材を作製した実施例1及び2は、スライドガラス及びアクリル板への接着性試験において、85℃、85%RH環境下、250時間という試験条件で剥がれが生じないという優れた接着性を示すことに加え、遮光領域の硬化性、ガラス越しに紫外線を照射したときの硬化性、硬化収縮率、柔軟性及び透明性の試験においても優れた性質を示すものであったことが記載されているから、実際に、実施例の組成物は上記のような優れた性質を兼ね備えたものであることを理解することができる。
そして、本件発明1の成分(ii)の他の選択肢とされているジシクロペンテニルアクリレート及びジシクロペンタニルアクリレートについては、いずれもアクリロイルモルホリンと同様に環構造とアクリロイル基とが直結した化学構造を有するアクリル系モノマーであって、その重合物のガラス転移温度(いずれも120℃ 乙第1号証:特開2010-37411号公報の[0024])がアクリロイルモルホリンの重合物のガラス転移温度(145℃ 乙第1号証:特開2010-37411号公報の[0024])と同程度であることが知られている。そして、上記のとおり、重合体を構成するモノマー成分については、それを単独重合体としたときのガラス転移温度(Tg)が、一般に、硬度や凝集力と関係していることが周知(もし必要であれば、特開2008-297376号公報の[0057]、特開2007-79214号公報の[0028]等を参照。)であるから、ジシクロペンテニルアクリレート又はジシクロペンタニルアクリレートをラウリル(メタ)アクリレートと併用する場合にも、上記実施例と同様の性質を備えた紫外線硬化型樹脂組成物が得られると当業者は理解することができる。

(ア-2-7)相違点1についてのまとめ
上記刊行物1の記載を踏まえると、刊行物1発明が解決しようとする課題(「優れたリワーク性を有する表示装置及びその製造方法、並びに透明樹脂充填剤を提供すること」)は、本件発明の「硬化性、柔軟性を含めた密着性のよいタッチパネル又は表示体ユニット等の光学部材に用いる紫外線硬化型樹脂組成物を得る」という課題とは異なる。特に、刊行物1発明は、「画像表示パネルと表面パネルとを剥離するのに必要な剥離強度が小さくなり、樹脂硬化後のリワーク性を向上させることが可能」(上記(ク1)の[0008])なものであるところ、本件発明が課題とする「密着性」、すなわち「85℃、85%RH環境下、250時間」という厳しい試験条件での密着性の改善までは課題としていない。
また、刊行物5には「耐湿熱信頼性」(60℃・95%RHの試験層に3時間投入)について記載され、刊行物7には「耐湿性」(60℃、90%RHに100時間放置)について記載されているが、刊行物1発明の課題とは一致せず、本件発明のより高温、長時間の条件下での「密着性」(85℃、85%RH環境下、250時間)を示唆するものともいえない。
さらに、刊行物2?4にも、本件発明の効果は記載も示唆もされていない。
そうすると、上記相違点1は、刊行物1発明並びに刊行物1?5及び7に記載された事項に基づいて当業者が容易に想到し得たこととは認められない。

(ア-3)本件発明1についての判断
よって、他の相違点2?4について検討するまでもなく、本件発明1は、刊行物1発明並びに刊行物1?5及び7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

(イ)本件発明3、4、6、9?11、15及び16について
本件発明3、4、6、9?11、15及び16は、本件発明1を引用し、本件発明1の発明特定事項をさらに限定したものであるか、または、本件発明1にさらに他の発明特定事項を付加したものである。
よって、本件発明3、4、6、9?11、15及び16は、本件発明1と同じ理由により、いずれも刊行物1発明並びに刊行物1、5及び7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。

イ 刊行物5を主引用例として
(ア)本件発明1について
(ア-1)本件発明1と刊行物5発明との対比
本件発明1と刊行物5発明を対比する。

○刊行物5発明の「2?エチルヘキシルアクリレート」、「アクリロイルモルホリン」、及び「(C)ウレタンアクリレート」は、併せて、本件発明1の「(メタ)アクリレート(A)」に相当すると共に、上記「(C)ウレタンアクリレート」は、本件発明1の「(i)ウレタン(メタ)アクリレート」に相当し、上記「アクリロイルモルホリン」は、本件発明1の「(ii)(メタ)アクリレートモノマーとして、アクリロイルモルホリン、ジシクロペンテニルアクリレート及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種の環状骨格を有する(メタ)アクリレート」に相当すると共に、上記「アクリロイルモルホリン」の含有量は、本件発明1の成分(ii)の10重量%以上という範囲及び「紫外線硬化型樹脂組成物中における・・・(メタ)アクリレートモノマーの重量割合が10?50重量%」という範囲に含まれている。

○刊行物5発明の「1?ヒドロキシ?シクロヘキシル?フェニル?ケトン(光重合開始剤)」は、本件発明1の「光重合開始剤(B)」に相当し、その含有量は、本件発明1の0.3?3重量%に含まれている。また、刊行物5発明の光学用樹脂組成物は、光重合開始剤を含み、上記(カ5)の段落[0080]の実施例1で、紫外線照射装置を用いて紫外線を照射しているものであることから、本件発明1の「紫外線硬化型樹脂組成物」に相当する。

○刊行物5発明の「液晶パネル」及び「アクリル前面板」は、共に本件発明1の「光学基材」に相当するから、刊行物5発明の「液晶パネルにアクリル前面板を貼合する」は、本件発明1の「光学基材の貼り合わせ用」に相当する。

そうすると、本件発明1と刊行物5発明とは、
「(メタ)アクリレート(A)、光重合開始剤(B)を含有する紫外線硬化型樹脂組成物であって、
前記(メタ)アクリレート(A)として、
(i)ウレタン(メタ)アクリレートを、及び
(ii)(メタ)アクリレートモノマーとして、アクリロイルモルホリン、ジシクロペンテニルアクリレート及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種の環状骨格を有する(メタ)アクリレートを10重量%以上で、含み、
前記の紫外線硬化型樹脂組成物中における、(メタ)アクリレートモノマーの重量割合が10?50重量%であり、光重合開始剤(B)の重量割合が0.3?3重量%である、
光学基材の貼り合わせ用紫外線硬化型樹脂組成物」
の点で一致し、以下の点で相違しているといえる。

<相違点1’>
紫外線硬化型樹脂組成物について、本件発明1では、柔軟化成分を含有するのに対し、刊行物5発明では、柔軟化成分を含有するのか明らかでない点。

<相違点2’>
ウレタン(メタ)アクリレートが、本件発明1では、「(i)重量平均分子量が7000?25000であって、多価アルコール、イソホロンジイソシアネート及びヒドロキシC2?C4アルキル(メタ)アクリレートの3者の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート、但し、前記のウレタン(メタ)アクリレートは、ラクトン変性されたものを除く」と特定されているのに対し、刊行物5発明では、そのように特定されるものではない点。

<相違点3’>
(メタ)アクリレート(A)について、本件発明1では、「(iii)(メタ)アクリレートモノマーとして、炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレートを含み、前記の炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレートがラウリル(メタ)アクリレートである」のに対し、刊行物5発明では、ラウリル(メタ)アクリレートを含んでいない点。

<相違点4’>
配合成分の重量割合について、本件発明1では、「紫外線硬化型樹脂組成物中における、ウレタン(メタ)アクリレートの重量割合が30?70重量%であり」、「紫外線硬化型樹脂組成物の総量に対して、ウレタン(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリレートモノマーの合計含量が40?80重量%」であることが特定されているのに対し、刊行物5発明では、そのような重量割合ではない点

<相違点5’>
紫外線硬化型樹脂組成物について、本件発明1では、デュロメータ硬度計(タイプE)を用いて測定した測定値が10未満であるのに対し、刊行物5発明では、デュロメータ硬度計(タイプE)を用いて測定した測定値が10未満であるのか明らかでない点。

そこで、上記相違点について検討する。

(ア-2)相違点2’について
事案に鑑み、まず、相違点2’について検討する。
(ア-2-1)刊行物5発明の課題について
刊行物5の上記(イ5)の[0001]?[0019]には、背景技術として、ディスプレイの割れ防止のために、特定の樹脂をディスプレイ表面に積層すること又は特定の樹脂を積層した光学フィルターをディスプレイ表面に積層することが提案されていたが、樹脂の耐湿信頼性、衝撃吸収性が不十分なものであったことが記載されており、このため、刊行物5発明は、[0020]に記載されたように、「透明で、画像表示用装置の保護に必要な衝撃吸収性を有し、耐湿信頼性に優れた粘着力を有する光学用樹脂組成物及びこの組成物を用いた光学用樹脂材料を提供すること」を目的とするものであることが記載されている。

(ア-2-2)刊行物5の記載について
刊行物5の上記(エ5)の[0037]?[0040]には、「(C)架橋剤としては、アクリロイル基を分子内に2個以上有する化合物であることが好ましい」こと、「分子量は3×10^(4)?9×10^(4)であることが好まし」いこと、「分子量を3×10^(4)以上とすることで、高温高湿環境下で剥がれの発生しない粘着力を得ることができ、また9×10^(4)未満にすることで、ワニスの粘度が高くなりすぎず、シート作製が容易になる」こと、「硬化物の強靭さの点から、高分子量架橋剤としては、ポリウレタンのジ(メタ)アクリレート、反応性二重結合末端ポリウレタン(特に、反応性二重結合がアクリロイル基に基づくもの)が好まし」く、「これらのうち、ポリウレタンのジオール成分がポリプロピレングリコールやポリテトラメチレングリコールからなるものがより好ましく、ジオール成分がポリプロピレングリコールやポリテトラメチレングリコールで、ジイソシアネート成分がイソホロンジイソシアネートであるポリウレタンを使用するものがさらに好ましい」ことが記載されている。
また、[0047]には、高分子架橋剤として「(b)ポリウレタンをヒドロキシル基と反応性二重結合を有する化合物と反応させて得られる化合物;詳しくは、ポリウレタンの原料となる多価アルコールと多価イソシアネート化合物・・・多価イソシアネート過剰で反応させて得られる末端にイソシアネート基を有する化合物を、ヒドロキシル基と反応性二重結合を有する化合物と反応させる」ことにより得られる化合物を用いることができることが記載されており、[0049]には、ヒドロキシル基と反応性二重結合を有する化合物の具体例として2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレートが例示されている。
さらに、刊行物5発明は、刊行物5の上記(カ5)の[0080]?[0081]に記載された実施例1に基づくものであるところ、当該実施例1において用いられている「ポリウレタンアクリレート1」は、[0076]?[0077]に記載されたように、ポリプロピレングリコール、2-エチルヘキシルアクリレート及びイソホロンジイソシアネートの反応により得られたヒドロキシ末端ポリウレタンにラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレートを反応させて得られるものであり、重量平均分子量が32000であったことが記載されている点、及び本件発明1では除外されている「ラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート」を用いている点で、本件発明1の成分(i)のウレタン(メタ)アクリレートとは異なるものである。
加えて、刊行物5の上記(キ5)の[0086]?[0088]には、比較例1において「ポリウレタンアクリレート3」が用いられ、当該化合物は、ポリプロピレングリコール、2-ヒドロキシエチルアクリレート及びイソホロンジイソシアネートの反応により得られた、重量平均分子量が20000のものであったことが記載されているが、上記(ク5)の[表1]には、比較例1は60℃粘着力、60℃tanδが実施例より劣り、耐湿熱信頼性試験(60℃/95%RHの試験槽に3時間投入)において剥がれが発生したことが記載されているから、比較例1では上記刊行物5発明の課題を解決し得なかったことが理解できる。
そうすると、刊行物5に記載されたウレタンアクリレートは、構成成分の例示としては、一応本件発明1のウレタン(メタ)アクリレートと類似するものも例示されているが、実施例では本件発明1で除外されている「ラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート」を含むものが用いられており、当該成分を含まないウレタンアクリレートは「比較例」でしか用いられていない。
また、好ましいとされる分子量(実施例の記載を参酌すると重量平均分子量と解される)についても、「3×10^(4)?9×10^(4)」とされており、実施例1で用いられたものも重量平均分子量が32000であるから、本件発明1の成分(i)のウレタン(メタ)アクリレートの「重量平均分子量が7000?25000」とは異なっている。そして、刊行物5の[0038]には、「分子量を3×10^(4)以上とすることで、高温高湿環境下で剥がれの発生しない粘着力を得ることができ」ると記載されているから、当該分子量範囲は、刊行物5発明の課題の一つである「耐湿信頼性に優れた粘着力を有する光学用樹脂組成物」を提供することに寄与していると解されるところ、実際、重量平均分子量が20000のウレタンアクリレートを用いた比較例1は、上記課題を解決できなかったことが記載されている。
そうすると、刊行物5発明のウレタンアクリレートにおいて、上記相違点2’に係る「7000?25000」という重量平均分子量、及び「ウレタン(メタ)アクリレートは、ラクトン変性されたものを除く」という構成を備えたものを用いることは、刊行物5に実質的に記載されていない事項といえ、また、そのような構成を採用することは当業者が積極的に動機付けられることともいえない。

(ア-2-3)刊行物1及び6の記載について
上記第5 1.(2)ア「刊行物1発明」及び同(3)ア(ア-1)「本件発明1と刊行物1発明との対比」等に記載したとおり、刊行物1にはウレタン(メタ)アクリレートを用いた紫外線硬化型樹脂組成物は記載されていない。
また、刊行物6には、上記(ア6)?(ウ6)のとおり、硬化後の硬さがショアA硬度で1?30である、表示機器用の透明接着剤が記載されているが、ウレタン(メタ)アクリレートを用いることは記載されていない。
よって、刊行物5と刊行物1及び6とを組み合わせても、上記相違点2’に係る構成に当業者が容易に想到し得たとは認められない。

(ア-2-4)本件発明の効果について
本件発明の効果は、上記第5 1.(3)ア(ア-2-6)「本件発明の効果について」に記載したとおりであり、本件発明1の範囲で「硬化性、柔軟性を含めた密着性のよいタッチパネル又は表示体ユニット等の光学部材に用いる紫外線硬化型樹脂組成物を得る」という効果が得られるものと当業者は理解できる。
また、刊行物5には「耐湿熱信頼性」(60℃・95%RHの試験層に3時間投入)について記載されているが、本件発明が課題とする「密着性」、すなわち「85℃、85%RH環境下、250時間」というより厳しい試験条件での密着性の改善までを課題とするものとはいえず、実際、そのような高い密着性が得られることは、刊行物5に記載も示唆もされていない。刊行物1及び6も同様である。

(ア-2-5)相違点2’についてのまとめ
そうすると、上記相違点2’は刊行物5発明と本件発明1との間の実質的な相違点であり、また、刊行物5発明並びに刊行物1及び6に記載された事項に基づいて当業者が容易に想到し得たことであるとも認められない。

(ア-3)本件発明1についての判断
よって、他の相違点1’及び3’?5’について検討するまでもなく、本件発明1は、刊行物5に記載された発明ではないから、特許法第29条第1項第3号に該当せず、特許を受けることができないものではない。
また、本件発明1は、刊行物5発明並びに刊行物1及び6に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものでもない。

(イ)本件発明6、9、10、15及び16について
本件発明6、9、10、15及び16は、本件発明1を引用し、本件発明1の発明特定事項をさらに限定したものであるか、または、本件発明1にさらに他の発明特定事項を付加したものである。
よって、本件発明6、9、10、15及び16は、本件発明1と同じ理由により、いずれも刊行物5に記載された発明ではないから、特許法第29条第1項第3号に該当せず、特許を受けることができないものではない。
また、本件発明6、9、10、15及び16は、本件発明1と同じ理由により、いずれも刊行物5発明並びに刊行物1及び6に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものでもない。

ウ 刊行物7を主引用例として
(ア)本件発明1について
(ア-1)本件発明1と刊行物7発明との対比
本件発明1と刊行物7発明を対比する。

○刊行物7発明の「ウレタン(メタ)アクリレート(A)」及び「ジシクロペンタニルモノアクリレート」は、併せて、本件発明1の「(メタ)アクリレート(A)」に相当すると共に、上記「ウレタン(メタ)アクリレート(A)」は、本件発明1の「(i)ウレタン(メタ)アクリレート」に相当し、その含有量は、本件発明1の「紫外線硬化型樹脂組成物中における、ウレタン(メタ)アクリレートの重量割合が30?70重量%」という範囲に含まれ、上記「ジシクロペンタニルモノアクリレート」は、本件発明1の「(ii)(メタ)アクリレートモノマーとして、アクリロイルモルホリン、ジシクロペンテニルアクリレート及びジシクロペンタニルアクリレートからなる群から選択される少なくとも1種の環状骨格を有する(メタ)アクリレート」に相当すると共に、上記「ジシクロペンタニルモノアクリレート」の含有量は、本件発明1の10重量%以上という範囲及び「紫外線硬化型樹脂組成物中における・・・(メタ)アクリレートモノマーの重量割合が10?50重量%」という範囲に含まれ、上記「ウレタン(メタ)アクリレート(A)」及び上記「ジシクロペンタニルモノアクリレート」の合計含量は、本件発明1の「紫外線硬化型樹脂組成物の総量に対して、ウレタン(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリレートモノマーの合計含量が40?80重量%」という範囲に含まれる。

○刊行物7発明の「光重合開始剤(C)」及び「紫外線硬化型透明接着剤組成物」は、それぞれ、本件発明1の「光重合開始剤(B)」及び「紫外線硬化型透明接着剤組成物」に相当し、上記「光重合開始剤(C)」の含有量は、本件発明1の「紫外線硬化型樹脂組成物中における・・・光重合開始剤(B)の重量割合が0.3?3重量%」という範囲に含まれる。

○本件明細書の段落[0076]の「本発明に用いる光学基材、例えば透明板又はシートとしては、偏光板等のフィルム又はシートを複数積層したシート又は透明板;積層していないシート又は透明板;及び、無機ガラスから作製された透明板(無機ガラス板及びその加工品、例えばレンズ、プリズム、ITOガラス)等を使用することができる。」等の記載によれば、刊行物7発明の「偏光フィルム」及び「保護板」は、共に本件発明1の「光学基材」に相当するから、刊行物7発明の「偏光フィルムと保護板との接着に使用する」は、本件発明1の「光学基材の貼り合わせ用」に相当する。

そうすると、本件発明1と刊行物7発明とは、
「(メタ)アクリレート(A)、光重合開始剤(B)を含有する紫外線硬化型樹脂組成物であって、
前記(メタ)アクリレート(A)として、
(i)ウレタン(メタ)アクリレートを、及び
(ii)(メタ)アクリレートモノマーとして、アクリロイルモルホリン、ジシクロペンテニルアクリレート及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種の環状骨格を有する(メタ)アクリレートを10重量%以上で、含み、
前記の紫外線硬化型樹脂組成物中における、ウレタン(メタ)アクリレートの重量割合が30?70重量%であり、(メタ)アクリレートモノマーの重量割合が10?50重量%であり、光重合開始剤(B)の重量割合が0.3?3重量%であり、
前記の紫外線硬化型樹脂組成物の総量に対して、ウレタン(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリレートモノマーの合計含量が40?80重量%である、
光学基材の貼り合わせ用紫外線硬化型樹脂組成物」
の点で一致し、以下の点で相違しているといえる。

<相違点1”>
紫外線硬化型樹脂組成物について、本件発明1では、柔軟化成分を含有するのに対し、刊行物7発明では、柔軟化成分を含有するのか明らかでない点。

<相違点2”>
ウレタン(メタ)アクリレートが、本件発明1では、「(i)重量平均分子量が7000?25000であって、多価アルコール、イソホロンジイソシアネート及びヒドロキシC2?C4アルキル(メタ)アクリレートの3者の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート、但し、前記のウレタン(メタ)アクリレートは、ラクトン変性されたものを除く」と特定されているのに対し、刊行物7発明では、そのように特定されるものではない点。

<相違点3”>
(メタ)アクリレート(A)について、本件発明1では、「(iii)(メタ)アクリレートモノマーとして、炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレートを含み、前記の炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレートがラウリル(メタ)アクリレートである」のに対し、刊行物7発明では、ラウリル(メタ)アクリレートを含んでいない点。

<相違点4”>
紫外線硬化型樹脂組成物について、本件発明1では、デュロメータ硬度計(タイプE)を用いて測定した測定値が10未満であるのに対し、刊行物7発明では、デュロメータ硬度計(タイプE)を用いて測定した測定値が10未満であるのか明らかでない点。

そこで、上記相違点について検討する。

(ア-2)相違点3”について
事案に鑑み、まず、相違点3”について検討する。
(ア-2-1)刊行物7発明の課題について
刊行物7の上記(イ7)の[0002]?[0003]には、背景技術として、液晶ディスプレイ等の表示装置に直接保護板を接着剤で貼り付ける方法において、高温での加熱が必要ではなく、短時間で硬化できる光硬化型の接着剤が有効といえるが、接着部の上面に遮光部が一部存在しているような場合もあり、その場合には硬化接着時に照射する紫外線が、表示装置の偏光フィルムやカラーフィルターに悪影響を与えない低エネルギーであっても硬化接着できるような反応性の高い接着剤でなくてはならないという課題があったことが記載されており、このため、刊行物7発明は、[0005]に記載されたように、「液晶ディスプレイ等の表示装置上面の偏光フィルムと保護板との接着性に優れ、反応性や透明性が良好で、且つ、耐ヒートサイクル性、耐湿性等に優れる信頼性の高い光硬化型接着剤組成物を提供」しようとするものであることが記載されている。

(ア-2-2)刊行物7の記載について
刊行物7の上記(エ7)の[0020]には、「不飽和二重結合を有する官能基を1つ有するモノマー(B)」として配合される成分について、「(メタ)アクリレート基やビニル基等を分子内に1つ有している化合物」であることが記載され、その具体例の一つとしてラウリル(メタ)アクリレートが例示されている。
しかし、刊行物7において、当該ラウリル(メタ)アクリレートは、C1?C20アルキル(メタ)アクリレートや、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の環状骨格を有する(メタ)アクリレートや、ビニルピロリドン等の非(メタ)アクリレート系ビニルモノマー等と並列して多数例示されている化合物の一つにすぎず、特にラウリル(メタ)アクリレートを用いることにより好ましい効果が得られる旨の記載はなく、上記(キ7)等に記載された実施例においてもラウリル(メタ)アクリレートは用いられていない。
また、刊行物7の上記(エ7)の[0021]には、「着色性、粘度の面より、・・・中でもフェノキシエチルアクリレート及び/又はジシクロペンタニルアクリレートが特に好ましい」ことが記載され、実際、上記(キ7)の[0031]?[0039]に記載された実施例1及び2においては両化合物が用いられており、[0038]の[表2]には、いずれの実施例も透明性、耐ヒートサイクル性、耐湿性及びピール強度において良好な性質を備えていることが記載されているから、実施例1、2はいずれも上記刊行物7発明の課題を解決し得るものであることを理解することができるが、フェノキシエチルアクリレート及びジシクロペンタニルアクリレートは、いずれも環状骨格を有するアクリレートである点で、ラウリル(メタ)アクリレートとは化学構造が明らかに異なる化合物である。
さらに、刊行物7の上記(キ7)の[0031]?[0039]に記載された比較例2は、フェノキシエチルアクリレート及びジシクロペンタニルアクリレートを含まない例であるところ、[0038]の[表2]には、比較例2は透明性、耐ヒートサイクル性、耐湿性及びピール強度において実施例に劣ることが記載され、上記刊行物7発明の課題を解決することができないものと解されるから、環状骨格を有するアクリレートの有無が、上記課題の解決に影響を与えることが明らかである。
そうすると、刊行物7発明において用いられているフェノキシエチルアクリレート及びジシクロペンタニルアクリレートモノマーに代えて、又は追加して、環状骨格を有さない化合物である上記相違点3”に係るラウリル(メタ)アクリレートを用いれば、配合物が有している性質を変化させ、上記刊行物7発明の「接着性に優れ、反応性や透明性が良好で、且つ、耐ヒートサイクル性、耐湿性等に優れる」等の課題を解決し得なくなる虞があるから、そのような置き換え又は添加により上記相違点3”に相当する構成を備えた配合物は、刊行物7に実質的に記載されていない事項といえ、また、そのような構成を採用することは当業者が積極的に動機付けられることともいえない。

(ア-2-3)刊行物1及び6の記載について
刊行物1の上記(ウ1)の[0021]?[0022]には、「透明樹脂充填剤は、ポリウレタンアクリレート、イソボルニルアクリレート等の光反応性アクリレート材料と、光重合開始剤とを主剤とすることが好ましい」こと、及び「ポリウレタンアクリレート、ポリイソプレン系アクリレート又はそのエステル化物、テルペン系水素添加樹脂、ブタジエン重合体等の1種以上のポリマーと、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシブチルメタクリレート等の1種以上のアクリレート系モノマーと、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン等の光重合開始剤とを含有する樹脂組成物を好適に用いることができる」ことが記載されているが、「アクリレート系モノマー」として「ラウリル(メタ)アクリレート」を用いることは具体的には記載されておらず、刊行物1の実施例(上記(オ1)、(カ1)を参照。)においても、「ラウリル(メタ)アクリレート」は用いられていない。
また、刊行物6には、上記(ア6)?(ウ6)のとおり、硬化後の硬さがショアA硬度で1?30である、表示機器用の透明接着剤が記載されているが、「ラウリル(メタ)アクリレート」を用いることは記載されていない。
よって、刊行物7と刊行物1及び6とを組み合わせても、上記相違点3”に係る構成に当業者が容易に想到し得たとは認められない。

(ア-2-4)本件発明の効果について
本件発明の効果は、上記第5 1.(3)ア(ア-2-6)「本件発明の効果について」に記載したとおりであり、本件発明1の範囲で「硬化性、柔軟性を含めた密着性のよいタッチパネル又は表示体ユニット等の光学部材に用いる紫外線硬化型樹脂組成物を得る」という効果が得られるものと当業者は理解できる。
また、刊行物7には「耐湿性」(60℃、90%RHに100時間放置)について記載されているが、本件発明が課題とする「密着性」、すなわち「85℃、85%RH環境下、250時間」というより厳しい試験条件での密着性の改善までを課題とするものとはいえず、実際、そのような高い密着性が得られることは、刊行物7に記載も示唆もされていない。刊行物1及び6も同様である。

(ア-2-5)相違点3”についてのまとめ
そうすると、上記相違点3”は刊行物7発明と本件発明1との間の実質的な相違点であり、また、刊行物7発明並びに刊行物1及び6に記載された事項に基づいて当業者が容易に想到し得たことであるとも認められない。

(ア-3)本件発明1についての判断
よって、他の相違点1”、2”及び4”について検討するまでもなく、本件発明1は、刊行物7に記載された発明ではないから、特許法第29条第1項第3号に該当せず、特許を受けることができないものではない。
また、本件発明1は、刊行物7発明並びに刊行物1及び6に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものでもない。

(イ)本件発明6、9、10、15及び16について
本件発明6、9、10、15及び16は、本件発明1を引用し、本件発明1の発明特定事項をさらに限定したものであるか、または、本件発明1にさらに他の発明特定事項を付加したものである。
よって、本件発明6、9、10、15及び16は、本件発明1と同じ理由により、いずれも刊行物7に記載された発明ではないから、特許法第29条第1項第3号に該当せず、特許を受けることができないものではない。
また、本件発明6、9、10、15及び16は、本件発明1と同じ理由により、いずれも刊行物7発明並びに刊行物1及び6に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものでもない。

(4)理由1及び2についてのまとめ
以上のとおり、本件発明1、6、9、10、15及び16は、いずれも刊行物5又は刊行物7に記載された発明ではないから、特許法第29条第1項第3号には該当せず、また、いずれも刊行物5発明又は7発明並びに刊行物1及び6に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。
また、本件発明1、3、4、6、9?11、15及び16は、いずれも刊行物1発明並びに刊行物1、5及び7に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものではない。
よって、取消理由通知(決定の予告)に記載した理由1及び2の取消理由により、本件請求項1、3、4、6、9?11、15及び16に係る特許を取り消すことはできない。

2.理由3について
・本件発明1、3、4、6、9?11、15及び16について
(1)本件発明の課題について
本件明細書の段落[0004]には、「遮光部が形成された透明保護板を紫外線硬化型樹脂組成物で貼り合わせた場合、該遮光部によって紫外線硬化型樹脂のうち該遮光部の陰になる遮光領域に充分な紫外線が到達せず、該遮光領域の樹脂の硬化が不十分になる。樹脂の硬化が不十分であると、遮光部付近の表示画像における表示ムラ等の問題が発生する。」という問題が記載されている。そして、この問題に対して、同段落[0005]には、「遮光領域における樹脂の硬化を向上させる技術として、特許文献1では、有機過酸化物を紫外線硬化型樹脂に含有させ、紫外線照射後に加熱することにより、遮光領域の樹脂を硬化する技術が開示されている。しかしながら、加熱工程は液晶表示装置等にダメージを与えることが懸念される。さらに、樹脂を十分に硬化させるために通常60分間以上の加熱工程を必要とするため、生産性に乏しいという問題があった。・・・特許文献3では、カチオン重合性の紫外線硬化型樹脂の遅効性を利用した技術が開示されているが、硬化後の樹脂は柔軟性が劣るものだった。」と記載されている。
さらに、これらの従来技術を受け、同段落[0007]には、[発明が解決しようとする課題]として、「本発明は、光学基材へのダメージが少なく、且つ、生産性が良好で、硬化性及び密着性のよいタッチパネル又は表示体ユニット等の光学部材を得ることができ、遮光部での樹脂の硬化度が高く、信頼性の高い光学部材を得ることができる紫外線硬化型樹脂組成物を用いた光学部材の製造方法を提供することを目的とする。」と記載されている。そして、上記段落[0005]の特許文献1に関する記載からは、硬化性が良好であること、特許文献3に関する記載からは、柔軟性が良好であることが求められることが分かるから、これらの記載を踏まえ、同段落[0007]の記載を見れば、本件発明の紫外線硬化型樹脂組成物に関する発明の課題は、「硬化性、柔軟性を含めた密着性のよいタッチパネル又は表示体ユニット等の光学部材に用いる紫外線硬化型樹脂組成物を得ること」であるといえる。

(2)上記1の発明の課題に対応する本件明細書の記載について
本件明細書の発明の詳細な説明には、以下の内容が記載されている。
「[0031]
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物における(メタ)アクリレート(A)としては、特に限定されないが、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリレートモノマーからなる群から選択されるいずれかを使用することが好ましい。より好ましくは、(i)ウレタン(メタ)アクリレート又はポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレートの少なくとも何れか一方、及び、(ii)(メタ)アクリレートモノマーの両者を含む態様である。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレート及びアクリレートのいずれか一方又は両者を意味する。「(メタ)アクリル酸」等についても同様である。」

「[0036]
上記ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量としては7000?25000程度が好ましく、10000?20000がより好ましい。重量平均分子量が7000より小さいと収縮が大きくなるおそれがあり、重量平均分子量が25000より大きいと硬化性が乏しくなるおそれがある。
[0037]
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物におけるウレタン(メタ)アクリレートについては、1種のみを使用することができ、また、2種以上を任意の割合で混合して使用することもできる。ウレタン(メタ)アクリレートの本発明の紫外線硬化型樹脂組成物中における重量割合は通常20?80重量%、好ましくは30?70重量%である。
[0038]
上記ポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレートは、ポリイソプレン分子の末端又は側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。ポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレートは、例えば、「UC-203」(株式会社クラレ製)として入手することができる。ポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレートはポリスチレン換算の数平均分子量が10000?50000が好ましく、25000?45000程度がより好ましい。
上記ポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレートの本発明の紫外線硬化型樹脂組成物中における重量割合は、通常20?80重量%、好ましくは30?70重量%である。
[0039]
上記(メタ)アクリレートモノマーとしては、好適には分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートを使用することができる。
ここで、(メタ)アクリレートモノマーとは、上記ウレタン(メタ)アクリレート、下記エポキシ(メタ)アクリレート及び上記ポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレートを除いた(メタ)アクリレートを示す。
[0040]
分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとしては、具体的にはイソオクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート及びトリデシル(メタ)アクリレート等の炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、フェニルグリシジル(メタ)アクリレート、トリシクロデカン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、1-アダマンチルアクリレート、2-メチル-2-アダマンチルアクリレート、2-エチル-2-アダマンチルアクリレート、1-アダマンチルメタクリレート、ポリプロピレンオキサイド変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート及びジシクロペンタジエンオキシエチル(メタ)アクリレート等の環状骨格を有する(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する炭素数1?5のアルキル(メタ)アクリレート;エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート及びポリプロピレンオキサイド変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;及び、エチレンオキシド変性フェノキシ化リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ブトキシ化リン酸(メタ)アクリレート及びエチレンオキシド変性オクチルオキシ化リン酸(メタ)アクリレート等のリン酸(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
[0041]
分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとしては、中でも、炭素数10?20のアルキル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルカルビトールアクリレート、アクリロイルモルホリン、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート及びポリプロピレンオキサイド変性ノニルフェニル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる化合物を使用することが好ましい。特に、樹脂の柔軟性の観点から、炭素数10?20のアルキル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキサイド変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート及びテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる化合物、より好ましくは炭素数10?20のアルキル(メタ)アクリレート、更に好ましくはラウリル(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。
一方、ガラスへの密着性を向上させる観点からは、上記(メタ)アクリレートモノマーとして、水酸基を有する炭素数1?5のアルキル(メタ)アクリレート、及びアクリロイルモルホリンの少なくとも一つを使用することが好ましく、アクリロイルモルホリンを使用することが特に好ましい。
上記(メタ)アクリレートモノマーとして、炭素数10?20のアルキル(メタ)アクリレート、及び、水酸基を有する炭素数1?5のアルキル(メタ)アクリレート又はアクリロイルモルホリンの両者を含有することが好ましく、ラウリル(メタ)アクリレート及びアクリロイルモルホリンの両者を含有することが好ましい。」

「[0043]
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物においては、これら(メタ)アクリレートモノマー成分については、1種のみを使用することができ、また、2種以上を任意の割合で混合して使用することもできる。(メタ)アクリレートモノマーの本発明の紫外線硬化型樹脂組成物中における重量割合は通常5?70重量%、好ましくは10?50重量%である。5重量%より少ないと硬化性が乏しくなるおそれがあり、70重量%より多いと収縮が大きくなるおそれがある。
該紫外線硬化型樹脂組成物における(i)ウレタン(メタ)アクリレート又はポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレートの少なくとも何れか一方、及び、(ii)(メタ)アクリレートモノマーの両者を含む態様においては、(i)及び(ii)の両者の合計含量が、該樹脂組成物の総量に対して、通常、25?90重量%、好ましくは40?90重量%、より好ましくは40?80重量%である。」

「[0048]
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物における(メタ)アクリレート(A)の含有割合としては、紫外線硬化型樹脂組成物の総量に対して、25?90重量%、好ましくは40?90重量%であり、より好ましくは40?80重量%である。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物において、(メタ)アクリレート(A)として、前記ウレタン(メタ)アクリレート、前記ポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレート及び前記(メタ)アクリレートモノマーからなる群から選択される少なくとも一つを含有することが好ましく;前記ウレタン(メタ)アクリレートの含有割合が20?80重量%、好ましくは30?70重量%であり;前記ポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレートの含有割合が20?80重量%、好ましくは30?70重量%であり;前記(メタ)アクリレートモノマーの含有割合が5?70重量%、好ましくは10?50重量%であるとき、より好ましい。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物において、(メタ)アクリレート(A)として、前記ウレタン(メタ)アクリレート又はポリイソプレン骨格を有する(メタ)アクリレートを含有し、その含有割合が20?80重量%、好ましくは30?70重量%であり、且つ、(メタ)アクリレート(A)として前記(メタ)アクリレートモノマーを含有し、その含有割合が5?70重量%、好ましくは10?50重量%であるとき、更に好ましい。」

「[0052]
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物は、前記(メタ)アクリレート(A)及び上記光重合開始剤(B)以外に、その他の成分として、下記する光重合開始助剤、後記する一般式(1)で示される構造を有する化合物、後記する柔軟化成分、及び、後記する添加剤等を含むことができる。本発明の紫外線硬化型樹脂組成物の総量に対する該その他の成分の含有割合は、該総量から、前記(メタ)アクリレート(A)及び上記光重合開始剤(B)の合計量を減じた残部である。具体的には該その他の成分の総量で、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物の総量に対して0?74.8重量%、好ましくは5?70重量%程度である。
[0053](略)
[0054]
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物には、必要に応じて、一般式(1)で示される構造を有する化合物を含有させることができる。
[0055]
[化1](略)
[0056]
(式中、nは0?40の整数、mは10?50の整数を示す。R^(1)およびR^(2)はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R^(1)およびR^(2)は炭素数1?18のアルキル基、炭素数1?18のアルケニル基、炭素数1?18のアルキニル基、炭素数5?18のアリール基である。)
[0057]
一般式(1)で示される構造を有する化合物は、例えば、日油株式会社製ユニセーフPKA-5017(製品名、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールアリルブチルエーテル)等として入手することができる。
一般式(1)で示される構造を有する化合物を使用する際の紫外線硬化型樹脂組成物中における重量割合は、通常10?80重量%、好ましくは10?70重量%である。
[0058]
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物には、必要に応じて上記以外の柔軟化成分を使用することができる。本発明における上記以外の柔軟化成分としては、紫外線硬化型樹脂において通常使用されている公知の柔軟化成分及び可塑剤が使用できる。使用できる柔軟化成分の具体例としては、前記(メタ)アクリレート又は後記一般式(1)で示される構造を有する化合物を除くポリマー又はオリゴマー、フタル酸エステル類、リン酸エステル類、グリコールエステル類、クエン酸エステル類、脂肪族二塩基酸エステル類、脂肪酸エステル類、エポキシ系可塑剤、ヒマシ油類、テルペン系水素添加樹脂等が挙げられる。上記ポリマー又はオリゴマーの例としては、ポリイソプレン骨格、ポリブタジエン骨格又はキシレン骨格を有するポリマー又はオリゴマー及びそのエステル化物を例示することができ、場合により、ポリブタジエン骨格を有するポリマー又はオリゴマー及びそのエステル化物を使用することが好ましい。ポリブタジエン骨格を有するポリマー又はオリゴマー及びそのエステル化物の具体例としては、ブタジエンホモポリマー、エポキシ変性ポリブタジエン、ブタジエン-スチレンランダムコポリマー、マレイン酸変性ポリブタジエンおよび末端水酸基変性液状ポリブタジエンが挙げられる。
かかる柔軟化成分を使用する場合の紫外線硬化型樹脂組成物中における重量割合は、通常10?80重量%、好ましくは10?70重量%である。」

「[実施例]
[0083]
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制限されるものではない。
[0084]
紫外線硬化型樹脂組成物の調製
ウレタンアクリレート(ポリプロピレングリコール(分子量3000)、イソホロンジイソシアネート及び2-ヒドロキシエチルアクリレートの3成分をモル比1:1.3:2で反応させて得られた反応物)45重量部、ユニセーフPKA-5017(ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールアリルブチルエーテル、日油株式会社製)25重量部、ACMO(アクリロイルモルホリン、株式会社興人製)10重量部、LA(ラウリルアクリレート、大阪有機化学工業株式会社製)20重量部、スピードキュアTPO(2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、LAMBSON社製)0.5重量部を加熱混合して調製した(紫外線硬化型樹脂組成物A)。」

「[0095]
また、上記で得られた本発明の紫外線硬化型樹脂組成物Aを用いて以下の評価を行った。
[0096]
(硬化性)
厚さ1mmのスライドガラス2枚を用意し、そのうちの1枚に得られた紫外線硬化型樹脂組成物Aを膜厚が200μmとなるように塗布した。その塗布面に他方のスライドガラスを貼り合わせた。ガラス越しに高圧水銀灯(80W/cm、オゾンレス)で積算光量2000mJ/cm^(2)の紫外線を該樹脂組成物に照射した。硬化物の硬化状態を確認したところ完全に硬化していた。
[0097]
(硬化収縮率)
フッ素系離型剤を塗布した厚さ1mmのスライドガラス2枚を用意し、そのうちの1枚の離型剤塗布面に、得られた紫外線硬化型樹脂組成物を膜厚が200μmとなるように塗布した。その後、2枚のスライドガラスを、それぞれの離型剤塗布面が互いに向かい合うように貼り合わせた。ガラス越しに、高圧水銀灯(80W/cm、オゾンレス)で積算光量2000mJ/cm^(2)の紫外線を該樹脂組成物に照射し、該樹脂組成物を硬化させた。
その後、2枚のスライドガラスを剥離し、膜比重測定用の硬化物を作製した。
JIS K7112 B法に準拠し、硬化物の比重(DS)を測定した。また、25℃での紫外線硬化型樹脂組成物の液比重(DL)を測定した。DS及びDLの測定結果から、次式より硬化収縮率を算出したところ、2.0%未満であった。
硬化収縮率(%)=(DS-DL)÷DS×100
[0098]
(接着性)
厚さ0.8mmのスライドガラスと厚さ0.8mmのアクリル板を用意し、一方に得られた紫外線硬化型樹脂組成物Aを膜厚が200μmとなるように塗布した後、その塗布面に他方を貼り合わせた。スライドガラス越しに、高圧水銀灯(80W/cm、オゾンレス)で積算光量2000mJ/cm^(2)の紫外線を該樹脂組成物に照射し、該樹脂組成物を硬化させ、接着性評価用サンプルを作製した。これを、85℃、85%RH環境下、250時間放置した。その評価用サンプルにおいて、目視にてスライドガラス又はアクリル板の樹脂硬化物からの剥がれを確認したが、剥がれはなかった。
[0099]
(柔軟性)
得られた紫外線硬化型樹脂組成物Aを充分に硬化させ、JIS K7215に準拠する方法により、デュロメータ硬度計(タイプE)を用いてデュロメータE硬さを測定し、柔軟性を評価した。より具体的には、紫外線硬化型樹脂組成物Aを膜厚が1cmとなるように円柱状の型に流し込み、紫外線を照射して該樹脂組成物を十分に硬化させた。得られた硬化物の硬度をデュロメータ硬度計(タイプE)で測定した。その結果、測定値は10未満であり、柔軟性に優れていた。
[0100]
(透明性)
フッ素系離型剤を塗布した厚さ1mmのスライドガラス2枚を用意し、そのうちの1枚の離型剤塗布面に、得られた紫外線硬化型樹脂組成物を硬化後の膜厚が200μmとなるように塗布した。その後、2枚のスライドガラスを、それぞれの離型剤塗布面が互いに向かい合うように貼り合わせた。ガラス越しに、高圧水銀灯(80W/cm、オゾンレス)で積算光量2000mJ/cm^(2)の紫外線を該樹脂組成物に照射し、該樹脂組成物を硬化させた。その後、2枚のスライドガラスを剥離し、透明性測定用の硬化物を作製した。得られた硬化物の透過性については、分光光度計(U-3310、日立ハイテクノロジーズ株式会社)を用いて、400?800nm及び400?450nmの波長領域における透過率を測定した。その結果、400?800nmの透過率は90%以上であり、かつ、400?450nmの透過率も90%以上であった。」

(3)理由3についての当審の判断
上記第5 1.(3)ア(ア-2-4)「本件発明の効果について」に記載したとおり、本件明細書の[0041]には、「特に、樹脂の柔軟性の観点から、炭素数10?20のアルキル(メタ)アクリレート・・・更に好ましくはラウリル(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。・・・ガラスへの密着性を向上させる観点からは、上記(メタ)アクリレートモノマーとして、・・・アクリロイルモルホリンを使用することが特に好ましい。・・・ラウリル(メタ)アクリレート及びアクリロイルモルホリンの両者を含有することが好ましい。」と記載されていることから、ラウリル(メタ)アクリレートが硬化物の柔軟性を向上させ、アクリロイルモルホリンが硬化物のガラスへの密着性を向上させ、及び、アクリロイルモルホリンとラウリル(メタ)アクリレートとを併用することにより、上記課題である「硬化性、柔軟性を含めた密着性のよい」紫外線硬化型樹脂組成物が得られるものと理解できる。
また、[0084]には、アクリロイルモルホリンとラウリルアクリレートとの併用を含む本件発明1に相当する成分の組合せにより「紫外線硬化型樹脂組成物A」を調製したこと、及び[0085]?[0100]には、「紫外線硬化型樹脂組成物A」を用いて表示ユニット1の表示面、又は当該面と透明ガラス基板2の遮光部が設けられた面に塗布層5を形成し、紫外線8を照射して硬化物層6を形成してから両者を貼り合わせることにより光学部材を作製した実施例1及び2は、スライドガラス及びアクリル板への接着性試験において、85℃、85%RH環境下、250時間という試験条件で剥がれが生じないという優れた接着性を示すことに加え、遮光領域の硬化性、ガラス越しに紫外線を照射したときの硬化性、硬化収縮率、柔軟性及び透明性の試験においても優れた性質を示すものであったことが記載されているから、実際に、実施例の組成物は上記課題を解決し得る優れた性質を兼ね備えたものであることを理解することができる。
そして、本件発明1の成分(ii)の他の選択肢とされているジシクロペンテニルアクリレート及びジシクロペンタニルアクリレートについては、いずれもアクリロイルモルホリンと同様に環構造とアクリロイル基とが直結した化学構造を有するアクリル系モノマーであって、その重合物のガラス転移温度(いずれも120℃ 乙第1号証:特開2010-37411号公報の[0024])がアクリロイルモルホリンの重合物のガラス転移温度(145℃ 乙第1号証:特開2010-37411号公報の[0024])と同程度であることが知られている。そして、上記のとおり、重合体を構成するモノマー成分については、それを単独重合体としたときのガラス転移温度(Tg)が、一般に、硬度や凝集力と関係していることが周知(もし必要であれば、特開2008-297376号公報の[0057]、特開2007-79214号公報の[0028]等を参照。)であるから、ジシクロペンテニルアクリレート又はジシクロペンタニルアクリレートをラウリル(メタ)アクリレートと併用する場合にも、上記実施例と同様の性質を備えた紫外線硬化型樹脂組成物が得られると当業者は理解することができる。
そうすると、本件明細書の記載及び本件特許に係る出願の出願時における技術常識を参酌することにより、当業者は、本件発明1の範囲で「硬化性、柔軟性を含めた密着性のよいタッチパネル又は表示体ユニット等の光学部材に用いる紫外線硬化型樹脂組成物を得る」という課題を解決し得るものと理解することができる。
また、本件発明3、4、6、9?11、15及び16は、本件発明1を引用し、本件発明1の発明特定事項をさらに限定したものであるか、または、本件発明1にさらに他の発明特定事項を付加したものであるから、本件発明1と同じ理由により、当業者は、いずれの発明も上記課題を解決し得るものと理解することができる。

(4)理由3についてのまとめ
以上のことから、本件発明1、3、4、6、9?11、15及び16は、いずれも発明の詳細な説明に記載されたものであるといえるから、特許法第36条第6項第1号の規定に適合するものである。
よって、取消理由通知(決定の予告)に記載した理由3の取消理由により、本件請求項1、3、4、6、9?11、15及び16に係る特許を取り消すことはできない。

3.理由4について
(1)本件発明1、3、4、6、9?11、15及び16について
本件訂正(補正後)により、本件発明1における各成分の重量割合が「紫外線硬化型樹脂組成物」を基準(100重量%)とする値であることが明らかになった。
本件発明1を直接的または間接的に引用する本件発明3、4、6、9?11、15及び16についても、同様である。
よって、取消理由通知(決定の予告)に記載した理由4の(1)の取消理由により、本件請求項1、3、4、6、9?11、15及び16に係る特許を取り消すことはできない。

(2)本件発明1、3、4、6、9?11、15及び16について
本件明細書の段落[0099]には、本件発明1の「デュロメータ硬度計(タイプE)を用いて測定した測定値が10未満である」との特定に関し、測定をJIS K7215に準拠して行うことが記載されているが、例えば、甲第6号証(日本工業規格 JIS K 7215-1986 プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法)を参照しても、JIS K7215に関する記載の中にデュロメータE硬さに関する記載がないため、上記記載は誤記を含むものと解される。
ここで、甲第7号証(株式会社テクロックの「ゴム・プラスチック軟質物硬さ計製品カタログ2014-2015」)の第7頁右上には、デュロメータAでの測定値を基準にした、各デュロメータの測定データの比較表があり、デュロメータEの測定データはJIS K 6253に基づくことが記載されているところ、特許権者が提出した乙第7号証(日本工業規格 JIS K 6253-3:2012 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-硬さの求め方- 第3部:デュロメータ硬さ)の第2頁には、「4.2 デュロメータのタイプ及び選択」として、「タイプAデュロメータで硬さが20未満の値を示す場合は、タイプEを用いる。」と記載されており、本件明細書の上記[0099]における「デュロメータ硬度計(タイプE)を用いて測定した測定値が10未満」という記載とも矛盾しない。
そうすると、当業者は、デュロメータ硬度計(タイプE)による測定はJIS K 6253に準拠して行われるものであり、タイプAデュロメータで硬さが20未満の値を示す場合に用いることができる測定方法であるという周知の技術的事項を参酌することにより、本件明細書の[0099]における「JIS K7215」は「JIS K6253」の明らかな誤記であると理解し、本件発明1の「デュロメータ硬度計(タイプE)を用いて測定した測定値が10未満である」との要件の測定方法を理解することができるといえる。
よって、本件発明1における「デュロメータ硬度計(タイプE)を用いて測定した測定値が10未満である」との記載は明確なものということができるから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たすものであり、本件発明1を直接又は間接的に引用する本件発明3、4、6、9?11、15及び16についても同様である。
したがって、取消理由通知(決定の予告)に記載した理由4の(3)の取消理由により、本件請求項1、3、4、6、9?11、15及び16に係る特許を取り消すことはできない。

(3)本件発明1、3、4、6、9?11、15及び16について
本件訂正(補正後)により、本件発明1における各成分の重量割合が「紫外線硬化型樹脂組成物」を基準(100重量%)とする値であることが明らかになり、含有成分の選択肢も減縮された。
また、上記のとおり、本件発明1における「デュロメータ硬度計(タイプE)を用いて測定した測定値が10未満である」との記載は明確なものということができ、実施例の記載等を参酌すると、当業者は本件発明1に記載された成分組成の範囲で、硬化物の硬度がデュロメータ硬度計(タイプE)を用いて測定した測定値が10未満である紫外線硬化型樹脂組成物を製造することができると理解することができる。
そうすると、本件発明1は、上記硬化後の紫外線硬化型樹脂組成物に関する特定を含んでいても、不明確なものとはいえない。本件発明1を直接又は間接的に引用する本件発明3、4、6、9?11、15及び16についても同様である。
よって、取消理由通知(決定の予告)に記載した理由4の(2)の取消理由により、本件請求項1、3、4、6、9?11、15及び16に係る特許を取り消すことはできない。

(4)本件発明3、4、6、9?11、15及び16について
本件訂正(補正後)により、訂正前の本件発明3及び4の記載から、「であるか、又は一般式(1)化合物以外に」という文言が削除されたため、本件発明3及び4に列記された成分がいずれも並列的な選択肢として記載されたものであることが明確になった。本件発明3、4を直接的または間接的に引用する本件発明6、9?11、15及び16についても、同様である。
よって、取消理由通知(決定の予告)に記載した理由4の(4)の取消理由により、本件請求項3、4、6、9?11、15及び16に係る特許を取り消すことはできない。

(5)本件発明15について
本件訂正(補正後)により、訂正前の本件発明14が削除されたため、訂正前の本件発明14についての明確性要件違反は解消し、訂正前の本件発明14に連動して通知されていた本件発明15の明確性要件違反も合わせて解消した。
よって、取消理由通知(決定の予告)に記載した理由4の(5)の取消理由により、本件請求項15に係る特許を取り消すことはできない。

(6)理由4についてのまとめ
以上のことから、本件発明1、3、4、6、9?11、15及び16は、いずれも特許を受けようとする発明を明確に記載したものといえるから、特許法第36条第6項第2号の規定に適合するものである。
よって、取消理由通知(決定の予告)に記載した理由4の取消理由により、本件請求項1、3、4、6、9?11、15及び16に係る特許を取り消すことはできない。

4.理由5について
・1、3、4、6、9?11、15及び16について
(1)紫外線硬化型樹脂組成物の成分について
本件訂正(補正後)により、本件発明1における各成分の重量割合が「紫外線硬化型樹脂組成物」を基準(100重量%)とする値であることが明らかになり、また、含有成分の選択肢も減縮された。そして、実施例の記載等を参酌すると、当業者は本件発明1に記載された成分組成の範囲で、硬化物の硬度がデュロメータ硬度計(タイプE)を用いて測定した測定値が10未満である紫外線硬化型樹脂組成物を製造することができ、かつ使用することができるといえる。
本件発明1を直接的または間接的に引用する本件発明3、4、6、9?11、15及び16についても、同様である。
よって、取消理由通知(決定の予告)に記載した理由5の取消理由のうち、上記紫外線硬化型樹脂組成物の成分についての取消理由により、本件発明1、3、4、6、9?11、15及び16に係る特許を取り消すことはできない。

(2)デュロメータ硬度計による測定について
本件発明1においては、「デュロメータ硬度計(タイプE)を用いて測定した測定値が10未満である」ことが特定されているところ、当該測定値は紫外線硬化型樹脂組成物が本件発明の範囲であるか、範囲外であるかを決めるものであるから、本件発明を実施するには、本件明細書に、紫外線硬化型樹脂組成物において、デュロメータ硬度計(タイプE)により、10未満の測定値が正確かつ一義的に得られるように説明されている必要があるといえる。
ここで、上記第5 3.(3)で検討したとおり、本件明細書の段落[0099]における、デュロメータ硬度計(タイプE)を用いた測定を、「JIS K7215に準拠する方法により」行う旨の記載は、例えば、甲第7号証及び乙第7号証の記載等を参酌すると、「JIS K6253に準拠する方法により行う」旨の誤記であると理解することができ、また、測定に用いる試験片の形状やデュロメータ硬度計の押針形状は、当該JIS規格に準拠して当業者が明確に理解することができるといえる。
さらに、本件明細書の段落[0099]における「得られた紫外線硬化型樹脂組成物Aを充分に硬化させ」や、「紫外線を照射して該樹脂組成物を十分に硬化させた。」との記載は、例えば本件明細書の[0023]に記載された「約100?4000mJ/cm^(2)」の照射量の紫外線、具体的には、[0096]?[0098]及び[0100]に記載された「ガラス越しに、高圧水銀灯(80W/cm、オゾンレス)で積算光量2000mJ/cm^(2)の紫外線・・・を照射」と同様の紫外線等の照射により、重合性官能基が残らないように実質的に100%の重合度で重合反応させることを意味するものと解され、そのように重合させる場合、紫外線硬化型樹脂組成物の組成に応じて、硬化物のデュロメータ硬度計の測定値も一義的に定まるものと理解できる。
そうすると、取消理由通知(決定の予告)に記載した理由5の取消理由のうち、上記デュロメータ硬度計による測定についての取消理由により、本件発明1、3、4、6、9?11、15及び16に係る特許を取り消すことはできない。

(3)理由5についてのまとめ
以上のことから、本件明細書の発明の詳細な説明は、当業者が本件発明1、3、4、6、9?11、15及び16を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものといえるから、特許法第36条第4項第1号の規定に適合するものである。
よって、取消理由通知(決定の予告)に記載した理由5の取消理由により、本件請求項1、3、4、6、9?11、15及び16に係る特許を取り消すことはできない。

第6 取消理由通知(決定の予告)において採用しなかった特許異議申立理由について
特許異議申立人が申し立てた申立理由は、取消理由通知(決定の予告)に記載した理由1?5の取消理由に相当するから、取消理由通知において採用しなかった特許異議申立て理由はない。

第7 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由のいずれによっても、本件請求項1、3、4、6、9?11、15及び16に係る特許を取り消すことはできない。また、他に本件請求項1、3、4、6、9?11、15及び16に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
さらに、本件請求項2、5、7、8及び12?14に係る特許は訂正により削除され、本件特許の請求項2、5、7、8及び12?14に係る特許異議の申立ては対象となる請求項が存在しないものとなったから、特許法第120条の8第1項において準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリレート(A)、光重合開始剤(B)及び柔軟化成分を含有する紫外線硬化型樹脂組成物であって、
前記(メタ)アクリレート(A)として、
(i)重量平均分子量が7000?25000であって、多価アルコール、イソホロンジイソシアネート及びヒドロキシC2?C4アルキル(メタ)アクリレートの3者の反応物であるウレタン(メタ)アクリレートを、及び
(ii)(メタ)アクリレートモノマーとして、アクリロイルモルホリン、ジシクロペンテニルアクリレート及びジシクロペンタニルアクリレートからなる群から選択される少なくとも1種の環状骨格を有する(メタ)アクリレートを10重量%以上で、及び、
(iii)(メタ)アクリレートモノマーとして、炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレートを含み、
前記の炭素数5?20のアルキル(メタ)アクリレートがラウリル(メタ)アクリレートであり、
前記の紫外線硬化型樹脂組成物中における、ウレタン(メタ)アクリレートの重量割合が30?70重量%であり、(メタ)アクリレートモノマーの重量割合が10?50重量%であり、光重合開始剤(B)の重量割合が0.3?3重量%であり、
前記の紫外線硬化型樹脂組成物の総量に対して、ウレタン(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリレートモノマーの合計含量が40?80重量%であり、
デュロメータ硬度計(タイプE)を用いて測定した測定値が10未満である、
光学基材の貼り合わせ用紫外線硬化型樹脂組成物。
但し、前記のウレタン(メタ)アクリレートは、ラクトン変性されたものを除く。
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
前記柔軟化成分として、下記一般式(1)の構造を有する化合物、ポリイソプレン骨格、ポリブタジエン骨格又はキシレン骨格を有するポリマー又はオリゴマー及びそのエステル化物、フタル酸エステル類、リン酸エステル類、グリコールエステル類、クエン酸エステル類、脂肪族二塩基酸エステル類、脂肪酸エステル類、エポキシ系可塑剤、ヒマシ油類、テルペン系水素添加樹脂及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれるものを含む、請求項1に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
【化1】

(式中、nは0?40の整数、mは10?50の整数を示し、R^(1)およびR^(2)はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、R^(1)及びR^(2)は炭素数1?18のアルキル基、炭素数2?18のアルケニル基、炭素数2?18のアルキニル基又は炭素数6?18のアリール基である。)
【請求項4】
前記柔軟化成分として、下記一般式(1)の構造を有する化合物、脂肪族二塩基酸エステル類又はテルペン系水素添加樹脂を含む、請求項1又は請求項3のいずれか1項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
【化2】

(式中、nは0?40の整数、mは10?50の整数を示し、R^(1)およびR^(2)はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、R^(1)及びR^(2)は炭素数1?18のアルキル基、炭素数2?18のアルケニル基、炭素数2?18のアルキニル基又は炭素数6?18のアリール基である。)
【請求項5】
(削除)
【請求項6】
前記(メタ)アクリレート(A)として、
(i)重量平均分子量が7000?25000であって、ポリC2-C4アルキレングリコール、イソホロンジイソシアネート及びヒドロキシC2?C4アルキル(メタ)アクリレートの3者の反応物であるウレタン(メタ)アクリレートを含む、請求項1、3?4のいずれか1項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
【請求項7】
(削除)
【請求項8】
(削除)
【請求項9】
光重合開始剤(B)として、アシルフォスフィンオキサイド化合物を含有する請求項1、3?4、6のいずれか1項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
【請求項10】
アシルフォスフィンオキサイド化合物が、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルエトキシフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドおよびビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルフォスフィンオキサイドからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である請求項9に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
【請求項11】
硬化収縮率が2%未満である請求項1、3?4、6、9?10のいずれか1項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
【請求項12】
(削除)
【請求項13】
(削除)
【請求項14】
(削除)
【請求項15】
請求項1、3?4、6、9?11のいずれか1項に記載の紫外線硬化型樹脂組成物を硬化して得られる硬化物層。
【請求項16】
請求項15に記載の硬化物層を備える光学部材。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-06-18 
出願番号 特願2015-94114(P2015-94114)
審決分類 P 1 651・ 853- YAA (C09J)
P 1 651・ 121- YAA (C09J)
P 1 651・ 857- YAA (C09J)
P 1 651・ 536- YAA (C09J)
P 1 651・ 537- YAA (C09J)
P 1 651・ 113- YAA (C09J)
P 1 651・ 851- YAA (C09J)
最終処分 維持  
前審関与審査官 南 宏樹西澤 龍彦  
特許庁審判長 冨士 良宏
特許庁審判官 天野 宏樹
蔵野 雅昭
登録日 2017-01-20 
登録番号 特許第6076395号(P6076395)
権利者 日本化薬株式会社
発明の名称 紫外線硬化型樹脂組成物  
代理人 小笠原 亜子佳  
代理人 特許業務法人 信栄特許事務所  
代理人 小笠原 亜子佳  
代理人 特許業務法人信栄特許事務所  
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