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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04W
管理番号 1354895
審判番号 不服2017-8259  
総通号数 238 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-06-07 
確定日 2019-09-04 
事件の表示 特願2016-519467「訪問セル履歴伝送方法及びその無線装備」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 5月 7日国際公開、WO2015/064952、平成28年 8月12日国内公表、特表2016-524419〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2014年(平成26年)10月22日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2013年11月1日 米国(US))を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成27年12月10日 手続補正書の提出
平成28年10月 6日付け 拒絶理由通知書
平成29年 1月10日 意見書、手続補正書の提出
平成29年 2月 1日付け 拒絶査定
平成29年 6月 7日 拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提出
平成30年 8月 6日付け 拒絶理由通知書(当審)
平成31年 1月23日 意見書、手続補正書の提出

第2 本願発明
本願の請求項1?13に係る発明は、平成31月1月23日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?13に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。

「端末により実行されるアップリンクメッセージの伝送方法であって、
第1のセルから第2のセルへのハンドオーバ手続きを実行するステップと、
前記第1のセルに関するセル情報の有効性検査を実行するステップと、
前記第1のセルに関する前記セル情報が有効であるとき、前記第1のセルに関する前記セル情報を訪問セル履歴に追加するステップと、
前記端末が前記訪問セル履歴に関する要請を受信するステップと、
前記端末が前記要請に対する応答として前記訪問セル履歴を送信するステップと、
を有し、
前記訪問セル履歴は、訪問セルに関する情報の中の有効なセル情報を累積的に追加したセル履歴に関する情報であり、
前記訪問セル履歴は、前記第1のセルに対応する時間情報を含み、
前記訪問セル履歴は、前記第1のセルに対応する周波数情報、及びグローバルセル識別子ではなく、前記第1のセルに対応する物理的セル識別子を更に含む、方法。」

第3 拒絶の理由
平成30年8月6日付けで当審が通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)の概要は次のとおりである。
この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものであり、請求項1に対して国際公開第2012/177205号が引用されている。

第4 引用例の記載及び引用発明について
当審拒絶理由で引用された国際公開第2012/177205号(以下、引用例という。)には、次の記載がある。(下線は当審が付与。)

(1)「According to some of the example embodiments, a user equipment 101 may be configured to record data associated with a cell the user equipment is currently associated with. Example embodiments further comprise the user equipment retaining such information upon leaving such cell. Thus, the user equipment may retain information associated with a user equipment trajectory and various cell changes.」(第17ページ第11?15行)
(当審訳:
例としての実施形態のいくつかによれば、ユーザ機器101は、当該ユーザ機器がその時点で関連付けられているセルに関連付けられるデータを記録するように構成され得る。例としての実施形態は、ユーザ機器が当該セルから離れた後に当該情報を保持することをさらに含む。よって、ユーザ機器は、ユーザ機器の軌跡と多様なセル変更とに関連付けられる情報を保持する。)

(2)「The user equipment may receive (e.g., via LPP or RRC) a request or indication to collect and report the information associated with cell changing. The information associated with cell changing may be collected, stored and signalled by the user equipment to another node (e.g., positioning node, eNodeB, LMU, MDT node, SON node, etc.).」(第17ページ第23?27行)
(当審訳:
ユーザ機器は、セル変更に関連付けられる情報を収集し報告することの要求又は標識(indication)を(例えば、LPP又はRRCを介して)受信し得る。セル変更に関連付けられる情報は、ユーザ機器によって、収集され、記憶され、及び他のノード(例えば、測位ノード、eNodeB、LMU、MDTノード、SONノードなど)へシグナリングされ得る。)

(3)「The information associated with cell changing may comprise of user equipment trajectory information. The user equipment trajectory information may comprise of at least a list of cell IDs or an ordered sequence of cell IDs of cells on which the user equipment is connected to or camped on during certain time period. The order of the list may be in order of cell changes over time.
According to some of the example embodiments, all cells over a predetermined time period may be included in the user equipment recordation. According to some of the example embodiments, only cells on which the user equipment camps on or connects to for at least certain minimum time are provided. According to some of the example embodiments, the list of cells may be obtained over a time period, which is associated with certain type of measurement, e.g., time over which user equipment performs and logs MDT measurements (e.g., 2 hours typically for MDT). According to some of the example embodiments, the time period over which cell change information is to be obtained may be linked to positioning measurement session or period (e.g., the time interval of one RSTD measurement session), etc.
The user equipment may also report an ordered sequence (cell_ID1, cell_ID2, ..., cell_IDN), where the cells with cell_ID1, cell_ID2, ..., cell_IDN had been the serving/primary cells during the said time interval or one positioning measurement session (e.g. for OTDOA or E-CID). The user equipment may either report the physical cell ID (PCI) or cell global ID (CGI). The user equipment may be configured by the network node to report certain type of cell identifier.
Cells in the list/sequence may also be time-stamped, e.g., together with the cell identifiers. The time stamped information may be provided in different manners. In one example the user equipment may provide the time for a cell when the user equipment was initially connected to / camped on to that cell. According to some of the example embodiments, the user equipment may provide the time for a cell when the user equipment was left the serving cell. According to some of the example embodiments, the time stamp for a cell may correspond to the time during which user equipment was connected to or camped on to that cell. The user equipment may report relative time-stamp for each cell in the list. The relative time may be a time reference to a time provided by the network node or a time-stamp corresponding to the last serving / primary cell or to a reference cell. The user equipment may also be configured by the network node to report the time-stamp for each serving cell according to any of the examples listed above.」(第18ページ第13行?第19ページ第10行)
(当審訳:
セル変更に関連付けられる情報は、ユーザ機器の軌跡情報を含み得る。ユーザ機器の軌跡情報は、少なくとも、ある期間の間ユーザ機器が接続され又は滞在した(camped)セルのセルIDのリスト又はセルIDの順序化されたシーケンス(ordered sequence)を含み得る。リストの順序は、経時的なセル変更の順序であってよい。
例としての実施形態のいくつかによれば、予め定義される期間にわたる全てのセルがユーザ機器による記録化に含まれ得る。例としての実施形態のいくつかによれば、少なくともある最小限の時間についてユーザ機器が滞在し又は接続したセルのみが提供される。例としての実施形態のいくつかによれば、例えばユーザ機器がMDT測定を実行しログをとった時間(例えば、典型的にはMDTについて2時間)など、測定の何らかのタイプに関連付けられる時間的期間にわたってセルのリストが取得され得る。例としての実施形態のいくつかによれば、セル変更情報が取得されることになる時間的期間は、測位測定セッション又は期間(例えば、1つのRSTD測定セッションの時間インターバル)などにリンク付けされ得る。
ユーザ機器は、順序化されたシーケンス(cell_ID1,cell_ID2,…,cell_IDN)を報告してもよく、cell_ID1,cell_ID2,…,cell_IDNを有するセル群は、上記時間インターバル又は1つの測位測定セッション(例えば、OTDOA又はE-CIDについて)の期間中のサービング/プライマリセルであったものである。ユーザ機器は、物理セルID(PCI)又はセルグローバルID(CGI)のいずれかを報告してよい。ユーザ機器は、ネットワークノードによって、セル識別子の何らかのタイプを報告するように構成されてもよい。
リスト/シーケンス内のセルには、例えばセル識別子と共に、タイムスタンプが付され得る。タイムスタンプを付された情報は、様々なやり方で提供され得る。1つの例において、ユーザ機器は、ユーザ機器が初めてセルに接続し/滞在した際に、当該セルについて時刻を提供し得る。例としての実施形態のいくつかによれば、ユーザ機器は、ユーザ機器がサービングセルから離れた際に、当該セルについて時刻を提供し得る。例としての実施形態のいくつかによれば、セルについてのタイムスタンプは、その間に当該セルにユーザ機器が接続し又は滞在した時間に対応し得る。ユーザ機器は、リスト内の各セルについて相対的なタイムスタンプを報告してもよい。相対的な時間は、ネットワークノードにより提供される時間に対する、又は最後のサービング/プライマリセルに若しくはリファレンスセル対応するタイムスタンプに対する時間リファレンスであってよい。上で列挙した例のいずれかによれば、ユーザ機器は、ネットワークノードにより、各サービングセルについてタイムスタンプを報告するように構成されてもよい。)

(4)「The user equipment may also be configured to record cell identification information (may be used independently on whether the trajectory information is used in the network or not) for at least one cell in the list/sequence. Examples of such cell identification may be a last serving/primary cell during a predetermined time interval, a carrier frequency of each cell during the predetermined time interval, the first serving/primary cell during the predetermined time interval, the cell that has been the serving/primary cell during the longest time within the predetermined time interval, the cell(s) selected according to a pre-defined rule, the cell(s) on a certain frequency, and/or the cell(s) of a certain type (e.g., CSG cells, macro cells, pico cells). 」(第19ページ第29行?第20ページ第2行)
(当審訳:
ユーザ機器は、(軌跡情報がネットワーク内で使用されるか否かに依存せずに使用され得る)リスト/シーケンス内の少なくとも1つについてのセル識別情報を記録するように構成されてもよい。そうしたセル識別の例は、予め定義される時間インターバルの間の最後のサービング/プライマリセル、予め定義される時間インターバルの間の各セルのキャリア周波数、予め定義される時間インターバルの間の最初のサービング/プライマリセル、予め定義される時間インターバルの範囲内で最も長くサービング/プライマリセルであったセル、予め定義されるルールに従って選択される1つ又は複数のセル、ある周波数上の1つ又は複数のセル、あるタイプの1つ又は複数のセル(例えば、CSGセル、マクロセル、ピコセル)であってよい。)

a 上記(2)によると、ユーザ機器はセル変更に関連付けられる情報をeNodeBなどへシグナリングしているので、引用例には、ユーザ機器により実行されるセル変更に関連付けられる情報のeNodeBへのシグナリング方法が示されているといえる。

b 上記(2)によると、ユーザ機器はセル変更に関連付けられる情報を収集しており、収集する過程でセル変更前のセルからセル変更後のセルへのセル変更手続きを実行するステップを有することは明らかである。

c 上記(1)によると、ユーザ機器は、当該ユーザ機器がその時点で関連付けられているセルに関連付けられるデータを記録し、セルから離れた後に当該情報を保持しているので、セルから離れる前にユーザ機器が接続していたセル変更前のセルに関連付けられるデータを記録している。そして、上記(3)によると、セル変更に関連付けられる情報は、ある期間の間ユーザ機器が接続されたセルのセルIDのリストを含む軌跡情報を含むから、ユーザ機器が接続していたセル変更前のセルのセルIDを含むものである。
よって、ユーザ機器が接続していたセル変更前のセルのセルIDを含むデータをセル変更に関連付けられる情報に記録するステップを有しているといえる。

d 上記(3)によると、少なくともある最小限の時間についてユーザ機器が滞在し又は接続したセルのみが提供されるので、セル変更に関連付けられる情報の提供にあたって、セルのそれぞれがある最小限の時間についてユーザ機器が接続したセルであるか否かを判断するステップを有しているといえる。

e 上記(2)によると、ユーザ機器は、セル変更に関連付けられる情報を収集し報告することの要求又は標識を受信することによりセル変更に関連付けられる情報を報告しているので、セル変更に関連付けられる情報に関する要求を受信するステップと、要求に対応してセル変更に関連付けられる情報を報告するステップとを有しているといえる。

f 上記(3)によると、セル変更に関連付けられる情報は、ユーザ機器が接続されたセルのセルIDのリストを含み、リストの順序は経時的なセル変更の順序であってよいので、セル変更に関連付けられる情報は、経時的なセル変更の順序で順序化されたユーザ機器が接続されたセルのセルIDのリストを含んでいる。

g 上記(3)によると、セル変更に関連付けられる情報は、各セルの情報として、タイムスタンプ、及び物理セルID(PCI)又はセルグローバルID(CGI)のいずれかを含んでいるといえる。また、上記(4)によると、セル変更に関連付けられる情報に含まれる各セルの情報は、各セルの情報として、各セルのキャリア周波数を含んでいる。よって、セル変更に関連付けられる情報は、各セルのタイムスタンプ、キャリア周波数、及び物理セルID(PCI)又はセルグローバルID(CGI)のいずれかを含んでいる。

以上を総合すると、引用例には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「ユーザ機器により実行されるセル変更に関連付けられる情報のeNodeBへのシグナリング方法であって、
セル変更前のセルからセル変更後のセルへのセル変更手続きを実行するステップと、
ユーザ機器が接続していたセル変更前のセルのセルIDを含むデータをセル変更に関連付けられる情報に記録するステップと、
セル変更に関連付けられる情報の提供にあたって、セルのそれぞれがある最小限の時間についてユーザ機器が接続したセルであるか否かを判断するステップと、
セル変更に関連付けられる情報に関する要求を受信するステップと、
要求に対応してセル変更に関連付けられる情報を報告するステップと、を有し、
セル変更に関連付けられる情報は、経時的なセル変更の順序で順序化されたユーザ機器が接続されたセルのセルIDのリストを含み、
セル変更に関連付けられる情報は、各セルのタイムスタンプ、キャリア周波数、及び物理セルID(PCI)又はセルグローバルID(CGI)のいずれかを含む、方法。」

第5 対比
本願発明と引用発明とを対比する。

(1)引用発明の「ユーザ機器」は、本願発明の「端末」に相当する。また、引用発明のシグナリングはユーザ機器からeNodeBへのシグナリングであるので、アップリンクでの伝送であることは明らかであり、情報のシグナリングであるからアップリンクメッセージの伝送といえる。よって、引用発明の「ユーザ機器により実行されるセル変更に関連付けられる情報のeNodeBへのシグナリング方法」は、「端末により実行されるアップリンクメッセージの伝送方法」といえる点で、本願発明と一致する。

(2)引用発明の「セル変更前のセル」並びに「セル変更後のセル」を単に「第1のセル」並びに「第2のセル」と称することは任意である。また、ユーザ機器がセルと接続した状態でのセル変更をハンドオーバということは技術常識であるので、引用発明の「セル変更」は「ハンドオーバ」を含む。よって、引用発明の「セル変更前のセルからセル変更後のセルへのセル変更手続きを実行するステップ」は、本願発明と「第1のセルから第2のセルへのハンドオーバ手続きを実行するステップ」である点で一致する。

(3)引用発明の「セル変更前のセルのセルIDを含むデータ」は、本願発明の「第1のセルに関するセル情報」に相当する。引用発明の「セル変更に関連付けられる情報」は、ユーザ機器において収集し基地局に報告される情報であり、ユーザ機器が接続された複数のセルに関する情報であるので、本願発明の「訪問セル履歴」に相当する。また、引用発明においてセル変更前のセルのセルIDを含むデータをセル変更に関連付けられる情報に「記録」することは、それ以前に保持していたセル変更に関連付けられる情報に対して第1のセルの情報を「追加」することといえる。
よって、引用発明の「ユーザ機器が接続していたセル変更前のセルのセルIDを含むデータをセル変更に関連付けられる情報に記録するステップ」は、本願発明の「前記第1のセルに関する前記セル情報を訪問セル履歴に追加するステップ」に相当する。

(4)引用発明において「セル変更に関連付けられる情報の提供にあたって、セルのそれぞれがある最小限の時間についてユーザ機器が接続したセルであるか否かを判断する」ことは、ユーザ機器が接続したセル(第1のセルを含む)に関連付けられるデータがセル変更に関連付けられる情報として有効であるか否かを、ユーザ機器と各セルとの間で接続した時間がある最小限の時間を超えているか否かに基づいて検査しているといえる。
よって、引用発明の「セル変更に関連付けられる情報の提供にあたって、セルのそれぞれがある最小限の時間についてユーザ機器が接続したセルであるか否かを判断するステップ」は、本願発明の「前記第1のセルに関するセル情報の有効性検査を実行するステップ」に相当する。

(5)引用発明の「セル変更に関連付けられる情報に関する要求を受信するステップ」は、本願発明の「前記端末が前記訪問セル履歴に関する要請を受信するステップ」に相当する。
また、引用発明におけるセル変更に関連付けられる情報の報告は、要求を受信したことをトリガとして実行されているので、受信した要求に対する応答として実行されているといえる。よって、引用発明の「要求に対応してセル変更に関連付けられる情報を報告するステップ」は、本願発明の「前記端末が前記要請に対する応答として前記訪問セル履歴を送信するステップ」に相当する。

(6)引用発明において、セル変更に関連付けられる情報は、経時的なセル変更の順序で順序化されたものであるので、累積的に追加されているといえる。よって、引用発明の「セル変更に関連付けられる情報は、経時的なセル変更の順序で順序化されたユーザ機器が接続されたセルのセルIDのリストを含」むことは、本願発明と「前記訪問セル履歴は、訪問セルに関するセル情報を累積的に追加したセル履歴に関する情報」である点で一致する。

(7)引用発明の「タイムスタンプ」が時間情報であり、「キャリア周波数」が周波数情報であることは明らかである。よって、引用発明の「セル変更に関連付けられる情報は、各セルのタイムスタンプ、キャリア周波数を含む」ことは、本願発明の「前記訪問セル履歴は、前記第1のセルに対応する時間情報を含み、前記訪問セル履歴は、前記第1のセルに対応する周波数情報を更に含む」ことに相当する。

以上のことから、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。

(一致点)
「端末により実行されるアップリンクメッセージの伝送方法であって、
第1のセルから第2のセルへのハンドオーバ手続きを実行するステップと、
前記第1のセルに関するセル情報の有効性検査を実行するステップと、
前記第1のセルに関する前記セル情報を訪問セル履歴に追加するステップと、
前記端末が前記訪問セル履歴に関する要請を受信するステップと、
前記端末が前記要請に対する応答として前記訪問セル履歴を送信するステップと、
を有し、
前記訪問セル履歴は、訪問セルに関するセル情報を累積的に追加したセル履歴に関する情報であり、
前記訪問セル履歴は、前記第1のセルに対応する時間情報を含み、
前記訪問セル履歴は、前記第1のセルに対応する周波数情報を更に含む、方法。」

(相違点1)
本願発明は、「前記第1のセルに関する前記セル情報が有効であるとき、前記第1のセルに関する前記セル情報を訪問セル履歴に追加」し、「前記訪問セル履歴は、訪問セルに関する情報の中の有効なセル情報を累積的に追加したセル履歴に関する情報」であるのに対し、引用発明では、「セル変更に関連付けられる情報の提供にあたって、セルのそれぞれがある最小限の時間についてユーザ機器が滞在し又は接続したセルであるか否かを判断」しているが、当該判断がセル変更に関連付けられる情報へ記録するときに実行されることは特定されていない点。

(相違点2)
本願発明では「訪問セル履歴は、グローバルセル識別子ではなく、前記第1のセルに対応する物理的セル識別子を含む」のに対し、引用発明では「物理セルID(PCI)又はセルグローバルID(CGI)のいずれか」であり、グローバルセル識別子ではないことは特定されていない点。

第6 判断

(相違点1について)
本願発明と引用発明とは、端末から送信される訪問セル履歴が有効性検査により有効と判断された訪問セルに関するセル情報のみを含む点では一致している。すなわち、セル情報の有効性検査をどの時点で行うかによって、端末から送信される訪問セル履歴の内容に変化を与えるものではないことから、どの時点でセル情報の有効性検査を行うかは、当業者が適宜決定すべき設計事項に過ぎない。

(相違点2について)
引用発明の物理セルID(PCI)並びにセルグローバルID(CGI)がそれぞれ物理的セル識別子並びにグローバルセル識別子であることは明らかである。そして、引用発明において、セル変更に関連付けられる情報に含まれる情報は物理セルID又はセルグローバルIDのいずれかであるので、引用発明は、セル変更に関連付けられる情報に含めるセルIDとしてセルグローバルIDではなく物理セルIDを使用することも、当然含まれている。
したがって、相違点2は、実質的な相違点ではない。

そして、本願発明の作用効果も、引用発明が奏する作用効果から当業者が容易に予測し得る範囲内のものである。

なお、出願人は審判請求にあたって、引用文献1(特表2011-511488号公報)並びに引用文献2(引用例)には、端末が、訪問セル履歴が有効であるか否かを検査し、有効な訪問セル履歴のみを送信することは記載されていない旨主張している。しかし、上記第6(相違点1について)で述べたように、引用例に基づいて当業者が容易になし得たものであるので、出願人の上記主張は採用できない。
したがって、本願発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2019-03-12 
結審通知日 2019-03-19 
審決日 2019-04-12 
出願番号 特願2016-519467(P2016-519467)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 伊東 和重  
特許庁審判長 中木 努
特許庁審判官 倉本 敦史
畑中 博幸
発明の名称 訪問セル履歴伝送方法及びその無線装備  
代理人 南山 知広  
代理人 中村 健一  
代理人 河合 章  
代理人 鶴田 準一  
代理人 青木 篤  
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