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審決分類 |
審判 一部申し立て ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 C04B 審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載 C04B 審判 一部申し立て 4項(134条6項)独立特許用件 C04B 審判 一部申し立て 2項進歩性 C04B 審判 一部申し立て 判示事項別分類コード:857 C04B 審判 一部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 C04B |
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管理番号 | 1354929 |
異議申立番号 | 異議2018-700988 |
総通号数 | 238 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2019-10-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2018-12-05 |
確定日 | 2019-07-30 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6338496号発明「抽気冷却装置並びにこれを用いた塩素バイパスシステム及びセメントキルン抽気ガスの処理方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6338496号の明細書、特許請求の範囲を、平成31年 4月10日付けの手続補正書(方式)によって補正された平成31年3月12日付けの訂正請求書に添付された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?7〕について訂正することを認める。 本件特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6338496号(以下、「本件特許」という。)の請求項1?7に係る特許についての出願は、平成26年9月24日になされ、平成30年5月18日に特許権の設定登録がされ、同年6月6日に特許掲載公報が発行され、その後、本件特許の請求項1?7に係る特許のうちの、請求項1に係る特許に対し、特許異議申立人 松永健太郎(以下「異議申立人」という。)より、平成30年12月5日付けで特許異議の申立てがなされ、平成31年1月29日付けで特許権者に取消理由が通知され、その取消理由通知の指定期間内である同年3月12日付けで特許権者より意見書及び訂正請求書が提出され、その訂正請求書に対し、同年4月3日付けで特許権者に手続補正指令書(方式)が通知され、その手続補正指令書(方式)の指定期間内である同年同月10日付けで特許権者より、前記訂正請求書についての手続補正書(方式)が提出されたものである。 第2 訂正の適否についての判断 平成31年4月10日付けの手続補正書(方式)によって補正された、同年3月12日付けの訂正請求書(以下、「本件訂正請求書」という。)に記載された請求の趣旨、及び、訂正の内容は、それぞれ以下のとおりのものであり、訂正の適否につき、以下のとおり判断する。 1. 訂正請求の趣旨 本件特許の明細書及び特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付した、訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?7について訂正することを求める。 2.訂正の内容(当審注:訂正箇所には下線を付した。) (1) 訂正事項1 請求項1を削除する。 (2) 訂正事項2 請求項2に、「前記分級部は」、「特徴とする請求項1に記載の抽気冷却装置。」とあるのを、それぞれ、 「セメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より燃焼ガスの一部を抽気する抽気部と、該抽気ガスを粗粉と、微粉を含むガスとに分離する分級部と、該微粉を含むガスのみを冷却する冷却部とを備え、前記分級部は、」、「特徴とする抽気冷却装置。」に訂正する。 (3) 訂正事項3 請求項3に「請求項1又は2に記載の抽気冷却装置。」とあるのを、 「請求項2に記載の抽気冷却装置。」に訂正し、その結果として、間接的に請求項2を引用する請求項4、5も訂正する。 (4) 訂正事項4 請求項6に「請求項1又は2に記載の抽気冷却装置を用いて」とあるのを、「請求項2に記載の抽気冷却装置を用いて」に訂正し、その結果として、間接的に請求項2を引用する請求項7も訂正する。 (5) 訂正事項5 明細書の【0007】を削除する。 (6) 訂正事項6 明細書の【0008】を削除する。 (7) 訂正事項7 明細書の【0009】に、「上記の抽気冷却装置において」、「流入口とを備えることができる」、「これにより、遠心力のみで」とあるのを、それぞれ、 「上記目的を達成するため、本発明は、抽気冷却装置であって、セメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より燃焼ガスの一部を抽気する抽気部と、該抽気ガスを粗粉と、微粉を含むガスとに分離する分級部と、該微粉を含むガスのみを冷却する冷却部とを備え」、「流入口とを備えることを特徴する」、「本発明によれば、分級部で抽気ガスを粗粉と、微粉を含むガスとに分離し、冷却部で微粉を含むガスのみを冷却するため、抽気ガス中の原料ダスト濃度が上昇した場合でも、塩素化合物が粗粉ダストの表面に析出することがなく、循環塩素量の上昇を回避し、塩素バイパスダストの塩素濃度が低下して塩素の除去効率が低下することを防止することができる。また、燃焼ガスの抽気、分級、及び冷却を同一の装置で行うことができるため、装置コストを低減することができ、冷却風量を低く抑えることで運転コストの低減にも繋がる。また、遠心力のみで」に訂正する。 (8) 訂正事項8 明細書の【0059】を削除する。 3. 訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無、特許請求の 範囲の拡張・変更の存否、及び、独立特許要件 (1) 訂正事項1 訂正事項1は、請求項1を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (2) 訂正事項2 訂正事項2は、訂正前の請求項2が訂正前の請求項1の記載を引用して記載されていたところ、その請求項1に記載されていた、「セメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より燃焼ガスの一部を抽気する抽気部と、該抽気ガスを粗粉と、微粉を含むガスとに分離する分級部と、該微粉を含むガスのみを冷却する冷却部とを備え」るとの発明特定事項を請求項2に記載することによって、当該請求項1を引用しないものに訂正しようとするものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (3) 訂正事項3?4 訂正事項3?4は、請求項1又は2の記載を引用して訂正前の請求項3?7が記載されていたところ、訂正事項1?2に伴い、訂正後の請求項3?7において、削除された請求項1の記載を引用する態様を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (4) 訂正事項5、6、8 訂正事項5、6、8は、上記訂正事項1による請求項1の削除と整合させるために、訂正前の請求項1の抽気冷却装置に係る発明についての説明が記載されていた訂正前の明細書の段落【0007】?【0008】、【0059】を削除しようとするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (5) 訂正事項7 訂正事項7は、上記訂正事項2による請求項2の訂正と整合させるために、訂正前の請求項2と同様の記載がなされていた明細書の段落【0009】に、訂正前の明細書の段落【0007】?【0008】の記載内容も記載しようとするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (5) 一群の請求項について 本件訂正前の請求項2?7は、請求項1を、直接的に又は間接的に、引用するものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから、訂正前の請求項1?7は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項であるところ、訂正事項1?4は、その一群の請求項に対してされたものであるから、特許法120条の5第4項の規定に適合する。 (6) 明細書の訂正と関係する請求項についての説明 訂正事項5?8による明細書の訂正は、訂正事項1?2の訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るための訂正であり、一群の請求項1?7についてする訂正である。 したがって、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第4項の規定に適合する。 (7) 独立特許要件について ア. 本件特許の請求項1について特許異議の申立てがされたから、訂正事項1について、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第7項の独立特許要件の規定の適用はないし、また、訂正事項2については、上記(2)の検討のとおり、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることのみを目的とするものであるし、また、訂正事項5?8については、上記(4)?(5)の検討のとおり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、訂正事項2、5?8については、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第7項の独立特許要件の規定の適用はない。 イ. ただし、訂正事項3?4については、上記(3)の検討のとおり、それらの訂正事項の目的に特許請求の範囲の減縮を含んでいるし、それらの訂正事項によって訂正される請求項3?7に対しては、特許異議の申立てがされていないから、訂正事項3?4には、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第7項の独立特許要件の規定が適用される。 ウ. そこで、訂正事項3?4による、訂正後の請求項3?7に係る発明が独立特許要件を備えているか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かにつき検討するに、それらの発明は、いずれも、拒絶理由を発見しないとして特許された訂正前の請求項2を直接的又は間接的に引用するものとなったにすぎず、また、異議申立人が提出した証拠(特開2001-72412号公報)を見ても、それらの発明について、新たな拒絶理由が生じるとはいえないから、訂正後の請求項3?7に係る発明は特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。 4. 小括 以上のとおりであるから、本件訂正請求書による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1、3、4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第4項から第7項までの規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?7〕に訂正することを認める。 第3 本件訂正発明 上記第2のとおり訂正を認めるので、本件特許の特許請求の範囲の請求項2?7に係る発明は、平成31年3月12日付けの訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項2?7に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。 「【請求項1】(削除) 【請求項2】 セメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より燃焼ガスの一部を抽気する抽気部と、該抽気ガスを粗粉と、微粉を含むガスとに分離する分級部と、該微粉を含むガスのみを冷却する冷却部とを備え、 前記分級部は、前記抽気ガスの入口部、及び前記微粉を含むガスの出口部とを有する有蓋円筒部と、該有蓋円筒部の下方に連続して存在し、最下部より前記粗粉が排出されるコーン部とで構成され、 前記冷却部は、前記コーン部を貫通し、該コーン部及び前記有蓋円筒部の中心部を通過して前記分級部の前記微粉を含むガスの出口部に連通し、冷却用ガスが通過する管路と、前記コーン部及び前記有蓋円筒部の中心部に位置する前記管路の一部に穿設された前記微粉を含むガスの流入口とを備えることを特徴とする抽気冷却装置。 【請求項3】 請求項2に記載の抽気冷却装置と、 該抽気冷却装置で冷却した抽気ガス中のダストを回収する集塵装置と、 該回収したダストを前記セメントキルンの系外へ排出する排出装置とを備えることを特徴とする塩素バイパスシステム。 【請求項4】 前記抽気冷却装置の後段に、該抽気冷却装置で冷却した抽気ガス中のダスト濃度を低下させる除塵装置を備え、該除塵装置でダスト濃度を低下させた抽気ガス中のダストを前記集塵装置で回収することを特徴とする請求項3に記載の塩素バイパスシステム。 【請求項5】 前記集塵装置は、乾式集塵機又は湿式集塵機であることを特徴とする請求項3又は4に記載の塩素バイパスシステム。 【請求項6】 請求項2に記載の抽気冷却装置を用いて前記抽気ガスのダスト濃度を30g/m^(3)N以下に低下させながら、前記微粉を含むガスを600℃以下に冷却することを特徴とするセメントキルン抽気ガスの処理方法。 【請求項7】 前記抽気冷却装置の出口部に石灰石の微粉末又はセメントキルンのプレヒータに投入されているセメント原料を投入することを特徴とする請求項6に記載のセメントキルン抽気ガスの処理方法。」 第4 特許異議の申立てについて 上記第3のとおり、本件特許の請求項1は訂正により削除されたため、本件特許の請求項1?7に係る特許のうちの、請求項1に係る特許に対して、異議申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しないものとなった。 したがって、本件特許についての異議申立ては、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定によって却下すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 抽気冷却装置並びにこれを用いた塩素バイパスシステム及びセメントキルン抽気ガスの処理方法 【技術分野】 【0001】 本発明は、セメント焼成装置から塩素を除去するため、セメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より抽気した燃焼ガスを処理する装置及び方法に関する。 【背景技術】 【0002】 廃棄物のセメント原料化及び燃料化が推進される中、廃棄物の処理量が増加するのに伴い、セメントキルンに持ち込まれる塩素等の揮発成分の量も増加している。そのため、セメント製造設備におけるプレヒータの閉塞等の問題を引き起こす原因になると共に、製品の品質に影響を与える塩素分を除去する塩素バイパスシステムが不可欠となっている。 【0003】 この塩素バイパスシステムは、図6に示すように、セメントキルン42の窯尻から最下段サイクロン(不図示)に至るまでのキルン排ガス流路より燃焼ガスの一部G41をプローブ43で抽気すると同時に、冷却ファン44からの冷風で抽気ガスG41をKCl等の塩素化合物の融点以下(600℃以下)に冷却し、冷却した抽気ガスG42をサイクロン45で粗粉D41と、微粉を含むガスG43とに分離し、分離した微粉を含むガスG43を冷却器46で冷却し、冷却器46の排ガスG44から塩素が濃縮した10μm程度以下の微粉D43をバグフィルタ47で回収し、微粉D42と微粉D43とを塩素バイパスダストD44として系外に排出して塩素を除去し、バグフィルタ47の排ガスG45は、排気ファン48によってセメントキルン42の排ガス系に戻される(特許文献1、2)。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 【特許文献1】特開2000-354838号公報 【特許文献2】特開2010-195660号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかし、上記特許文献1、2に記載の方法では、抽気ガスG41の原料ダスト濃度が上昇すると、KCl等の塩素化合物が粗粉ダストの表面にも析出し、サイクロン45で分離される粗粉D41と共にセメントキルン42に戻されて循環塩素量が上昇し、塩素バイパスダストD44の塩素濃度が低下して塩素の除去効率が低下するという問題があった。 【0006】 そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、抽気ガス中の原料ダスト濃度が上昇した場合でも、セメントキルン抽気ガスから低コストで効率よく塩素を除去することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】(削除) 【0008】(削除) 【0009】 上記目的を達成するため、本発明は、抽気冷却装置であって、セメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より燃焼ガスの一部を抽気する抽気部と、該抽気ガスを粗粉と、微粉を含むガスとに分離する分級部と、該微粉を含むガスのみを冷却する冷却部とを備え、前記分級部は、前記抽気ガスの入口部、及び前記微粉を含むガスの出口部を有する有蓋円筒部と、該有蓋円筒部の下方に連続して存在し、最下部より前記粗粉が排出されるコーン部とで構成され、前記冷却部は、前記コーン部を貫通し、該コーン部及び前記有蓋円筒部の中心部を通過して前記分級部の前記微粉を含むガスの出口部に連通し、冷却用ガスが通過する管路と、前記コーン部及び前記有蓋円筒部の中心部に位置する前記管路の一部に穿設された前記微粉を含むガスの流入口とを備えることを特徴とする。 本発明によれば、分級部で抽気ガスを粗粉と、微粉を含むガスとに分離し、冷却部で微粉を含むガスのみを冷却するため、抽気ガス中の原料ダスト濃度が上昇した場合でも、塩素化合物が粗粉ダストの表面に析出することがなく、循環塩素量の上昇を回避し、塩素バイパスダストの塩素濃度が低下して塩素の除去効率が低下することを防止することができる。また、燃焼ガスの抽気、分級、及び冷却を同一の装置で行うことができるため、装置コストを低減することができ、冷却風量を低く抑えることで運転コストの低減にも繋がる。また、遠心力のみで粗粉と、微粉を含むガスとに分離し、微粉を含むガスを冷却用ガスが通過する管路に導入することができ、簡易な構成を有する抽気冷却装置を提供することができる。 【0010】 また、本発明は、塩素バイパスシステムであって、前記抽気冷却装置と、該抽気冷却装置で冷却した抽気ガス中のダストを回収する集塵装置と、該回収したダストを前記セメントキルンの系外へ排出する排出装置とを備えることを特徴とする。本発明によれば、抽気ガス中の原料ダスト濃度が上昇した場合でも、循環塩素量の上昇を回避し、塩素バイパスダストの塩素濃度が低下して塩素の除去効率が低下することを防止し、セメントキルン抽気ガスから低コストで効率よく塩素を除去することができる。 【0011】 さらに、前記抽気冷却装置の後段に、該抽気冷却装置で冷却した抽気ガス中のダスト濃度を低下させる除塵装置を備え、該除塵装置でダスト濃度を低下させた抽気ガス中のダストを前記集塵装置で回収することができ、セメントキルンから抽気した直後のガス中のダスト濃度が比較的高い場合に効果的な装置構成である。前記集塵装置を、乾式集塵機又は湿式集塵機とすることができる。 【0012】 また、本発明は、セメントキルン抽気ガスの処理方法であって、前記抽気冷却装置を用いて前記抽気ガスのダスト濃度を30g/m^(3)N以下に低下させながら、前記微粉を含むガスを600℃以下に冷却することを特徴とする。本発明によれば、抽気ガス中の原料ダスト濃度が上昇した場合でも、循環塩素量の上昇を回避し、塩素バイパスダストの塩素濃度が低下して塩素の除去効率が低下することを防止し、セメントキルン抽気ガスから低コストで効率よく塩素を除去することができる。 【0013】 上記セメントキルン抽気ガスの処理方法において、前記抽気冷却装置の出口部に石灰石の微粉末又はセメントキルンのプレヒータに投入されているセメント原料を投入することができる。これにより、粘性が高くハンドリング性が極めて悪い塩素バイパスダストのハンドリング性を改善することができる。 【発明の効果】 【0014】 以上のように、本発明によれば、抽気ガス中の原料ダスト濃度が上昇した場合でも、セメントキルン抽気ガスから低コストで効率よく塩素を除去することができる。 【図面の簡単な説明】 【0015】 【図1】本発明に係る塩素バイパスシステムの第1の実施形態を示す全体構成図である。 【図2】図1に示す塩素バイパスシステムの抽気冷却装置を示す概略図である。 【図3】本発明に係る塩素バイパスシステムの第2の実施形態を示す全体構成図である。 【図4】本発明に係る塩素バイパスシステムの第3の実施形態を示す全体構成図である。 【図5】本発明に係る塩素バイパスシステムの第4の実施形態を示す全体構成図である。 【図6】従来の塩素バイパスシステムの一例を示す全体構成図である。 【発明を実施するための形態】 【0016】 次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。 【0017】 図1は、本発明に係る塩素バイパスシステムの第1の実施形態を示し、この処理装置1は、セメントキルン3の窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より燃焼ガスの一部G1を抽気して冷却する抽気冷却装置2と、抽気冷却装置2から排出された微粉を含むガスG2をさらに冷却する冷却器4と、冷却器4から排出された排ガスG3から微粉D3を回収するバグフィルタ5と、バグフィルタ5の排ガスG4を系外に排出する排気ファン6等で構成される。 【0018】 図2は、抽気冷却装置2を示し、この抽気冷却装置2は、セメントキルン3からの燃焼ガスの一部G1を抽気する管路からなる抽気部2aと、有蓋円筒部2b及びコーン部2cからなり、抽気ガスG1を遠心力によって粗粉D1と、微粉を含むガスG2とに分離する分級部2dと、冷却用ガスAが通過する管路からなる冷却部2eとで構成される。 【0019】 分級部2dの有蓋円筒部2bには、抽気ガスG1の入口部(不図示)と、微粉を含むガスG2の出口部2gとが形成され、コーン部2cの最下部は粗粉D1の排出口となっている。 【0020】 冷却部2eは、コーン部2cを貫通し、コーン部2c及び有蓋円筒部2bの中心部を通過して出口部2gに連通し、内部を冷却用ガスAが通過する。コーン部2c及び有蓋円筒部2bの中心部に位置する冷却部2eにはガス流入口2fが穿設され、ガス流入口2fから粗粉D1が分離された微粉を含むガスG2が流入する。 【0021】 冷却器4、バグフィルタ5、排気ファン6は、図6に示した従来の塩素バイパスシステム41の冷却器46、バグフィルタ47、排気ファン48と同様の構造を有する。尚、冷却器4で微粉を含むガスG2を200?600℃に低下させた場合には、バグフィルタ5に耐熱温度の高いセラミックスフィルタを備えるものを用いることができ、冷却器4で微粉を含むガスG2を200℃以下に低下させた場合には、バグフィルタ5に耐熱耐酸ナイロンフェルトを備えるものを用いることができる。 【0022】 次に、上記処理装置1の動作について、図1及び図2を参照しながら説明する。 【0023】 セメントキルン3の窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より、燃焼ガスの一部G1を抽気冷却装置2の抽気部2aによって抽気し、抽気ガスG1を分級部2dにおいて粗粉D1と、微粉を含むガスG2とに分離し、粗粉D1をセメントキルン系に戻す。これによって、微粉を含むガスG2中のダスト濃度を30g/m^(3)N以下に低下させる。 【0024】 次に、ガス流入口2fから冷却部2eに導入された800?1100℃程度の微粉を含むガスG2に冷却用ガスAを吹き付け、微粉を含むガスG2をKCl等の塩素化合物の融点である600℃以下、好ましくは400℃以下にまで冷却する。これによって、微粉を含むガスG2中のKCl等の塩素化合物が析出し、微粉の表面等に付着する。 【0025】 次に、抽気冷却装置2から排出した微粉を含むガスG2を冷却器4で集塵装置の耐熱温度まで冷却し、冷却器4の排ガスG3をバグフィルタ5に導入して微粉D3を回収し、冷却器4から回収した微粉D2と共に塩素バイパスダストD4とする。この塩素バイパスダストD4をセメントキルン2の系外に排出装置で排出し、例えば、セメント粉砕工程でセメントクリンカと共に粉砕したり、水洗により塩素を除去した後、セメント原料等として利用する。バグフィルタ5の排ガスG4は、排気ファン6によってセメントキルン3の排ガス系に戻される。尚、上記冷却器4で回収した微粉D2及びバグフィルタ5で回収した微粉D3は塩素濃度が高く、これに伴い粘性が高くなって極めてハンドリング性が悪化している。そこで、抽気冷却装置2の出口部に石灰石の微粉末、セメントキルンのプレヒータに投入されているセメント原料等を投入することで、これらの微粉D2、D3のハンドリング性を改善することができる。 【0026】 以上のように、本実施の形態によれば、抽気ガスG1を粗粉D1と、微粉を含むガスG2とに分離し、微粉を含むガスG2のみを冷却するため、抽気ガスG2中の原料ダスト濃度が上昇した場合でも、塩素化合物が粗粉ダストの表面に析出することがなく、循環塩素量の上昇を回避し、塩素バイパスダストの塩素濃度が低下して塩素の除去効率が低下することを防止することができる。また、燃焼ガスの抽気、分級、及び冷却を抽気冷却装置2のみで行うことができるため、装置コストを低減することができ、冷却風量を低く抑えることで運転コストを低減することもできる。 【0027】 次に、本発明に係る塩素バイパスシステムの第2の実施形態について、図3を参照しながら説明する。 【0028】 この塩素バイパスシステム11は、上記処理装置1の冷却器4及びバグフィルタ5に代えて、湿式集塵機12、溶解槽16及び固液分離機17を設けたものであり、抽気冷却装置2は上記処理装置1と同様のものを用いる。 【0029】 湿式集塵機12は、微粉を含むガスG2に含まれるダストを捕集しつつ、ガスG2を水と接触させ、微粉を含むガスG2中の塩素化合物を主とする水溶性成分を溶解させるために備えられる。また、湿式集塵機12は、微粉を含むガスG2に含まれる硫黄分を、抽気冷却装置2から供給された粗粉D1等に含まれる生石灰が水と反応して生じた消石灰と反応させて石膏を生じさせる。 【0030】 この湿式集塵機12は、スクラバー13、循環液槽14及び洗浄塔15で構成され、スクラバー13と循環液槽14との間には、スラリーSを循環させるためのポンプ14aが設けられる。また、スラリー循環路14bには抽気冷却装置2から粗粉D1が供給される。また、粗粉D1の代わりに消石灰(Ca(OH)_(2))等の薬剤を使用することもできる。 【0031】 湿式集塵機12の後段には、スラリーSに含まれる塩素化合物等の水溶性成分を水にさらに溶解させるための溶解槽16と、スラリーSを固液分離するための固液分離機17等が設けられる。 【0032】 次に、上記処理装置11の動作について、図2及び図3を参照しながら説明する。 【0033】 セメントキルン3の窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より、燃焼ガスの一部G1を抽気冷却装置2の抽気部2aによって抽気し、抽気ガスG1を分級部2dにおいて粗粉D1と、微粉を含むガスG2とに分離し、粗粉D1を循環液槽14のスラリー循環路14bに供給する。これによって、微粉を含むガスG2中のダスト濃度を30g/m^(3)N以下に低下させる。 【0034】 次に、ガス流入口2fから冷却部2eに導入された800?1100℃程度の微粉を含むガスG2に冷却用ガスAを吹き付け、微粉を含むガスG2をKCl等の塩素化合物の融点である600℃以下、好ましくは400℃以下にまで冷却する。これによって、微粉を含むガスG2中のKCl等の塩素化合物が析出して微粉の表面等に付着する。 【0035】 次に、微粉を含むガスG2を湿式集塵機12のスクラバー13に導入し、スクラバー13と循環液槽14との間でスラリーSを循環させる。湿式集塵機12で生成されるスラリーSには、抽気冷却装置2から供給された粗粉D1等に含まれる生石灰(CaO)が水と反応して生じた消石灰(Ca(OH)_(2))が存在するため、微粉を含むガスG2中に存在する硫黄分(SO_(2))と以下のように反応する。 SO_(2)+Ca(OH)_(2)→CaSO_(3)・1/2H_(2)O+1/2H_(2)O CaSO_(3)・1/2H_(2)O+1/2O_(2)+3/2H_(2)O→CaSO_(4)・2H_(2)O これにより、微粉を含むガスG2中の硫黄分が除去され、石膏(CaSO_(4)・2H_(2)O)が生成される。湿式集塵後の排ガスG11は、洗浄塔15から排気ファン6によってセメントキルン3の排ガス系に戻される。 【0036】 次に、湿式集塵機12の循環液槽14から排出されたスラリーSを溶解槽16でさらに水と混合し、固液分離機17で固液分離し、石膏ケーキCと、ろ液Fとして塩水が得られる。石膏ケーキCは、セメント製造やその他の原料として用いることができ、塩水は、セメントミルへ添加するか、排水処理後に下水へ放流してもよく、塩回収工程で工業塩を回収してもよい。 【0037】 以上のように、本実施の形態によれば、第1の実施形態と同様、抽気ガスG1を粗粉D1と、微粉を含むガスG2とに分離し、微粉を含むガスG2のみを冷却するため、抽気ガスG2中の原料ダスト濃度が上昇した場合でも、塩素化合物が粗粉ダストの表面に析出することがなく、循環塩素量の上昇を回避し、塩素バイパスダストの塩素濃度が低下して塩素の除去効率が低下することを防止することができる。また、抽気冷却装置2からの粗粉D1や消石灰(Ca(OH)_(2))等の薬剤を用いて微粉を含むガスG2の脱硫を行うと共に、回収した石膏ケーキCをセメント製造等に利用することができる。 【0038】 次に、本発明に係る塩素バイパスシステムの第3の実施形態について、図4を参照しながら説明する。 【0039】 この塩素バイパスシステム21は、上記処理装置1の構成にさらに、抽気冷却装置2の後段にサイクロン22を設けたことを特徴とし、その他の装置構成は処理装置1と同様である。 【0040】 サイクロン22は、抽気冷却装置2で冷却された微粉を含むガスG2中のダスト濃度を低下させる除塵装置として機能し、サイクロン22以外にも、セラミックフィルタ等のフィルター式装置や、その他の除塵装置を用いることもできる。 【0041】 次に、上記塩素バイパスシステム21の動作について、図2及び図4を参照しながら説明する。 【0042】 セメントキルン3の窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より、燃焼ガスの一部G1を抽気冷却装置2の抽気部2aによって抽気し、抽気ガスG1を分級部2dにおいて粗粉D1と、微粉を含むガスG2とに分離し、粗粉D1をセメントキルン系に戻す。これによって、微粉を含むガスG2中のダスト濃度を300g/m^(3)N以下に低下させる。 【0043】 次に、ガス流入口2fから冷却部2eに導入された800?1100℃程度の微粉を含むガスG2に冷却用ガスAを吹き付け、微粉を含むガスG2をKCl等の塩素化合物の融点である600℃以下、好ましくは400℃以下にまで冷却する。これによって、微粉を含むガスG2中のKCl等の塩素化合物が析出し、微粉の表面等に付着する。 【0044】 さらに、抽気冷却装置2から排出した微粉を含むガスG2をサイクロン22に供給し、ガスG21中のダスト濃度を30g/m^(3)N以下に低下させる。サイクロン22で回収されたダストD21は、セメントキルン系に戻す。 【0045】 その後の工程は、第1の実施形態における塩素バイパスシステム1と同様であり、サイクロン22から排出された微粉を含むガスG21を冷却器4で冷却し、冷却器4の排ガスG22をバグフィルタ5に導入し、排ガスG22に含まれる微粉D23を回収し、冷却器4から回収した微粉D22と共に塩素バイパスダストD24とする。この塩素バイパスダストD24をセメントキルン3の系外に排出し、セメント粉砕工程でセメントクリンカと共に粉砕したり、水洗により塩素を除去した後、セメント原料等として利用する。バグフィルタ5の排ガスG23は、排気ファン6によってセメントキルン3の排ガス系に戻される。 【0046】 本実施の形態は、抽気ガスG1中のダスト濃度が比較的高いセメントキルンに好適に適用することができ、抽気冷却装置2の抽気部2aによって微粉を含むガスG2中のダスト濃度を300g/m^(3)N以下とした後、抽気冷却装置2の冷却部2eで600℃以下、好ましくは400℃以下に冷却し、さらにサイクロン22でダスト濃度を30g/m^(3)N以下に低下させることで、KCl等のダスト表面への析出が抑制されてKCl等の単結晶の析出が促進され、ダストによる塩素循環量が減少し、塩素除去効率が向上する。 【0047】 次に、本発明に係る塩素バイパスシステムの第4の実施形態について、図5を参照しながら説明する。 【0048】 この塩素バイパスシステム31は、図4に示した処理装置21の冷却器4及びバグフィルタ5に代えて、湿式集塵機12、溶解槽16及び固液分離機17を設けたものであり、抽気冷却装置2及びサイクロン22は、上記処理装置21と同様のものを用いる。 【0049】 湿式集塵機12は、微粉を含むガスG21に含まれるダストを捕集しつつ、ガスG21を水と接触させ、微粉を含むガスG21中の塩素化合物を主とする水溶性成分を溶解させるために備えられる。また、湿式集塵機12は、ガスG21に含まれる硫黄分を、抽気冷却装置2、サイクロン22から供給された粗粉D1、D21等に含まれる生石灰が水と反応して生じた消石灰と反応させて石膏を生じさせる。粗粉D1、D21の代わりに消石灰(Ca(OH)_(2))等の薬剤を用いて石膏を生じさせることもできる。 【0050】 この湿式集塵機12は、スクラバー13、循環液槽14及び洗浄塔15から構成され、スクラバー13と循環液槽14との間には、スラリーSを循環させるためのポンプ14aが設けられる。また、スラリー循環路14bには抽気冷却装置2、サイクロン22から粗粉D1、D21が供給される。 【0051】 湿式集塵機12の後段には、スラリーSに含まれる塩素化合物等の水溶性成分を水にさらに溶解させるため溶解槽16と、スラリーSを固液分離するための固液分離機17等が設けられる。 【0052】 次に、上記塩素バイパスシステム31の動作について、図2及び図5を参照しながら説明する。 【0053】 セメントキルン3の窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より、燃焼ガスの一部G1を抽気冷却装置2の抽気部2aによって抽気し、抽気ガスG1を分級部2dに導入し、粗粉D1と、微粉を含むガスG2とに分離し、粗粉D1を循環液槽14のスラリー循環路14bに供給する。これによって、微粉を含むガスG2中のダスト濃度を300g/m^(3)N以下にする。 【0054】 次に、800?1100℃程度の微粉を含むガスG2を冷却部2eにおいてKCl等の塩素化合物の融点である600℃以下、好ましくは400℃以下にまで冷却する。これによって、微粉を含むガスG2中のKCl等の塩素化合物が析出して微粉の表面等に付着する。 【0055】 次いで、微粉を含むガスG2をサイクロン22に供給し、ガスG2中のダスト濃度を30g/m^(3)N以下に低下させる。サイクロン22で回収されたダストD21は、循環液槽14のスラリー循環路14bに供給する。 【0056】 その後の工程は、第2の実施形態における塩素バイパスシステム11と同様であり、微粉を含むガスG2を湿式集塵機12のスクラバー13に導入し、抽気冷却装置2、サイクロン22から供給された粗粉D1、D21等に含まれる生石灰(CaO)が水と反応して生じた消石灰(Ca(OH)_(2))により、微粉を含むガスG2中の硫黄分が除去され、石膏(CaSO_(4)・2H_(2)O)が生成される。湿式集塵後の排ガスは、洗浄塔15から排気ファン6によってセメントキルン3の排ガス系に戻される。 【0057】 さらに、循環液槽14から排出されたスラリーSを溶解槽16でさらに水と混合し、固液分離機17で固液分離し、石膏ケーキCと、ろ液Fとして塩水が得られる。石膏ケーキCは、セメント製造やその他の原料として用いることができ、塩水は、セメントミルへ添加するか、排水処理後に下水へ放流してもよく、塩回収工程で工業塩を回収してもよい。 【0058】 本実施の形態も、第3の実施形態と同様、抽気ガスG1中のダスト濃度が比較的高いセメントキルンに好適に適用することができると共に、抽気冷却装置2、サイクロン22からの粗粉D1、D21を用いて微粉を含むガスG2の脱硫を行い、回収した石膏ケーキCをセメント製造等に利用することができる。 【0059】(削除) 【符号の説明】 【0060】 1 塩素バイパスシステム 2 抽気冷却装置 2a 抽気部 2b 有蓋円筒部 2c コーン部 2d 分級部 2e 冷却部 2f ガス流入口 2g 出口部 3 セメントキルン 4 冷却器 5 バグフィルタ 6 排気ファン 11 塩素バイパスシステム 12 湿式集塵機 13 スクラバー 14 循環液槽 14a ポンプ 14b スラリー循環路 15 洗浄塔 16 溶解槽 17 固液分離機 21 塩素バイパスシステム 22 サイクロン 31 塩素バイパスシステム A 冷却用ガス C 石膏ケーキ D1 粗粉 D2 微粉 D3 微粉 D4 塩素バイパスダスト D21 ダスト D22 微粉 D23 微粉 F ろ液 G1 燃焼ガスの一部(抽気ガス) G2 微粉を含むガス G3 排ガス G4 排ガス G21 微粉を含むガス G22 排ガス G23 排ガス (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】(削除) 【請求項2】 セメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より燃焼ガスの一部を抽気する抽気部と、該抽気ガスを粗粉と、微粉を含むガスとに分離する分級部と、該微粉を含むガスのみを冷却する冷却部とを備え、 前記分級部は、前記抽気ガスの入口部、及び前記微粉を含むガスの出口部とを有する有蓋円筒部と、該有蓋円筒部の下方に連続して存在し、最下部より前記粗粉が排出されるコーン部とで構成され、 前記冷却部は、前記コーン部を貫通し、該コーン部及び前記有蓋円筒部の中心部を通過して前記分級部の前記微粉を含むガスの出口部に連通し、冷却用ガスが通過する管路と、前記コーン部及び前記有蓋円筒部の中心部に位置する前記管路の一部に穿設された前記微粉を含むガスの流入口とを備えることを特徴とする抽気冷却装置。 【請求項3】 請求項2に記載の抽気冷却装置と、 該抽気冷却装置で冷却した抽気ガス中のダストを回収する集塵装置と、 該回収したダストを前記セメントキルンの系外へ排出する排出装置とを備えることを特徴とする塩素バイパスシステム。 【請求項4】 前記抽気冷却装置の後段に、該抽気冷却装置で冷却した抽気ガス中のダスト濃度を低下させる除塵装置を備え、該除塵装置でダスト濃度を低下させた抽気ガス中のダストを前記集塵装置で回収することを特徴とする請求項3に記載の塩素バイパスシステム。 【請求項5】 前記集塵装置は、乾式集塵機又は湿式集塵機であることを特徴とする請求項3又は4に記載の塩素バイパスシステム。 【請求項6】 請求項2に記載の抽気冷却装置を用いて前記抽気ガスのダスト濃度を30g/m^(3)N以下に低下させながら、前記微粉を含むガスを600℃以下に冷却することを特徴とするセメントキルン抽気ガスの処理方法。 【請求項7】 前記抽気冷却装置の出口部に石灰石の微粉末又はセメントキルンのプレヒータに投入されているセメント原料を投入することを特徴とする請求項6に記載のセメントキルン抽気ガスの処理方法。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2019-07-12 |
出願番号 | 特願2014-193240(P2014-193240) |
審決分類 |
P
1
652・
851-
XA
(C04B)
P 1 652・ 856- XA (C04B) P 1 652・ 113- XA (C04B) P 1 652・ 853- XA (C04B) P 1 652・ 857- XA (C04B) P 1 652・ 121- XA (C04B) |
最終処分 | 決定却下 |
前審関与審査官 | 山田 貴之、浅野 昭、増山 淳子 |
特許庁審判長 |
豊永 茂弘 |
特許庁審判官 |
櫛引 明佳 小川 進 |
登録日 | 2018-05-18 |
登録番号 | 特許第6338496号(P6338496) |
権利者 | 太平洋セメント株式会社 |
発明の名称 | 抽気冷却装置並びにこれを用いた塩素バイパスシステム及びセメントキルン抽気ガスの処理方法 |
代理人 | 中井 潤 |
代理人 | 中井 潤 |