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審決分類 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する G07B
審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する G07B
審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する G07B
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する G07B
審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する G07B
管理番号 1355140
審判番号 訂正2019-390080  
総通号数 239 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-11-29 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2019-07-03 
確定日 2019-08-29 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5752543号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5752543号の明細書、特許請求の範囲及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲及び図面のとおり、訂正後の請求項〔1?2〕について訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第5752543号は、平成23年9月22日に出願されたものであって、その請求項1?2に係る発明について平成27年5月29日に特許権の設定登録がされ、その後、令和元年7月3日に訂正審判の請求(以下「本件請求」という。)がなされた。

第2 本件請求の趣旨及び訂正の内容
本件請求の趣旨は、本件特許第5752543号の願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面(以下それぞれ「明細書」、「特許請求の範囲」及び「図面」という。)を、本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲及び図面のとおりに訂正すること、すなわち以下の訂正事項に係る訂正(以下「本件訂正」という。)を求めるものである(下線は訂正箇所を示す。)。

1 訂正事項1
(1)特許請求の範囲の請求項1において
「装置本体の改札通路に沿って配列される通行位置検知用の位置検知センサ群及び前記装置本体の入口近傍、中央部及び出口近傍にそれぞれ設置される大人検知用の高さ検知センサと、
前記各高さ検知センサの設置位置と特定の前記位置検知センサとの対応関係を規定する大人判定位置データ記憶手段と、
利用客が前記特定の位置検知センサの設置位置を通過したとき、前記大人判定位置データ記憶手段に規定する対応関係を有する各高さ検知センサの出力から大人であるかを判定し、その判定結果から大人であり、かつ提示された媒体の不正、媒体の不提示などに基づき、無礼な大人の利用客であるかを判定する処理制御部とを備え、
前記処理制御部は、所定のサンプリング周期ごとの前記位置検知センサの出力変化から利用客の通行を検知するともに、当該利用客が前記各特定の位置検知センサの設置位置を通過したとき、前記大人判定位置データ記憶手段に規定する対応関係を有する各高さ検知センサの出力から大人であるかを判定する大人判定手段と、大人の利用客と判定され、かつ当該利用客が提示された媒体の不正、媒体の不提示などに対して予め定めた無礼な判定ポイントに到達したとき、無礼な大人の利用客である判定する無礼客判定処理手段と、この無礼客判定処理手段で無礼な大人の利用客と判定されたとき、何れの前記高さ検知センサの出力から大人と判定されたかを確認し、出口側ドアの開閉制御を行うドア動作処理制御手段とを備え、
前記ドア動作処理制御手段は、前記入口近傍、前記中央部に設置される前記高さ検知センサの出力から無礼な大人の利用客と判定されたとき前記出口側ドアを閉制御し、前記入口近傍及び前記中央部に設置される前記高さ検知センサの出力から無礼な大人の利用客と判定されずに前記出口近傍の前記高さ検知センサの出力から無礼な大人の利用客と判定されたとき、出口側ドアを閉めずに無礼な大人の利用客であることを報知する報知手段をさらに設けた自動改札装置。」と記載されているのを、
「装置本体の改札通路に沿って配列される通行位置検知用の位置検知センサ群及び前記装置本体の入口近傍、中央部及び出口近傍にそれぞれ設置される大人検知用の高さ検知センサと、
前記各高さ検知センサの設置位置と特定の前記位置検知センサとの対応関係を規定する大人判定位置データ記憶手段と、
利用客が前記特定の位置検知センサの設置位置を通過したとき、前記大人判定位置データ記憶手段に規定する対応関係を有する各高さ検知センサの出力から大人であるかを判定し、その判定結果から大人であり、かつ提示された媒体の不正、媒体の不提示などに基づき、無札な大人の利用客であるかを判定する処理制御部とを備え、
前記処理制御部は、所定のサンプリング周期ごとの前記位置検知センサの出力変化から利用客の通行を検知するともに、当該利用客が前記各特定の位置検知センサの設置位置を通過したとき、前記大人判定位置データ記憶手段に規定する対応関係を有する各高さ検知センサの出力から大人であるかを判定する大人判定手段と、大人の利用客と判定され、かつ当該利用客が提示された媒体の不正、媒体の不提示などに対して予め定めた無札な判定ポイントに到達したとき、無札な大人の利用客である判定する無札客判定処理手段と、この無札客判定処理手段で無札な大人の利用客と判定されたとき、何れの前記高さ検知センサの出力から大人と判定されたかを確認し、出口側ドアの開閉制御を行うドア動作処理制御手段とを備え、
前記ドア動作処理制御手段は、前記入口近傍、前記中央部に設置される前記高さ検知センサの出力から無札な大人の利用客と判定されたとき前記出口側ドアを閉制御し、前記入口近傍及び前記中央部に設置される前記高さ検知センサの出力から無札な大人の利用客と判定されずに前記出口近傍の前記高さ検知センサの出力から無札な大人の利用客と判定されたとき、出口側ドアを閉めずに無札な大人の利用客であることを報知する報知手段をさらに設けた自動改札装置。」に訂正する。
(2)特許請求の範囲の請求項2において
「請求項1に記載の自動改札装置において、
前記報知手段は、下記の何れか1種類以上により無礼な大人の利用客であることを報知する自動改札装置。
(1) 予め定めた警報メッセージを音声発生器から出力する。
(2) 白色ランプまたは赤色ランプを点滅制御する。
(3) 状態表示部に不正者であることを表示する。」と記載されているのを、
「請求項1に記載の自動改札装置において、
前記報知手段は、下記の何れか1種類以上により無札な大人の利用客であることを報知する自動改札装置。
(1) 予め定めた警報メッセージを音声発生器から出力する。
(2) 白色ランプまたは赤色ランプを点滅制御する。
(3) 状態表示部に不正者であることを表示する。」に訂正する。

2 訂正事項2
明細書の段落【0007】?【0009】,【0026】,【0028】?【0030】,【0032】,【0037】,【0050】,【0052】?【0056】,【0060】,【0063】?【0065】,【0067】,【0069】?【0070】において「無礼」との記載を、「無札」に訂正する。

3 訂正事項3
図面の図3,6,8において「無礼」との記載を、「無札」に訂正する。

なお、訂正前の請求項1?2は一群の請求項に該当するから、訂正事項1に係る請求項1?2についての訂正は、一群の請求項である請求項〔1?2〕について請求されている。
また、訂正事項2に係る明細書についての訂正及び訂正事項3に係る図面についての訂正は、一群の請求項である請求項〔1?2〕について請求されている。
よって、本件訂正は、一群の請求項〔1?2〕について請求されている。

第3 当審の判断
1 訂正の目的について
明細書の段落【0007】?【0009】,【0026】,【0028】?【0030】,【0032】,【0037】,【0050】,【0052】?【0056】,【0060】,【0063】?【0065】,【0067】,【0069】?【0070】、特許請求の範囲の請求項1?2及び図面の図3,6,8には「無礼」という記載がある。
しかしながら、明細書の段落【0050】の「無礼客判定処理手段51bは、無礼客判定処理が開始すると、無礼な大人の利用客か否かを判定する。ここで、無礼な利用客とは、例えば利用客が媒体Cを提示しない狭義の無礼客や提示された媒体Cが利用できない不正な媒体である無効客が考えられる。」という記載において「無礼な利用客」とは、「媒体C」すなわち「磁気式乗車券や無線式カード」(段落【0013】の「磁気式乗車券や無線式カードを媒体と総称する。」記載参照)を提示しない利用客や不正な媒体をもつ利用客を指すのであって、「無礼客判定処理手段51b」はそのような「磁気式乗車券や無線式カード」を提示しない又は不正な媒体をもつ「大人の利用客」であるか否か判定するものであること、「無札」とは「客が切符を持たないこと。」(広辞苑第7版)を意味すること、及び図面の図7に「無札判定処理開始」及び「無札検知位置に到達か?」と記載されていることを踏まえると、明細書、特許請求の範囲及び図面における「無礼」という記載が「無札」の誤記であることは明らかである(下線は当審で付した。以下同様。)。
してみると、訂正事項1?3に係る本件訂正は、明細書、特許請求の範囲及び図面のそれぞれにおいて「無礼」という誤記を「無札」に訂正するものなので、誤記の訂正を目的とするものといえる。
したがって、訂正事項1?3に係る本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものに該当する。

2 願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
訂正事項1?3に係る本件訂正は、願書に最初に添付した図面の図7に「無札判定処理開始」及び「無札検知位置に到達か?」という記載等(上記「1」参照)に基づいて、明細書、特許請求の範囲及び図面のそれぞれにおける「無礼」という誤記を「無札」に訂正するものなので、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものといえ、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

3 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項1?3に係る本件訂正は、上記「1」で述べたように明細書、特許請求の範囲及び図面のそれぞれにおいて「無礼」という誤記を「無札」に訂正する、誤記の訂正を目的とするものにすぎないから、訂正事項1?3に係る本件訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

4 特許出願の際独立して特許を受けることができるか否かについて
訂正事項1?3に係る本件訂正は、上記「1」で述べたように明細書、特許請求の範囲及び図面のそれぞれにおいて「無礼」という誤記を「無札」に訂正する、誤記の訂正を目的とするものにすぎないから、本件訂正後の請求項1?2に係る特許に対して、特許出願の際独立して特許を受けることができなくなるような特段の事情は存在しない。
したがって、訂正事項1?3に係る本件訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。

第4 むすび
以上のとおりであるから、訂正事項1?3に係る本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項乃至第7項の規定に適合する。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
自動改札装置
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、自動改札装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道などの交通機関の各駅に設置される自動改札装置には、改札通路を通行する利用客が大人か否かを判定するために、装置筐体上部に高さ検知センサが設置されている。
【0003】
ところで、従来の一般的な自動改札装置は、利用客の進行方向に対して、装置筐体上部の中央部より上流側(例えば改札入側)に高さ検知センサを設置し、この高さ検知センサの出力から利用客が大人か否かを判定するか、あるいは装置筐体上部の上流側及び中央部の2箇所に高さ検知センサを設置し、これら高さ検知センサの出力から利用客が大人か否かを判定している。
【0004】
近年、改札入側(駅構外側)及び改札出側(駅構内側)の両方向から通行できる両方向改札併用機として使用する自動改札装置が考えられている。この自動改札装置は、駅構内側から通行してくる利用客を検知するため、さらに改札入側とは反対側にも高さ検知センサが設置されている。
【0005】
しかし、このように自動改札装置は、何れの方向からも利用客の入側近傍及び中央部の高さ検知センサが大人検知用に利用しているが、利用客の出側近傍の高さ検知センサは大人の判定用には利用されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005-31841号公報
【特許文献2】特開2010-140439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、利用客出口側の高さ検知センサについても大人検知用に利用して大人の判定ミスを低減し、かつ、出口側の高さ検知センサを介して大人の無札者と判定されたときに利用客の危険を回避しつつ無札であることを報知する自動改札装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、発明の実施形態によれば、装置本体の改札通路に沿って配列される通行位置検知用の位置検知センサ群及び前記装置本体の入口近傍、中央部及び出口近傍にそれぞれ設置される大人検知用の高さ検知センサと、前記各高さ検知センサの設置位置と特定の前記位置検知センサとの対応関係を規定する大人判定位置データ記憶手段と、前記利用客がそれぞれ前記特定の位置検知センサの設置位置を通過したとき、前記大人判定位置データ記憶手段で規定される対応関係を有する各高さ検知センサの出力から大人であるかを判定し、この判定結果から大人であり、かつ提示された媒体の不正、媒体の不提示などに基づき、無札な大人の利用客かを判定する処理制御部とを備えた自動改札装置である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態に係る自動改札装置の構成を概略的に示す斜視図。
【図2】実施形態に係る改札通路を挟んで2個の装置本体にそれぞれ設置される位置検知センサ及び高さ検知センサの設置例を説明する図。
【図3】実施形態に係る自動改札装置の処理制御系を示すブロック構成図。
【図4】実施形態に係る図3のRAMに設けられる管理テーブル及び警報メッセージ記憶部を示す図。
【図5】実施形態に係る利用客の通過位置と位置検知センサの状態変化の遷移を示す図。
【図6】実施形態に係る処理制御部での大人判定処理手段を説明するフロー図。
【図7】実施形態に係る処理制御部での無札客判定処理手段を説明するフロー図。
【図8】実施形態に係る処理制御部でのドア動作処理制御手段を説明するフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本実施の形態に係る鉄道関係の駅に設置される自動改札装置の構成を概略的に示す図である。自動改札装置1は、通常,2台の装置本体2が所定間隔を有して駅の改札口などに設置され、両装置本体2間に利用客の通行可能な改札通路3が形成される。
【0011】
装置本体2上面の一端部には、例えば有効期間や利用可能区間などの改札情報が記録される磁気式乗車券(入場券、普通乗車券,定期券,回数券、プリペイドカードなど)が投入される投入口4が設けられている。なお、投入口4には、必要に応じて開閉するシャッタ5(図3参照)が設けられている。
【0012】
また、装置本体2上面の他端部には、投入口4から投入された磁気式乗車券等を必要に応じて排出する取出口6が設けられている。
【0013】
装置本体2上面の投入口4前方にはアンテナ7が設けられている。アンテナ7は、例えばループ状アンテナなどで構成され、利用客が所持する無線式カード(ICカードなど)をアンテナ7に向けてかざしたとき、無線式カードに記録されるデータを無線通信により受信したり、無線式カードに対して必要なデータを送信して書込んだり、書替え可能な機能を持っている。以下、磁気式乗車券や無線式カードを媒体と総称する。
【0014】
さらに、装置本体2上面の取出口6近傍に利用客や駅員などに対して各種案内を行う案内表示部8が設けられている。
【0015】
また、装置本体2の改札通路3側面の両端部には、それぞれ利用客の通行を制御するドア9,9が設けられており、通行可否の判定結果に基づいて開閉制御されるようになっている。
【0016】
装置本体2の改札通路3側面には、スピーカなどの音声発生器10の他、利用客の通過を追従検知する光センサからなる位置検知センサ11?36が改札通路3方向に沿って配列されている。
【0017】
また、装置本体2上部の改札通路3とは反対面側から上部方向に突き出すようにフレーム37が設けられている。フレーム37の改札通路3の面側には、上流側となる入口側、中央部及び下流側となる出口側にそれぞれ高さ検知センサ41、42及び43が設けられている。
【0018】
さらに、フレーム37上部の取出口6近傍部には、本装置の動作状態(小児券の投入、無効券の投入、機器の異常など)を表示する状態表示部38が設けられている。
【0019】
次に、図2は位置検知センサ11?36及び高さ検知センサ41?43の設置例を説明する図である。
【0020】
位置検知センサ11?36は利用客の通行位置を追従可能な透過型の光センサであって、一方の装置本体2の改札通路面側に所定間隔を有して直線状に配列される投光素子11a?36aと、改札通路3を挟んで設置される他方の装置本体2の同一改札通路面側に投光素子11a?36aと対向する状態で配列される受光素子11b?3bとによって構成される。図中のL1は、投光素子11a?36aから受光素子11b?3bへ投光される光の光軸を示している。
【0021】
これら位置検知センサ11?36の各センサ間の間隔は、利用客の胴体の前後幅よりも小さな間隔,例えば8cmに設定されている。その結果、隣接する2つの受光素子11b?3bが利用客によって遮光されて暗となったとき、管理対象となる利用客の検知信号を出力する。
【0022】
一方、高さ検知センサ41?43は、大人を判定するための反射型の光センサである。高さ検知センサ41は自動改札装置1の一端側(例えば改札入側付近)に設けられ、高さ検知センサ42は自動改札装置1の中央部付近に設けられ、高さ検知センサ43は自動改札装置1の他端側(例えば改札出側付近)に設けられている。図中のL2は、高さ検知センサ41?43の光軸を示している。
【0023】
これら高さ検知センサ41?43は、斜め上方へ光を投射し、その反射光を受光することにより、利用客が大人であると検知する。例えば利用客の身長が所定の高さ(床面から略125cm)以上のときは両方の装置本体2,2側のセンサが利用客からの反射光を検知するので、利用客は大人であると判定する。また、利用客の身長が所定の高さ(125cm)未満のときは、何れか一方、または双方の装置本体2,2側のセンサが利用客からの反射光を検知しなくなるので、利用客は小児であると判定する。
【0024】
図3は自動改札装置の制御処理系統を概略的に示す構成図である。
【0025】
この自動改札装置1はCPUで構成される処理制御部51が設けられ、この処理制御部51には、ROM52、RAM53、運賃メモリ54、シャッタ制御部55、センサ監視部56、ドア開閉駆動部57に開閉駆動指示を出すドア開閉制御部58、表示制御部59、音声出力制御部60及び無線通信制御部61が接続されている。Cは媒体の一種となる無線式カードである。
【0026】
処理制御部51は、本装置全体の処理制御を司るものであって、例えば図6?図8に示す処理手順に従い、大人判定手段51a、無札客判定処理手段51b及びドア動作処理制御手段51cを実行する。
【0027】
大人判定手段51は、予め定めるサンプリング周期ごとに位置検知センサ11?36の出力情報を取り込んで利用客(管理対象)を割り出し、かつ、位置検知センサ11?36の出力から利用客の現在位置が高さ検知センサ例えば41の設置位置を通過したとき、当該高さ検知センサ41の出力から大人の有無を判定する。
【0028】
無札客判定処理手段51bは、利用客が大人であって、適正な媒体Cが提示されておらず、かつ予め定める無札とする判定ポイントに到達しているとき、無札利用客であると判定する。
【0029】
ドア動作処理制御手段51cは、高さ位置センサ41,42を通過した際に無札な大人と判定したとき、出側ドア9を閉制御するが、最も下流の出側の高さ位置センサ例えば43で初めて無札な大人と判定したとき、無札な利用客が危険であるので、出側ドア9を動作させずに無札であることを報知する機能を持っている。
【0030】
なお、大人判定手段51、無札客判定処理手段51b及びドア動作処理制御手段51cについては、図6?図8で詳細に説明する。
【0031】
ROM52には、処理制御部51による処理手順(処理制御プログラム)などが記憶される。RAM53は、処理制御部51において制御処理上必要なデータの他、処理過程で発生するデータを一時的に記憶する。
【0032】
RAM53には、少なくとも図4に示す管理テーブル53a及び無札な利用客に対して警報を報知する警報メッセージデータを記憶する音声メッセージ記憶部53bの他、ドア9の動作状態を規定するフラグを格納するドア動作フラグ記憶部(図示せず)が設けられている。
【0033】
管理テーブル53aには、次のような管理項目データが記録される。管理項目データとしては、例えば、媒体Cの識別情報ないし媒体種別を記録する管理番号項目、利用客の通行に伴って暗となった位置検知センサ11?36の前端・後端センサ番号を記録する利用客の現在位置項目、改札入側方向(駅構内方向)及び改札出側方向(駅構外方向)を表す識別データを記録する通行方向、媒体Cから利用客が大人か否かを識別して格納する大人・小児フラグ項目、大人判定位置項目などが挙げられる。
【0034】
大人判定位置項目としては、自動改札装置1の入側付近(例えば上流側)、自動改札装置1中央部付近、自動改札装置1の出側付近(例えば下流側)に高さ検知センサ41、42、43が設置されているので、これら高さ検知センサ41、42、43の設置位置と対応付けるために、位置検知センサ11?36の設置位置を表す各センサ番号と高さ検知センサ41、42、43との対応関係が規定されている。
【0035】
例えば、高さ検知センサ41がセンサ番号12と13との間に設置されている場合、利用客の通行によって少なくとも位置検知センサ12,13を含むセンサ群が暗となっていれば、高さ検知センサ41の出力から大人であると判定することが可能である。この場合、大人判定位置項目に掲げる高さ検知センサ41には「1」が設定される。
【0036】
運賃メモリ54は、料金計算などを行うための運賃データが記憶される。シャッタ制御部55は、投入口4に設けられたシャッタ5を開閉駆動制御する。センサ監視部56には、位置検知センサ11?36及び高さ検知センサ41?43が接続され、利用客の通行に追従して暗となるセンサ情報(センサ番号)を取り込み、管理テーブル53aの前端・後端センサ番号を更新する。また、センサ監視部56は、高さ検知センサ41?43から大人の利用客であると検知すると、管理テーブル53aの大人判定位置の高さ検知センサ、例えば41の領域に「1」を設定する。
【0037】
ドア開閉制御部58は、ドア開閉駆動部57によるドア9の開閉駆動を制御する。表示制御部59は、案内表示部8及び状態表示部38などに処理内容を表示する。音声出力制御部60は、無札のまま通過しようとしたとき、音声発生器10から警報メッセージを発生する。
【0038】
無線通信制御部61は、アンテナ7の送受信パワーなどを制御したり、アンテナ7から送信するデータを変調したりする。
さらに、処理制御部51には、搬送制御部63、読取回路64、書込回路65が接続されている。
【0040】
搬送制御部63は、磁気式媒体(図示せず)を搬送経路に沿って搬送するための搬送ローラや搬送ベルトを駆動する搬送用モータなどの各種搬送機構66の駆動を制御する。読取回路64は、磁気式媒体の裏面の磁気記録層に記録されているエンコード磁気情報を読み取る読取ヘッド67の駆動を制御する機能を有する。書込回路65は、磁気式媒体の磁気記録層に対してエンコード磁気情報を記録する書込ヘッド68の駆動を制御する機能を有する。
【0041】
図5は利用客の通行位置と位置検知センサ11?36による暗状態の変化との関係を説明する図である。
【0042】
位置検知センサ11?36は、通行方向に沿って例えば80mm以下の間隔で配置されていれば、人間が少なくとも連続した2個以上の位置検知センサを遮へいした状態で通行していることになる。このことは、利用客の通行に伴って少なくとも2個の位置検知センサ、例えば11,12が遮光されて暗状態の出力となれば、管理対象となる利用客が通行したと捉えることができる。
【0043】
そこで、利用客の通行時、前回の暗状態となった位置検知センサの一部と今回の暗状態となる位置検知センサの一部とが重なり合う程度のサンプリング周期(例えば5ms)ごとに位置検知センサ11?36の出力(暗状態の変化)を検知すれば、利用客の通行に伴って暗状態の一部が重なり合いながら移動していることが判る。
【0044】
その結果、管理テーブル53aの現在位置のセンサ番号とサンプリング周期後に暗状態となっているセンサ番号とのANDを取れば、前回と重なりのあるセンサ番号を含む変化後の暗状態の位置検知センサのセンサ番号を用いて、管理テーブル53aの現在位置項目欄の前端センサ番号及び後端センサ番号を順次更新していけば、利用客の移動位置を追跡することができる。
【0045】
そして、利用客の移動追跡時、利用客が各高さ検知センサ41?43と対応関係にある位置検知センサのセンサ番号の設置位置を通過した後、該当する高さ検知センサ例えば41の反射光の受光有無状態を検知すれば、少なくとも高さ検知センサ41にて大人が通行しているかを判定することが可能である。
【0046】
次に、以上のように構成された自動改札装置の処理手順について図6ないし図8を参照して説明する。
【0047】
自動改札装置1における処理制御部51は、改札受付の待機状態に入ると、大人判定手段51を実行する。
【0048】
大人判定手段51は、図6に示すように、予め定める所定のサンプリング周期に達したか否かを判断する(S1)。所定のサンプリング周期に達したとき、センサ監視部56を介して位置検知センサ11?36から明・暗によるセンサ情報を取出し、改札通路3を通行する管理対象(利用客)の割り出しを行った後(S2)、管理テーブル53aの現在位置項目に例えば前端センサ番号及び後端センサ番号などのセンサ情報を新規に登録するか、または既に前回の前端・後端センサ番号が登録済みの場合は今回取得した位置検知センサ11?36の出力センサ情報から利用客の現在位置となる前端・後端センサ番号を取出して更新する(S3)。
【0049】
しかる後、大人判定手段51は、前端センサ番号と後端センサ番号との範囲が大人判定位置を含む位置に有る時(S4)、高さ検知センサ41?43を参照して大人と判定する(S5)。ここで、利用客が大人であると判定したとき、例えば管理テーブル53aの大人判定位置項目の高さ検知センサ41に「1」をセットする(S6)。
【0050】
しかる後、大人判定手段51は、後続の利用客が別の管理テーブル(図示せず)に管理対象者として登録されているか、つまり管理対象数分の大人判定が完了したか否かを判断し(S7)、管理対象数分の大人判定が未完了のとき、ステップS3に戻り、同様の処理を繰り返し実行し(S3?S7)、管理対象数分の大人判定が完了している場合には無札客判定処理手段51bを実行する
無札客判定処理手段51bは、無札客判定処理が開始すると、無札な大人の利用客か否かを判定する。ここで、無札な利用客とは、例えば利用客が媒体Cを提示しない狭義の無札客や提示された媒体Cが利用できない不正な媒体である無効客が考えられる。
【0051】
なお、以下、説明の便宜上、無線式媒体Cを例に説明するが、特別な場合を除いて磁気式等の媒体も無線式媒体Cに含んで説明しているものとする。
【0052】
無札客判定処理手段51bは、具体的には図7に示すように、既に管理対象となる利用客が通行しているので、RAM53内のドア動作フラグ記憶部にドア動作禁止フラグが設定されている場合には当該ドア動作禁止フラグをクリアする(S11)。
【0053】
しかる後、無札客判定処理手段51bは、管理対象が大人(ステップS4参照)であるか(S12)、利用客から真正な媒体Cが提示されたかを判断する(S13)。ここで、管理対象が大人であり、かつ、当該大人の利用客から真正な媒体の提示がないとき、予め定められる無札とする判定位置に到達したかを判断する(S14)。ここで、大人の利用客が無札とする判定位置に達していれば、無札な大人の利用客と判定する。
【0054】
無札客判定処理手段51bは、引き続き、無札な大人の利用客と判定された場合、何れの高さ検知センサ41?43の出力から大人検知されたかを判断する(S15)、ここで、入口近傍及び中央部に設置される高さ検知センサ41,42で大人検知されたとき、ドア閉動作指示を出す(S16)。
【0055】
一方、装置本体2の出口近傍に設置される高さ検知センサ43で大人検知と判断されたとき、ドア動作フラグ記憶部にドア動作禁止フラグをセットする(S17)。一方、利用客が大人でないとか、大人であるが真正な媒体を提示されているとか、未だ無札とする判定位置に到達していないときにはドア開動作指示を出す(S18)。
【0056】
そして、ステップS19に移行し、管理テーブル53a数分の利用客に関して無札客の判定が行われたかを判断する。ここで、未だ未判定の管理テーブル53aが存在すれば、ステップS12に戻って一連の処理を繰り返し実行し(S12?S19)、全管理テーブル数分の無札客に関する判定が完了した場合にはドア動作処理制御手段51cを実行する。
【0057】
このドア動作処理制御手段51cは、図8に示すように、ドア動作処理制御が開始すると、ドア動作フラグ記憶部のデータからドア動作禁止か否かを判断する(S21)。ドア動作フラグ記憶部にドア動作禁止フラグが設定されていないとき、ドア閉動作指示(S16)有りで、かつ出口側ドア9現在開かを判断し(S22)、YESの場合にはドア閉制御信号をドア開閉制御部58に送出する。
【0058】
ドア開閉制御部58は、受け取ったドア閉制御信号に基づき、ドア開閉駆動部57を介して出口側ドア9を閉制御し、現在のドア状態を閉とする(S23)。つまり、ステップS15において、入口側近傍及び中央部側の高さ検知センサ41,42で不正な大人の利用客と判定したとき、出口側ドア9を閉じ、不正な利用客の出口通行を阻止する。
【0059】
また、ドア動作処理制御手段51cは、ステップS22にてドア閉動作指示、かつ出口側ドア9現在開でない場合にはドア開動作指示(S11)であって、かつ出口側ドア9現在閉かを判断し(S24)、YESの場合にはドア開制御信号をドア開閉制御部58に送出し、ドア開閉駆動部57を介して出口側ドア9を開制御する(S25)。すなわち、不正な利用客でない場合及び小児の場合、出口側ドア9を開けて利用客を通す。
【0060】
さらに、ステップS21において、出口近傍の高さ検知センサ43にて大人検知され、かつドア動作フラグ記憶部にドア動作禁止フラグが設定されているので(S17)、無札な大人の利用客と判断するが、出口側ドア9を閉じることなく、音声メッセージ記憶部53bから警報メッセージデータ、例えば「券をお確かめ下さい」なる警報メッセージデータを読み出し、音声出力制御部60に送出する。ここで、音声出力制御部60は、受け取った警報メッセージデータを音声発生器10から音声出力する(S26)。これは、無札な大人の利用客であるが、既に出口側近傍を通行しているので、この段階で出口側ドア9を閉じると、利用客が出口側ドア9に接触するか、ドア接触によって転倒する危険が予想されるので、音声によって無札な利用客であることを報知するものである。
【0061】
さらに、ドア動作処理終了を確認後(S27)、図6のスタート(開始)に移り、一連の処理手順を繰り返し実行する。
【0062】
従って、以上のような実施の形態によれば、装置本体2の入口近傍及び中央部側の高さ検知センサ41、42だけでなく、出口近傍の高さ検知センサ43を含めて、改札通路3を通行する利用客が大人か否かを判定するので、大人の判定ミスを低減できる。
【0063】
また、入口近傍及び中央部側の高さ検知センサ41、42で大人と検知できなくても、出口近傍の高さ検知センサ43の出力から無札な大人の利用客と判定したとき、出口ドア9を閉じることなく警報を発するので、利用客が急に閉じるドア9に接触するとか、接触して転倒する危険を回避しつつ、無札な大人の利用客に対して警報を出力することで一定の心理的な負担を与えることができる。なお、故意による不正行為でない場合もありうるので、例えば、「券をお確かめ下さい」なる警報メッセージを出力し、利用客に不信感を与えないようにする。
【0064】
(その他の実施形態)(1) 上記実施の形態では、図1に示す改札通路3の矢印のように一方向通行の自動改札装置について説明しているが、両方向改札併用の自動改札装置であっても同様に高さ検知センサ41?43を用いて、大人検知及び無札な大人の利用客を判定することが可能である。
【0065】
(2) 上記実施の形態では、出口近傍の高さ検知センサ43の出力から無札な大人の利用客と判定されたとき、警報メッセージ記憶部53bから警報メッセージを読み出し、音声発生器10から無札な大人の利用客であることの警報メッセージを出力するようにしたが、例えば装置本体2に設置される既設の白色ランプまたは赤色ランプを所定の周期で点滅させることにより、無札な大人の利用客に対する報知としてもよい。
【0066】
また、装置本体2に新たに警報用の白色ランプまたは赤色ランプを設置し、前述同様に所定の周期で点滅させる構成であってもよい。
【0067】
(3) さらに、音声発生器10やランプとともに、あるいは音声発生器10やランプに代えて、状態表示部38に無札な大人の利用客であることの警報メッセージを表示してもよい。
【0068】
(4) 上記実施の形態では、図3にて自動改札装置の処理制御系について述べたが、処理制御部51に通信部を設け、処理制御系の処理制御状態を上位の監視制御盤に送信し、自動改札装置の処理制御を監視できる構成であってもよい。
【0069】
(5) さらに、上記実施の形態では、1つの実施の形態例を提示したものであるが、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
装置本体の改札通路に沿って配列される通行位置検知用の位置検知センサ群及び前記装置本体の入口近傍、中央部及び出口近傍にそれぞれ設置される大人検知用の高さ検知センサと、
前記各高さ検知センサの設置位置と特定の前記位置検知センサとの対応関係を規定する大人判定位置データ記憶手段と、
前記利用客が前記特定の位置検知センサの設置位置を通過したとき、前記大人判定位置データ記憶手段に規定する対応関係を有する各高さ検知センサの出力から大人であるかを判定し、その判定結果から大人であり、かつ提示された媒体の不正、媒体の不提示などに基づき、無札な大人の利用客であるかを判定する処理制御部とを備えた自動改札装置。
[C2]
[C1]に記載の自動改札装置において、
前記処理制御部は、所定のサンプリング周期ごとの前記位置検知センサの出力変化から利用客の通行を検知するともに、当該利用客が前記各特定の位置検知センサの設置位置を通過したとき、前記大人判定位置データ記憶手段に規定する対応関係を有する各高さ検知センサの出力から大人であるかを判定する大人判定手段と、大人の利用客と判定され、かつ当該利用客が提示された媒体の不正、媒体の不提示などに対して予め定めた無札な判定ポイントに到達したとき、無札な大人の利用客である判定する無札客判定処理手段と、この無札客判定処理手段で無札な大人の利用客と判定されたとき、何れの前記高さ検知センサの出力から大人と判定されたかを確認し、出口側ドアの開閉制御を行うドア動作処理制御手段とを備えた自動改札装置。
[C3]
[C2]に記載の自動改札装置において、
前記ドア動作処理制御手段は、前記出口近傍に設置される前記高さ検知センサの出力から無札な大人の利用客と判定されたとき、前記出口側ドアを閉めずに無札な利用客であることを報知する報知手段をさらに設けた自動改札装置。
[C4]
[C2]に記載の自動改札装置において、
前記ドア動作処理制御手段は、前記入口近傍、前記中央部に設置される前記高さ検知センサの出力から無札な大人の利用客と判定されたとき前記出口側ドアを閉制御し、前記入口近傍及び前記中央部に設置される前記高さ検知センサの出力から無札な大人の利用客と判定されずに前記出口近傍の前記高さ検知センサの出力から無札な大人の利用客と判定されたとき、出口側ドアを閉めずに無札な大人の利用客であることを報知する報知手段をさらに設けた自動改札装置。
[C5]
[C3]または[C4]に記載の自動改札装置において、
前記報知手段は、下記の何れか1種類以上により無札な大人の利用客であることを報知する自動改札装置。
(1) 予め定めた警報メッセージを音声発生器から出力する。
(2) 白色ランプまたは赤色ランプを点滅制御する。
(3) 状態表示部に不正者であることを表示する。
【符号の説明】
【0070】
1…自動改札装置、2…装置本体、3…改札通路、4…投入口、5…シャッタ、6…取出口、7…アンテナ、8…案内表示部、9…ドア、10…音声発生器、11?36…位置検知センサ、11a?36a…投光素子、11b?36b…受光素子、37…フレーム、38…状態表示部、41?43…高さ検知センサ、51…処理制御部、51a…大人判定手段、51b…無札客判定処理手段、51c…ドア動作処理制御手段、52…ROM、53…RAM、55…シャッタ制御部、56…センサ監視部、57…ドア開閉駆動部、58…開閉制御部、59…表示制御部、60…音声出力制御部、61…無線通信制御部、C…媒体の一種となる無線式カード。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体の改札通路に沿って配列される通行位置検知用の位置検知センサ群及び前記装置本体の入口近傍、中央部及び出口近傍にそれぞれ設置される大人検知用の高さ検知センサと、
前記各高さ検知センサの設置位置と特定の前記位置検知センサとの対応関係を規定する大人判定位置データ記憶手段と、
利用客が前記特定の位置検知センサの設置位置を通過したとき、前記大人判定位置データ記憶手段に規定する対応関係を有する各高さ検知センサの出力から大人であるかを判定し、その判定結果から大人であり、かつ提示された媒体の不正、媒体の不提示などに基づき、無札な大人の利用客であるかを判定する処理制御部とを備え、
前記処理制御部は、所定のサンプリング周期ごとの前記位置検知センサの出力変化から利用客の通行を検知するともに、当該利用客が前記各特定の位置検知センサの設置位置を通過したとき、前記大人判定位置データ記憶手段に規定する対応関係を有する各高さ検知センサの出力から大人であるかを判定する大人判定手段と、大人の利用客と判定され、かつ当該利用客が提示された媒体の不正、媒体の不提示などに対して予め定めた無札な判定ポイントに到達したとき、無札な大人の利用客である判定する無札客判定処理手段と、この無札客判定処理手段で無札な大人の利用客と判定されたとき、何れの前記高さ検知センサの出力から大人と判定されたかを確認し、出口側ドアの開閉制御を行うドア動作処理制御手段とを備え、
前記ドア動作処理制御手段は、前記入口近傍、前記中央部に設置される前記高さ検知センサの出力から無札な大人の利用客と判定されたとき前記出口側ドアを閉制御し、前記入口近傍及び前記中央部に設置される前記高さ検知センサの出力から無札な大人の利用客と判定されずに前記出口近傍の前記高さ検知センサの出力から無札な大人の利用客と判定されたとき、出口側ドアを閉めずに無札な大人の利用客であることを報知する報知手段をさらに設けた自動改札装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動改札装置において、
前記報知手段は、下記の何れか1種類以上により無札な大人の利用客であることを報知する自動改札装置。
(1) 予め定めた警報メッセージを音声発生器から出力する。
(2) 白色ランプまたは赤色ランプを点滅制御する。
(3) 状態表示部に不正者であることを表示する。
【図面】








 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2019-07-25 
結審通知日 2019-07-30 
審決日 2019-08-19 
出願番号 特願2011-206824(P2011-206824)
審決分類 P 1 41・ 854- Y (G07B)
P 1 41・ 855- Y (G07B)
P 1 41・ 841- Y (G07B)
P 1 41・ 856- Y (G07B)
P 1 41・ 852- Y (G07B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 永安 真  
特許庁審判長 藤井 昇
特許庁審判官 中村 泰二郎
出口 昌哉
登録日 2015-05-29 
登録番号 特許第5752543号(P5752543)
発明の名称 自動改札装置  
代理人 井上 正  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 井上 正  
代理人 宮田 良子  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 宮田 良子  

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