• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1355564
審判番号 不服2018-9177  
総通号数 239 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-11-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-07-03 
確定日 2019-10-24 
事件の表示 特願2016- 53642「情報処理装置および方法,並びに,プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 6月30日出願公開,特開2016-119127,請求項の数(7)〕について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,平成19年8月8日に出願された特願2007-206709号の一部を平成24年3月7日に新たな特許出願(特願2012-50404号)とし,さらに,その一部を平成26年9月4日に新たな特許出願(特願2014-180044号)とし,さらに,その一部を平成28年3月17日に新たな特許出願としたものであって,平成29年3月17日付け拒絶理由通知に対し,同年5月18日に意見書が提出されるとともに手続補正がされ,同年10月11日付け最後の拒絶理由通知に対し,同年12月18日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたが,平成30年3月29日付けで当該手続補正は却下されるとともに拒絶査定(以下,「原査定」という。)がされ,これに対し,同年7月3日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたところ,令和元年6月26日付けで当審から最後の拒絶理由(以下,「当審拒絶理由」という。)が通知され,これに対し,同年8月26日に意見書が提出されるとともに手続補正(以下,「本件補正」という。)がされたものである。

第2 原査定の概要
原査定の理由の概要は以下のとおりである。
本願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
・請求項 1ないし12
・引用文献 AないしD
<引用文献等一覧>
A.特開2007-150984号公報
B.特開2006-145617号公報
C.特開2006-47644号公報
D.国際公開第2007/023120号

第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は以下のとおりである。
本願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
・請求項 1ないし12
・引用文献 1ないし5
<引用文献等一覧>
1.特開2007-150984号公報(拒絶査定時の引用文献A)
2.特開2006-145617号公報(拒絶査定時の引用文献B)
3.特開2006-47644号公報(拒絶査定時の引用文献C)
4.国際公開第2007/023120号(拒絶査定時の引用文献D)
5.特開2003-85659号公報

第4 本願発明
本願の請求項1ないし7に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明7」という。)は,本件補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定される発明であって,本願発明1は以下のとおりである。

「【請求項1】
複数のコンテンツデータのそれぞれの識別情報のリストを含み,前記複数のコンテンツデータの管理に利用される管理データを,非接触型のICカードとリーダライタを用いた超近距離無線通信により取得する取得部と,
前記取得部により取得された前記管理データを用いて,前記複数のコンテンツデータの中から少なくとも1つのコンテンツデータの選択を受け付ける選択受付部と,
前記選択受付部によりコンテンツデータの選択が受け付けられると,ブルートゥース通信の,選択された前記コンテンツデータを送信するデバイスとのセッションを確立し,前記コンテンツデータの送信要求を送信する送信部と,
前記送信部によるコンテンツデータの送信要求に対応する前記コンテンツデータを,前記ブルートゥース通信により受信する受信部と
を備える情報処理装置。」

なお,本願発明2ないし5は,本願発明1を減縮した発明である。
また,本願発明6は,本願発明1に対応する方法の発明であり,本願発明7は,本願発明1に対応するプログラムの発明であり,それぞれ,本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。

第5 引用文献,引用発明等
1 引用文献1について
(1) 引用文献1の記載
当審拒絶理由で引用された引用文献1(特開2007-150984号公報)には,図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で加筆した。以下同じ。)。

ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は,無線通信システム,通信装置,設定情報提供方法,設定情報取得方法,およびコンピュータプログラムに関する。詳細には,アクセスポイントを介して無線通信を行う無線通信システムにおいて,アクセスポイントへのアクセスに必要な設定情報を通信装置が簡単に取得し,迅速に無線通信を開始することの可能な無線通信システム,その無線通信システムに用いられる通信装置,設定情報提供方法,設定情報取得方法,およびコンピュータプログラムに関する。」

イ 「【0027】
(第1実施形態)
第1実施形態では,本発明にかかる無線通信システムを,アクセスポイント102を介した無線通信が可能な親側通信装置104および子側通信装置106を含む無線通信システム100に適用して説明する。
【0028】
<無線通信システム100の全体構成>
まず,図1に基づいて,本実施形態にかかる無線通信システム100の全体構成について説明する。無線通信システム100は,アクセスポイント102,親側通信装置104,子側通信装置106を含んで構成される。なお,図中では通信装置は親側通信装置104,子側通信装置106の2つであるが,より多くの通信装置を含んでもよい。
・・・
【0033】
親側通信装置104は,既に設定情報を保有しており,その設定情報を子側通信装置106に提供する機能を有する。子側通信装置106は,未だ設定情報を保有しておらず,親側通信装置104から設定情報を取得する機能を有する。親側通信装置104と子側通信装置106との間での設定情報の送受信は,近距離無線通信を用いて行われる。近距離無線通信は,例えば近距離無線規格(NFC:Near Field Communication)を利用した非接触な通信とすることができる。NFCは,その利用範囲が10cm程度と狭いので,ハンドアクションにより通信相手を限定する等セキュリティに優れている。
【0034】
詳細には,例えば,子側通信装置106に,非接触ICカード機能を実行する非接触ICカード機能実行部の一例である非接触ICチップが内蔵されており,親側通信装置104には,子側通信装置106の非接触ICチップと通信するリーダライタが備えられている。その場合,親側通信装置104と子側通信装置106との間の距離をNFCの利用範囲内にすると,親側通信装置104のリーダライタと子側通信装置106のICチップとの間で通信が行われ,設定情報が送受信される。」

ウ 「【0090】
(第3実施形態)
第3実施形態では,本発明にかかる無線通信システムを,アクセスポイント102を介した無線通信が可能な親側通信装置304および子側通信装置306を含む無線通信システム300に適用して説明する。本実施形態では,子側通信装置306が,アクセスポイント102へのアクセスに必要な設定情報を親側通信装置304から近距離無線通信により取得する点では,第1実施形態と同様である。本実施形態では,設定情報の送受信後,親側通信装置304と子側通信装置306との間でアクセスポイント102を介したデータの送受信が行われる点で,第2実施形態と類似する。第2実施形態では,子側通信装置206が,設定情報を取得した親側通信装置204を通信相手として特定し,データを送信したが,本実施形態では,親側通信装置304が,設定情報を送信した子側通信装置306を,アクセスポイント102を介した無線通信の通信相手として特定し,データを送信する点で第2実施形態と異なる。以下,第1実施形態および第2実施形態との相違点を中心に説明する。
【0091】
<無線通信システム300の全体構成>
まず,図9に基づいて,第3実施形態にかかる無線通信システム300の全体構成について説明する。図示のように無線通信システム300は,アクセスポイント102と,親側通信装置304と,子側通信装置306を含んで構成される。第1実施形態と同様に,親側通信装置304と子側通信装置306とは,近距離無線通信を行う。また,親側通信装置304と子側通信装置306は,設定情報を用いてアクセスポイント102を介した無線通信を行うことができる。
・・・
【0109】
親側通信装置304は,子側通信装置306からアクセス情報を取得すると,続いて,親側通信装置304が保有している音楽コンテンツの一覧を示すコンテンツリスト(楽曲名,アーティスト名,ジャンルなどを含む)を近距離無線通信により子側通信装置306に送信する(S512)。子側通信装置306は,受信したコンテンツリストから,ユーザの指示に基づいて,1または複数のコンテンツを選択し(S514),選択したコンテンツの情報(コンテンツを一意に識別するIDなど)を近距離無線通信により親側通信装置304に送信する(S516)。
【0110】
親側通信装置304は,選択コンテンツ情報を受信すると,S510で取得したアクセス情報を用いて,アクセスポイント102を介した無線通信により子側通信装置306に接続を要求する(S518)。子側通信装置306が,接続の要求に応じて,接続OKの応答を送信すると(S520),親側通信装置304と子側通信装置306との間でのアクセスポイント102を介した無線通信が開始される(S522)。無線通信が開始されると,親側通信装置304は,S516で受信した選択コンテンツ情報に従って指定されたコンテンツを,子側通信装置306に送信する(S524)。
・・・
【0115】
また,上記第3実施形態では,コンテンツリストは近距離無線通信により転送されたが,無線LANなどを利用して転送されることもできる。
【0116】
また,上記各実施形態では,アクセスポイントを介した無線通信として,無線LANによる無線通信を例に挙げて説明したが,本発明はかかる例には限定されない。例えば,無線通信を,BluetoothやUWB(Ultra Wide Band)による無線通信とすることもできる。」

(2) 引用発明
上記(1)によれば,引用文献1には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「アクセスポイント102と,非接触ICチップと通信するリーダライタが備えられた親側通信装置304と,非接触ICチップが内蔵された子側通信装置306を含んで構成され,親側通信装置304と子側通信装置306とは,例えば近距離無線規格(NFC:Near Field Communication)を利用した非接触な通信であって,NFCは,その利用範囲が10cm程度と狭い,近距離無線通信を行うことができ,また,親側通信装置304と子側通信装置306は,設定情報を用いてアクセスポイント102を介した無線通信を行うことができる無線通信システムにおいて,
親側通信装置304が保有している音楽コンテンツの一覧を示すコンテンツリスト(楽曲名,アーティスト名,ジャンルなどを含む)を近距離無線通信により子側通信装置306に送信すると,子側通信装置306は,受信したコンテンツリストから,ユーザの指示に基づいて,1または複数のコンテンツを選択し,選択したコンテンツの情報(コンテンツを一意に識別するIDなど)を近距離無線通信により親側通信装置304に送信し,親側通信装置304は,選択コンテンツ情報を受信すると,アクセスポイント102を介した無線通信により子側通信装置306に接続を要求し,子側通信装置306が,接続の要求に応じて,接続OKの応答を送信すると,親側通信装置304と子側通信装置306との間でのアクセスポイント102を介した無線通信が開始され,親側通信装置304は,受信した選択コンテンツ情報に従って指定されたコンテンツを,子側通信装置306に送信するものであり,
アクセスポイント102を介した無線通信は,Bluetoothによる無線通信とすることもできる,無線通信システム。」

2 引用文献2について
当審拒絶理由で引用された引用文献2(特開2006-145617号公報)には,図面とともに次の事項が記載されている。

「【0012】
図1を参照して,本発明の携帯通信端末による楽曲の試聴・購入システムの機器構成について説明する。
本発明の携帯通信端末による楽曲の試聴・購入システムは,少なくとも,利用者が携帯する携帯電話などの形態通信端末(以下,携帯電話という)1,利用者が試聴を希望する楽曲をインターネット経由で携帯電話1に配信する楽曲配信サーバ2,携帯電話1から送信された各種情報に添付される公開鍵証明書を認証するための認証局40の顧客認証サーバ4,利用者から送信されたクレジットカード番号から楽曲の購入金額を決済する電子決済サーバ3,で構成される。
また,試聴を希望する楽曲の検索コードを収録した楽曲曲目リスト(図示せず),または,楽器店や楽曲試聴コーナーに陳列されたディスクジャケット50には,楽曲の検索コードを入力するためのコードが表示されている。
【0013】
これらの楽曲の検索コードとして,バーコードや2次元コードなどの光学読取コード5が使用される。
バーコードは水平方向にのみ情報を有するコードで,2次元コードは,水平,垂直方向に情報を有する。
2次元コードは,バーコードの数十倍?数百倍の情報量を有し,携帯電話の撮像手段によって読み取ることができるようになっている。
2次元コードにはデータコード,マキシコード,CPコード,QRコードなどの種類がありそれぞれに特徴を持っている。
図1のジャケット50に印刷されたコードはQRコードで,最大データ量は,英数字の場合は1500文字強,漢字の場合は600文字強表示することができる。
楽曲の識別のみに使用する場合は,あまり多くの情報量は必要としないが,携帯電話で試聴するためには,その楽曲を販売している企業のHP(ホームページ)にアクセスする必要があり,HPへのアクセス情報を表示することになるとバーコードでは困難である。
【0014】
携帯電話がRFIDタグを読み取れるようになっている場合は,楽曲の識別コードがRFIDタグに記録されていてもよい。
RFIDタグにも上述の2次元コードと同等の情報量を搭載させることが可能である。
【0015】
また,携帯電話1には,図2に示す実施形態では,前述の光学読取コードを読み取るための撮像手段(以下,内蔵カメラという。)11が,内蔵カメラの表示部の裏側に設けられている。
また,携帯電話1には,主としてアプリケーションプログラムを格納させるための小型のICカード12が搭載される。
小型ICカード12には,上述のアプリケーションプログラムの他に,送受信情報を不正から護るための公開鍵と秘密鍵,公開鍵証明書などセキュリティ確保のためのツールが,読出しできない状態で格納される。また,電子決済のための電子マネー情報などが,暗証情報を入力しない限り読み出せないように格納される。
・・・
【0019】
図3を参照して,携帯通信端末による楽曲の試聴方法の手順について説明する。
本実施の形態では,楽器店でCDのジャケットを見て,ジャケットに印刷されている2次元コードを携帯電話の内蔵カメラで撮影し,楽曲を提供しているホームページにアクセスして試聴曲をリクエストし,試聴する場合の手順について説明する。
携帯通信端末(携帯電話)は,携帯電話の内蔵カメラによって試聴したいCDのジャケットに貼付された2次元コードを撮影し,携帯電話機内で楽曲検索コードを読み取る(ステップ1:以下S1という。)。
次に,S1で読み取った楽曲検索コードとICカードに格納された公開鍵証明書を同様ICカードに格納された秘密鍵によってICカード内で暗号化し(S2),公開鍵を添付し,携帯電話を介して楽曲配信サーバに送信する(S3)。
楽曲配信サーバは,受信した,少なくとも,楽曲コードを含んだ楽曲検索コード,公開鍵証明書を復号する(S4)。
公開鍵証明書が正当に取得されたものかを検証し,認証されれば検索コードに対応した検索画面,または楽曲を公開鍵で暗号化し「短い楽曲は,最初の部分だけ」,「長い楽曲は,5分間だけ」など,所定のプログラムに則って読み出し,リクエストされた携帯電話のメールアドレスに送信する(S5)。
公開鍵証明書が正当に取得されたものではなかった場合,「a」のステップに進む。
「a」のステップでは,定められたメッセージ,例えば,「あなたが送信された公開鍵証明書は,認証局から正式に発行された公開鍵証明書ではありませんでした」などのメッセージを携帯電話にメールで返信する。
S5で送信された試聴用画面情報まどを携帯電話で受信し,ICカードに格納されている秘密鍵で復号する(S6)。
決済手順を経て試聴する(S7)。」

3 引用文献3について
当審拒絶理由で引用された引用文献3(特開2006-47644号公報)には,図面とともに次の事項が記載されている。

「【0066】
次に,本発明のポイントである楽曲プレイリスト交換の操作と各コンピュータ内の処理について説明する。最初に,端末コンピュータ相互間における楽曲プレイリスト交換の例として,第2の端末コンピュータ30を有する音楽愛好家が,第1の端末コンピュータ20より検索キーワード「歌手○○」を有する楽曲プレイリストを入手する場合について説明する。
【0067】
音楽愛好家は,第1の端末コンピュータ20の音楽愛好家の許可を受けた上で,検索キーワード「歌手○○」を入力手段32より入力し,第1の端末コンピュータ20に送信する。送信を受けた第1の端末コンピュータ20側では,RDMSが前述と同じ処理動作により必要な検索を行なう。その結果として前述と同じ図8に示すような楽曲プレイリスト名称「歌手○○特集」のプレイリストが探し出される。
【0068】
探し出されたプレイリストはそのまま第2の端末コンピュータ30に送信され,表示手段33に表示される。第2の端末コンピュータ30の音楽愛好家はそのプレイリストを見て,端末コンピュータ30内のデータベースに追加するか否かを判断する。追加する場合には,全曲データ,イントロデータ,サビデータの中で送信を希望する曲データに印を付けて第1の端末コンピュータ20に送り返し送信依頼を行なう。送信依頼を受けた第1の端末コンピュータ20では,依頼を受けた曲データを端末楽曲データベース26から取り出し,第2の端末コンピュータ30に送信する。
【0069】
第2の端末コンピュータ30側では,表示されているプレイリストを端末楽曲プレイリスト・データベース35に格納すると共に,送られてきた曲データを端末楽曲データベース36に追加格納する。この格納はRDMSによって行なわれる。この場合,プレイリストID,楽曲ID,曲データファイル名称については既存のID,名称等との重複を避ける必要があるため,RDMSにより自動的に重複しないID,名称等を付けるようにする。」

4 引用文献4について
当審拒絶理由で引用された引用文献4(国際公開第2007/023120号)には,図面とともに次の事項が記載されている。

「[067] The host terminal 1OA is chosen to be the master or host terminal and the participant terminals lOB-E are each designated as slave or participant terminals. The controller 30 of the host terminal 1OA establishes a wireless connection (i.e., communicatively couples) with each of the participant terminals lOB-E. According to some embodiments the wireless connection is a direct wireless communication interlace connection, according to some embodiments, a direct RF connection and, according to some embodiments, a Bluetooth connection. The connections may be established in known manner. For example, in the case of Bluetooth connections, the participant (slave) terminals lOB-E may be set to a searchable/discoverable state and the host (master) terminal 1OA emits an inquiry to identify the available participant (slave) terminals lOB-E to form a piconet or personal area network.
[068] As illustrated, the host terminal 1OA communicates with the participant terminals 1OB, 1OC and 1OD via direct point-to-point wireless interfaces or links 112, 114 and 116, respectively, and with the participant terminal 1OE via wireless interlaces or links 118, 122 through a WLAN router 120. It will be appreciated that, according to some embodiments, the interfaces may be various combinations of wireless interfaces that are direct (e.g., Bluetooth) or indirect (e.g., via a WLAN router or a cellular network 5). According to some contemplated embodiments, all of the signals provided between the host terminal 1OA and the participant terminals 10B- E to execute the song sharing procedure are provided via direct point-to-point wireless interfaces. According to some contemplated embodiments, all of the signals provided between the host terminal 1OA and the participant terminals to execute the song sharing procedure are provided via direct wireless radio frequency (RF) interlaces such as Bluetooth interfaces.
[069] Before or after establishing the connections, the host terminal 1OA may identify and designate valid participant terminals by any suitable method. According to some embodiments, the host terminal 1OA will poll or send an invitation to all or a selected group of potential participant terminals (e.g., those within operational range of the host terminal's Bluetooth signal). The potential participant terminals may then opt in by replying with an acceptance of the invitation. Alternatively or additionally, the host terminal 1OA may accept unsolicited requests from participant terminals to participate. The host terminal 1OA may be used to define specific groups such as a listing of the potential participant terminals that will be permitted to participate (i.e., contribute songs to the play list).
[070] The host terminal 1OA is also communicatively coupled to the media center 130 to provide wireless song data signals via a wireless interface or link 134 to the communication module 132. Alternatively, the host terminal 1OA can be connected to the media center 130 using a wireline or signal cable.
[071] Once the connections are established between the host terminal 1OA and the participant terminals lOB-E, each participant can send a participant song identification designating a song stored on the participant's terminal lOB-E. The song management module 40 of the sending participant terminal lOB-E may provide a user interlace to facilitate the selection and sending of the song identification(s). For example, the module 40 may generate a list of the available stored songs and check boxes for selecting the song(s) to send to the host terminal 1OA.
[072] The host terminal 1OA receives the participant song identifications from the participant terminals lOB-E. The song management module 40 of the host terminal 1OA creates and maintains a host play list of these song identifications. The host play list represents song files to be played.
[073] Each song management module 40 provides a display 150 on the associated terminal 10A-E as shown in Figure 4. The display provided on the host terminal 1OA may differ from the display provided on the participant terminals 10B- E. For example, the portions of the display 150 related to management functionality may be omitted from the participant terminal displays. Alternatively, the song management module 40 may provide no display on the participant terminals lOB-E.
[074] In the illustrated embodiment, the display 150 includes a play list field 152 and control buttons 154 (e.g., soft keys). The control buttons 154 will typically only be displayed on the host terminal display. A play list 156 is displayed in the play list field 152. The play list 156 includes a row-by-row series of song identifications 156A, each corresponding to a respective song file. As illustrated, each song identification includes a song artist, a song name, and a song play time corresponding to the associated song file, as well as an identification of the participant that has submitted the song identification. It will be appreciated that more, less and/or different information may be provided as well.
[075] The host may selectively manage play of the songs represented by the song list 156 using the control buttons 154, for example. For example, the "PLAY" and "STOP" buttons may be used to start and stop transmission of the song files to the media center 130. The "MOVE" button may be used to prioritize or change the order of the song identifications 156A in the play list 156 (i.e., to change the order in which the associated song files will be played). The "DELETE" button may be used to delete a song identification 156A from the play list 156. The "DETAILS" button may be used to delete a song identification 156A from the play list 156 so that the associated song file will not be played. The "RANDOM MIX" button may be used to cause the host terminal 1OA to execute playback of the song files (i.e., send the song files to the media center 130) in a random or other non-sequential order. Typically, the host terminal 1OA will execute playback of the song files in the listed sequence unless the random or other non-sequential mode is in effect.」

(訳)「[067] ホスト端末10Aは,マスター又はホスト端末として選択され,参加端末10B-Eはそれぞれスレーブ又は参加端末として指定される。ホスト端末10Aのコントローラ30は,参加端末10B-Eの各々と無線コネクションを確立する(すなわち,通信可能に接続する)。一実施形態によれば,無線コネクションは直接無線通信インタフェースコネクションであり,一実施形態によれば,直接RFコネクションであって,また一実施形態によればブルートゥースコネクションである。コネクションは既知の方法によって確立されて良い。例えば,ブルートゥースコネクションの場合,参加(スレーブ)端末10B-Eが探索可能/発見可能状態に設定され,ホスト(マスター)端末10Aが,ピコネット又はパーソナルエリアネットワークを形成するため,利用可能な参加(スレーブ)端末10B-Eを特定するための問い合わせを発するであろう。
[068] 図示の通り,ホスト端末10Aは,参加端末10B,10C及び10Dと,直接ポイントツーポイント無線インタフェース又はリンク112,114及び116を介してそれぞれ通信し,参加端末10EとはWLANルータ120を通じて無線インタフェース又はリンク118,122を介して通信する。一実施形態によれば,インタフェースは直接(例えばブルートゥース)又は間接(例えばWLANルータ又はセルラネットワーク5を介する)無線インタフェースの様々な組み合わせであって良いことは明らかであろう。予定される一実施形態によれば,楽曲共有手順の実行のためにホスト端末10A及び参加端末10B-Eとの間に与えられる全ての信号は,直接ポイントツーポイント無線インタフェースを介して与えられる。予定される一実施形態によれば,楽曲共有手順の実行のためにホスト端末10A及び参加端末との間に与えられる全ての信号は,ブルートゥースインタフェースのような直接無線周波数(RF)インタフェースを介して与えられる。
[069] コネクションの確立前又は確立後,ホスト端末10Aは有効な参加端末を任意の好適な方法により特定し,指定する。一実施形態によれば,ホスト端末10Aは可能性のある参加端末(例えば,ホスト端末のブルートゥース信号の到達範囲内に存在する参加端末)の全てもしくは選択されたグループに対し,ポーリングするか,インビテーションを送信する。そして,可能性のある参加端末は,インビテーションの承認によって応答することで,選択(opt in)しても良いあるいは,又はそれに加えて,ホスト端末10Aは,参加端末からの自発的な参加要求を受け付けても良い。ホスト端末10Aは参加が許可されるであろう可能性のある参加端末(すなわち,プレイリストへ寄与する楽曲)のリストのような,特定のグループを規定するために用いられても良い。
[070] ホスト端末10Aはさらに,無線インタフェース又はリンク134を介して通信モジュール132に無線楽曲データ信号を供給するため,メディアセンター130とも通信可能に接続されている。あるいは,ホスト端末10Aは,有線又は信号ケーブルを用いてメディアセンター130と接続されても良い。
[071] ホスト端末10Aと参加端末10B-Eとの間でコネクションが確立されると,各参加端末は,参加者の端末10B-Eに保存されている楽曲を指定する参加楽曲IDを送信可能となる。送信元参加端末10B-Eの楽曲管理モジュール40は楽曲IDの選択及び送信を容易にするためのユーザインタフェースを提供することができる。例えば,モジュール40は利用可能な保存楽曲とホスト端末10Aに送信する(1曲以上の)楽曲を選択するためのチェックボックスのリストを生成してもよい。
[072] ホスト端末10Aは,参加端末10B-Eから参加楽曲IDを受信する。ホスト端末10Aの楽曲管理モジュール40は,これら楽曲IDのホストプレイリストを生成並びに保守する。ホストプレイリストは再生すべき楽曲ファイルを示す。
[073] 各楽曲管理モジュール40は,関連する端末10A-E上に図4に示すような表示150を行う。ホスト端末10Aでの表示は,参加端末10B-Eの表示とは異なっていて良い。例えば,表示150のうち,管理機能に関する部分は,参加端末の表示から省かれていて良い。あるいは,楽曲管理モジュール40は参加端末10B-Eには表示を行わなくても良い。
[074] 図示の実施形態において,表示150はプレイリストフィールド152及びコントロールボタン154(例えばソフトキー)を含んでいる。制御ボタン154は通常,ホスト端末表示にのみ表示されるであろう。プレイリスト156はプレイリストフィールド152に表示される。プレイリスト156は一列ずつ並んだ複数の楽曲ID156Aを含み,楽曲ID156Aの各々は個々の楽曲ファイルに対応する。図示の通り,各楽曲IDは,関連づけられた楽曲ファイルに対応した曲アーティスト,曲名及び曲再生時間と,その楽曲IDを送信した参加者のIDを含んでいる。なお,図示したより多くの,少ない及び/又は別の情報を同様に提供しうることが理解されよう。
[075] ホストは楽曲リスト156で示される楽曲の再生を,例えばコントロールボタン154を用いて選択的に管理してもよい。例えば,「再生」及び「停止」ボタンはメディアセンター130への楽曲ファイルの送信を開始及び停止するために用いることができる。「移動」ボタンは,プレイリスト156中の楽曲ID156Aに優先度を与えたり,順序を変更したりする(すなわち,関連付けられた楽曲ファイルの再生順序を変更する)ために用いることができる。「削除」ボタンはプレイリスト156からある楽曲ID156Aを削除するために用いることができる。「詳細」ボタンは,関連付けされた楽曲ファイルが再生されないように,プレイリスト156から楽曲ID156Aを削除するために用いることができる。「ランダムミックス」ボタンは,ホスト端末10Aに,楽曲ファイルの再生をランダム又は他の不連続な順序で実行させる(メディアセンター130へ楽曲ファイルを送信させる)ために用いることができる。通常,ホスト端末10Aはランダム又は他の不連続な順序モードが有効でない限り,リストされた順序で楽曲ファイルの再生を実行する。」

5 引用文献5について
当審拒絶理由で引用された引用文献5(特開2003-85659号公報)には,図面とともに次の事項が記載されている。

「【0225】以上においては,情報ボード側に複数のリーダライタが設けられており,それを利用して読み出したカードIDに基づいて,情報ボードがコンテンツを提供する端末を特定するとともに,リーダライタの識別情報に基づいて,提供するコンテンツを取得するとしたが,反対に,情報ボード側に複数の非接触ICカードが設けられており,その識別情報を,PDA11のような端末に内蔵されているリーダライタにより読み取らせ,PDA11から情報ボードに対して,情報の送信を要求するようにしてもよい。
【0226】この場合,図1の情報ボード1の情報要求部3A乃至3Dのそれぞれには,非接触ICカードが用意されており,利用者は,表示部2A乃至2Dに表示されている案内を確認し,所望する情報があったとき,PDA11に内蔵されているリーダライタで,その非接触ICカードに記憶されている情報を読み取らせる。
【0227】例えば,情報要求部3A乃至3Dのそれぞれに設けられている非接触ICカードには,情報ボード1(ブルートゥースモジュール45)のブルートゥースアドレス(またはブルートゥースデバイス名)と,コンテンツの識別情報が記憶されており,PDA11は,読み出したブルートゥースアドレスに基づいて,情報ボード1との間でブルートゥースによる通信を確立する。そして,ブルートゥースによる通信を確立したとき,PDA11は,非接触ICカードから読み出したコンテンツの識別情報を情報ボード1に通知し,それに対応するコンテンツの送信を要求する。
【0228】このように構成することによっても,利用者は,リーダライタが内蔵されているPDA11を情報ボード1に近接させるだけで,所望するコンテンツを取得することができる。
【0229】図22は,情報要求部3A乃至3Dのそれぞれに非接触ICカードが配置されている情報ボード1の機能構成例を示すブロック図である。この機能構成例は,図8に示したものと基本的に同様のものである。
【0230】ホストプログラム131は,図8に示したホストプログラム131と同様に,情報ボード1の全体の動作を制御し,PDA11からコンテンツの識別情報(情報要求部3A乃至3Dにそれぞれ設けられている非接触ICカードの識別情報)が送信されてきたとき,それに対応するコンテンツを取得する。そして,ホストプログラム131は,ブルートゥース制御プログラム133を制御し,取得したコンテンツをPDA11に送信させる。」

第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1) 対比
本願発明1と引用発明とを対比する。

ア 引用発明の「親側通信装置304」は,「音楽コンテンツ」を保有しているから,「コンテンツデータ」を有しているということができる。また,引用発明の「音楽コンテンツ」の一覧を示す「コンテンツリスト」は,本願発明1の「管理データ」に相当する。

イ 引用発明の「例えば近距離無線規格(NFC:Near Field Communication)を利用した非接触な通信であって,NFCは,その利用範囲が10cm程度と狭い,近距離無線通信」及び「Bluetoothによる無線通信」は,それぞれ,本願発明1の「超近距離無線通信」及び「ブルートゥース通信」に相当する。

ウ 引用発明の「親側通信装置304」及び「子側通信装置306」は,それぞれ,本願発明1の「デバイス」及び「情報処理装置」に相当する。

エ 引用発明は,「子側通信装置306は,受信したコンテンツリストから,ユーザの指示に基づいて,1または複数のコンテンツを選択し,選択したコンテンツの情報(コンテンツを一意に識別するIDなど)を近距離無線通信により親側通信装置304に送信し」ているから,本願発明1の「前記選択受付部によりコンテンツデータの選択が受け付けられると,ブルートゥース通信の,選択された前記コンテンツデータを送信するデバイスとのセッションを確立し,前記コンテンツデータの送信要求を送信する送信部」とは,「前記選択受付部によりコンテンツデータの選択が受け付けられると,無線通信の,選択された前記コンテンツデータを送信するデバイスとのセッションを確立し,前記コンテンツデータの送信要求を送信する送信部」の点で共通する。

したがって,本願発明1と引用発明とは,以下の一致点及び相違点を有する。

(一致点)
「複数のコンテンツデータのそれぞれの識別情報のリストを含み,前記複数のコンテンツデータの管理に利用される管理データを,非接触型のICカードとリーダライタを用いた超近距離無線通信により取得する取得部と,
前記取得部により取得された前記管理データを用いて,前記複数のコンテンツデータの中から少なくとも1つのコンテンツデータの選択を受け付ける選択受付部と,
前記選択受付部によりコンテンツデータの選択が受け付けられると,無線通信の,選択された前記コンテンツデータを送信するデバイスとのセッションを確立し,前記コンテンツデータの送信要求を送信する送信部と,
前記送信部によるコンテンツデータの送信要求に対応する前記コンテンツデータを,前記ブルートゥース通信により受信する受信部と
を備える情報処理装置。」

(相違点)
「送信部」における「コンテンツデータの送信要求を送信する」際の「無線通信」について,本願発明1は,「ブルートゥース通信」であるのに対し,引用発明は,「近距離無線通信」である点。

(2) 相違点についての判断
相違点について検討するに,引用発明では,「選択したコンテンツの情報(コンテンツを一意に識別するIDなど)を近距離無線通信により親側通信装置304に送信し」ているところ,引用文献1をみても,複数の無線通信を組み合わせた一連の通信のやりとりのうち,「ブルートゥース通信」によって「選択したコンテンツの情報(コンテンツを一意に識別するIDなど)」を「親側通信装置304に送信」することは記載も示唆もされていないから,引用発明において,相違点に係る構成を採用する動機付けはなく,引用文献2ないし5をみても,そのような構成は記載されておらず,周知技術であるということもできない。
これに対し,本願発明1は,相違点に係る構成を採用することによって,「つまり,ブルートゥース通信は,ICカード機能(リーダライタ機能)による超近距離無線通信よりも通信距離が長い。従って,ICカード機能による通信の場合よりも,携帯電話機101の位置および姿勢の自由度は向上する。」(本願明細書【0050】)という顕著な効果を奏するものである。
そうすると,引用発明において,相違点に係る構成を採用することは,当業者であっても容易に想到し得るものではない。

(3) まとめ
したがって,本願発明1は,当業者であっても,引用文献1ないし5に記載された発明に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2 本願発明2ないし7について
本願発明2ないし5は,本願発明1と同一の構成を備えるものであるから,上記1と同じ理由により,当業者であっても,引用文献1ないし5に記載された発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
また,本願発明6及び7は,それぞれ,本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明であるから,上記1と同じ理由により,当業者であっても,引用文献1ないし5に記載された発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

第7 原査定についての判断
原査定の理由は,上記第2のとおり,平成29年5月18日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1ないし12に記載された発明は,引用文献A(引用文献1),引用文献B(引用文献2),引用文献C(引用文献3)及び引用文献D(引用文献4)に記載された発明に基づいて,当業者であれば容易に発明できたものである,というものである。
しかしながら,上記第4のとおり,本願の特許請求の範囲は本件補正によって補正されているところ,上記第6のとおり,本件補正により補正された上記相違点に係る構成は,引用文献A(引用文献1)に記載も示唆もされていないし,引用文献B(引用文献2)ないし引用文献D(引用文献4)をみても何ら記載はなく,周知技術であるということもできないから,本願発明1ないし7は,引用文献AないしDに記載された発明に基づいて当業者であれば容易に発明できたものであるということはできない。
したがって,原査定の理由を維持することはできない。

第8 むすび
以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2019-10-08 
出願番号 特願2016-53642(P2016-53642)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 北川 純次  
特許庁審判長 ▲吉▼田 耕一
特許庁審判官 稲葉 和生
梶尾 誠哉
発明の名称 情報処理装置および方法、並びに、プログラム  
代理人 稲本 義雄  
代理人 西川 孝  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ