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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1355591
審判番号 不服2018-7554  
総通号数 239 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-11-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-06-04 
確定日 2019-10-03 
事件の表示 特願2015-113554号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 1月28日出願公開、特開2016- 13423号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成27年6月4日(優先権主張日:平成26年6月13日)の出願であって、平成28年5月27日付けで拒絶の理由が通知され、同年8月1日に意見書及び手続補正書が提出され、平成29年2月8日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年4月11日に意見書及び手続補正書が提出され、同年8月14日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年10月20日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成30年3月19日付け(発送日:同年3月27日)で、平成29年10月20日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、それに対して、平成30年6月4日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされ、これに対し、当審において、平成31年1月16日付けで拒絶の理由が通知され、同年3月11日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。


第2 本願発明について

1.本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成31年3月11日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである(符号A?Fは、当審にて分説して付した。)。

本願発明
「【請求項1】
A 大きさが一定である開口が形成された固定部材と、
B 前記開口の内側を通るように移動することで前記開口の一方側で露出する部分の大きさが変化する移動部材と、
を備え、
C 前記移動部材は、
前記開口を通過する部分であって、側方から視認可能となるように形成された装飾部と、
D 前記装飾部の外側に設けられ、無色透明な材料で形成された被覆部と、
を有し、
E これら装飾部および被覆部が一体的に移動するものであり、
F 前記装飾部は、前記移動部材が移動することにより、前記開口の一方側で露出して前記被覆部を通じて側方から視認可能となる部分の大きさが変化するものであることを特徴とする遊技機。」

2.当審における拒絶理由
当審において、平成31年1月16日付けで通知した拒絶の理由は、概略、次のとおりのものである。

(進歩性)本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1 特開2013-48708号公報

3.引用文献1に記載の事項
当審における拒絶の理由に引用された、本願優先権主張日前に頒布された刊行物である引用文献1には図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審にて付した。)。

ア 明細書の記載事項
「【0017】
本パチンコ機1は、開口を有する枠体状の外枠6と、遊技盤3を支持した形で外枠6に開閉可能に支持された前扉7とを有しており、・・・
【0019】
そして、前扉7における下部中央には皿ユニット16が設けられており、・・・皿ユニット16の中央上方には、遊技参加ボタンとして機能する押しボタン装置50が配設されている。
・・・
【0030】
次に、本実施の形態における押しボタン装置50の構造を図3?図10に基づいて説明する。図3?図5は押しボタン装置50の、操作が加えられていない通常の状態を示すものであり、図6、図7は押しボタン装置50の押し込み時の状態を示すものである。また、図8?図10は、押しボタン装置50の各部を分解した状態を示すものである。
【0031】
図8?図10に示すように、押しボタン装置50は、第1?第3の部位50A?50Cを有し、第1の部位50Aは、ベゼル501、皿前ボタン502、十字装飾503、及びインナーレンズ504を有している。また、第2の部位50Bは、プランジャ505、遮光ケース506、導光スティック507、LEDセンサ基板508、及びボタン基板ベース509を有している。さらに、第3の部位50Cは、バネ510、ホルダ511、三つの防振ブッシュ512,…、同じく三つのキャップ513,…、振動モータ514、及びモーターカバー515を有している。
【0032】
これらのうち第1の部位50Aのベゼル501は、合成樹脂材料を環状に成型してなるものであり、中央に穴部501aを有するとともに、全体に金メッキ処理が施されている。また、ベゼル501の、外側へ低く傾斜した表面には、所定のデザインの凹凸からなる装飾部501bが設けられている。
【0033】
上記皿前ボタン502は、透明な合成樹脂材料を楕円の皿状に成形して成るものであり、押圧面502aや多数のカット面502b,…等を有している。そして、皿前ボタン502は、図5(a)中に示すように、上記ベゼル501に下側から進入しており、押圧面502aや多数のカット面502b,…等を穴部501aから露出させている。
【0034】
上記十字装飾503は、合成樹脂材料を十字の骨組み状に成型してなるものであり、蒸着により赤色に彩色されている。また、上記インナーレンズ504は、透明な合成樹脂材料を、上面に所定の凹凸を有する楕円状に成型してなるもので、このインナーレンズ504の上面の凹部には、上記十字装飾503が嵌め込まれている。
【0035】
上記第2の部位50Bの上記プランジャ505は、白色の合成樹脂材料を楕円状に成形してなるものであり、・・・プランジャ505には、十字装飾503、インナーレンズ504が共締めにより連結されている。
・・・
【0039】
・・・そして、遮光ケース506等が固定されたボタン基板ベース509と上記ベゼル501との間には、上記皿前ボタン502が、十字装飾503等が固定されたプランジャ505とともに挟み込まれた状態で保持されている。
・・・
【0045】
次に、押しボタン装置50の構造的な作用について説明する。遊技中に皿前ボタン502が遊技者によって押されると、その押圧力がプランジャ505に伝わり、プランジャ505が、バネ510を圧縮しながら、図7(a),(b)に示すように、下方に移動する。
・・・」

イ 図面の記載、上記明細書から摘記した事項、及び、図面の簡単な説明から認定される事項

イ-1 図3(a)は、押しボタン装置の通常時の外観を示す図のうち、押しボタン装置の正面図、(b)は押しボタン装置の平面図であり(【図面の簡単な説明】)、
押しボタン装置は12枚のカット面502bを有し、押しボタン装置が押し込まれていない通常時には、押しボタン装置50の押圧面502aのパチンコ機1の正面側(図面手前側)に、すべて露出している状態のカット面502bが6枚配置され、さらに、ボタン装置50の当該カット面502bに連なって下側に折れ曲がっている部位まで、ベゼル501の装飾部501bから上方側に露出している状態となっていること(【0033】、図3(a)、図3(b))。

【図3】


イ-2 図6(a)は、押しボタン装置の押し込み時の外観を示す図のうち、押しボタン装置の正面図であり(【図面の簡単な説明】)、押しボタン装置の押し込み時には、押しボタン装置50の押圧面502aのパチンコ機1の正面側(図面手前側)に、カット面502bがベゼル501に一部隠れている状態かあるいはすべて露出している状態で6枚配置され、さらに、ボタン装置50の当該カット面502bに連なって下側に折れ曲がっている部位は、ベゼル501に隠れている状態となっていること(【0033】、図6(a))。

【図6】


イ-3 「透明」とは、「すきとおること。くもりなく明らかなこと。」(広辞苑、新村出編者、平成2年1月8日第三版第八刷、株式会社岩波書店発行)を意味するから、人が、透明な合成樹脂材料を楕円の皿状に成形して成る「皿前ボタン502」を介してその背面側にある物体を見ても、当該物体は視認可能であり、「皿前ボタン502」が存在することにより隠れるものではないこと。

イ-4 図8は、押しボタン装置のベゼル501、皿前ボタン502、十字装飾503、及びインナーレンズ504を有している第1の部位50Aを示す分解斜視図であり(【図面の簡単な説明】、【0031】)、
透明な合成樹脂材料を上面に所定の凹凸を有する楕円状に成型してなるインナーレンズ504の上面の凹部に嵌め込まれる、合成樹脂材料を十字の骨組み状に成型してなる十字装飾503(【0034】)は、十字の骨組み状を形成する上面と、前記上面に連なるとともに下側に折れてインナーレンズ504の上面の凹部に嵌め込まれる方向である高さ方向に延び、かつ外周を形成する側面とを有すること(【0031】、【0038】、図8)。

【図8】


イ-5 図5(a)は押しボタン装置の通常時の外観を示す図のうち、押しボタン装置の正面図である図3(a)のA-A線で切断した状態を示す断面図であり、図7(a)は押しボタン装置の押し込み時の外観を示す図のうち、押しボタン装置の正面図である図6(a)のC-C線で切断した状態を示す断面図である(【図面の簡単な説明】)。

・押しボタン装置50は、パチンコ機1側(図面右側)からパチンコ機1の正面側(図面左側)に向かって下方に傾斜して配置され、押しボタン装置50が有するベゼル501、皿前ボタン502、十字装飾503、及びインナーレンズ504も同様にパチンコ機1側(図面右側)からパチンコ機1の正面側(図面左側)に向かって下方に傾斜して配置されていること(【0031】、図3(a)、図3(b)、図5(a)、図6(a)、図7(a))。

・皿前ボタン502は、押圧面502a及び12枚のカット面502bを有する楕円の下開放である皿状の空間内に、皿前ボタン502に挟み込まれた状態で保持されている十字装飾503及びインナーレンズ504が固定されたプランジャ505が位置していること(【0033】、【0039】、図3(a)、図3(b)、図5(a)、図6(a)、図7(a))。

・押しボタン装置50が押し込まれていない通常時では、パチンコ機1の正面側(図面左側)の側方から見ると、透明な合成樹脂材料を楕円の下開放である皿状に成形して成る皿前ボタン502に覆われた空間に位置する十字装飾503の上面のすべてと、前記正面側に面する十字装飾503の側面のうち上方の一部分が、パチンコ機1の正面側(図面左側)に面したベゼル501の装飾部501bの最上部よりも上方に位置するので、前記十字装飾503の上面のすべてと、前記正面側に面する十字装飾503の側面のうち上方の一部分を隠すものが存在しないが、前記正面側に面する十字装飾503の側面のうちベゼル501の装飾部501bの最上部よりも下方に位置する部分はベゼル501によって隠れた状態である一方(【0031】、【0034】、【0038】、図3(a)、図5(a)、図8、イ-3、イ-4)、
押しボタン装置50の押し込み時では、パチンコ機1の正面側(図面左側)の側方から見ると、透明な合成樹脂材料を楕円の下開放である皿状に成形して成る皿前ボタン502に覆われた空間に位置する十字装飾503の上面の大部分が、パチンコ機1の正面側(図面左側)に面したベゼル501の装飾部501bの最上部よりも上方に位置するが、前記正面側に面する十字装飾503の側面は、パチンコ機1の正面側(図面左側)に面したベゼル501の装飾部501bの最上部よりも下方に位置するので、前記十字装飾503の上面の大部分を隠すものが存在しないが、前記正面側に面する十字装飾503の側面はベゼル501によって隠れた状態であること(【0031】、【0034】、【0038】、図6(a)、図7(a)、図8、イ-3、イ-4)。

【図5】


【図7】


4.引用発明
上記3.ア及びイを参照すると、引用文献1には、以下の引用発明が記載されていると認められる(a?fは、本願発明のA?Fに対応させて付与した。)。

引用発明
「a 開口を有する枠体状の外枠6と、遊技盤3を支持した形で外枠6に開閉可能に支持された前扉7とを有し、前扉7における下部中央には皿ユニット16が設けられており、皿ユニット16の中央上方には、遊技参加ボタンとして機能する押しボタン装置50が配設され、押しボタン装置50は、第1?第3の部位50A?50Cを有し、第1の部位50Aは、ベゼル501、皿前ボタン502、十字装飾503、及びインナーレンズ504を有し、
中央に穴部501aを有する合成樹脂材料を環状に成型してなり、全体に金メッキ処理が施されたベゼル501と(【0017】、【0019】、【0031】-【0033】)、

b 上記皿前ボタン502は、透明な合成樹脂材料を押圧面502a及び12枚のカット面502bを有する楕円の下開放である皿状に成形して成るものであり、皿前ボタン502は、上記ベゼル501に下側から進入しており、押圧面502a及び12枚のカット面502b等をベゼル501の中央の穴部501aから露出させ、
押しボタン装置50の前記第2の部位50Bは、プランジャ505及びボタン基板ベース509等を有し、前記プランジャ505には、十字装飾503及びインナーレンズ504が共締めにより連結され、前記ボタン基板ベース509と前記ベゼル501との間には、皿前ボタン502が、十字装飾503及びインナーレンズ504が固定されたプランジャ505とともに挟み込まれた状態で保持されていて(【0031】-【0035】、【0038】、【0039】、図3(a)、図3(b)、図5(a)、図6(a)、図7(a)、図8、イ-1、イ-3、イ-4、イ-5)、
遊技中に皿前ボタン502が遊技者によって押される押しボタン装置50の押し込み時には、その押圧力がプランジャ505に伝わり、プランジャ505が、バネ510を圧縮しながら下方に移動して(【0045】)、
押しボタン装置50が押し込まれていない通常時には、押しボタン装置50の押圧面502aのパチンコ機1の正面側に、すべて露出している状態のカット面502bが6枚配置され、さらに、押しボタン装置50の当該カット面502bに連なって下側に折れ曲がっている部位まで、ベゼル501の装飾部501bから上方側に露出している状態となっている一方(【0033】、図3(a)、イ-1)、
押しボタン装置の押し込み時には、押しボタン装置50の押圧面502aのパチンコ機1の正面側に、カット面502bがベゼル501に一部隠れている状態かあるいはすべて露出している状態で6枚配置され、さらに、ボタン装置50の当該カット面502bに連なって下側に折れ曲がっている部位は、ベゼル501に隠れている状態となっていている(【0033】、図6(a)、イ-2)、
皿前ボタン502と、
を備え、

c、d’、e、f 前記十字装飾503及びインナーレンズ504が固定されたプランジャ505とともに挟み込まれた状態で保持されている皿前ボタン502は、皿前ボタン502の下開放である皿状の空間に、皿前ボタン502に挟み込まれた状態で保持されている十字装飾503及びインナーレンズ504が固定されたプランジャ505が位置し、
上面に所定の凹凸を有する楕円状に成型してなるインナーレンズ504の上面の凹部には、合成樹脂材料を十字の骨組み状に成型して蒸着により赤色に彩色されている十字装飾503が嵌め込まれ、
前記十字装飾503は、十字の骨組み状を形成する上面と、前記上面に連なるとともに下側に折れてインナーレンズ504の上面の凹部に嵌め込まれる方向である高さ方向に延び、かつ外周を形成する側面とを有し、
押しボタン装置50の皿前ボタン502、及び、皿前ボタン502の下開放である皿状の空間に位置する十字装飾503及びインナーレンズ504はともに、パチンコ機1側からパチンコ機1の正面側に向かって下方に傾斜して配置され、
パチンコ機1の正面側の側方から見ると、
押しボタン装置50が押し込まれていない通常時では、透明な合成樹脂材料を楕円の下開放である皿状に成形して成る皿前ボタン502に覆われた空間に位置する十字装飾503の上面のすべてと、前記正面側に面する十字装飾503の側面のうち上方の一部分が、パチンコ機1の正面側に面したベゼル501の装飾部501bの最上部よりも上方に位置するので、前記十字装飾503の上面のすべてと、前記正面側に面する十字装飾503の側面のうちパチンコ機1の正面側に面したベゼル501の装飾部501bの最上部よりも上方に位置する上方の一部分を隠すものが存在しないが、前記正面側に面する十字装飾503の側面のうちベゼル501の装飾部501bの最上部よりも下方に位置する部分はベゼル501によって隠れた状態である一方、
押しボタン装置50の押し込み時では、透明な合成樹脂材料を楕円の下開放である皿状に成形して成る皿前ボタン502に覆われた空間に位置する十字装飾503の上面の大部分が、パチンコ機1の正面側に面したベゼル501の装飾部501bの最上部よりも上方に位置するが、前記正面側に面する十字装飾503の側面は、パチンコ機1の正面側に面したベゼル501の装飾部501bの最上部よりも下方に位置するので、前記十字装飾503の上面の大部分を隠すものが存在しないが、少なくとも前記正面側に面する十字装飾503の側面すべてがベゼル501によって隠れた状態である(【0031】、【0033】、【0034】、【0038】、【0039】、図3(a)、図3(b)、図5(a)、図6(a)、図7(a)、図8、イ-1ないしイ-5)、
パチンコ機1(【0017】)。」

5.対比
本願発明と引用発明とを、分説に従い対比する。
ア 発明特定事項Aについて
引用発明の
「穴部501a」、
「皿ユニット16」に配設された「押しボタン装置50」の「ベゼル501」はそれぞれ、
本願発明の
「大きさが一定である開口」、
「固定部材」に相当する。
よって、引用発明は、本願発明の発明特定事項Aに相当する構成を備えるといえる。

イ 発明特定事項Bについて
引用発明の「押しボタン装置50」は、「前記プランジャ505には、十字装飾503及びインナーレンズ504が共締めにより連結され、前記ボタン基板ベース509と前記ベゼル501との間には、皿前ボタン502が、十字装飾503及びインナーレンズ504が固定されたプランジャ505とともに挟み込まれた状態で保持」されているから、「遊技中に皿前ボタン502が遊技者によって押される押しボタン装置50の押し込み時には、その押圧力がプランジャ505に伝わり、プランジャ505が、バネ510を圧縮しながら下方に移動」することは、すなわち、「皿前ボタン502」、「十字装飾503」、「インナーレンズ504」及び「プランジャ505」が、下方に移動することを意味している。したがって、引用発明の 「皿前ボタン502」、「十字装飾503」及び「インナーレンズ504」は、本願発明の「移動部材」に相当する。
引用発明の「皿前ボタン502」(本願発明の「移動部材」に相当。)は、「上記ベゼル501に下側から進入しており、押圧面502a及び12枚のカット面502b等をベゼル501の中央の穴部501aから露出」している。そしてさらに、引用発明における「皿前ボタン502」の「ベゼル501」の「穴部501a」から「露出」している部位は、「押しボタン装置50が押し込まれていない通常時には、押しボタン装置50の押圧面502aのパチンコ機1の正面側に、すべて露出している状態のカット面502bが6枚配置され、さらに、ボタン装置50の当該カット面502bに連なって下側に折れ曲がっている部位まで、ベゼル501の装飾部501bから上方側に露出している状態となっている一方、
押しボタン装置50の押し込み時には、押しボタン装置50の押圧面502aのパチンコ機1の正面側に、カット面502bがベゼル501に一部隠れている状態かあるいはすべて露出している状態で6枚配置され、さらに、ボタン装置50の当該カット面502bに連なって下側に折れ曲がっている部位は、ベゼル501に隠れている状態」となっている。
それゆえ、引用発明において、「遊技中に皿前ボタン502が遊技者によって押され」て「下方に移動」することにより、「押しボタン装置50が押し込まれていない通常時」には、「ボタン装置50の当該カット面502bに連なって下側に折れ曲がっている部位まで、ベゼル501の装飾部501bから上方側に露出している状態」であったのが、「押しボタン装置50の押し込み時」には、「ボタン装置50の当該カット面502bに連なって下側に折れ曲がっている部位は、ベゼル501に隠れている状態となって」いる」。すなわち、引用発明は、「押しボタン装置が押し込まれていない通常時」と「押しボタン装置の押し込み時」とを較べると、少なくとも、「ボタン装置50の当該カット面502bに連なって下側に折れ曲がっている部位」が、「皿前ボタン502」の「ベゼル501」の「穴部501a」(本願発明の「開口」に相当。)から「露出」しているか否かで異なっているから、引用発明は、「前記開口の内側を通るように移動することで前記開口の一方側で露出する部分の大きさが変化する」ものということができる。
よって、引用発明は、本願発明の発明特定事項Bに相当する構成を備えるといえる。

ウ 発明特定事項Cについて
引用発明の「十字装飾503」及び「インナーレンズ504」は、「上面に所定の凹凸を有する楕円状に成型してなるインナーレンズ504の上面の凹部には、合成樹脂材料を十字の骨組み状に成型して蒸着により赤色に彩色されている十字装飾503が嵌め込まれ」ることにより一体となっている構成であって、「十字装飾503」をわざわざ「赤色に彩色」していることは、まさに装飾を目的として外部から視認可能とするためであることは明らかであるから、これらは、本願発明の「装飾部」に相当する。
また、引用発明の「皿前ボタン502」は、「透明な合成樹脂材料を押圧面502a及び12枚のカット面502bを有する楕円の皿状に成形して成る」(構成b)ものであり、上記3.イ-3のとおり、「透明」とは、「すきとおること。くもりなく明らかなこと。」を意味するから、遊技者が、透明な合成樹脂材料を楕円の下開放である皿状に成形して成る「皿前ボタン502」を介してその背面側にある物体を見ると、当該物体は、「皿前ボタン502」が存在することにより隠れるものではなく視認可能であるといえる。
そうすると、引用発明の「押しボタン装置50の皿前ボタン502、及び、皿前ボタン502の下開放である皿状の空間に位置する十字装飾503及びインナーレンズ504」はともに、「パチンコ機1側からパチンコ機1の正面側に向かって下方に傾斜して配置され」ているから、引用発明が、「パチンコ機1の正面側の側方から見ると」、「押しボタン装置50が押し込まれていない通常時では」、「前記十字装飾503の上面のすべてと、前記正面側に面する十字装飾503の側面のうち上方の一部分を隠すものが存在しない」こと、及び、「押しボタン装置50の押し込み時では」、「前記十字装飾503の上面の大部分を隠すものが存在しないが、前記正面側に面する十字装飾503の側面はベゼル501によって隠れた状態である」ことは、すなわち、「パチンコ機1の正面側の側方から見ると」、「押しボタン装置50が押し込まれていない通常時では」、「前記十字装飾503の上面のすべてと、前記正面側に面する十字装飾503の側面のうち上方の一部分」が視認可能であり、また、「押しボタン装置50の押し込み時では」、「前記十字装飾503の上面の大部分」が視認可能であるといえるから、引用発明の「十字装飾503が嵌め込まれ」た「インナーレンズ504」(本願発明の「装飾部」に相当。)は、「側方から視認可能となるように形成された装飾部」であるということができる。
また、上記イにおいて判断を示したとおり、引用発明の「皿前ボタン502」は、「前記開口の内側を通るように移動する」(発明特定事項B)ものであるから、引用発明の「皿前ボタン502」の「下開放である皿状の空間」に位置する「インナーレンズ504及び十字装飾503」(本願発明の「装飾部」に相当。)も、同様に、「前記開口を通過する部分」(発明特定事項C)であるということができる。
よって、引用発明は、本願発明の発明特定事項Cに相当する構成を備えるといえる。

エ 発明特定事項Dについて
引用発明の「インナーレンズ504及び十字装飾503」(本願発明の「装飾部」に相当。)は、「皿前ボタン502」の「下開放である皿状の空間」に位置するから、引用発明の「皿前ボタン502」は、本願発明の「被覆部」に相当する。
また、引用発明の「皿前ボタン502」(本願発明の「被覆部」に相当。)は、「透明な合成樹脂材料」で成形されるから、「透明な材料で形成された」という限りで、本願発明の発明特定事項Dに共通する。
よって、引用発明の構成c、d’、e、fと本願発明の発明特定事項Dとは、「前記装飾部の外側に設けられ、透明な材料で形成された被覆部」であるという限りで共通する。

オ 発明特定事項Eについて
上記イで検討したとおり、引用発明の「押しボタン装置50」は、「前記プランジャ505には、十字装飾503及びインナーレンズ504が共締めにより連結され、前記ボタン基板ベース509と前記ベゼル501との間には、皿前ボタン502が、十字装飾503及びインナーレンズ504が固定されたプランジャ505とともに挟み込まれた状態で保持」されているから、「遊技中に皿前ボタン502が遊技者によって押される押しボタン装置50の押し込み時には、その押圧力がプランジャ505に伝わり、プランジャ505が、バネ510を圧縮しながら下方に移動」することは、すなわち、「皿前ボタン502」、「十字装飾503」、「インナーレンズ504」及び「プランジャ505」が、下方に移動することを意味している。
したがって、引用発明の 「皿前ボタン502」(本願発明の「被覆部」に相当。)、及び、「十字装飾503」及び「インナーレンズ504」(本願発明の「装飾部」に相当。)は「一体的に移動する」ということができるので、引用発明は、本願発明の発明特定事項Eに相当する構成を備えるといえる。

カ 発明特定事項Fについて
上記ウにおける検討に加え、引用発明の「十字装飾503」及び「インナーレンズ504」(本願発明の「装飾部」に相当。)は、「遊技者側の側方から見ると、透明な合成樹脂材料を成形して成る皿前ボタン502の下開放である皿状の空間に位置する」から、「前記装飾部は」、「前記被覆部を通じて側方から視認可能」であるということができる。
そして、上記イで検討したとおり、引用発明の「遊技中に皿前ボタン502が遊技者によって押される押しボタン装置50の押し込み時には、その押圧力がプランジャ505に伝わり、プランジャ505が、バネ510を圧縮しながら下方に移動」することは、すなわち、「皿前ボタン502」、「十字装飾503」、「インナーレンズ504」及び「プランジャ505」が、下方に移動することを意味しているから、引用発明の「十字装飾503」及び「インナーレンズ504」(本願発明の「装飾部」に相当。)は、「皿前ボタン502」、「十字装飾503」及び「インナーレンズ504」(本願発明の「移動部材」に相当。)とともに移動する部材であるといえる。
ここで、上記ウで検討したとおり、引用発明の「十字装飾503」は、「パチンコ機1の正面側の側方から見ると」、「前記十字装飾503の上面のすべてと、前記正面側に面する十字装飾503の側面のうち上方の一部分」が視認可能であり、また、「押しボタン装置50の押し込み時では」、「前記十字装飾503の上面の大部分」が視認可能であるといえるから、引用発明の「十字装飾503が嵌め込まれ」た「インナーレンズ504」(本願発明の「装飾部」に相当。)は、「押しボタン装置50が押し込まれていない通常時」と「押しボタン装置50の押し込み時」のいずれであっても、「側方から視認可能となるように形成された装飾部」(発明特定事項C)であるということができる。
しかし、引用発明の「十字装飾503」が、「パチンコ機1の正面側の側方から見ると」、「押しボタン装置50が押し込まれていない通常時では」、「前記正面側に面する十字装飾503の側面のうちベゼル501の装飾部501bの最上部よりも下方に位置する部分はベゼル501によって隠れた状態である」こと、及び、「押しボタン装置50の押し込み時では」、「少なくとも前記正面側に面する十字装飾503の側面すべてがベゼル501によって隠れた状態である」ことは、すなわち、「パチンコ機1の正面側の側方から見ると」、「押しボタン装置50が押し込まれていない通常時では」、「前記正面側に面する十字装飾503の側面のうちベゼル501の装飾部501bの最上部よりも下方に位置する大部分」が視認不可能となる一方、「押しボタン装置50の押し込み時では」、「少なくとも前記正面側に面する十字装飾503の側面すべて」が視認不可能となっていることを表しているから、視認不可能となる部分の大きさは、後者の「押しボタン装置50の押し込み時」の方が、前者の「押しボタン装置50が押し込まれていない通常時」より大きいことは明らかである。
したがって、引用発明は、本願発明の「前記開口の一方側で露出して前記被覆部を通じて側方から視認可能となる部分の大きさが変化するものである」ことに相当する構成を備えているといえる。
また、引用発明の「パチンコ機1」は、本願発明の「遊技機」に相当する。
よって、引用発明は、本願発明の発明特定事項Fに相当する構成を備えるといえる。

6.一致点及び相違点
上記5.ア?カによれば、本願発明と引用発明は、
「A 大きさが一定である開口が形成された固定部材と、
B 前記開口の内側を通るように移動することで前記開口の一方側で露出する部分の大きさが変化する移動部材と、
を備え、
C 前記移動部材は、
前記開口を通過する部分であって、側方から視認可能となるように形成された装飾部と、
D’ 前記装飾部の外側に設けられ、透明な材料で形成された被覆部と、
を有し、
E これら装飾部および被覆部が一体的に移動するものであり、
F 前記装飾部は、前記移動部材が移動することにより、前記開口の一方側で露出して前記被覆部を通じて側方から視認可能となる部分の大きさが変化するものである遊技機。」
の点で一致し、次の点で相違する。

[相違点](発明特定事項Dに関する)
本願発明は、「前記装飾部の外側に設けられ、無色透明な材料で形成された被覆部」を有しているのに対し、引用発明の「インナーレンズ504及び十字装飾503」(本願発明の「装飾部」に相当。)の外側に設けられた「皿前ボタン502」(本願発明の「被覆部」に相当。)は、「透明な合成樹脂材料」で成形されるものの、引用発明の「透明な合成樹脂材料」の色が、「無色」であるか否かが明らかでない、つまり、その材料の色が、有色であるか、あるいは、「無色」であるかが明らかでない」点。

7.判断
上記の相違点について検討する。
内部を視認可能とするための被覆部を透明な材料で形成する場合、その材料を「無色透明な材料」とすることは、本願優先権主張日前における遊技機分野の慣用手段であって、例えば、特開2007-301099号公報(遊技機に関し、操作部501を通して遊技者が演出部材502を視認するため、星を形どった可動の演出部材502が内部に配設された操作部501を、無色透明の材料から構成する技術が記載されている。【0001】、【0026】、図5B参照。)、特開2005-319163号公報(遊技機に関し、内部の遊技球を視認可能とするために、遊技球が一列に整列させられる部位において、遊技球の上方を覆うようにカバー401が装着されて、前記カバー401を無色透明の樹脂材料により構成する技術が記載されている。【0001】、【0155】、図20参照。)、特開2011-56073号公報(遊技機に関し、残数表示器71をカバー部材72を介して視認可能とするため、残数表示器71の前側を覆うカバー部材72を、無色透明の樹脂材料の射出成形によって形成する技術が記載されている。【0001】、【0046】、図3参照。)に示されるとおりである。
そして、引用発明と上記慣用手段とは、遊技機という同一の技術分野に属し、かつ、上記5.ウに示したとおり、引用発明の「十字装飾503」をわざわざ「赤色に彩色」していることは、まさに装飾を目的として外部から視認可能とするためであることは明らかであるから、引用発明と上記慣用手段とは、被覆部を通じて内部を視認可能とするという課題も共通する。
したがって、引用発明において、「インナーレンズ504及び十字装飾503」(本願発明の「装飾部」に相当。)を、「透明な合成樹脂材料」で成形される「皿前ボタン502」(本願発明の「被覆部」に相当。)を通じて視認するという課題を解決するために、「透明な合成樹脂材料」で成形される「皿前ボタン502」(本願発明の「被覆部」に相当。)を形成する材料として、本願優先権主張日前における遊技機分野の慣用手段である「無色透明な材料」を選択して、上記相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者の通常の創作能力の発揮にすぎず、当業者が容易になし得たものである。

さらに別の観点から、被覆部を通じて内部を視認可能とするに際し、当該被覆部を形成する材料が、有色透明の材料であるよりも「無色透明」の材料である方がより視認性が高まることは明らかである。したがって、引用発明において、「インナーレンズ504及び十字装飾503」(本願発明の「装飾部」に相当。)を、「透明な合成樹脂材料」で成形される「皿前ボタン502」(本願発明の「被覆部」に相当。)を通じて視認するという課題を解決するために、どの程度の視認性を確保するかは、上で検討したとおり、有色透明の材料であるよりも「無色透明」の材料である方がより視認性が高まることを踏まえれば、「皿前ボタン502」(本願発明の「被覆部」に相当。)を形成する材料として、「無色透明な材料」を選択して、上記相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者が適宜なし得る設計的事項である。

また、本願発明の効果は、引用発明、本願優先権主張日前における慣用手段から予測し得るものであるか、あるいは、引用発明から予測し得るものであって格別顕著なものということはできない。

8.請求人の主張について
審判請求人は、当審が平成31年1月16日付けで通知した拒絶の理由に対する応答として、同年3月11日付けで提出された意見書において、以下の主張をしているところ。
「3.拒絶理由に対する反論
3-1)今般の拒絶理由通知において、引用文献1に記載の「十字装飾503」および「インナーレンズ504」が本願発明の装飾部に相当するとする判断がなされている。
引用文献1の記載から、「十字装飾503」および「インナーレンズ504」は、上方から視認されるような装飾であることは確かではあるが、側方から視認されるような装飾であるかどうか(「十字装飾503」および「インナーレンズ504」が側方から視認可能な装飾を有するものであるかどうか)は定かではない。「十字装飾503」および「インナーレンズ504」が構成する部分は平板状(薄い)ものであるし、押しボタン装置50が通常時にあるときは、皿前ボタン502はベゼル501からわずかしか上方に突出した状態にないのである(図3等から明らか)から、「十字装飾503」および「インナーレンズ504」が側方から視認されるようなものと捉えることはむしろ妥当であるとは言えないと思料する。
3-2)本願発明は、側方から視認されるような装飾部の露出部分が移動部材の移動に伴って変化することを前提としてなされたものであるから、側方から視認されるような装飾を開示するとは言えない引用文献1に記載の発明に変更を加え、本願発明のようにすることが容易であるとはいえない。
よって、本願発明は、引用文献1の存在を理由として、特許法第29条第2項の規定により拒絶されるべきものであるとは言えない。」

審判請求人の上記主張について検討する。
審判請求人の主張の要点は、引用発明の「十字装飾503」および「インナーレンズ504」が側方から視認されるものではないとのことである。
しかし、当審の判断は、引用発明は、構成c、d’、e、fとして認定したとおり、「・・・パチンコ機1の正面側の側方から見ると、・・・前記十字装飾503の上面のすべてと、前記正面側に面する十字装飾503の側面のうちパチンコ機1の正面側に面したベゼル501の装飾部501bの最上部よりも上方に位置する上方の一部分を隠すものが存在しないが、前記正面側に面する十字装飾503の側面のうちベゼル501の装飾部501bの最上部よりも下方に位置する部分はベゼル501によって隠れた状態である一方、
押しボタン装置50の押し込み時では、・・・前記十字装飾503の上面の大部分を隠すものが存在しないが、少なくとも前記正面側に面する十字装飾503の側面すべてがベゼル501によって隠れた状態・・・」(上記「第2 本願発明について」「4.引用発明」参照。)となるものであって、この認定を基に、「・・・引用発明が、「パチンコ機1の正面側の側方から見ると」、「押しボタン装置50が押し込まれていない通常時では」、「前記十字装飾503の上面のすべてと、前記正面側に面する十字装飾503の側面のうち上方の一部分を隠すものが存在しない」こと、及び、「押しボタン装置50の押し込み時では」、「前記十字装飾503の上面の大部分を隠すものが存在しないが、前記正面側に面する十字装飾503の側面はベゼル501によって隠れた状態である」ことは、すなわち、「パチンコ機1の正面側の側方から見ると」、「押しボタン装置50が押し込まれていない通常時では」、「前記十字装飾503の上面のすべてと、前記正面側に面する十字装飾503の側面のうち上方の一部分」が視認可能であり、また、「押しボタン装置50の押し込み時では」、「前記十字装飾503の上面の大部分」が視認可能であるといえるから、引用発明の「十字装飾503が嵌め込まれ」た「インナーレンズ504」(本願発明の「装飾部」に相当。)は、「側方から視認可能となるように形成された装飾部」であるということができる。・・・」(上記「第2 本願発明について」同「5.対比」「ウ 発明特定事項Cについて」参照。)と判断を示したとおり、引用発明の「十字装飾503」は、側方から視認されるものということができる。

したがって、審判請求人の上記主張を採用することはできない。

9.結論
以上のことから、本願発明は、引用発明及び本願優先権主張日前における慣用手段に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるか、あるいは、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2019-07-24 
結審通知日 2019-07-31 
審決日 2019-08-19 
出願番号 特願2015-113554(P2015-113554)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 堀 圭史宮川 数正藤澤 和浩  
特許庁審判長 長崎 洋一
特許庁審判官 木村 隆一
▲吉▼川 康史
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人上野特許事務所  

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