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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 C09D
管理番号 1355608
審判番号 不服2018-14340  
総通号数 239 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2019-11-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-10-30 
確定日 2019-10-03 
事件の表示 特願2014-204441「インクジェット用非水系インク」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 5月12日出願公開、特開2016- 74766〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成26年10月3日を出願日とする出願であって、以降の手続は、次のとおりである。
平成30年 4月 6日付け:拒絶理由通知
同年 6月 6日 :意見書の提出
同年 8月10日付け:拒絶査定
同年10月30日 :拒絶査定不服審判の請求

第2 本願発明

本願の請求項1?4に係る発明は、出願当初の特許請求の範囲の請求項1?4に記載された事項により特定されるとおりのものであり、そのうち請求項1に係る発明は、次のとおりのものである。
「【請求項1】
環状官能基を有する基体樹脂を用いた蛍光顔料、ビニルピロリドンと炭素数10?40のアルケンとの共重合体、及び非水系溶剤を含む、インクジェット用非水系インク。」(以下、単に「本願発明」という。)

第3 原査定の拒絶の理由

原査定の拒絶の理由の一つは、本願は特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1項に規定する要件を満たしていないこと(サポート要件違反)であり、サポート要件違反とする具体的理由は、概略、次のとおりである。
すなわち、本願発明に係る基体樹脂は、「環状官能基を有する基体樹脂」とのみ特定されているところ、発明の詳細な説明の記載及び技術常識を参酌しても、当業者において、当該基体樹脂全般にわたり、本願発明の課題が解決できるとは認識できない、というものである。

第4 サポート要件についての当審の判断

1 サポート要件の判断手法について
特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に係る規定(いわゆる「明細書のサポート要件」)に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か(以下、両範囲をまとめて「発明の詳細な説明の記載から、当業者において、本願発明の課題が解決できると認識できる範囲」という。)を検討して判断すべきものであるから(知財高裁特別部判決平成17年(行ケ)第10042号参照)、以下、当該観点に立って検討をする。

2 特許請求の範囲の記載
本願の特許請求の範囲の請求項1の記載は、上記第2のとおりである。

3 発明の詳細な説明の記載
本願の発明の詳細な説明には、次の内容が記載されている。
(1) 発明が解決しようとする課題について
「【0008】
特許文献1では、色材として染料を用いる場合に、溶剤が記録媒体に浸透することを防ぐ構成を開示している。しかし、色材として顔料を用いる場合に、インクの吐出を改善するために顔料の分散安定性を保ちながら、裏抜けを防止することは検討されていない。インクジェット用の顔料インクでは、分散安定性が低下すると、インクジェットヘッドからのインクの吐出不良につながることがある。
【0009】
本発明の目的としては、インクの吐出性を改善し、印刷物の蛍光強度を高め、裏抜けを低減する非水系インクジェットインクを提供することである。」
(2) 課題を解決するための手段について
「【0010】
本発明の一側面としては、環状官能基を有する基体樹脂を用いた蛍光顔料、ビニルピロリドンと炭素数10?40のアルケンとの共重合体、及び非水系溶剤を含む、インクジェット用非水系インクである。」
(3) 発明の効果について
「【0011】
本発明によれば、インクの吐出性を改善し、印刷物の蛍光強度を高め、裏抜けを低減する非水系インクジェットインクを提供することができる。」
(4) 発明を実施するための形態について
ア 「【0012】
本発明の一実施形態によるインクジェット用非水系インク(以下、単に「インク」という場合がある。)は、
環状官能基を有する基体樹脂を用いた蛍光顔料、ビニルピロリドンと炭素数10?40のアルケンとの共重合体、及び非水系溶剤を含む、ことを特徴とする。
これによって、インクの吐出性を改善し、印刷物の蛍光強度を高め、裏抜けを低減することができる。
【0013】
本実施形態によれば、インクジェット用インクにおいて、吐出性及び蛍光強度を改善して、蛍光発色を呈するインクを提供することが可能になる。
蛍光染料を非水系溶剤に単に配合させるインクでは、非水系溶剤とともに蛍光染料が溶剤の内部に浸透して、裏抜けが発生しやすく、蛍光強度が低下するという問題がある。
また、蛍光顔料を非水系溶剤に安定して分散させることは難しい。蛍光顔料の分散性が低下すると、例えば、インクジェット印刷において、インクジェットヘッドの目詰まりの原因になることがある。
【0014】
本発明では、蛍光顔料を構成する樹脂の種類に着目し、蛍光顔料に環状官能基を有する基体樹脂を用いることで、分散安定性を顕著に改善して、インクジェット印刷による吐出性を改善することができることを見出した。
さらに、本発明では、環状官能基を有する基体樹脂を用いた蛍光顔料を非水系溶剤に安定して分散させるために、各種分散剤の中でも、ビニルピロリドンと炭素数10?40のアルケンとの共重合体が有効であることを見出した。」
イ 「【0015】
(蛍光顔料)
本実施形態によるインクには、環状官能基を有する基体樹脂を用いた蛍光顔料が含まれる。蛍光顔料は、蛍光染料によって基体樹脂を染着した着色剤である。
【0016】
環状官能基としては、芳香環及び脂環のいずれであってもよく、また、炭素環及び複素環のいずれであってもよい。複素環としては、炭素とともに窒素、酸素等を有するものが好ましい。また、環状官能基としては、単環、及び2以上の環が連なった構造でもよい。
【0017】
芳香族炭素環としては、ベンゼン環、ナフタレン、アントラセン等を挙げることができる。
脂環式炭素環としては、シクロヘキサン、シクロブタン等のシクロアルカン等を挙げることができる。
【0018】
芳香族複素環としては、トリアジン環、ピリジン環、ピリミジン等の6員環、イミダゾール環、フラン環、ピロール環、ピラゾール環等の5員環等を挙げることができる。
脂環式複素環としては、ピロリドン等の5員環等を挙げることができる。
【0019】
なかでも、基体樹脂は、芳香族炭素環及び/又は芳香族複素環を有することが好ましい。また、基体樹脂は、環状官能基を有する単位が、架橋されて、3次元網目構造を形成している樹脂であることが好ましい。
また、環状官能基を有する基体樹脂としては、5員環ないし6員環を有する樹脂であることが好ましく、より好ましくは、トリアジン環、ベンゼン環を有する樹脂を用いることができる。
【0020】
トリアジン環を有する基体樹脂としては、メラミン樹脂、グアナミン樹脂等を好ましく用いることができる。
【0021】
メラミン樹脂としては、メラミンのアミノ基にホルムアルデヒドを重縮合した樹脂、エポキシ変性メラミン樹脂、フェノール変性メラミン樹脂、アクリル変性メラミン樹脂、メチル化メラミン樹脂、エチル化メラミン樹脂、n-ブチル化メラミン樹脂、イソブチル化メラミン樹脂、アルキルエーテル化メラミン樹脂等を、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0022】
メラミン樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、3000?100000であるものを用いることができ、好ましくは、5000?80000である。
【0023】
ここで、樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準ポリスチレン換算により求めることができる。以下同じである。
【0024】
ベンゼン環を有する基体樹脂としては、フェノール樹脂等を好ましく用いることができる。
【0025】
フェノール樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂及びレゾール型フェノール樹脂のいずれであってもよく、これらを組み合わせて用いてもよい。
ノボラック型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒドとを酸触媒の存在下で反応させ製造することができる。
レゾール型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒドとをアルカリ触媒の存在下で反応させ製造することができる。
また、変性アルキルフェノール樹脂を用いてもよい。変性フェノール樹脂としては、ロジン変性フェノール樹脂、アルコキシ基含有シラン変性フェノール樹脂等を挙げることができる。
【0026】
原料であるフェノール類としては、フェノールの他に、炭素数1?12のアルキル基を有するアルキルフェノールを用いてもよい。アルキルフェノールとしては、一例として、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、アミルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールF等を用いることができる。これらは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、これらのアルキルフェノールの置換基の位置は限定されない。
【0027】
フェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、3000?100000であるものを用いることができ、好ましくは、5000?80000である。
【0028】
また、環状官能基を有する基体樹脂として、ピリジン、ピロリドン等の単位を有するビニル化合物の共重合体を用いることができる。このような共重合体としては、ポリビニルピロリドン等を挙げることができる。
また、環状官能基を有する基体樹脂として、セルロース等のグルコース単位を有する樹脂を用いてもよい。」
ウ 「【0046】
(共重合体)
本実施形態によるインクには、ビニルピロリドン(VP)と炭素数10?40のアルケンとの共重合体(以下、これを「アルキル化PVP」ともいう。)を含む。
アルキル化PVPは、インクに配合されることで、蛍光顔料の分散安定性を高めることができ、インクジェット印刷による吐出性を改善することができる。特に、本発明では、環状官能基を有する基体樹脂を用いた蛍光顔料を用いる場合では、各種分散剤の中でも、アルキル化PVPを用いることで、分散安定性が改善されることを見出した。
アルキル化PVPのピロリドン骨格と、蛍光顔料の基体樹脂の環状官能基とは、ともに環状であるため、アルキル化PVPと蛍光顔料とは親和性が高く、分散安定性が向上すると考えられる。蛍光顔料の基体樹脂がトリアジン環を有することで、アルキル化PVPのピロリドン骨格と、複素環として構造がより近くなり、アルキル化PVPと蛍光顔料との親和性を高め、分散安定性をより向上させることができる。
【0047】
また、アルキル化PVPを用いる場合では、印刷物の蛍光強度及び裏抜けをより改善することができる。これは、アルキル化PVPは、アルキル基部分で非水系溶剤との親和性が高く溶剤に溶解可能であるが、ピロリドン骨格部分で極性が高いため、顔料と溶剤との分離性(溶剤離脱性)を高めることができる。このため、インクが用紙に着弾された後に、顔料と溶剤とが分離して、溶剤のみが用紙内部に浸透し、顔料が用紙表面に留まりやすくなり、裏抜けを低減し、蛍光強度を高めることができる。
上記のとおりアルキル化PVPと蛍光顔料との親和性が高いことからも、溶剤のみが用紙内部に浸透して、蛍光顔料とこれに吸着するアルキル化PVPとがともに用紙表面に留まりやすくすることができる。」
(5) 実施例について
「【0065】
<インク調整>
表1及び表2に、実施例及び比較例のインクの処方を示す。各表に示す配合にしたがって、各成分を混合及び分散することで、インクを調整した。分散条件を以下に示す。
(分散条件)
分散機:ビーズミル「MiniCer」(アシザワ・ファインテック株式会社製)。
ビーズ:ジルコニアビーズ。
ビーズ径:φ=0.5mm。
ビーズ充填率:90%。
分散滞留時間:15分。
【0066】
各表において、分散剤に揮発分が含まれる場合は、分散剤の全体量とともに不揮発分量をカッコ内に併せて示す。
【0067】
【表1】

【0068】
各表に示す成分は、以下の通りである。
(蛍光顔料)
FZ3147:シンロイヒ株式会社製「FZ3147」、メラミン樹脂を含むピンク系蛍光顔料、軟化点120℃。
FZ3045S:シンロイヒ株式会社製「FZ3045S」、メラミン樹脂を含むレモンイエロー系蛍光顔料、軟化点120℃。
MPI-507C:日本蛍光化学株式会社製「MPI-507C」、メラミン樹脂を含むピンク系蛍光顔料、軟化点65℃。
MPI-505C:日本蛍光化学株式会社製「MPI-505C」、メラミン樹脂を含むイエロー系蛍光顔料、軟化点65℃。
AX-11:Dayglo color corp.製「AX-11」、メラミン樹脂を含むピンク系蛍光顔料、軟化点110℃。
フェノール樹脂系蛍光顔料:以下の製造例によって調整したもの。
SX-117:シンロイヒ株式会社製「SX-117」、アクリル樹脂を含むピンク系蛍光顔料、軟化点200℃。
NKS-1007:日本蛍光化学株式会社製「NKS-1007」、ポリアミド樹脂を含むピンク系蛍光顔料、軟化点95℃。
(蛍光染料)
AIZEN COLOR SPILON RED C-BH:保土ヶ谷化学工業株式会社製「AIZEN COLOR SPILON RED C-BH」、赤系蛍光染料。
【0069】
(分散剤)
アンタロンV-216:アイ・エス・ピー・ジャパン株式会社製「アンタロンV-216」、(ビニルピロリドン/ヘキサデセン)コポリマー。
アンタロンV-220:アイ・エス・ピー・ジャパン株式会社製「アンタロンV-220」、(エイコセン/ビニルピロリドン)コポリマー。
ソルスパース18000:日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース18000」、ポリエステルアミン構造を有する顔料分散剤。
(非水系溶剤)
アイソパーG:東燃ゼネラル石油株式会社製「アイソパーG」、イソパラフィン炭化水素系溶剤。
イソノナン酸イソノニル:日清オイリオグループ株式会社製。
【0070】
<フェノール樹脂系蛍光顔料>
温度計、攪拌機及び還流冷却器をつけた反応容器に、フェノール1000部、92質量パラホルムアルデヒド溶液700部及び水酸化バリウム15部、純水15部を仕込み、蛍光染料としてAIZEN COLOR SPILON RED C-BHを40部添加後、80℃に昇温して2時間反応を行った後、25質量%硫酸水溶液15部を添加した。その後、0.1気圧で減圧蒸留を行い、固体化した樹脂を得た。使用に当たってはこの樹脂を粉砕して、フェノール樹脂を固体樹脂とする赤色のフェノール樹脂系蛍光顔料とした。
【0071】
<評価>
上記した各インクを用いて、以下に示す評価を行った。結果を各表に併せて示す。
【0072】
(吐出性)
上記した各インクをライン式インクジェットプリンタ「オルフィスEX9050」(理想科学工業株式会社製)に装填し、A3サイズの普通紙(理想用紙薄口、理想科学工業株式会社製)にベタ画像を印刷して、印刷物を得た。なお、「オルフィスEX9050」は、ライン型インクジェットヘッドを使用し、主走査方向(ノズルが並んでいる方向)に直交する副走査方向に用紙を搬送して印刷を行うシステムである。
【0073】
印刷をA3用紙10枚に対して行って、10枚目の用紙表面において白スジの有無を目視で観察し、以下の基準で吐出性を評価した。
A:白スジが発生しなかった。
B:白スジが発生した。
C:ベタ画像が形成できないほど白スジが発生した。
【0074】
(蛍光強度)
上記した吐出性と同様にして、印刷物を得た。
得られた印刷物について、ベタ画像部分にUV照射ランプ(Handy UV LampSLUV-4、ASONE株式会社製)を用いて365nmの波長の光を照射し、蛍光強度を目視で観察し、以下の基準で評価した。
A:はっきりと蛍光発色しているのがわかった。
B:部屋を暗くすると蛍光発色しているのがわかった。
-:吐出性が悪く、評価が困難であった。
【0075】
(裏抜け)
上記した吐出性と同様にして、印刷物を得た。
得られた印刷物について、ベタ画像部分の裏面を目視で観察した。具体的には、ベタ画像部分の表面の蛍光色に対して、ベタ画像部分の裏面の蛍光色の発色性を比較した。そして、以下の基準で裏抜けを評価した。
A:裏面側から表面の蛍光色が確認されず、ほとんど裏抜けしていなかった。
B:裏面側からわずかに表面の蛍光色が確認され、わずかに裏抜けが発生した。
C:裏面側から表面よりも薄いが表面の蛍光色が確認され、裏抜けが発生した。
-:吐出性が悪く、評価が困難であった。
【0076】
上記各表に示す通り、各実施例のインクは、いずれの評価も良好であった。
実施例1?3では、蛍光顔料の軟化点が100℃以下であり、より蛍光強度が増加した。
【0077】
比較例1では、分散剤がソルスパース18000であり、吐出性が低下した。
比較例2?4では、蛍光顔料がアクリル樹脂系又はポリアミド樹脂系であり、インクの安定性が十分に得られず、吐出性が低下した。
比較例5では、蛍光染料を用いており、裏抜けが低下した。」

4 発明の詳細な説明の記載から、本願発明の課題が解決できると当業者が認識できる範囲について
(1) 本願発明の課題について
上記3(1)によれば、本願発明が解決しようとする課題は、「インクの吐出性を改善し、印刷物の蛍光強度を高め、裏抜けを低減する非水系インクジェットインクを提供すること」であると認められる。
(2) 発明の詳細な説明の記載から、本願発明の課題が解決できると当業者が認識できる範囲の認定
ア 前提となる考え方
一般に、化合物(組成物)の分野においては、当該化合物の構造や組成物の成分組成のみから、当該化合物(組成物)が発現する効用を理解することは困難である。そのため、「発明の詳細な説明の記載等から、本願発明の課題が解決できると当業者が認識できる範囲」の認定にあたっては、発明の詳細な説明に記載された具体例(具体的な化合物・組成物の実施例)の効用を斟酌しながら、当該具体例から拡張ないし一般化できる範囲(具体例の効用を類推適用できる化合物・組成物の範疇)を画定するのが通例である。
したがって、化合物(組成物)に関連する発明にあっては、まずは、発明の詳細な説明に記載された実施例において、特許を受けようとする発明に係る化合物(組成物)が具体的に特定され、その化合物(組成物)の効用が十分に記載されていることが肝要である。
もっとも、当該実施例の記載が存在しない、あるいは、同記載が十分でない場合にあっても、「発明の詳細な説明の記載等から、本願発明の課題が解決できると当業者が認識できる範囲」を実質的なものとして認定し得る場合があることはいうまでもない。その場合にあっては、発明の詳細な説明の実施例以外の記載箇所において、特許を受けようとする発明に係る化合物(組成物)と、その効用との関係につき、実施例に代わるほどの、当業者が首肯できる合理的な説明を要すると考えるべきである。
イ 発明の詳細な説明の実施例の記載に基づく認定
そこで、まず発明の詳細な説明の実施例をみると、上記3(5)のとおり、具体的なインクジェット用非水系インクとして、次の12の実施例及び比較例が認められる。
・実施例1?6:メラミン樹脂系の蛍光顔料と、分散剤としてアルキル化PVPを配合したもの
・実施例7:フェノール樹脂系の蛍光顔料と、分散剤としてアルキル化PVPを配合したもの
・比較例1:メラミン樹脂系の蛍光顔料と、分散剤としてポリエステルアミン構造を有する顔料分散剤を配合したもの
・比較例2:アクリル樹脂系の蛍光顔料と、分散剤としてアルキル化PVPを配合したもの
・比較例3:アクリル樹脂系の蛍光顔料と、分散剤としてポリエステルアミン構造を有する顔料分散剤を配合したもの
・比較例4:ポリアミド樹脂系の蛍光顔料と、分散剤としてアルキル化PVPを配合したもの
・比較例5:蛍光染料と、分散剤としてアルキル化PVPを配合したもの
そして、これら実施例及び比較例のインクの評価結果(印刷特性)が、表1にまとめられているところ、同表によると、比較例1?4のインクは、吐出性が低下し、比較例5のインクは裏抜けが低下することが分かる。そのため、当業者は、これら比較例1?5のインクについては、本願発明の課題である「インクの吐出性を改善し、印刷物の蛍光強度を高め、裏抜けを低減する」ものとは理解しないから、本願発明の課題が解決できるものとして認識しない。
他方、メラミン樹脂系あるいはフェノール樹脂系の基体樹脂を用いた実施例1?7のインクは、「インクの吐出性」、「印刷物の蛍光強度」、「裏抜け」のいずれにおいても優れていることから、当業者は、これらの態様については、本願発明の課題が解決できるものとして認識するということができる。しかしながら、これらの基体樹脂は、メラミン類あるいはフェノール類とホルムアルデヒドとを重縮合させ、網目状に架橋させた熱硬化性樹脂であり、トリアジン環あるいはベンゼン環のみならず、全体構造に大きな特徴を有するものであるから、これらをもって、その他の環状官能基を有する基体樹脂が同様の作用効果を奏するものとすることはできない。
ウ 発明の詳細な説明の実施例以外の記載に基づく認定
(ア) 上記3(4)ウのとおり、発明の詳細な説明の実施例以外の記載(【0046】、【0047】)には、(i)アルキル化PVPのピロリドン骨格と、蛍光顔料の基体樹脂の環状官能基とは、ともに環状であるため、アルキル化PVPと蛍光顔料とは親和性が高く、分散安定性が向上すると考えられること、及び、(ii)アルキル化PVPは、アルキル基部分で非水系溶剤との親和性が高く、ピロリドン骨格部分で極性が高いため、顔料と溶剤との分離性を高めることができるため、インクが用紙に着弾された後に、顔料と溶剤とが分離して、溶剤のみが用紙内部に浸透し、顔料が用紙表面に留まりやすくなり、裏抜けを低減し、蛍光強度を高めることができることが記載されている。また、上記3(4)アのとおり、【0014】には、分散安定性を改善することにより、インクジェット印刷による吐出性を改善することができることが記載されている。
しかしながら、環状官能基には、多数の構造のバリエーションがあるところ、単に環状というだけで、ピロリドン骨格と親和性が高いものとは認められず、それを裏付けるような技術常識が出願当時にあったともいえない。
(イ) さらに、上記3(4)イのとおり、【0015】?【0028】には、蛍光顔料の環状官能基及びこれを有する基体樹脂が例示されているところ、当該例示の中には、実施例に供されたメラミン樹脂系及びフェノール樹脂系とは、その化学構造が大きく異なるものが存在することを理解することができる(例えば、環状官能基として、【0017】には、アントラセンやシクロヘキサンなどが例示され、基体樹脂として、【0028】には、グルコース単位を有する樹脂なども挙げられている。ほかにも、「環状官能基」の種類や数には多数のバリエーションがあり、また、樹脂にも主鎖構造や結合状態(架橋等)などに多数のバリエーションがあるから、「環状官能基を有する基体樹脂」の範疇に属するものは、多種多様なものが存在し、数えあげればきりがない。)。
(ウ) そうすると、上記(ア)における記載から、当業者であれば、当該記載に基づいて、アルキル化PVPを分散剤として用いること、なおかつ、当該アルキル化PVPと親和性が高い蛍光顔料を用いることにより、分散安定性が向上し、これによりインクの吐出性が改善される上、インクが用紙に着弾された後に、顔料と溶剤とが分離して、溶剤のみが用紙内部に浸透し、顔料が用紙表面に留まりやすくなり、裏抜けを低減し、蛍光強度を高めることができ、もって本願発明の課題解決に至る、おおよその機序を理解することができる。
(エ) しかしながら、上記(イ)のとおり、一口に「環状官能基」あるいは「環状官能基を有する基体樹脂」といっても、当該環状官能基の種類やその存在量が何ら規定されていないことから、それらの範疇には多種多様なものが含まれ、その化学構造の違いにより、発現する特性が大きく異なる(すなわち、単に、環状官能基を有するからといって、これを有する基体樹脂の特性が総じて類似したものとなるわけではなく、当該特性は、環状官能基の種類や存在量、さらには基体樹脂全体の化学構造に左右される)と解するのが合理的である。
そして、このような技術常識に照らすと、上記の実施例に供されたメラミン樹脂系及びフェノール樹脂系の実験結果のみを根拠にして、上記【0046】に記載された考察、すなわち、上記(ア)に記載した「(i)アルキル化PVPのピロリドン骨格と、蛍光顔料の基体樹脂の環状官能基とは、ともに環状であるため、アルキル化PVPと蛍光顔料とは親和性が高く、分散安定性が向上する」という機序を導出するのは、論拠に乏しいといわざるを得ない。また、一般に、蛍光顔料の基体樹脂が環状官能基を有してさえすれば、その種類や存在量などにかかわらず、アルキル化PVPと蛍光顔料とは親和性が高くなり、分散安定性が向上するという技術常識も認知されていない。
そうである以上、当業者は、上記(イ)の多様な環状官能基あるいはこれを有する基体樹脂のうち、上記の実施例に供されたメラミン樹脂系及びフェノール樹脂系とは化学構造が大きく異なるもの(例えば、三次元網目構造でない樹脂など)についてまで、上記【0046】に記載された考察・機序が妥当するものではないと認識するのが合理的であって、単に、「アルキル化PVPのピロリドン骨格と、蛍光顔料の基体樹脂の環状官能基とは、ともに環状である」という理由のみで、アルキル化PVPと蛍光顔料とは親和性が高く、分散安定性が向上するとは認識しないと解するのが相当である。
(オ) 以上を考え合わせると、上記(ア)の記載に基づいて、当業者は、上記(ウ)のとおり、本願発明の課題解決に至るおおよその機序を認識することができたとしても、それは、「環状官能基を有する基体樹脂」全般についてではなく、実施例に供されたメラミン樹脂系及びフェノール樹脂系、又は、これらに類似するものに限られるというべきであるから、発明の詳細な説明の実施例以外の記載は、それらとは化学構造が大きく異なるものまで拡張ないし一般化した態様についても、上記実施例の評価結果が妥当することを示すものとはいえず、実施例に代わるほどの、当業者が首肯できる合理的な説明であるとは認められない。
エ 小括
以上を整理すると、発明の詳細な説明の記載及び技術常識から画定できる、「発明の詳細な説明の記載から、本願発明の課題が解決できると当業者が認識できる範囲」は、実施例に供されたメラミン樹脂系及びフェノール樹脂系(環状官能基はトリアジン環及びベンゼン環)、又は、これらに類似する基体樹脂を用いた蛍光顔料と、分散剤としてアルキル化PVPを配合したインクジェット用非水系インクであって、当該範囲は、単なる「環状官能基を有する基体樹脂」を用いた蛍光顔料と、分散剤としてアルキル化PVPを配合したインクジェット用非水系インクの技術的範囲よりも狭いものであるということができる。

5 本願発明のサポート要件適合性
上記2の特許請求の範囲の請求項1の記載と、上記4の「発明の詳細な説明の記載から、本願発明の課題が解決できると当業者が認識できる範囲」とを対比すると、本願発明(特許請求の範囲の請求項1に記載された発明)は、「発明の詳細な説明の記載から、本願発明の課題が解決できると当業者が認識できる範囲」を超過していることは明らかである。
したがって、本願の特許請求の範囲の記載(請求項1の記載)は、サポート要件に適合しない。

6 審判請求人の主張についての検討
(1) 審判請求人は、審判請求書において、おおむね次のように主張する。
すなわち、「本願発明は、蛍光顔料に用いられる基体樹脂が環状官能基を有することで、吐出性が顕著に改善されるという新たな知見に基づいてなされたものであり、本願発明に至る過程では、発明の詳細な説明に開示されている実験結果をはるかに超える実験を繰り返し、その結果を踏まえて、蛍光顔料に用いる基体樹脂に環状官能基が含まれることが重要であることを見出したものである。
そして、実施例及び比較例の結果から、蛍光顔料に用いる基体樹脂が環状官能基を有するものとし、この蛍光顔料と本願発明に係る共重合体とを組み合わせることで、初めて吐出性及び裏抜けが顕著に改善されることが分かるから、発明の詳細な説明、特に実施例から、当業者であれば、蛍光顔料に用いられる基体樹脂の環状官能基の種類及び存在量に限定されずに、基体樹脂に環状官能基が含まれることで、発明の課題を解決することができると認識することができる。
また、環状官能基を有する基体樹脂によって発明の課題を解決できることについては、発明の詳細な説明の【0046】、【0047】における具体的な考察により説明され、環状官能基を有する基体樹脂については、【0015】?【0042】に具体的に説明され、環状官能基を有する基体樹脂の一例であるメラミン樹脂及びフェノール樹脂については、実施例によってその効果を確認することができ、さらに、平成30年6月6日付け意見書に記載した追加試験により、環状官能基を有する基体樹脂としてスチレンアクリル樹脂を用いた蛍光顔料によって、発明の課題が解決できることを確認することができる。
上記のとおり、本願発明は、蛍光顔料に用いられる基体樹脂が環状官能基を有することで、吐出性が顕著に改善されるという新たな知見に基づいてなされたものであるから、「環状官能基を有する基体樹脂」に含まれる樹脂の種類や環状官能基の種類が、発明の課題解決に少なくとも影響を与えることや、基体樹脂中の環状官能基の量が少ないことで本願の効果に影響を与えることはあるが、これは、本質的に発明の課題に影響するものではなく、発明の課題は、蛍光顔料に用いられる基体樹脂が環状官能基を有するという特徴的な構成によって、解決することができる。
また、ベンゼン環やトリアジン環以外の環状官能基とアルキル化PVPとの親和性や、環状官能基をほとんど含まない樹脂については、実施例及び追加実験には具体的に記載されていないが、本願発明は、発明の課題を解決するに際して、蛍光顔料に用いられる基体樹脂が環状官能基を有することに着目し、蛍光顔料に用いられる基体樹脂が環状官能基を有するという技術的思想に基づいてなされたものであるため、環状官能基の種類、環状官能基の樹脂中の存在量をさらに限定することで、よりよい効果が得られる可能性はあるが、これは、本願発明の本質ではなく、発明の課題は、蛍光顔料に用いられる基体樹脂が環状官能基を有するという特徴的な構成によって、解決することができる。
したがって、本願発明は、発明の詳細な説明及び出願時の技術常識を参照することで、発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えるものではない。」
(2) 上記主張についての検討
上記主張について検討をする。
確かに、発明の詳細な説明には、上記主張のとおりの記載を認めることができ、特に、実施例から、環状官能基を有する基体樹脂の一例であるメラミン樹脂及びフェノール樹脂についての効果を確認することができ、上記追加試験から、スチレンアクリル樹脂についての効果も確認することができる。
しかしながら、請求人は、本願発明につき、上記実施例をはるかに超える実験を繰り返したことで得られた、蛍光顔料に用いられる基体樹脂が環状官能基を有することで吐出性が顕著に改善される、という新たな知見に基づいてなされたものであると主張するものの、発明の詳細な説明において開示された実験結果は、ごく限られたものであり、請求人が主張するように「当業者であれば、蛍光顔料に用いられる基体樹脂の環状官能基の種類及び存在量に限定されずに、基体樹脂に環状官能基が含まれることで、発明の課題を解決することができると認識することができる」というには、その論拠に乏しすぎるというほかない。そのため、当該主張を斟酌しても、「明細書のサポート要件」を規定する特許制度の趣旨に照らすと、上述のとおり、サポート要件違反と判断せざるを得ない。
すなわち、特許制度は、発明を公開させることを前提に、当該発明に特許を付与して、一定期間その発明を業として独占的、排他的に実施することを保障し、もって、発明を奨励し、産業の発達に寄与することを趣旨とするものである。そして、ある発明について特許を受けようとする者が願書に添付すべき明細書及び特許請求の範囲は、本来、当該発明の技術内容を一般に開示するとともに、特許権として成立した後にその効力の及ぶ範囲(特許発明の技術的範囲)を明らかにするという役割を有するものであるから、特許請求の範囲に発明として記載して特許を受けるためには、明細書の発明の詳細な説明に、当該発明の課題が解決できることを当業者において認識できるように記載しなければならないというべきである。特許法第36条第6項第1号の規定する明細書のサポート要件が、特許請求の範囲の記載を「特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること」と限定したのは、発明の詳細な説明に記載していない発明を特許請求の範囲に記載すると、公開されていない発明について独占的、排他的な権利が発生することになり、一般公衆からその自由利用の利益を奪い、ひいては産業の発達を阻害するおそれを生じ、上記の特許制度の趣旨に反することになるからである。
そして、当該明細書のサポート要件の存在は、特許出願人(審判請求人)が証明責任を負うと解するのが相当である。
このような特許制度の趣旨に照らして、本願発明をみると、本願は、特許請求の範囲の請求項1に発明として「環状官能基を有する基体樹脂を用いた蛍光顔料、ビニルピロリドンと炭素数10?40のアルケンとの共重合体、及び非水系溶剤を含む、インクジェット用非水系インク。」と記載し、蛍光顔料に用いられる基体樹脂の環状官能基の種類や存在量などを何ら限定しないものとして特許を受けようとするものであるから、これに見合う発明の技術内容を、発明の詳細な説明において十分開示し、明細書のサポート要件の存在を、審判請求人自らが証明すべきところ、審判請求人は、本願発明に至る過程で、発明の詳細な説明に開示されている実験結果をはるかに超える実験を繰り返したことを主張するのみで、これを認めるに足りる証拠(本願発明に見合う技術内容)を、発明の詳細な説明において開示しているわけではない。
また、発明の詳細な説明の実施例に供された「環状官能基を有する基体樹脂」は、メラミン樹脂系及びフェノール樹脂系のみであり、これらは、本願の請求項3に記載された発明(「前記環状官能基を有する基体樹脂は、フェノール樹脂及び/又はメラミン樹脂である、請求項1または2に記載のインクジェット用非水系インク。」)に対応するものであると解されるところ、本願発明(請求項1に記載された発明)は、上述のとおり、当該メラミン樹脂系及びフェノール樹脂系以外のものを広く許容するものであるから、そのような発明を、請求項1に記載して特許を受けようとするのであれば、上記の特許制度の趣旨からみて、それに見合う実験結果(審判請求人が主張するように、実施例をはるかに超える種々の実験を既に行っているのであれば、なおのこと)を、出願当初から、発明の詳細な説明に記載すべきである。
このような発明の詳細な説明の開示内容に照らすと、当該発明の詳細な説明の記載に基づいて「当業者であれば、蛍光顔料に用いられる基体樹脂の環状官能基の種類及び存在量に限定されずに、基体樹脂に環状官能基が含まれることで、発明の課題を解決することができると認識することができる」というには、その証明責任が十分に果たされていないといわざるを得ない。
確かに、発明の詳細な説明の【0046】に記載された具体的な考察は、本願発明の課題解決に至るおおよその機序を示すものではあるが、当該機序が、技術常識(化合物の化学構造が大きく異なれば、その特性も異なるものとなること)の存在にかかわらず、広範な化合物を包含する「環状官能基を有する基体樹脂」全般にわたり妥当することまで立証されているわけではないのであるから、当業者はただちに当該機序を首肯しうるものとして認識することはなく、むしろ、上記技術常識に照らして、当該機序は、実際に実施例において検証されたもの(あるいはこれに類似するもの)において妥当するものにすぎないと理解するのが合理的である。
以上を踏まえると、審判請求人の主張を斟酌しても、明細書のサポート要件の存在を十分に証明することができたとは認められないから、当該主張は、上述の判断を左右しない。

第5 むすび

以上の検討のとおり、特許請求の範囲の請求項1の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する明細書のサポート要件に適合するものでなく、本願発明(請求項1に記載された発明)は、本願明細書の発明の詳細な説明に記載したものとはいえないから、本願は、同条第6項に規定する要件を満たしていない。
したがって、本願は、請求項2ないし4について検討するまでもなく、特許法第49条第4号の規定に該当し、拒絶されるべきものである。
よって結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2019-08-02 
結審通知日 2019-08-06 
審決日 2019-08-22 
出願番号 特願2014-204441(P2014-204441)
審決分類 P 1 8・ 537- Z (C09D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 南 宏樹  
特許庁審判長 冨士 良宏
特許庁審判官 日比野 隆治
木村 敏康
発明の名称 インクジェット用非水系インク  
代理人 三好 秀和  
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