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審決分類 |
審判 一部申し立て ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 F24F 審判 一部申し立て 対象物 F24F 審判 一部申し立て (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) F24F 審判 一部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 F24F 審判 一部申し立て 判示事項別分類コード:857 F24F 審判 一部申し立て 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 F24F 審判 一部申し立て 特許請求の範囲の実質的変更 F24F |
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管理番号 | 1356810 |
異議申立番号 | 異議2019-700357 |
総通号数 | 240 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2019-12-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2019-04-26 |
確定日 | 2019-09-27 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6415945号発明「空調ユニット及びこれを用いた住宅空調システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6415945号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、3、4、5〕について訂正することを認める。 本件特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6415945号(以下「本件特許」という。)の請求項1?4に係る特許についての出願は、平成26年11月26日に特許出願され、平成30年10月12日にその特許権の設定登録がされ、平成30年10月31日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、平成31年4月26日に特許異議申立人株式会社FHアライアンス(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、当審は、令和元年6月25日に取消理由を通知した。特許権者は、その指定期間内である令和元年8月26日に意見書の提出及び訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。)を行った。 第2 本件訂正請求について 1 訂正の内容 本件訂正請求は、本件特許の特許請求の範囲を、令和元年8月26日付け訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、3、4、5について訂正すること(以下「本件訂正」という。)を求めるものであって、本件訂正の内容は次の訂正事項1?4のとおりである(なお、下線を付した箇所は訂正箇所である。)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1を削除する(以下「訂正事項1」という。)。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項3に「複数の部屋を有する住宅に設置される住宅空調システムであって、 請求項1又は2に記載の空調ユニットと、 前記エアコンディショナー本体にエアコン配管を介して接続され前記住宅の外側に設置される室外機と、 前記天面側用ファンに一端が接続され他端側が前記空調ユニットより上方に配された天面側ダクトと、 前記底面側用ファンに一端が接続され他端側が前記空調ユニットより下方に配された底面側ダクトとを備えていることを特徴とする住宅空調システム。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、引用関係の解消をして独立形式に改め、 「複数の部屋を有する住宅に設置される住宅空調システムであって、 空調ユニットと、 前記エアコンディショナー本体にエアコン配管を介して接続され前記住宅の外側に設置される室外機と、 前記天面側用ファンに一端が接続され他端側が前記空調ユニットより上方に配された天面側ダクトと、 前記底面側用ファンに一端が接続され他端側が前記空調ユニットより下方に配された底面側ダクトとを備え、 前記空調ユニットが、空気の流入口を前面に有すると共に該流入口に面した内部にチャンバ室を有する箱状筐体と、 前記チャンバ室内に設置されたエアコンディショナー本体と、 前記箱状筐体内に設けられ空気の吸入部が前記チャンバ室に配された天面側用ファン及び底面側用ファンとを備え、 前記天面側用ファンの空気の排出部に天面側ダクトの基端が接続されると共に、前記底面側用ファンの空気の排出部に底面側ダクトの基端が接続され、 前記箱状筐体の天面に、前記天面側ダクトが挿通される天面貫通孔が形成されていると共に、前記箱状筐体の底面に、前記底面側ダクトが挿通される底面貫通孔が形成され、 前記箱状筐体が、前記エアコンディショナー本体の背後に前記天面側ダクト又は前記底面側ダクトが通るダクト配設室を有していることを特徴とする住宅空調システム。」とし、新たに請求項3とする(以下「訂正事項2」という。)。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に「複数の部屋を有する住宅に設置される住宅空調システムであって、 請求項1又は2に記載の空調ユニットと、 前記エアコンディショナー本体にエアコン配管を介して接続され前記住宅の外側に設置される室外機と、 前記天面側用ファンに一端が接続され他端側が前記空調ユニットより上方に配された天面側ダクトと、 前記底面側用ファンに一端が接続され他端側が前記空調ユニットより下方に配された底面側ダクトとを備えていることを特徴とする住宅空調システム。」とあるうち、請求項2を引用するものについて、引用関係の解消をして独立形式に改め、 「複数の部屋を有する住宅に設置される住宅空調システムであって、 空調ユニットと、 前記エアコンディショナー本体にエアコン配管を介して接続され前記住宅の外側に設置される室外機と、 前記天面側用ファンに一端が接続され他端側が前記空調ユニットより上方に配された天面側ダクトと、 前記底面側用ファンに一端が接続され他端側が前記空調ユニットより下方に配された底面側ダクトとを備え、 前記空調ユニットが、空気の流入口を前面に有すると共に該流入口に面した内部にチャンバ室を有する箱状筐体と、 前記チャンバ室内に設置されたエアコンディショナー本体と、 前記箱状筐体内に設けられ空気の吸入部が前記チャンバ室に配された天面側用ファン及び底面側用ファンとを備え、 前記天面側用ファンの空気の排出部に天面側ダクトの基端が接続されると共に、前記底面側用ファンの空気の排出部に底面側ダクトの基端が接続され、 前記箱状筐体の天面に、前記天面側ダクトが挿通される天面貫通孔が形成されていると共に、前記箱状筐体の底面に、前記底面側ダクトが挿通される底面貫通孔が形成され、 前記天面側用ファン及び前記底面側用ファンに接続されたファン用配線を収納したリレーボックスと、 前記リレーボックスに接続され前記天面側用ファン及び前記底面側用ファンを個別に又は複数単位でオン/オフ可能な複数のスイッチとを備え、 前記箱状筐体が、前記前面に開閉可能な前扉を有し、 前記リレーボックスが、前記箱状筐体内の前記前扉の近傍に設置され、 前記スイッチが、前記箱状筐体の外部に設置されていることを特徴とする住宅空調システム。」とし、新たに請求項4とする(以下「訂正事項3」という。)。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4に「請求項3に記載の住宅空調システムにおいて、 前記住宅が、2階建てであり、 前記天面側ダクトの他端が、2階の前記部屋に接続されていると共に、前記底面側ダクトの他端が、1階の前記部屋に接続されていることを特徴とする住宅空調システム。」とあるのを、 請求項3を請求項1を引用するもの及び請求項2を引用するものについて、それぞれ引用関係の解消をして独立形式に改め、新たな請求項3及び4とすることに伴い、 「請求項3又は4に記載の住宅空調システムにおいて、 前記住宅が、2階建てであり、 前記天面側ダクトの他端が、2階の前記部屋に接続されていると共に、前記底面側ダクトの他端が、1階の前記部屋に接続されていることを特徴とする住宅空調システム。」とし、新たに請求項5とする(以下「訂正事項4」という。)。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1について ア 訂正の目的について 訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1を削除するというものである。 したがって、訂正事項1は、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記アに記載したとおり、訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1を削除するというものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記アに記載したとおり、訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1を削除するというものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 エ 訂正事項1は、特許異議の申立てがされている訂正前の請求項1についての訂正であるから、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 (2)訂正事項2について ア 訂正の目的について 訂正事項2は、訂正前の請求項1を引用する訂正前の請求項3について、訂正後の請求項3において、その内容を変更することなく訂正前の請求項1の記載を引用しない形へと書き換える記載としたものである。 したがって、訂正事項2は、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」を目的とするものである。 イ 特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記アに記載したとおり、訂正事項2は、訂正後の請求項3において、訂正前の請求項1を引用する訂正前の請求項3の内容を変更するものではないから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記アに記載したとおり、訂正事項2は、訂正後の請求項3において、訂正前の請求項1を引用する訂正前の請求項3の内容を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 (3)訂正事項3について ア 訂正の目的について 訂正事項3は、訂正前の請求項2を引用する訂正前の請求項3について、訂正後の請求項4において、その内容を変更することなく訂正前の請求項2の記載を引用しない形へと書き換える記載としたものである。 したがって、訂正事項3は、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」を目的とするものである。 イ 特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記アに記載したとおり、訂正事項3は、訂正後の請求項4において、訂正前の請求項2を引用する訂正前の請求項3の内容を変更するものではないから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記アに記載したとおり、訂正事項3は、訂正後の請求項4において、訂正前の請求項2を引用する訂正前の請求項3の内容を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 (4)訂正事項4について ア 訂正の目的について 訂正事項4は、訂正事項2及び3により、訂正前の請求項4において引用していた請求項3が、引用関係が解消されて訂正後の請求項3及び4とされたことに伴い、訂正後の請求項5において、訂正後の請求項3又は4を引用するものとして記載の整合を図ったものである。 したがって、訂正事項4は、「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 イ 特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項4は、上記アのとおり記載の整合を図ったものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項4は、上記アのとおり記載の整合を図ったものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 3 小括 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、上記結論のとおり訂正することを認める。 第3 特許異議の申立てについて 申立人は、本件特許の請求項1に係る特許について特許異議の申立てをしているところ、本件訂正の訂正事項1により請求項1は削除されたことから、申立ての対象が存在しないものとなった。 したがって、本件特許異議の申立ては、不適法な特許異議の申立てであって、その補正をすることができないものであるから、特許法第120条の8第1項で準用する特許法第135条の規定によって却下すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】(削除) 【請求項2】 空気の流入口を前面に有すると共に該流入口に面した内部にチャンバ室を有する箱状筐体と、 前記チャンバ室内に設置されたエアコンディショナー本体と、 前記箱状筐体内に設けられ空気の吸入部が前記チャンバ室に配された天面側用ファン及び底面側用ファンとを備え、 前記天面側用ファンの空気の排出部に天面側ダクトの基端が接続されると共に、前記底面側用ファンの空気の排出部に底面側ダクトの基端が接続され、 前記箱状筐体の天面に、前記天面側ダクトが挿通される天面貫通孔が形成されていると共に、前記箱状筐体の底面に、前記底面側ダクトが挿通される底面貫通孔が形成され、 前記天面側用ファン及び前記底面側用ファンに接続されたファン用配線を収納したリレーボックスと、 前記リレーボックスに接続され前記天面側用ファン及び前記底面側用ファンを個別に又は複数単位でオン/オフ可能な複数のスイッチとを備え、 前記箱状筐体が、前記前面に開閉可能な前扉を有し、 前記リレーボックスが、前記箱状筐体内の前記前扉の近傍に設置され、 前記スイッチが、前記箱状筐体の外部に設置されていることを特徴とする空調ユニット。 【請求項3】 複数の部屋を有する住宅に設置される住宅空調システムであって、 空調ユニットと、 前記エアコンディショナー本体にエアコン配管を介して接続され前記住宅の外側に設置される室外機と、 前記天面側用ファンに一端が接続され他端側が前記空調ユニットより上方に配された天面側ダクトと、 前記底面側用ファンに一端が接続され他端側が前記空調ユニットより下方に配された底面側ダクトとを備え、 前記空調ユニットが、空気の流入口を前面に有すると共に該流入口に面した内部にチャンバ室を有する箱状筐体と、 前記チャンバ室内に設置されたエアコンディショナー本体と、 前記箱状筐体内に設けられ空気の吸入部が前記チャンバ室に配された天面側用ファン及び底面側用ファンとを備え、 前記天面側用ファンの空気の排出部に天面側ダクトの基端が接続されると共に、前記底面側用ファンの空気の排出部に底面側ダクトの基端が接続され、 前記箱状筐体の天面に、前記天面側ダクトが挿通される天面貫通孔が形成されていると共に、前記箱状筐体の底面に、前記底面側ダクトが挿通される底面貫通孔が形成され、 前記箱状筐体が、前記エアコンディショナー本体の背後に前記天面側ダクト又は前記底面側ダクトが通るダクト配設室を有していることを特徴とする住宅空調システム。 【請求項4】 複数の部屋を有する住宅に設置される住宅空調システムであって、 空調ユニットと、 前記エアコンディショナー本体にエアコン配管を介して接続され前記住宅の外側に設置される室外機と、 前記天面側用ファンに一端が接続され他端側が前記空調ユニットより上方に配された天面側ダクトと、 前記底面側用ファンに一端が接続され他端側が前記空調ユニットより下方に配された底面側ダクトとを備え、 前記空調ユニットが、空気の流入口を前面に有すると共に該流入口に面した内部にチャンバ室を有する箱状筐体と、 前記チャンバ室内に設置されたエアコンディショナー本体と、 前記箱状筐体内に設けられ空気の吸入部が前記チャンバ室に配された天面側用ファン及び底面側用ファンとを備え、 前記天面側用ファンの空気の排出部に天面側ダクトの基端が接続されると共に、前記底面側用ファンの空気の排出部に底面側ダクトの基端が接続され、 前記箱状筐体の天面に、前記天面側ダクトが挿通される天面貫通孔が形成されていると共に、前記箱状筐体の底面に、前記底面側ダクトが挿通される底面貫通孔が形成され、 前記天面側用ファン及び前記底面側用ファンに接続されたファン用配線を収納したリレーボックスと、 前記リレーボックスに接続され前記天面側用ファン及び前記底面側用ファンを個別に又は複数単位でオン/オフ可能な複数のスイッチとを備え、 前記箱状筐体が、前記前面に開閉可能な前扉を有し、 前記リレーボックスが、前記箱状筐体内の前記前扉の近傍に設置され、 前記スイッチが、前記箱状筐体の外部に設置されていることを特徴とする住宅空調システム。 【請求項5】 請求項3又は4に記載の住宅空調システムにおいて、 前記住宅が、2階建てであり、 前記天面側ダクトの他端が、2階の前記部屋に接続されていると共に、前記底面側ダクトの他端が、1階の前記部屋に接続されていることを特徴とする住宅空調システム。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2019-09-17 |
出願番号 | 特願2014-238324(P2014-238324) |
審決分類 |
P
1
652・
854-
XA
(F24F)
P 1 652・ 04- XA (F24F) P 1 652・ 851- XA (F24F) P 1 652・ 853- XA (F24F) P 1 652・ 841- XA (F24F) P 1 652・ 855- XA (F24F) P 1 652・ 857- XA (F24F) |
最終処分 | 決定却下 |
前審関与審査官 | 河野 俊二 |
特許庁審判長 |
紀本 孝 |
特許庁審判官 |
大屋 静男 槙原 進 |
登録日 | 2018-10-12 |
登録番号 | 特許第6415945号(P6415945) |
権利者 | 株式会社ホクレア・システムズ 株式会社システック環境研究所 |
発明の名称 | 空調ユニット及びこれを用いた住宅空調システム |
代理人 | 特許業務法人明成国際特許事務所 |
代理人 | 杉浦 秀幸 |
代理人 | 杉浦 秀幸 |
代理人 | 杉浦 秀幸 |