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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  H01R
審判 全部申し立て 2項進歩性  H01R
管理番号 1356817
異議申立番号 異議2019-700208  
総通号数 240 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2019-12-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-03-18 
確定日 2019-09-28 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6391786号発明「同軸ケーブル接続構造」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6391786号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?8〕について訂正することを認める。 特許第6391786号の請求項1?8に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6391786号の請求項1?8に係る特許についての出願は、平成29年9月5日に出願され、平成30年8月31日にその特許権の設定登録がされ、平成30年9月19日に特許掲載公報が発行された。その特許についての本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。

平成31年 3月18日 :特許異議申立人DXアンテナ株式会社
(以下「申立人」という。)による
請求項1?8に係る特許についての
特許異議の申立て
令和 元年 5月24日付け:取消理由通知書
同年 6月10日 :特許権者による意見書の提出
及び訂正の請求
同年 8月 6日 :申立人による意見書の提出

第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
令和元年6月10日の訂正請求書による訂正の請求は、「特許第6391786号の特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1ないし8について訂正することを求める。」ものであり、その訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は以下のとおりである(下線部は訂正箇所を示す。)。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の「芯線接続手段」を「芯線接続部」に訂正する。
請求項1の記載を引用する請求項2?8も同様に訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2の「前記金属ケースには、同軸コネクタに装着される円筒部が形成されており、前記芯線接続手段により、前記金属ケースの前記挿入部に導入された同軸ケーブルの前記芯線が、前記円筒部内に配置され、前記円筒部と同軸構造を構成する中心コンタクトに電気的に接続されること」を、「前記金属ケースには、同軸コネクタに装着される円筒部が形成されており、前記芯線接続部は、前記円筒部と同軸構造を構成する前記円筒部内に配置された中心コンタクトとされ、前記金属ケースの前記挿入部に導入された同軸ケーブルの前記芯線が前記絶縁体に挿入されて、前記絶縁体で保持されている前記中心コンタクトに電気的に接続されること」に訂正する。
請求項2の記載を引用する請求項3?5も同様に訂正する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3の「前記中心コンタクトは、前記絶縁体に形成された挿通穴に挿通されて保持されることにより、前記円筒部と同軸構造を構成するようになり、前記芯線接続手段により、前記金属ケースの前記挿入部に導入された同軸ケーブルの前記芯線が、前記中心コンタクトの一端に電気的に接続されること」を、「前記中心コンタクトは、前記絶縁体に形成された挿通穴に挿通されて保持されることにより、前記円筒部と同軸構造を構成するようになり、前記金属ケースの前記挿入部に導入された同軸ケーブルの前記芯線が、前記中心コンタクトの一端に電気的に接続されること」へと、「前記芯線接続手段により、」を削除する訂正をする。
請求項3の記載を引用する請求項4及び請求項5も同様に訂正する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項6の「前記芯線接続手段により、前記金属ケースの前記第1円筒部に導入された同軸ケーブルの前記芯線が、前記金属ケースの前記第2円筒部に導入された同軸ケーブルの前記芯線に電気的に接続されること」を、「前記芯線接続部により、前記金属ケースの前記第1円筒部に導入された同軸ケーブルの前記芯線が、前記金属ケースの前記第2円筒部に導入された同軸ケーブルの前記芯線に電気的に接続されること」に訂正する。
請求項6の記載を引用する請求項7及び請求項8も同様に訂正する。

(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項7の「前記芯線接続手段には、前記金属ケースの前記第1円筒部に導入された前記同軸ケーブルの芯線が挟持される第1挟持片が一端に形成されると共に、前記金属ケースの前記第2円筒部に導入された前記同軸ケーブルの芯線が挟持される第2挟持片が他端に形成され」を、「前記芯線接続部には、前記金属ケースの前記第1円筒部に導入された前記同軸ケーブルの芯線が挟持される第1挟持片が一端に形成されると共に、前記金属ケースの前記第2円筒部に導入された前記同軸ケーブルの芯線が挟持される第2挟持片が他端に形成され」に訂正するとともに、「前記芯線接続手段により、前記金属ケースの前記第1円筒部に導入された同軸ケーブルの前記芯線が、前記金属ケースの前記第2円筒部に導入された同軸ケーブルの前記芯線に電気的に接続されること」を、「前記芯線接続部により、前記金属ケースの前記第1円筒部に導入された同軸ケーブルの前記芯線が、前記金属ケースの前記第2円筒部に導入された同軸ケーブルの前記芯線に電気的に接続されること」に訂正する。
請求項7の記載を引用する請求項8も同様に訂正する。

なお、訂正前の請求項1?8について、請求項2?8は請求項1を直接または間接的に引用するものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから、本件訂正請求は、一群の請求項1?8に対して請求されたものである。

2 訂正の適否
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的
訂正事項1は、訂正前の請求項1において技術的意味が必ずしも明確でなかった「芯線接続手段」との記載を「芯線接続部」に訂正し、当該要素が「同軸ケーブル接続構造」の一部をなす「部」であることを明確にするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項1は、上記「ア」のとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1における「芯線接続部」が、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件明細書等」という。)に記載された「中心コンタクト17」や「中心導体70」に相当する部材であることは、明細書の段落【0022】、【0023】、【0029】、【0034】、【0035】、【0041】、【0048】、【0059】、【0060】等の記載から明らかである。
よって、訂正事項1は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。

なお、本件訂正請求においては、訂正前の全ての請求項1?8に対して特許異議の申立てがされているので、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項の規定(独立特許要件)は適用されない(以下同様。)。

(2)訂正事項2について
ア 訂正の目的
訂正事項2のうち、訂正前の請求項2における「芯線接続手段」を「芯線接続部」と訂正する点については、上記「(1)」と同様、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、「前記芯線接続部は、前記円筒部と同軸構造を構成する前記円筒部内に配置された中心コンタクトとされ」とする点については、訂正前の請求項2において不明確となっていた「芯線接続手段」と「円筒部内に配置され、前記円筒部と同軸構造を構成する中心コンタクト」との関係を明確化し、訂正後の請求項2における「芯線接続部」が「中心コンタクト」であることを具体的に特定して限定するものである。
さらに、「芯線が前記絶縁体に挿入されて、前記絶縁体で保持されている前記中心コンタクトに電気的に接続される」とする点については、訂正後の請求項1における「芯線が・・・前記絶縁体に挿入されて、前記絶縁体で保持されている前記芯線接続部に接続される」との記載との整合をとるための訂正である。
よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮、及び同第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項2は、本件明細書等の記載を踏まえて「芯線接続部」と「中心コンタクト」の関係、及びその技術的意味を明確化するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。

なお、訂正事項2によって、訂正前の請求項2における「前記芯線接続手段により」との記載が削除されることから、当該訂正は、形式的には特許請求の範囲の拡張又は変更に該当し得るが、訂正前の請求項2に係る発明は訂正前の請求項1に従属するものであって、訂正前の請求項1に係る発明の範囲に包含されるものであるから、その発明の範囲内において不明瞭であった記載を明確化する訂正事項2によって、特許請求の範囲が実質上拡張、又は変更するとは認められない。

ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件明細書等には、「芯線接続部」に相当する部材が「中心コンタクト17」であることが記載されており(上記「(1)ウ」参照。)、訂正事項2は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。

(3)訂正事項3について
ア 訂正の目的
訂正事項3は、訂正前の請求項3における「芯線接続手段」と「中心コンタクト」との関係を明確化するとともに、訂正後の請求項2の記載内容との整合を取るための訂正である。
よって、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項3は、上記「ア」のとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。

なお、訂正事項3によって、訂正前の請求項3における「前記芯線接続手段により」との記載が削除されることから、当該訂正は、形式的には特許請求の範囲の拡張又は変更に該当し得るが、訂正前の請求項3に係る発明は訂正前の請求項1に間接的に従属するものであって、訂正前の請求項1に係る発明の範囲に包含されるものであるから、その発明の範囲内において不明瞭であった記載を明確化する訂正事項3によって、特許請求の範囲が実質上拡張、又は変更するとは認められない。

ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件明細書等の記載(特に段落【0023】等)に鑑みれば、「芯線」が「中心コンタクトの一端に電気的に接続されること」は明らかであるから、訂正事項3は、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
よって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。

(4)訂正事項4及び5について
ア 訂正の目的
訂正事項4及び5は、訂正事項1により訂正前の請求項1における「芯線接続手段」が「芯線接続部」に訂正されることに伴い、訂正後の請求項1の記載と整合を図るために、訂正後の請求項6及び7における「芯線接続手段」との記載をそれぞれ「芯線接続部」に訂正するものである。
よって、訂正事項4及び5は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項4及び5は、上記「ア」のとおりであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項4及び5は、上記「ア」のとおりであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。

(5)申立人の主張について
ア 申立人は、令和元年8月6日の意見書において、概略、次のとおり主張している。
(ア)第1実施例における中心コンタクト17は絶縁体の内部に保持されておらず、訂正後の請求項1における「芯線接続部を内部に保持可能な絶縁体」との記載と第1実施例が整合していないから、請求項1に係る訂正は訂正要件に違反する(以下「主張1」という。)。
(イ)訂正後の請求項2は、「前記芯線接続部は、前記円筒部と同軸構造を構成する前記円筒部内に配置された中心コンタクトとされ」との構成を有する一方で、請求項2が引用する請求項1には、「芯線接続部を内部に保持可能な絶縁体」と記載されている。しかしながら、請求項2に対応する実施例である第1実施例には、中心コンタクト17を内部に保持する絶縁体16が円筒部22の内部に存在する態様は開示されていないから、請求項2に係る訂正は訂正要件に違反する(以下「主張2」という。)。

イ 判断
(ア)主張1について
訂正後の請求項1における「芯線接続部を内部に保持可能な絶縁体」の技術的意味について検討するに、本件明細書等には、「芯線接続部」が全て絶縁体の内部に保持(配置)されることを限定、あるいは示唆する記載はないことから、ここでいう「内部に保持可能」とは、「芯線接続部」の少なくとも一部が絶縁体の内部に保持される構成を含む概念であると認められる。
そして、本件明細書等の段落【0022】における、「絶縁体16は、金属ケース20の円筒部22のほぼ中心軸上に後述する中心コンタクト17を保持する」、「挿通穴16mは絶縁体16を貫通して形成されており、後述する中心コンタクト17が挿通される。絶縁体16が、金属ケース20に収納されると、挿通穴16mを貫通して挿通された中心コンタクト17は、金属ケース20の円筒部22のほぼ中心軸上に配置され、円筒部22と中心コンタクト17とにより同軸構造が構成されるようになる」との記載、並びに図5、11、21等の図示内容に鑑みれば、第1実施例における中心コンタクト17の少なくとも一部は絶縁体16の内部に保持されているといえるから、当該第1実施例は、訂正後の請求項1に係る発明の実施例であると認められる。
したがって、申立人の上記主張1は採用できない。
(イ)主張2について、
上記「(ア)」で記載したとおり、訂正後の請求項1における「芯線接続部を内部に保持可能な絶縁体」との記載は、「芯線接続部」の少なくとも一部が絶縁体の内部に保持される構成であると認められる。
そうすると、本件明細書等に記載された第1実施例のように、中心コンタクト17の一部(本体部17b、L字状部17c)が絶縁体16の内部に保持(配置)され、他の部分(中心ピン17a)が円筒部22の内部に配置される態様も、訂正後の請求項1における「芯線接続部を内部に保持可能な絶縁体」と、訂正後の請求項2における「前記芯線接続部は、前記円筒部と同軸構造を構成する前記円筒部内に配置された中心コンタクトとされ」との構成を充足するといえる。
したがって、申立人の上記主張2は採用できない。

3 小括
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものに該当し、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項1?8について、訂正することを認める。

第3 本件訂正発明
本件訂正請求により訂正された、訂正後の請求項1?8に係る発明(以下「本件訂正発明1」?「本件訂正発明8」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1?8に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。

「【請求項1】
芯線と、シールド導体と、該芯線と該シールド導体との間に介在されて前記芯線と前記シールド導体とで同軸構造が形成される同軸絶縁体とを少なくとも備え、外径の異なる複数種類の同軸ケーブルのいずれかを導入可能な同軸ケーブル接続構造であって、
同軸ケーブルの芯線を接続する導電性の芯線接続部を内部に保持可能な絶縁体と、
前記同軸ケーブルが導入される挿入部を備え、導入される同軸ケーブルの前記シールド導体の径に応じた径部が前記挿入部内に複数形成されていると共に、前記絶縁体を収納可能な収納部を備える金属ケースとを少なくとも備え、
同軸ケーブルが前記金属ケースの前記挿入部に導入された際に、該同軸ケーブルのシールド導体が、前記挿入部の前記シールド導体の径に応じた前記径部に挿入されて、前記シールド導体が前記金属ケースにアースされると共に、該同軸ケーブルの前記シールド導体が除去されて露出した芯線が、前記金属ケースに収納された前記絶縁体に挿入されて、前記絶縁体で保持されている前記芯線接続部に接続されることを特徴とする同軸ケーブル接続構造。
【請求項2】
前記金属ケースには、同軸コネクタに装着される円筒部が形成されており、前記芯線接続部は、前記円筒部と同軸構造を構成する前記円筒部内に配置された中心コンタクトとされ、前記金属ケースの前記挿入部に導入された同軸ケーブルの前記芯線が前記絶縁体に挿入されて、前記絶縁体で保持されている前記中心コンタクトに電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の同軸ケーブル接続構造。
【請求項3】
前記中心コンタクトは、前記絶縁体に形成された挿通穴に挿通されて保持されることにより、前記円筒部と同軸構造を構成するようになり、前記金属ケースの前記挿入部に導入された同軸ケーブルの前記芯線が、前記中心コンタクトの一端に電気的に接続されることを特徴とする請求項2に記載の同軸ケーブル接続構造。
【請求項4】
前記同軸ケーブルの芯線が、前記金属ケースに収納された前記絶縁体に挿入された際に、前記中心コンタクトの一端に電気的に接続されるように前記絶縁体に形成された斜面でガイドされることを特徴とする請求項3に記載の同軸ケーブル接続構造。
【請求項5】
絶縁性のケースをさらに備え、
該絶縁性のケースは、前記金属ケースが収納されるケース本体部と、前記金属ケースの前記収納部の開口を閉塞して前記金属ケースをシールドする金属ケース蓋部が取り付けられたケース蓋部とから構成され、該ケース本体部に該ケース蓋部を被嵌した際に、前記金属ケース蓋部により前記収納部の開口が閉塞されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の同軸ケーブル接続構造。
【請求項6】
前記金属ケースに、前記挿入部とされる一方から同軸ケーブルを導入する第1円筒部が形成されていると共に、前記挿入部とされる他方から同軸ケーブルを導入する第2円筒部が形成されており、前記第1円筒部に複数種類の前記同軸ケーブルのいずれかが導入されると共に、前記第2円筒部に複数種類の前記同軸ケーブルのいずれかが導入され、前記芯線接続部により、前記金属ケースの前記第1円筒部に導入された同軸ケーブルの前記芯線が、前記金属ケースの前記第2円筒部に導入された同軸ケーブルの前記芯線に電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の同軸ケーブル接続構造。
【請求項7】
前記芯線接続部には、前記金属ケースの前記第1円筒部に導入された前記同軸ケーブルの芯線が挟持される第1挟持片が一端に形成されると共に、前記金属ケースの前記第2円筒部に導入された前記同軸ケーブルの芯線が挟持される第2挟持片が他端に形成されて、前記芯線接続部により、前記金属ケースの前記第1円筒部に導入された同軸ケーブルの前記芯線が、前記金属ケースの前記第2円筒部に導入された同軸ケーブルの前記芯線に電気的に接続されることを特徴とする請求項6に記載の同軸ケーブル接続構造。
【請求項8】
絶縁性のケースをさらに備え、
該絶縁性のケースは、前記金属ケースが収納されるケース本体部と、前記金属ケースに被嵌されるケース蓋部とから構成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の同軸ケーブル接続構造。」

第4 取消理由通知に記載した取消理由について
1 取消理由の概要
当審が令和元年5月24日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。

(明確性)請求項2?5に係る特許は、特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。

2 取消理由についての判断
本件明細書等の記載によれば、第1実施例における中心コンタクト17が訂正前の請求項2?5における「芯線接続手段」に相当する部材であると認められるが、訂正前の請求項2では、「前記芯線接続手段により、前記金属ケースの前記挿入部に導入された同軸ケーブルの前記芯線が、前記円筒部内に配置され、前記円筒部と同軸構造を構成する中心コンタクトに電気的に接続される」(下線は当審が付した。)と記載されており、「芯線接続手段」と「中心コンタクト」が別の部材であるようにも解釈できたことから、訂正前の請求項2及びこれを引用する請求項3?5に係る発明は、発明の内容が不明確となっていた。
これに対し、訂正後の請求項2?5では、「芯線接続部」(訂正前の「芯線接続手段」)が「中心コンタクト」であることが具体的に特定され、記載内容の整合性がとれた(上記「第2 2(2)、(5)」も参照。)ことから、本件訂正発明2?5の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号の規定に違反しないものとなった。
よって、当該取消理由には理由がない。

第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
1 特許異議申立理由の概要
特許異議申立書における申立人の主張は、概略、次のとおりである。
(1)本件特許の請求項1?8に係る発明は、甲1発明、甲2記載事項、甲4記載事項及び甲5記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1?8に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである(以下「申立理由1」という。)。

(2)本件特許の請求項1?8に係る発明は、甲2発明、甲1記載事項、甲4記載事項及び甲5記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1?8に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである(以下「申立理由2」という。)。

(3)請求項1、6、7における「芯線接続手段」が不明確であり、請求項1、6?8に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである(以下「申立理由3」という。)。

また、証拠方法として、次の文書(甲第1?9号証。以下それぞれ「甲1」?「甲9」という。)が提出された。
甲第1号証:特開2000-21518号公報
甲第2号証:特開2006-12498号公報
甲第3号証:特開2000-299171号公報
甲第4号証:特開2007-59137号公報
甲第5号証:特開2000-100491号公報
甲第6号証:実願昭53-66850号
(実開昭54-168591号)のマイクロフィルム
甲第7号証:意匠登録第1346487号公報
甲第8号証:特開2001-68234号公報
甲第9号証:特開2007-103063号公報

2 甲1及び甲2の記載事項
(1)甲1
甲1には、図面と共に、次の事項が記載されている(下線は当審が付した。以下同様。)。
ア 「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、アンテナで受信した信号をテレビ受像機に伝達するために用いる同軸ケーブルを前記テレビ受像機に接続するために適用している同軸ケーブル用接続器に関するものである。」

イ 「【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来例は、同軸ケーブル用接続器としての本来の機能を果たすものではあるが、構造上単一種の同軸ケーブルしか適用できない構造のため、径を異にする同軸ケーブルそれぞれに専用の接続器を必要としている。
【0005】例えば、家庭用のテレビアンテナ用の同軸ケーブルとして4C-FB型と5C-FB型(JIS規格)の同軸ケーブルが用いられているが、それぞれの径に見合う接続器を必要としているのが現状である。」

ウ 「【0009】本発明に係る同軸ケーブル用接続器Aは、基枠1に設けた接続手段2によって同軸ケーブルCの芯線(中心導体)Caを前記基枠1に装置した中心コンタクト3に接続して同軸ケーブルCを基枠1に組合せ、それぞれの相対向面側に形成した挾持溝4,4´に前記同軸ケーブルCの外部導体Cbを係合するようにして前記基枠1と蓋枠5を互いに重合させ、これら両枠1,5を螺子6で互いに締付けて同軸ケーブルCと互いに組付け、基枠1の、前記中心コンタクト3を長手方向に沿う中央に配した挿着筒7を、テレビ受像機などの機器と係離自在に挿着して用いるようにしたものである。
【0010】前記基枠1は、前記蓋枠5との対向面側の一端に挾持溝4を設け、該挾持溝4を、前記一端側に配して同軸ケーブルCの外被Ccを挾持する最広径の第一挾持部4aと該第一挾持部4aに連通して段階的に径を小さくして前記外部導体Cbを挾持する一対の第二、第三の挾持部4b,4cで構成し、該挾持溝4の延長上、すなわち、第三挾持部4c側に前記接続手段2を設け、この接続手段2で中心コンタクト3に接続する前記芯線Caに直交する方向にして前記中心コンタクト3を収設した前記挿着筒7を配したもので、前記挾持溝4の構成する基枠主体1Aを金属で構成し、金属製の蓋枠5とでシールド効果を図るようにしてある。
【0011】なお、前記接続手段2は中心コンタクト3の基部側に設けた挿通孔8と該挿通孔8を出入するようにして前記中心コンタクト3の基部に螺合した締付け螺子9とで構成してある。
【0012】前記蓋枠5は基枠1と同様に該基枠1との対向面側の一端に、該一端側を最広径として段階的に漸次径を狭くした、第一、第二、第三の挾持部4´a,4´b,4´cで成る前記挾持部4´を設け、基枠1の、前記螺子6の貫通孔10と対応する位置に螺子孔11を設けて構成したもので、第一挾持部4´aを前記基枠側の第一挾持部4aと同様に外被Cc用の挾持部とし、第二、第三の挾持部4´b,4´cを外部導体Cb用の挾持部として構成する。
【0013】しかして、同軸ケーブルCの芯線Caを接続手段2の挿通孔8に挿通させて締付け螺子9を締付けて前記芯線Caを中心コンタクト3に接続し、外部導体Cbを挾持溝4の第二挾持部4b(図3の場合)若しくは第三挾持部4c(図4の場合)に係合し、基枠1側の挾持溝4と一致させるように挾持溝4を配して(第二挾持溝4bに対して第二挾持溝4´bを配するようにして)蓋枠5を基枠1に重合させ、螺子6を貫通孔10を通じて螺子孔11に係合締付けることにより同軸ケーブルCの端末に接続器Aを組付けて用いるのである。」

エ 「【0016】
【発明の効果】本発明は前記の通りの構成であるから、少くとも径の異なる2種類(例えば、現在多用されている4C-FB型と5C-FB型の2種)の同軸ケーブルを選択的に適用できる接続器を提供でき、従って、単一種のみしか適用できない従来例と比較し、在庫管理上好適であるのみならず、製造コストの低減を図ることができる。」

オ 甲1に記載の同軸ケーブルCは、テレビアンテナ用の同軸ケーブルであるため(上記「ア」、「ウ」、「エ」等を参照。)、芯線Caと外部導体Cbとの間に介在されて芯線Caと外部導体Cbとで同軸構造が形成される同軸絶縁体を少なくとも備えていることは、技術常識に鑑みて明らかである。
また、図1からは、中心コンタクト3を内部に保持可能な部材が基枠1に設けられており、基枠1と蓋枠5で形成された空間内に当該部材の一部が収納されていることが看取できる。

以上を踏まえ、訂正後の請求項1の記載ぶりに則って整理すると、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
「芯線Caと、外部導体Cbと、該芯線Caと該外部導体Cbとの間に介在されて前記芯線Caと前記外部導体Cbとで同軸構造が形成される同軸絶縁体とを少なくとも備え、少なくとも径の異なる2種類の同軸ケーブルCを選択的に適用できる同軸ケーブル用接続器Aであって、
同軸ケーブルCの芯線Caを接続する中心コンタクト3を内部に保持可能な部材と、
同軸ケーブルCの外部導体Cbを係合する挾持溝4、4´が形成された基枠1及び蓋枠5であって、同軸ケーブルCの外部導体Cbを挾持する第二、第三の挾持部4b、4cが形成された基枠1と、同軸ケーブルCの外部導体Cbを挾持する第二、第三の挾持部4´b、4´cが形成された蓋枠5と、を備え、基枠1と蓋枠5で形成された空間内に中心コンタクト3を内部に保持可能な部材の一部が収納されており、挾持溝4の構成する基枠主体1A及び蓋枠5は金属製であり、
同軸ケーブルCの芯線Caを中心コンタクト3に接続し、外部導体Cbを挾持溝4の第二挾持部4b若しくは第三挾持部4cに係合し、基枠1側の挾持溝4と一致させるように挾持溝4を配して(第二挾持溝4bに対して第二挾持溝4´bを配するようにして)蓋枠5を基枠1に重合させ、螺子6を貫通孔10を通じて螺子孔11に係合締付けることにより、同軸ケーブルCを接続した同軸ケーブル用接続器A。」

(2)甲2
甲2には、図面と共に、次の事項が記載されている。
ア 「【0007】
本発明は、上述の課題を鑑み、同軸ケーブルを容易に接続することができると共に、径の異なる複数の同軸ケーブルに対応できる同軸プラグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために、第1の発明は、互いに結合された第1及び第2の円筒部材と、第1の円筒部材の中心に配置されたコンタクトピンと、第2の円筒部材の中心に配置され、その一端がコンタクトピンと接続され、その他端に弾性を有する接続片が設けられた芯線接続ピンと、第2の円筒部材に嵌合され、同軸ケーブルの径に対応する内径を有するリング部材と、第2の円筒部材に固定され、同軸ケーブルを加締めて固定するケーブル固定金具とを備え、芯線接続ピンの接続片の間に同軸ケーブルの中心導体を挿入し、接続片により中心導体を挟持し、中心導体と芯線接続ピンとを電気的に接続させ、同軸ケーブルの先端部をリング部材に係合させ、同軸ケーブルをケーブル固定金具を加締めて固定すると共に、同軸ケーブルの外部導体と第2の円筒部材とが電気的に接続されることを特徴とする。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、リング部材の内径が複数種類の同軸ケーブル対応して段階状に変化することを特徴とする。
【0010】
第3の発明は、第1の発明において、複数種類の同軸ケーブルにそれぞれ対応するリング部材を用意することを特徴とする。」

イ 「【0016】
実施形態1.
以下、本発明の実施の形態1の同軸プラグを添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態1の同軸プラグ1を示すものである。本発明の実施形態1の同軸プラグ1は、同軸ケーブル50の先端に取り付けられる。同軸プラグ1全体はカバー10により覆われており、その先端から、円筒導電部材11が露呈され、円筒導電部材11の中心に、コンタクトピン12が配置されている。」

ウ 「【0021】
円筒導電部材18には、絶縁体19が嵌入される。絶縁体19には、芯線接続ピン21が挿通された取付部材20が嵌入される。コンタクトピン12には、挿通孔25が形成されており、芯線接続ピン21の先端は、コンタクトピン12の挿通孔25に挿入され、コンタクトピン12と芯線接続ピン21との間の電気的接続がなされる。芯線接続ピン21の先端には、弾性を有する金属片からなる接続片22a及び22bが設けられる。接続片22a及び22bは、互いに接触するように付勢されている。
【0022】
円筒導電部材18の後端の内周には、リング部材23が嵌合される。リング部材23は、その内径が例えば3段階に変化している。リング部材23の上段23aの内径は、例えば3Cの同軸ケーブルの中心導体の芯周りの絶縁体の径に対応し、中段23bの内径は、例えば4Cの同軸ケーブルの中心導体の芯周りの絶縁体の径に対応し、下段23cの内径は、例えば5Cの同軸ケーブルの中心導体の芯周りの絶縁体の径に対応している。
【0023】
円筒導電部材18の外周には、図2(B)に示すようなケーブル固定金具24が取り付けられる。ケーブル固定金具24は、図2(B)に示すように、円環状の保持部31と、圧着片を有する圧着部32と、保持部31と圧着部32とを連結する連結部33とから構成される。保持部31は、円筒導電部材18の外周に係合される。
【0024】
次に、本発明の実施形態1の同軸プラグ1と同軸ケーブル50との接続について説明する。
【0025】
同軸プラグ1に、同軸ケーブル50を取り付ける場合には、図2(C)に示すように、予め同軸ケーブル50の中心導体51と外部導体52とが露出するように剥離加工を施しておく。そして、上述のように剥離加工を施した同軸ケーブル50の先端をリング部材23から挿入する。同軸ケーブル50の先端をリング部材23に挿入すると、その先端の中心導体51が芯線接続ピン21の接続片22a及び22bに接触する。同軸ケーブル50を更に押し込むと、図3?図5に示すように、中心導体51が接続片22a及び22bの間に挿入され、接続片22a及び22bの間に挟持され、中心導体51と芯線接続ピン21との電気的接続がなされる。また、このとき、同軸ケーブル50の先端部53がリング部材23内に係合される。」

エ 【0027】
同軸ケーブル50として、3Cのケーブルを用いたときには、図3に示すように、同軸ケーブル50の先端部53がリング部材23の上段23a内に係合される。同軸ケーブル50として、4Cのケーブルを用いたときには、図4に示すように、同軸ケーブル50の先端部53がリング部材23の中段23b内に係合される。同軸ケーブル50として、5Cのケーブルを用いたときには、図5に示すように、同軸ケーブル50の先端部53がリング部材23の下段23c内に係合される。このように、同軸ケーブルの径が変わってもの、同軸ケーブル50の先端部53は、リング部材23の上段23a、中段23b、下段23cのいずれかと係合する。
【0028】
そして、同軸ケーブル50の外部導体52が露呈されている部分をケーブル固定金具24の圧着部32の間に挿入し、圧着部32を加締める。この加締めにより、同軸ケーブル50が同軸プラグ1に確実に固定されると共に、同軸ケーブル50の外部導体52とケーブル固定金具24とが電気的に接続される。」

オ 「【0032】
また、本発明の同軸プラグ1では、同軸ケーブル50を取り付けたときに、図3?図5に示すように、同軸ケーブル50の中心導体51が円筒導電部材18内に位置する。このため、外部からのノイズが円筒導電部材18によりシールドされ、同軸ケーブル50の中心導体51に飛び込むことが防止される。」

カ 上記段落【0022】、【0025】の記載、及び図4、5の図示内容に鑑みれば、段落【0022】における「同軸ケーブルの中心導体の芯周りの絶縁体」と、「同軸ケーブル50の先端部53」とは、同一のものを意味していると解される。

以上を踏まえ、訂正後の請求項1の記載ぶりに則って整理すると、甲2には、次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。
「中心導体51と、外部導体52と、該中心導体51と該外部導体52との間に介在されて中心導体51と外部導体52とで同軸構造が形成される絶縁体からなる先端部53とを少なくとも備え、径の異なる複数種類の同軸ケーブル50に対応できる同軸プラグ1であって、
同軸ケーブル50の中心導体51と外部導体52とは、露出するように予め剥離加工が施されており、
同軸ケーブル50の中心導体51と電気的接続がなされる芯線接続ピン21が挿通された取付部材20が嵌入された絶縁体19と、
同軸ケーブル50が挿入されるリング部材23であって、挿入される同軸ケーブル50の先端部53の径に対応した内径を有する上段23a、中段23b、下段23cが形成されたリング部材23を内周に嵌合するとともに、絶縁体19が嵌入される円筒導電部材18とを少なくとも備え、
同軸ケーブル50が円筒導電部材18の内周に嵌合されたリング部材23に挿入された際に、同軸ケーブル50の先端部53は、リング部材の上段23a、中段23b、下段23cのいずれかと係合し、同軸ケーブル50の外部導体52と、円筒導電部材18の外周に取り付けられたケーブル固定金具24とが電気的に接続されるとともに、同軸ケーブル50の中心導体51が、円筒導電部材18の内周に嵌合された絶縁体19に挿入されて、該絶縁体19で保持されている芯線接続ピン21との電気的接続がなされる同軸プラグ1。」

3 申立理由1(主:甲1発明、副:甲2記載事項)
(1)本件訂正発明1
ア 対比
(ア)本件訂正発明1と甲1発明とを対比すると、後者の「芯線Ca」は前者の「芯線」に相当し、以下同様に、「外部導体Cb」は「シールド導体」に、「少なくとも径の異なる2種類の同軸ケーブルC」は「外径の異なる複数種類の同軸ケーブル」に、「選択的に適用できる」ことは「いずれかを導入可能な」ことに、「同軸ケーブル用接続器A」は「同軸ケーブル接続構造」に、「中心コンタクト3」は「導電性の芯線接続部」にそれぞれ相当する。
(イ)後者の「中心コンタクト3を内部に保持可能な部材」は、「導電性の芯線接続部を内部に保持可能な部材」である限りにおいて、前者の「導電性の芯線接続部を内部に保持可能な絶縁体」と一致する。
(ウ)後者の「同軸ケーブルCの外部導体Cbを係合する挾持溝4、4´」は、「同軸ケーブルが導入される導入部」である限りにおいて、前者の「同軸ケーブルが導入される挿入部」と一致する。また、後者の「外部導体Cb」は、その径に応じて、「第二挾持部4b」と「第二挾持部4´b」、または「第三挾持部4c」と「第三挾持部4´c」のいずれかによって係合されるものであるから、後者の「挾持溝4、4´」は、「シールド導体の径に応じた径部が」「複数形成されている」「導入部」であるといえ、その限りにおいて、前者の「導入される同軸ケーブルの前記シールド導体の径に応じた径部が」「複数形成され」た「挿入部」と一致する。
(エ)後者の「基枠1」と「蓋枠5」は、両者で「形成された空間内に中心コンタクト3を内部に保持可能な部材の一部が収納されて」いるから、「前記部材を収納可能な収納部を備えるケース」である限りにおいて、前者の「前記絶縁体を収納可能な収納部を備える金属ケース」と一致する。
(オ)後者の「挾持溝4、4´」が形成された「基枠主体1A」及び「蓋枠5」は金属製であるから、「外部導体Cb」が「挾持溝4、4´」に係合した際にはアースされると認められる。そうすると、後者は、「同軸ケーブルがケースの導入部に導入された際に、該同軸ケーブルのシールド導体が、導入部のシールド導体の径に応じた径部に導入されて、シールド導体がケースにアースされる」構成を有するといえ、その限りにおいて、前者の「同軸ケーブルが前記金属ケースの前記挿入部に導入された際に、該同軸ケーブルのシールド導体が、前記挿入部の前記シールド導体の径に応じた前記径部に挿入されて、前記シールド導体が前記金属ケースにアースされる」構成と一致する。

そうすると、両者の一致点及び相違点は次のとおりである。
<一致点>
「芯線と、シールド導体と、該芯線と該シールド導体との間に介在されて前記芯線と前記シールド導体とで同軸構造が形成される同軸絶縁体とを少なくとも備え、外径の異なる複数種類の同軸ケーブルのいずれかを導入可能な同軸ケーブル接続構造であって、
同軸ケーブルの芯線を接続する導電性の芯線接続部を内部に保持可能な部材と、
前記同軸ケーブルが導入される導入部を備え、導入される同軸ケーブルの前記シールド導体の径に応じた径部が前記導入部内に複数形成されていると共に、前記部材を収納可能な収納部を備えるケースとを少なくとも備え、
同軸ケーブルが前記ケースの前記導入部に導入された際に、該同軸ケーブルのシールド導体が、前記導入部の前記シールド導体の径に応じた前記径部に導入されて、前記シールド導体が前記ケースにアースされる、同軸ケーブル接続構造。」

<相違点1>
「導電性の芯線接続部を内部に保持可能な部材」に関し、本件訂正発明1は「絶縁体」であるのに対し、甲1発明は絶縁体であるか不明な点。

<相違点2>
「同軸ケーブルが導入される導入部」に関し、本件訂正発明1は「挿入部」、すなわち「同軸ケーブル」が「挿入」される部分であるのに対し、甲1発明は、「同軸ケーブルCの外部導体Cb」が「係合」される「挾持溝4、4´」である点。

<相違点3>
「ケース」に関し、本件訂正発明1は「金属ケース」、すなわち金属製の材料で形成された部材であるのに対し、甲1発明の「基枠1」と「蓋枠5」は、「基枠主体1A」及び「蓋枠5」は金属製であるものの、「基枠1」の「基枠主体1A」以外の部分が金属製であるか不明な点。

<相違点4>
本件訂正発明1の「芯線」は、「該同軸ケーブルの前記シールド導体が除去されて露出した」ものであるのに対し、甲1発明の「芯線Ca」はそのようなものであるか不明な点。

<相違点5>
本件訂正発明1は、「同軸ケーブルが前記金属ケースの前記挿入部に導入された際に」、「芯線」が「前記金属ケースに収納された前記絶縁体に挿入されて、前記絶縁体で保持されている前記芯線接続部に接続される」構造を有しているのに対し、甲1発明はかかる構成を具備していない点(甲1発明では、「同軸ケーブルCの芯線Caを中心コンタクト3に接続し」た後に、「同軸ケーブルC」の「外部導体Cb」がケースを構成する部材である「基枠1」と「蓋枠5」により係合される点。)。

イ 判断
事案に鑑み、相違点2及び5についてまとめて検討する。
甲2には、円筒導電部材18の内周に嵌合したリング部材23に同軸ケーブル50を挿入する点、該リング部材23に同軸ケーブル50の先端部53の径に対応した部分(23a、23b、23c)を形成する点、同軸ケーブル50が円筒導電部材18の内周に嵌合されたリング部材23に挿入された際に、同軸ケーブル50の中心導体51が、円筒導電部材18の内周に嵌合された絶縁体19に挿入されて、該絶縁体19で保持されている芯線接続ピン21に接続される点がそれぞれ記載されていると認められる(上記「2(2)」参照。)。
しかしながら、甲1発明は、ケースを構成する「基枠1」と「蓋枠5」を別部材で構成し、それぞれの部材に設けられた「挾持溝4、4´」によって「同軸ケーブルC」の「外部導体Cb」を係合して固定することを前提とした発明であるから、甲2に記載の同軸プラグ1とは前提となる構成が大きく異なる。
また、甲2に記載のリング部材23は円筒導電部材18とは別部材であり、同軸ケーブル50の外部導体52と接触するものでもなく、金属製であるかも不明である。加えて、同軸ケーブル50の外部導体52は、(円筒導電部材18ではなく)ケーブル固定金具24に電気的に接続されるものである(それゆえ、円筒導電部材18にアースされるものではない。)。そうすると、甲1発明における「挾持溝4、4´」と甲2における「リング部材2」とは、機能や構成が相違しているといえる。
してみると、甲1発明に甲2に記載された事項を適用する動機付けは見当たらず、仮に適用できたとしても、甲2に記載のリング部材23に係る構成は本件訂正発明1における「挿入部」の構成とは異なるから、当業者といえども甲1発明及び甲2記載事項から上記相違点2及び5に係る構成を容易に想到し得たとは認められない。

したがって、他の相違点1、3、4について検討するまでもなく、本件訂正発明1は、甲1発明及び甲2記載事項から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(2)本件訂正発明2?8
本件訂正発明2?8は、本件訂正発明1を更に減縮したものであるから、本件訂正発明1についての判断と同様の理由により、甲1発明及び甲2記載事項、並びに甲4記載事項、甲5記載事項から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(3)小括
以上のとおりであるから、申立理由1には理由がない。

4 申立理由2(主:甲2発明、副:甲1記載事項)
(1)本件訂正発明1
ア 対比
(ア)本件訂正発明1と甲2発明とを対比すると、後者の「中心導体51」は前者の「芯線」に相当し、以下同様に、「外部導体52」は「シールド導体」に、「絶縁体からなる先端部53」は「同軸絶縁体」に、「径の異なる複数種類の同軸ケーブル50」は「外径の異なる複数種類の同軸ケーブル」に、「対応できる」は「いずれかを導入可能な」に、「同軸プラグ1」は「同軸ケーブル接続構造」に、「同軸ケーブル50の中心導体51と電気的接続がなされる芯線接続ピン21」は「同軸ケーブルの芯線を接続する導電性の芯線接続部」にそれぞれ相当する。
(イ)甲2の図2の図示内容によれば、後者の「絶縁体19」は、「取付部材20」を介して「芯線接続ピン21」の少なくとも一部を保持していると認められるから、前者の「芯線接続部を内部に保持可能な絶縁体」に相当するといえる。
(ウ)後者の「同軸ケーブル50が挿入されるリング部材23」は、前者の「同軸ケーブルが導入される挿入部」に相当する。また、甲2の図2の図示内容によれば、後者の「円筒導電部材18」は、内部に「絶縁体19」を収納しているといえるから、前者の「絶縁体を収納可能な収納部を備える金属ケース」に相当する。
(エ)甲2発明において、「同軸ケーブル50の中心導体51と外部導体52とは、露出するように予め剥離加工が施され」たものであるから、後者の「同軸ケーブル50の中心導体51」は、前者の「同軸ケーブルの前記シールド導体が除去されて露出した芯線」に相当するといえる。そうすると、後者の「同軸ケーブル50が円筒導電部材18の内周に嵌合されたリング部材23に挿入された際に」、「同軸ケーブル50の中心導体51が、円筒導電部材18の内周に嵌合された絶縁体19に挿入されて、該絶縁体19で保持されている芯線接続ピン21との電気的接続がなされる」構成は、前者の「同軸ケーブルが前記金属ケースの前記挿入部に導入された際に」、「該同軸ケーブルの前記シールド導体が除去されて露出した芯線が、前記金属ケースに収納された前記絶縁体に挿入されて、前記絶縁体で保持されている前記芯線接続部に接続される」構成に相当する。

そうすると、両者の一致点及び相違点は次のとおりである。
<一致点>
「芯線と、シールド導体と、該芯線と該シールド導体との間に介在されて前記芯線と前記シールド導体とで同軸構造が形成される同軸絶縁体とを少なくとも備え、外径の異なる複数種類の同軸ケーブルのいずれかを導入可能な同軸ケーブル接続構造であって、
同軸ケーブルの芯線を接続する導電性の芯線接続部を内部に保持可能な絶縁体と、
前記同軸ケーブルが導入される挿入部と、前記絶縁体を収納可能な収納部を備える金属ケースケースとを少なくとも備え、
同軸ケーブルが前記金属ケースの前記挿入部に導入された際に、該同軸ケーブルの前記シールド導体が除去されて露出した芯線が、前記金属ケースに収納された前記絶縁体に挿入されて、前記絶縁体で保持されている前記芯線接続部に接続される同軸ケーブル接続構造。」

<相違点6>
本件訂正発明1の「挿入部」は、「金属ケース」に備えられるものであり、「導入される同軸ケーブルの前記シールド導体の径に応じた径部が前記挿入部内に複数形成されている」のに対し、甲2発明の「リング部材23」は、「円筒導電部材18の内周に嵌合された」ものであり、「挿入される同軸ケーブル50の先端部53の径に対応した内径を有する上段23a、中段23b、下段23cが形成され」ている点(なお、先端部53は絶縁体であってシールド導体ではない。)。

<相違点7>
本件訂正発明1は、「同軸ケーブルが前記金属ケースの前記挿入部に導入された際に、該同軸ケーブルのシールド導体が、前記挿入部の前記シールド導体の径に応じた前記径部に挿入されて、前記シールド導体が前記金属ケースにアースされる」のに対し、甲2発明は、「同軸ケーブル50が円筒導電部材18の内周に嵌合されたリング部材23に挿入された際に、同軸ケーブル50の先端部53は、リング部材の上段23a、中段23b、下段23cのいずれかと係合し、同軸ケーブル50の外部導体52と、円筒導電部材18の外周に取り付けられたケーブル固定金具24とが電気的に接続される」点(すなわち外部導体52は円筒導電部材18にアースされるものではない。)。

イ 判断
事案に鑑み、相違点6及7についてまとめて検討する。
甲1には、同軸ケーブル用接続器Aのケースを構成する基枠1と蓋枠5に設けられた挾持溝4、4´によって同軸ケーブルCの外部導体Cbを係合して固定する点、当該挾持溝4、4´に同軸ケーブルCの外部導体Cbの径に応じた挾持部が複数形成される点(第二、第三の挾持部4b、4´b、4c、4´c)、同軸ケーブルCが基枠1と蓋枠5にアースされる点が記載されていると認められる(上記「2(1)」、「3(1)ア」参照。)。
しかしながら、甲2発明の「リング部材23」はケースに相当する部材である「円筒導電部材18」とは別部材であり、「同軸ケーブル50」の「絶縁体からなる先端部53」と係合するものであるから、甲1記載の挾持溝4、4´とはその機能や構成が異なるものである。また、甲1記載の挾持溝4、4´は、ケースに相当する部材である基枠1と蓋枠5が別体であること(同軸ケーブルCが取り付けられた後に組み付けられること)を前提とした構成である。
そうすると、甲2発明と甲1に記載された同軸ケーブル用接続器Aとは、前提となる構成が大きく異なる上、各々の甲号証に両者を組み合わせる動機付けとなる技術常識を見出すこともできないから、当業者といえども甲2発明及び甲1記載事項から相違点6及び7に係る本件訂正発明1の構成を容易に想到し得たとは認められない。

したがって、本件訂正発明1は、甲2発明及び甲1記載事項から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(2)本件訂正発明2?8
本件訂正発明2?8は、本件訂正発明1を更に減縮したものであるから、本件訂正発明1についての判断と同様の理由により、甲2発明及び甲1記載事項、並びに甲4記載事項、甲5記載事項から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(3)小括
以上のとおりであるから、申立理由2には理由がない。

5 申立理由3
申立人は、特許異議申立書において、訂正前の請求項1における「芯線接続手段」の意味内容が不明確であることを理由として、訂正前の請求項1に係る発明、及びこれを引用する請求項2?8に係る発明は明確でない旨主張している。
このうち、訂正前の請求項2?5に係る発明について当審において取消理由を通知したところ、本件訂正後の請求項2?5に係る発明(本件訂正発明2?5)についての判断は上記「第4」に記載のとおりである。
他方、本件訂正発明1(訂正前の請求項1に係る発明についても同様)については、それ自体で発明の内容を不明確とする記載は見当たらず、本件訂正発明6?8についても、「芯線接続部」(訂正前の「芯線接続手段」)が第2実施例における中心導体70に相当することは明らかであるから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たすものである。
よって、申立理由3には理由がない。

6 意見書における主張
申立人は、令和元年8月6日の意見書において、本件訂正発明1は、甲1発明に甲3?5記載事項を適用することにより、または甲3発明に甲1記載事項を適用することにより容易に想到し得たものである旨新たに主張しているので、以下検討する。

(1)本件訂正発明1について
ア 甲1発明を主、甲3?5記載事項を副とした場合
(ア)対比
本件訂正発明1と甲1発明との一致点及び相違点は、上記「第5 3(1)ア」に記載のとおりである。

(イ)判断
事案に鑑み、相違点5について検討する。
甲3には、同軸ケーブル200の中心導体202を、絶縁性部材40の壁部44に設けられたケーブル保持孔44aに挿通してコンタクトピン10に電気的に接続した後、金属製の連結保持シールド部材70を絶縁性部材40に被せ、連結保持シールド部材70の加締め部60を同軸ケーブル200の外部導体露出部分206に加締めて、当該連結保持シールド部材70を同軸ケーブル200に固定するL形同軸プラグコネクタが記載されている(段落【0025】?【0032】、【0034】、【0039】、【0040】、【0042】?【0044】、図1?2等を参照。)。
甲4には、同軸ケーブル61の外導体64の露出部分をケーブル保持金具22上に位置させるとともに、中心導体62の先端をシールドケース21内の合成樹脂製の中心導体保持ケース24に設けられた溝29から中心導体保持部28に挿入して中心導体用端子23bに接続した後、ケーブル保持金具22を締め付けて同軸ケーブル61の外導体64を固定し、外導体64をケーブル保持金具22にアースする同軸ケーブル用プラグが記載されている(段落【0011】、【0017】、【0025】、図1?2等を参照。)。
甲5には、絶縁板19から突設された刃受部カバー2の前壁2dに形成した挿通孔2eを通して芯線3aを刃受部1に差込接続する技術が記載されている(段落【0026】?【0029】、図7?8等を参照。)
しかしながら、甲3、4に記載の技術は、いずれも同軸ケーブルの芯線を絶縁体に相当する部材に挿入して芯線接続部に接続した後で、金属ケースに相当する部材の一部を加締める等して同軸ケーブルのシールド導体を固定する構造に係る技術であり、本件訂正発明1のように、「同軸ケーブルが前記金属ケースの前記挿入部に導入された際に」、「芯線」が「前記金属ケースに収納された前記絶縁体に挿入されて、前記絶縁体で保持されている前記芯線接続部に接続される」構造とは異なるものである。また、甲5に記載の技術も、本件訂正発明1の当該構造を示唆するものではない。
してみると、当業者といえども甲1発明及び甲3?5記載事項から上記相違点5に係る構成を容易に想到し得たとは認められないから、他の相違点1?4について検討するまでもなく、本件訂正発明1は、甲1発明及び甲3?5記載事項から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

イ 甲3発明を主、甲1記載事項を副とした場合
上記「ア」で記載したとおり、甲3には、少なくとも本件訂正発明1のうち、「同軸ケーブルが前記金属ケースの前記挿入部に導入された際に」、「芯線」が「前記金属ケースに収納された前記絶縁体に挿入されて、前記絶縁体で保持されている前記芯線接続部に接続される」構造は記載されておらず、甲1にもそのような構造は記載されていない。
してみると、当業者といえども甲3発明及び甲1記載事項から本件訂正発明1を容易に想到し得たとは認められないから、本件訂正発明1は、甲3発明及び甲1記載事項から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(2)本件訂正発明2?8について
本件訂正発明2?8は、本件訂正発明1を更に減縮したものであるから、本件訂正発明1についての判断と同様の理由により、甲1発明及び甲3?5記載事項、または甲3発明及び甲1記載事項から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(3)小括
よって、申立人の主張を採用することはできない。

第6 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1?8に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1?8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯線と、シールド導体と、該芯線と該シールド導体との間に介在されて前記芯線と前記シールド導体とで同軸構造が形成される同軸絶縁体とを少なくとも備え、外径の異なる複数種類の同軸ケーブルのいずれかを導入可能な同軸ケーブル接続構造であって、
同軸ケーブルの芯線を接続する導電性の芯線接続部を内部に保持可能な絶縁体と、
前記同軸ケーブルが導入される挿入部を備え、導入される同軸ケーブルの前記シールド導体の径に応じた径部が前記挿入部内に複数形成されていると共に、前記絶縁体を収納可能な収納部を備える金属ケースとを少なくとも備え、
同軸ケーブルが前記金属ケースの前記挿入部に導入された際に、該同軸ケーブルのシールド導体が、前記挿入部の前記シールド導体の径に応じた前記径部に挿入されて、前記シールド導体が前記金属ケースにアースされると共に、該同軸ケーブルの前記シールド導体が除去されて露出した芯線が、前記金属ケースに収納された前記絶縁体に挿入されて、前記絶縁体で保持されている前記芯線接続部に接続されることを特徴とする同軸ケーブル接続構造。
【請求項2】
前記金属ケースには、同軸コネクタに装着される円筒部が形成されており、前記芯線接続部は、前記円筒部と同軸構造を構成する前記円筒部内に配置された中心コンタクトとされ、前記金属ケースの前記挿入部に導入された同軸ケーブルの前記芯線が前記絶縁体に挿入されて、前記絶縁体で保持されている前記中心コンタクトに電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の同軸ケーブル接続構造。
【請求項3】
前記中心コンタクトは、前記絶縁体に形成された挿通穴に挿通されて保持されることにより、前記円筒部と同軸構造を構成するようになり、前記金属ケースの前記挿入部に導入された同軸ケーブルの前記芯線が、前記中心コンタクトの一端に電気的に接続されることを特徴とする請求項2に記載の同軸ケーブル接続構造。
【請求項4】
前記同軸ケーブルの芯線が、前記金属ケースに収納された前記絶縁体に挿入された際に、前記中心コンタクトの一端に電気的に接続されるように前記絶縁体に形成された斜面でガイドされることを特徴とする請求項3に記載の同軸ケーブル接続構造。
【請求項5】
絶縁性のケースをさらに備え、
該絶縁性のケースは、前記金属ケースが収納されるケース本体部と、前記金属ケースの前記収納部の開口を閉塞して前記金属ケースをシールドする金属ケース蓋部が取り付けられたケース蓋部とから構成され、該ケース本体部に該ケース蓋部を被嵌した際に、前記金属ケース蓋部により前記収納部の開口が閉塞されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の同軸ケーブル接続構造。
【請求項6】
前記金属ケースに、前記挿入部とされる一方から同軸ケーブルを導入する第1円筒部が形成されていると共に、前記挿入部とされる他方から同軸ケーブルを導入する第2円筒部が形成されており、前記第1円筒部に複数種類の前記同軸ケーブルのいずれかが導入されると共に、前記第2円筒部に複数種類の前記同軸ケーブルのいずれかが導入され、前記芯線接続部により、前記金属ケースの前記第1円筒部に導入された同軸ケーブルの前記芯線が、前記金属ケースの前記第2円筒部に導入された同軸ケーブルの前記芯線に電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の同軸ケーブル接続構造。
【請求項7】
前記芯線接続部には、前記金属ケースの前記第1円筒部に導入された前記同軸ケーブルの芯線が挟持される第1挟持片が一端に形成されると共に、前記金属ケースの前記第2円筒部に導入された前記同軸ケーブルの芯線が挟持される第2挟持片が他端に形成されて、前記芯線接続部により、前記金属ケースの前記第1円筒部に導入された同軸ケーブルの前記芯線が、前記金属ケースの前記第2円筒部に導入された同軸ケーブルの前記芯線に電気的に接続されることを特徴とする請求項6に記載の同軸ケーブル接続構造。
【請求項8】
絶縁性のケースをさらに備え、
該絶縁性のケースは、前記金属ケースが収納されるケース本体部と、前記金属ケースに被嵌されるケース蓋部とから構成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の同軸ケーブル接続構造。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-09-17 
出願番号 特願2017-170509(P2017-170509)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (H01R)
P 1 651・ 537- YAA (H01R)
最終処分 維持  
前審関与審査官 前田 仁  
特許庁審判長 田村 嘉章
特許庁審判官 小関 峰夫
藤田 和英
登録日 2018-08-31 
登録番号 特許第6391786号(P6391786)
権利者 日本アンテナ株式会社
発明の名称 同軸ケーブル接続構造  
代理人 特許業務法人 クレイア特許事務所  
代理人 浅見 保男  
代理人 谷水 浩一  
代理人 浅見 保男  
代理人 谷水 浩一  
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