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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する B01D
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する B01D
管理番号 1357091
審判番号 訂正2019-390106  
総通号数 241 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-01-31 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2019-09-05 
確定日 2019-11-11 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6502861号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6502861号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔7?24〕について訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6502861号(以下、「本件特許」という。)は、2014年(平成26年) 2月21日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2013年 2月21日、(US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、平成31年 3月29日付けでその特許権の設定登録がされ、同年 4月17日付けで特許掲載公報が発行され、令和 1年 9月 5日付けで本件訂正審判が請求されたものである。

第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項7?24について訂正することを認める、との審決を求めるものである。

第3 訂正の内容
本件訂正審判の訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである(当審注:下線は訂正箇所であり、当審が付与した。)。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項7について、「請求項1?6のいずれか1項に記載の膜」との記載を、「請求項1?4または6のいずれか1項に記載の膜」に訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項8について、「請求項1?6のいずれか1項に記載の膜」との記載を、「請求項1?4または6のいずれか1項に記載の膜」に訂正する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項9について、「請求項1?6または8のいずれか1項に記載の膜」との記載を、「請求項1?4、6、または8のいずれか1項に記載の膜」に訂正する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項10について、「請求項1?6のいずれか1項に記載の膜」との記載を、「請求項1?4または6のいずれか1項に記載の膜」に訂正する。

(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項11について、「請求項1?6または10のいずれか1項に記載の膜」との記載を、「請求項1?4、6または10のいずれか1項に記載の膜」に訂正する。

(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項12について、「請求項1?11のいずれか1項に記載の膜」との記載を、「請求項1?4、6、または10のいずれか1項に記載の膜」に訂正する。

(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項13について、「請求項1?12のいずれか1項に記載の膜」との記載を、「請求項1?4、6、10または12のいずれか1項に記載の膜」に訂正する。

(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項19について、「請求項1?18のいずれか1項に記載の膜」との記載を、「請求項1?4、6、10、12、または13のいずれか1項に記載の膜」に訂正する。

(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項20について、「請求項1?18のいずれか1項に記載の膜」との記載を、「請求項1?4、6、10、12、または13のいずれか1項に記載の膜」に訂正する。

(10)訂正事項10
特許請求の範囲の請求項20において、「R^(5)a」との記載を、「R^(5)^(a)」に訂正する。

(11)訂正事項11
特許請求の範囲の請求項21について、「請求項1?18のいずれか1項に記載の膜」との記載を、「請求項1?4、6、10、12、または13のいずれか1項に記載の膜」に訂正する。

第4 当審の判断
1 一群の請求項について
訂正事項1?11に係る訂正前の請求項7?24について、訂正前の請求項12?24は、請求項7?11の記載をそれぞれ直接又は間接的に引用するものであって、訂正事項1?5によって記載が訂正される請求項7?11に連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項7?24は一群の請求項であるから、本件訂正は特許法第126条第3項の規定に基づき一群の請求項ごとにされたものである。

2 訂正事項1?5について
(1)訂正の目的について
(ア)本件特許の請求項7は、請求項1の「【化94】」で表される構造中の「L」(以下、「L」という。)が「-OQ、-O^(-)、-N^(+)R^(3)HQおよび-NR^(3)Q」から選択される場合において、「Qが水素である」ことの特定を意図することは明らかであるが、その請求項7が引用している請求項1?6のいずれか1項のうちの請求項5は、「Lが-O^(-)である」と特定するものであって、「L」の選択肢に「Q」が含まれないから、「Q」について特定する請求項7との関係において整合しておらず、明瞭でない記載となっている。

(イ)そして、訂正事項1は、「Q」について特定する請求項7において、「L」の選択肢に「Q」が含まれない請求項5への従属を削除して、明瞭な記載とするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(ウ)また、訂正事項2?5も、訂正事項1と同様に、「Q」について特定する請求項8?11において、「L」の選択肢に「Q」が含まれない請求項5への従属をそれぞれ削除して、明瞭な記載とするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(2)新規事項、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項1?5は、請求項7?11において請求項5への従属をそれぞれ削除する訂正であり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「特許明細書等」という。)に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであることは明らかであるので、特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないので、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

(3)独立特許要件について
訂正事項1?5は、いずれも、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、特許法第126条第7項の規定は適用されない。

3 訂正事項6、7について
(1)訂正の目的について
(ア)本件特許の請求項12は、「L」が「-OQ、-O^(-)、-N^(+)R^(3)HQおよび-NR^(3)Q」から選択される場合において、「Q」として
「【化82】

」によって表される構造(以下、「【化82】」という。)が選択され、更に「【化82】」中の「Z」が「-CH_(2)及び-C(=NH)NH-から選択される」ことの特定を意図することは明らかであるが、請求項5は「Lが-O^(-)である」と特定するものであって、「L」の選択肢に「【化82】」が含まれず、このため「Z」も含まれないものである。
また、請求項7は「Qが水素である」と特定し、請求項8は「Qが親水性ポリマーである」と特定し、請求項9は「前記親水性ポリマーが、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンイミン)およびポリアニリン、またはそれらの混合物から選択される少なくとも1つの部分を含む」と特定し、請求項11は
「Qが:
【化84】

から選択される構造を有する」と特定するものであって、いずれも、「L」の選択肢に「【化82】」が含まれず、このため「Z」も含まれないものである。
そうすると、「Z」について特定する請求項12において、請求項1?11のいずれか1項を引用しているもののうち、「L」の選択肢に「Z」が含まれない請求項5、7?9、11のいずれかを引用しているものは、明瞭でない記載となっているものである。

(イ)そして、訂正事項6は、「Z」について特定する請求項12において、「L」の選択肢に「Z」が含まれない請求項5、7?9、11への従属を削除して、明瞭な記載とするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(ウ)また、本件特許の請求項13は、「L」が「-OQ、-O^(-)、-N^(+)R^(3)HQおよび-NR^(3)Q」から選択される場合において、「Q」が「【化82】」から選択され、更に「【化82】」中の「m」が「0である」ことの特定を意図することは明らかであるが、前記(ア)に記載したのと同様の理由により、請求項5、7?9、11においては「L」の選択肢に「m」が含まれないから、「m」について特定する請求項13において、請求項1?12のいずれか1項を引用しているもののうち、「L」の選択肢に「m」が含まれない請求項5、7?9、11のいずれかを引用しているものは、明瞭でない記載となっているものである。

(エ)そして、訂正事項7は、「m」について特定する請求項13において、「L」の選択肢に「m」が含まれない請求項5、7?9、11への従属を削除して、明瞭な記載とするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(2)新規事項、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項6、7は、請求項12、13において、請求項5、7?9、11への従属をそれぞれ削除する訂正であり、特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであることが明らかであるので、特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないので、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

(3)独立特許要件について
訂正事項6、7は、いずれも、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、特許法第126条第7項の規定は適用されない。

4 訂正事項8、9、11について
(1)訂正の目的について
(ア)本件特許の請求項19は、「L」が「-OQ、-O^(-)、-N^(+)R^(3)HQおよび-NR^(3)Q」から選択される場合において、「Q」が「【化82】」から選択され、更に「【化82】」中の「R^(5a)が-CO_(2)^(-)であり、R^(5b)が-NH_(3)^(+)であり、そしてR^(5c)が水素である」ことの特定を意図することは明らかであるが、前記3(1)(ア)に記載したのと同様の理由により、請求項5、7?9及び11は、「L」の選択肢に「R^(5a)」、「R^(5b)」、「R^(5c)」が含まれないものである。
そうすると、「R^(5a)」、「R^(5b)」、「R^(5c)」について特定する請求項19において、請求項1?18のいずれか1項を引用しているもののうち、「L」の選択肢に「R^(5a)」、「R^(5b)」、「R^(5c)」が含まれない請求項5、7?9、11のいずれかを引用しているものは、明瞭でない記載となっているものである。
更に、請求項14?18は、いずれも、「L」の選択肢に「R^(5a)」、「R^(5b)」、「R^(5c)」が含まれない請求項5、7?9、11のいずれかを引用するから、「R^(5a)」、「R^(5b)」、「R^(5c)」について特定する請求項19において、請求項1?18のいずれか1項を引用しているもののうち、請求項14?18を引用しているものは、「L」の選択肢に「R^(5a)」、「R^(5b)」、「R^(5c)」が含まれない請求項5、7?9、11のいずれかを間接的に引用するものとなっているので、明瞭でない記載となっているものである。

(イ)そして、訂正事項8は、「R^(5a)」、「R^(5b)」、「R^(5c)」について特定する請求項19において、「L」の選択肢に「R^(5a)」、「R^(5b)」、「R^(5c)」が含まれない請求項5、7?9及び11への直接的または間接的な従属を削除して、明瞭な記載とするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
更に、訂正事項9、11も、訂正事項8と同様に、「R^(5a)」、「R^(5b)」、「R^(5c)」について特定する請求項20、21において、「L」の選択肢に「R^(5a)」、「R^(5b)」、「R^(5c)」が含まれない請求項5、7?9、11への直接的または間接的な従属を削除して、明瞭な記載とするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(2)新規事項、特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について
訂正事項8、9、11は、請求項19?21において、請求項5、7?9、11、14?18への従属をそれぞれ削除する訂正であり、特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであることが明らかであるので、特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないので、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

(3)独立特許要件について
訂正事項8、9、11は、いずれも、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、特許法第126条第7項の規定は適用されない。

5 訂正事項10について
(1)訂正の目的について
訂正事項10は、本件特許の請求項20の「R^(5)aが-CO_(2)^(-)であり」との記載において、「R^(5)a」の「a」を上付き文字に訂正し、「R^(5a)」とするものであって、請求項20が引用する請求項1では「R^(5)a」ではなく、「R^(5a)」と記載されていることから、請求項20の記載の誤りを訂正するものであり、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。

(2)新規事項、特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について
(ア)願書に最初に添付した外国語書面(以下「当初明細書等」という。)の[0013]には、
「・・・wherein each of R^(5a), R^(5b), and R^(5c) is independently selected from hydrogen, halogen, -CN, -OH,・・・ -CO_(2)^(-),and -CO_(2)R^(11);」
(当審訳:・・・R^(5a)、R^(5b)、およびR^(5c)の各々は、水素、ハロゲン、-CN、-OH、・・・、-CO_(2)^(-)、および-CO_(2)R^(11)から独立して選択される;・・・)と記載されている。
したがって、訂正事項10は、当初明細書等の記載に基づくものであって、当初明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないことは明らかであり、当初明細書等に記載した事項の範囲内のものである。

(イ)また、訂正事項10は、前記(1)のとおり、誤記の訂正を目的とするものであって、訂正前の請求項20の「R^(5)a」という記載は、本件特許明細書との関係で誤りであることが明らかであり、しかも、本件特許明細書の記載全体から、正しい記載が定まるものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(ウ)よって、訂正事項10に係る訂正は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

(4)独立特許要件について
訂正後の請求項20に記載されている事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
したがって、請求項20に係る訂正事項10は、特許法第126条第7項の規定に適合する。

第5 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1?11は、特許法第126条第1項ただし書第2号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5?7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を含むポリマー薄フィルム膜を含む耐汚染ろ過膜であって、前記表面が、化合物の少なくとも1つの残基で修飾され、前記化合物の残基が、式:
【化94】

によって表される構造を有し、
式中、Aは、-C(=O)-および-(SO_(2))-から選択される;
Lは、-OQ、-O^(-)、-N^(+)R^(3)HQおよび-NR^(3)Qから選択される;
ここで、Qは、水素、親水性ポリマー、および式:
【化82】

によって表される構造から選択され、
式中、Zは、-CR^(6a)R^(6b)-、-C(=O)-、-C(=NH)-、および-C(=NH)NR^(7)-から選択される;
mは、0、1、2、3、4、5、6、7、および8から選択される整数である;
R^(1a)およびR^(1b)の各々は水素およびハロゲンから独立して選択される;
R^(2a)およびR^(2b)の各々はハロゲンである;
R^(3)は、存在する場合、水素およびC1?C4アルキルから選択される;
R^(4a)およびR^(4b)の各々は、存在する場合、水素、ハロゲン、-CN、-OH、-NR^(8a)R^(8b)、-NR^(8a)R^(8b)H^(+)、C1?C4アルキル、C1?C4モノハロアルキル、C1?C4ポリハロアルキル、-SO_(3)^(-)、-SO_(3)R^(9)、-CO_(2)^(-)、および-CO_(2)R^(9)から独立して選択される;
R^(5a)、R^(5b)、およびR^(5c)の各々は、水素、ハロゲン、-CN、-OH、-NR^(10a)R^(10b)、-NR^(10a)R^(10b)H^(+)、C1?C4アルキル、C1?C4モノハロアルキル、C1?C4ポリハロアルキル、-SO_(3)^(-)、-SO_(3)R^(11)、-CO_(2)^(-)、および-CO_(2)R^(11)から独立して選択される;
R^(6a)およびR^(6b)の各々は、存在する場合、水素、ハロゲン、-CN、-OH、-NR^(12a)R^(12b)、-NR^(12a)R^(12b)H^(+)、C1?C4アルキル、C1?C4モノハロアルキル、C1?C4ポリハロアルキル、-SO_(3)^(-)、-SO_(3)R^(13)、-CO_(2)^(-)、および-CO_(2)R^(13)から独立して選択される;
R^(7)は、存在する場合、水素およびC1?C4アルキルから選択される;
R^(8a)およびR^(8b)の各々は、存在する場合、水素およびC1?C4アルキルから独立して選択される;
R^(9)は、存在する場合、水素およびC1?C4アルキルから選択される;
R^(10a)およびR^(10b)の各々は、存在する場合、水素およびC1?C4アルキルから独立して選択される;
R^(11)は、存在する場合、水素およびC1?C4アルキルから選択される;
R^(12a)およびR^(12b)の各々は、存在する場合、水素およびC1?C4アルキルから独立して選択される;
R^(13)は、存在する場合、水素およびC1?C4アルキルから選択される;そして
前記残基が、一重項ニトレンを介して前記ポリマー薄フィルム膜の前記表面に結合する、前記耐汚染ろ過膜。
【請求項2】
前記膜が逆浸透膜である、請求項1に記載の膜。
【請求項3】
前記膜が少なくとも1つのポリアミドを含む、請求項1または2に記載の膜。
【請求項4】
前記ポリアミドが芳香族である、請求項3に記載の膜。
【請求項5】
Lが-O^(-)である、請求項1?4のいずれか1項に記載の膜。
【請求項6】
Lが-OQおよび-NR^(3)Qから選択される、請求項1?4のいずれか1項に記載の膜。
【請求項7】
Qが水素である、請求項1?4または6のいずれか1項に記載の膜。
【請求項8】
Qが親水性ポリマーである、請求項1?4または6のいずれか1項に記載の膜。
【請求項9】
前記親水性ポリマーが、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンイミン)およびポリアニリン、またはそれらの混合物から選択される少なくとも1つの部分を含む、請求項1?4、6、または8のいずれか1項に記載の膜。
【請求項10】
Qが、式:
【化83】

によって表される構造を有する、請求項1?4または6のいずれか1項に記載の膜。
【請求項11】
Qが:
【化84】

から選択される構造を有する、請求項1?4、6または10のいずれか1項に記載の膜。
【請求項12】
Zが、-CH_(2)および-C(=NH)NH-から選択される、請求項1?4、6、または10のいずれか1項に記載の膜。
【請求項13】
mが0である、請求項1?4、6、10、または12のいずれか1項に記載の膜。
【請求項14】
R^(1a)およびR^(1b)の各々が水素である、請求項1?13のいずれか1項に記載の膜。
【請求項15】
R^(1a)およびR^(1b)の各々がハロゲンである、請求項1?13のいずれか1項に記載の膜。
【請求項16】
R^(1a)がハロゲンであり、R^(1b)が水素である、請求項1?13のいずれか1項に記載の膜。
【請求項17】
前記ハロゲンが-Fおよび-Clから選択される、請求項1?13、15、または16のいずれか1項に記載の膜。
【請求項18】
前記ハロゲンが-Fである、請求項1?13または15?17のいずれか1項に記載の膜。
【請求項19】
R^(5a)が-CO_(2)^(-)であり、R^(5b)が-NH_(3)^(+)であり、そしてR^(5c)が水素である、請求項1?4、6、10、12、または13のいずれか1項に記載の膜。
【請求項20】
R^(5)^(a)が-CO_(2)^(-)であり、そしてR^(5b)およびR^(5c)の各々が水素である、請求項1?4、6、10、12、または13のいずれか1項に記載の膜。
【請求項21】
R^(5a)が-NH_(3)^(+)であり、そしてR^(5b)およびR^(5c)の各々が水素である、請求項1?4、6、10、12、または13のいずれか1項に記載の膜。
【請求項22】
前記膜が少なくとも約90%の脱塩を少なくとも約4時間示す、請求項1?21に記載の膜。
【請求項23】
化合物の前記残基が抗菌剤を含む、請求項1?22に記載の膜。
【請求項24】
前記膜が、汚染耐性、親水性、表面電荷、および粗度から選択される少なくとも1つの特性で改善を示す、請求項1?23に記載の膜。
【請求項25】
表面を含む薄フィルム膜を修飾する方法であって、前記表面を化合物の少なくとも1つの残基と結合させるステップを含み、前記化合物の残基が、式:
【化95】

によって表される構造を有し、
式中、Aは-C(=O)-および-(SO_(2))-から選択される;
Lは、-OQ、-O^(-)、-N^(+)R^(3)HQおよび-NR^(3)Qから選択される;
Qは、水素、親水性ポリマー、および式:
【化86】

によって表される構造から選択され、
式中、Zは、-CR^(6a)R^(6b)-、-C(=O)-、-C(=NH)-、および-C(=NH)NR^(7)-から選択される;
mは、0、1、2、3、4、5、6、7、および8から選択される整数である;
R^(1a)およびR^(1b)の各々は水素およびハロゲンから独立して選択される;
R^(2a)およびR^(2b)の各々はハロゲンである;
R^(3)は、存在する場合、水素およびC1?C4アルキルから選択される:
R^(4a)およびR^(4b)の各々は、存在する場合、水素、ハロゲン、-CN、-OH、-NR^(8a)R^(8b)、-NR^(8a)R^(8b)H^(+)、C1?C4アルキル、C1?C4モノハロアルキル、C1?C4ポリハロアルキル、-SO_(3)^(-)、-SQ_(3)R^(9)、-CO_(2)^(-)、および-CO_(2)R^(9)から独立して選択される;
R^(5a)、R^(5b)、およびR^(5c)の各々は、水素、ハロゲン、-CN、-OH、-NR^(10a)R^(10b)、-NR^(10a)R^(10b)H^(+)、C1?C4アルキル、C1?C4モノハロアルキル、C1?C4ポリハロアルキル、-SO_(3)^(-)、-SO_(3)R^(11)、-CO_(2)^(-)、および-CO_(2)R^(11)から独立して選択される;
R^(6a)およびR^(6b)の各々は、存在する場合、水素、ハロゲン、-CN、-OH、-NR^(12a)R^(12b)、-NR^(12a)R^(12b)H^(+)、C1?C4アルキル、C1?C4モノハロアルキル、C1?C4ポリハロアルキル、-SO_(3)^(-)、-SO_(3)R^(13)、-CO_(2)^(-)、および-CO_(2)R^(13)から独立して選択される;
R^(7)は、存在する場合、水素およびC1?C4アルキルから選択される;
R^(8a)およびR^(8b)の各々は、存在する場合、水素およびC1?C4アルキルから独立して選択される;
R^(9)は、存在する場合、水素およびC1?C4アルキルから選択される;
R^(10a)およびR^(10b)の各々は、存在する場合、水素およびC1?C4アルキルから独立して選択される;
R^(11)は、存在する場合、水素およびC1?C4アルキルから選択される;
R^(12a)およびR^(12b)の各々は、存在する場合、水素およびC1?C4アルキルから独立して選択される;
R^(13)は、存在する場合、水素およびC1?C4アルキルから選択される;そして
前記残基が、一重項ニトレンを介して前記薄フィルム膜の前記表面に結合する、前記方法。
【請求項26】
前記膜が逆浸透膜である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記膜が少なくとも1つのポリアミドを含む、請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
前記ポリアミドが芳香族である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記膜が、汚染耐性、親水性、表面電荷、および粗度から選択される少なくとも1つの特性において改善を示す、請求項25?28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
表面を含む薄フィルム膜を修飾する方法であって、前記表面を、一重項ニトレンを含む化合物の少なくとも1つの残基と結合させ、それによって汚染耐性、表面電荷、親水性、脱塩、および粗度から選択される少なくとも1つの特性を改善するステップを含み、
前記化合物の残基が式:
【化96】

によって表される構造を有し、
式中、Aは、-C(=O)-および-(SO_(2))-から選択される;
Lは、-OQ、-O^(-)、-N^(+)R^(3)HQおよび-NR^(3)Qから選択される;
Qは、水素、親水性ポリマー、および式:
【化88】

によって表される構造から選択され、
式中、Zは、-CR^(6a)R^(6b)-、-C(=O)、-C(=NH)-、および-C(=NH)NR^(7)-から選択される;
mは、0、1、2、3、4、5、6、7、および8から選択される整数である;
R^(1a)およびR^(1b)の各々はハロゲンである;
R^(2a)およびR^(2b)の各々はハロゲンである;
R^(3)は、存在する場合、水素およびC1?C4アルキルから選択される;
R^(4a)およびR^(4b)の各々は、存在する場合、水素、ハロゲン、-CN、-OH、-NR^(8a)R^(8b)、-NR^(8a)R^(8b) H^(+)、C1?C4アルキル、C1?C4モノハロアルキル、C1?C4ポリハロアルキル、-SO_(3)^(-)、-SO_(3)R^(9)、-CO_(2)^(-)、および-CO_(2)R^(9)から独立して選択される;
R^(5a)、R^(5b)、およびR^(5c)の各々は、水素、ハロゲン、-CN、-OH、-NR^(10a)R^(10b)、-NR^(10a)R^(10b)H^(+)、C1?C4アルキル、C1?C4モノハロアルキル、C1?C4ポリハロアルキル、-SO_(3)^(-)、-SO_(3)R^(11)_(、)-CO_(2)^(-)、および-CO_(2)R^(11)から独立して選択される;
R^(6a)およびR^(6b)の各々は、存在する場合、水素、ハロゲン、-CN、-OH、-NR^(12a)R^(12b)、-NR^(12a)R^(12b)H^(+)、C1?C4アルキル、C1?C4モノハロアルキル、C1?C4ポリハロアルキル、-SO_(3)^(-)_(、)-SO_(3)R^(13)、-CO_(2)^(-)、および-CO_(2)R^(13)から独立して選択される;
R^(7)は、存在する場合、水素およびC1?C4アルキルから選択される;
R^(8a)およびR^(8b)の各々は、存在する場合、水素およびC1?C4アルキルから独立して選択される;
R^(9)は、存在する場合、水素およびC1?C4アルキルから選択される;
R^(10a)およびR^(10b)の各々は、存在する場合、水素およびC1?C4アルキルから独立して選択される;
R^(11)は、存在する場合、水素およびC1?C4アルキルから選択される;
R^(12a)およびR^(12b)の各々は、存在する場合、水素およびC1?C4アルキルから独立して選択される;そして
R^(13)は、存在する場合、水素およびC1?C4アルキルから選択される;そして
前記残基が、一重項ニトレンを介して前記薄フィルム膜の前記表面に結合する、前記方法。
【請求項31】
前記表面が、-NH-残基および-C=C-残基のうちの少なくとも1つを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
結合が、一重項ニトレン挿入を含む、請求項30または31に記載の方法。
【請求項33】
結合が、前記膜を化合物の少なくとも1つの残基でコーティングすることを含む、請求項30または31に記載の方法。
【請求項34】
コーティングがディップコーティングを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
コーティングがスプレーコーティングを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
結合が、前記膜を熱源に暴露することを含む、請求項30または31に記載の方法。
【請求項37】
前記熱源が少なくとも約100℃の温度を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
結合が、前記膜を光源に暴露することを含む、請求項30または31に記載の方法。
【請求項39】
前記光源がUV光を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記光源が200nm?370nmの範囲内のUV光を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
結合が前記膜を化合物の少なくとも1つの残基でコーティングし、前記膜を光源に暴露することを含む、請求項30または31に記載の方法。
【請求項42】
結合が共有結合による修飾を含む、請求項30または31に記載の方法。
【請求項43】
結合が光化学的修飾を含む、請求項30または31に記載の方法。
【請求項44】
化合物の前記少なくとも1つの残基が水溶性である、請求項30?43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記一重項ニトレンがアジドの活性化により形成される、請求項30?44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
活性化が光活性化である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
光活性化が前記アジドを光源に暴露することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記光源がUV光を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記光源が200nm?370nmの範囲内のUV光を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記少なくとも1つの特性が汚染耐性である、請求項30?49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記少なくとも1つの特性が親水性である、請求項30?49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
水の精製法であって:
(a)請求項1に記載の膜、または請求項25もしくは30に記載の方法にしたがって修飾された膜であって、第1面と第2面とを有する膜を提供し;
(b)第1圧力で第1塩濃度を有する第1体積の第1溶液と前記膜の前記第1面とを接触させ;そして
(c)第2圧力で第2塩濃度を有する第2体積の第2溶液と前記膜の前記第2面とを接触させることを含み;
前記第1溶液が前記膜を通して前記第2溶液と流体連通し、
前記第1塩濃度が前記第2塩濃度よりも高く、それにより前記膜を越えて浸透圧が形成され、そして
前記第1圧力が、前記浸透圧を越えるために前記第2圧力よりも充分に高く、それによって前記第2体積が増加し、前記第1体積が減少する、前記方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2019-10-17 
結審通知日 2019-10-21 
審決日 2019-11-01 
出願番号 特願2015-559007(P2015-559007)
審決分類 P 1 41・ 852- Y (B01D)
P 1 41・ 853- Y (B01D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 岡田 三恵  
特許庁審判長 菊地 則義
特許庁審判官 小川 進
金 公彦
登録日 2019-03-29 
登録番号 特許第6502861号(P6502861)
発明の名称 汎用拡張性高費用効率表面修飾  
代理人 山本 秀策  
代理人 森下 夏樹  
代理人 森下 夏樹  
代理人 山本 秀策  

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