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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  H05K
審判 全部申し立て 発明同一  H05K
審判 全部申し立て 2項進歩性  H05K
管理番号 1358619
異議申立番号 異議2019-700228  
総通号数 242 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-02-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-03-25 
確定日 2019-11-29 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6396817号発明「窒化珪素質基板およびこれを備える回路基板ならびに電子装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6396817号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-7〕について訂正することを認める。 特許第6396817号の請求項1ないし4、6ないし7に係る特許を維持する。 同請求項5に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯

特許第6396817号の請求項1ないし7に係る特許についての出願は、平成27年1月29日(優先権主張 平成26年1月30日)に出願され、平成30年9月7日にその特許権の設定登録がされ、同年9月26日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、平成31年3月25日に特許異議申立人小池修により特許異議の申立てがされ、当審は、令和1年6月11日に取消理由を通知した。特許権者は、その指定期間内である同年8月13日に意見書の提出及び訂正の請求を行い、その訂正の請求に対して、特許異議申立人は、同年10月17日に意見書を提出した。

第2 訂正の適否

1.訂正の内容

令和1年8月13日付けの訂正請求(以下、「本件訂正請求」という。)による訂正の内容は、以下の訂正事項のとおりである。なお、下線は訂正部分を示す。

(1)訂正事項1

特許請求の範囲の請求項1を、「白点」に「空隙である」という限定を付して、
「主面に回路部材が設けられる窒化珪素質基板であって、円相当径が2μm以上30μm以下の大きさの空隙である白点が前記主面の1mm^(2)当たりに50個以上200個以下存在することを特徴とする窒化珪素質基板。」に訂正する(訂正後の請求項1を直接的または間接的に引用する請求項2?4、6、7も同時に訂正する)。

(2)訂正事項2

特許請求の範囲の請求項5を削除する。

(3)訂正事項3

特許請求の範囲の請求項6に「請求項1乃至請求項5のいずれかに記載」とあるのを、「請求項1乃至請求項4のいずれかに記載」と訂正する。

2.訂正の適否についての判断

(1)一群の請求項について

訂正前の請求項1ないし7は、請求項2ないし7が、訂正の対象である請求項1を直接又は間接的に引用する関係にあるから、一群の請求項であり、これら訂正前の請求項1ないし7に対応する訂正後の請求項1ないし4、6ないし7も一群の請求項である。

したがって、本件訂正請求は、一群の請求項ごとにされたものであるから、特許法第120条の5第4項の規定に適合する。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否

ア.訂正事項1について

訂正事項1は、訂正前の請求項1に係る発明における、「白点」について、「空隙である」ことの限定を付加するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
そして、本件特許明細書の例えば段落【0006】には、「この粒界に発生する空隙は、窒化珪素質基板の主面を100倍に拡大すると白点として見えることから、以下において、空隙を白点と記載する場合がある。」と記載されていることから、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるといえ、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。
また、訂正事項1は上述のとおり、訂正前の請求項1に係る発明における、「白点」について限定を付加することによって特許請求の範囲を減縮するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。

イ 訂正事項2について

訂正事項2は、請求項5を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。また、訂正事項2は、請求項5を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

ウ 訂正事項3について

訂正事項3は、訂正前の請求項6が請求項1ないし5を引用する記載であったものを、請求項5の引用を削除し、請求項1ないし4のみを引用する記載として引用請求項を減少させたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
そして、訂正事項3は上述のとおり、引用する請求項の一部を削除したものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

(3)特許出願の際に独立して特許を受けることができること

訂正事項1?3については、「特許請求の範囲の減縮」を目的するものであるが、本件においては、訂正前の請求項1ないし7の全請求項について特許異議の申立てがなされているので、訂正前の請求項1ないし7に係る訂正事項1?3に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。

3.訂正の適否についてのむすび

以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
よって、訂正後の請求項〔1-7〕について訂正することを認める。

第3 当審の判断

1.本件発明

本件訂正請求により訂正された請求項1ないし7に係る発明(以下「本件発明1ないし7」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された次の事項により特定されるとおりのものである(なお、下線は訂正された箇所を示す。)。

「【請求項1】
主面に回路部材が設けられる窒化珪素質基板であって、円相当径が2μm以上30μm以下の大きさの空隙である白点が前記主面の1mm^(2)当たりに50個以上200個以下存在することを特徴とする窒化珪素質基板。
【請求項2】
隣り合う前記白点間の距離の平均値が4μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の窒化珪素質基板。
【請求項3】
前記白点は、凹凸度が1.1以上2.9以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の窒化珪素質基板。
【請求項4】
前記白点は、円形度が0.7以上0.9以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の窒化珪素質基板。
【請求項5】
(削除)
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の窒化珪素質基板の前記主面に前記回路部材を備えていることを特徴とする回路基板。
【請求項7】
請求項6に記載の回路基板における前記回路部材上に電子部品を搭載してなることを特徴とする電子装置。」

2.取消理由通知に記載した取消理由について

(1)取消理由の概要

当審が令和1年6月11日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は次のとおりである。
本件特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。



ア.請求項1ないし7に係る特許は、「白点」が「空隙」であることが反映されていないため課題解決手段が適切に反映されているとは認められない。
イ.請求項5ないし7に係る特許は、請求項5に記載された発明特定事項と、請求項5が直接又は間接的に引用する請求項1に記載された発明特定事項とを共に満たす発明が発明の詳細な説明に記載されているとはいえない。

(2)当審の判断

上記(1)の「ア」については、訂正事項1により本件発明1の「白点」が「空隙である」ことが特定され、本件発明1?4、6及び7に係る特許は、課題解決手段が適切に反映された。
また、上記(1)の「イ」については、訂正事項2により請求項5が削除され、また、訂正事項3により補正前の請求項5を引用する請求項もなくなったことにより、本件発明6及び7に係る特許は、発明の詳細な説明に記載されたものとなった。
したがって、当審による取消理由で指摘した不備な点は解消され、請求項1ないし4、6ないし7に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものではない。

3.取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由等について

(1)申立理由の概要

ア.特許法第29条第2項

訂正前の請求項1、2、6及び7に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に基づいて、又は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、訂正前の請求項1、2、6及び7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
訂正前の請求項3及び4に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第3号証に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、訂正前の請求項3及び4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
訂正前の請求項5に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第3号証ないし甲第5号証に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、訂正前の請求項5に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

イ.特許法第29条の2

訂正前の請求項1、2、6及び7に係る発明は、甲第6号証(特願2012-222253号(特開2014-73937号公報))に記載された発明と同一であるから、訂正前の請求項1、2、6及び7に係る特許は、特許法第29条の2の規定に違反してされたものである。

ウ.特許法第36条第6項第1号
(ア)訂正前の請求項1は、「円相当径が2μm以上30μm以下の大きさの白点が前記主面の1mm^(2)当たりに50個以上200個以下存在する」ことが特定されている。
一方、発明の詳細な説明によれば、円相当径が2μm以上30μm以下の大きさの白点の個数を測定するにあたり、主面を鏡面に研磨加工した面を測定面としている。しかも、窒化珪素質焼結体については、研磨により、研磨面の粒子が脱落し、空隙が生じたり、空隙の円相当径が増大したりすることが知られている。したがって、発明の詳細な説明には研磨等が行われていない状態の白点の個数については記載されいるとはいえない。
しかるところ、訂正前の請求項1?7に係る発明は、研磨等が行われていない状態の「窒化珪素室基板」であるから、発明の詳細な説明に記載されたものでない。
(イ)訂正前の請求項2は、「隣り合う前記白点間の距離の平均値が4μm以上であること」が特定されている。
一方、発明の詳細な説明によれば、隣り合う前記白点間の距離の平均値は、白点の個数の測定と同様に撮影した画像を用いて、すなわち、主面を鏡面に研磨加工した面を測定面として得られるものである。
したがって、上記(ア)と同様の理由により、訂正前の請求項2?7に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものでない。
(ウ)訂正前の請求項3は、「前記白点は、凹凸度が1.1以上2.9以下であること」が特定されている。
一方、発明の詳細な説明によれば、白点の凹凸度は、白点の個数の測定と同様に撮影した画像を用いて、すなわち、主面を鏡面に研磨加工した面を測定面として得られるものである。
したがって、上記(ア)と同様の理由により、訂正前の請求項3?7に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものでない。
(エ)訂正前の請求項4は、「前記白点は、円形度が0.7以上0.9以下であること」が特定されている。
一方、発明の詳細な説明によれば、白点の円経度は、白点の個数の測定と同様に撮影した画像を用いて、すなわち、主面を鏡面に研磨加工した面を測定面として得られるものである。
したがって、上記(ア)と同様の理由により、訂正前の請求項4?7に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものでない。

エ.特許法第36条第6項第2号
訂正前の請求項1ないし7に係る発明の「白点」は、空隙である白点を指すのか、カルシウムを含んでなる白点を指すのか、又はその両方を指すのか、明確でない。

[証拠]
甲第1号証:特開2013-203633号公報
甲第2号証:特開2002-171037号公報
甲第3号証:特開2009-170930号公報
甲第4号証:特開2010-208898号公報
甲第5号証:特開平11-35308号公報
甲第6号証:特開2014-73937号公報

(2)甲第1号証、甲第2号証及び甲第6号証の記載について(下線は当審で付与した。)

ア.甲第1号証

甲第1号証には、「基板」について、図面とともに以下の各記載がある。

(ア)「【0048】
また、本実施形態の窒化珪素質焼結体によれば、カルシウムを含んでなる白状斑点が粒界相に存在していることが好ましい。このように、カルシウムを含んでなる白状斑点が粒界相に存在しているときには、窒化珪素質焼結体の熱伝導率を向上させることができるため、放熱特性を向上させることができる。ここで、粒界相に存在する白状斑点は、光学顕微鏡を用いて50倍以上100倍以下の倍率において暗視野で観察することにより、確認することができる。
【0049】
また、白状斑点がカルシウムを含んでいるか否かについては、X線マイクロアナライザーを用いて確認することができる。具体的には、光学顕微鏡を用いて白状斑点を観察した領域と同じ領域に、X線マイクロアナライザーを用いて電子線を照射し、この領域から発生するカルシウム固有の波長およびこの波長の強度の情報をX-Y座標に記録したマッピングと、光学顕微鏡で観察した白状斑点の位置とを照合することにより確認することができる。なお、X線マイクロアナライザーを用いた確認において、マグネシウム,希土類元素およびアルミニウムは、白状斑点の位置における存在量は少ないものである。
【0050】
また、本実施形態の窒化珪素質焼結体によれば、円相当径が2μm以上50μm以下のカルシウムを含んでなる白状斑点が、1mm^(2)当たり550個以上1650個以下存在していることが好適である。円相当径が2μm以上50μm以下のカルシウムを含んでなる白状斑点が、1mm^(2)当たり550個以上1650個以下存在しているときには、絶縁耐力が高く、放熱特性を向上させた窒化珪素質焼結体とすることができる。
【0051】
ここで、円相当径が2μm以上50μm以下の白状斑点の1mm^(2)当たりの個数は、光学顕微鏡を用いて100倍の倍率で、例えば、面積が1.125mm^(2)(横方向の長さが1.238mm、縦方向の長さが0.909mm)となる範囲をCCDカメラで撮影した画像を取り込み、画像解析ソフト「A像くん」(登録商標、旭化成エンジニアリング(株)製)による粒子解析という手法で解析すればよい。ここで、この手法の設定条件としては、例えば、明度を暗、2値化の方法を手動、小図形除去面積を5μm2、画像の明暗を示す指標であるしきい値を、画像内の各点(各ピクセル)が有する明るさを示すヒストグラムのピーク値の0.8倍以上2倍以下とする。」

(イ)「【0060】
図2に示す例の回路基板10は、本実施形態の窒化珪素質焼結体からなる支持基板11の第1主面側に回路部材12a,12bが、第1主面に対向する第2主面側に放熱部材13が設けられてなる回路基板10であり、支持基板11と回路部材12a,12bおよび放熱部材13とは、それぞれ接合層14a,14bを介して接合されている。
【0061】
このような回路基板10は、絶縁耐力が高く、優れた放熱特性および機械的特性を有する本実施形態の窒化珪素質焼結体からなる支持基板11を用いているので、信頼性の高い回路基板10とすることができる。」

(ウ)「【0072】
図3に示す例の電子装置Sは、本実施形態の回路基板10の回路部材12上に1つ以上の半導体素子等の電子部品16,17が搭載されたものであり、これらの電子部品16,17同士は導体(図示しない)によって互いに電気的に接続されている。なお、回路部材12および放熱部材13は、それぞれ接合層14a,14bとの間に銅材15a,15bを介して接合されている。本実施形態の電子装置Sによれば、本実施形態の回路基板10における回路部材12上に電子部品16,17を搭載したことから、電子部品16,17が発熱を繰り返しても、支持基板11と、回路部材12および放熱部材13とが容易に剥離しないので、耐久性の高い電子装置Sとすることができる。」

(エ)「【0086】
また、カルシウムを含んでなる白状斑点が粒界相に存在している本実施形態の窒化珪素質焼結体を得るには、窒化珪素の粉末および添加成分を構成する上記各粉末に、酸化カルシウムの粉末を、例えば、0.25質量%以上0.6質量%以下添加して、混合装置を用いて、水とともに湿式混合し、粉砕してスラリーを作製すればよい。そして、スラリーを作製した後は、上述した方法と同じ方法で作製することにより、カルシウムを含んでなる白状斑点が粒界相に存在している窒化珪素質焼結体を得ることができる。」

(オ)「【0093】
まず、β化率が10%(即ち、α化率が90%)である窒化珪素の粉末と、添加成分として酸化マグネシウム(MgO),表1に示す希土類元素の酸化物および酸化アルミニウム(Al_(2)O_(3))の各粉末とを用いて、表1に示す含有量となるように秤量し、回転ミルを用いて湿式混合し、粒径(D90)が1μm以下となるまで粉砕してスラリーとした。
【0094】
次に、得られたスラリーに有機バインダを加えた後、ASTM E 11-61に記載されている粒度番号が250のメッシュの篩いに通した後に噴霧乾燥機を用いて乾燥させることによって、窒化珪素質顆粒を得た。そして、粉末圧延法を用いて、窒化珪素質顆粒をシート状に成形してセラミックグリーンシートとし、このセラミックグリーンシートを所定の長さに切断し、平板状の窒化珪素質成形体を得た。
【0095】
次に、得られた窒化珪素質成形体を相対密度が75%である窒化珪素質焼結体からなるこう鉢の内部に入れた。なお、このとき、酸化マグネシウムおよび希土類元素の酸化物等の成分を含んだ共材を、窒化珪素質成形体の各質量の合計に対して6質量%の量で窒化珪素質成形体の周囲に配置した状態で、黒鉛抵抗発熱体が設置された焼成炉内に入れて焼成した。
【0096】
焼成条件については、室温から500℃までは真空雰囲気中にて昇温し、その後、窒素ガスを導入して、窒素分圧を100kPaに維持した。そして、焼成炉内の温度を上げて1580℃で4時間保持した後、さらに温度を上げて1750℃として、5時間保持した。そして、表1に示す降温速度で冷却することによって、長さが60mm,幅が30mm,厚みが0.32mmの窒化珪素質焼結体である試料No.1?44を得た。」

上記記載(特に段落【0050】及び【0060】)によれば、甲第1号証には次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。

「主面に回路部材が設けられる窒化珪素質焼結体からなる支持基板であって、円相当径が2μm以上50μm以下のカルシウムを含んでなる白状斑点が1mm^(2)当たり550個以上1650個以下存在する基板」

イ.甲第2号証

甲第2号証には、「セラミックス回路基板」について、図面とともに以下の各記載がある。

「【0022】本発明の回路基板のセラミックス基板を構成する材料は、・・・(中略)・・・、窒化けい素(Si_(3)N_(4)),窒化アルミニウム(AlN)などの窒化物系セラミックス焼結体、などが使用できる。特に窒化けい素(Si_(3)N_(4))は・・・(中略)・・・、本発明のセラミックス回路基板の構成材料として好適である。」

「【0037】また焼結体の気孔率は熱伝導率および強度に大きく影響するため2.5%以下となるように製造する。気孔率が2.5%を超えると熱伝導の妨げとなり、焼結体の熱伝導率が低下するとともに、焼結体の強度低下が起こる。」

「【0095】図1?3はそれぞれ上記のように調製したセラミックス回路基板11としての窒化けい素回路基板の構成の一例を示す平面図、断面図および底面図である。すなわち上記実施例および比較例に係る窒化けい素回路基板11は、セラミックス基板12としての窒化けい素基板の表面にろう材層15を介して所定厚さの金属回路部13としての銅回路板またはAl回路板が一体に接合されている一方、窒化けい素基板12の裏面にろう材層15を介して厚さ0.25mmの裏金属板14としての裏銅板または裏Al板が一体に接合されて構成される。」

したがって、甲第2号証には、「回路板が接合されるセラミックス基板12としての窒化けい素板を構成する焼結体において気孔率を2.5%以下とする」技術事項が記載されている。

ウ.甲第6号証

甲第6号証は、本件特許に係る出願日前の特許出願の願書に最初に添付した明細書等を示すものである。
そして、甲第6号証には、「セラミックス基板」について、図面とともに以下の各記載がある。

(ア)「【0002】
近年、・・・(中略)・・・セラミックス基板に能動素子を実装した種々のセラミックス回路基板(以下、単に回路基板とも記す)が用いられている。・・・(中略)・・・窒化アルミニウム、窒化珪素といった窒化物材が回路基板用のセラミックス基板として使用されている。特に強度・靭性に優れた窒化珪素基板は、高熱伝導化が達成できつつあることから、窒化アルミニウムやアルミナの代替材として今後の需要拡大が注目されている。
【0003】
前記セラミックス回路基板は、一般にセラミックス基板の一方の面に電気回路となる金属回路板を接合し、他方の面に放熱用の金属放熱板を接合した構造で使用される。・・・(以下略)・・・」

(イ)「【0011】
本願第1の発明の窒化珪素焼結体は、窒化珪素結晶粒子、粒界相および空孔を有する窒化珪素焼結体であって、該焼結体の断面研磨面において、円相当径0.5μm以上の空孔の空孔率0.1?4%であり、前記空孔が実際の空孔形状における外周間の最短距離3μm以下で隣接してなる空孔群を含む直径8?30μmの最小内接円として規定される空孔集合体を含むことを特徴とする。」

(ウ)「【0028】
・・・(中略)・・・特に円相当径5μm超の粗大な空孔は実質的に他の空孔と空孔集合体を形成しにくい。」

(エ)「【0034】
(実施例1?11)
前述の窒化珪素焼結体の製造方法および評価方法にしたがって表1、表2に示す出発原料、混合、成形および焼成条件により窒化珪素焼結体を作製し、空孔の面積を画像解析により計測した。各ロットの出発原料の原料粉の総量は、それぞれ10kgとした。スラリーの混練ロット数を2以上とし、成形速度600(mm/min.)以下とし、成形体の乾燥速度を0.8(wt%/min.)以下とすることでHIP処理を含まない製造プロセスにより、表3に示す焼結体を得ることができた。空孔割合0.1?4%であっても十分な絶縁破壊の強さを有する厚さ0.15?0.25mmの窒化珪素基板を得ることができた。
【0035】
(比較例1)
混練ロット数を1としてスラリーを作製したため粗大な空孔が焼結体内に均一に分散し、空孔集合体が形成されずに本発明の焼結体は得られなかった。厚さ0.25mmの窒化珪素基板の絶縁破壊の強さは不十分であった。」

・上記(エ)によれば、比較例1として、粗大な空孔が焼結体内に均一に分散した窒化珪素焼結体が記載されている。そして、上記(ウ)によれば、粗大な空孔とは、円相当径5μm超のものである。また、表3から、比較例1は空孔割合が4%であることが看取できる。
したがって、甲第6号証には、円相当径5μm超の粗大な空孔が均一に分散し、空孔割合が4%である、窒化珪素焼結体が記載されている。
・上記(ア)によれば、甲第6号証に記載される窒化珪素焼結体は、回路基板用のセラミック基板として用いることが記載され、さらに、セラミック回路基板は、一般に、セラミックス基板の一方の面に電気回路となる金属回路板を接合されることが記載されている。

以上から、甲第6号証には、比較例1として、次の発明(以下、「第6発明」という。)が記載されていると認められる。

「一方の面に電気回路となる金属回路板が接合される窒化珪素焼結体からなるセラミック基板であって、前記窒化珪素焼結体は、円相当径5μm超の粗大な空孔が均一に分散し、空孔割合が4%である、セラミック基板。」

(3)当審の判断

ア.特許法第29条第2項について

(ア)本件発明1について

a.対比

本件発明1と甲1発明とを対比すると、甲1発明の「主面に回路部材が設けられる窒化珪素質焼結体からなる支持基板」は、本件発明1の「主面に回路部材が設けられる窒化珪素質基板」に相当する。

そうすると、本件発明1と甲1発明とは、
「主面に回路部材が設けられる窒化珪素質基板」
である点で一致し、次の点で相違する。

[相違点1]
本件発明1では、「円相当径が2μm以上30μm以下の大きさの空隙である白点が前記主面の1mm^(2)当たりに50個以上200個以下存在する」旨特定されているのに対し、甲1発明ではその旨特定されていない点。

b.判断

まず、甲1発明における「カルシウムを含んでなる白状斑点」について、甲第1号証の段落【0048】には、これが粒界相に存在しているときには、窒化珪素質焼結体の熱伝導率を向上させることができるため、放熱特性を向上させることができることが説明されている。しかるところ、空隙は一般的に熱伝導率を低下させるから、「カルシウムを含んでなる白状斑点」は、本件発明1でいう「空隙である白点」とは全く異質なものであり、これを「空隙である白点」とすることは想到し得ないことである。

さらに、上記「3.(2)イ.」のとおり、甲第2号証は、回路板が接合されるセラミックス基板12としての窒化けい素板を構成する焼結体において気孔率を2.5%以下とする技術事項が記載されているものの、円相当径が2μm以上30μm以下の大きさの空隙である白点が前記主面の1mm^(2)当たりに50個以上200個以下存在することについて記載も示唆もしていない。
したがって、甲1発明において、甲第2号証に記載された技術事項を適用して白状斑点とは別に気孔率2.5%以下となるように気孔を設けたとしても、その気孔について上記相違点1に係る構成を採用することは当業者が容易になし得たことではない。

よって、本件発明1は、甲1発明及び甲第2号証に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

この点について、特許異議申立人の主張によれば、本件発明1の「円相当径が2μm以上30μm以下の大きさの空隙である白点が前記主面の1mm^(2)当たりに50個以上200個以下存在する」ことから、空隙の割合を算出すると0.157?14.13%であり、上記甲第2号証の気孔率(2.5%以下)の数値範囲と重複しているところ、甲第1号証に記載された発明において、甲第2号証に記載されている気孔率の範囲内とするために、「円相当径が2μm以上30μm以下の大きさの空隙である白点が前記主面の1mm^(2)当たりに50個以上200個以下存在する」ようにすることは設計事項に過ぎないとのことである。
しかしながら、仮に気孔率を2.5%以下とすることが当業者にとって容易になし得たことであるとしても、その際に採りうる空孔の円相当径と1mm^(2)当たりの個数との組合せは無数にある。
しかも、本件特許明細書の段落【0023】によれば、「白点の円相当径が2μm未満であったり、主面の1mm^(2)当たりにおける白点の個数が50個未満では、回路部材2を構成する金属成分が白点に浸入する量が少なく、得られるアンカー効果が小さいため、接合強度が低下する」ものであり、「白点の円相当径が30μmを超えるときには、白点として見える空隙の深さが深いものとなりやすく、金属成分が多く浸入しやすくなるため絶縁耐力が低下することとなる」ほか、「主面の1mm^(2)当たりにおける白点の個数が200個を超えるときにも、金属成分が多く浸入しやすくなるため、絶縁耐力が低下して絶縁破壊を起こしやすくなる」とのことであるから、「円相当径が2μm以上30μm以下の大きさの空隙である白点が前記主面の1mm^(2)当たりに50個以上200個以下存在する」ようにすることにより、甲第2号証に記載された技術事項に比べて優位な技術的意義が認められる。
したがって、「円相当径が2μm以上30μm以下の大きさの空隙である白点が前記主面の1mm^(2)当たりに50個以上200個以下存在する」ようにすることについて設計事項であるということはできない。
よって、特許異議申立人の意見は採用できない。

(イ)本件発明2?4、6、7について

本件発明2?4、6及び7は、本件発明1の発明特定事項をすべて含みさらに他の発明特定事項を追加して限定したものであるから、本件発明1が当業者にとって容易に発明をすることができたものでない以上、本件発明2?4、6及び7についても当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(ウ)まとめ

以上のとおり、特許法第29条第2項に関する特許異議申立理由によっては、本件発明1?4、6及び7に係る特許を取り消すことはできない。

イ.特許法第29条の2について

(ア)本件発明1について

a.対比

本件発明1と甲6発明とを対比する。
(a)甲6発明の「電気回路となる金属回路板」及び「窒化珪素焼結体からなるセラミック基板」が、各々本件発明1の「回路部材」及び「窒化珪素質基板」に相当し、甲6発明の「一方の面に電気回路となる金属回路板が接合される窒化珪素焼結体からなるセラミック基板」は、本件発明1の「主面に回路部材が設けられる窒化珪素質基板」に相当する。
(b)甲6発明の「空孔」は、甲1発明の「空隙ある白点」と同程度のサイズであることから、顕微鏡で観察したとすれば白点に見えると考えられ、本件発明1の「空隙である白点」に相当する。

そうすると、本件発明1と甲6発明とは、
「主面に回路部材が設けられる窒化珪素質基板であって、空隙である白点が存在する窒化珪素基板。」
である点で一致し、次の点で相違する。

[相違点2]
空隙である白点について、本件発明1では「円相当径が2μm以上30μm以下の大きさ」で「前記主面の1mm^(2)当たりに50個以上200個以下存在する」ことが特定されているのに対し、甲6発明では円相当径が5μm超であり、1mm^(2)当たりの個数は特定されていない点。

b.判断

甲第6号証には、空孔の円相当径を30μm以下とすることについて、及び空孔が支持基板の主面の1mm^(2)当たりに存在する個数について記載されていないし、その値を見積もることもできない。
そして、本件特許明細書の段落【0023】によれば、「白点の円相当径が30μmを超えるときには、白点として見える空隙の深さが深いものとなりやすく、金属成分が多く浸入しやすくなるため絶縁耐力が低下することとなる」ものであり、空隙である白点を30μm以下とすることによって甲6発明にはない有利な効果が認められる。
また、本件特許明細書の段落【0023】によれば、「主面の1mm^(2)当たりにおける白点の個数が50個未満では、回路部材2を構成する金属成分が白点に浸入する量が少なく、得られるアンカー効果が小さいため、接合強度が低下する」ほか、「主面の1mm^(2)当たりにおける白点の個数が200個を超えるときにも、金属成分が多く浸入しやすくなるため、絶縁耐力が低下して絶縁破壊を起こしやすくなる」とのことであるから、本件発明1で規定する「主面の1mm^(2)当たりにおける空隙である白点の個数」についての数値範囲は、甲6発明にはない有利な効果が認められる。
したがって、上記相違点2は実質的なものと認められ、設計上の微差ということはできない。

よって、本件発明1は、甲第6号証に記載された発明と同一又は実質同一であるということはできない。

c.特許異議申立人の主張について

特許異議申立人は、特許異議申立書及び意見書において、本件発明1と甲第6号証に記載された発明の相違点として、甲第6号証に記載した発明では、空隙である白点が主面の1mm^(2)当たりに50個以上200個以下存在することが記載されていない点を挙げ、相違点について次の通り主張している。
すなわち、甲第6号証にいう粗大な空孔は円相当径5μm超であることから、その範囲内で20μmを周知の値として採用し、空孔1個の面積(314μm^(2))で、空孔割合4%である比較例1の空孔が1mm^(2)当たりに占める面積(40000μm^(2))を除算することで、空孔が1mm^(2)当たりに約127個と算出され、甲第6号証には相違点が実質的に記載されているとしている。

しかしながら、空隙の円相当径として20μmという値が「周知」であったとしても、積極的に「20μm」という数値を選択する理由はない。
また、20μmという値を選択すること(結果として、主面の1mm^(2)当たりの空隙である白点の個数が50個以上200個以下とすること)は、上述のとおり(上記「b」を参照)、設計上の微差ということはできない。
さらに、特許異議申立人の主張は、全ての空孔の円相当径が20μmであることを前提としているが、実際には円相当径の大きさは「ばらつき」が生じるから、単純に除算することで個数を算出することはできないことも付言しておく。

(イ)本件発明2?4、6、7について

本件発明2?4、6及び7は、本件発明1の発明特定事項をすべて含みさらに他の発明特定事項を追加して限定したものであるから、本件発明1が甲6発明と同一又は実質同一でない以上、本件発明2?4、6及び7についても甲6発明と同一又は実質同一ではない。

(ウ)まとめ

以上のとおり、特許法第29条の2に関する特許異議申立理由によっては、本件発明1?4、6及び7に係る特許を取り消すことはできない。

ウ.特許法第36条第6項第1号について

(ア)上記「第3 3.(1)ウ.(ア)」について

本件発明1?4、6、7における「窒化珪素基板」は、「円相当径が2μm以上30μm以下の大きさの空隙である白点が前記主面の1mm^(2)当たりに50個以上200個以下存在する」ことが観察される窒化珪素基板である。
つまり、表面の状態を知るために表面観察に伴う鏡面研磨を要する場合、本件発明1?4、6、7の「窒化珪素基板」は、観察のために鏡面研磨をしたときに「円相当径が2μm以上30μm以下の大きさの空隙である白点が前記主面の1mm^(2)当たりに50個以上200個以下存在する」ことが観察される「窒化珪素基板」であると解されるべきものであるところ、かかる点については本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載(段落【0030】参照)されている。

(イ)上記「第3 3.(1)ウ.(イ)?(エ)」について

上記(ア)と同様のことがいえる。

(ウ)まとめ

以上のとおり、特許法第36条第6項第1号に関する特許異議申立理由によっては、本件発明1?4、6及び7に係る特許を取り消すことはできない。

エ.特許法第36条第6項第2号について

(ア)特許異議申立書での主張について

訂正後の請求項1には「空隙である白点」と特定されており、本件発明1ないし4、6ないし7における「白点」が「空隙である白点」を指すのは明確である。

(イ)令和1年10月17日提出の意見書での主張について
特許異議申立人は、訂正後の請求項1について、「空隙である白点」の記載が明確でないと主張している。
すなわち、本件特許明細書に記載された方法に従って光学顕微鏡を用いて窒化珪素質基板を確認し、白点が観察されたときに、その白点は空隙である可能性もあるし、カルシウムを含む領域である可能性もあり、両者が判別できないから、当業者は、自身が実施する具体的な物が本件特許請求の範囲に含まれるか否かを理解できないと主張している。

しかしながら、「空隙である白点」が、文理上「空隙」であるのは疑いを差し挟む余地がない。
また、カルシウムを含む領域であるか否かは、たとえば、甲第1号証に記載されているとおり、X線マイクロアナライザーを用いて確認をすることが可能であるから、当業者は、自身が実施する具体的な物が本件特許請求の範囲に含まれるか否かを理解できないということはない。

したがって、特許異議申立人の意見は採用できない。

(ウ)まとめ
以上のとおり、特許法第36条第6項第2号に関する特許異議申立理由によっては、本件発明1?4、6及び7に係る特許を取り消すことはできない。

第4 むすび

以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1ないし4、6ないし7に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1ないし4、6ないし7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
そして、本件請求項5に係る特許は訂正により削除され、本件請求項5に係る特許に対して特許異議申立人がした特許異議の申立てについては、その対象が存在しないものとなっため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面に回路部材が設けられる窒化珪素質基板であって、円相当径が2μm以上30μm以下の大きさの空隙である白点が前記主面の1mm^(2)当たりに50個以上200個以下存在することを特徴とする窒化珪素質基板。
【請求項2】
隣り合う前記白点間の距離の平均値が4μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の窒化珪素質基板。
【請求項3】
前記白点は、凹凸度が1.1以上2.9以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の窒化珪素質基板。
【請求項4】
前記白点は、円形度が0.7以上0.9以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の窒化珪素質基板。
【請求項5】(削除)
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の窒化珪素質基板の前記主面に前記回路部材を備えていることを特徴とする回路基板。
【請求項7】
請求項6に記載の回路基板における前記回路部材上に電子部品を搭載してなることを特徴とする電子装置。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2019-11-19 
出願番号 特願2015-15636(P2015-15636)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (H05K)
P 1 651・ 161- YAA (H05K)
P 1 651・ 537- YAA (H05K)
最終処分 維持  
前審関与審査官 ゆずりは 広行  
特許庁審判長 井上 信一
特許庁審判官 石坂 博明
須原 宏光
登録日 2018-09-07 
登録番号 特許第6396817号(P6396817)
権利者 京セラ株式会社
発明の名称 窒化珪素質基板およびこれを備える回路基板ならびに電子装置  
代理人 特許業務法人酒井国際特許事務所  
代理人 特許業務法人酒井国際特許事務所  

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