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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1358957
審判番号 不服2018-14264  
総通号数 243 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-03-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-10-26 
確定日 2020-02-04 
事件の表示 特願2013-250617「タッチパネル式携帯端末、その表示制御方法及びコンピュータプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 6月11日出願公開、特開2015-108901、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年12月3日の出願であって、平成29年8月29日付けで拒絶理由通知がされ、平成29年11月10日付けで手続補正がされ、平成30年3月20日付けで拒絶理由通知(最後)がされ、平成30年4月19日付けで手続補正がされ、平成30年9月6日付けで平成30年4月19日付けの補正を却下する補正の却下の決定がされ、同日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、平成30年10月26日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。

第2 原査定の概要
原査定(平成30年9月6日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

(進歩性)この出願の請求項1-13に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2012-234331号公報
2.特開2009-163278号公報

第3 本願発明
本願請求項1-7に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明13」という。)は、平成30年10月26日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-7に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
タッチパネルを用いて表示及び入力操作を行うようにされたタッチパネル式携帯端末において、
該携帯端末が両方の手で持たれたことを検出する接触センサーと、
操作者の両手の指を共にタッチパネルに押し付けたまま、タッチパネルの中央に向けてドラッグする第1の両手指ドラッグ操作、及び、タッチパネルの端に向けてドラッグする第2の両手指ドラッグ操作を検出するドラッグ操作検知部と、
前記第1の両手指ドラッグ操作又は第2の両手指ドラッグ操作に応じて、前記タッチパネルに表示させる画像を制御するための表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部が、前記第1又は第2の両手指ドラッグ操作が検出された時は、画面内に埋め込まれている非表示状態の画像を表示し、
画像を表示した状態で再び前記第1又は第2の両手指ドラッグ操作が検出された時は、画像を拡大し、
画像を拡大している状態で前記第2又は第1の両手指ドラッグ操作が検出された時は、前記拡大表示されている画像を縮小し、
前記画像を表示した状態で前記第2又は第1の両手指ドラッグ操作が検出された時は、画像を非表示状態とすると共に、
動画再生時に前記第1又は第2の両手指ドラッグ操作が検出された時は、動画の再生を開始し、
動画再生中に前記第1又は第2の両手指ドラッグ操作が検出された時は、再生中の動画を拡大し、
動画拡大中に前記第2又は第1の両手指ドラッグ操作が検出された時は、動画を縮小し、
動画再生中に前記第2又は第1の両手指ドラッグ操作が検出された時は、動画の再生を一時停止し、
一時停止中に再び前記第2又は第1の両手指ドラッグ操作が検出された時は、動画の再生を停止するようにされていることを特徴とするタッチパネル式携帯端末。」

なお、本願発明2-7の概要は以下のとおりである。
本願発明2-5は、本願発明1を減縮した発明である。
本願発明6-7は、「タッチパネル式携帯端末」の発明である本願発明1に対応する、「タッチパネル式携帯端末の表示制御方法」、及び、「タッチパネル式携帯端末の表示を制御するためのコンピュータプログラム」の発明である。

第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2012-234331号公報)には、図面とともに、以下の事項が記載されている(下線は当審付与。以下同様。)。

(1) 段落【0002】-【0005】
「【背景技術】
【0002】
近年大型のタッチパネルディスプレイを搭載したスマートフォンやタブレット端末などのポータブルデバイスが広まっている。このようなポータブルデバイスでは、タッチパネルディスプレイへの指のタッチに応じてコンテンツが表示される。例えば特許文献1では、タッチスクリーンディスプレイ上でのジェスチャーに応答して規定の動作を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2010-503126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、多くのポータブルデバイスでは片手で操作することが想定されており、両手でデバイスを保持する場合には操作がしにくい。
【0005】
本発明は、このような背景を鑑みてなされたものであり、両手で保持した場合にも容易に操作することのできるコンピューティングデバイス、コンテンツの表示方法及びプログラムを提供することを目的とする。」

(2) 段落【0023】
「【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係るコンピューティングデバイス10の外観例を示す図である。本実施形態のコンピューティングデバイス10は、大型のタッチパネルディスプレイ20を備えるタブレット端末であることを想定している。タッチパネルディスプレイ20は、複数箇所における指のタッチを感知するマルチタッチ機能を備えているものとする。なお、本実施形態では、タッチパネルディスプレイ20に接触するのは手の指であることを想定するが、指以外の物体の接触を検知するようにしてもよい。」

(3) 段落【0025】-【0030】
「【0025】
図3は、コンピューティングデバイス10のソフトウェア構成例を示す図である。コンピューティングデバイス10は、コンテンツ表示部111、スワイプ検出部112、表示制御部113、音データ再生部114、再生制御部115を備える。
【0026】
コンテンツ表示部111は、各種のコンテンツを表示する。コンテンツ表示部111は、例えば電子メールを閲覧するソフトウェア、スケジュール管理を行うソフトウェア、ゲームソフトウェアなどである。コンテンツ表示部111は、CPU101がフラッシュメモリ103に記憶されているアプリケーションプログラムを実行することにより実現される。コンテンツ表示部111からの出力はディスプレイコントローラ104を介してタッチパネルディスプレイ20に表示される。
【0027】
スワイプ検出部112(本発明の「スワイプ検出部」及び「タッチ検出部」に該当する。)は、タッチパネルディスプレイ20上での操作を取得する。スワイプ検出部112は、CPU101がフラッシュメモリ103に記憶されている制御プログラムを実行することにより実現される。具体的には、スワイプ検出部112は、タッチパネルディスプレイ20上に指が接触されたこと(タッチ)、指がタッチパネルディスプレイ20に接触したままスライドされたこと(スワイプ)、タッチされたタッチパネルディスプレイ20上の位置、タッチされている時間、スワイプが開始されたタッチパネルディスプレイ20上の位置、スワイプされた方向、スワイプされた距離(以下、「スワイプ量」という。)を測定する。なお、スワイプ検出部112は、ディスプレイコントローラ104から所定時間ごとにタッチパネル20におけるタッチ位置を取得して、タッチ及びスワイプの位置や量などを測定するものとするが、ディスプレイコントローラ104がタッチ及びスワイプの位置や量を測定するように構成することもできる。
【0028】
表示制御部113は、タッチ及びスワイプに応じて、コンテンツ表示部111によるコンテンツの表示を制御する。表示制御部113も、CPU101がフラッシュメモリ103に記憶されている制御プログラムを実行することにより実現される。表示制御部113は、例えば、タッチやスワイプに応じたイベントを発生させ、コンテンツ表示部111が当該イベントに応じたコンテンツの表示を行うようにすることができる。なお、表示制御部113がコンテンツ表示部111を制御する方式については、一般的なものを採用することができる。表示制御部113は、タッチパネルディスプレイ20上に設定される特別な領域(以下、「制御領域」という。)におけるスワイプ又はタッチに応じてコンテンツの表示を制御する。
【0029】
音データ再生部111(当審注:「114」の誤記と認める。)は、音楽などの音データを再生する。音データ再生部111は、CPU101がフラッシュメモリ103に記憶されているアプリケーションプログラムを実行することにより実現される。音データ再生部114は、例えば音楽再生ソフトウェアなどである。音データ再生部111(当審注:「114」の誤記と認める。)は、音声コントローラ105を制御することでスピーカ106から音声が再生されるようにする。
【0030】
再生制御部115は、タッチに応じて音データの再生、停止、早送り、巻き戻し、一時停止などを行うように音データ再生部111を制御する。再生制御部115は、CPU101がフラッシュメモリ103に記憶されている制御プログラムを実行することにより実現される。表示制御部113は、例えば、タッチに応じたイベントを発生させ、音データ再生部111が当該イベントに応じて、音データを変更し、音データの再生又は停止を行い、あるいは再生位置を変更するようにすることができる。」

(4) 段落【0031】-【0035】
「【0031】
==制御領域==
図4は、タッチパネルディスプレイ20上に設定される制御領域を説明するための図である。本実施形態では、制御領域はユーザの親指でタッチ又はスワイプされることを想定している。タッチパネルディスプレイ20には、コンテンツ表示領域201と、主スワイプ領域211及び212(本発明の「第1及び第2の制御領域」に該当する。)、副スワイプ領域221及び222(本発明の「第3及び第4の制御領域」に該当する。)ならびにタッチ領域231及び233の制御領域と、が設定される。
【0032】
コンテンツ表示領域201には、コンテンツ表示部111によりコンテンツが表示される。
【0033】
主スワイプ領域211及び212は、スワイプを検知する領域であり、タッチパネルディスプレイ20の側部及び下端部の間の左右の角部近傍に設けられる。主スワイプ領域211及び212はそれぞれ、点202及び203を中心とした扇形から、その内部に設けられる扇形の不反応領域204及び205(本発明の「扇形領域」に該当する。)を除いた領域である。点202及び203は、ユーザがコンピューティングデバイス10を両手で保持しながら左右の親指31又は32をタッチパネルディスプレイ20上でスワイプする場合に、親指31及び32がそれぞれ旋回する中心となる点である。なお、点202及び203はタッチパネルディスプレイ20の角部に限らず、角部からずらした位置としてもよいし、ユーザごとに設定してもよい。表示制御部113は、主スワイプ領域211及び212におけるスワイプに応じてコンテンツの表示を制御するが、不反応領域204及び205におけるタッチやスワイプは無視する。通常スワイプは親指31及び32の先端部分で行われるが、ユーザがコンピューティングデバイス10を両手で保持している間には、ユーザが意図することなく親指31又は32の根本部分がタッチパネルディスプレイ20にタッチしてしまうこともある。これに対して、不反応領域204及び205におけるタッチやスワイプを無視することにより、誤作動を防止することができる。
【0034】
副スワイプ領域221及び222は、スワイプを検知する領域であり、タッチパネルディスプレイ20の左右の側部近傍に設けられる。副スワイプ領域221及び222は、ユーザがコンピューティングデバイス10を保持する両手の位置を変えることなく、側部沿いに親指31及び32が到達可能な範囲に設けられるものとする。
【0035】
タッチ領域231及び232は、タッチを検知する領域であり、タッチパネルディスプレイ20の下端部の主スワイプ領域211及び212近傍に設けられる。タッチ領域231及び232も、ユーザがコンピューティングデバイス10を保持する両手の位置を変えることなく、下端部沿いに親指31及び32が到達可能な範囲に設けられるものとする。」

(5) 段落【0036】-【0040】
「【0036】
以下、表示制御部113によるコンテンツの表示制御処理について説明する。


・・・(中略)

【0040】
==拡大縮小==
図8は、コンテンツ431を拡大縮小する制御について説明する図である。表示制御部113は、主スワイプ領域211及び212の両方において、軸436に対して対称の方向に、ほぼ同じスワイプ量(スワイプ量の差が所定の閾値以下)だけスワイプ(以下、「ミラースワイプ」という。)された場合、コンテンツ431を拡大又は縮小する。図8の例では、表示制御部113は、軸436に近づく方向434にミラースワイプされた場合には、矢印432に示すようにコンテンツ431を縮小し、軸436から離れる方向435にミラースワイプされた場合には、矢印433に示すようにコンテンツ431を拡大する。表示制御部113は、スワイプ量に応じて拡大又は縮小の比率が変わるようにする。このようにして、ユーザは両手でコンピューティングデバイス10を保持したまま親指31及び32をミラースワイプさせることにより、容易にコンテンツ431の拡大又は縮小をすることができる。」

(5) 段落【0043】
「【0043】
==再生制御==
次に、タッチ領域231及び232におけるタッチに応じた制御について説明する。図11は、音声データの再生制御に用いられる画面を説明する図である。再生制御部115は、タッチ領域231及び232におけるタッチに応じて再生制御部115を制御することにより音データの再生を制御する。再生制御部115は、タッチ領域231又は232のいずれかのみがタッチされた場合と、両方タッチされた場合とで制御を変更する。例えば、再生制御部115は、右側のタッチ領域231のみがタッチされた場合は再生中の音データを所定の通常スピードで早送りし、左側のタッチ領域232がタッチされている間に右側のタッチ領域231がタッチされた場合には、通常スピードよりも速いスピード(早送りをフレーム単位に変更するなど)で早送りをするようにすることができる。また、先にタッチ領域231がタッチされて早送りが行われている間にタッチ領域232がタッチされた場合には、再生制御部115は、通常スピードよりも遅いスピードで早送りするようにすることもできる。また、早送りモードと巻き戻しモードとを切り替え可能とし、巻き戻しモードにおいて、再生制御部115は、左側のタッチ領域232のみがタッチされた場合は再生中の音データを通常スピードで巻き戻し、右側のタッチ領域231がタッチされている間にタッチ領域232がタッチされた場合には通常スピードよりも速いスピードで巻き戻しを行うようにしてもよい。さらに、早送りや巻き戻しに限らず、シャッフル再生や倍速再生などについても、再生制御部115は、タッチ領域231及び232のいずれか一方のみがタッチされた場合と、両方がタッチされた場合とで異なる制御を行うようにすることができる。」

したがって、関連図面に照らし、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「大型のタッチパネルディスプレイ20を備えるタブレット端末である、コンピューティングデバイス10は、コンテンツ表示部111、スワイプ検出部112、表示制御部113、音データ再生部114、再生制御部115を備え、
コンテンツ表示部111は、各種のコンテンツを表示し、
スワイプ検出部112(「スワイプ検出部」及び「タッチ検出部」に該当する。)は、タッチパネルディスプレイ20上に指が接触されたこと(タッチ)、指がタッチパネルディスプレイ20に接触したままスライドされたこと(スワイプ)、タッチされたタッチパネルディスプレイ20上の位置、タッチされている時間、スワイプが開始されたタッチパネルディスプレイ20上の位置、スワイプされた方向、スワイプされた距離(以下、「スワイプ量」という。)を測定し、
表示制御部113は、タッチパネルディスプレイ20上に設定される特別な領域(以下、「制御領域」という。)におけるスワイプ又はタッチに応じてコンテンツの表示を制御し、
音データ再生部114は、例えば音楽再生ソフトウェアなどであり、
再生制御部115は、タッチに応じて音データの再生、停止、早送り、巻き戻し、一時停止などを行うように音データ再生部111を制御し、
タッチパネルディスプレイ20には、コンテンツ表示領域201と、主スワイプ領域211及び212(「第1及び第2の制御領域」に該当する。)、副スワイプ領域221及び222(「第3及び第4の制御領域」に該当する。)ならびにタッチ領域231及び233の制御領域と、が設定され、
主スワイプ領域211及び212は、スワイプを検知する領域であり、タッチパネルディスプレイ20の側部及び下端部の間の左右の角部近傍に設けられ、主スワイプ領域211及び212はそれぞれ、点202及び203を中心とした扇形から、その内部に設けられる扇形の不反応領域204及び205を除いた領域であり、
点202及び203は、ユーザがコンピューティングデバイス10を両手で保持しながら左右の親指31又は32をタッチパネルディスプレイ20上でスワイプする場合に、親指31及び32がそれぞれ旋回する中心となる点であり、点202及び203はタッチパネルディスプレイ20の角部に限らず、角部からずらした位置としてもよいし、ユーザごとに設定してもよく、通常スワイプは親指31及び32の先端部分で行われ、
副スワイプ領域221及び222は、スワイプを検知する領域であり、タッチパネルディスプレイ20の左右の側部近傍に設けられ、副スワイプ領域221及び222は、ユーザがコンピューティングデバイス10を保持する両手の位置を変えることなく、側部沿いに親指31及び32が到達可能な範囲に設けられ、
タッチ領域231及び232は、タッチを検知する領域であり、タッチパネルディスプレイ20の下端部の主スワイプ領域211及び212近傍に設けられ、タッチ領域231及び232も、ユーザがコンピューティングデバイス10を保持する両手の位置を変えることなく、下端部沿いに親指31及び32が到達可能な範囲に設けられ、
表示制御部113によるコンテンツの表示制御処理において
表示制御部113は、主スワイプ領域211及び212の両方において、軸436に対して対称の方向に、ほぼ同じスワイプ量(スワイプ量の差が所定の閾値以下)だけスワイプ(以下、「ミラースワイプ」という。)された場合、コンテンツ431を拡大又は縮小し、表示制御部113は、軸436に近づく方向434にミラースワイプされた場合には、コンテンツ431を縮小し、軸436から離れる方向435にミラースワイプされた場合には、コンテンツ431を拡大し、
再生制御部115は、タッチ領域231及び232におけるタッチに応じて再生制御部115を制御することにより音データの再生を制御し、再生制御部115は、タッチ領域231又は232のいずれかのみがタッチされた場合と、両方タッチされた場合とで制御を変更し、
例えば、再生制御部115は、右側のタッチ領域231のみがタッチされた場合は再生中の音データを所定の通常スピードで早送りし、
左側のタッチ領域232がタッチされている間に右側のタッチ領域231がタッチされた場合には、通常スピードよりも速いスピード(早送りをフレーム単位に変更するなど)で早送りをし、
先にタッチ領域231がタッチされて早送りが行われている間にタッチ領域232がタッチされた場合には、再生制御部115は、通常スピードよりも遅いスピードで早送りするようにし、
また、早送りモードと巻き戻しモードとを切り替え可能とし、
巻き戻しモードにおいて、再生制御部115は、左側のタッチ領域232のみがタッチされた場合は再生中の音データを通常スピードで巻き戻し、
右側のタッチ領域231がタッチされている間にタッチ領域232がタッチされた場合には通常スピードよりも速いスピードで巻き戻しを行い、
さらに、早送りや巻き戻しに限らず、シャッフル再生や倍速再生などについても、再生制御部115は、タッチ領域231及び232のいずれか一方のみがタッチされた場合と、両方がタッチされた場合とで異なる制御を行う、
大型のタッチパネルディスプレイ20を備えるタブレット端末。」

2.引用文献2について
また、原査定の拒絶の理由に引用された、上記引用文献2(特開2009-163278号公報)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。

(1) 段落【0012】
「【0012】
タッチセンサ17は、センサの一例であり、例えば感圧式のセンサで構成されている。タッチセンサ17は、ユーザが筐体12のどの位置を把持しているのかを感知することができる。なお、タッチセンサ17は、感圧式のセンサに限定されるものではなく、静電容量を検出する静電式のセンサであってもよい。」

(2) 段落【0042】-【0045】
「【0042】
続いて、図10を参照して、携帯型機器11の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の携帯型機器71は、筐体12を両手で把持する点、および表示される複数のアイコン14が異なる点で第1の実施形態と異なっているが、他の部分は共通している。このため、主として第1の実施形態と異なる部分について説明し、第1の実施形態と共通する箇所については共通の符号を付して説明を省略する。
【0043】
図10は、筐体12の両側側部を両手で把持した際に表示される複数のアイコン14を示している。ユーザの右手および左手は、タッチセンサ17によって感知される。このとき、複数のアイコン14は、液晶ディスプレイ13の右側と左側にそれぞれ配置される。
【0044】
より具体的には、筐体12を把持している手の近傍に配置される第1の領域51は、ユーザの右手に対応した第1の部分72と、ユーザの左手に対応した第2の部分73と、を有している。この第1の部分72と第2の部分73のそれぞれに、複数のアイコン14が配置される。第1の部分72に配置される複数のアイコン14は、上アイコン52、下アイコン53、右アイコン54、左アイコン55、OKアイコン56および再生アイコン57を含んでいる。また、第2の部分73に配置される複数のアイコン14は、上アイコン52、下アイコン53、右アイコン54、左アイコン55、OKアイコン56および再生アイコン57を含んでいる。このため、第2の実施形態において、第1の部分72と、第2の部分73とには、同種類の複数のアイコン14がそれぞれ配置されている。
【0045】
第2の実施形態によれば、筐体12は、ユーザによって両手で把持されており、第1の領域51は、ユーザの右手に対応した第1の部分72と、ユーザの左手に対応した第2の部分73と、を有し、第1の部分72と第2の部分73とには、同種類の複数のアイコン14がそれぞれ配置される。この構成によれば、ユーザが筐体12を両手で把持して使用する際にも、右手と左手の近傍に複数のアイコン14を配置することができ、アイコン14の操作性を向上することができる。」

(2) 段落【0046】-【0049】
「【0046】
続いて、図11を参照して、携帯型機器81の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の携帯型機器81は、表示される複数のアイコン14が異なる点で第2の実施形態と異なっているが、他の部分は共通している。このため、主として第2の実施形態と異なる部分について説明し、第2の実施形態と共通する箇所については共通の符号を付して説明を省略する。
【0047】
図11は、筐体12側部を両手で把持された際の携帯型機器81を示している。ユーザの右手および左手は、タッチセンサ17によって感知される。このとき、複数のアイコン14は、液晶ディスプレイ13の右側と左側にそれぞれ配置される。
【0048】
筐体12を把持している手の近傍に配置される第1の領域51は、ユーザの右手に対応した第1の部分82と、ユーザの左手に対応した第2の部分83と、を有している。この第1の部分82と第2の部分83のそれぞれに、複数のアイコン14、80が配置される。第1の部分82に配置される複数のアイコン14は、上アイコン52、下アイコン53、右アイコン54、左アイコン55、OKアイコン56および再生アイコン57を含んでいる。また、第2の部分83に配置される複数のアイコン80は、チャンネルアップアイコン84、チャンネルダウンアイコン85、ボリュームアップアイコン86、ボリュームダウンアイコン87、ミュートアイコン88および設定アイコン89を含んでいる。チャンネルアップアイコン84およびチャンネルダウンアイコン85は、液晶ディスプレイ13に表示されるテレビのチャンネルの変更などに用いられる。
【0049】
ボリュームアップアイコン86およびボリュームダウンアイコン87は、例えば音楽を再生している際の音量の増減などに用いられる。ミュートアイコン88は、音楽を再生している間やテレビを見ている間に、音量をゼロにするために用いられる。また、設定アイコン89は、例えば図7に示すキャリブレーション画面61を表示するために用いられる。このように、第3の実施形態では、第1の部分82と、第2の部分83とには、種類の異なる複数のアイコン14、80がそれぞれ配置されている。」

第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1) 対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

ア 引用発明の「大型のタッチパネルディスプレイ20を備えるタブレット端末」は、本願発明1の「タッチパネルを用いて表示及び入力操作を行うようにされたタッチパネル式携帯端末」に対応する。

イ 「指がタッチパネルディスプレイ20に接触したままスライドされたこと(スワイプ)」を検出する、引用発明の「スワイプ検出部112」は、本願発明1の「ドラッグ操作検知部」に対応する。
よって、引用発明において、
「主スワイプ領域211及び212は、スワイプを検知する領域であり、タッチパネルディスプレイ20の側部及び下端部の間の左右の角部近傍に設けられ、主スワイプ領域211及び212はそれぞれ、点202及び203を中心とした扇形から、その内部に設けられる扇形の不反応領域204及び205を除いた領域であり」、
「表示制御部113は、主スワイプ領域211及び212の両方において、軸436に対して対称の方向に、ほぼ同じスワイプ量(スワイプ量の差が所定の閾値以下)だけスワイプ(以下、「ミラースワイプ」という。)された場合、コンテンツ431を拡大又は縮小し、表示制御部113は、軸436に近づく方向434にミラースワイプされた場合には、コンテンツ431を縮小し、軸436から離れる方向435にミラースワイプされた場合には、コンテンツ431を拡大」することは、
ここで、引用発明の「ミラースワイプ」は「軸436に対して対称の方向に」、「親指31及び32がそれぞれ旋回する」スワイプであって、引用発明の「軸436」は、「ディスプレイの中央」といい得ること(引用文献1の【図8】を参照。)を考慮すると、
本願発明1の「操作者の両手の指を共にタッチパネルに押し付けたまま、タッチパネルの中央に向けてドラッグする第1の両手指ドラッグ操作、及び、タッチパネルの端に向けてドラッグする第2の両手指ドラッグ操作を検出するドラッグ操作検知部」と、
「操作者の両手の指を共にタッチパネルに押し付けたまま、タッチパネルの中央に近づく方向にドラッグする第1の両手指ドラッグ操作、及び、タッチパネルの中央から離れる方向にドラッグする第2の両手指ドラッグ操作を検出するドラッグ操作検知部」を備える点で共通するといえる。

ウ 「タッチパネルディスプレイ20上に設定される特別な領域(以下、「制御領域」という。)におけるスワイプ又はタッチに応じてコンテンツの表示を制御」する、引用発明の「表示制御部113は、軸436に近づく方向434にミラースワイプされた場合には、コンテンツ431を縮小し、軸436から離れる方向435にミラースワイプされた場合には、コンテンツ431を拡大」するから、本願発明1の「前記第1の両手指ドラッグ操作又は第2の両手指ドラッグ操作に応じて、前記タッチパネルに表示させる画像を制御するための表示制御部」に対応する。

エ 引用発明の「表示制御部113は、タッチパネルディスプレイ20上に設定される特別な領域(以下、「制御領域」という。)におけるスワイプ又はタッチに応じてコンテンツの表示を制御し」、「表示制御部113は、軸436に近づく方向434にミラースワイプされた場合には、コンテンツ431を縮小し、軸436から離れる方向435にミラースワイプされた場合には、コンテンツ431を拡大し」ていることは、
本願発明1の「前記表示制御部が、前記第1又は第2の両手指ドラッグ操作が検出された時は、画面内に埋め込まれている非表示状態の画像を表示し、
画像を表示した状態で再び前記第1又は第2の両手指ドラッグ操作が検出された時は、画像を拡大し、
画像を拡大している状態で前記第2又は第1の両手指ドラッグ操作が検出された時は、前記拡大表示されている画像を縮小し、
前記画像を表示した状態で前記第2又は第1の両手指ドラッグ操作が検出された時は、画像を非表示状態とする」ことと、
「前記第1又は第2の両手指ドラッグ操作が検出された時は、コンテンツを拡大し、
前記第2又は第1の両手指ドラッグ操作が検出された時は、コンテンツを縮小し」ている点で共通するといえる。

オ 引用発明の上記「表示制御部113」に加えて、引用発明の「再生制御部115」もまた、本願発明1の「表示制御部」に対応するといえる。
よって、引用発明の「再生制御部115は、タッチに応じて音データの再生、停止、早送り、巻き戻し、一時停止などを行うように音データ再生部111を制御し」ていることは、
本願発明1の「表示制御部」が、「動画再生時に前記第1又は第2の両手指ドラッグ操作が検出された時は、動画の再生を開始し、
動画再生中に前記第1又は第2の両手指ドラッグ操作が検出された時は、再生中の動画を拡大し、
動画拡大中に前記第2又は第1の両手指ドラッグ操作が検出された時は、動画を縮小し、
動画再生中に前記第2又は第1の両手指ドラッグ操作が検出された時は、動画の再生を一時停止し、
一時停止中に再び前記第2又は第1の両手指ドラッグ操作が検出された時は、動画の再生を停止するようにされていること」と、
「コンテンツ再生時に何らかの操作が検出された時は、コンテンツの再生を開始し、
コンテンツ再生中に何らかの操作が検出された時は、コンテンツの再生を一時停止し、
何らかの操作が検出された時は、コンテンツの再生を停止するようにされていること」で共通するといえる。

したがって、本願発明1と、引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

[一致点]
「タッチパネルを用いて表示及び入力操作を行うようにされたタッチパネル式携帯端末において、
操作者の両手の指を共にタッチパネルに押し付けたまま、タッチパネルの中央に近づく方向にドラッグする第1の両手指ドラッグ操作、及び、タッチパネルの中央から離れる方向にドラッグする第2の両手指ドラッグ操作を検出するドラッグ操作検知部と、
前記第1の両手指ドラッグ操作又は第2の両手指ドラッグ操作に応じて、前記タッチパネルに表示させる画像を制御するための表示制御部と、
を備え、
前記第1又は第2の両手指ドラッグ操作が検出された時は、コンテンツを拡大し、
前記第2又は第1の両手指ドラッグ操作が検出された時は、コンテンツを縮小し、
コンテンツ再生時に何らかの操作が検出された時は、コンテンツの再生を開始し、
コンテンツ再生中に何らかの操作が検出された時は、コンテンツの再生を一時停止し、
何らかの操作が検出された時は、コンテンツの再生を停止するようにされていることを特徴とするタッチパネル式携帯端末。」

[相違点1]
本願発明1は、「該携帯端末が両方の手で持たれたことを検出する接触センサー」を備えるのに対して、引用発明は、そのような構成を備えることが特定されていない点。

[相違点2]
本願発明1は、「操作者の両手の指を共にタッチパネルに押し付けたまま、タッチパネルの中央に向けてドラッグする第1の両手指ドラッグ操作、及び、タッチパネルの端に向けてドラッグする第2の両手指ドラッグ操作を検出するドラッグ操作検知部」を備えるのに対して、引用発明の「表示制御部113は、軸436に近づく方向434にミラースワイプされた場合には、コンテンツ431を縮小し、軸436から離れる方向435にミラースワイプされた場合には、コンテンツ431を拡大」するものであって、「タッチパネルの中央に向けてドラッグする第1の両手指ドラッグ操作、及び、タッチパネルの端に向けてドラッグする第2の両手指ドラッグ操作を検出する」ものではない点。

[相違点3]
本願発明1は、
「前記表示制御部が、前記第1又は第2の両手指ドラッグ操作が検出された時は、画面内に埋め込まれている非表示状態の画像を表示し、
画像を表示した状態で再び前記第1又は第2の両手指ドラッグ操作が検出された時は、画像を拡大し、
画像を拡大している状態で前記第2又は第1の両手指ドラッグ操作が検出された時は、前記拡大表示されている画像を縮小し、
前記画像を表示した状態で前記第2又は第1の両手指ドラッグ操作が検出された時は、画像を非表示状態とすると共に、
動画再生時に前記第1又は第2の両手指ドラッグ操作が検出された時は、動画の再生を開始し、
動画再生中に前記第1又は第2の両手指ドラッグ操作が検出された時は、再生中の動画を拡大し、
動画拡大中に前記第2又は第1の両手指ドラッグ操作が検出された時は、動画を縮小し、
動画再生中に前記第2又は第1の両手指ドラッグ操作が検出された時は、動画の再生を一時停止し、
一時停止中に再び前記第2又は第1の両手指ドラッグ操作が検出された時は、動画の再生を停止するようにされている」のに対して、引用発明は、そのような構成を備えていない点。

(2) 相違点についての判断
事案に鑑みて、「表示制御部」に関する上記[相違点3]について、先に検討する。

本願発明1は、
A.「前記表示制御部が、前記第1又は第2の両手指ドラッグ操作が検出された時は、画面内に埋め込まれている非表示状態の画像を表示し、画像を表示した状態で再び前記第1又は第2の両手指ドラッグ操作が検出された時は、画像を拡大し、画像を拡大している状態で前記第2又は第1の両手指ドラッグ操作が検出された時は、前記拡大表示されている画像を縮小し、前記画像を表示した状態で前記第2又は第1の両手指ドラッグ操作が検出された時は、画像を非表示状態とすると共に、動画再生時に前記第1又は第2の両手指ドラッグ操作が検出された時は、動画の再生を開始し、動画再生中に前記第1又は第2の両手指ドラッグ操作が検出された時は、再生中の動画を拡大し、動画拡大中に前記第2又は第1の両手指ドラッグ操作が検出された時は、動画を縮小し、動画再生中に前記第2又は第1の両手指ドラッグ操作が検出された時は、動画の再生を一時停止し、一時停止中に再び前記第2又は第1の両手指ドラッグ操作が検出された時は、動画の再生を停止するようにされている」、
という構成(以下、「構成A」と呼ぶ。)を備えている。
この「構成A]によって、本願発明1の「表示制御部」は、操作の方向のみが異なる「第1の両手指ドラッグ操作」と「第2の両手指ドラッグ操作」という2種類の両手指での操作のみによって、表示中のコンテンツの種別(「画像」、「動画」)や、現在の表示の状態(「画像を表示した状態」、「画像を拡大している状態」や、「動画再生中」、「動画拡大中」など)に応じた条件分岐によって定まる、種々の表示制御(「画面内に埋め込まれている非表示状態の画像を表示」など)を実行できるものであるといえる。

一方、引用発明は、「主スワイプ領域211及び212」と「副スワイプ領域副スワイプ領域221及び222」という2種類の「特別な領域」における、両手指による「ミラースワイプ」も含まれるような各種の「スワイプ」操作、及び、「タッチ領域231及び232」という「特別な領域」における、「タッチ領域231又は232のいずれかのみがタッチされた場合と、両方タッチされた場合とで制御を変更」するものであって、本願発明1の上記「構成A」のように、2種類の両手指による「両手指ドラッグ操作」のみによって、表示中のコンテンツの種別や、現在の表示の状態に応じた条件分岐によって定まる、種々の表示制御を実行することについては特定されておらず、また「構成A」のように構成することの示唆もない。

引用文献2には(上記「第4、2」項を参照。)、「ユーザが筐体12のどの位置を把持しているのかを感知することができる」るタッチセンサ17を設けることによって、ユーザの両手を感知すると、ディスプレイの左右に配置された、左右で種類が異なる複数のアイコンを表示することが開示されている。
しかし、引用文献2にも、本願発明1の上記「構成A」のように構成することは記載されていない。

また、本願発明1の上記「構成A」が、周知技術であるとも認められない。

ウ よって、当業者といえども、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項、周知技術から、本願発明1の上記[相違点3]に係る構成を容易に想到することはできない。

(3) まとめ
したがって、本願発明1は、[相違点1]、[相違点2]について検討するまでもなく、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項、周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2.本願発明2-7について
本願発明2-5は、本願発明1を減縮した発明である。
また、本願発明6-7は、「タッチパネル式携帯端末」の発明である本願発明1に対応する、「タッチパネル式携帯端末の表示制御方法」、及び、「タッチパネル式携帯端末の表示を制御するためのコンピュータプログラム」の発明である。
よって、本願発明2-7も、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項、周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

第6 原査定について
本願発明1-7は、審判請求時の補正により、本願発明1の上記[相違点3]に係る事項と同様の構成を有するものとなっており、上記「第5」で述べたのと同様の理由により、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1-2に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2020-01-20 
出願番号 特願2013-250617(P2013-250617)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 菅原 浩二  
特許庁審判長 ▲吉▼田 耕一
特許庁審判官 野崎 大進
稲葉 和生
発明の名称 タッチパネル式携帯端末、その表示制御方法及びコンピュータプログラム  
代理人 須藤 修三  
代理人 高矢 諭  
代理人 藤田 崇  
代理人 松山 圭佑  

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