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審決分類 |
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 A61B 審判 全部申し立て 2項進歩性 A61B 審判 全部申し立て (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) A61B |
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管理番号 | 1359554 |
異議申立番号 | 異議2019-700017 |
総通号数 | 243 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2020-03-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2019-01-11 |
確定日 | 2019-12-19 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6360636号発明「皮膚感覚刺激装置及び感覚閾値の計測方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 令和元年5月28日付け訂正請求において、特許第6360636号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、2、3、4、6、7、8及び9について訂正することを認める。 特許第6360636号の請求項4?9に係る特許を取り消す。 特許第6360636号の請求項1?3に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6360636号の請求項1?7に係る特許についての出願は、平成30年3月28日(優先権主張平成30年1月31日)の出願であって、平成30年6月29日付けでその特許権の設定登録がされ、平成30年7月18日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 平成31年 1月11日 :特許異議申立人株式会社ICST(以下、単 に「特許異議申立人」という。)による請求 項1?7に係る特許に対する特許異議の申立 て 平成31年 3月25日付け:取消理由通知 令和 元年 5月28日付け:特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 令和 元年 6月 5日付け:訂正拒絶理由通知 令和 元年 7月11日付け:特許権者による意見書及び手続補正書の提出 令和 元年 7月30日付け:取消理由通知(決定の予告) 第2 訂正の適否 令和元年5月28日付けの訂正請求について、令和元年7月30日付け取消理由通知(決定の予告)で通知したとおり、 訂正事項1?4、6?8に係る補正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 そして、訂正後の請求項1、2、3、4、6、8及び9については、当該請求項についての訂正が認められる場合には、一群の他の請求項(請求項5及び10)とは別途訂正することを求めているから、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、請求項1、2、3、4、6、8及び9について訂正することを認める。 また、訂正事項5及び10に係る訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合しないから、請求項〔5、10〕について訂正を認めない。 また、訂正事項10に係る補正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するから、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、請求項7について訂正することを認める。 したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、請求項1、2、3、4、6、7、8及び9について訂正することを認め、請求項〔5、10〕について訂正を認めない。 第3 まとめ 令和元年5月28日付けの訂正請求については上記第2で検討したとおりであるから、特許第6360636号の請求項1、2、3、4、6、7、8及び9に係る発明は、訂正特許請求の範囲の請求項1、2、3、4、6、7、8及び9に記載されたとおりのものであり、また、同請求項5に係る発明は、特許掲載公報に記載された特許請求の範囲の請求項5に記載されたとおりものである。 これに対して、令和元年7月30日付けで取消理由(決定の予告)を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、特許権者は応答しなかった。 そして、上記の取消理由は妥当なものと認められるので、本件請求項4?9に係る特許は、この取消理由によって取り消すべきものである。 また、本件請求項1?3に係る特許は、上記訂正請求により削除された。これにより、請求項1?3に係る異議申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、却下する。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】(削除) 【請求項2】(削除) 【請求項3】(削除) 【請求項4】 被験者の皮膚面の検査部位に対して熱刺激を付与する皮膚感覚刺激装置であって、 前記検査部位に対向して配置され、前記検査部位に前記熱刺激を付与する刺激面と、 前記刺激面を通過する熱流束を検知する熱流センサと、 前記刺激面の温度を上昇又は下降させる温度調整素子と、 前記熱流センサにより検知される熱流束が予め指定された範囲内となる状態に前記温度調整素子を制御することにより、前記刺激面の温度と前記検査部位の温度とを一致させる基準調整部と、 前記基準調整部により前記刺激面の温度と前記検査部位の温度とが一致した状態から前記温度調整素子を制御することにより前記刺激面の温度を上昇又は下降させる検査実施部と、 前記刺激面の温度を取得する温度取得部と、 前記被験者が痛覚を自覚した時点の前記刺激面の温度と、前記被験者が温覚又は冷覚を自覚した時点の前記刺激面の温度との差を感覚閾値として算出する演算部と、 を備える皮膚感覚刺激装置。 【請求項5】 被験者の皮膚面の検査部位に対して熱刺激を付与する皮膚感覚刺激装置であって、 前記検査部位に対向して配置され、前記検査部位に前記熱刺激を付与する刺激面と、 前記刺激面を通過する熱流束を検知する熱流センサと、 前記刺激面の温度を上昇又は下降させる温度調整素子と、 前記熱流センサにより検知される熱流束が予め指定された範囲内となる状態に前記温度調整素子を制御することにより、前記刺激面の温度と前記検査部位の温度とを一致させる基準調整部と、 前記基準調整部により前記刺激面の温度と前記検査部位の温度とが一致した状態から前記温度調整素子を制御することにより前記刺激面の温度を上昇又は下降させる検査実施部と、 前記刺激面の温度を取得する温度取得部と、 を備え、 前記検査実施部は、前記基準調整部により前記刺激面の温度と前記検査部位の温度とが一致した状態における前記刺激面の温度に対して予め指定された温度差を加算した温度に前記刺激面の温度を上昇又は下降させ、前記刺激面の温度を当該温度に維持することにより前記検査部位に熱刺激を付与する皮膚感覚刺激装置。 【請求項6】 被験者の皮膚面の検査部位に対して熱刺激を付与する皮膚感覚刺激装置であって、 前記検査部位に対向して配置され、前記検査部位に前記熱刺激を付与する刺激面と、 前記刺激面を通過する熱流束を検知する熱流センサと、 前記刺激面の温度を上昇又は下降させる温度調整素子と、 前記熱流センサにより検知される熱流束が予め指定された範囲内となる状態に前記温度調整素子を制御することにより、前記刺激面の温度と前記検査部位の温度とを一致させる基準調整部と、 前記基準調整部により前記刺激面の温度と前記検査部位の温度とが一致した状態から前記温度調整素子を制御することにより前記刺激面の温度を上昇又は下降させる検査実施部と、 前記刺激面の温度を取得する温度取得部と、 前記被験者が痛覚を自覚した時点の前記刺激面の温度と、前記被験者が温覚又は冷覚を自覚した時点の前記刺激面の温度との差を感覚閾値として算出する演算部と、 を備え、 前記予め指定された熱流束の範囲が-50W/m^(2)以上かつ+50W/m^(2)以下である皮膚感覚刺激装置。 【請求項7】 被験者の皮膚面の検査部位に対して熱刺激を付与した際の感覚閾値の計測方法であって、 前記検査部位に前記熱刺激を付与する刺激面を通過する熱流束を検知する熱流センサにより検知される熱流束が予め指定された範囲内となる状態に前記刺激面の温度を上昇又は下降させる温度調整素子を制御することにより、前記刺激面の温度と前記検査部位の温度とを一致させるステップと、 前記刺激面の温度と前記検査部位の温度とが一致した状態から前記温度調整素子を制御することにより前記刺激面の温度を上昇又は下降させるステップと、 前記被験者が痛覚を自覚した時点の前記刺激面の温度と、前記被験者が温覚又は冷覚を自覚した時点の前記刺激面の温度との差を感覚閾値として算出するステップと、 を有する感覚閾値の計測方法。 【請求項8】 被験者の皮膚面の検査部位に対して熱刺激を付与する皮膚感覚刺激装置であって、 前記検査部位に対向して配置され、前記検査部位に前記熱刺激を付与する刺激面と、 前記刺激面を通過する熱流束を検知する熱流センサと、 前記刺激面の温度を上昇又は下降させる温度調整素子と、 前記熱流センサにより検知される熱流束が予め指定された範囲内となる状態に前記温度調整素子を制御することにより、前記刺激面の温度と前記検査部位の温度とを一致させる基準調整部と、 前記基準調整部により前記刺激面の温度と前記検査部位の温度とが一致した状態から前記温度調整素子を制御することにより前記刺激面の温度を上昇又は下降させる検査実施部と、 前記被験者が温覚、冷覚、又は痛覚を自覚した旨を入力する入力部と、 前記刺激面の温度を取得する温度取得部と、 前記被験者が痛覚を自覚した時点の前記刺激面の温度と、前記被験者が温覚又は冷覚を自覚した時点の前記刺激面の温度との差を感覚閾値として算出する演算部と、 を備え、 前記検査実施部は、前記基準調整部により前記刺激面の温度と前記検査部位の温度とが一致した状態から前記温度調整素子を制御することにより前記刺激面の温度を上昇又は下降させた後、前記入力部を通じて前記被験者による入力がなされる都度、前記刺激面の温度上昇と温度下降とを切り替える皮膚感覚刺激装置。 【請求項9】 被験者の皮膚面の検査部位に対して熱刺激を付与する皮膚感覚刺激装置であって、 前記検査部位に対向して配置され、前記検査部位に前記熱刺激を付与する刺激面と、 前記刺激面を通過する熱流束を検知する熱流センサと、 前記刺激面の温度を上昇又は下降させる温度調整素子と、 前記熱流センサにより検知される熱流束が予め指定された範囲内となる状態に前記温度調整素子を制御することにより、前記刺激面の温度と前記検査部位の温度とを一致させる基準調整部と、 前記基準調整部により前記刺激面の温度と前記検査部位の温度とが一致した状態から前記温度調整素子を制御することにより前記刺激面の温度を上昇又は下降させる検査実施部と、 前記被験者が温覚、冷覚、又は痛覚を自覚した旨を入力する入力部と、 前記刺激面の温度を取得する温度取得部と、 前記被験者が痛覚を自覚した時点の前記刺激面の温度と、前記被験者が温覚又は冷覚を自覚した時点の前記刺激面の温度との差を感覚閾値として算出する演算部と、 を備え、 前記基準調整部は、前記入力部を通じて前記被験者による入力がなされる都度、前記熱流センサにより検知される熱流束が予め指定された範囲内となる状態に前記温度調整素子を制御することにより、前記刺激面の温度と前記検査部位の温度とを一致させる皮膚感覚刺激装置。 【請求項10】 被験者の皮膚面の検査部位に対して熱刺激を付与する皮膚感覚刺激装置であって、 前記検査部位に対向して配置され、前記検査部位に前記熱刺激を付与する刺激面と、 前記刺激面を通過する熱流束を検知する熱流センサと、 前記刺激面の温度を上昇又は下降させる温度調整素子と、 前記熱流センサにより検知される熱流束が予め指定された範囲内となる状態に前記温度調整素子を制御することにより、前記刺激面の温度と前記検査部位の温度とを一致させる基準調整部と、 前記基準調整部により前記刺激面の温度と前記検査部位の温度とが一致した状態から前記温度調整素子を制御することにより前記刺激面の温度を上昇又は下降させる検査実施部と、 前記刺激面の温度を取得する温度取得部と、 を備え、 前記検査実施部は、前記基準調整部により前記刺激面の温度と前記検査部位の温度とが一致した状態における前記刺激面の温度に対して予め指定された温度差を加算した温度に前記刺激面の温度を上昇又は下降させ、前記刺激面の温度を当該温度に維持することにより前記検査部位に熱刺激を付与し、 前記予め指定された熱流束の範囲が-50W/m^(2)以上かつ+50W/m^(2)以下である皮膚感覚刺激装置。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2019-11-05 |
出願番号 | 特願2018-61722(P2018-61722) |
審決分類 |
P
1
651・
113-
ZAB
(A61B)
P 1 651・ 841- ZAB (A61B) P 1 651・ 121- ZAB (A61B) |
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 湯本 照基 |
特許庁審判長 |
三崎 仁 |
特許庁審判官 |
伊藤 昌哉 渡戸 正義 |
登録日 | 2018-06-29 |
登録番号 | 特許第6360636号(P6360636) |
権利者 | インタークロス株式会社 |
発明の名称 | 皮膚感覚刺激装置及び感覚閾値の計測方法 |
代理人 | 福井 豊明 |
代理人 | 笠松 信夫 |
代理人 | 笠松 信夫 |
代理人 | 福井 豊明 |
代理人 | 佐原 雅史 |