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審決分類 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する H03D
管理番号 1359838
審判番号 訂正2019-390121  
総通号数 244 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-04-24 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2019-12-02 
確定日 2020-02-06 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6611441号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6611441号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-4〕について訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6611441号(以下、「本件特許」という。)は、平成27年2月27日(国内優先権主張 平成26年2月28日)に出願され、その請求項1?9に係る発明について、令和1年11月8日に特許権の設定登録がされたものである。
そして、本件特許に関する本件訂正審判は、令和1年12月2日に請求されたものである。

第2 請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第6611441号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?請求項4について訂正することを認める、との審決を求める。」というものであり、その訂正事項は、以下のとおりである。

1 訂正事項1(特許請求の範囲)
特許請求の範囲の請求項1に
「前記第1の周波数変換器から出力された信号を受信した第2の周波数変換器が出力した信号を計測する信号計測器」
とあるのを、
「前記第1の周波数変換器から出力された信号を試験品を介して受信した第2の周波数変換器が出力した信号を計測する信号計測器」
と訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2?請求項4も同様に訂正する)。

2 訂正事項2(明細書)
本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件特許明細書」という。)の段落【0010】に
「上記の課題を解決するため、本発明の計測システムは、所定の入力信号と、所定の局部発振信号とを入力し、前記入力信号と、前記局部発振信号の周波数をn倍した高調波信号とを混合した信号を出力信号として出力する周波数変換器を用いた計測システムであって、補正を施した波形を有する信号を発生して、第1の周波数変換器へ出力する信号発生器と、前記第1の周波数変換器から出力された信号を受信した第2の周波数変換器が出力した信号を計測する信号計測器と、前記信号計測器の計測結果に対して、前記補正を施す補正処理部とを備え、前記第1の周波数変換器及び前記第2の周波数変換器の各々が、半導体素子の非線形特性を利用して前記高調波信号と前記入力信号とを混合するハーモニック・ミキサであり、前記入力信号又は前記出力信号が、当該周波数変換器への入力前に又は当該周波数変換器からの出力後に、予め計測された当該周波数変換器の振幅及び位相の周波数特性に基づき前記補正が施される前記周波数変換器であることを特徴とする。」とあるのを、
「上記の課題を解決するため、本発明の計測システムは、所定の入力信号と、所定の局部発振信号とを入力し、前記入力信号と、前記局部発振信号の周波数をn倍した高調波信号とを混合した信号を出力信号として出力する周波数変換器を用いた計測システムであって、補正を施した波形を有する信号を発生して、第1の周波数変換器へ出力する信号発生器と、前記第1の周波数変換器から出力された信号を試験品を介して受信した第2の周波数変換器が出力した信号を計測する信号計測器と、前記信号計測器の計測結果に対して、前記補正を施す補正処理部とを備え、前記第1の周波数変換器及び前記第2の周波数変換器の各々が、半導体素子の非線形特性を利用して前記高調波信号と前記入力信号とを混合するハーモニック・ミキサであり、前記入力信号又は前記出力信号が、当該周波数変換器への入力前に又は当該周波数変換器からの出力後に、予め計測された当該周波数変換器の振幅及び位相の周波数特性に基づき前記補正が施される前記周波数変換器であることを特徴とする。」
と訂正する。

第3 当審の判断
1 一群の請求項について
訂正事項1に係る訂正前の請求項1?4について、請求項2?請求項4は請求項1を直接または間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。
よって、訂正前の請求項1?請求項4に対応する本件訂正後の請求項1?請求項4についての訂正は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項についての訂正である。
訂正事項2は、訂正事項1に伴って、本件特許明細書の段落【0010】に記載されている請求項1に対応する部分について訂正するものであるから、一群の請求項である請求項1?4の全てに関係する。
よって、本件特許明細書に係る訂正は、特許法第126条第4項の規定に適合する。

2 訂正事項1について
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項1に係る発明は、「信号計測器」が「前記第1の周波数変換器から出力された信号を受信した第2の周波数変換器が出力した信号を計測する」と特定されているが、「前記第1の周波数変換器から出力された信号」を「第2の周波数変換器」が受信するまでの構成については特定されていない。
これに対して、訂正後の請求項1に係る発明では、「信号計測器」が「前記第1の周波数変換器から出力された信号を試験品を介して受信した第2の周波数変換器が出力した信号を計測する」と特定され、「前記第1の周波数変換器から出力された信号」を「第2の周波数変換器」が受信するまでの構成について、「信号計測器」の計測対象を「試験品」と限定し、「試験品」と「第1の周波数変換器」および「第2の周波数変換器」との関係について構成を限定するものであり、訂正前の請求項1に係る発明を限定するものである。
また、訂正事項1は、訂正前の請求項2?4に記載される事項については何ら訂正するものではないから、請求項2?4に係る発明は、請求項1に係る発明と同様に判断される。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(2)新規事項の追加について
本件特許明細書には、以下のとおり記載されている(なお、下線は当審にて付与した。)。
「【0039】
計測部3は、制御部5と、任意信号発生器6と、周波数変換器10と、周波数変換器20と、デジタル・オシロスコープ8と、局部発振器40とを備えている。また、計測対象のサンプルである高周波デバイス等の試験品7は、計測時において、周波数変換器10と周波数変換器20との間に挿入される。試験品7は、例えば、アンテナ、ロー・ノイズ・アンプ等のデバイスである。これらの構成のうち、少なくとも、任意信号発生器6と、デジタル・オシロスコープ8とは、市販されている校正された計測機器であるとする。」
「【0047】
周波数変換器20は、図3に示したようにダウンコンバータとして構成されていて、周波数変換器10が出力した周波数fRFの信号を例えば試験品7を介して入力信号として入力するとともに、局部発振器40が出力した周波数fLO1の信号を局部発振信号として入力する。そして、周波数変換器20は、周波数fRFの入力信号と周波数fLO1の局部発振信号のk×n倍の高調波信号とを混合し、出力信号として周波数fIF1の信号を出力する。」

上記下線部で示されているように、本件特許明細書には、「第1の周波数変換器」と「第2の周波数変換器」の接続関係について、第1の周波数変換器である周波数変換器10が出力した信号を試験品を介して、第2の周波数変換器である周波数変換器20が入力することが記載されている。
したがって、訂正事項1は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張し、又は変更について
訂正事項1は、上記(1)で言及したように、発明特定事項に限定を付加して特許請求の範囲を限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
また、訂正事項1は、訂正前の請求項2?4に記載される事項については何ら訂正するものではないから、請求項2?4に係る発明は、請求項1に係る発明と同様に判断される。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正事項1は、上記(1)で言及したように、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、かつ、上記(3)で言及したように、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものにも該当しない。
したがって、当該訂正後における特許請求の範囲に係る発明は、訂正前より減縮されたものとなることから、新規性進歩性の要件について、見直すべき新たな事情は存在しない。また、当該訂正よる、特許請求の範囲及び発明の詳細な説明の記載に関する新たな不備も認められず、ほかに、当該発明が独立特許要件を充足しないとする理由も見当たらない。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。

3 訂正事項2
(1)訂正の目的について
訂正事項2は、本件特許明細書の【0010】の記載内容を、訂正事項1の記載内容に一致させるものであるから、訂正事項2は特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(2)新規事項の追加について
訂正事項2は訂正事項1と実質的に同じ内容のものであるから、上記1(2)と同様に判断され、訂正事項2は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張し、又は変更について
訂正事項2は訂正事項1と実質的に同じ内容のものであるから、上記1(3)と同様に判断され、訂正事項1で述べたことから明らかなように、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第3項ないし第7項に規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。


 
発明の名称 (54)【発明の名称】
周波数変換ユニット、計測システム及び計測方法
【技術分野】
【0001】
本発明は、周波数変換器、計測システム及び計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、無線LAN(ローカルエリアネットワーク)の高速化の国際規格として検討されているIEEE802.11adでは、キャリア周波数が約60GHzであり、ミリ波の電波が使用される予定である。ここで、周波数30?300GHzの電波(電磁波)はミリ波と呼ばれ、また、3GHz?30GHzの電波はセンチメートル波と呼ばれ、ともに、周波数300MHz?3THzの電波を指すマイクロ波に含まれている。
【0003】
また、IEEE802.11adでは、変調帯域が、1チャンネルあたり2.16GHzとなり、従来の帯域の10?100倍程度となる予定である。このような規格に適合したデバイスの開発を行うにあたっては、次のような手法でデバイスの特性評価が行われている。すなわち、従来の周波数帯域(例えばセンチメートル波帯)に対応する計測機器と、周波数変換器とを組み合わせることでデバイスの特性評価が行われている。ここで、周波数変換器は、例えば、ミリ波の信号をセンチメートル波にダウンコンバートしたり、センチメートル波の信号をミリ波にアップコンバートしたりする装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-063336号公報
【特許文献2】特開2000-028711号公報
【特許文献3】特開平11-127476号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】 馬 岳林、山尾 泰、赤岩 芳彦、「入力信号帯域幅に制限された情報を基に補償を行うプリディストーション非線形補償の効果」電子情報通信学会、2013-03
【非特許文献2】Yuelin MA,Yasushi YAMAO,Yoshihiko AKAIWA,”An Algorithm for Obtaining the Inverse for a Given Polynomial in Baseband,”Ieice TRANS.FUNDAMENTALS,VOL.E96-A,NO.3 MARCH 2013.
【非特許文献3】秋田 米生、羽生 広、柴垣 信彦、「ミリ波通信機器の60GHz帯における周波数特性補正法の検討」電子情報通信学会、短距離無線通信時限研究専門委員会、短距離無線通信研究会技術研究報告、SRW2012-32,December 10,2012
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のようにミリ波に対応したデバイスを評価する際には、周波数変換器を用いる場合に、次のようなことが課題となる。すなわち、上述した1チャンネルの帯域が2.16GHzとなるような変調信号を入力又は出力する周波数変換器は、非常に高価である。また、測定を行う為のセットアップが複雑であり、機器の接続間違いが発生しやすかったり、調整に時間を要したりすることがある。これらの課題が生じる原因の一つに、周波数変換器に含まれているミキサ(すなわち混合器)の構成がある。
【0007】
図7は、ミリ波で使用される周波数変換器が備えるミキサの構成の一例を示している。一般的に、ミリ波で超広帯域の変調信号を取り扱える、周波数特性が平坦な周波数変換器を製造する事は困難である。また、平坦な周波数特性を維持しての、センチメートル波からミリ波信号の直接的な生成およびミリ波からセンチメートル波信号の直接的な変換は困難である。そのため、図7に示すようなダブル・スーパー・ヘテロダイン方式の周波数変換器200を採用することが一般的である。図7に示した周波数変換器200は、異なる2種類の周波数f_(LO1)及びf_(LO2)を局部発振信号として入力する2個のミキサ201及び202を備えている。周波数変換器200は、アップコンバータとして使用される場合、周波数f_(IF1)の変調信号をミキサ201へ入力し、周波数f_(IF1)と周波数f_(LO1)の和の値の中間周波数f_(IF2)を持つ信号に変換される。さらに、周波数f_(IF2)の信号をミキサ202へ入力し、周波数f_(IF2)と周波数f_(LO2)の和の値の周波数f_(RF)の高周波信号に変換される。一方、ダウンコンバータとして使用される場合、周波数変換器200は、周波数f_(RF)の高周波信号をミキサ202へ入力し、周波数f_(RF)と周波数f_(LO2)の差の値の中間周波数f_(IF2)を持つ信号に変換される。さらに、周波数f_(IF2)の信号をミキサ201へ入力し、周波数f_(IF2)と周波数f_(LO1)の差の値の周波数f_(IF1)の変調信号に変換される。
【0008】
図7に示したダブルスーパーヘテロダイン方式の周波数変換器200は、ミキサを2個備えている。そのため、2種類の局部発振信号を用意しなければならない。また、ミキサ間の配線も必要となる。これらの構成上の問題が、高価格化や、測定を行う際のセットアップの複雑化、機器の接続間違いの可能性増大、調整の長時間化の一因となっている。
【0009】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、簡単化した構成を有する周波数変換ユニット、計測システム及び計測方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明の計測システムは、所定の入力信号と、所定の局部発振信号とを入力し、前記入力信号と、前記局部発振信号の周波数をn倍した高調波信号とを混合した信号を出力信号として出力する周波数変換器を用いた計測システムであって、補正を施した波形を有する信号を発生して、第1の周波数変換器へ出力する信号発生器と、前記第1の周波数変換器から出力された信号を試験品を介して受信した第2の周波数変換器が出力した信号を計測する信号計測器と、前記信号計測器の計測結果に対して、前記補正を施す補正処理部とを備え、前記第1の周波数変換器及び前記第2の周波数変換器の各々が、半導体素子の非線形特性を利用して前記高調波信号と前記入力信号とを混合するハーモニック・ミキサであり、前記入力信号又は前記出力信号が、当該周波数変換器への入力前に又は当該周波数変換器からの出力後に、予め計測された当該周波数変換器の振幅及び位相の周波数特性に基づき前記補正が施される前記周波数変換器であることを特徴とする。
また、本発明の他の計測システムは、前記逓倍器が出力段に可変利得アンプまたは飽和機能を有する手段を有していることを特徴とする。
また、本発明の他の計測システムは、さらに前記局部発振信号の周波数をk倍逓倍し、その信号を前記ハーモニック・ミキサへ入力する逓倍器を備えている、ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の他の計測システムは、前記計測が、ベクトル・ネットワーク・アナライザを用いて行われるものであり、前記ベクトル・ネットワーク・アナライザが、前記周波数変換器へ入力される前記入力信号を生成して出力し、前記周波数変換器から出力された前記出力信号を入力して計測することで、前記周波数変換器の振幅及び位相の周波数特性を計測するものであり、かつ、前記入力信号が、前記ベクトル・ネットワーク・アナライザから、アイソレータ又はアッテネータを介して、前記周波数変換器へ入力される、ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の計測方法は、所定の入力信号と、所定の局部発振信号とを入力し、前記入力信号と、前記局部発振信号の周波数をn倍した高調波信号とを混合した信号を出力信号として出力する周波数変換器を用いた計測システムによる計測方法であって、補正を施した波形を有する信号を発生して、第1の周波数変換器へ出力する信号発生器と、前記第1の周波数変換器から出力された信号を受信した第2の周波数変換器が出力した信号を計測する信号計測器と、前記信号計測器の計測結果に対して、前記補正を施す補正処理部とを備え、前記第1の周波数変換器及び前記第2の周波数変換器の各々が、半導体素子の非線形特性を利用して前記高調波信号と前記入力信号とを混合するハーモニック・ミキサであり、前記入力信号又は前記出力信号が、当該周波数変換器への入力前に又は当該周波数変換器からの出力後に、予め計測された当該周波数変換器の振幅及び位相の周波数特性に基づき前記補正が施される前記周波数変換器である計測システムを用いて、前記第1の周波数変換器と、前記第2の周波数変換器との間に試験品を挿入し、前記試験品の高周波特性を計測する。
【0013】
また、上記の課題を解決するため、本発明の周波数変換ユニットは、所定の入力信号と、所定の局部発振信号とを入力し、前記入力信号と、前記局部発振信号の周波数をn倍した高調波信号とを混合した信号を出力信号として出力する周波数変換ユニットであって、前記入力信号と、前記高調波信号とを混合する回路が、半導体素子の非線形特性を利用して前記高調波信号と前記入力信号とを混合する、ハーモニック・ミキサであり、前記入力信号又は前記出力信号が、周波数変換器への入力前に又は当該周波数変換器からの出力後に、予め計測された当該周波数変換器の振幅及び位相の周波数特性に基づき補正が施される、入力信号補正部又は出力信号補正部を有することを特徴とする。
また、本発明の他の周波数変換ユニットは、前記逓倍器が出力段に可変利得アンプまたは飽和機能を有する手段を有していることを特徴とする。
また、本発明の他の周波数変換ユニットは、さらに前記局部発振信号の周波数をk倍逓倍し、その信号を前記ハーモニック・ミキサへ入力する逓倍器を備えている、ことを特徴とする。
また、本発明の他の周波数変換ユニットは、前記計測が、ベクトル・ネットワーク・アナライザを用いて行われるものであり、前記ベクトル・ネットワーク・アナライザが、前記周波数変換器へ入力される前記入力信号を生成して出力し、前記周波数変換器から出力された前記出力信号を入力して計測することで、前記周波数変換器の振幅及び位相の周波数特性を計測するものであり、かつ、前記入力信号が、前記ベクトル・ネットワーク・アナライザから、アイソレータ又はアッテネータを介して、前記周波数変換器へ入力される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、周波数変換器が備えるミキサを、1個のハーモニック・ミキサで構成することができる。よって、構成を簡単化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態の周波数変換器が備えるハーモニック・ミキサの基本構成を説明するための図である。
【図2】本発明の一実施形態としての周波数変換器10の構成例を示したブロック図である。
【図3】本発明の他の実施形態としての周波数変換器20の構成例を示したブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態としての計測システム1の構成例を示したシステム図である。
【図5】図4の計測システム1による計測処理の流れの一例を示したフローチャートである。
【図6】図4の計測システム1における補正の有無の比較結果の一例を示した図である。
【図7】本発明の背景技術を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して発明の実施の形態について説明する。まず、図1を参照して、本発明の実施形態としての周波数変換器が備えるハーモニック・ミキサの基本構成について説明する。図1は、本発明の実施形態としての周波数変換器が備えるハーモニック・ミキサ100の構成例を示した図である。また、本発明の実施形態は、ミリ波である超広帯域の変調信号、例えばIEEE802.11adの規格に対応する周波数帯域の信号の測定に、周波数特性が平坦な周波数変換器としてのハーモニックミキサに関するものである。また、本実施形態は、このハーモニックミキサを用いて、IEEE802.11adの規格に対応するように、ミリ波である超広帯域の変調信号を、汎用なデジタルオシロスコープを用いて簡易に測定できる測定系に関するものである。
【0017】
図1に示したハーモニック・ミキサ100は、入力された局部発振信号を歪ませてその高調波を生成する回路を内部に有するミキサである。ハーモニック・ミキサ100は、周波数f_(LO1)の局部発振信号を入力し、ミキサ内部で局部発振信号を歪ませることでのn倍の周波数n×f_(LO1)の高調波を生成して、その周波数n×f_(LO1)の高調波を周波数f_(RF)の入力信号(ダウンコンバータの場合)又は周波数f_(IF1)の入力信号(アップコンバータの場合)と混合する。
【0018】
ハーモニック・ミキサ100をダウンコンバータとして用いる場合、局部発振信号を適切に選択することで、ある局部発振信号(f_(LO1))の高調波(n×f_(LO1))と入力周波数(f_(RF))が混合され適当な中間周波数(f_(IF1))の出力信号が得られる。その関係を次式で示す。nはハーモニック数と呼ばれる2以上の整数であり、高調波の次数を表す。なお、図7を参照して説明したような通常のミキサでは、高調波を用いずに周波数変換を行うのでn=1である。
【0019】
f_(IF1)=f_(RF)-n×f_(LO1)
【0020】
一方、ハーモニック・ミキサ100をアップコンバータとして用いる場合、局部発振信号を適切に選択することで、ある局部発振信号の高調波(n×f_(LO1))と入力周波数(f_(IF1))が混合され適当な出力周波数(f_(RF))の出力信号が得られる。その関係を次式で示す。
【0021】
f_(RF)=f_(IF1)+n×f_(LO1)
【0022】
次に、図2を参照して、本発明の一実施形態としての周波数変換器10の構成例について説明する。図2に示した周波数変換器10は、アップコンバータとして構成されている。図2に示した周波数変換器10は、ハーモニック・ミキサ11と、ハイ・パス・フィルタ12と、パワー・アンプ(PA)13と、アイソレータ14と、逓倍器15とを備えている。
【0023】
逓倍器15は、例えば、逓倍数k=2の逓倍器であり、周波数f_(LO1)の局部発振信号を入力して周波数を2倍(すなわちk倍)し、周波数が2×f_(LO1)(すなわちk×f_(LO1))の高周波信号を生成して出力信号として出力する。この逓倍器15は、本実施形態において、局部発振信号の周波数f_(LO1)を例えば2倍とするため、アクティブダブラー(入力された信号の周波数を2倍して出力する能動的逓倍器)が用いられている。通常の逓倍器においては、出力される逓倍後の局部発振信号の電力が、逓倍する周波数によって変動する。この結果、後述するように、ハーモニック・ミキサ11の振幅および位相の周波数特性Sパラメータを測定して、周波数変換器10が出力する出力信号の補正処理を行う場合、逓倍器15の出力する局部発振信号の信号レベルが不安定のため、周波数変換器10が出力する出力信号に対して精度の高い補正ができず、正しい測定結果を得ることができない。このため、本実施形態においては、所定の周波数帯域において一定の電力の局部発振信号が出力されるように、逓倍した後の信号レベルを一定とするため、逓倍器15の出力段に出力する局部発振信号の信号レベルを一定とするAGC(automatic gain control)のアンプ機能または、出力する局部発振信号の信号レベルを飽和させる電力飽和機能を有する手段が付加されており、所定の周波数帯域内における周波数のいずれにおいても信号レベル変化させずに一定の電力でハーモニック・ミキサ11に対し、逓倍した局部発振信号を出力する。
【0024】
上述した逓倍器15を用いることで、局部発振信号をハーモニック・ミキサ11に供給する際の電力レベルを、広い周波数帯域において安定させ、ハーモニック・ミキサ11における変調精度及び信号レベルの再現性の各々を向上させる。これにより、周波数変換器10の振幅および位相の周波数特性(Sパラメータ)を予め測定しておき、周波数変換器10が出力する信号の補正処理を上記周波数特性により行う際、逓倍器15の出力する局部発振信号の信号レベルが周波数によらず一定のため、所定の周波数帯域における周波数のいずれにおいても周波数変換器10が出力する信号に対して精度の高い補正ができ、正しい測定結果を得ることができる。ここで、逓倍器15は、ハーモニック・ミキサ11のハーモニック数と組合わせて変更するため、任意に逓倍数を変更できる構成となっている。
【0025】
ハーモニック・ミキサ11は、ハーモニック数n=2のハーモニック・ミキサであり、周波数f_(IF1)の変調信号を入力信号として入力するとともに、逓倍器15が出力した周波数が2×f_(LO1)の高周波信号を入力する。ハーモニック・ミキサ11は、入力した周波数(2×f_(LO1))の高周波信号の2倍の周波数(2×2×f_(LO1)=4×f_(LO1))の高調波信号を内部で生成し、周波数f_(IF1)の入力信号と混合する。ハーモニック・ミキサ11は、生成した周波数4×f_(LO1)の高調波信号と周波数f_(IF1)の入力信号とを混合することで、周波数f_(IF1)+4×f_(LO1)の高周波信号を生成して出力する。ハーモニック・ミキサ11の出力は、ハイ・パス・フィルタ12へ入力される。ハイ・パス・フィルタ12は、入力信号の低周波成分を減衰させて出力する。ハイ・パス・フィルタ12から出力された信号は、パワー・アンプ13で増幅され、アイソレータ14へと入力される。アイソレータ14は、高周波電力を1方向にだけ通すデバイスであり、パワー・アンプ13の出力への反射波の入力を抑制する。そして、アイソレータ14から周波数f_(RF)=f_(IF1)+4×f_(LO1)の出力信号が出力される。なお、図2に示した例では逓倍数kとハーモニック数nとをどちらも2としたが、これに限らず個々に任意の値とすることができる。
【0026】
ここで例えばf_(IF1)=3GHz、f_(LO1)=14.25GHz、逓倍数k=2、ハーモニック数n=2とすれば、出力信号の周波数f_(RF)はf_(RF)=f_(IF1)+k×n×f_(LO1)=3+2×2×14.25=60GHzとなる。この場合、周波数変換器10は、入力信号の周波数f_(IF1)=3GHzを、周波数f_(RF)=60GHzにアップコンバートする。
【0027】
なお、アップコンバータとして構成する場合の周波数変換器10の構成は、図2に示したものに限定されず、適宜変更が可能である。例えば、ハイ・パス・フィルタ12をバンド・パス・フィルタに変更したり、各部に適宜、ロー・パス・フィルタやバンド・パス・フィルタを追加(挿入)したり、あるいはパワー・アンプ13やアイソレータ14を省略したりすることができる。また、アイソレータ14に代えてアッテネータ(高周波用減衰器)を用いることもできる。また、上記の構成では、逓倍器15を設けているので、ハーモニック・ミキサ11のハーモニック数nを逓倍数kの値に応じて小さくすることができる。ただし、逓倍器15は省略することもできる。
【0028】
次に、図3を参照して、本発明の一実施形態としての周波数変換器20の構成例について説明する。図3に示した周波数変換器20は、ダウンコンバータとして構成されている。図3に示した周波数変換器20は、アイソレータ21と、ロー・ノイズ・アンプ(LNA)22と、ハーモニック・ミキサ23と、ロー・パス・フィルタ24と、逓倍器25と、アッテネータ(ATT)26、プリアンプ(ACG:可変利得アンプ)27を備えている。
【0029】
アイソレータ21は、周波数fRFの高周波信号を入力信号として入力し、出力をロー・ノイズ・アンプ22へ入力する。アイソレータ21は、入力信号の反射波の発生を抑制する。ロー・ノイズ・アンプ22は、入力信号を増幅して、ハーモニック・ミキサ23へ出力する。逓倍器25は、逓倍数k=2の逓倍器であり、周波数f_(LO1)の局部発振信号を入力して周波数を2倍し、周波数が2×f_(LO1)の高周波信号を生成して出力する。ハーモニック・ミキサ23は、ハーモニック数n=2のハーモニック・ミキサであり、ロー・ノイズ・アンプ22が出力した周波数f_(RF)の高周波信号を入力するとともに、逓倍器25が出力した周波数が2×f_(LO1)の高周波信号を入力する。ハーモニック・ミキサ23は、入力した周波数(2×f_(LO1))の高周波信号の2倍の周波数(2×2×f_(LO1)=4×f_(LO1))の高調波信号を内部で生成し、周波数f_(RF)の入力信号と混合する。ハーモニック・ミキサ23は、生成した周波数4×f_(LO1)の高調波信号と周波数f_(RF)の入力信号とを混合することで、周波数f_(RF)-4×f_(LO1)の高周波信号を生成して出力する。ハーモニック・ミキサ23の出力は、ロー・パス・フィルタ24へ入力される。ロー・パス・フィルタ24は、入力信号の高周波成分を減衰させる。この場合、ロー・パス・フィルタ24からは、周波数f_(IF1)=f_(RF)-4×f_(LO1)の高周波信号(変調信号)が出力される。なお、図3に示した例では逓倍数kとハーモニック数nとをどちらも2としたが、これに限らず個々に任意の値とすることができる。
【0030】
ここで例えばf_(RF)=60GHz、f_(LO1)=14.25GHz、k=2、n=2とすれば、出力信号の周波数f_(IF1)=f_(RF)-k×n×f_(LO1)=60-2×2×14.25=3GHzとなる。この場合、周波数変換器20は、入力信号の周波数f_(RF)=60GHzを、周波数f_(IF1)=3GHzにダウンコンバートする。
【0031】
なお、ダウンコンバータとして構成する場合の周波数変換器20の構成は、図3に示したものに限定されず、適宜変更が可能である。例えば、ロー・パス・フィルタ24をバンド・パス・フィルタに変更したり、各部に適宜、ハイ・パス・フィルタやバンド・パス・フィルタを追加(挿入)したり、あるいはロー・ノイズ・アンプ22やアイソレータ21を省略したりすることができる。また、アイソレータ21に代えてアッテネータを用いることもできる。また、上記の構成では、逓倍器25を設けているので、ハーモニック・ミキサ23のハーモニック数nを逓倍数kの値に応じて小さくすることができる。ただし、逓倍器25は省略することもできる。
【0032】
アッテネータ26は、プリアンプ27の入力端子から反射する信号の信号レベルを減衰させ、ハーモニック・ミキサ23の出力端子において、プリアンプ27から反射されて戻ってくる信号による出力信号に対する影響を抑制する。このアッテネータ26は、ローパスフィルタ24とプリアンプ27との間に介挿されている。
プリアンプ27は、後段のデジタル・オシロスコープ(後述するデジタル・オシロスコープ8)に対し、ローパスフィルタ24からの出力信号の信号レベルを増幅して出力する。これにより、周波数変換器20からの出力信号を測定するデジタル・オシロスコープの入力の感度が低い場合でも、周波数変換器20から出力される出力信号を任意の信号レベルに増幅することができる。このため、出力信号の計測を行うデジタル・オシロスコープのダイナミックレンジに合わせて、周波数変換器20からの出力信号の信号レベルを適切に調整することが可能となる。
【0033】
また、周波数変換器20から出力される出力信号の信号レベルをデジタル・オシロスコープ8の感度に合わせるため、増幅器を周波数変換器20及びオシロスコープ8間に介挿した場合、この増幅器の特性が未知のため、出力信号の正しい測定結果を得ることができない。しかしながら、本実施形態のように周波数変換器20内部に対して、出力信号の信号レベルを調整するプリアンプ27を予め設けることにより、このプリアンプ27の周波数特性も、周波数変換器20の周波数特性に含めることができるため、周波数変換器20を用いることで、デジタル・オシロスコープの入力の感度に合わせて、高い精度で出力信号を測定できる測定系を簡易に構成することができる。
【0034】
逓倍器25は、逓倍器15と同様に、本実施形態において局部発振信号の周波数f_(LO1)を例えば2倍とするため、アクティブダブラーが用いられている。通常の逓倍器においては、出力される逓倍後の局部発振信号の電力が、逓倍する周波数によって変動する。この結果、後述するように周波数変換器20の振幅および位相の周波数特性(Sパラメータ)を測定して、周波数変換器20の出力する出力信号の補正処理を行う場合、逓倍器15の出力する局部発振信号の信号レベルが不安定のため、周波数変換器20が出力する出力信号に対して精度の高い補正ができず、正しい測定結果を得ることができない。このため、本実施形態においては、所定の周波数帯域において一定の電力の局部発振信号が出力されるように、逓倍した後の信号レベルを一定とするため、出力部にAGCのアンプ機能が付加されており、所定の周波数帯域における周波数のいずれにおいても信号レベルを変化させずに一定の電力でハーモニック・ミキサ23に対し、逓倍した局部発振信号を出力する。
【0035】
上述した逓倍器25を用いることで、局部発振信号をハーモニック・ミキサ23に供給する際の電力レベルを、広い周波数帯域において安定させ、ハーモニック・ミキサ23における変調精度及び電力レベルの再現性の各々を向上させる。これにより、周波数変換器20の振幅および位相の周波数特性(Sパラメータ)を予め測定しておき、周波数変換器20から出力される信号の補正処理を上記周波数特性により行う際、逓倍器23の出力する局部発振信号が一定のため、所定の周波数帯域における周波数のいずれにおいても周波数変換器20が出力する信号に対して精度の高い補正ができ、正しい測定結果を得ることができる。ここで、逓倍器25は、ハーモニック・ミキサ23のハーモニック数と組合わせて変更するため、任意に逓倍数を変更できる構成となっている。
【0036】
また、図1?図3に示したハーモニック・ミキサ100、11及び23の各々は、ハーモニック数nが4に限らず、2、6等でもよい。さらに、nの値は偶数に限らず、奇数としてもよい。ハーモニック・ミキサ100、11及び23の各々は、逓倍器15の逓倍数と組合わせて、ハーモニック数nの値を任意に切り替えられるように構成してもよい。
【0037】
すなわち、使用するハーモニックミキサの種類によっては、その回路特性などを起因として、周波数変換を行う周波数や周波数帯域幅などにより、ハーモニック数によっては、スプリアスが発生する場合もある。このため、周波数及び周波数帯域に対応した測定や実験等を行い、ハーモニックミキサのハーモニック数を、使用するハーモニックミキサの特性に合わせて、逓倍器15の倍数との組合せも含めて、適時良好な数値として設定する必要がある。
【0038】
次に、図4を参照して、本発明の一実施形態としての計測システム1について説明する。図4は、本発明の一実施形態としての計測システム1の構成例を示したシステム図である。なお、図4において、図2及び図3に示した構成と同一のものには同一の符号を付けている。図4に示した計測システム1は、補正用データ取得部2と、計測部3とを備えている。
【0039】
計測部3は、制御部5と、任意信号発生器6と、周波数変換器10と、周波数変換器20と、デジタル・オシロスコープ8と、局部発振器40とを備えている。また、計測対象のサンプルである高周波デバイス等の試験品7は、計測時において、周波数変換器10と周波数変換器20との間に挿入される。試験品7は、例えば、アンテナ、ロー・ノイズ・アンプ等のデバイスである。これらの構成のうち、少なくとも、任意信号発生器6と、デジタル・オシロスコープ8とは、市販されている校正された計測機器であるとする。
【0040】
制御部5は、例えばパーソナルコンピュータ等のコンピュータを用いて構成されている。制御部5は、プリ・ディストーション処理部51と、補正データ記憶部52と、イコライゼーション処理部53と、解析部54とを備えている。ここで、プリ・ディストーション処理部51と、イコライゼーション処理部53と、解析部54とは、制御部5を構成するコンピュータ上で、当該コンピュータのハードウェア資源を利用して実行されるソフトウェアとして構成されている。また、補正データ記憶部52は、制御部5が有する記憶装置内の所定の記憶領域として構成されている。
【0041】
補正データ記憶部52は、補正用データ取得部2で取得した、周波数変換器10及び周波数変換器20の入出力信号間の振幅及び位相の変化の周波数特性(すなわち伝送特性を表す2ポートSパラメータS21)を示すデータを記録する。ただし、周波数特性を記録することに代えてあるいは記録することとともに、例えば、どのように波形を補正するかということを示すデータを記録することもできる。
【0042】
プリ・ディストーション処理部51は、補正データ記憶部52に記憶されている、周波数変換器10及び周波数変換器20の振幅及び位相の周波数特性を示すデータに基づき、任意信号発生器6が発生する信号波形を補正するための処理を行う。例えば、プリ・ディストーション処理部51は、アップコンバータである周波数変換器10の振幅及び位相の周波数特性を示すデータに基づき、周波数変換器10による振幅特性のバラツキと位相特性のバラツキとを打ち消すように(すなわち周波数特性が平坦となるように)、任意信号発生器6が発生する波形の振幅値と位相値とを周波数に応じて変化させる。プリ・ディストーション処理部51は、例えば、周波数変換器10の出力信号の振幅値が他の周波数帯域と比較してある周波数帯域で減衰したような場合、その減衰分を打ち消すようにその周波数帯域で振幅値を増幅する補正を行う。また、プリ・ディストーション処理部51は、例えば、周波数変換器10の出力信号の位相が他の周波数帯域と比較してある周波数帯域で遅れたような場合、その遅れ分を打ち消すようにその周波数帯域で位相を進める補正を行う。
【0043】
イコライゼーション処理部53は、デジタル・オシロスコープ8が計測及び記録した計測データに対して、補正データ記憶部52に記憶されている、周波数変換器10及び周波数変換器20の振幅及び位相の周波数特性を示すデータに基づき、補正を施す処理を行う。例えば、イコライゼーション処理部53は、ダウンコンバータである周波数変換器20の振幅及び位相の周波数特性を示すデータに基づき、周波数変換器20による振幅特性のバラツキと位相特性のバラツキとを打ち消すように(すなわち周波数特性が平坦となるように)、計測データの振幅値と位相値とを周波数に応じて変化させる。イコライゼーション処理部53は、例えば、周波数変換器20の出力信号の振幅値が他の周波数帯域と比較してある周波数帯域で減衰したような場合、その減衰分を打ち消すようにその周波数帯域で振幅値を増幅する補正を行う。また、イコライゼーション処理部53は、例えば、周波数変換器20の出力信号の位相が他の周波数帯域と比較してある周波数帯域で遅れたような場合、その遅れ分を打ち消すようにその周波数帯域で位相を進める補正を行う。
【0044】
解析部54は、イコライゼーション処理部53が補正した計測データに基づき、試験品7の所定の高周波特性を解析する処理を行う。
【0045】
任意信号発生器6は、任意信号発生器6が有する操作子を用いた所定の設定操作や制御部5から入力された制御信号に基づき任意の形状の波形を発生して、周波数変換器10に入力する。以下の説明では、任意信号発生器6が、中心周波数f_(IF1)の所定の帯域幅を有する変調信号を出力するものとする。
【0046】
周波数変換器10は、図2に示したようにアップコンバータとして構成されていて、任意信号発生器6が出力した周波数f_(IF1)の信号を入力信号、局部発振器40が出力した周波数f_(LO1)の信号を局部発振信号として入力する。そして、周波数変換器10は、周波数f_(IF1)の入力信号と周波数f_(LO1)の局部発振信号のk×n倍の高調波信号とを混合し、出力信号として周波数f_(RF)の高周波信号を出力する。
【0047】
周波数変換器20は、図3に示したようにダウンコンバータとして構成されていて、周波数変換器10が出力した周波数f_(RF)の信号を例えば試験品7を介して入力信号として入力するとともに、局部発振器40が出力した周波数f_(LO1)の信号を局部発振信号として入力する。そして、周波数変換器20は、周波数f_(RF)の入力信号と周波数f_(LO1)の局部発振信号のk×n倍の高調波信号とを混合し、出力信号として周波数f_(IF1)の信号を出力する。
【0048】
デジタル・オシロスコープ8は、周波数変換器20の出力信号を所定のサンプリング間隔で取り込み、内部の所定の記憶装置に記録する。
【0049】
局部発振器40は、周波数f_(LO1)の局部発振信号を発生し、例えば図示していない分配器を用いて分配し、周波数変換器10及び周波数変換器20へ入力する。
【0050】
一方、補正用データ取得部2は、図2及び図3を参照して説明した周波数変換器10及び周波数変換器20の伝送特性(すなわち伝送特性を表す2ポートSパラメータS21)を試験品7の計測に先立ち、予め取得するための構成である。すなわち、補正用データ取得部2は、計測部3による試験品7の高周波特性の計測前に予め周波数変換器10及び周波数変換器20の振幅及び位相の周波数特性を計測する。
【0051】
図4に示した例では、補正用データ取得部2が、ミリ波ベクトル・ネットワーク・アナライザ4を備えて構成されている。ミリ波ベクトル・ネットワーク・アナライザ4は、試験品のミリ波帯のSパラメータ等の高周波特性を計測する計測機器であり、この場合、市販の校正された装置であるとする。補正用データ取得部2では、ミリ波ベクトル・ネットワーク・アナライザ4に、アイソレータ30と、周波数変換器10又は20と、局部発振器70からなる回路が接続される。局部発振器70は、例えば局部発振器40と同じ周波数の局部発振信号を発生し、周波数変換器10又は20に対して局部発振信号として入力する。ただし、この局部発振信号はミリ波ベクトル・ネットワーク・アナライザ4から与えてもよい。周波数変換器10と周波数変換器20とは、いずれか一方ずつミリ波ベクトル・ネットワーク・アナライザ4に接続され、個々に入力信号と出力信号との間の振幅と位相の変化(すなわち伝送特性)の周波特性が計測される。
【0052】
アイソレータ30は、ミリ波ベクトル・ネットワーク・アナライザ4の信号出力端子と、周波数変換器10又は20の信号入力端子との間に挿入されている。このアイソレータ30は、ミリ波ベクトル・ネットワーク・アナライザ4から出力されて周波数変換器10又は20へ入力された信号が、ミリ波ベクトル・ネットワーク・アナライザ4へ反射することを抑制する。なお、アイソレータ30に代えて、アッテネータを用いてもよい。出願人においては、このアイソレータ30等を設けることで、プリ・ディストーション処理部51とイコライゼーション処理部53とが行う波形補正の効果が向上することを確認している。
【0053】
なお、周波数変換器10及び20の周波数特性を計測する際の周波数掃引の範囲は、試験品7に入力される高周波信号fRFや変調信号の帯域幅に応じて設定することができる。例えば、試験品7が、所定の無線通信に適用されるデバイスであれば、当該無線通信で使用される各チャンネルのキャリア周波数と、各チャンネルの変調信号の帯域幅とから決まる周波数範囲をカバーするように設定することができる。
【0054】
ミリ波ベクトル・ネットワーク・アナライザ4を使用して計測した結果、すなわち周波数変換器10及び周波数変換器20の振幅及び位相の周波数特性(すなわち伝送特性を表す2ポートSパラメータS21)は、所定の記録媒体や所定の通信線を介して制御部5に読み込ませ、補正データ記憶部52に格納する。
【0055】
次に、図4及び図5を参照して、計測システム1によって試験品7の高周波特性を計測する際の処理の流れについて説明する。
【0056】
まず、ユーザが、ミリ波ベクトル・ネットワーク・アナライザ4を使用して周波数変換器10及び20の振幅および位相の周波数特性(SパラメータS21)を取得する(ステップS101)。すなわち、ハーモニックミキサを含む周波数変換器10及び20のSパラメータをミリ波ベクトル・ネットワーク・アナライザ4により予め測定する。ただし、この計測は、例えば制御部5の制御下で自動的又は半自動的に行うこともできる。
【0057】
次に、ユーザによる制御部5等に対する所定の指示操作に従って、ステップS101で取得した振幅および位相の周波数特性(SパラメータS21)が補正データ記憶部52に格納される(ステップS102)。
【0058】
次に、ユーザによる制御部5に対する所定の指示操作に従って、プリ・ディストーション処理部51が、補正データ記憶部52に格納されている振幅および位相の周波数特性(SパラメータS21)に基づき、任意信号発生器6で生成する波形(基準信号とする)に施すプリ・ディストーションを設定する(ステップS103)。
【0059】
次に、ユーザが、周波数変換器(アップコンバータ)10と周波数変換器(ダウンコンバータ)20とを直接(すなわち最短の導波管等を介して)接続し、ユーザが、直接あるいは制御部5を介して所定の指示操作を行うことで、任意信号発生器6で発生した補正された基準信号を周波数変換器(アップコンバータ)10へ入力し、周波数変換器(ダウンコンバータ)20の出力をデジタル・オシロスコープ8で計測して記録する(ステップS104)。この周波数変換器(アップコンバータ)10の出力端子(例えば導波管の挿入口として形成されている)と、周波数変換器(ダウンコンバータ)20の入力端子(例えば導波管の挿入口として形成されている)とが、試験品7のミリ波帯の高周波特性を計測する際の基準面(ミリ波基準面とする)となる。また、ミリ波基準面を基準として図に向かって左側が送信側(すなわちアップコンバーション動作)であり、ミリ波基準面を基準として図に向かって右側が受信側(すなわちダウンコンバーション動作)である。
【0060】
次に、ユーザが、周波数変換器(アップコンバータ)10と周波数変換器(ダウンコンバータ)20との間に試験品7を挿入し、ユーザが、直接あるいは制御部5を介して所定の指示操作を行うことで、任意信号発生器6で発生した補正された基準信号を周波数変換器(アップコンバータ)10へ入力し、周波数変換器(ダウンコンバータ)20の出力をデジタル・オシロスコープ8が測定して記録する(ステップS105)。
【0061】
次に、ユーザによる制御部5に対する所定の指示操作に従って、イコライゼーション処理部53が、デジタル・オシロスコープ8で記録されたデータに対して、補正データ記憶部52に格納されている振幅および位相の周波数特性(SパラメータS21)に基づき補正処理(すなわちイコライゼーション処理)を施す(ステップS106)。ここでは、例えばステップS104で記録された計測値と、ステップS105で記録された計測値の双方に対して補正処理が行われる。
【0062】
次に、ユーザによる制御部5に対する所定の指示操作に従って、解析部54が、イコライゼーション処理部53によって補正処理されたデータに基づき例えばコンステレーション(変調精度)、スペクトラムマスク等を算出する処理を行う(ステップS107)。ここで、試験品7の高周波特性は、ステップS104で計測してさらにステップS106で補正した計測値における振幅や位相変化の値(あるいはインピーダンス、歪み量、各種パラメータ)を基準値として、その基準値からステップS105で計測してステップS106で補正した計測値における振幅や位相変化の値(あるいはインピーダンス、歪み量、各種パラメータ)がどれだけ変化したのかということに基づいて、解析結果を算出することができる。すなわち、ステップS104で計測したミリ波基準面の計測値(あるいはこれを補正したもの)を基準として、ステップS105で計測した試験品7の計測値(あるいはこれを補正したもの)の解析を行うことができる。
【0063】
次に、図6を参照して、プリ・ディストーション処理部51による送信側での周波数変換器10への入力信号に対する振幅と位相の補正と、イコライゼーション処理部53による受信側での周波数変換器20からの出力信号に対する振幅と位相の補正との効果の確認結果について説明する。図6(a)は、プリ・ディストーション処理部51による補正と、イコライゼーション処理部53による補正とをいずれも行わなかった場合のスペクトラムマスクの観測結果である。一方、図6(b)は、プリ・ディストーション処理部51による補正と、イコライゼーション処理部53による補正とを両方行った場合のスペクトラムマスクの観測結果である。ここで図6に記載したベクトル補正とは、振幅と位相の両者を補正することを意味している。
【0064】
また、図6(c)は、プリ・ディストーション処理部51による補正と、イコライゼーション処理部53による補正とをいずれも行わなかった場合のコンステレーションである。一方、図6(d)は、プリ・ディストーション処理部51による補正と、イコライゼーション処理部53による補正とを両方行った場合のコンステレーションである。EVM(エラーベクトル振幅)の値は、補正を行わなかった場合に23.9%であるのに対して、補正を行った場合に8.1%となっており、変調精度の改善が確認された。
【0065】
以上のように、本発明の実施形態では、周波数変換器をハーモニック・ミキサを用いて構成したので、周波数変換器の構造を簡素化することができ、汎用的なデジタルオシロスコープを用いて変調信号の測定を行うため、製造コストの低下や測定セットアップのし易さを達成することができた。また、ハーモニック・ミキサを用いた場合、出力信号には多くのイメージ(偽像)信号を含んでしまう場合があり、このイメージ信号は、周波数変換された所望の信号と重なり合い変調精度等を悪化させる原因となることがあるが、振幅と位相の周波数特性の計測値を用いて波形を補正することで変調精度等の悪化を防止している。よって、仮に単体では周波数特性があまり良好ではない周波数変換器であっても、デジタル補正により特性を容易に改善することができる。すなわち、本実施形態においては、周波数変換器10及び20の周波数特性を予め計測により把握しておき、使用の際にデジタル補正を行って使用する。これらにより、仮にデバイス単体としての素性が良好でなくとも補正を施す事で、精度の高い計測を行うことができる。
【0066】
なお、本発明の実施の形態は、上記のものに限定されない。例えば、周波数変換器10や周波数変換器20に、局部発振器40を一体として組み込むことができる。局部発振器40を周波数変換器10や周波数変換器20に組み込むことにより、より簡易に計測部3を構成することができる。また、周波数変換器10や周波数変換器20、局部発振器40を、任意信号発生器6に組み込んだり、デジタル・オシロスコープ8に組み込んだりしてもよい。また、周波数変換器10や周波数変換器20についての振幅と位相の周波数特性の事前計測は、試験品7の測定の度に行う必要は無く、例えば、一定の期間ごとに計測すればよい。したがって、一般に高価であるミリ波ベクトルネットワークアナライザは、計測の際、常に用意する必要はない。また、事前計測のデータは、室温等の複数の計測環境において用意しておくこともできる。
【符号の説明】
【0067】
1…計測システム、2…補正用データ取得部、3…計測部、4…ミリ波ベクトル・ネットワーク・アナライザ、5…制御部、6…任意信号発生器、8…デジタル・オシロスコープ、10…周波数変換器、11…ハーモニック・ミキサ、20…周波数変換器、23…ハーモニック・ミキサ、30…アイソレータ、40…局部発振器、51…プリ・ディストーション処理部、52…補正データ記憶部、53…イコライゼーション処理部、54…解析部、81…ダイオード
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の入力信号と、所定の局部発振信号とを入力し、前記入力信号と、前記局部発振信号の周波数をn倍した高調波信号とを混合した信号を出力信号として出力する周波数変換器を用いた計測システムであって、
補正を施した波形を有する信号を発生して、第1の周波数変換器へ出力する信号発生器と、
前記第1の周波数変換器から出力された信号を試験品を介して受信した第2の周波数変換器が出力した信号を計測する信号計測器と、
前記信号計測器の計測結果に対して、前記補正を施す補正処理部と
を備え、
前記第1の周波数変換器及び前記第2の周波数変換器の各々が、半導体素子の非線形特性を利用して前記高調波信号と前記入力信号とを混合するハーモニック・ミキサであり、前記入力信号又は前記出力信号が、当該周波数変換器への入力前に又は当該周波数変換器からの出力後に、予め計測された当該周波数変換器の振幅及び位相の周波数特性に基づき前記補正が施される前記周波数変換器である
ことを特徴とする計測システム。
【請求項2】
さらに前記局部発振信号の周波数をk倍逓倍し、その信号を前記ハーモニック・ミキサへ入力する逓倍器を備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載の計測システム。
【請求項3】
前記逓倍器が出力段に可変利得アンプまたは飽和機能を有する手段を有している
ことを特徴とする請求項2に記載の計測システム。
【請求項4】
前記計測が、ベクトル・ネットワーク・アナライザを用いて行われるものであり、
前記ベクトル・ネットワーク・アナライザが、前記周波数変換器へ入力される前記入力信号を生成して出力し、前記周波数変換器から出力された前記出力信号を入力して計測することで、前記周波数変換器の振幅及び位相の周波数特性を計測するものであり、かつ、
前記入力信号が、前記ベクトル・ネットワーク・アナライザから、アイソレータ又はアッテネータを介して、前記周波数変換器へ入力される、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の計測システム。
【請求項5】
所定の入力信号と、所定の局部発振信号とを入力し、前記入力信号と、前記局部発振信号の周波数をn倍した高調波信号とを混合した信号を出力信号として出力する周波数変換器を用いた計測システムによる計測方法であって、
補正を施した波形を有する信号を発生して、第1の周波数変換器へ出力する信号発生器と、
前記第1の周波数変換器から出力された信号を受信した第2の周波数変換器が出力した信号を計測する信号計測器と、
前記信号計測器の計測結果に対して、前記補正を施す補正処理部と
を備え、
前記第1の周波数変換器及び前記第2の周波数変換器の各々が、半導体素子の非線形特性を利用して前記高調波信号と前記入力信号とを混合するハーモニック・ミキサであり、前記入力信号又は前記出力信号が、当該周波数変換器への入力前に又は当該周波数変換器からの出力後に、予め計測された当該周波数変換器の振幅及び位相の周波数特性に基づき前記補正が施される前記周波数変換器である計測システムを用いて、
前記第1の周波数変換器と、前記第2の周波数変換器との間に試験品を挿入し、前記試験品の高周波特性を計測する、
計測方法。
【請求項6】
所定の入力信号と、所定の局部発振信号とを入力し、前記入力信号と、前記局部発振信号の周波数をn倍した高調波信号とを混合した信号を出力信号として出力する周波数変換ユニットであって、
前記入力信号と、前記高調波信号とを混合する回路が、半導体素子の非線形特性を利用して前記高調波信号と前記入力信号とを混合する、ハーモニック・ミキサであり、
前記入力信号又は前記出力信号が、周波数変換器への入力前に又は当該周波数変換器からの出力後に、予め計測された当該周波数変換器の振幅及び位相の周波数特性に基づき補正が施される入力信号補正部又は出力信号補正部を有する、
ことを特徴とする周波数変換ユニット。
【請求項7】
さらに前記局部発振信号の周波数をk倍逓倍し、その信号を前記ハーモニック・ミキサへ入力する逓倍器を備えている、
ことを特徴とする請求項6に記載の周波数変換ユニット。
【請求項8】
前記逓倍器が出力段に可変利得アンプまたは飽和機能を有する手段を有している
ことを特徴とする請求項7に記載の周波数変換ユニット。
【請求項9】
前記計測が、ベクトル・ネットワーク・アナライザを用いて行われるものであり、前記ベクトル・ネットワーク・アナライザが、前記周波数変換器へ入力される前記入力信号を生成して出力し、前記周波数変換器から出力された前記出力信号を入力して計測することで、前記周波数変換器の振幅及び位相の周波数特性を計測するものであり、かつ、前記入力信号が、前記ベクトル・ネットワーク・アナライザから、アイソレータ又はアッテネータを介して、前記周波数変換器へ入力される、
ことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の周波数変換ユニット。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2020-01-08 
結審通知日 2020-01-14 
審決日 2020-01-28 
出願番号 特願2015-39192(P2015-39192)
審決分類 P 1 41・ 851- Y (H03D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 橋本 和志  
特許庁審判長 佐藤 智康
特許庁審判官 衣鳩 文彦
富澤 哲生
登録日 2019-11-08 
登録番号 特許第6611441号(P6611441)
発明の名称 周波数変換ユニット、計測システム及び計測方法  
代理人 土屋 亮  
代理人 清水 雄一郎  
代理人 勝俣 智夫  
代理人 勝俣 智夫  
代理人 清水 雄一郎  
代理人 田部 元史  
代理人 西澤 和純  
代理人 田部 元史  
代理人 土屋 亮  
代理人 西澤 和純  

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