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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 H04W
審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 H04W
審判 査定不服 特174条1項 特許、登録しない。 H04W
管理番号 1359994
審判番号 不服2018-12965  
総通号数 244 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-04-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-09-28 
確定日 2020-02-12 
事件の表示 特願2015-248367「リレー方式の通信システムにおけるバックホールリンクリソース割当て方法、並びにそれを用いたデータ送受信方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 4月28日出願公開、特開2016- 67042〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、2010年(平成22年)2月9日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2009年2月9日 米国、2009年5月28日 米国)を国際出願日とする特願2011-549074号の一部を、平成25年12月12日に新たな特許出願とした特願2013-256898号の一部を、平成27年12月21日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成27年12月21日 手続補正書の提出
平成28年 1月20日 手続補正書の提出
平成28年 8月26日付け 拒絶理由通知
平成29年 1月 6日 意見書及び手続補正書の提出
平成29年 8月 1日付け 最後の拒絶理由通知
平成29年11月 8日 意見書及び手続補正書の提出
平成30年 5月25日付け 平成29年11月8日にした手続補正についての補正の却下の決定
平成30年 5月25日付け 拒絶査定
平成30年 9月28日 拒絶査定不服審判の請求及び手続補正書の提出


第2 平成30年9月28日にされた手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

平成30年9月28日にされた手続補正(以下、「本件補正1」という。)を却下する。

[理由]

1 本件補正1の概要

本件補正1は、平成29年1月6日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された

「 無線通信システムにおいてユーザ機器(UE)がダウンリンク制御チャネルを監視する方法であって、
ダウンリンク制御情報に関連する情報に従って、スケジューリング割当てを搬送する前記ダウンリンク制御チャネルを検出するためにサブフレームを監視するステップであって、前記ダウンリンク制御情報に関連する情報は、ダウンリンク制御情報のフォーマット、リソース割り当て及びMCS(Modulation and coding scheme)を含み、前記サブフレームが周波数領域で分割される前記スケジューリング割当てのための複数のパーティションを持つ、ステップと、
物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)が前記サブフレームで前記スケジューリング割当てに利用されるリソース要素にマップされないという仮定のもとに、前記スケジューリング割当てに利用されるリソース要素を除外した前記サブフレームについて前記PDSCHを復号するステップと、を含み、
前記スケジューリング割当ては前記複数のパーティション内に分散される、方法。」を

「 無線通信システムにおいてユーザ機器(UE)がダウンリンク制御チャネルを監視する方法であって、
ダウンリンク制御情報に関連する情報に従って、スケジューリング割当てを搬送する前記ダウンリンク制御チャネルを検出するためにサブフレーム内の複数のパーティションの少なくとも二つを監視するステップであって、
前記複数のパーティションは、周波数領域で分割され、前記ダウンリンク制御チャネルは、前記少なくとも二つのパーティション内に分散され、
前記複数のパーティションの前記少なくとも二つは、上位層シグナリングによって示される、ステップと、
物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)が前記サブフレームで前記スケジューリング割当てに利用されるリソース要素にマップされないという仮定のもとに、前記ダウンリンク制御チャネルに利用されるリソース要素を除外した前記サブフレームについて前記PDSCHを復号するステップと、を含む、方法。」([当審注]:下線部は補正箇所を示す。以下、「本件補正発明」という。)

とすることを含むものである。


2 補正の適否

(1)新規事項の有無について
本件補正1により追加された本件補正発明の「サブフレーム内の複数のパーティションの少なくとも二つを監視するステップであって、前記複数のパーティションは、周波数領域で分割され、前記ダウンリンク制御チャネルは、前記少なくとも二つのパーティション内に分散され、」との事項(以下、「補正事項1」という。)が、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内のものか否かについて検討する。
本件補正発明における「サブフレーム内の複数のパーティションの少なくとも二つを監視するステップ」は、「ユーザ機器(UE)がダウンリンク制御チャネルを監視する方法」である本件補正発明の一ステップであるから、当該ステップはユーザ機器が行うステップである。そして、「ダウンリンク制御チャネルは、前記少なくとも二つのパーティション内に分散され」るから、ユーザ機器は、少なくとも二つのパーティション内に分散されるダウンリンク制御チャネルを監視するものと解される。

一方、当初明細書等には次の記載がある。

・「 本発明の端末は、加入者局(SS)、ユーザ装置(UE)、移動装置(ME)、移動機(MS)などと呼ばれ、携帯電話、PDA、スマートフォン、ノートブックコンピュータなどのように通信機能を備えた携帯可能な機器、又はPC、車両搭載装置などのように携帯不可能な機器を含む。」(【0028】)

・「リレーがダウンリンクバックホールするサブフレームにおいて、リレーは、最初の1つのOFDMシンボルから多くとも4つのOFDMシンボルの区間では、端末へのアクセスリンクで制御情報(PDCCH)及び基準信号(CRS(共通基準信号))を送信しなければならない。」(【0036】)

・「端末に割り当てられたパーティションでは、従来のように、端末に送信されるデータ(PDSCH)が送信され、このためのスケジューリング情報は、端末に送信されるPDCCH401に含まれる。」(【0051】)

・「同図に示すように、基地局は、基地局と直接リンクで接続された端末(Macro UE)の制御情報を送信するPDCCHが送信されるOFDMシンボル区間401以降の無線リソースを、周波数次元で4つの領域(パーティション)に分割し、・・・」(【0073】)

・「

」(【図9】)

「端末」のスケジューリング情報などの制御信号は、上記記載によれば、OFDMシンボル区間401に送信されるPDCCH401に含まれる。そして、周波数次元でパーティションに分割されるのはOFDMシンボル区間401以降の無線リソースであるから、「端末」の制御信号は複数のパーティションには含まれない。ここで、本件補正発明の「ユーザ機器」は当初明細書等の「端末」に、「ダウンリンク制御チャネル」は「端末」の制御信号にそれぞれ対応しているから、当初明細書等には、ダウンリンク制御チャネルが分散される複数のパーティションの少なくとも二つをユーザ機器が監視していることは記載も示唆もされておらず、自明でもない。したがって、本件補正1は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、ダウンリンク制御チャネルが分散される複数のパーティションの少なくとも二つをユーザ機器が監視するという新たな技術的事項を導入するものである。
したがって、この補正は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

なお、審判請求人は審判請求書(【本願発明が特許されるべき理由】の「3.新規事項の追加の指摘事項に対する対処」の欄)において、
「・・・したがって、リレーは、バックホールリンクに割り当てられる可能性のあるパーティションに対してのみブラインド復号を行います。
(4)さらに、本願の図9には、複数のパーティションは、周波数領域で分割され、リレー制御チャネル901、903は、少なくとも二つのパーティション2、3内に分散されることが記載されています。
(5)したがって、ユーザ機器は、ダウンリンク制御チャネルを検出するためにサブフレーム内の複数のパーティションの少なくとも二つを監視することができ、・・・」
と主張しているが、リレーを制御するリレー制御チャネル901、903がパーティション2、3内に分散されることから、リレーが少なくとも二つのパーティション2、3を監視するということはいえても、ユーザ機器が少なくとも二つのパーティションを監視しているということはできない。


(2)補正の目的について
上記(1)のとおりであるが、更に進めて補正の目的要件についても検討する。
本件補正1前の「前記ダウンリンク制御情報に関連する情報は、ダウンリンク制御情報のフォーマット、リソース割り当て及びMCS(Modulation and coding scheme)を含み、」との発明特定事項によれば、「ダウンリンク制御情報に関連する情報」は、「ダウンリンク制御情報のフォーマット、リソース割り当て及びMCSを含む」ものに特定されていた。しかしながら、本件補正1により「ダウンリンク制御情報に関連する情報」はこれらを含まなくてよいことになるから、本件補正1による「前記ダウンリンク制御情報に関連する情報は、ダウンリンク制御情報のフォーマット、リソース割り当て及びMCSを含」むとの特定事項を削除する補正は、特許請求の範囲の限定的減縮に該当するということはできない。また、当該補正が明瞭でない記載の釈明、誤記の訂正、請求項の削除にもあたらないことは明らかである。
したがって、本件補正1は、特許法第17条の2第5項の各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当せず、同法第17条の2第5項の規定に違反するものである。

3 結語

以上のとおり、平成30年9月28日にされた手続補正(本件補正1)は、特許法第17条の2第3項及び同条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。



第3 本願発明について

1 本願発明

平成30年9月28日にされた手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の特許請求の範囲に記載された発明は、平成29年1月6日にされた手続補正(以下、「本件補正2」という。)により補正された特許請求の範囲の請求項1?6に記載された事項により特定されるものである。

そして、本件補正2は、平成28年1月20日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された

「 無線通信システムにおいてユーザ機器(UE)がダウンリンク制御チャネルを監視する方法であって、
スケジューリング割当てを搬送する前記ダウンリンク制御チャネルを検出するためにサブフレームを監視するステップであって、前記サブフレームが周波数領域で分割される前記スケジューリング割当てのための複数のパーティションを持つ、ステップと、
物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)が前記サブフレームで前記スケジューリング割当てに利用されるリソース要素にマップされないという推定で、前記スケジューリング割当てに利用されるリソース要素を除外した前記サブフレームについて前記PDSCHを復号するステップと、を含み、
前記スケジューリング割当ては前記複数のパーティション内に分散される、方法。」を

「 無線通信システムにおいてユーザ機器(UE)がダウンリンク制御チャネルを監視する方法であって、
ダウンリンク制御情報に関連する情報に従って、スケジューリング割当てを搬送する前記ダウンリンク制御チャネルを検出するためにサブフレームを監視するステップであって、前記ダウンリンク制御情報に関連する情報は、ダウンリンク制御情報のフォーマット、リソース割り当て及びMCS(Modulation and coding scheme)を含み、前記サブフレームが周波数領域で分割される前記スケジューリング割当てのための複数のパーティションを持つ、ステップと、
物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)が前記サブフレームで前記スケジューリング割当てに利用されるリソース要素にマップされないという仮定のもとに、前記スケジューリング割当てに利用されるリソース要素を除外した前記サブフレームについて前記PDSCHを復号するステップと、を含み、
前記スケジューリング割当ては前記複数のパーティション内に分散される、方法。」([当審注]:下線部は、補正箇所を示す。以下、「本願発明」という。)

と補正することを含むものである。


2 拒絶査定の理由

拒絶査定の理由である、平成29年8月1日付け拒絶理由通知の理由は、概略、以下のとおりである。

「(新規事項)平成29年1月6日付け手続補正書でした補正は、下記の点で願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。



●理由1(新規事項)について

上記手続補正による請求項1-6に関する補正は、補正前の請求項1-6に係る「ユーザ機器」が、「ダウンリンク制御情報に関連する情報に従って、スケジューリング割当てを搬送する前記ダウンリンク制御チャネルを検出するためにサブフレームを監視するステップであって、前記ダウンリンク制御情報に関連する情報は、ダウンリンク制御情報のフォーマット、リソース割り当て及びMCS(Modulationandcodingscheme)を含」む構成を新たに追加する補正である。

しかしながら、この出願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲及び図面(以下、「当初明細書等」という。)には、リレーが、固定されたフォーマット、位置、リソースの量、及びMCSレベルに従って、リレーへの制御チャネルを監視すること、及び、リレーがブラインド復号を容易に行うことについて記載があるものの(段落[0083])、UEが、ダウンリンク制御情報のフォーマット、リソース割り当て及びMCSに従って、ダウンリンク制御チャネルを監視すること、及び、UEがブラインド復号を容易に行うことを表した記載はない。
したがって、UEが、ダウンリンク制御情報のフォーマット、リソース割り当て及びMCSに従って、ダウンリンク制御チャネルを監視するという点は、当初明細書等に記載されておらず、また、当初明細書等の記載から自明であるとすることはできない。」


3 当審の判断

本件補正2は、「スケジューリング割当てを搬送する前記ダウンリンク制御チャネルを検出するためにサブフレームを監視するステップ」が、「ダウンリンク制御情報のフォーマット、リソース割り当て及びMCS(Modulation and coding scheme)」を含む「ダウンリンク制御情報に関連する情報」に従って行われることを特定する補正である。ここで、本願発明が、「無線通信システムにおいてユーザ機器(UE)がダウンリンク制御チャネルを監視する方法」であることを踏まえると、上述した「スケジューリング割当てを搬送する前記ダウンリンク制御情報に関連する情報にしたがって行われる監視するステップ」は、ユーザ機器が行うステップといえる。

一方、当初明細書等には、
・「トラフィック量に応じてリソースを動的にリレーに割り当てる場合は、各リレーに割り当てられたリソースの位置や、用いられる変調符号化方式(MCS)などを通知するスケジューリング情報を必要とする。このようなスケジューリング情報は、制御チャネル(CCH)でリレーに送信され、バックホールデータを受信するサブフレームの最初の1つ又は2つのOFDMシンボルでは自身のPDCCHを送信するため、基地局が送信するPDCCH401を受信することができない。よって、リレーのための別途の制御チャネル601がPDCCH送信時点以降に存在しなければならない。」(【0060】)

・「各リレーは、基地局から特定の指示情報が送信されなければ、どのパーティションが当該リレーのバックホールデータの送信に割り当てられたかと、当該リレー自身に送信されるバックホールデータがどのパーティションに存在するかとが分からず、当該リレーの制御チャネルを復号することによって、当該リレー自身に割り当てられたリソースの位置などが分かる。よって、リレーへの制御チャネルは、リレーが直接復号してスケジューリング情報を確認できるように、固定されたフォーマット、位置、リソースの量、及びMCSレベルを有するように設計してもよく、リレーがブラインド復号を容易に行えるように、いくつか限られた形態に設計してもよい。」(【0083】)

・「図19に示すように、全てのパーティション単位又は割り当て単位にR-PDCCHを設計して送信する方法も可能であり、特に、この方式は、各パーティションに存在するR-PDSCHが、異なるトランスポートブロックに対応してチャネル符号化やMCSの設定などが独立して行われる場合に活用することができる。もちろん、図17と図18の組み合わせの1つとして、1つのリレーがN個のパーティションによってR-PDSCHを受信する際に、これをスケジューリングするR-PDCCHは、Nより小さいか等しいM(M=1,2,3,…,N)個のパーティションに存在するように動作することもできる。ここで、Mは該当リレーに送信されるトランスポートブロックの数又は符号語の数に設定してもよい。」(【0119】)

と記載されているのみであり、これらの記載によれば、リレーが、リレーへのフォーマット、位置、リソースの量、及びMCSレベルにしたがって復号することは記載されているものの、ダウンリンク制御情報のフォーマット、リソース割り当て及びMCSにしたがって端末(本願発明の「ユーザ装置」)が複数のパーティションを持つサブフレームの監視を行うことは記載されていない。したがって、当初明細書等には「無線通信システムにおいてユーザ機器(UE)がダウンリンク制御チャネルを監視する方法」において、「ダウンリンク制御情報に関連する情報に従って、スケジューリング割当てを搬送する前記ダウンリンク制御チャネルを検出するためにサブフレームを監視するステップであって、前記ダウンリンク制御情報に関連する情報は、ダウンリンク制御情報のフォーマット、リソース割り当て及びMCS(Modulation and coding scheme)を含み、前記サブフレームが周波数領域で分割される前記スケジューリング割当てのための複数のパーティションを持つ」ことは記載も示唆もされておらず、自明でもないから、本件補正2は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、ダウンリンク制御情報のフォーマット、リソース割り当て及びMCSにしたがってユーザ装置が複数のパーティションを持つサブフレームの監視を行うという新たな技術事項を導入するものである。
したがって、本件補正2は当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。


4 むすび

以上のとおり、平成29年1月6日にされた手続補正(本件補正2)は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないから、本件出願は特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2019-09-11 
結審通知日 2019-09-17 
審決日 2019-09-30 
出願番号 特願2015-248367(P2015-248367)
審決分類 P 1 8・ 561- Z (H04W)
P 1 8・ 55- Z (H04W)
P 1 8・ 57- Z (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 三浦 みちる宮田 繁仁  
特許庁審判長 岩間 直純
特許庁審判官 長谷川 篤男
山本 章裕
発明の名称 リレー方式の通信システムにおけるバックホールリンクリソース割当て方法、並びにそれを用いたデータ送受信方法及び装置  
代理人 南山 知広  
代理人 青木 篤  
代理人 三橋 真二  
代理人 竹本 実  
代理人 河合 章  
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