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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01L |
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管理番号 | 1360207 |
審判番号 | 不服2019-2869 |
総通号数 | 244 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2020-04-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2019-03-01 |
確定日 | 2020-03-17 |
事件の表示 | 特願2015-554669「画像処理方法,画像処理装置,画像処理プログラム,及び画像処理プログラムを記憶した記憶媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 7月 2日国際公開,WO2015/098342,請求項の数(7)〕について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は,2014年(平成26年)11月13日(パリ条約による優先権主張 2013年12月26日 米国)を国際出願日とする出願であって,その手続の経緯の概要は,以下のとおりである。 平成28年 1月28日:国内書面 平成30年 8月30日:拒絶理由通知(起案日) 平成30年10月31日:意見書・手続補正書 平成30年11月30日:拒絶査定(起案日)(以下,「原査定」という 。) 平成31年 3月 1日:審判請求 平成31年 3月 1日:手続補正書(以下,この手続補正書による手続 補正を「本件補正」という。) 第2 原査定の概要 原査定の概要は次のとおりである。 本願請求項1ないし8に係る発明は,その優先権主張の日前に日本国内又は外国において,頒布された下記1ないし4の引用文献に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その優先権主張の日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.国際公開第2006/137415号 2.特開2009-43937号公報 3.特開2011-33746号公報 4.特開2013-243230号公報 第3 審判請求時の補正について 審判請求時の補正(以下,「本件補正」という。)は,以下の理由で,特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。 本件補正は、本件補正前の請求項1を削除するとともに,本件補正前の請求項2ないし5の項番号を繰り上げて,請求項1ないし4とする補正であるから,特許法第17条の2第5項第1号の請求項の削除を目的とするものに該当する。 また,本件補正は,本件補正前の請求項6及び7における「画像解析部」に対して,「前記第1のパターン画像の前記半導体デバイス上の範囲を示す第1の視野サイズと,前記第2のパターン画像の前記半導体デバイス上の範囲を示す第2の視野サイズとの比に基づいて,前記第1のパターン画像及び前記第2のパターン画像のうちの視野サイズの小さいほうの画像サイズを調整し」との限定を付加するものであって,本件補正前の請求項1ないし8に記載された発明と本件補正後の請求項1ないし7に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから,特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 また,本件補正によって追加された事項は,当初明細書の段落【0029】,【0035】に記載されているから、新規事項を追加するものではないといえる。 そして、「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」までに示すように,本件補正後の請求項1ないし7に係る発明は,独立特許要件を満たすものである。 第4 本願発明 1 本願の請求項1ないし7に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明7」という。)は,本件補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定される発明であり,以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 半導体デバイスを対象に測定された測定画像と,前記測定画像に対応する前記半導体デバイスのパターンを示す第1のパターン画像を取得する第1ステップと, 前記半導体デバイスのパターンを示す第2のパターン画像を取得する第2ステップと, 前記第1のパターン画像と前記第2のパターン画像とに基づいて,前記第1のパターン画像と前記第2のパターン画像との相対関係を示すマッチング情報を取得する第3ステップと, 前記マッチング情報を基に,前記第2のパターン画像と前記測定画像とを重畳することによって重畳画像を取得する第4ステップと, を備え, 前記第3ステップでは, 前記第1のパターン画像の前記半導体デバイス上の範囲を示す第1の視野サイズと,前記第2のパターン画像の前記半導体デバイス上の範囲を示す第2の視野サイズとの比に基づいて,前記第1のパターン画像及び前記第2のパターン画像のうちの視野サイズの小さいほうの画像サイズを調整した後に,前記第1のパターン画像から輪郭線である第1の形状情報を抽出し,前記第2のパターン画像から輪郭線である第2の形状情報を抽出し,前記第1の形状情報と前記第2の形状情報との間で互いに類似するパターンを検索することによりマッチング情報を取得する, ことを特徴とする画像処理方法。 【請求項2】 前記マッチング情報は,前記第1のパターン画像と前記第2のパターン画像との相対関係を示す位置情報,回転情報,及び倍率情報の少なくとも1つである, ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。 【請求項3】 前記測定画像は,前記半導体デバイスの発熱画像,発光画像,電気量変化画像,光起電流画像,正誤情報画像,位相画像,振幅画像及びI/Q画像のうちの少なくとも1つである, ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理方法。 【請求項4】 前記第2のパターン画像は,半導体デバイスの反射画像,透過画像,MOBIC画像,及びCADレイアウト画像のうちのいずれかである, ことを特徴とする請求項1?3のいずれか1項に記載の画像処理方法。 【請求項5】 半導体デバイスを対象に測定された測定画像と,前記測定画像に対応する前記半導体デバイスのパターンを示す第1のパターン画像と,前記半導体デバイスのパターンを示す第2のパターン画像とを記憶する記憶部と, 前記第1のパターン画像と前記第2のパターン画像とに基づいて,前記第1のパターン画像と前記第2のパターン画像との相対関係を示すマッチング情報を取得する画像解析部と, 前記マッチング情報を基に,前記第2のパターン画像と前記測定画像とを重畳することによって重畳画像を取得する画像処理部と, を備え, 前記画像解析部は,前記第1のパターン画像の前記半導体デバイス上の範囲を示す第1の視野サイズと,前記第2のパターン画像の前記半導体デバイス上の範囲を示す第2の視野サイズとの比に基づいて,前記第1のパターン画像及び前記第2のパターン画像のうちの視野サイズの小さいほうの画像サイズを調整し,前記第1のパターン画像から輪郭線である第1の形状情報を抽出し,前記第2のパターン画像から輪郭線である第2の形状情報を抽出し,前記第1の形状情報と前記第2の形状情報との間で互いに類似するパターンを検索することによりマッチング情報を取得する, ことを特徴とする画像処理装置。 【請求項6】 コンピュータを, 半導体デバイスを対象に測定された測定画像に対応し,前記半導体デバイスのパターンを示す第1のパターン画像と,前記半導体デバイスのパターンを示す第2のパターン画像とに基づいて,前記第1のパターン画像と前記第2のパターン画像との相対関係を示すマッチング情報を取得する画像解析部,及び 前記マッチング情報を基に,前記第2のパターン画像と前記測定画像とを重畳することによって重畳画像を取得する画像処理部, として機能させ, 前記画像解析部は,前記第1のパターン画像の前記半導体デバイス上の範囲を示す第1の視野サイズと,前記第2のパターン画像の前記半導体デバイス上の範囲を示す第2の視野サイズとの比に基づいて,前記第1のパターン画像及び前記第2のパターン画像のうちの視野サイズの小さいほうの画像サイズを調整し,前記第1のパターン画像から輪郭線である第1の形状情報を抽出し,前記第2のパターン画像から輪郭線である第2の形状情報を抽出し,前記第1の形状情報と前記第2の形状情報との間で互いに類似するパターンを検索することによりマッチング情報を取得する, ことを特徴とする画像処理プログラム。 【請求項7】 請求項6記載の画像処理プログラムを記憶した記憶媒体。」 第5 引用文献,引用発明等 1 引用文献1について (1)引用文献1の記載 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(国際公開第2006/137415号)には,図面とともに次の事項が記載されている。 「[0001] 本発明は,半導体デバイスの不良について解析を行うための半導体不良解析装置,不良解析方法,不良解析プログラム,及び不良解析システムに関するものである。」 「[0003] 近年,半導体不良解析において,解析対象となる半導体デバイスの微細化や高集積化が進んでおり,上記した検査装置等を用いた不良箇所の解析を迅速に行うことが困難になってきている。したがって,このような半導体デバイスについて不良箇所の解析を行うためには,観察画像から半導体デバイスの不良箇所を推定するための解析処理の効率を向上することが必要不可欠である。 [0004] 本発明は,以上の問題点を解決するためになされたものであり,観察画像を用いた半導体デバイスの不良の解析を効率良く行うことが可能な半導体不良解析装置,半導体不良解析方法,半導体不良解析プログラム,及び半導体不良解析システムを提供することを目的とする。 課題を解決するための手段 [0005] このような目的を達成するために,本発明による半導体不良解析装置は,半導体デバイスの観察画像を用いて,その不良を解析する半導体不良解析装置であって,(1)少なくとも半導体デバイスの通常の観察画像であるパターン画像を観察画像として含む検査情報を取得する検査情報取得手段と,(2)半導体デバイスのレイアウト画像を含むレイアウト情報を取得するレイアウト情報取得手段と,(3)上記観察画像を参照して半導体デバイスの不良についての解析を行う不良解析手段と,(4)半導体デバイスの不良の解析についての情報を表示手段に表示させる情報表示制御手段とを備え,(5)情報表示制御手段は,表示手段に表示させる半導体デバイスの画像としてパターン画像とレイアウト画像とを重畳した重畳画像を生成する重畳画像生成手段と,重畳画像でのパターン画像に対するレイアウト画像の透過率を設定する透過率設定手段とを有することを特徴とする。」 「[0008] 上記した半導体不良解析装置,不良解析方法,及び不良解析プログラムにおいては,エミッション顕微鏡装置やOBIRCH装置などの半導体検査装置によって観察画像として取得されるパターン画像と,半導体デバイスのレイアウト画像とを取得する。そして,パターン画像とレイアウト画像とを重畳した重畳画像を生成して表示手段に表示している。このように,パターン画像及びレイアウト画像による重畳画像を用いることにより,観察画像とレイアウト画像とを対応付けつつ不良解析を実行することが容易となり,その効率が向上する。」 「[0012] [図1]図1は,半導体不良解析装置を含む不良解析システムの一実施形態の構成を示すブロック図である。 …(略)… [図4]図4は,表示装置に表示される半導体デバイスの画像の一例を示す模式図である。 …(略)…」 「[0015] 図1は,本発明による半導体不良解析装置を含む不良解析システムの一実施形態の構成を概略的に示すブロック図である。本不良解析システム1は,半導体デバイスを解析対象とし,その観察画像を用いて不良の解析を行うためのものであり,半導体不良解析装置10と,検査情報供給装置20と,レイアウト情報供給装置30と,表示装置40と,入力装置45とを備えている。以下,半導体不良解析装置10及び不良解析システム1の構成について,半導体不良解析方法とともに説明する。 [0016] 半導体不良解析装置10は,半導体デバイスの不良解析に必要なデータを入力して,その不良の解析処理を実行するための解析装置である。本実施形態による不良解析装置10は,検査情報取得部11と,レイアウト情報取得部12と,不良解析部13と,解析画面表示制御部14と,レイアウト画像表示制御部15とを有している。また,不良解析装置10には,不良解析に関する情報を表示するための表示装置40と,不良解析に必要な指示や情報の入力に用いられる入力装置45とが接続されている。 [0017] 不良解析装置10において実行される不良解析に用いられるデータは,検査情報取得部11及びレイアウト情報取得部12によって取得される。検査情報取得部11は,半導体デバイスの通常の観察画像であるパターン画像P1,及び不良についての検査を行って得られた,不良に起因する反応情報が含まれる不良観察画像P2を含む検査情報を取得する(検査情報取得ステップ)。また,レイアウト情報取得部12は,半導体デバイスでのネットなどの構成を示すレイアウト画像P3を含むレイアウト情報を取得する(レイアウト情報取得ステップ)。 [0018] 図1においては,検査情報取得部11に対して,検査情報供給装置20が接続されており,パターン画像P1及び不良観察画像P2などの検査情報は供給装置20から取得部11へと供給されている。この検査情報供給装置20としては,例えば,エミッション顕微鏡装置を用いることができる。この場合,不良観察画像P2は発光画像となる。また,検査情報供給装置20として,OBIRCH装置を用いることができる。この場合,不良観察画像P2はOBIRCH画像となる。あるいは,これら以外の種類の半導体検査装置を供給装置20として用いても良い。 [0019] また,パターン画像P1及び不良観察画像P2があらかじめ半導体検査装置によって取得されている場合には,検査情報供給装置20としては,それらの画像データを記憶しているデータ記憶装置が用いられる。この場合のデータ記憶装置は,不良解析装置10の内部に設けられていても良く,あるいは外部装置であっても良い。このような構成は,半導体検査装置で観察画像を先に撮りためておき,不良解析装置10のソフトウェアを別のコンピュータ上で実行するような場合に有用である。この場合,半導体検査装置を占有することなく,不良解析の作業を分担して進めることができる。 [0020] また,エミッション顕微鏡装置やOBIRCH装置などの半導体検査装置で取得されるパターン画像P1及び不良観察画像P2については,ステージ上に半導体デバイスを載置した状態で画像P1,P2が取得される。このため,両者は互いに位置合わせがされた画像として取得される。 [0021] 一方,レイアウト情報取得部12に対して,レイアウト情報供給装置30がネットワークを介して接続されており,レイアウト画像P3などのレイアウト情報は供給装置30から取得部12へと供給されている。このレイアウト情報供給装置30としては,例えば,半導体デバイスを構成する素子やネット(配線)の配置などの設計情報からレイアウト画像P3を生成するレイアウト・ビューアのCADソフトが起動されているワークステーションを用いることができる。 [0022] ここで,例えば半導体デバイスに含まれる複数のネットの個々の情報など,レイアウト画像P3以外のレイアウト情報については,不良解析装置10において,必要に応じてレイアウト情報供給装置30と通信を行って情報を取得する構成を用いることが好ましい。あるいは,レイアウト画像P3と合わせてレイアウト情報取得部12から情報を読み込んでおく構成としても良い。 [0023] また,本実施形態においては,不良解析装置10にレイアウト画像表示制御部15が設けられている。このレイアウト画像表示制御部15は,例えば,Xウィンドウ・サーバによって構成され,後述する解析画面表示制御部14による重畳画像の表示とは別に,レイアウト情報供給装置30において描画されたレイアウト画像P3を表示装置40での所定の表示ウィンドウなどに表示する(レイアウト画像表示ステップ)。これにより,画像P1?P3を用いた不良解析の効率を向上することができる。ただし,このようなレイアウト画像表示制御部15については,不要であれば設けなくても良い。 [0024] 検査情報取得部11,及びレイアウト情報取得部12によって取得されたパターン画像P1,不良観察画像P2,及びレイアウト画像P3は,不良解析部13へと入力される。不良解析部13は,不良観察画像P2を参照して半導体デバイスの不良についての解析を行う解析手段である(不良解析ステップ)。また,この不良解析部13は必要に応じて,不良観察画像P2に加えて,検査情報供給装置20からの他の検査情報,あるいはレイアウト情報供給装置30からのレイアウト情報等を参照する。なお,一般には,不良解析部13は,観察画像を参照して半導体デバイスの不良についての解析を行えば良い。 [0025] また,解析画面表示制御部14は,半導体デバイスの不良の解析についての情報を表示装置40に表示させる情報表示制御手段である(情報表示ステップ)。解析画面表示制御部14によって表示装置40に表示される情報としては,例えば,解析対象の半導体デバイスの画像,半導体デバイスに対して実行される不良解析での解析条件,不良解析部13による半導体デバイスの不良の解析結果などがある。」 「[0033] 本実施形態の不良解析部13においては,検査情報取得部11が不良観察画像P2に加えてパターン画像P1を取得していることに対応して,位置調整部133が設けられている。位置調整部133は,パターン画像P1及びレイアウト画像P3を参照して,パターン画像P1を少なくとも含む検査情報供給装置20からの観察画像と,レイアウト情報供給装置30からのレイアウト画像P3との間で位置合わせを行う(位置調整ステップ)。この位置合わせは,例えば,パターン画像P1において適当な3点を指定し,さらにレイアウト画像P3において対応する3点を指定して,それらの座標から位置合わせを行う方法を用いることができる。 [0034] また,不良解析部13には,付加解析情報取得部134が設けられている。付加解析情報取得部134は,領域設定部131及びネット情報解析部132による上記した解析方法とは別の解析方法によって得られた半導体デバイスの不良についての付加的な解析情報を外部装置などから取得する。この取得された付加解析情報は,ネット情報解析部132で得られた解析結果と合わせて参照される。 [0035] 次に,解析画面表示制御部14の構成について説明する。本実施形態による解析画面表示制御部14は,重畳画像生成部141と,第1透過率設定部142と,第2透過率設定部143と,解析画面生成部144とを有している。また,図4?図6は,それぞれ重畳画像生成部141によって生成されて表示装置40に表示される半導体デバイスの画像の例を示す模式図である。 [0036] 不良解析装置10での不良解析に必要な画像などの情報,あるいは解析結果として得られた情報は,必要に応じて解析画面表示制御部14によって解析画面として表示装置40に表示される。特に,本実施形態では,重畳画像生成部141において,半導体デバイスの画像として,パターン画像P1とレイアウト画像P3とを重畳した重畳画像(オーバーレイ画像)が生成される(重畳画像生成ステップ)。そして,この重畳画像が,不良解析についての情報として表示装置40に表示される。 [0037] 図4は,重畳画像生成部141において生成される重畳画像の一例を示す図であり,図4(a)は画像の重畳方法を,図4(b)は生成された重畳画像を示している。この画像例では,パターン画像P1の上に,レイアウト画像P3,及び不良観察画像P2である発光画像P4をこの順で重畳させて,重畳画像P6を生成している。ここで,不良観察画像P2については,発光画像P4に限らず,例えばOBIRCH画像P5など他の不良観察画像P2を用いても良い。あるいは,図4(a)に破線で示すように,発光画像P4と併せて,OBIRCH画像P5をさらに重畳させても良い。また,不良観察画像P2が不要な場合には,パターン画像P1の上にレイアウト画像P3のみを重畳させて重畳画像としても良い。」 「[0060] 図1に示した半導体不良解析装置10において実行される不良解析方法に対応する処理は,半導体不良解析をコンピュータに実行させるための半導体不良解析プログラムによって実現可能である。例えば,不良解析装置10は,半導体不良解析の処理に必要な各ソフトウェアプログラムを動作させるCPUと,上記ソフトウェアプログラムなどが記憶されるROMと,プログラム実行中に一時的にデータが記憶されるRAMとによって構成することができる。このような構成において,CPUによって所定の不良解析プログラムを実行することにより,上記した不良解析装置10を実現することができる。」 「[0088] これに対応して,操作画面410には,パターン画像P1,及びレイアウト画像P3のそれぞれについて位置合わせに用いる3点を設定するための位置合わせデータ設定領域411が設けられている。この3点の設定には,例えば,解析ウィンドウ400の画像表示領域401に表示された画像上においてマウス操作で点を設定する方法,あるいは設定したい点の座標を数値データとして入力する方法等を用いることができる。また,3点を用いた画像の位置合わせは,例えば,設定された3点の位置からパターン画像P1とレイアウト画像P3との傾きを計算し,パターン画像P1及び不良観察画像P2を傾けるθ補正によって行われる。なお,θ補正については,レイアウト画像P3が設計データの真値であるため,パターン画像P1をレイアウト画像P3に対して傾けることが好適である。ただし,求められた傾きにしたがってレイアウト画像P3をパターン画像P1に対して傾けるようにしても良い。 [0089] また,図11の操作画面410には,さらに画像調整領域412が設けられている。この画像調整領域412では,パターン画像P1の回転(θ補正),レイアウト画像P3の移動(位置の微調整),レイアウト画像のズーム(拡大/縮小)等の操作を行うことで,位置合わせの微調整を手動で行うことが可能となっている。また,領域411,412の下方には,必要な操作ボタンが表示されたボタン表示領域413が設けられている。」 「[図1] 」 「[図4] 」 (2)上記(1)から,引用文献1には,次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「半導体デバイスを解析対象とし,その観察画像を用いて不良の解析を行うためのものであり,半導体不良解析装置10と,検査情報供給装置20と,レイアウト情報供給装置30と,表示装置40と,入力装置45とを備えている不良解析システム1であって, 半導体不良解析装置10は,半導体デバイスの不良解析に必要なデータを入力して,その不良の解析処理を実行するための解析装置であって,検査情報取得部11と,レイアウト情報取得部12と,不良解析部13と,解析画面表示制御部14と,レイアウト画像表示制御部15とを有し, 検査情報取得部11は,半導体デバイスの通常の観察画像であるパターン画像P1,及び不良についての検査を行って得られた,不良に起因する反応情報が含まれる不良観察画像P2を含む検査情報を取得し(検査情報取得ステップ), レイアウト情報取得部12は,半導体デバイスを構成する素子やネット(配線)の配置などの設計情報から生成されたレイアウト画像P3を含むレイアウト情報を取得し(レイアウト情報取得ステップ), パターン画像P1及び不良観察画像P2があらかじめ半導体検査装置によって取得されている場合には,検査情報供給装置20としてそれらの画像データを記憶しているデータ記憶装置が用いられ, 検査情報取得部11,及びレイアウト情報取得部12によって取得されたパターン画像P1,不良観察画像P2,及びレイアウト画像P3は,不良解析部13へと入力され, 不良解析部13においては,検査情報取得部11が不良観察画像P2に加えてパターン画像P1を取得していることに対応して,位置調整部133が設けられ,位置調整部133は,パターン画像P1及びレイアウト画像P3を参照して,パターン画像P1を少なくとも含む検査情報供給装置20からの観察画像と,レイアウト情報供給装置30からのレイアウト画像P3との間で位置合わせを行い(位置調整ステップ),この位置合わせは,例えば,パターン画像P1において適当な3点を指定し,さらにレイアウト画像P3において対応する3点を指定して,それらの座標から位置合わせを行う方法を用いることができ, 更に,パターン画像P1の回転(θ補正),レイアウト画像P3の移動(位置の微調整),レイアウト画像のズーム(拡大/縮小)等の操作を行うことで,位置合わせの微調整を手動で行うことが可能であり, 解析画面表示制御部14は,重畳画像生成部141と,第1透過率設定部142と,第2透過率設定部143と,解析画面生成部144とを有し,重畳画像生成部141において,パターン画像P1の上に,レイアウト画像P3,及び不良観察画像P2である発光画像P4をこの順で重畳させて,重畳画像P6を生成し(重畳画像生成ステップ),この重畳画像P6が,不良解析についての情報として表示装置40に表示され, 半導体不良解析装置10において実行される不良解析方法に対応する処理は,半導体不良解析をコンピュータに実行させるための半導体不良解析プログラムによって実現可能である, 不良解析システム1。」 2 引用文献2について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開2009-43937号公報)には,以下の事項が記載されている。 「【技術分野】 【0001】 本発明は,半導体デバイス等の設計データと走査電子顕微鏡によって得られる画像に基づいて,パターンの測定,検査を行う装置に係り,特に,電子顕微鏡画像内の線分に識別情報を持たせ,パターンを形成する線分を識別情報に基づいて管理するパターン測定装置に関する。 【背景技術】 【0002】 昨今,半導体デバイスの設計データが,走査電子顕微鏡(ScanningElectron Microscope:SEM)による半導体デバイスの測定等に用いられるようになってきた。特許文献1には,設計データに基づく線分と,走査電子顕微鏡によって得られるパターンの輪郭線との間で,パターンマッチングを行い,当該パターンマッチングによって特定されたパターンの測定を行う例が説明されている。」 「【0005】 【特許文献1】特開2006-66478号公報 …(略)…」 3 引用文献3について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3(特開2011-33746号公報)には,図面とともに以下の事項が記載されている。 「【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は,テンプレートマッチング用のテンプレート作成方法,装置,及びプログラムに係り,特にライブラリとして登録されたパターン情報に基づいて,テンプレートを作成する方法,装置,及びコンピュータプログラムに関する。 【背景技術】 【0002】 昨今,半導体デバイス及びマスクの検査では半導体製造のために作成した設計データ(レイアウトパターン)を用いた様々な計測手法が提案されており,走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)による半導体デバイスの測定等に用いられるようになってきた。 【0003】 具体的には,設計データに基づく線分と,走査電子顕微鏡によって得られるパターン画像との間で,パターンマッチングを行い,当該パターンマッチングによって特定されたパターンの測定を行う手法が,特許文献1に説明されている。より具体的には,設計データに基づいて,テンプレートと呼ばれる参照画像を作成し,当該テンプレートと電子顕微鏡画像とを比較することによって,その一致度を求め,一致度の高い位置がマッチング位置として特定される。」 「【0039】 図3は,検出された電子に基づいて形成されるパターン画像から,輪郭線を抽出するための手法の一例を説明する図である。なお,この輪郭線抽出工程は,データ管理装置101に搭載された演算装置にて行うようにしても良いし,SEMに接続された制御装置104,105にて行うようにしても良い。輪郭線抽出には,図4のフローチャートに例示するように,先ずSEM104,或いはSEM105にてSEM画像を形成する。次にSEM画像上のパターン301のエッジ部分に相当するホワイトバンド303から第1の輪郭線304を抽出する。なお,この第1の輪郭線303の抽出手法としては,SEM像からビットマップデータで構成されたパターン像を抽出し,そのパターン像をベクトルデータで構成されたパターンデータに変換する方法が考えられる。 【0040】 次に,形成された第1の輪郭線304とレイアウトデータ302とのベクトルデータ比較,或いはパターンマッチングによって,レイアウトデータ302と第1の輪郭線304との重ね合わせを行う。レイアウトデータ302は,GDSフォーマット等で記憶された設計データの線分情報である。このような重ね合わせを行った上で,輝度分布情報収集領域を,第1の輪郭線304と垂直になるように設定し,輝度分布307,308を検出する。このように形成された輝度分布の所定の明るさを持つ画素を抽出しその位置を第2の輪郭線位置と定義することで,より正確な輪郭線の形成が可能となる。なお,このような正確な輪郭線形成手法は,特開昭60-169977号公報,特開平6-325176号公報,特開平8-161508号公報,特開平9-204529号公報等に記載された既存の手法の適用が可能である。」 「【図3】 」 4 引用文献4について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4(特開2013-243230号公報)には,図面とともに以下の事項が記載されている。 「【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は,良品,不良品等のパターンの出来栄えを評価する方法,評価装置に係り,特に半導体デバイス等の設計データに基づいて半導体パターンの良否を評価する方法等に関する。」 「【0030】 図1は,設計データとSEM画像及びユーザーが設定する目視評価値に基づいて半導体パターンの良品らしさのスコア値を求めるための計算式を生成する画像評価装置1の一例を説明する図である。 【0031】 画像データ記憶部11には半導体パターンをSEMで撮影した画像(SEM像)の画像データが記憶されている。この画像データに対して輪郭線データ生成部12でパターンの輪郭線(2次元形状)データを得る。設計データ記憶部10には画像認識(マッチング)の対象となるSEM像のパターンに対応する設計データ(レイアウトデータ)が記憶されている。輪郭線データ生成部12で得た輪郭線データと,設計データ記憶部10のSEM像のパターンに対応する設計データから得たパターンの輪郭線(2次元形状)データを,表示部13に表示する。 …(略)… 【0035】 表示部13には図2に示すように設計データから得た2次元形状データの画像13Aとし,輪郭線データ生成部12で得たパターンの輪郭線(2次元形状)データの画像13Bとした場合,設計データから得た2次元形状データ13Aとパターンの輪郭線(2次元形状)データ13Bを重ねた画像13Cが表示される。2つの輪郭線を重ねて表示させて比較することで小さな形状の違いも目視で容易に確認ができる。」 「【図1】 」 「【図2】 」 5 周知文献1について 周知文献1(特開2011-203080号公報)には,図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0034】 図5は,倍率調整部11の機能ブロック図である。倍率調整部11は,広角画像データと測定画像データが同じ視野範囲内で同じ画像サイズとなるように,画像データのサイズ変換を行う。 【0035】 例えば,広角画像データを撮像する倍率が測定画像データを撮像する倍率に対して1/4の低倍率である場合,拡大部110は広角画像データを4倍に拡大処理し,測定画像データはそのまま(1倍)とする。これにより,各画像データは同じ視野範囲内で同じ画像サイズとなる。または,広角画像データをそのまま(1倍)にしておき,縮小部111は測定画像データを1/4倍に縮小してもよい。拡大部110,縮小部111は,バイリニア処理で上記各処理を行ってもよい。 【0036】 上記説明では,広角画像データの撮像倍率は測定画像データの撮像倍率に対して1/4としたが,この倍率は常に固定値として決めておいてもよいし,実際の撮像倍率を用いて適宜調整してもよい。例えば,広角画像データ及び測定画像データを撮影したそれぞれの撮像倍率値S11を,あらかじめ適当な記憶装置に格納しておき,その撮像倍率値S11を用いて,広角画像データと測定画像データが,同じ視野範囲内で同じ画像サイズになるように,拡大率または縮小率を調整することが考えられる。」 「【図5】 」 6 周知文献2について 周知文献2(特開2006-284447号公報)には,以下の事項が記載されている。 「【0025】 あるいは参照画像をターゲットとする場合の他の方法として,例えば,予め上記ガラス基板1を広範囲にわたり欠陥のない位置で位置決めした状態で,欠陥検査に使用する時よりも倍率の低い対物レンズを装着した上記撮像装置10で撮影した画像を,パターンマッチング用参照画像用メモリ23に書き込んでおく。 パターンマッチング部40は上記パターンマッチング用参照画像メモリ23に保存された参照画像をターゲットとして,上記欠陥画像メモリ21に保存された欠陥画像データを,参照画像撮像時に使用した対物レンズとの倍率の比率に応じて縮小した欠陥画像に変換後にパターンマッチングを行い,欠陥部位の位置を検出する。この欠陥部位の位置情報は,領域コード付与部60に供給される。 上述した参照画像をターゲットとする方式は,欠陥検査時での対物レンズの倍率が画素サイズに対して比較的高い場合,例えば,欠陥画像の撮像範囲が画素の一部分しかない場合に有用である(後述する図7参照。)。」 7 周知文献3について 周知文献3(特開2013-174823号公報)には,図面とともに以下の事項が記載されている。 「【0034】 画像データベース21は,1つの生体組織標本の複数の切片における薄切標本を顕微鏡装置において撮像することにより生成された複数の画像ファイルを記録している。各画像ファイルは,薄切標本画像の画像データ及び付帯情報を含んでいる。付帯情報には,例えば,生体組織標本を採取した臓器の種類,薄切標本に施した染色の種類,薄切標本画像を撮像した際の検鏡法,画像の倍率,薄切切片の厚さ等の情報が含まれる。」 「【0064】 図15は,マッチング処理を示すフローチャートである。また,図16は,マッチング処理を説明するための模式図である。 まず,ステップS151において,マッチング処理部145は,テンプレート画像又はテンプレート領域を設定する。この際,マッチング対象である2つのラベル画像の倍率が互いに異なる場合,マッチング処理部145は,倍率が大きい方のラベル画像をテンプレート画像として設定する。併せて,テンプレート画像となる倍率が大きい方の画像のサイズを縮小して,マッチングされる方のラベル画像の倍率に合わせておく。図16(a)は,マッチングされるラベル画像M3を示す模式図であり,図16(b)はテンプレート画像として設定されたラベル画像(以下,テンプレート画像)Tを示す模式図である。」 「【図15】 」 「【図16】 」 第6 対比・判断 1 本願発明1について (1) 対比 本願発明1と引用発明とを対比すると,次のことがいえる。 ア 引用発明における「半導体デバイス」は,本願発明1の「半導体デバイス」に相当する。 イ 引用発明における「半導体デバイスの」,「不良についての検査を行って得られた,不良に起因する反応情報が含まれる不良観察画像P2」は,半導体デバイスを対象に検査すなわち測定を行うことで得られる画像であるから,本願発明1の「半導体デバイスを対象に測定された測定画像」に相当する。 ウ 引用発明における「半導体デバイスの通常の観察画像であるパターン画像P1」は,「不良観察画像P2」と比べて,「不良に起因する反応情報」が含まれない「通常の」画像であるから,「不良観察画像P2」に対応する画像であるといえる。したがって,引用発明における「半導体デバイスの通常の観察画像であるパターン画像P1」は,本願発明1の「前記測定画像に対応する前記半導体デバイスのパターンを示す第1のパターン画像」に相当する。 エ 上記イ,ウから,引用発明の「半導体デバイスの通常の観察画像であるパターン画像P1,及び不良についての検査を行って得られた,不良に起因する反応情報が含まれる不良観察画像P2を含む検査情報を取得」する「検査情報取得ステップ」は,本願発明1の「半導体デバイスを対象に測定された測定画像と,前記測定画像に対応する前記半導体デバイスのパターンを示す第1のパターン画像を取得する第1ステップ」に相当する。 オ 引用発明における「半導体デバイスを構成する素子やネット(配線)の配置などの設計情報から生成されたレイアウト画像P3」は,半導体デバイスの配線のパターンを示す画像であるから,本願発明1の「前記半導体デバイスのパターンを示す第2のパターン画像」に相当する。 カ 上記オから,引用発明の「半導体デバイスを構成する素子やネット(配線)の配置などの設計情報から生成されたレイアウト画像P3を含むレイアウト情報を取得する」,「レイアウト情報取得ステップ」は,本願発明1の「前記半導体デバイスのパターンを示す第2のパターン画像を取得する第2ステップ」に相当する。 キ 引用発明の「パターン画像P1及びレイアウト画像P3を参照して,パターン画像P1を少なくとも含む検査情報供給装置20からの観察画像と,レイアウト情報供給装置30からのレイアウト画像P3との間で位置合わせを行」うこと,例えば「パターン画像P1において適当な3点を指定し,さらにレイアウト画像P3において対応する3点を指定して,それらの座標から位置合わせを行う」,「位置調整ステップ」における「パターン画像P1」の「適当な3点」及び「レイアウト画像P3」の「対応する3点」は,「パターン画像P1」と「レイアウト画像P3」の相対的な位置関係を特定し,両者をマッチングさせるための座標情報であるから,本願発明1の「前記第1のパターン画像と前記第2のパターン画像との相対関係を示すマッチング情報」に相当する。また,「位置調整ステップ」は,「パターン画像P1」の「適当な3点」及び「レイアウト画像P3」の「対応する3点」の相対的な位置関係を特定し,両者をマッチングさせる限りにおいて,本願発明1の「前記第1のパターン画像と前記第2のパターン画像とに基づいて,前記第1のパターン画像と前記第2のパターン画像との相対関係を示すマッチング情報を取得する第3ステップ」に相当する。 ク 引用発明の「パターン画像P1の上に,レイアウト画像P3,及び不良観察画像P2である発光画像P4をこの順で重畳させて,重畳画像P6を生成」する「重畳画像生成ステップ」は,上記キの位置合わせの結果を基に,レイアウト画像P3と不良観察画像P2を重畳することで重畳画像を生成するものであるから,本願発明1の「前記マッチング情報を基に,前記第2のパターン画像と前記測定画像とを重畳することによって重畳画像を取得する第4ステップ」に相当する。 ケ 引用発明の「不良解析方法」は,上記アないしクのとおり「検査情報取得ステップ」と「レイアウト情報取得ステップ」と「位置調整ステップ」と「重畳画像生成ステップ」からなり,パターン画像P1ないし発光画像P4の処理方法であるから,この点で,本願発明1における「第1ステップ」ないし「第4ステップ」からなる「画像処理方法」に相当する。 したがって,本願発明1と引用発明との間には,次の一致点,相違点があるといえる。 <一致点> 「半導体デバイスを対象に測定された測定画像と,前記測定画像に対応する前記半導体デバイスのパターンを示す第1のパターン画像を取得する第1ステップと, 前記半導体デバイスのパターンを示す第2のパターン画像を取得する第2ステップと, 前記第1のパターン画像と前記第2のパターン画像とに基づいて,前記第1のパターン画像と前記第2のパターン画像との相対関係を示すマッチング情報を取得する第3ステップと, 前記マッチング情報を基に,前記第2のパターン画像と前記測定画像とを重畳することによって重畳画像を取得する第4ステップと, を備えることを特徴とする画像処理方法。」 <相違点> (相違点1) 第3ステップについて,本願発明1は,「前記第1のパターン画像の前記半導体デバイス上の範囲を示す第1の視野サイズと,前記第2のパターン画像の前記半導体デバイス上の範囲を示す第2の視野サイズとの比に基づいて,前記第1のパターン画像及び前記第2のパターン画像のうちの視野サイズの小さいほうの画像サイズを調整」するのに対して,引用発明は,パターン画像P1における3点と,レイアウト画像P3における3点に基づいて,それらの座標を用いて,レイアウト画像のズーム(拡大/縮小)等を含む位置合わせを行うものの,本願発明1のそのような特定はなされていない点。 (相違点2) 第3ステップについて,本願発明1は,画像サイズの調整後に,「前記第1のパターン画像から輪郭線である第1の形状情報を抽出し,前記第2のパターン画像から輪郭線である第2の形状情報を抽出し,前記第1の形状情報と前記第2の形状情報との間で互いに類似するパターンを検索する」のに対して,引用発明は,位置調整ステップにおいて,第1のパターン画像(パターン画像P1)と第2のパターン画像(レイアウト画像P3)の位置合わせに,画像の輪郭線である形状情報を用いることについて特定されていない点。 (2)相違点についての判断 相違点1について検討する。 半導体デバイスを対象に測定画像を測定し,半導体デバイスの第1のパターン画像と第2のパターン画像とに基づいて,前記第1のパターン画像と前記第2のパターン画像との相対関係を示すマッチング情報を取得し,前記マッチング情報を基に,前記第2のパターン画像と前記測定画像とを重畳することによって重畳画像を取得する画像処理方法において,前記第1のパターン画像と前記第2のパターン画像とのマッチング情報を,「前記第1のパターン画像の前記半導体デバイス上の範囲を示す第1の視野サイズと,前記第2のパターン画像の前記半導体デバイス上の範囲を示す第2の視野サイズとの比に基づいて,前記第1のパターン画像及び前記第2のパターン画像のうちの視野サイズの小さいほうの画像サイズを調整」することによって取得することは,引用文献2ないし4及び周知文献1ないし3のいずれにも記載されておらず,当該技術分野における周知技術であるとも認められない。 引用発明の「レイアウト画像P3」は,対物レンズを用いて実際の半導体デバイスを撮影した画像ではなく,「半導体デバイスを構成する素子やネット(配線)の配置などの設計情報から生成された」画像である。したがって,その範囲を示す視野サイズは,例えば半導体デバイス全体のような,対物レンズの倍率とは無関係の固定された範囲であると理解することが自然かつ合理的である。なぜならば,設計情報から生成した画像は,対物レンズ等の物理的な装置によって視野サイズが制約を受けることはないからである。このことは,引用文献1の[0088]において,「レイアウト画像P3」は「設計データの真値」であると記載されていることからも明らかである。 したがって,視野サイズが固定されていることを前提とする引用発明のレイアウト画像P3に対して,変動する視野サイズに基づいて画像を拡大,縮小する周知文献1ないし3記載の技術を適用する動機付けはないというべきである。 そして,本願発明1は,このような構成を備えることにより,請求人が審判請求書で主張する,「第1のパターン画像と第2のパターン画像とのコントラストが異なる場合であってもマッチング情報を容易に得ることができ,そのマッチング情報を基に第2のパターン情報と測定画像との位置関係が精度よく得られ,精度の良い第2のパターン情報と測定画像との重畳画像を得ることができる」(本願明細書 段落0009,0054),「測定画像と第2のパターン画像の視野サイズが異なっていても,互いの画像の半導体デバイス上の位置が一致した重畳画像を作成することができる」(本願明細書 段落0055)」という効果を含む本願明細書に記載された顕著な効果を奏するものと認められる。 (3)小括 上記(2)のとおりであるから,引用発明に引用文献2ないし4及び周知文献1ないし3に記載された技術を適用して,上記相違点1について本願発明1の構成とすることを,当業者が容易になし得たとはいえない。 よって,他の相違点については検討するまでもなく,本願発明1は当業者であっても引用発明及び引用文献2ないし4及び周知文献1ないし3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2 本願発明2ないし4について 本願発明2ないし4は,本願発明1の発明特定事項を全て含み,さらに限定したものであるから,本願発明1が,引用発明及び引用文献2ないし4及び周知文献1ないし3に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえないことから,本願発明2ないし4も,引用発明及び引用文献2ないし4及び周知文献1ないし3に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。 3 本願発明5について (1) 対比 本願発明5と引用発明とを対比すると,次のことがいえる。 ア 引用発明における「半導体デバイス」は,本願発明5の「半導体デバイス」に相当する。 イ 引用発明における「半導体デバイスの」,「不良についての検査を行って得られた,不良に起因する反応情報が含まれる不良観察画像P2」は,半導体デバイスを対象に検査すなわち測定を行うことで得られる画像であるから,本願発明5の「半導体デバイスを対象に測定された測定画像」に相当する。 ウ 引用発明における「半導体デバイスの通常の観察画像であるパターン画像P1」は,「不良観察画像P2」と比べて,「不良に起因する反応情報」が含まれない「通常の」画像であるから,「不良観察画像P2」に対応する画像であるといえる。したがって,引用発明における「半導体デバイスの通常の観察画像であるパターン画像P1」は,本願発明1の「前記測定画像に対応する前記半導体デバイスのパターンを示す第1のパターン画像」に相当する。 エ 引用発明における「半導体デバイスを構成する素子やネット(配線)の配置などの設計情報から生成されたレイアウト画像P3」は,半導体デバイスの配線のパターンを示す画像であるから,本願発明5の「前記半導体デバイスのパターンを示す第2のパターン画像」に相当する。 オ 引用発明における「データ記憶装置」は,「パターン画像P1及び不良観察画像P2があらかじめ半導体検査装置によって取得されている場合には」,「それらの画像データを記憶」するから,この点で,本願発明5の「半導体デバイスを対象に測定された測定画像」と「前記測定画像に対応する前記半導体デバイスのパターンを示す第1のパターン画像」とを記憶する「記憶部」に相当する。 カ 引用発明の「パターン画像P1及びレイアウト画像P3を参照して,パターン画像P1を少なくとも含む検査情報供給装置20からの観察画像と,レイアウト情報供給装置30からのレイアウト画像P3との間で位置合わせを行」うこと,例えば「パターン画像P1において適当な3点を指定し,さらにレイアウト画像P3において対応する3点を指定して,それらの座標から位置合わせを行う」,「位置調整部133」における「パターン画像P1」の「適当な3点」及び「レイアウト画像P3」の「対応する3点」は,「パターン画像P1」と「レイアウト画像P3」の相対的な位置関係を特定し,両者をマッチングさせるための座標情報であるから,本願発明5の「前記第1のパターン画像と前記第2のパターン画像との相対関係を示すマッチング情報」に相当する。また,「位置調整部133」は,「パターン画像P1」の「適当な3点」及び「レイアウト画像P3」の「対応する3点」の相対的な位置関係を特定し,両者をマッチングさせる限りにおいて,本願発明5の「前記第1のパターン画像と前記第2のパターン画像とに基づいて,前記第1のパターン画像と前記第2のパターン画像との相対関係を示すマッチング情報を取得する画像解析部」に相当する。 キ 引用発明の「パターン画像P1の上に,レイアウト画像P3,及び不良観察画像P2である発光画像P4をこの順で重畳させて,重畳画像P6を生成」する「重畳画像生成部141」は,上記カの位置合わせの結果を基に,レイアウト画像P3と不良観察画像P2を重畳することで重畳画像を生成するから,本願発明5の「前記マッチング情報を基に,前記第2のパターン画像と前記測定画像とを重畳することによって重畳画像を取得する画像処理部」に相当する。 ク 引用発明の「半導体不良解析装置10」は,上記アないしキのとおり「データ記憶装置」と「位置調整部133」と「重畳画像生成部141」を有するものであって,パターン画像P1ないし発光画像P4の処理装置であるから,この点で,本願発明5における「記憶部」と「画像解析部」と「画像処理部」とを有する「画像処理装置」に相当する。 したがって,本願発明5と引用発明との間には,次の一致点,相違点があるといえる。 <一致点> 「半導体デバイスを対象に測定された測定画像と,前記測定画像に対応する前記半導体デバイスのパターンを示す第1のパターン画像とを記憶する記憶部と, 前記第1のパターン画像と前記半導体デバイスのパターンを示す第2のパターン画像とに基づいて,前記第1のパターン画像と前記第2のパターン画像との相対関係を示すマッチング情報を取得する画像解析部と, 前記マッチング情報を基に,前記第2のパターン画像と前記測定画像とを重畳することによって重畳画像を取得する画像処理部と, を備えることを特徴とする画像処理装置。」 <相違点> (相違点3) 本願発明5は,「記憶部」に「第2のパターン画像」を記憶するのに対して,引用発明は,「データ記憶装置」に「レイアウト画像」を記憶することについて特定されていない点。 (相違点4) 画像解析部について,本願発明5は,「前記第1のパターン画像の前記半導体デバイス上の範囲を示す第1の視野サイズと,前記第2のパターン画像の前記半導体デバイス上の範囲を示す第2の視野サイズとの比に基づいて,前記第1のパターン画像及び前記第2のパターン画像のうちの視野サイズの小さいほうの画像サイズを調整」するのに対して,引用発明は,パターン画像P1における3点と,レイアウト画像P3における3点に基づいて,それらの座標を用いて,レイアウト画像のズーム(拡大/縮小)等を含む位置合わせを行うものの,本願発明5のそのような特定はなされていない点。 (相違点5) 画像解析部について,本願発明5は,画像サイズの調整後に,「前記第1のパターン画像から輪郭線である第1の形状情報を抽出し,前記第2のパターン画像から輪郭線である第2の形状情報を抽出し,前記第1の形状情報と前記第2の形状情報との間で互いに類似するパターンを検索する」のに対して,引用発明は,第1のパターン画像(パターン画像P1)と第2のパターン画像(レイアウト画像P3)の位置合わせに,画像の輪郭線である形状情報を用いることについて特定されていない点。 (2)相違点についての判断 事案にかんがみ,相違点4について最初に検討する。 相違点4は上記相違点1と同様であるから,上記第6の1(2)と同様にして,引用発明に周知文献1ないし3記載の技術を適用する動機付けはないというべきである。 そして,本願発明5は,請求人が審判請求書で主張する効果を含む本願明細書に記載された顕著な効果を奏するものと認められる。 (3)小括 上記(2)のとおりであるから,引用発明に引用文献2ないし4及び周知文献1ないし3に記載された技術を適用して,上記相違点4について本願発明5の構成とすることを,当業者が容易になし得たとはいえない。 よって,他の相違点については検討するまでもなく,本願発明5は当業者であっても引用発明及び引用文献2ないし4及び周知文献1ないし3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 4 本願発明6について (1) 対比 本願発明6と引用発明とを対比すると,次のことがいえる。 ア 引用発明における「半導体デバイス」は,本願発明6の「半導体デバイス」に相当する。 イ 引用発明における「半導体デバイスの」,「不良についての検査を行って得られた,不良に起因する反応情報が含まれる不良観察画像P2」は,半導体デバイスを対象に検査すなわち測定を行うことで得られる画像であるから,本願発明6の「半導体デバイスを対象に測定された測定画像」に相当する。 ウ 引用発明における「半導体デバイスの通常の観察画像であるパターン画像P1」は,「不良観察画像P2」と比べて,「不良に起因する反応情報」が含まれない「通常の」画像であるから,「不良観察画像P2」に対応する画像であるといえる。したがって,引用発明における「半導体デバイスの通常の観察画像であるパターン画像P1」は,本願発明6の「測定画像に対応し,前記半導体デバイスのパターンを示す第1のパターン画像」に相当する。 エ 引用発明における「半導体デバイスを構成する素子やネット(配線)の配置などの設計情報から生成されたレイアウト画像P3」は,半導体デバイスの配線のパターンを示す画像であるから,本願発明6の「前記半導体デバイスのパターンを示す第2のパターン画像」に相当する。 オ 引用発明の「パターン画像P1及びレイアウト画像P3を参照して,パターン画像P1を少なくとも含む検査情報供給装置20からの観察画像と,レイアウト情報供給装置30からのレイアウト画像P3との間で位置合わせを行」うこと,例えば「パターン画像P1において適当な3点を指定し,さらにレイアウト画像P3において対応する3点を指定して,それらの座標から位置合わせを行う」,「位置調整部133」における「パターン画像P1」の「適当な3点」及び「レイアウト画像P3」の「対応する3点」は,「パターン画像P1」と「レイアウト画像P3」の相対的な位置関係を特定し,両者をマッチングさせるための座標情報であるから,本願発明6の「前記第1のパターン画像と前記第2のパターン画像との相対関係を示すマッチング情報」に相当する。また,「位置調整部133」は,「パターン画像P1」の「適当な3点」及び「レイアウト画像P3」の「対応する3点」の相対的な位置関係を特定し,両者をマッチングさせる限りにおいて,本願発明6の「前記第1のパターン画像と前記第2のパターン画像とに基づいて,前記第1のパターン画像と前記第2のパターン画像との相対関係を示すマッチング情報を取得する画像解析部」に相当する。 カ 引用発明の「パターン画像P1の上に,レイアウト画像P3,及び不良観察画像P2である発光画像P4をこの順で重畳させて,重畳画像P6を生成」する「重畳画像生成部141」は,上記オの位置合わせの結果を基に,レイアウト画像P3と不良観察画像P2を重畳することで重畳画像を生成するから,本願発明6の「前記マッチング情報を基に,前記第2のパターン画像と前記測定画像とを重畳することによって重畳画像を取得する画像処理部」に相当する。 キ 引用発明の「半導体不良解析プログラム」は,「コンピュータ」に「位置調整部133」と「重畳画像生成部141」を実行させるものであって,パターン画像P1ないし発光画像P4の処理プログラムであるから,この点で,本願発明6における「コンピュータ」を「画像解析部」と「画像処理部」として機能させる「画像処理プログラム」に相当する。 したがって,本願発明6と引用発明との間には,次の一致点,相違点があるといえる。 <一致点> 「コンピュータを, 半導体デバイスを対象に測定された測定画像に対応し,前記半導体デバイスのパターンを示す第1のパターン画像と,前記半導体デバイスのパターンを示す第2のパターン画像とに基づいて,前記第1のパターン画像と前記第2のパターン画像との相対関係を示すマッチング情報を取得する画像解析部,及び 前記マッチング情報を基に,前記第2のパターン画像と前記測定画像とを重畳することによって重畳画像を取得する画像処理部, として機能させる ことを特徴とする画像処理プログラム。」 <相違点> (相違点6) 画像解析部について,本願発明6は,「前記第1のパターン画像の前記半導体デバイス上の範囲を示す第1の視野サイズと,前記第2のパターン画像の前記半導体デバイス上の範囲を示す第2の視野サイズとの比に基づいて,前記第1のパターン画像及び前記第2のパターン画像のうちの視野サイズの小さいほうの画像サイズを調整」するのに対して,引用発明は,パターン画像P1における3点と,レイアウト画像P3における3点に基づいて,それらの座標を用いて,レイアウト画像のズーム(拡大/縮小)等を含む位置合わせを行うものの,本願発明6のそのような特定はなされていない点。 (相違点7) 画像解析部について,本願発明6は,画像サイズの調整後に,「前記第1のパターン画像から輪郭線である第1の形状情報を抽出し,前記第2のパターン画像から輪郭線である第2の形状情報を抽出し,前記第1の形状情報と前記第2の形状情報との間で互いに類似するパターンを検索する」のに対して,引用発明は,第1のパターン画像(パターン画像P1)と第2のパターン画像(レイアウト画像P3)の位置合わせに,画像の輪郭線である形状情報を用いることについて特定されていない点。 (2)相違点についての判断 相違点6について検討する。 相違点6は上記相違点1と同様であるから,上記第6の1(2)と同様にして,引用発明に周知文献1ないし3記載の技術を適用する動機付けはないというべきである。 そして,本願発明6は,請求人が審判請求書で主張する効果を含む本願明細書に記載された顕著な効果を奏するものと認められる。 (3)小括 上記(2)のとおりであるから,引用発明に引用文献2ないし4及び周知文献1ないし3に記載された技術を適用して,上記相違点6について本願発明6の構成とすることを,当業者が容易になし得たとはいえない。 よって,他の相違点については検討するまでもなく,本願発明6は当業者であっても引用発明及び引用文献2ないし4及び周知文献1ないし3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 5 本願発明7について 本願発明7は,本願発明6の発明特定事項を全て含み,さらに限定したものであるから,本願発明6が,引用発明及び引用文献2ないし4及び周知文献1ないし3に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえないことから,本願発明7も,引用発明及び引用文献2ないし4及び周知文献1ないし3に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。 第7 原査定について 1 理由(特許法第29条第2項)について 審判請求時の補正により,本願発明1ないし7は,相違点1に係る事項を有するものとなっており,上記第6で検討したように,当業者であっても,拒絶査定で引用された引用文献1ないし4及び周知文献1ないし3に基づいて,容易に発明をすることができたものとはいえない。したがって,原査定の理由を維持することはできない。 第8 むすび 以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。 また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2020-03-03 |
出願番号 | 特願2015-554669(P2015-554669) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(H01L)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 小川 将之、綿引 隆 |
特許庁審判長 |
恩田 春香 |
特許庁審判官 |
小田 浩 西出 隆二 |
発明の名称 | 画像処理方法、画像処理装置、画像処理プログラム、及び画像処理プログラムを記憶した記憶媒体 |
代理人 | 阿部 寛 |
代理人 | 黒木 義樹 |
代理人 | 柴山 健一 |
代理人 | 長谷川 芳樹 |
代理人 | 諏澤 勇司 |