• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01L
管理番号 1360228
審判番号 不服2019-2356  
総通号数 244 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-04-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-02-20 
確定日 2020-03-17 
事件の表示 特願2014- 79180「バックライト発光素子及び液晶表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成27年11月12日出願公開、特開2015-201539、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1 手続の経緯
本願は、平成26年4月8日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成29年12月27日 拒絶理由通知(平成30年1月16日発送)
平成30年 5月17日 手続補正・意見書提出
同年 5月30日 拒絶理由通知(<最後>、同年6月5日発送)
同年10月 3日 意見書提出
同年11月12日 拒絶査定(同年同月20日謄本送達)
平成31年 2月20日 審判請求
同年 4月 9日 手続補正(方式)
同年 同月10日 手続補足(証拠書類提出)

2 本願発明
本願の請求項1?6に係る発明は、平成30年5月17日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?6に記載されている事項により特定される以下のとおりのものである(以下、請求項1?6の各請求項に係る発明を、それぞれ「本願発明1」?「本願発明6」という。)。
「【請求項1】
光子を放出する半導体発光素子と、
半導体発光素子から放出された光子が入射される少なくとも1つのレンズと、
該レンズに入射し透過した光子が入射される、蛍光体粒子を含有する蛍光体含有レンズとを備え、
該レンズに入射し透過した光子の収束点が、蛍光体含有レンズの内部となるように蛍光体含有レンズが配置されており、
蛍光体粒子が50ナノメートル以下の直径を有する少なくとも1種の量子ドット蛍光体粒子であり、
前記レンズが、半導体発光素子から放出された光子を入射する略円形断面を有する第1の棒状レンズと、前記第1の棒状レンズから放出された光子を入射する略円形断面を有する第2の棒状レンズとから構成される、バックライト発光素子。
【請求項2】
蛍光体含有レンズの少なくとも一部に、金属蒸着膜又は金属メッキを備えたことを特徴とする、請求項1に記載のバックライト発光素子。
【請求項3】
蛍光体含有レンズは略半円形断面を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のバックライト発光素子。
【請求項4】
蛍光体含有レンズは略三角形断面を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のバックライト発光素子。
【請求項5】
蛍光体含有レンズは略四角形断面を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のバックライト発光素子。
【請求項6】
請求項1?5のいずれかに記載のバックライト発光素子を備える液晶表示装置。」

3 原査定の理由の概要
---< 引用例等一覧 >-------------------
1 特開2008-305936号公報
2 特開2013-218952号公報
3 特開2012-191144号公報
4 特開2011-133347号公報
5 国際公開第2006/090858号
6 米国特許出願公開第2007/0064409号明細書
--------------------------------
原査定の理由の概要は次のとおりである。
請求項1-6に係る発明は、引用例1に記載された発明において、レンズ形状の波長変換部材7が含有する蛍光体として、引用例2及び3に記載された量子ドット蛍光体を採用するとともに、光透過体5として、引用例4ないし6に記載された、略円形断面を有する複数の棒状レンズを採用することによって、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 引用例に記載された発明
(1)引用例1に記載された発明
ア 本願の出願前に日本国内において頒布された文献である引用例1(特開2008-305936号公報)には、図とともに以下の記載がある(下線は当審で付した。以下同様。)。
a「【0001】
本発明は、半導体発光素子を備えた半導体発光装置に関し、特に光源と波長の異なる出射光を照射可能な半導体発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
窒化物系化合物半導体発光素子は、小型で電力効率が良く鮮やかな色の発光をする。また、半導体素子である発光素子は球切れ等の心配がない。さらに初期駆動特性が優れ、振動やオン・オフ点灯の繰り返しに強いという特徴を有する。このような優れた特性を有するため、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)、レーザダイオード(LaserDiode:LD)等の半導体発光素子は、各種の光源として利用されている。特に半導体レーザを光源に用いた場合、発光ダイオードと比較して電気-光変換効率が高く、また大幅な高出力化が可能となるため、プロジェクタ用の光源や車載用のヘッドライトなど、高輝度な白色光源としての供給が期待されている。
【0003】
・・・(中略)・・・
【0004】
しかしながら、この照明用光源装置100では、拡散レンズ103でもって拡散された拡散光が、ガラス管105の全面に均一に照射されない。これにより蛍光体104によって励起される光の変換量の差が、ガラス管105の部位により生じてしまう。つまり光源装置からの出力光に色ムラが発生してしまう問題があった。また、蛍光体104のガラス管105の内壁への配置方法に関する具体的な開示はないが、概して両者を接合させるバインダーは、高出力のレーザが照射されるにつれて気泡が発生し、これにより光取り出し効率の低下を招く。さらにはバインダー自体の劣化が進み、ガラス管105からの蛍光体104の剥離が生じて適切な波長変換量を得られず、色ムラの原因となる虞もあった。さらには、蛍光体の分布領域がガラス管105の全面に及ぶため、装置より得られる光の輝度が小さい問題もあった。
また、半導体レーザ素子は気密状態に封止されなければ劣化しやすい。したがって、素子のライフ寿命を持続できる密封状態、及び所望の波長を有する出射光を放出可能な波長変換部材、の双方を十分に満足させる発光装置を実現するに至っていないのが現状である。
【特許文献1】特開平7-282609号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来のこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、所望の波長を有する高輝度な光を出射可能であって、ライフ特性に優れた半導体発光装置を提供することにある。」

b「【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の半導体発光装置は、半導体発光素子と、半導体発光素子を固定可能な支持体と、半導体発光素子からの出射光を透過する光透過体と、支持体に固定され、光透過体を支持する封止用キャップと、封止用キャップの外側に配置され、光透過体より透過された透過光の少なくとも一部を波長変換可能な波長変換部材及び波長変換部材を支持する外側キャップと、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の第2の半導体発光装置は、半導体発光素子と、少なくとも一部を開口しており、半導体発光素子を固定可能な支持体と、支持体の開口部分を閉塞するように支持体と固定される封止用キャップと、支持体又は封止用キャップに固定され、半導体発光素子からの出射光を透過する光透過体と、支持体又は封止用キャップの外側であって、支持体上に固定され、光透過体より透過された透過光の少なくとも一部を波長変換可能な波長変換部材及び波長変換部材を支持する外側キャップと、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の第3の半導体発光装置は、封止用キャップ又は/及び外側キャップは、支持体と熱伝導状態に固定されており、光透過体の中心軸は、半導体発光素子からの出射光の光軸と略同一であり、中心軸上に、波長変換部材が配置されることを特徴とする。
【0009】
・・・(中略)・・・
【0025】
第1乃至2発明の半導体発光装置によれば、気密封止された半導体発光素子からの出射光が光透過体を介して透過され、この透過光の少なくとも一部を波長変換部材でもって波長変換できる。特に、半導体発光素子を2重に包含する構造とでき、これにより半導体発光素子の気密性が一層高まるため、素子のライフ特性を向上させることができる。また光源からの光と、波長変換された光との混色により、所望の波長光を出射可能な発光装置とできる。
【0026】
第3、4、10、11、16、17発明の半導体発光装置によれば、光透過体を介して透過された光源からの出射光が効率良く波長変換部材へと進行し、波長変換部材における受光量の偏在を低減できるため、光源からの光と波長変換された光との混色比が一定した色ムラの少ない高輝度な出射光が得られる。特に、熱源となりうる半導体発光素子及び波長変換部材を支持する支持体あるいはキャップを別個に設け、封止用キャップ又は/及び外側キャップが、支持体と熱伝導状態に固定されることにより、放熱経路を分離して高い放熱効果を得ることができる。」

c「【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
・・・(中略)・・・
【実施例1】
【0035】
(構造)
実施例1の半導体発光装置の一例として、半導体レーザ装置1の斜視図を図1に、また、図1におけるII-II’線における断面模式図を図2に示す。この半導体レーザ装置1は、主として、半導体発光素子2及びこれを固定する支持体3と、光透過体5及びこれを支持する封止用キャップ4と、波長変換部材7及びこれを支持する外側キャップ6と、を備える。
【0036】
図1及び図2に示す半導体レーザ装置1では、略円盤形状の支持体3において、その上方には光源である半導体発光素子2が熱伝導状態に固定されており、下方にはリード8が連結されている。リード8は外部電極と電気的に接続可能であって、これにより半導体レーザ装置1に電力を供給できる。また、支持体3の上面の中央領域には柱状のステム柱体9が載置される。ただ、支持体3及びステム柱体9とは、便宜上、場所に応じて個々に命名したものであって異部材とは限らない。
・・・(中略)・・・
【0037】
また、図2に示すように、半導体レーザ素子2a、及び半導体レーザ素子2aが搭載されたステム柱体9を包含するように封止用キャップ4が装着される。実施例1に係る封止用キャップ4は、その内部の少なくとも一部が開口された略円筒状であって、底部は支持体3の縁周領域と連結されてなる。さらに、封止用キャップ4の開口部分を閉塞するように光透過体5が装着され、これにより支持体3及び封止用キャップ4でもって形成される内部の開口部は、気密封止された封止領域12を構成する。この封止領域12内に半導体レーザ素子2aが載置されることで、半導体レーザ素子2aのライフ特性を向上させることができる。
【0038】
また、封止用キャップ4の開口部分に関して、図2の半導体レーザ装置1では、半導体レーザ素子2aの出射光を受光する封止用キャップ4の上面の一部に、半導体レーザ素子2aの出射方向においてキャップの内外を貫通する第1貫通孔10が形成されてなる。この第1貫通孔10には、半導体レーザ素子2aからの出射光の少なくとも一部の光を透過可能な光透過体5が固定されており、つまり光透過体5は封止用キャップ4によって支持されている。光透過体5の径の中心軸は、光源である半導体レーザ素子2aの光軸とほぼ同軸とする。また本明細書で「径」は直径を意味するが、「径」で定義したものであっても、円形に限らず、幅、長さを意味する場合もある。
【0039】
また、実施例1に係る半導体レーザ装置1は、図2に示すよう略円筒状の封止用キャップ4の外面側を、さらに略円筒状の外側キャップ6が被覆してなり、つまり2重のキャップ構造を備える。図2に図示された略円筒状の外側キャップ6における径及び高さは、封止用キャップ4の径及び高さよりも大きく、略円筒状のキャップ6の内部には開口部が形成されてなる。また外側キャップ6は支持体3の周縁部から上方向に連結され、封止用キャップ4の外周を包囲する。さらに、外側キャップ6において、半導体レーザ素子2aからの出射光を受光する領域には、キャップの厚み方向において内外と貫通する第2貫通孔11が形成されている。この第2貫通孔11には波長変換部材7が封止されており、換言すれば波長変換部材7は外側キャップ6により支持される。波長変換部材7は、少なくとも受光した光の一部を波長変換でき、光源と異なる波長を有する光を装置外へ出射可能とする。また、波長変換部材7と光透過体5は離間かつ対向して位置しており、両者の径において中心軸はほぼ同軸である。以下に個々の部材について説明する。
【0040】
・・・(中略)・・・
【0046】
(光透過体)
また、封止用キャップ4において、光源からの出射光を受光する受光領域に設けられた第1貫通孔10は、キャップの厚さ方向に貫通されており、かつ半導体レーザ素子2aの光出射面13と離間されて位置する。この第1貫通孔10内に低融点ガラス等の接着材でもって光透過体5が固定でき、或いは接着材を使用せず、ガラス製の光透過体5と、封止用キャップ4との間で化学反応により両者を固定できる。これにより第1貫通孔10の貫通領域を閉塞状態とする。
・・・(中略)・・・
【0050】
さらに、光透過体5は、例えば、球面レンズ、非球面レンズ、シリンドリカルレンズ、楕円レンズ等のレンズを備えることができ、これにより光源からの出射光を波面制御できる。また、レンズは光源からの出射された光が、波長変換部材7に集光される限り、どのような形状でもよく、光透過体5と離間して別部材とし、光源と波長変換部材7との間に、複数枚並べて配置してもよい。レンズは、無機ガラス、樹脂等により形成することができる。このように、励起光源と波長変換部材7との間にレンズを備え、レンズを介して励起光源から射出された励起光を波長変換部材7へ導出することができることにより、励起光源から射出される励起光を集光させ、効率よく波長変換部材7に導出することができる。
【0051】
また、図5(b)の光透過体5bは、図5(a)と同様の構造を有しているが、ガラス層21の光出射側の表面に凹凸加工を施している。図5(b)における凹凸加工は、一定の連続した高低差が生じるよう形状を加工したものであって、加工の形状は特に限定しない。光透過体5が凹凸加工に成形されることで、光の進行方向を拡散でき、進行方向側に位置する波長変換部材7へ均等に光を照射することが可能となる。これにより波長変換部材7の部位において、受光する光量の差を低減でき、つまり波長変換量が均一となるため、装置より出射される光の色ムラを低減できる。
【0052】
・・・(中略)・・・
【0054】
(波長変換部材)
波長変換部材は、励起光源から射出される励起光の一部又は全部を吸収し、波長変換して、光源からの励起光よりも長波長域の光、例えば、赤色、緑色、青色、さらにこれらの中間色である黄色、青緑色、橙色などに発光スペクトルを有する光を放出し得るものである。したがって、波長変換部材は、このような機能を実現することができる材料によって構成されるものであれば、その種類は限定されない。つまり、波長変換部材は、励起光源から発せられた光の一部又は全部を、長波長側に発光ピーク波長を有する光に変換して、導出する。
【0055】
また、実施例1の波長変換部材7は、波長変換物質である蛍光体が円盤状に固化されたものであり、外側キャップ6の第2貫通孔11にガラスや接着材等でもって固着されることで外側キャップ6の第2貫通孔11を閉塞状態にする。また、波長変換部材7の形状は、波長変換部材7の光の出射側18方向(図2における上方向)へ導光できる形状とすることが望ましく、具体的な形状、及び波長変換部材と外側キャップとの接着方法については実施例1の応用例として別途記載する。
【0056】
・・・(中略)・・・
【0063】
また、図2における波長変換部材7は光源からの波長を変換可能な波長変換部材を含有しており、実施例1では波長変換部材として蛍光体を用いた。これにより所望の波長を有する出射光を実現できる。波長変換部材7としては、蛍光体を直接付着したもの、もしくは、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の有機材料や、また、ガラス、SiO_(2)、AlN、ZrO_(2)、SiN、Al_(2)O_(3)、GaNの少なくとも一種を含む無機材料をバインダにして、蛍光体を固めたもの等が一例として挙げられる。
【0064】
・・・(中略)・・・
【0071】
光拡散物質と、蛍光体等の波長変換物質を併用することで、半導体レーザ素子2a及び蛍光体からの光を良好に乱反射させ、大きな粒径の蛍光体を用いることによって生じやすい色ムラを抑制することができるので、好適に使用できる。
・・・(中略)・・・
【0077】
(光源)
実施例1の半導体レーザ装置1では、光源である半導体発光素子として青色系の半導体レーザ素子2aを使用した。この半導体レーザ素子2aは、n型半導体層とp型半導体層との間に活性層を形成し、この活性層が多重量子井戸構造、又は単一量子井戸構造をなすものであって、特にIII-V族窒化物半導体より形成されるのが好ましい。これにより指向性が高く一方向に光を導波しやすいレーザ光を得ることができる。つまり高効率に光を装置の外部へと取り出すことが可能となる。
【0078】
・・・(中略)・・・
【0079】
この他、光源の半導体発光素子2として発光ダイオードを使用することもでき、この場合は端面発光型のものが好適である。端面発光型ダイオードとは、発光ダイオードを構造面から分類した場合の一種で、半導体レーザと同じように活性層の端面から光を取り出すものをいう。これは、活性層の屈折率を高くして光導波作用を起こさせることで、端面から光を出力させることを可能にしている。このように出力面積を絞ることで、光の指向性を高め、波長変換部材7の単位面積あたりの受光量を増大させることができる。つまりは波長変換部材7でもって変換される単位面積あたりの光量が増加するため、総体的に装置から高輝度な出力光を得ることが可能となる。」

d「【0083】
(応用例)
(波長変換部材)
また、波長変換部材7の形状は、波長変換部材7の光の出射側18方向(図2における上方向)へ導光できる形状とすることが望ましい。この具体的な形状を図6に示す。図6(a)?(d)は、波長変換部材7の概略断面図である。図6(a)の波長変換部材7aの形状は円盤状であり、他の形状と比較して容易に形成できる形状であるため、歩留まりを向上させることができる。また、図6(b)に示す波長変換部材7bの形状は、光の出射側に凸となるドーム形状である。これにより光の出射側において全反射を生じ難くすることができ、光取り出し効率を向上させることができる。さらに、図6(c)の波長変換部材7cは球状である。このようにすれば、波長変換部材7cにおける光の出射側18での全反射のみならず、光の入射側19での全反射をも生じ難くできる。加えて、図6(d)に示す波長変換部材7dはレンズ形状であり、波長変換部材7dにおける光の出射側18及び入射側19での双方で全反射を抑制でき、反射・屈折光が半導体発光素子2側への戻り光となることを抑止できる。また、波長変換部材において、波長変換部材と空気との界面における屈折率差を考慮して、光の出射側18側の形状を適宜選択・加工することにより、集光・拡散等の波面制御が可能となる。
【0084】
(反射膜)
なお、図6(a)’?(d)’に図示される波長変換部材7a’?7d’の断面概略図は、図6(a)?(d)の波長変換部材7a?7dにおいて、光の入射側19の面に反射膜22が形成されたものである。反射膜22を有することにより、波長変換部材へと進行した光が、半導体発光素子2側へと戻り光となることを一層抑止でき、すなわち、光取り出し効率をさらに向上させることができるため、光出力の増大につながる。」

e 図2は以下のものである。


f ここで、波長変換部材7は、上記c(段落【0063】)の記載から、バインダで蛍光体を固めたものであることができるところ、上記c(段落【0071】)の「大きな粒径の蛍光体」との記載から、蛍光体は粒子であるといえる。

イ 引用発明
以上を総合すると、引用例1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「半導体レーザ装置1であって、
半導体レーザ素子2a及びこれを固定する支持体3と、光透過体5及びこれを支持する封止用キャップ4と、波長変換部材7及びこれを支持する外側キャップ6と、を備え、
支持体3の上面の中央領域には柱状のステム柱体9が載置され、
半導体レーザ素子2a、及び半導体レーザ素子2aが搭載されたステム柱体9を包含するように封止用キャップ4が装着され、封止用キャップ4は、その内部の少なくとも一部が開口された略円筒状であって、底部は支持体3の縁周領域と連結されてなり、さらに、封止用キャップ4の開口部分を閉塞するように光透過体5が装着され、これにより支持体3及び封止用キャップ4でもって形成される内部の開口部は、気密封止された封止領域12が構成され、
封止用キャップ4の外面側を、さらに略円筒状の外側キャップ6が被覆してなり、外側キャップ6において、半導体レーザ素子2aからの出射光を受光する領域には、キャップの厚み方向において内外と貫通する第2貫通孔11が形成され、第2貫通孔11には波長変換部材7が封止されており、
波長変換部材7は、粒子である蛍光体をバインダで固めたものであり、少なくとも受光した光の一部を波長変換でき、光源と異なる波長を有する光を装置外へ出射可能とし、また、波長変換部材7と光透過体5は離間かつ対向して位置しており、両者の径において中心軸はほぼ同軸であり、
光透過体5は、例えば、球面レンズ、非球面レンズ、シリンドリカルレンズ、楕円レンズ等のレンズを備えることができ、当該レンズは半導体レーザ素子2aからの出射された光が、波長変換部材7に集光される限り、どのような形状でもよく、光透過体5と離間して別部材とし、光源と波長変換部材7との間に、複数枚並べて配置してもよいものであり、
波長変換部材7はレンズ形状であり、波長変換部材7における光の出射側18及び入射側19での双方で全反射を抑制でき、反射・屈折光が半導体発光素子2側への戻り光となることを抑止できるものである、
半導体レーザ装置1。」

(2)引用例2に記載された事項
ア 本願の出願前に日本国内において頒布された文献である引用例2(特開2013-218952号公報)には、図とともに以下の記載がある。
「【0013】
<第1の実施の形態>
図1は、本技術の第1の実施の形態に係る発光装置(発光装置1)の全体構成を表したものである。この発光装置1は、例えば、透過型の液晶パネルを背後から照明するバックライトとして用いるものであり、光源10、導光板20(光学部品)、波長変換部材30、反射部材40および光学シート50を有している。導光板20は、その左右両端面が光入射面20A、主面(最も広い面)が光出射面20B、20Dとなっている。即ち、発光装置1はエッジ型の発光装置である。
【0014】
・・・(中略)・・・
【0019】
波長変換物質31は量子ドットを含むことが好ましい。量子ドットは、長径1nm?100nm程度の粒子であり、離散的なエネルギー準位を有している。量子ドットのエネルギー状態はその大きさに依存するため、サイズを変えることにより自由に発光波長を選択することが可能となる。また、量子ドットの発光光はスペクトル幅が狭い。このような急峻なピークの光を組み合わせることにより色域が拡大する。従って、波長変換物質31に量子ドットを用いることにより、容易に色域を拡大することが可能となる。更に、量子ドットは応答性が高く、光源10の光を効率良く利用することができる。加えて、量子ドットは安定性も高い。量子ドットは、例えば、12族元素と16族元素との化合物、13族元素と16族元素との化合物あるいは14族元素と16族元素との化合物等であり、例えば、CdSe、CdTe、ZnS、CdS、PdS、PbSeまたはCdHgTe等である。」

イ 以上を総合すると、引用例2には次の事項が記載されていると認められる。
「透過型の液晶パネルを背後から照明するバックライトとして用いる発光装置1が、波長変換部材30を有しており、波長変換物質31は量子ドットを含むことが好ましく、量子ドットは、長径1nm?100nm程度の粒子であること。」

(3)引用例3に記載された事項
ア 本願の出願前に日本国内において頒布された文献である引用例3(特開2012-191144号公報)には、図とともに以下の記載がある
「【0032】
[LED素子100の概略構成]
図1から図4に示されるように、ベース基板110には、LEDチップ120が配置されている。LEDチップ120からは、ワイヤー130がベース基板110に向けて延出されている。LEDチップ120の周囲を隔壁140が円形に囲っており、ベース基板110と隔壁140とによって凹条の窪みである凹部141が形成されている。凹部141の内側では、透光性を有する樹脂が硬化されて樹脂層150が形成されている。樹脂層150によって封止されている。樹脂層150には、半導体量子ドットを含んだナノ蛍光体層160が積層されている。
【0033】
本構成では、LEDチップ120が放射した光のスペクトルが、ナノ蛍光体層160によって変換される。それにより、LED素子100は、視覚的に白色と認識される光(以下、単に白色光とも称される。)を放射する。以下、LED素子100を構成する各部材がより詳細に説明される。
【0034】
・・・(中略)・・・
【0040】
[ナノ蛍光体層160]
図4に示されるナノ蛍光体層160は、半導体量子ドットを含んだナノ蛍光体溶液が、樹脂層150の上面に塗布又は吹き付けられて硬化したものである。なお、説明の便宜上、図4のナノ蛍光体層160は、実際のものよりも厚みがあるように示されている。実際には、ナノ蛍光体層160は、厚さ数μmの薄膜である。ナノ蛍光体溶液は、透光性を有する硬化性の媒体に半導体量子ドットが含有されたものである。媒体には、例えば感光性樹脂が使用される。半導体量子ドットは、最大粒子径が50nm以下の微粒子であり、特定の波長の光子を吸収して、異なる波長の光子を放出するものである。半導体量子ドットには、離散的なエネルギー準位をとる電子が閉じこめられている。電子のエネルギー準位が変化することで、半導体量子ドットは光子を吸収・放出する。また、半導体量子ドットの結晶の大きさにより、半導体量子ドットが吸収・放出する光子のエネルギーは変化する(量子サイズ効果)。」

イ 以上を総合すると、引用例3には、次の事項が記載されていると認められる。
「LED素子100が半導体量子ドットを含んだナノ蛍光体層160を備え、LEDチップ120が放射した光のスペクトルが、ナノ蛍光体層160によって変換される。ナノ蛍光体層160は、半導体量子ドットを含んだナノ蛍光体溶液が、樹脂層150の上面に塗布又は吹き付けられて硬化したものであり、半導体量子ドットは、最大粒子径が50nm以下の微粒子であり、特定の波長の光子を吸収して、異なる波長の光子を放出するものである。」

(4)引用例4に記載された事項
ア 本願の出願前に日本国内において頒布された文献である引用例4(特開2011-133347号公報)には、図とともに以下の記載がある
a「【0001】
本発明は、例えば紙、鋼板等の帯状部材を成形する工程において、コンベアによって長手方向に移動する長尺物の表面を検査するラインセンサカメラ用の照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
・・・(中略)・・・
【0006】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、検査対象物上に形成されるとともに各光源の並設方向と直交する方向に細長く延びる傷の検知精度を向上することのできる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は前記目的を達成するために、所定方向に並設された複数の光源と、各光源の並設方向に延在するように設けられ、各光源からの光を主に各光源の並設方向と直交する方向に集光する集光レンズとを備え、各光源の光が前記集光レンズを通過して所定の照射位置に線状または帯状に照射される照明装置において、前記集光レンズと前記所定の照射位置との間に設けられ、集光レンズを通過した光のうち各光源の並設方向における所定の照射角度範囲外の光を前記所定の照射位置に照射されないように遮る遮光手段を備えている。
【0008】
これにより、集光レンズを通過した光のうち各光源の並設方向における所定の照射角度範囲外の光が遮光手段によって遮られるので、例えば前記所定の照射角度範囲が15°に設定されている場合は、各光源が中央から略50°の光照射範囲に大部分の光を照射するように構成されており、集光レンズを通過した光が各光源の並設方向に光源の光照射範囲と同等の角度範囲内の様々な方向に向かって進む場合でも、所定の照射角度範囲である15°の範囲以外の光が遮光手段によって遮られ、所定の照射位置には所定の照射角度範囲である15°内の光だけが照射される。」

b「【0012】
この照明装置は、図1に示すようにX方向に延びるように形成された略箱状の照明装置本体1と、X方向に並設された光源としての複数のLED2と、各LED2の並設方向に延在するように設けられた集光レンズとしての第1レンズ10及び第2レンズ20と、複数の光ファイバー30とを備えており、例えば製造工程において鋼板等の長尺帯状の検査対象物Wが長手方向に搬送されるコンベアの上方に検査対象物Wの幅方向(図1におけるX方向)に延在するように設けられ、検査対象物Wの上面の所定の照射位置ARに線状または帯状に光を照射するように構成されている。尚、以下の説明において水平方向は図1のX方向及びY方向が含まれる面とし、上下方向はX方向及びY方向に直交する方向とする。
【0013】
各LED2は周知の砲弾型のLEDから成るが、周知のチップ型のLEDや他のタイプのLEDを用いることも可能である。各LED2は互いにX方向に等間隔をおいて配置され、それぞれ照明装置本体1内に固定されている。
【0014】
第1レンズ10は各LED2の並設方向に延在するように設けられた周知のシリンドリカルレンズから成り、図1及び図4に示すように上面が平面状に形成され、下面が凸状に形成されている。
【0015】
第2レンズ20は各LED2の並設方向に延在するように設けられたシリンドリカルレンズであり、図1及び図4に示すように上面及び下面が凸状に形成されている。」

c「【0035】
尚、第1及び第2実施形態では、集光レンズとして2つのシリンドリカルレンズである第1及び第2レンズ10、20を用いるものを示した。これに対し、各レンズ10、20を設けずに集光レンズとして単一または複数の円柱形状のロッドレンズやリニアフレネルレンズを設けることも可能である。」

イ 以上を総合すると、引用例4には、次の事項が記載されていると認められる。
「ラインセンサカメラ用の照明装置に関するものであって、所定方向に並設された複数の光源と、各光源の並設方向に延在するように設けられ、各光源からの光を主に各光源の並設方向と直交する方向に集光する集光レンズとを備え、各光源の光が前記集光レンズを通過して所定の照射位置に線状または帯状に照射される照明装置において、前記集光レンズと前記所定の照射位置との間に設けられ、集光レンズを通過した光のうち各光源の並設方向における所定の照射角度範囲外の光を前記所定の照射位置に照射されないように遮る遮光手段を備えており、集光レンズとして単一または複数の円柱形状のロッドレンズやリニアフレネルレンズを設けることが可能であること。」

(3)引用例5に記載された事項
ア 本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された文献又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったものである引用例5(国際公開第2006/090858号)には、図とともに以下の記載がある
a「[0001]本発明は、発光装置及びそれを利用した発光物に関し、更に具体的には、透明体に光を導入するようにした発光装置及びそれを利用した発光物の明るさと発光の均一性の改良に関するものである。
・・・(中略)・・・
[0005]本発明は、以上の点に着目したもので、その目的は、利用目的に応じた十分な明るさで全体を均一に発光させることができ、温度上昇抑制及び消費電力の削減も図るとともに、全体の形状・サイズ変更にも容易に対応することができる発光装置及びそれを利用した発光物を提供することである。
課題を解決するための手段
[0006]前記目的を達成するため、本発明の発光装置は、透光性を有し、断面略円弧状ないし略円形の曲面部を有する透明体、前記曲面部に対して、前記透明体を介して外部力光を照射するとともに、前記透明体の表面と非密着状態ないし所定の間隔を保つように近接配置された少なくとも一つ以上の光源、前記透明体の外面に取り付けられるとともに、前記光源が内側に設けられたカバー手段、を備えたことを特徴とする。」

b「[0014]最初に、図1及び図2を参照しながら、本発明の実施例1を説明する。図1(A)は、本実施例の外観を示す斜視図、(B)は分解斜視図、(C)は前記(A)を#1?#1線に沿って切断し、矢印方向に見た断面図である。図2は、本実施例の回路図である。本実施例は、本発明の発光装置を、各種用途に用いられるライン状の照明器具に適用したものである。発光装置10は、断面略コ字状のライトカバー12内に、光源であるLED22と、該LED22に対して近接配置される断面略円形の棒状の透明体30が収納された構成となっている。前記透明体30の両端には、必要に応じて、端部カバー11が設けられる。前記ライトカバー12は、図1(B)及び(C)に示すように、開放部14の先端が若干すぼまった断面略コ字形状となっており、開放部14を若干外側に押し広げることができるような材料(例えば、アルミニウム板やプラスチック板など)で形成されている。
・・・(中略)・・・
[0019]次に、本実施例の作用を説明する。図1に示すように、発光装置10は、開放部14が照射側を向くようにして、任意の位置に設置される。あるいは、特定の場所に固定せずに、移動式としてもよい。前記スィッチ34をONにして、電源32からライトカバー12内に設けられたLED22に電気を供給して通電し、LED22を点灯させ、透明体30へ向けて光を照射する。LED22から照射された光は、透明体30との間に介在する空気層により、多方向から前記透明体30内へ入射し、更に、断面略円形の透明体30によるレンズ効果で屈折'発散され、ライトカバー12の開放部14から外部に向けて照射される。なお、光の照射範囲は、前記開放部14の形状によって決定される。このような状態の発光装置10を外部力も見ると、透明体30が長さ方向に均一に明るく発光しており、光の帯が形成されているように見える。」

c「[0036]次に、図7及び図8を参照して、本発明の実施例5について説明する。なお、上述した実施例1と同一または対応する構成要素には、同一の符号を用いることとする。図7(A)は、本実施例の分解斜視図、図7(B)は、前記(A)を組み立てた状態で#7?#7線に沿って切断し矢印方向に見た断面図、図7(C)は光の照射範囲を示す模式図である。本実施例は、上述した実施例1及び2と同様に、ライン状の長尺の透明体を用いた例であるが、透明体を2本用いることによって、光の照射範囲の拡大や調節を図ることが可能な構成となっている。図7(A)に示す発光装置150は、段差を設けたライトカバー152内に、光源であるLED22が複数設けられた基板18と、該LED22に対して非密着状態となるように近接配置される略棒状の透明体160と、該透明体160に接触する他の棒状の透明体162が収納された構成となっている。前記ライトカバー152の段差は、下段が透明体160を保持し、上段が透明体162を保持できる寸法に予め設定されている。このようなライトカバー152は、例えば、アルミニウム材の引き抜きなどによって形成される。また、前記LED22は、上述した実施例1と同様に、基板18上に複数配置されており、ライトカバー152の底面156に固定される。なお、基板18上の電極パターン20A及び20BやLED22の配置は、前記実施例1と同様である。
・・・(中略)・・・
[0038]前記実施例1で説明したように、長尺の透明体を用いることにより、光の帯を形成することが可能であるが、本実施例のように2つの透明体を利用することにより、前記光の帯の幅を、長手方向全体にわたって均一に広げることができる。例えば、透明体160のみを用いた場合、図7(C)に示す照射範囲164のように、光の帯は、両端側で幅が狭くなった形状となっている。これに対して、本実施例のように透明体162も併用すると、LED22側の透明体160を通過した光が更に外側の透明体162を通過することによって発散される。このため、外部に射出される光の幅が増幅し、図7(C)に照射範囲166で示すように、両端でほぼ均一な幅Wを有した光の帯を形成することができる。」

イ 以上を総合すると、引用例5には、次の事項が記載されていると認められる。
「透光性を有し、断面略円弧状ないし略円形の曲面部を有する透明体、前記曲面部に対して、前記透明体を介して外部力光を照射するとともに、前記透明体の表面と非密着状態ないし所定の間隔を保つように近接配置された少なくとも一つ以上の光源、および、前記透明体の外面に取り付けられるとともに前記光源が内側に設けられたカバー手段、を備え、断面略円弧状ないし略円形の曲面部を有する透明体に入射した光は、前記透光体によるレンズ効果で屈折・発散され、外部に向けて放射されるものにおいて、2つの透光体を利用することで、光源側の透明体を通過した光が、更に外側の透明体を通過することによって発散される光の照射範囲の拡大や調節を図ることが可能な構成となること。」

(3)引用例6に記載された事項
ア 本願の出願前に外国において頒布された文献である引用例6(米国特許出願公開第2007/0064409号明細書)には、図とともに以下の記載がある(日本語訳は当審で作成。)。
a「[0037]FIG. 1 through FIG. 3 show a first exemplary illumination device 10 in accordance with the present invention. As shown, the first exemplary illumination device 10 has an elongated array of point light sources 12 , a focusing rod positioned adjacent to and along the elongated array of point light sources 12 , a diffusing rod 16 positioned adjacent to and along the focusing rod 14 , and a housing 18 positioned around the array of point light sources 12 , the focusing rod 14 , and the diffusing rod 16 . In use, the array of point light sources 12 emits light into the focusing rod 14 which focuses the light into an elongated light distribution pattern and emits the focused light into the diffusing rod 16 . The diffusing rod 16 diffuses the light into an essentially uniform light intensity distribution pattern along the length of the diffusing rod 16 . ・・・(中略)・・・[0045] Returning now to FIG. 1 through FIG. 3 , the diffusing rod 16 is positioned adjacent to and along the focusing rod light-emitting surface 26 for receiving the focused light emitted by the focusing rod 14 . The diffusing rod 16 is for diffusing or scattering the received light into an essentially uniform light intensity distribution pattern, and emitting said diffused light.」
(日本語訳:[0037] 図1から図3は、本発明による第1の例示的な照明装置10を示している。図示のように、第1の例示的な照明装置10は、点光源12の細長いアレイ、点光源12の細長いアレイに隣接してそれに沿って配置された集束ロッド、集束ロッド14に隣接してそれに沿って配置された拡散ロッド16を有する。使用中、点光源12のアレイは、光を細長い光に集束する集束ロッド14に光を放射する。使用中、点光源12のアレイは、点光源12のアレイ、集束ロッド14、および拡散ロッド16の周りに配置される。 拡散ロッド16は、光を拡散ロッド16の長さに沿って本質的に均一な光強度分布パターンに拡散する。 ・・・(中略)・・・
[0045] ここで図1から図3に戻ると、拡散ロッド16は、集束ロッド14によって放出された集束光を受け取るために、集束ロッド発光面26に隣接してそれに沿って配置されている。拡散ロッド16は、受けた光を本質的に均一な光強度分布パターンに拡散または散乱させ、拡散光を放射するものである。)

イ 以上を総合すると、引用例6には、次の事項が記載されていると認められる。
「照明装置10が、点光源12の細長いアレイ、点光源12の細長いアレイに隣接してそれに沿って配置された集束ロッド、集束ロッド14に隣接してそれに沿って配置された拡散ロッド16を有し、拡散ロッド16は、集束ロッド14によって放出された集束光を受け取るために、集束ロッド発光面26に隣接してそれに沿って配置されており、拡散ロッド16は、受けた光を本質的に均一な光強度分布パターンに拡散または散乱させ、拡散光を放射すること。」

5 当審の判断
(1)本願発明1について
ア 対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
a 引用発明の「半導体レーザ素子2a」は、発光するものであるから、本願発明1の「光子を放出する半導体発光素子」に相当する。

b 引用発明の「光透過体5は、例えば、球面レンズ、非球面レンズ、シリンドリカルレンズ、楕円レンズ等のレンズを備えることができ、当該レンズは半導体レーザ素子2aからの出射された光が、波長変換部材7に集光され」るものであるから、当該光透過体5は、本願発明1の「半導体発光素子から放出された光子が入射される少なくとも1つのレンズ」に相当する。

c 引用発明においては、「光透過体5は、例えば、・・・等のレンズを備えることができ、当該レンズは半導体レーザ素子2aからの出射された光が、波長変換部材7に集光される」ところ、「波長変換部材7は、粒子である蛍光体をバインダで固めたものであ」り、また、「波長変換部材7はレンズ形状であ」るから、当該「波長変換部材7」は、本願発明1の「該レンズに入射し透過した光子が入射される、蛍光体粒子を含有する蛍光体含有レンズ」に相当する。

d 引用発明の、「光透過体5は、例えば、・・・等のレンズを備えることができ、当該レンズは半導体レーザ素子2aからの出射された光が、波長変換部材7に集光される」構成は、本願発明1の「該レンズに入射し透過した光子の収束点が、蛍光体含有レンズの内部となるように蛍光体含有レンズが配置されて」いることに相当する。

e 引用発明の「半導体レーザ装置1」と、本願発明1の「バックライト発光素子」とは、「発光素子」である点で一致する。

イ よって、両者は以下の点で一致する。
「光子を放出する半導体発光素子と、
半導体発光素子から放出された光子が入射される少なくとも1つのレンズと、
該レンズに入射し透過した光子が入射される、蛍光体粒子を含有する蛍光体含有レンズとを備え、
該レンズに入射し透過した光子の収束点が、蛍光体含有レンズの内部となるように蛍光体含有レンズが配置されている、
発光素子」

ウ 一方、両者は以下の各点で相違する。
《相違点1》
本願発明1は、「蛍光体粒子が50ナノメートル以下の直径を有する少なくとも1種の量子ドット蛍光体粒子であ」るとの構成を備えるのに対し、引用発明は、当該構成を備えない点。

《相違点2》
本願発明1は、「前記レンズが、半導体発光素子から放出された光子を入射する略円形断面を有する第1の棒状レンズと、前記第1の棒状レンズから放出された光子を入射する略円形断面を有する第2の棒状レンズとから構成される」との構成を備えるのに対し、引用発明においては、「光透過体5は、例えば、球面レンズ、非球面レンズ、シリンドリカルレンズ、楕円レンズ等のレンズを備えることができ、当該レンズは半導体レーザ素子2aからの出射された光が、波長変換部材7に集光される限り、どのような形状でもよく、光透過体5と離間して別部材とし、光源と波長変換部材7との間に、複数枚並べて配置してもよいものであ」るものの、本願発明1にかかる前記特定まではされていない点。

《相違点3》
本願発明1は、「バックライト発光素子」であるのに対し、引用発明は、「半導体レーザ装置1」であって、「発光素子」には対応するものの、「バックライト発光素子」であるとまでは言えない点。

エ 判断
(ア)事案にかんがみ、まず相違点2について検討する。
a 前記4(1)イに記載したとおり、引用発明においては、「封止用キャップ4の開口部分を閉塞するように光透過体5が装着され」るものであり、「外側キャップ6において、・・・、キャップの厚み方向において内外と貫通する第2貫通孔11が形成され、第2貫通孔11には波長変換部材7が封止されて」いる構成と併せて、「気密性が一層高まるため、素子のライフ特性を向上させることができる」(前記4(1)アb;段落【0025】)との課題解決がされるものである。

b 一方、前記4(4)イに記載したとおり、引用例4に記載された技術は、「所定方向に並設された複数の光源と、各光源の並設方向に延在するように設けられ、各光源からの光を主に各光源の並設方向と直交する方向に集光する集光レンズとを備え、各光源の光が前記集光レンズを通過して所定の照射位置に線状または帯状に照射される照明装置」であって、「集光レンズとして単一または複数の円柱形状のロッドレンズやリニアフレネルレンズを設けることが可能であること」であるものの、1つの容器内に発光素子が封止されたものにおいて、複数の円柱形状のロッドレンズを設ける技術とは言えない。

c また、前記4(5)イに記載したとおり、引用例5に記載された技術は、「断面略円弧状ないし略円形の曲面部を有する透明体に入射した光は、前記透光体によるレンズ効果で屈折・発散され、外部に向けて放射されるものにおいて、2つの透光体を利用することで、光源側の透明体を通過した光が、更に外側の透明体を通過することによって発散される光の照射範囲の拡大や調節を図ることが可能な構成となること」であって、「光源側の透明体」は集光作用を備えるものでありうるが、光源から離れた方の「断面略円弧状ないし略円形の曲面部を有する透明体」においては、「入射した光は、前記透光体によるレンズ効果で屈折・発散され、外部に向けて放射される」のであるから、集光作用を有するものとはいいがたい。
これに対し、引用発明における「光透過体5」は、「半導体レーザ素子2aからの出射された光が、波長変換部材7に集光される」作用を有するものであるから、当該「光透過体5」として、引用例5にかかる技術のものを採用することには阻害要因があるというべきである。
なお、前記4(1)アc(特に段落【0051】)に摘記したとおり、引用例1には、「光透過体5」として、光の進行方向を拡散できるものが例示されているが、引用発明が当該構成を有するものとすると、引用発明は、本願発明1にかかる「該レンズに入射し透過した光子の収束点が、蛍光体含有レンズの内部となるように蛍光体含有レンズが配置されており」との構成は備えないものとなる。

d また、前記4(6)イに記載したとおり、引用例6に記載された技術は、「照明装置10が、点光源12の細長いアレイ、点光源12の細長いアレイに隣接してそれに沿って配置された集束ロッド、集束ロッド14に隣接してそれに沿って配置された拡散ロッド16を有し、拡散ロッド16は、集束ロッド14によって放出された集束光を受け取るために、集束ロッド発光面26に隣接してそれに沿って配置されており、拡散ロッド16は、受けた光を本質的に均一な光強度分布パターンに拡散または散乱させ、拡散光を放射すること」であるから、当該「集束ロッド」及び「拡散ロッド」からなる構成が集光作用を有するものとはいえない。
それゆえ、上記cと同様の理由により、当該「光透過体5」として、引用例6にかかる技術のものを採用することには阻害要因があるというべきである。

e また、仮に、「略円形断面を有する第1の棒状レンズと、前記第1の棒状レンズから放出された光子を入射する略円形断面を有する第2の棒状レンズとから構成される」ものが、一般的な集光光学系として周知であるとしても、容器に封止された半導体レーザ素子(または、発光ダイオード素子)について、素子を封止するキャップの開口部において、「略円形断面を有する第1の棒状レンズと」「略円形断面を有する第2の棒状レンズとから構成される」集光光学系を設ける動機は見いだせない。さらに、前記キャップ開口部において、略円形断面を有する棒状レンズを設ける構造自体が一般的なものともいえない。
よって、仮に、「略円形断面を有する第1の棒状レンズと、前記第1の棒状レンズから放出された光子を入射する略円形断面を有する第2の棒状レンズとから構成される」ものが、一般的な集光光学系として周知であるとしても、当該構成を引用発明の「光透過体5」として採用することは、当業者が容易になしえたこととは言えない。

f 従って、引用発明において相違点2を備えることは、引用例4ないし6に記載された技術を勘案しても、当業者が容易になし得たこととはいえない。

(イ)まとめ
よって、相違点1及び3について検討するまでもなく、本願発明1は、引用例4ないし6に記載された技術を勘案しても、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

オ 本願発明2ないし6について
本願の請求項2ないし6は、いずれも請求項1を引用するものであるから、当該各請求項に係る本願発明2ないし本願発明6は、本願発明1に係る発明特定事項を含むものである。
そして、前記ア?エで検討したとおり、本願発明1は、引用例4ないし6に記載された技術を勘案しても、引用例1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえないから、同様に、本願発明2ないし本願発明6については、引用例4ないし6に記載された技術を勘案しても、引用例1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

6 むすび
以上のとおりであるから、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2020-02-27 
出願番号 特願2014-79180(P2014-79180)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H01L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 大和田 有軌  
特許庁審判長 井上 博之
特許庁審判官 近藤 幸浩
野村 伸雄
発明の名称 バックライト発光素子及び液晶表示装置  
代理人 特許業務法人ライトハウス国際特許事務所  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ